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発明の名称 熱処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5347(P2007−5347A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180353(P2005−180353)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
発明者 河西 繁
要約 課題
光源から放射された光を損失が少なく高密度に集光することができ、基板を高温まで短時間に昇温させることができるようにした熱処理装置を提供する。

解決手段
処理室10の上方に複数の光源15と、これらの光源15から出射した光を基板2にそれぞれ導く第1のリフレクタ32と、複数個からなる第2のリフレクタ37を設ける。第1のリフレクタ32は、下方に開放する半球状に形成されて、内面が反射面36を形成している。各第2のリフレクタ37は、第1のリフレクタ32の上面側に突設された回転楕円形の一部からなり、内面が反射面41を形成し、その内部で焦点位置に前記光源15が配設されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
処理室内に収納した基板に光を照射することにより前記基板を熱処理する熱処理装置において、
前記処理室の上方に設けられ前記基板をそれぞれ照射する複数の光源と、
内面がドーム状の反射面を形成し前記各光源から出た光の一部を反射して前記基板に導く第1のリフレクタと、
前記各光源毎にそれぞれ設けられ前記光源から出た光を反射して集光し前記基板に導く複数からなる第2のリフレクタとを備え、
前記第2のリフレクタの反射面を第1、第2の焦点を有し第1の焦点の周囲を取り囲む回転楕円面またはこれに近似した曲面の一部で構成し、前記第1の焦点位置に前記光源を配設し、前記第2の焦点側に前記基板を配設したことを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の熱処理装置において、
前記第1のリフレクタの反射面を半球状に形成し、この反射面の外側に前記光源を第1のリフレクタの略全体にわたって配設したことを特徴とする熱処理装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の熱処理装置において、
前記各第2のリフレクタは、各光源から出射され当該リフレクタの反射面で反射した反射光が互いに交差することなく処理すべき基板の表面の異なった特定の照射領域をそれぞれ照射するように、前記第1のリフレクタの光軸に対する傾斜角度をそれぞれ調整されて設けられていることを特徴とする熱処理装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウエハ等の基板に光を照射することにより基板を熱処理する熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、成膜処理、パターンのエッチング処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理等の各種の熱処理が繰り返し行われる。シリコンウエハ等の基板を例えば、400℃以上の高温で所定の熱処理を極力短時間に施す熱処理装置としては、光源からの光を基板に照射することにより、基板を急速に加熱するようにした急速加熱装置(ランプアニール)が用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
特許文献1に記載されている熱処理装置は、被処理体であるウエハを高速加熱する加熱手段として多数の光源をランプハウスの天井部の下面にその略全体にわたって取付けている。天井部の下面は、平坦面または円錐面からなる反射面に形成されており、各光源から出た熱線を下方のウエハに向けて反射させるようにしている。また、ランプハウスの中央部に位置する光源については、その熱線の放射方向が真下を向くように取付けられ、ランプハウスの周辺部に位置する光源については、下方向内側に向けて斜めに設けることにより、その熱線の放射方向をウエハの周辺部に集中させるようにしている。
【0004】
特許文献2に記載されている閃光照射加熱装置は、ワークの上方に直管からなる複数本の閃光放電ランプをワークに対して並行になるように並設し、その上方に各放電ランプから出た閃光を下方に反射させる反射ミラーを設けている。反射ミラーは平板状に形成され、両端部が斜め下方に所要角度をもって折り曲げられている。
【0005】
