米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> セイコーエプソン株式会社

発明の名称 レーザ光源装置、表示装置、走査型表示装置およびプロジェクタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−19476(P2007−19476A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−151479(P2006−151479)
出願日 平成18年5月31日(2006.5.31)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 武田 高司 / 神宮 啓至
要約 課題
筐体などからレーザが取り外された場合に、そのレーザが確実に発光できなくなるレーザ光源装置、表示装置、走査型表示装置およびプロジェクタを提供する。

解決手段
光を発振する光発振部12を有するレーザ光源部10と、レーザ光源部10を固定する固定部材と、前記固定部材からレーザ光源部10を外す動きに連動して、レーザ光源部10における光発振部12に電流を供給する電流経路を遮断する遮断手段とを有することを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
光を発振する光発振部を有するレーザ光源部と、
前記レーザ光源部を支持する支持部と、
前記レーザ光源部を前記支持部に固定する固定部材と、
前記レーザ光源部を前記支持部から取り外す際に前記固定部材による前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記レーザ光源部における前記光発振部に電流を供給する電流経路を遮断する遮断手段とを有することを特徴とするレーザ光源装置。
【請求項2】
前記レーザ光源部は、前記光発振部が設けられた基板を有し、前記固定部材は、前記基板を前記支持部に対して固定するネジからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ光源装置。
【請求項3】
前記遮断手段は、前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記電流経路の一部を切断又は破壊する切断部材を有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ光源装置。
【請求項4】
前記切断部材は、少なくとも前記固定部材の一部又は全部と前記電流経路の一部又は全部との上に連続的に接着している接着剤からなることを特徴とする請求項3に記載のレーザ光源装置。
【請求項5】
前記接着剤は、少なくとも前記固定部材を構成するネジと前記電流経路の一部を構成するボンディングワイヤとに接着している一塊りの接着剤であることを特徴とする請求項4に記載のレーザ光源装置。
【請求項6】
前記切断部材は、前記固定部材に取り付けられているフック状の部材であり、
前記フック状の部材は、前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記電流経路をなす部材を切断するものであることを特徴とする請求項3に記載のレーザ光源装置。
【請求項7】
前記フック状の部材は、前記固定部材を構成するネジに接続され、又は前記ネジに一体に形成されており、前記ネジの回転に伴って回転するものであり、
前記フック状の部材の回転領域の中に前記電流経路の一部を構成するボンディングワイヤの一部又は全部が配置されていることを特徴とする請求項6に記載のレーザ光源装置。
【請求項8】
前記切断部材は、貫通孔を備え、前記固定部材に設けられた部材であり、
前記電流経路は、前記貫通孔を貫通しており、
前記貫通孔を備えた部材は、前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記電流経路をなす部材を切断するものであることを特徴とする請求項3に記載のレーザ光源装置。
【請求項9】
前記電流経路における前記貫通孔を貫通している部分は、ボンディングワイヤであることを特徴とする請求項8に記載のレーザ光源装置。
【請求項10】
前記切断部材は、バネと、前記電流経路の一部を構成するボンディングワイヤの付近に配置された切断部とを有し、
前記バネは、前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、形状が変化するように配置されており、
前記切断部は、前記バネの形状変化に伴って移動して、前記ボンディングワイヤを切断するものであることを特徴とする請求項3に記載のレーザ光源装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のレーザ光源装置を具備してなることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
赤色光源と、緑色光源と、青色光源と、各色光源からの光を合成する光合成部と、合成された光を走査して映像を表示する走査部とを備える走査型表示装置であって、
