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発明の名称 処理システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−27378(P2007−27378A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−206850(P2005−206850)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100090125
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 章弘
発明者 石沢 繁 / 広木 勤 / 新藤 健弘 / 町山 弥
要約 課題
基板搬送機構を水平移動させるスライダ機構等の熱変位による影響を抑制して基板の搬送精度を高めることが可能な処理システムを提供する。

解決手段
基板Wに処理を施す処理システムにおいて、複数の処理チャンバPC1〜PC6と、所定の長さを有して処理チャンバが共通に連結された共通搬送室8と、共通搬送室の長手方向へ移動可能になされたベース台54を有するスライダ機構50と、ベース台に取り付けられて屈伸及び旋回可能になされた基板搬送機構16と、基板搬送機構に保持されている基板の位置ずれを検出するためにベース台を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて配置された複数の位置ずれ検出ユニット64、66と、いずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うように基板搬送機構の動作を制御するユニット制御部76とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板に対して所定の処理を施す処理システムにおいて、
前記基板に対して所定の処理を施すための複数の処理チャンバと、
一方向に所定の長さを有すると共にその側部に前記処理チャンバが共通に連結された共通搬送室と、
一端部に駆動源を有すると共に、前記共通搬送室にその長手方向に沿って移動可能になされたベース台を有するスライダ機構と、
前記ベース台に取り付けられると共に前記基板を保持しつつ搬送して前記処理チャンバに対して前記基板を搬出入させるために屈伸及び旋回可能になされた基板搬送機構と、
前記基板搬送機構に保持されている前記基板の位置ずれを検出するために前記ベース台を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて配置された複数の位置ずれ検出ユニットと、
前記複数の位置ずれ検出ユニットの内のいずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うように前記基板搬送機構の動作を制御するユニット制御部と、
を備えたことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
前記基準検出値を得るための位置ずれ検出ユニットは、前記駆動源が配置されている場所の近傍に設けられている位置ずれ検出ユニットであることを特徴とする請求項1記載の処理システム。
【請求項3】
前記スライダ機構は、一端部に前記駆動源が連結されて正逆回転されるボールネジを有することを特徴とする請求項1または2記載の処理システム。
【請求項4】
前記駆動源は、駆動により発熱する電動機よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の処理システム。
【請求項5】
前記ユニット制御部は、前記基板検出値と前記他の位置ずれ検出ユニットの前記検出値との差を熱位置ずれ量として記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の処理システム。
【請求項6】
前記記憶部に記憶されている熱位置ずれ量は、前記基板を複数枚搬送する毎、または所定の時間毎に更新されることを特徴とする請求項5記載の処理システム。
【請求項7】
前記共通搬送室は真空雰囲気になされており、前記共通搬送室には真空引き及び大気圧復帰が可能になされたロードロック室が連結されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の処理システム。
【請求項8】