特許文献3に記載されているビームヒータは、外周部に多数の放熱孔を有するランプハウス内に内面が反射面を形成する半球状の反射鏡を配設し、この反射鏡の内部にハロゲンランプを配置し、このハロゲンランプから出た光を反射鏡の反射面で反射させて下方に配置したワーク上にスポット状に集光させるようにしている。
【0006】
特許文献4に記載されている熱処理装置は、内面がドーム状(半球状)の反射面からなるランプハウスの内部に複数の光源を配設し、これらの光源から出た光を前記反射面によって下方に反射させて半導体ウエハの表面に導くようにしている。光源としては、直径が異なる複数の円環状ハロゲンランプや点光源からなる複数の電球型ランプが用いられる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−101237号公報
【特許文献2】特開2001−237195号公報
【特許文献3】登録実用新案公報第3017978号
【特許文献4】特開平7−29843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
半導体デバイスの製造工程において、成膜処理、パターンのエッチング処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理等の各種の熱処理を行う場合、基板表面を短時間で所定の温度に加熱する必要がある。また、加熱に際しては基板の各部において温度分布が均一になるように加熱する必要がある。
【0009】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている熱処理装置および特許文献2に記載されている閃光照射装置は、いずれも反射面が平面または円錐面からなるリフレクタを用いているので、各光源から放射された光を高密度に集光して基板の所定箇所に導くことが難しく、また基板全体を均一に加熱することが難しい。特に大口径(300mm)の基板には適用することが難しいという問題があった。
【0010】
一方、半球状の反射面を備えた特許文献3および特許文献4に記載されているビームヒーターおよび熱処理装置においては、立体角投射の定理にしたがって半球面の底面における照度分布を均一にすることができることから、基板の表面全体の温度分布を均一にすることができるとしている。しかしながら、リフレクタの焦点位置に基板を配置すると照射面積が小さくなるため表面全体を照射するためには光源の数を増やす必要があり、焦点位置から基板をずらすと基板の広い面積を照射できるため光源の数を削減することができる反面、光の強度が弱くなり加熱効率が低下するという問題がある。また、加熱効率を高めるために光源のフィラメントに流す電流値を大きくして光源から放射される光の強度を大きくすれば、高速に昇温させることができる。しかし、その場合は光源の耐久性が低下するという問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明者は光の集光について検討し種々の実験を行ったところ、2種類のリフレクタからなる複合型のリフレクタを用いることにより、光源から出た光を効率よく基板に導くことができ、高温まで短時間に昇温させることができることを見出した。
【0012】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、光源から放射された光を損失が少なく高密度に集光することができ、基板を高温まで短時間に昇温させることができるようにした熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、処理室内に収納した基板に光を照射することにより前記基板を熱処理する熱処理装置において、前記処理室の上方に設けられ前記基板をそれぞれ照射する複数の光源と、内面がドーム状の反射面を形成し前記各光源から出た光の一部を反射して前記基板に導く第1のリフレクタと、前記各光源毎にそれぞれ設けられ前記光源から出た光を反射して集光し前記基板に導く複数からなる第2のリフレクタとを備え、前記第2のリフレクタの反射面を第1、第2の焦点を有し第1の焦点の周囲を取り囲む回転楕円面またはこれに近似した曲面の一部で構成し、前記第1の焦点位置に前記光源を配設し、前記第2の焦点側に前記基板を配設したものである。
【0014】
また、本発明は、前記第1のリフレクタの反射面を半球状に形成し、この反射面の外側に前記光源を第1のリフレクタの略全体にわたって配設したものである。
【0015】