前記光源の少なくとも一色の光源が請求項1から10のいずれか一項に記載のレーザ光源装置からなることを特徴とする走査型表示装置。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載のレーザ光源装置と、前記レーザ光源装置からの光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射装置とを有することを特徴とするプロジェクタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光源装置、表示装置、走査型表示装置およびプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタの小型化の要求が益々高まるなか、半導体レーザの高出力化、青色半導体レーザの登場に伴い、レーザ光源を使ったプロジェクタ或いはディスプレイが検討されている。これらは、光源の波長域が狭いため非常に色再現範囲を広くすることが可能であり、小型化や構成要素の削減も可能であることから、次世代の表示素子として大きな可能性を秘めている。
【0003】
ところで、レーザ光源は、安全装置が取り外された状態で発光すると、人体、特に目に害を及ぼす。また、表示装置などに備えられているレーザ光源を取り出し、武器などに悪用することが考えられる。これに対して、レーザ装置からレーザ共振器(レーザ光源部)を交換等の目的で取り外した際に、取り外されたレーザ共振器からのレーザ発振を防止するレーザ装置が考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−267670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レーザ装置に設けられているインターロック機構のような安全装置は、あくまでも使用上の不注意による事故を防止する目的で設けられている。したがって、かかる安全装置では、レーザ装置の筐体からレーザ共振器部分を故意に取り出し、レーザ共振器を他の用途に転用したりするのを防止することはできない。
【0005】
また、上記特許文献1に記載の技術は、筐体からレーザ共振器が取り出されることによりそのレーザの共振構造が破壊されるものであるので、半導体レーザのようにレーザ共振器の破壊が機械的に困難のものに適用することは現実的に困難であり、製造コストの増大なども招いてしまう。
【0006】
また、上記特許文献1に記載の技術は、筐体にミラーが接着されている構造のため、温度などの環境変化によりミラーがずれ共振状態が変化してしまう可能性がある。また、上記特許文献1に記載の技術における走査ミラーを破壊する構造では、走査ミラーが破壊されても、レーザ光源部が悪用されてしまう危険がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、筐体などからレーザ光源部が取り外された場合に、そのレーザ光源部が確実に発光できなくなるレーザ光源装置、表示装置、走査型表示装置およびプロジェクタの提供を目的とする。
また、本発明は、筐体などからレーザ光源部が取り外された場合に、そのレーザ光源部が確実に発光できなくなるものでありながら、製造コストの増大及び性能の劣化などを抑えることができるレーザ光源装置、表示装置、走査型表示装置およびプロジェクタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のレーザ光源装置は、光を発振する光発振部を有するレーザ光源部と、前記レーザ光源部を支持する支持部と、前記レーザ光源部を前記支持部に固定する固定部材と、前記レーザ光源部を前記支持部から取り外す際に前記固定部材による前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記レーザ光源部における前記光発振部に電流を供給する電流経路を遮断する遮断手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、筐体などの支持部からレーザ光源部を取り外す目的で固定部材によるレーザ光源部の固定状態を解除しようとすると、その動きに連動して遮断手段によりレーザ光源部の電流経路が遮断され、そのレーザ光源部は確実に発光できなくなる。そこで、表示装置などからレーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。また、本発明は、遮断手段によって遮断される箇所はレーザ光源部の共振構造ではないので、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0009】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記レーザ光源部が、前記光発振部が設けられた基板を有し、前記固定部材が、前記基板を前記支持部に対して固定するネジからなる構成とすることができる。
本発明によれば、例えば、半導体レーザなどの光発振部が基板に形成されており、その基板がネジで筐体などの支持部に固定されている装置に適用できる。そして、ネジをゆるめて基板を筐体から取り外そうとしたときに、半導体レーザの電流経路を遮断することができる。
【0010】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記遮断手段が、前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記電流経路の一部を切断又は破壊する切断部材を有してなる構成とすることができる。
本発明によれば、支持部(筐体など)からレーザ光源部を取り外す目的でレーザ光源部の固定状態を解除しようとすると、切断部材により前記電流経路の一部が切断又は破壊されてレーザ光源部が確実に発光できなくなる状態にすることができる。例えば、ボンディングワイヤを切断して、そのレーザが確実に発光できなくなる状態にすることができる。ここで、ボンディングワイヤは、例えば直径100μmの金属の線である。したがって、極めてわずかな力でボンディングワイヤを切断できる。そこで、本発明は、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0011】