前記ロードロック室には、前記基板を搬出入するためのローダ室が連結されていると共に、前記ローダ室には他の基板搬送機構が設けられることを特徴とする請求項7記載の処理システム。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の基板を基板搬送機構により搬送してこの基板に対して所定の処理を施すための処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスを製造する際の装置としては、半導体ウエハ等の基板に対して所定の処理を繰り返し施すために、多種多様な処理チャンバが共通搬送室を介して組み合わせた処理システムが知られている。この処理システムでは、これらのチャンバ同士間及び基板を多数枚収容するカセットと上記チャンバとの間などに基板を自動的に受け渡しを行なうために基板搬送機構が設けられている。この基板搬送機構は、例えば屈伸及び旋回自在になされた搬送アーム部を有しており、この搬送アーム部の先端に設けたピックに基板を保持させた状態で、これを搬送位置(移載位置)まで水平移動して基板を所定の位置まで搬送するようになっている。また処理システムによっては、共通搬送室を長く設定して、上記基板搬送機構を共通搬送室の長手方向に沿って移動できるように構成した処理システムも知られている。
【0003】
この場合、搬送アーム部の動作中にこれが他の部材と干渉乃至衝突することを避けなければならないばかりか、ある一定の場所に置かれている基板を適正に保持し、且つこの基板を目的とする位置まで搬送し、適正な場所に精度良く受け渡す必要がある。
例えば上記基板に所定の処理を施す装置として、複数の処理チャンバと、これらの各チャンバを共通に連結した共通搬送室とを有し、この共通搬送室内に設けた基板搬送機構により、各処理チャンバ間に基板を搬入搬出させるようにした処理システムが知られている。そして、この共通搬送室の天井部、或いは底部には、上記各処理チャンバの入口付近に対応させてピック上に基板を支持しているか否かを検知する基板存否検出用の光学センサを設けており、基板がピック上に存在すること、或いは存在しないことを確認して、例えば処理チャンバとの間を仕切るゲートバルブの開閉を行うようになっている。
【0004】
この種の処理システムでは、例えば特許文献1、2に開示されているように上記複数の処理チャンバの内の特定の処理チャンバの入口付近に光検出センサを設けて基板位置を検出することにより、基板がピック上に位置精度良く正しく保持されているか否かを検出するようにしたり、或いは特許文献3に開示されているように、共通搬送室にラインセンサを設けると共に、搬送アーム部にウイングを設け、これと基板との相対位置関係を検出することにより、基板がピック上に位置精度良く正しく保持されているか否かを検出するようになっている。そして、ここで位置ずれが判明した場合には、その位置ずれ量を相殺するように搬送アーム部の動作を制御するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−64971号公報
【特許文献2】特開平10−223732号公報
【特許文献3】特開2001−338969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述した共通搬送室を長く設定し、その側壁に複数の処理チャンバを連結したような構成の処理システムにあっては、基板搬送機構をスライダ機構によって共通搬送室の長手方向へ移動可能に設けることが一般的に行われている。
この場合、上述したような光検出センサを用いた位置ずれ検出機構は、基板搬送機構の基軸となる旋回軸は、常に一定の場所に位置して、固定されていることを前提としているため、例えば上記スライダ機構が、この動力源や基板搬送機構の動力源の発する熱により熱伸縮してその長さが僅かに変動した場合には、基板搬送機構の停止位置が予め設定した位置とは異なってしまうことも発生してしまう。このような場合は、基板搬送機構の基軸となる旋回軸が水平方向に僅かな距離だけずれた状態となり、これに起因して基板を処理チャンバ内に精度良く載置乃至移載することができなくなる、といった問題があった。
【0007】