さらに、本発明は、前記各第2のリフレクタを、各光源から出射され当該リフレクタの反射面で反射した反射光が互いに交差することなく処理すべき基板の表面の異なった特定の照射領域をそれぞれ照射するように、前記第1のリフレクタの光軸に対する傾斜角度をそれぞれ調整して設けたものである。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明において、光源から出た光の一部は第2のリフレクタの反射面に当たって反射する。この反射光は基板表面を照射し第2の焦点に集光される。光源から出て第2のリフレクタに当たらなかった直射光の一部は基板表面を照射し、一部は第1のリフレクタの反射面に当たって反射し基板表面を照射する。このため、光の損失が少なく、加熱効率を向上させることができ、基板を迅速に昇温させることができる。
【0017】
第2の発明においては、第1のリフレクタの反射面を半球状に形成し、この反射面の外側に光源をその略全体にわたって配設しているので、光源が半球状の発熱光源を構成し、立体角投射の定理により半球面光源の底面の照度分布を均一にする。したがって、温度分布が均一な加熱を実現でき、大口径の基板への適用を可能にする。
【0018】
第3の発明においては、各光源から出射した光のうち第2のリフレクタの反射面で反射した反射光が互いに交差することなく処理すべき基板の表面の異なった特定の照射領域をそれぞれ照射するので、基板の表面全体を均一に加熱する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る熱処理装置の一実施の形態を示す概略斜視図、図2は同装置の断面図、図3は基板、光源および第2のリフレクタの焦点の位置関係を示す図、図4は熱電変換手段を構成するペルチェ素子の配列の一例を示す図である。
【0020】
図1〜図4において、本実施の形態においては、半導体デバイスであるトランジスタのチャンネル層に不純物原子をイオン注入した後に、原子構造を安定化させる目的でランプアニールを行う熱処理装置1に適用した例を示す。このような熱処理装置1は、シリコンウエハ(以下、基板という)2の表面をイオン活性化に必要な所定の処理温度(例えば、1000℃〜1100℃程度)まできわめて短時間に昇温させ、処理後は同じく短時間に元の温度まで降温させる必要がある。その理由は、加熱処理時間が長くなると不純物原子が基板2の奥深く拡散して裏面側に突き抜けてしまい不良品となるからである。
【0021】
前記熱処理装置1は、熱処理すべき基板2を収納するチャンバー(処理容器)3と、このチャンバー3の上方に配設されたランプハウジング4を備え、直径が300mmの基板2の熱処理を可能にしている。
【0022】
前記チャンバー3は、アルミニウム等によって上方と下方に開放する開口部6a,6bを有する箱型に形成され、上方側開口部6aが透明部材7とOリング8によって気密に閉塞され、下方側開口部6bが底板5とOリング9によって同じく気密に閉塞されている。透明部材7の材質は、基板2の熱処理時に加熱手段として用いられる光源15の種類によって異なり、例えば赤外線ランプを使用する場合は石英等の赤外線透過性を有する透明材料が用いられる。
【0023】
前記チャンバー3の内部は、基板2を熱処理する処理室10を形成している。この処理室10の内部には、基板2が載置される円板状の載置台11と、この載置台11に対して基板2を昇降させる図示を省略した昇降機構が配設されている。載置台11は、前記底板5の上面に熱電変換手段12を介して配設されている。載置台11の材料としては、使用する光源15からの光線を最も吸収し易い材料が用いられる。例えば、光源15が赤外線ランプの場合は主に赤外線を吸収し易いSiO2 材、AlN材、SiC材等によって製作され、紫外線ランプまたはハロゲンランプの場合は主に紫外線を吸収し易いGe材、Si材、金属材等によって製作される。なお、基板2の昇降機構は、載置台11を貫通し基板2を下から支持する複数本の昇降自在な支持ピンと、これらの支持ピンを昇降させる駆動装置等で構成されている。
【0024】
また、チャンバー3の側壁には、基板2の搬出入を可能にする基板出入口16と、基板2の熱処理時に必要な処理ガスを処理室10内に導入するガスノズル17が設けられている。処理ガスとしては、N2 ガス、Arガス等の化学的反応性の低いガスが用いられる。基板出入口16は、通常ゲートバルブ18によって気密に閉塞されている。ガスノズル17はガス供給源(図示せず)に接続されている。さらに、チャンバー3の底部には、排気口19が形成されており、この排気口19は排気管20を介して図示しない排気手段に接続されている。
【0025】
前記処理室10は、基板2の熱処理時に排気手段によって内部の空気が排気されると、ガス供給源よりガスノズル17を介して供給される処理ガスに置換される。
【0026】