また、例えば、切断部材は固定部材からレーザ光源部が取り外される動きに連動して、そのレーザ光源部のカソード電極又はアノード電極を切断又は破壊する構成とすることができる。したがって、本発明は、レーザ光源部の共振構造に影響を与えることなく電流経路を破壊する構成であるので、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0012】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記切断部材が、少なくとも前記固定部材の一部又は全部と前記電流経路の一部又は全部との上に連続的に接着している接着剤からなる構成とすることができる。
本発明によれば、例えば、電流経路の少なくとも一部(ボンディングワイヤなど)と固定部材(ネジなど)の少なくとも一部とを接着剤で固定した構成とすることができる。そして、支持部(筐体など)からレーザ光源部を取り外すために、固定部材を支持部から取り外そうとして接着剤を取ると、その接着剤に固定されているボンディングワイヤが確実に切断されることとなる。そこで、本発明は、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0013】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記接着剤が、少なくとも前記固定部材を構成するネジと前記電流経路の一部を構成するボンディングワイヤとに接着している一塊りの接着剤であることが好ましい。
本発明によれば、固定部材をなすネジをゆるめようとして、一塊りの接着剤をそのネジから剥がすと、その一塊りの接着剤におけるボンディングワイヤに接着している部分が動き、ボンディングワイヤが確実に切断される。そこで、本発明は、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。なお、前記接着剤がいわゆる液滴吐出装置で吐出されたもので構成することにより、さらなる製造コストの低減等を図ることもできる。
【0014】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記切断部材が、前記固定部材に取り付けられているフック状の部材であり、前記フック状の部材は、前記レーザ光源部の固定状態を解除する動きに連動して、前記電流経路をなす部材を切断するものであることが好ましい。
本発明によれば、例えば、前記電流経路をなす部材の近傍にフック状の部材を配置し、固定部材を動かすとフック状の部材も動いて電流経路をなす部材を引っかけて切断する構成とすることができる。そこで、本発明は、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0015】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記フック状の部材が、前記固定部材を構成するネジに接続され、又は前記ネジに一体に形成されており、前記ネジの回転に伴って回転するものであり、前記フック状の部材の回転領域の中に前記電流経路の一部を構成するボンディングワイヤの一部又は全部が配置されていることが好ましい。
本発明によれば、フック状の部材が固定部材をなすネジに接続されているか、もしくは一体的に形成されている。そして、レーザ光源部を取り外そうとしてネジを回転させると、フック状の部材も回転する。このとき、フック状の部材の回転領域の中にボンディングワイヤの一部又は全部が配置されているため、フック状の部材がボンディングワイヤを引っかけて切断する。そこで、本発明は、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0016】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記切断部材が、貫通孔を備え、前記固定部材に設けられた部材であり、前記電流経路は、前記貫通孔を貫通しており、前記貫通孔を備えた部材が、前記レーザ光源部を前記支持部から取り外す動きに連動して、前記電流経路をなす部材を切断するものである構成とすることができる。
また、本発明のレーザ光源装置は、前記電流経路における前記貫通孔を貫通している部分がボンディングワイヤであることが好ましい。
本発明によれば、例えばレーザ光源部を支持部(筐体など)から取り外そうとして固定部材を動かすと、切断部材とともに貫通孔の位置も動き、その貫通孔の側面などで電流経路をなす部材(ボンディングワイヤなど)が切断される構成とすることができる。そこで、本発明は、レーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0017】
また、本発明のレーザ光源装置は、前記切断部材が、バネと、前記電流経路の一部を構成するボンディングワイヤの付近に配置された切断部とを有し、前記バネは、前記レーザ光源部を前記支持部から取り外す動きに連動して、形状が変化するように配置されており、前記切断部は、前記バネの形状変化に伴って移動して、前記ボンディングワイヤを切断するものである構成とすることができる。