特に上記熱源の発生する熱は、スライダ機構のみならず、処理システムの各構成部品に熱変形を支える原因となり、処理システムの電源投入後において熱均衡に至るまで、基板の搬送精度が著しく低下する、という問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、基板搬送機構を水平移動させるスライダ機構等の熱変位による影響を抑制して、基板の位置ずれ量を少なくし、もって基板の搬送精度を高めることが可能な処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、基板に対して所定の処理を施す処理システムにおいて、前記基板に対して所定の処理を施すための複数の処理チャンバと、一方向に所定の長さを有すると共にその側部に前記処理チャンバが共通に連結された共通搬送室と、一端部に駆動源を有すると共に、前記共通搬送室にその長手方向に沿って移動可能になされたベース台を有するスライダ機構と、前記ベース台に取り付けられると共に前記基板を保持しつつ搬送して前記処理チャンバに対して前記基板を搬出入させるために屈伸及び旋回可能になされた基板搬送機構と、前記基板搬送機構に保持されている前記基板の位置ずれを検出するために前記ベース台を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて配置された複数の位置ずれ検出ユニットと、前記複数の位置ずれ検出ユニットの内のいずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うように前記基板搬送機構の動作を制御するユニット制御部と、を備えたことを特徴とする処理システムである。
【0009】
本発明によれば、共通搬送室において基板搬送機構が取付られたベース台を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて複数の位置ずれ検出ユニットを配置し、これらの位置ずれ検出ユニットの内のいずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うようにしたので、基板搬送機構を水平移動させるスライダ機構等の熱変位による影響を抑制して、基板の位置ずれ量を少なくし、その結果、基板の搬送精度を高めることができる。
【0010】
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記基準検出値を得るための位置ずれ検出ユニットは、前記駆動源が配置されている場所の近傍に設けられている位置ずれ検出ユニットである。
また例えば請求項3に規定するように、前記スライダ機構は、一端部に前記駆動源が連結されて正逆回転されるボールネジを有する。
また例えば請求項4に規定するように、前記駆動源は、駆動により発熱する電動機よりなる。
【0011】
また例えば請求項5に規定するように、前記ユニット制御部は、前記基板検出値と前記他の位置ずれ検出ユニットの前記検出値との差を熱位置ずれ量として記憶する記憶部を有する。
また例えば請求項6に規定するように、前記記憶部に記憶されている熱位置ずれ量は、前記基板を複数枚搬送する毎、または所定の時間毎に更新される。
また例えば請求項7に規定するように、前記共通搬送室は真空雰囲気になされており、前記共通搬送室には真空引き及び大気圧復帰が可能になされたロードロック室が連結されている。
また例えば請求項8に規定するように、前記ロードロック室には、前記基板を搬出入するためのローダ室が連結されていると共に、前記ローダ室には他の基板搬送機構が設けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る処理システムによれば、共通搬送室において基板搬送機構が取付られたベース台を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて複数の位置ずれ検出ユニットを配置し、これらの位置ずれ検出ユニットの内のいずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うようにしたので、基板搬送機構を水平移動させるスライダ機構等の熱変位による影響を抑制して、基板の位置ずれ量を少なくし、その結果、基板の搬送精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明に係る処理システムの一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る基板搬送機構を用いた処理システムを示す概略構成図、図2は基板搬送機構と位置ずれ検出ユニットの関係を示す模式図、図3は位置ずれ検出ユニットの一例を示す図、図4はスライダ機構を示す概略斜視図、図5はスライダ機構のボールネジに起因する熱伸縮の影響を説明する説明図である。