前記熱電変換手段12としては、複数個のペルチェ素子21が用いられる。ペルチェ素子21は、異種の導体や半導体を電極によって直列に接続し電流を流すと接点間でジュール熱以外に熱の発生や吸熱が生じる素子で、例えば200℃以下の温度での使用に耐え得るBi2 Te3 (ビスマス・テルル)素子、より高温で使用できるPbTe(鉛・テルル)素子、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)素子等によって形成されており、ペルチェ制御部22にリード線23を介して電気的に接続されている。ペルチェ制御部22は、前記基板2の熱処理時にペルチェ素子21に供給される電流の方向や大きさを制御する。
【0027】
図4にペルチェ素子21の配列の一例を示す。図4においては、直径が300mmの基板2に対して60個のペルチェ素子21を前記載置台11の裏面側に略全面にわたって殆ど隙間なく敷き詰めた例を示している。このようにペルチェ素子21を密接させて配置すると、基板2と載置台11をより一層均一に加熱することができる。ペルチェ素子21の形状は、四角形に限らず、円形や六角形であってもよい。ここで熱電変換とは、熱エネルギーを電気エネルギーに、また電気エネルギーを熱エネルギーに変換することを言う。
【0028】
前記底板5の内部には、熱媒体流路26がその平面方向の略全体に亘って形成されている。熱媒体流路26は、前記熱電変換手段12の下部に設けられており、基板2の降温時に熱媒体として冷媒(水)が供給されることにより、前記ペルチェ素子21の下面から温熱を奪ってこれを冷却するように構成されている。また、基板2の昇温時には必要に応じて温媒が供給されることにより、ペルチェ素子21の下面から冷熱を奪ってこれを加熱するように構成されている。なお、熱媒体流路26は、熱媒体を送給する循環器27に熱媒体導入管28と熱媒体排出管29を介して接続されている。これにより循環器27は熱媒体を熱媒体流路26に循環供給する。
【0029】
前記ランプハウジング4は、それぞれアルミニウム等によって下方に開放する半球状に形成された外殻体31および内殻体32と、これらの外殻体31と内殻体32の下端を保持するリング状の保持枠33とを備え、この保持枠33が前記チャンバー3の上面後端部にヒンジ34を介して前後方向に回動自在に取付けられることにより、前記透明部材7の上方空間を気密に覆っている。
【0030】
前記内殻体32は、前記外殻体31より若干小さく前記基板2の直径より大きい直径を有する半球状に形成され、内面が半球状の反射面36を形成することによりリフレクタを構成している(以下、第1のリフレクタという)。反射面36は、仕上げ加工され金メッキ等が施されることにより高反射率の反射面を形成している。
【0031】
また、第1のリフレクタ32の表面側には、前記光源15が複数個からなる第2のリフレクタ37が略全体にわたって一体的に突設されており、これらのリフレクタ内に前記光源15がそれぞれ設けられている。
【0032】
前記第2のリフレクタ37は、図1および図3に示すように第1のリフレクタ32の外側に突出する回転楕円体の一部であって中空の略砲頭型形状(砲弾の頭部形状に似た形状)を呈しており、その頭頂部には光源15のソケット38が取付けられるソケット用孔39が形成され、底部側が開放して第1のリフレクタ32の反射面36に形成した孔40の周縁に接合されている。このため、第2のリフレクタ37と第1のリフレクタ32の内部は互いに連続している。また、第2のリフレクタ37の内面は、2つの焦点f1 ,f2 を有する回転楕円面(またはこれに近似した曲面)の一部からなり、金めっき等が施されることにより高反射率からなる反射面41を形成している。第2のリフレクタ37の2つの焦点f1 ,f2 のうち一方の焦点f1 は、第2のリフレクタ37の内奥に位置し、反射面41によって取り囲まれている。また、この第1の焦点f1 には、前記光源15のフィラメント15aが位置付けられている。一方、第2の焦点f2 は、第2のリフレクタ37の軸線上ではあるが、チャンバー3の処理室10内で基板2の下方に位置している。
【0033】
このような第2のリフレクタ37は、各光源15から出射され反射面41で反射した反射光が処理すべき基板2の表面の異なった特定の照射領域S1 を互いに交差することなくそれぞれ照射し、全体として基板2の表面温度が均一になるように第1のリフレクタ32の光軸に対する傾斜角度をそれぞれ調整されて設けられている。
【0034】
ここで、図3では、基板2より下方側に第2の焦点f2 が位置するように第2のリフレクタ37を第1のリフレクタ32に対して一体的に形成した例を示したが、これに限らず第2の焦点f2 が基板2より上方であっもよく、例えば第1のリフレクタ32の球心と一致するように第2のリフレクタ37を形成してもよい。
【0035】