本発明によれば、例えば、前記バネが固定部材(ネジなど)によりレーザ光源部とともに支持部(筐体など)に固定されており、切断部が電流経路の一部を構成するボンディングワイヤの付近に配置された構成とすることができる。すると、レーザ光源部を支持部から取り外そうとして固定部材を動かすと、バネが変形する。この変形により切断部が動いてボンディングワイヤを切断する。そこで、本発明はレーザ光源部の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の表示装置は、前記レーザ光源装置を具備してなることを特徴とする。
本発明によれば、表示装置に取り付けられたレーザ光源部が取り外されて、人体に害を及ぼすこと及び武器などに悪用されることを未然に防止することができる。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の走査型表示装置は、赤色光源と、緑色光源と、青色光源と、各色光源からの光を合成する光合成部と、合成された光を走査して映像を表示する走査部とを備える走査型表示装置であって、前記光源の少なくとも一色の光源が前記レーザ光源装置からなることを特徴とする。
本発明によれば、走査型表示装置に取り付けられたレーザ光源部が取り外されて、人体に害を及ぼすこと及び武器などに悪用されることを未然に防止することができる。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、前記レーザ光源装置からの光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタに取り付けられたレーザ光源部が取り外されて、人体に害を及ぼすこと及び武器などに悪用されることを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下で参照する各図面においては、図面を見易くするために、各構成要素の縮尺を適宜変更して表示している。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す模式断面図である。
本実施形態のレーザ光源装置1は、例えば表示装置、光通信装置、オーディオ装置、情報処理装置などの光源をなす装置である。レーザ光源装置1は、レーザ光源部10と、筐体16(支持部)と、ネジ17(固定部材)と、接着剤18(遮断手段、切断部材)とを有して構成されている。
また、レーザ光源部10は、基板11と、光発振部12と、ボンディングワイヤ13と、アノード電極14と、カソード電極15とを有して構成される。
【0023】
基板11は、半導体又はガラスなどの絶縁体からなる板状部材である。基板11には、光発振部12を駆動・制御する回路又はその他の回路、配線などが形成されていることとしてもよい。光発振部12としては、例えば半導体レーザが適用される。そして、光発振部12は、端面発光型の半導体レーザでも、面発光レーザでもよい。また、レーザ媒体として液体又は気体を用いてそのレーザ媒体を2枚のミラーの間に配置した構成のレーザを、光発振部12としてもよい。本実施形態の光発振部12は、基板11について半導体プロセスを施すことで形成された半導体レーザのように、基板11に一体に構成されているものとしてもよい。また、ある半導体基板に形成された半導体レーザをその半導体基板から剥ぎ取り、その半導体レーザを基板11に接着したものであってもよい。
【0024】
アノード電極14は、光発振部12のアノードに電気的に接続されている電極であり、基板11に取り付けられている。カソード電極15は、光発振部12のカソードに電気的に接続されている電極であり、基板11に取り付けられている。なお、アノード電極14とカソード電極15の間は絶縁されている。
【0025】
ボンディングワイヤ13は、Au又はAlなどの細線である。ボンディングワイヤ13の線径は、例えば数10μmから数100μmとすることができる。ボンディングワイヤ13の一端は光発振部12のカソードに接続されており、ボンディングワイヤ13の他端はカソード電極15に接続されている。このようなボンディングワイヤ13の接続は、ボンディングマシンという高価な製造装置で行う必要がある。ボンディングマシンは、例えば超音波と熱とを併用しながらボンディングワイヤ13を圧着するものである。ボンディングワイヤ13、アノード電極14及びカソード電極15は、光発振部12に電流を供給する電流経路をなしている。
【0026】
筐体16は、レーザ光源部10を支持する支持部の一部又は全部をなすものである。例えば、筐体16は、レーザ光源部10を支持する支持部をなすものであり、プロジェクタの各種部材を収容するケースにあたるものである。なお、支持部としては、例えばプロジェクタの光学エンジン自体を用いることもでき、必ずしも筐体16である必要はない。本実施形態の場合、筐体16の上面にネジ穴16aが切られており、レーザ光源部10において光発振部12が設けられた基板11には貫通孔11aが形成されている。そこで、筐体16の上面に、ネジ穴16aの位置に貫通孔11aの位置が対応するように基板11が載置され、基板11の光発振部12が設けられた側の面から基板11の貫通孔11aを介してネジ穴16aの内部にネジ17が挿通され、ネジ止めされている。これにより、ネジ17は、基板11の部分でレーザ光源部10を筐体16に固定している。なお、接着剤18が塗布される前の状態ではネジ17を取り外すことによってレーザ光源部10が筐体16から取り外せる構成となっている。このように、筐体16は、レーザ光源部10を支持する支持部として機能し、ネジ17はレーザ光源部10を筐体16に固定する固定部材として機能している。
【0027】