【0014】
まず、図1を参照してクラスタツール型の処理システムについて説明する。この処理システム2は、例えば半導体ウエハ等の円形の基板Wに対して成膜処理、拡散処理、エッチング処理等の各種の処理を行なう処理ユニット4よりなり、この処理ユニット4には、この処理ユニット4に対して基板Wを搬入、搬出させる搬送ユニット6が連結されている。
【0015】
処理ユニット4は、真空引き可能になされた共通搬送室8と、ゲートバルブ10A〜10Fを介して連結された6つの処理チャンバPC1〜PC6よりなり、各チャンバPC1〜PC6において同種の或いは異種の熱処理を基板Wに対して施すようになっている。各チャンバPC1〜PC6内には、基板Wを載置するためのサセプタ14A〜14Fがそれぞれ設けられる。また、共通搬送室8内には、屈伸及び旋回自在になされた第1の基板搬送機構16が設けられ、各チャンバ12A〜12F間や後述するロードロック室間と基板Wの受け渡しを行なうようになっている。尚、この第1の基板搬送機構16の構成は後述する。
【0016】
一方、搬送ユニット6は、カセット容器を載置するカセットステージ18と基板Wを搬送して受け渡しを行なうための第2の基板搬送機構20を移動させる搬送ステージ22よりなる。カセットステージ18には、容器載置台24が設けられ、ここに複数、図示例にあっては最大4つのカセット容器26A〜26Dを載置できるようになっている。各カセット容器26A〜26Dには、最大例えば25枚のウエハWを等ピッチで多段に載置して収容できるようになっている。
搬送ステージ22には、その中心部を長さ方向に沿って延びる案内レール28が設けられており、この案内レール28に上記第2の基板搬送機構20がスライド移動可能に支持されている。この案内レール28には、移動機構として例えばボールネジ(図示せず)が並設されており、このボールネジに上記第2の基板搬送機構20の基部が嵌装されており、このボールネジの端部に設けた駆動モータ32を回転駆動することにより、第2の基板搬送機構20は案内レール28に沿って移動することになる。
【0017】
また、搬送ステージ22の他端には、基板の位置決めを行なう位置決め機構としてのオリエンタ36が設けられ、このオリエンタ36は回転台36Aと基板のエッジを検出する光センサ36Bとにより主に構成される。更に、搬送ステージ22の途中には、上記共通搬送室8との間を連結するために真空引き可能になされた2つのロードロック室38A、38Bが設けられる。各ロードロック室38A、38B内には、基板Wを載置する基板載置台40A、40Bが設けられると共に、各ロードロック室38A、38Bの前後には、共通搬送室8或いは搬送ステージ22へ連通するためのゲートバルブ42A、42B及び44A、44Bがそれぞれ設けられる。そして、この処理システム2の全体の動作は、例えばマイクロコンピュータ等よりなる装置制御部46によりその動作が制御されるようになっている。
【0018】
上記共通搬送室8は、一方向、図1中では上下方向に沿って長くなされて所定の長さを有しており、その側部に上述のように6個の処理チャンバPC1〜PC6を連結されているが、ここでは各処理チャンバPC1〜PC6に対して1つの基板搬送機構16により基板Wの搬出入を行うために、この基板搬送機構16は共通搬送室8の長手方向に沿って移動可能になされている。具体的には、この共通搬送室8内の底部には、上記基板搬送機構16を長手方向へ移動させるためのスライダ機構50(図4参照)が設けられている。図4にも示すように、このスライダ機構50は、上記共通搬送室8の底部に、その長手方向に沿って設けられた2本の案内レール52を有しており、この案内レール52上に内部が空中になされたベース台54がスライド移動可能に設けられている。そして、この案内レール52の一側に、これに沿ってボールネジ56が設けられると共に、このボールネジ56の一端部、図1中では下端部側に駆動源58が連結されている。この駆動源58としては、例えばサーボモータ等の電動機が用いられる。
【0019】