熱処理時に前記基板2を加熱する光源15としては、略点光源からなる電球型のランプであって、波長が1.17μm以下の熱線を出力するランプを用いることが好ましい。波長が1.17μm以下のランプを用いる理由は、基板2がシリコンウエハの場合、シリコンウエハの熱線に対する吸収率が熱線の波長とウエハ自体の温度に依存するからである。すなわち、波長が1.17μm程度までの熱線は、シリコンウエハの温度に関係なく、0.5〜0.7程度の高い吸収率を示すが、波長が1.17μmよりも大きくなると、吸収率はシリコンウエハの温度に大きく依存し、温度が低くなると吸収率も小さくなる(透過率は大きくなる)。例えばシリコンウエハが270〜600℃の範囲で変化すると、それに応じて吸収率は0.1〜0.7の範囲で変化する。したがって、シリコンウエハからなる基板2を高速昇温させるには、光源15としては、波長が1.17μm以下の熱線を放射するランプ、例えば主として紫外光線を射出する紫外線放電ランプや、主として可視光線を射出するハロゲンランプ、主として赤外線を射出する赤外線ランプ等を用いることが好ましい。なお、熱線とは、前述したように紫外光線から遠赤外光線までの光線を含む広い概念で用いている。
【0036】
光源15を点光源とみなすと、光源15から放射された光42のうち第2のリフレクタ37の反射面41で反射した反射光42aは第2の焦点f2 に集光する。ただし、実際には完全な点光源ではないので、光源15から出て反射面41で反射した反射光42aであってもその一部は拡散して第2の焦点f2 に集光せずその周りを照射する。また、光源15から出射し反射面41に当たらない直射光42bの一部は基板2の表面を直接照射し、他の一部は第1のリフレクタ32の反射面36に当たって反射した後基板2の表面を照射する。基板2を照射する光のうち、基板2に吸収される量は最大でも70%程度であり、のこりは反射または透過する。このうち反射した光は第1のリフレクタ32の反射面36で反射することにより再度基板2を照射する。そして直射光のうち載置台11や底板5を照射する光が損失となる。この損失となる光線の量は、第2のリフレクタ37の大きさ、傾き、開口径等を変えることにより極力少なくすることができる。
【0037】
光源15の数は、基板2の大きさ、光源1つ当たりの基板2の照射面積S1 、基板2の昇温レートの設計指標、光源15全体のパワー、第1のリフレクタ32の直径、反射面37の表面積等によって決定される。
【0038】
リフレクタの設計手順について、その一例を説明すると、ある特定の光源15を用いた場合における第1のリフレクタ32と第2のリフレクタ37の構成は以下の手順で設計することができる。
先ず、プロセス条件を満たす基板2の昇温レートから必要とされる光源全体のパワーを求める。
次に、必要とする光源全体のパワーと光源15の個別のパワーから必要とされる光源15の数nを求める。また、光源15の大きさから第2のリフレクタ37の半径rを求める。これにより、必要とされる第1のリフレクタ32の表面積Sを(1)式によって求める

【0039】
S=nπr2+α ・・・(1)
但し、αは面積を補正する定数である。
【0040】
このときの第1のリフレクタ32の半径をRとすると、第1のリフレクタ32の表面積Sは、(2)式でも表すことができる。
【0041】
S=2πR2 ・・・(2)
【0042】
(2)式から第1のリフレクタ32の半径Rは下記の(3)式で表される。なお、ここでは、光源15を決定した後、各条件を求めたが、他の条件から決定することも可能である。
【0043】
【数1】


【0044】
本実施の形態においては、300mmの基板2に対して直径が15mmの赤外線ランプを186個用いている。光源15による基板2の照射面積S1 は、基板2を上下動させて光源15までの距離を変えることにより容易に変更することができる。
【0045】
前記外殻体31と第1のリフレクタ32との間には密閉空間45が形成されており、この密閉空間45に水冷管46を配設し、この水冷管46に水47を供給して第1、第2のリフレクタ32,37を水冷することにより、光源15の点灯時におけるランプハウジング4の温度上昇を抑えるようにしている。さらに、第1のリフレクタ32の内部は、空気48の供給によって空冷されている。
【0046】
次に、このような構造からなる熱処理装置1による基板2の熱処理動作を説明する。
先ず、チャンバー3の側壁に設けられているゲートバルブ18を開き、処理すべき基板2を基板出入口16より処理室10内に挿入し、載置台11上に載置する。この後、ゲートバルブ18を閉じてチャンバー3を密閉する。次に、排気手段によって処理室10内を真空排気してガス供給源より供給される処理ガスに置換し、所定のプロセス圧力(例えば、100〜10000Pa)に維持する。
【0047】
次に、熱電変換手段12の各ペルチェ素子21に通電して基板2を予備加熱する。予備加熱温度は、500〜600℃程度である。この予備加熱温度では、基板2に打ち込まれたイオンが拡散することはない。
【0048】