接着剤18は、図1に示すように、ボンディングワイヤ13の一部と、ネジ17とを被うように、連続的に(一塊りに)取り付けられている。接着剤18としては、有機材料からなるものでも無機材料からなるものでもよい。ただし、接着剤18は、絶縁性を有することが好ましい。そして接着剤18は、筐体16からレーザ光源部10を外す動きに連動して、レーザ光源部10内における光発振部12に電流を供給する電流経路を遮断する遮断手段を構成している。換言すれば、接着剤18は、筐体16からレーザ光源部10を外す動きに連動して前記電流経路の一部をなすボンディングワイヤ13を切断する切断部材を構成している。
【0028】
すなわち、筐体16からレーザ光源部10を取り外す目的で、筐体16から基板11を取り外すためにはネジ17を回すことを要する。そして、ネジ17を回すためには、そのネジ17の上から接着剤18を剥ぎ取ることを要する。ところが、ネジ17の上から接着剤18を剥ぎ取ると、その接着剤18はボンディングワイヤ13にも接着しているので、ボンディングワイヤ13が切断する。ボンディングワイヤ13は、上述のように非常に細い線であり、非常に切れやすい導線である。そこで、ボンディングワイヤ13を切断せずに、筐体16からレーザ光源部10を取り外すことは、非常に困難なこととなる。
【0029】
また、ボンディングワイヤ13が切断されたレーザ光源部10は、光発振部12とアノードに他のボンディングワイヤを接続しなければ動作しない。このボンディングワイヤの接続には、上記のように高価なボンディングマシンが必要となる。したがって、ボンディングワイヤ13が切断されたレーザ光源部10を再利用することは、現実にはほぼ不可能となる。
【0030】
これらにより、本実施形態のレーザ光源装置1は、レーザ光源部10を取り外す動きに連動して光発振部12の共振構造以外の箇所を切断でき、光発振部12の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部10を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0031】
また、本実施形態のレーザ光源装置1は、接着剤18をネジ17の上から剥ぎ取る動作により、カソード電極15(又はアノード電極14)が切断又は破壊される構成としてもよい。このような構成においても、レーザ光源部10を取り外す動きに連動して上記電流経路を切断でき、光発振部12の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部10を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0032】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す模式断面図である。
図2において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態のレーザ光源装置2における第1実施形態のレーザ光源装置1との相違点は、固定部21と、フック22である。
【0033】
固定部21(固定部材)は、図1のネジ17と同一の機能を有するものとすることができる。筐体16にネジ穴16aが設けられた点、基板11に貫通孔11aが設けられた点、固定部21が貫通孔11aを介してネジ穴16aに挿通された点も図1と同様である。すなわち、固定部21は、基板11の部分でレーザ光源部10を筐体16(支持部)に固定する機能を有する。ただし、固定部21には、フック22(遮断手段、切断部材)が一体的に又は別体として取り付けられている。フック22は、先が曲った部材であり、金属などの固いものであることが好ましいが、樹脂又は木材などで構成することもできる。すなわち、フック22は、ボンディングワイヤ13を引っかけて切断できる強度及び形状のものであればよい。
【0034】
そして、フック22は、固定部21の回転に伴って回転する。そのフック22の回転領域の中にボンディングワイヤ13の一部が配置されている。また、フック22は固定部21の移動に伴って移動するものであり、そのフック22の移動領域の中にボンディングワイヤ13の一部が配置されていることとしてもよい。
【0035】
これらにより、本実施形態のレーザ光源装置2は、筐体16からレーザ光源部10を外そうとする際に固定部21を回す動きに連動して、フック22がボンディングワイヤ13を引っかけて切断することができる。そこで、レーザ光源装置2は、光発振部12の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部10を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0036】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す模式斜視図である。
図3において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態のレーザ光源装置3における第1実施形態のレーザ光源装置1との相違点は、固定部31と、切断部32である。切断部32には、貫通孔33が形成されている。
【0037】
固定部31(固定部材)は、図1のネジ17と同一の機能を有するものとすることができる。筐体16にネジ穴16aが設けられた点、基板11に貫通孔11aが設けられた点、固定部21が貫通孔11aを介してネジ穴16aに挿通された点も図1と同様である。すなわち、固定部31は、基板11の部分でレーザ光源部10を筐体16(支持部)に固定する機能を有する。ただし、固定部31には、ネジの頭に相当する部分に板状の切断部32(遮断手段、切断部材)が一体的に又は別体として取り付けられている。また、図3に示すように、切断部32のカソード電極15およびアノード電極14側の端部には貫通孔33が設けられており、切断部32の貫通孔33には、ボンディングワイヤ13が貫通している。