この駆動源58は、図2にも示すように、共通搬送室8の区画壁8Aの外側(大気側)に配置されており、気密性を維持するための磁性流体シール59を介してこの区画壁8Aを貫通して設けられた上記ボールネジ56の端部に連結されている。そして、上記ボールネジ56は、上記ベース台54の一側に螺合されており、上記駆動源58によりこのボールネジ56を正逆回転させることにより、上記ベース台54を共通搬送室8の長手方向(X方向)へ往復移動できるようになっている。そして、このベース台54に上記第1の基板搬送機構16が取り付けられている。
【0020】
上記第1の基板搬送機構16(図1参照)は、左右に対向するように配置した一対の搬送アーム部60を有しており、各搬送アーム部60は同一の回転軸を中心として、屈伸及び旋回可能になされている。そして、各搬送アーム部60の先端には、基板Wを載置して保持するための2股状のピック62が設けられており、このピック62上に基板Wを載置して搬送目標位置へ搬送(移載)したり、或いは基板Wを取り出して搬出できるようになっている。この第1の基板搬送機構16により、基板Wは処理チャンバ12A〜12F間や処理チャンバ12A〜12Fとロードロック室38A、38Bとの間で移載が行われる。尚、この基板搬送機構16の構成は、これに限定されず、例えば本出願人が先に特願2004−203778にて開示したように2つのピックが同方向、或いは60度程度の開き角で前進・後退できるようにした基板搬送機構等を用いることもできる。
【0021】
そして、上記ベース台54を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて複数、図示例では2つの位置ずれ検出ユニット64、66が配置されており、基板搬送機構16に保持されている基板Wの位置ずれを検出できるようになっている。すなわち、ここではスライダ機構80の両端部がベース台54を停止させるべき位置(停止位置)となっている。ここではロードロック室38A、38B側を第1の停止位置68Aとし、反対側を第2の停止位置68Bとする。
【0022】
ここで第1の基板搬送機構16と上記位置ずれ検出ユニット64、66との関係を1つの搬送アーム部60を例にとって、図2及び図3を参照して説明する。上記搬送アーム部60は、図2に示すように、例えば2軸が同軸状に回転自在に且つ気密になされた同軸回転軸70に屈曲及び旋回可能に支持されている。この搬送アーム部60は、屈伸用モータ72Aの正逆回転により搬送アーム部60を屈伸させ、旋回用モータ72Bの正逆回転により搬送アーム部60を旋回動作できるようになっている。この搬送アーム部60の先端に、上述したように2股のピック62が取り付けられる。
【0023】
そして、上記屈伸モータ72Aや旋回用モータ72Bは上記中空状のベース台54内へ収容されている。このベース台54からは、上記モータの配線が収容されて屈曲可能になされた配線ダクト(図示せず)が引き出される。
上記各位置ずれ検出ユニット64、66は、それぞれ同じ構成になっており、例えば基板Wの円形軌跡に沿って所定間隔ずつ隔てて配置された3つの発光素子74Aと、これらに対応させて設けたラインセンサのような受光素子74Bとよりなり、基板Wのエッジを検出してその位置ずれ量を測定できるようになっている。尚、図3においては、発光素子74Aと受光素子74Bは共に2つ記す。これらの位置ずれ検出ユニット64、66としては、例えば特開平10−223732号公報等に開示されているようなセンサ機構を用いることができるが、これに限定されないのは勿論である。
【0024】
そして、上記位置ずれ検出ユニット64、66は、これらの内のいずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うように上記基板搬送機構16の動作を制御する例えばマイクロコンピュータよりなるユニット制御76に接続されている。ここでは発熱量の大きなスライダ機構50の駆動源58の近傍に設けられている位置ずれ検出ユニット64の検出値が基準検出値として用いられる。その理由は、上記スライダ機構50のボールネジ56は、上記発熱する駆動源58を起点として熱伸縮するので、この熱伸縮量はボールネジ56の基端部(ロードロック室側)で最も小さく、先端部側で最も大きくなるからである。
またこのユニット制御部76は、上記基準検出値と他方の位置ずれ検出ユニット66の検出値との差を熱位置ずれ量として必要に応じて記憶する記憶部78を有している。尚、このユニット制御部76は、先の装置制御部46の支配下で動作する。
【0025】