基板2の温度は温度センサによって検出されており、この温度センサが所定の予備加熱温度になったことを検出すると、検知信号を装置全体を制御する制御部50に送信する。制御部50は、温度センサからの検知信号を受け取ると、全ての光源15を点灯させその熱線で基板2の表面を照射し所定の処理温度(例えば、1000℃)まで瞬時に昇温させる。これにより、基板2のフラッシュランプアニールが行われる。
【0049】
フラッシュランプアニールの場合は、光源15を連続して点灯させたときの光に比べて強い光を照射することができることから、短時間に昇温させることができる。また、基板2内のイオンの活性化はきわめて短時間に完了するため、イオンが拡散することはない。
【0050】
また、本熱処理装置1においては、半球状の第1のリフレクタ32と、回転楕円形の第2のリフレクタ32とからなる複合型のリフレクタを用いているので、上記した従来装置に比べて基板2を効率よく加熱することができる。すなわち、上記した通り光源15から放射され基板2を照射する光(第1のリフレクタ32で反射した光、第2のリフレクタ37で反射した光、光源15から直接照射する光)のうち、基板2に吸収されるのは最も効率が良い場合でも70%位であり、残りの30%は反射もしくは透過してしまう。そのうち基板2で反射した光は第1のリフレクタ32の反射面36で反射することにより再度基板2を照射する。したがって、光の損失が少なく、光源15の発光出力を大きくしなくても基板2を短時間に所定の処理温度に加熱することができ、加熱効率を向上させることができる。
【0051】
また、基板2のアニール処理に際しては、光源15の発光出力を基板2の各部毎、例えば中央部分、中間部分および外側部分毎にグループ化し、各グループ毎に制御すれば、基板2上での光照度分布が均一になり、基板2の表面全体を高い精度で均一に加熱することができる。
【0052】
さらに、熱電変換手段12のペルチェ素子21を基板2の各部毎、例えば中央部分、中間部分および外側部分毎にグループ化し、各グループ毎に温度制御すれば、基板2の全面をより一層高い精度で均一に加熱することができる。
【0053】
基板2のランプアニール処理が終了すると、基板2の温度を高速降温させるために、ペルチェ素子21に基板2の加熱時とは反対方向の電流を流してその上面を冷却する。これにより、載置台11が冷却されて基板2を急速に冷却する。ペルチェ素子21は上面側が冷却されると、下面側には温熱が発生して加熱されるので、熱媒体流路26に冷却水を供給してペルチェ素子21の下面を冷却する。この熱媒体流路26への冷却水の供給は、ペルチェ素子21の通電方向の切替えと略同時に行う。そして、基板2の温度を所定温度まで降温させると、ゲートバルブ18を開いて処理室10内のアニール処理された基板2をチャンバー3の外部に取出し、基板2の熱処理を終了する。
【0054】
このように本発明に係る熱処理装置1によれば、従来装置に比べて光の損失が著しく少なく、光源15から放射された光の大部分を基板2に導くことができ、基板2を所定の処理温度まで高速加熱することができ、加熱効率を向上させることができる。また、加熱効率が向上すれば、光源15のフィラメント15aに流す電流値を大きくする必要がなく、光源15の耐久性を向上させることができる。
【0055】
なお、上記した実施の形態においては、第2のリフレクタ37の反射面41を回転楕円面としたが、これに限らず回転楕円面に近似した曲面(例えば、回転放物面)であってもよい。
【0056】
また、基板2としてはシリコンウエハに限らず、例えば液晶表示装置(LCD)用のガラス板等の他のものであってもよい。
【0057】
さらに、本発明はイオンの活性化に用いられる熱処理装置に適用した例を示したが、これに特定されるものではなく成膜工程、パターンのエッチング処理工程等の各種工程に用いられる熱処理装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る熱処理装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】同装置の断面図である。
【図3】基板、光源および第2のリフレクタの焦点の位置関係を示す図である。
【図4】熱電変換手段を構成するペルチェ素子の配列の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1…熱処理装置、2…基板、3…チャンバー、4…ランプハウジング、5…底板、10…処理室、11…載置台、12…熱電変換手段、15…光源、21…ペルチェ素子、32…第1のリフレクタ、36…反射面、37…第2のリフレクタ、41…反射面、f1,f2…焦点。





 

 


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