図1に戻って、上記第2の基板搬送機構20は、高さを異ならせて上下2段に並ぶように配置した一対の搬送アーム部80を有しており、各搬送アーム部80は同一の回転軸を中心として、一体的に旋回可能になされると共に、それぞれ同一方向へ屈伸可能になされている。そして、各搬送アーム部80の先端には、基板Wを載置して保持するための2股状のピック82が設けられており、このピック82上に基板Wを載置して搬送目標位置へ搬送(移載)したり、或いは基板Wを取り出して搬出できるようになっている。この第2の基板搬送機構20により、基板Wはカセット容器26A〜26D、ロードロック室38A、38B及びオリエンタ36間で移載が行われる。
【0026】
次に、以上のように構成された処理システム2を用いて行われる基板Wの搬送方法及び処理方法について説明する。
まず実際に基板の搬送動作を開始する前に第1及び第2の基板搬送機構16、20の動作の基準となる基準位置(停止位置)、すなわち動作の起点及び動作の終点の各座標をティーチング操作により教え込む。具体的には、第1の基板搬送機構16を例にとると、この第1の基板搬送機構16の各ピック62に基板をマニュアル等によって高い位置精度で適正に載置し、各位置ずれ検出ユニット64、66の発光素子74A及び受光素子74Bが設けられている各停止位置68A、68B(図1参照)における座標を停止基準位置として設定する。これにより、搬送アーム部60のピック62はこの停止基準位置に正確に停止したり、この停止基準位置を起点として動作が開始する。他方の第2の基板搬送機構20に対しても、上記第1の基板搬送機構16と同様に、各停止基準位置を設定しておく。
【0027】
次に、基板(製品基板)を実際に搬送してこれに所定の処理を施す時の搬送過程について概略的に説明する。
まず、図1に示すように、カセットステージ18の容器載置台24上に載置されたカセット容器26A〜26Dから、第2の基板搬送機構20のいずれか一方の搬送アーム部80を用いて基板Wを取り出し、この基板Wを搬送ステージ22の端部に設けた位置決め機構であるオリエンタ36へ搬送する。このオリエンタ36では、上記基板Wの中心の位置ずれ量、ノッチやオリエンテーションフラットの方向を検出し、上記搬送アーム部80で上記基板Wを再度保持する際に、上記位置ずれ量を補正するようにし、またノッチやオリエンテーションフラットを所定の方向に方向付けするようにして基板Wを再度保持する。
【0028】
そして、この基板Wを、2つのロードロック室38A、38Bの内のいずれか一方の、例えばロードロック室38Aまで搬送し、搬送アーム部80を屈伸させることによって、この基板Wをロードロック室38A内へ搬入する。
このロードロック室38Aの基板Wは、共通搬送室8内に設けた第1の基板搬送機構16のいずれか一方の搬送アーム部60を旋回及び屈伸させることによって共通搬送室8内へ取り込まれ、その後、6つの処理チャンバ12A〜12Fの内の所定の処理チャンバへ搬入されて所定の処理が施される。
この基板Wは、所定の単数、或いは他の処理チャンバにて複数の処理が順次行われた後に、前記したとは逆の経路を辿り、ロードロック室を介してカセット容器内へ収容されて元に戻されることになる。
【0029】
次に、第1の基板搬送機構16を用いて基板Wを移載する際に、その基板Wの中心位置の位置ずれを、ボールネジ56の熱伸縮量も含めて補正(相殺)して移載する時の動作について、図6及び図7も参照して説明する。図6は従来の処理システムと本発明の処理システムのアーム停止位置精度を示すグラフ、図7は基板の中心位置のずれ量(ボールネジの熱伸縮量も含む)を相殺して搬送する時の各工程を示すフローチャートである。
まず、本発明で重要な点は、スライダ機構50のボールネジ56を主とする基板搬送系の各部が、この処理システム2に設けられている各種の駆動源、例えば第1の基板搬送機構16の屈伸用モータ72Aや旋回用モータ72B、或いはスライダ機構50の駆動源58等からの発熱によって熱変位を受けるが、この熱変位が基板の搬送精度に悪影響を与えることを抑制する点にある。
【0030】
特に、スライダ機構50のボールネジ56は、その一端部に取り付けてある電動機よりなる駆動源58からの多量の発熱により、その長手方向(X方向)に大きく熱伸縮する。例えば図1及び図5に示すボールネジ56の長さは、例えば70〜100cm程度であるが、このボールネジ56の駆動源58側は、動作開始前の室温状態から例えば50℃程度まで上昇し、これに伴ってボールネジ56自体も、図5中において右方向へ熱変形して伸長する。図5では第1の停止位置68Aにおける基板Wの適正位置(X0、Y0)と第2の停止位置68Bにおける基板Wの適正位置(X0、Y0)とを実線で示しているが、ボールネジ56が熱変形によってΔXthだけ延びた時には、仮相線で示す基板位置(X1、Y1)に基板がずれて停止してしまうことになる。
【0031】
すなわち、ピック62に保持されている基板Wは、第1及び第2の停止位置68A、68Bにおいては、ピック62に対しては位置ずれしていないが、ボールネジ56自体が熱により伸長したため(位置ずれ検出ユニット66の熱変位は無しと仮定する)、実際にはΔXth(=(X1−X0))だけ位置ずれした状態となっている。この点を、図6(A)に示すグラフを用いて説明すると、図6(A)は従来のシステムであって、本発明の特徴とする熱伸縮補正を行っていない時のアーム停止位置精度のグラフを示している。ここで横軸には基板Wの搬送回数を示している。尚、ここではボールネジ56の昇温が飽和した時の状態を基準として停止位置を設定している。
【0032】
この図から明らかなように、搬送開始当初は、アーム停止位置精度は−0.1mm程度となって基準下限値(−0.05mm)よりも悪く、そして、搬送回数を重ねるに従ってボールネジ56が昇温してくることから、アーム停止位置精度も次第に向上し、略500回程度の搬送回数で基準下限値に達している。そして、更に搬送回数を重ねて、略1000回の搬送回数になると、ボールネジ56の昇温が飽和するので、アーム停止位置精度も良好な状態で安定することになる。このように、少なくとも略500回程度の搬送回数までは、アーム停止位置精度は十分とはいえないことが判る。尚、動作開始から500回搬送回数までの時間は、例えば24時間程度である。
【0033】
そこで、本発明では、第2の停止位置68Bに設けた第1の停止位置68Aに設けた位置ずれ検出ユニット64の検出値(X0、Y0)を基準検出値とし、この基準検出値と他方の位置ずれ検出ユニット66の検出値(X1、Y1)との差を熱位置ずれ量として、基板Wを移載する際にこの熱位置ずれ量を相殺するように熱伸縮補正を行う。尚、実際には、ロードロック室内の基板Wを第1の基板搬送機構16のピック62で受け取った際にも、僅かな位置ずれが生ずる場合があるので、熱伸縮によらない通常の位置ずれ量も加味して上記補正を行うことになる。また、水平面内で上記X方向と直交するY方向(共通搬送室8の幅方向)への熱変位による位置ずれも考えられるので、実際にはY方向への位置ずれも考慮して位置補正を行う。
【0034】
さて、上記補正動作を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、オリエンタ36にて方向付けされた後に基板Wは、一方のロードロック室、例えばロードロック室38A内に搬入して載置されており、この基板Wを第1の停止位置68Aに位置されている第1の基板搬送機構16のピック62で受け取る(S1)。
次に、基準用の位置ずれ検出ユニット64によりこのピック62に保持されている基板Wの位置座標(X0、Y0)を測定して、これを基準検出値とする(S2)。
次に、この位置座標(X0、Y0)に基づいてピック62上における位置ずれ量(ΔX、ΔY)を求める(S3)。
【0035】
そして、この基板Wの搬入先(搬送目標位置)を判断し(S4)、搬入先が処理チャンバPC1、または処理チャンバPC6の場合には、上記位置ずれ量(ΔX、ΔY)を補正した状態で基板Wを処理チャンバPC1、または処理チャンバPC6内へ搬入して移載する(S5)。
また搬入先が、処理チャンバC2〜PC5の内のいずれかの処理チャンバの場合には(S4)、スライダ機構50を駆動してベース台54及びこれに設けられている第1の基板搬送機構16を第2の停止位置68Bへ移動させる(S6)。そして、ここに設けてある位置ずれ検出ユニット66によりピック62上の基板Wのエッジを検出して位置座標(X1、Y1)を測定する(S7)。
【0036】
次に、先の基準となる位置座標(X0、Y0)と上記検出した位置座標(X1、Y1)との差を得ることによって、熱位置ずれ量(ΔXth、ΔYth)を求める(S8)。ここで上記熱位置ずれ量(ΔXth、ΔYth)は以下の式で求められる。
ΔXth=X1−X0
ΔYth=Y1−Y0
これにより、X方向及びY方向への熱変位量が得られることになる。尚、前述したように実際にはX方向と比較してY方向への熱変位量は非常に少ない。
【0037】
次に、上述のように熱位置ずれ量を求めたならば、これに先に得られた位置ずれ量(ΔX、ΔY)を加味して、これらの全体の位置ずれ量を相殺するように補正した状態で基板Wを所定の処理チャンバ内へ搬入して移載することになる(S9)。これにより、基板Wの移載が完了することになる。
上述したような、熱変位による熱位置ずれ量を加味した補正は、装置を始動した当初はアーム停止位置精度が低いことから(図6(A)参照)、基板Wを搬送する毎に毎回行うのが好ましいが、装置始動後、ある程度以上の時間が経過したならば、直近の熱位置ずれ量を記憶部78に記憶しておいてこの記憶した熱位置ずれ量を用いて熱伸縮補正を行い、そして、例えば所定の複数枚の基板を搬送する毎に、或いは所定の時間経過する毎に上記記憶部78に記憶してあった熱位置ずれ量を更新するようにしてもよい。
【0038】
このように、本発明によれば、共通搬送室8において第1の基板搬送機構16が取付られたベース台54を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて複数の位置ずれ検出ユニット64、66を配置し、これらの位置ずれ検出ユニットの内のいずれか1つの位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うようにしたので、第1の基板搬送機構16を水平移動させるスライダ機構50等の熱変位による影響を抑制して、基板の位置ずれ量を少なくし、その結果、基板の搬送精度を高めることができる。
【0039】
ここで、上記本発明の処理システムを用いた場合のアーム停止位置精度について説明する。図6(B)はX方向における位置精度を示し、図6(C)は参考としてY方向における位置精度を示した。搬送回数は共に100回であり、これを時間にすると40分程度である。
図6(B)に示すように搬送開始(始動)の直後からX方向におけるアーム停止位置精度は非常に高くなっており、始動当初に位置精度が非常に劣化した図6(A)に示す従来システムと比較してその位置精度を大幅に向上できることが確認できた。
また図6(C)に示すようにねY方向における位置精度も高く維持できることが確認できた。
【0040】
尚、上記実施例では、停止位置として2つ設けたが、共通搬送室8がより長くなって処理チャンバの連結数を増加した場合には、それに応じて停止位置及びこれに対応する位置ずれ検出ユニットも3以上設けるようにしてもよい。
【0041】
また、ここでは説明を簡単化にするために、座標系としてはXY座標を例にとって説明したが、実際には、極座標(半径及び角度)により基板搬送機構の動作は制御され、両座標系は容易に変換可能である。
また、ここで説明した処理システム2の配置構成は、いわゆるクラスタツール型の処理システムを例にとって説明したが、本発明はこの配置構成に限定されるものではない。
また基板としては、半導体ウエハに限定されず、LCD基板、ガラス基板、セラミックス基板等にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る基板搬送機構を用いた処理システムを示す概略構成図である。
【図2】基板搬送機構と位置ずれ検出ユニットの関係を示す模式図である。
【図3】位置ずれ検出ユニットの一例を示す図である。
【図4】スライダ機構を示す概略斜視図である。
【図5】スライダ機構のボールネジに起因する熱伸縮の影響を説明する説明図である。
【図6】従来の処理システムと本発明の処理システムのアーム停止位置精度を示すグラフである。
【図7】基板の中心位置のずれ量(ボールネジの熱伸縮量も含む)を相殺して搬送する時の各工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
2 処理システム
8 共通搬送室
16 第1の基板搬送機構
20 第2の基板搬送機構
36 オリエンタ(位置決め機構)
38A,38B ロードロック室
50 スライダ機構
52 案内レール
54 ベース台
56 ボールネジ
58 駆動源
60 搬送アーム部
62 ピック
64,66 位置ずれ検出ユニット
68A 第1の停止位置
68B 第2の停止位置
76 ユニット制御部
78 記憶部
PC1〜PC6 処理チャンバ
W 基板





 

 


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