【0038】
これらにより、本実施形態のレーザ光源装置3は、筐体16からレーザ光源部10を外そうとする際の固定部31を回す動きに連動して、切断部32も回転し、それに伴い貫通孔33の位置も動き、切断部32の貫通孔33の側面などでボンディングワイヤ13を切断することができる。そこで、レーザ光源装置3は、光発振部12の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部10を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0039】
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態に係るレーザ光源装置4の一例を示す図である。図4(a)はレーザ光源装置4の模式断面図である。図4(b)は図4(a)におけるボンディングワイヤ13の一部、ネジ17及び遮断部材40の部分の平面図である。図4において図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態のレーザ光源装置4における第1実施形態のレーザ光源装置1との相違点は、遮断部材40である。
【0040】
遮断部材40(遮断手段、切断部材)は、接続部41と、バネ42と、切断部43とを有している1枚の板状部材である。遮断部材40をなす板状部材は、金属などの弾性の高いものであることが好ましい。接続部41は、基板11に接続又は接触している部分である。バネ42は、可逆的に変形可能な部分である。切断部43は、ボンディングワイヤ13の付近に配置された部分である。また、遮断部材40のバネ42と切断部43との間に貫通孔が設けられている。本実施形態の場合、筐体16の上面にネジ穴16aが切られており、レーザ光源部10の基板11には貫通孔11aが形成されている。そこで、筐体16の上面に、ネジ穴16aの位置に貫通孔11aの位置が対応するように基板11が載置され、遮断部材40の上方から遮断部材40の貫通孔、基板11の貫通孔11aを介してネジ穴16aの内部にネジ17が挿通され、ネジ止めされている。ネジ止めされていない開放状態において、遮断部材40は接続部41の高さから水平方向に平坦な形状となるが、ネジ止めされた状態においては、遮断部材40はバネ42の部分で弾性変形し、ネジ17によって基板11の上面に押し付けられた状態で固定されている。よって、この状態から切断部43の位置が移動すると、その切断部43がボンディングワイヤ13を引っかけて切断するように配置されている。切断部43の形状は、図4(b)に示すようなフック形状の他、図3に示す切断部32の貫通孔33のような形状であってもよい。貫通孔の形状とする場合は、その貫通孔をボンディングワイヤ13が貫通するように配置する。
【0041】
これらにより、本実施形態のレーザ光源装置4は、筐体16からレーザ光源部10を外そうとしてネジ17を緩めると、遮断部材40のバネ42が弾性復帰する。すると、遮断部材40は接続部41を支点として回転するように動き、切断部32が図面の上方に移動する。この切断部32の移動により、その切断部32の縁などがボンディングワイヤ13を引っかけて切断する。そこで、レーザ光源装置4は、光発振部12の性能が劣化すること及び製造コストが増大することを回避しながら、レーザ光源部10を取り出して悪用することを未然に防止することができる。
【0042】
(表示装置)
次に、上記レーザ光源装置1〜4のいずれかを用いた表示装置の一実施形態について説明する。
図5は、本実施形態の表示装置であるフルカラーの走査型表示装置100について、その概略構成を示すブロック図である。走査型表示装置100は、赤色光源102、緑色光源110、及び青色光源101からなる光源と、赤色光を反射する反射板103と、青色光を反射する反射板104と、緑色光を透過し且つ赤色光を反射するダイクロイックミラー105と、緑色光を透過し且つ青色光を反射するダイクロイックミラー106と、光源光を走査する走査ミラー107と、走査ミラー107からの光を映像として映し出す表示板108とを備えている。
【0043】
赤色光源102、緑色光源110及び青色光源101は、それぞれ、図1〜図4に示したレーザ光源装置1〜4のいずれかからなるものである。
【0044】
赤色光源102から射出された赤色光は、反射板103及びダイクロイックミラー105に反射され、さらにダイクロイックミラー106を透過して走査ミラー107に誘導される。また、青色光源101から射出された青色光は、反射板104及びダイクロイックミラー106に反射されて走査ミラー107に誘導される。さらに、緑色光源110から射出された緑色光は、ダイクロイックミラー105及びダイクロイックミラー106を透過して走査ミラー107に誘導される。走査ミラー107では、表示板108に映し出す映像に応じて走査が行われる。
【0045】
本実施形態の走査型表示装置100によれば、赤色光源102、緑色光源110及び青色光源101をなすレーザ光源部10が取り外されて、人体に害を及ぼすこと及び武器などに悪用されることを未然に防止することができる。
【0046】
(プロジェクタ)
次に、上記レーザ光源装置1〜4のいずれかを用いたプロジェクタの一実施形態について説明する。
図6は、本実施形態のプロジェクタ70について、その概略構成を示す図であり、3板方式の例である。プロジェクタ70においては、赤色(R)の色光を発光する半導体レーザを2次元的にアレイ状に構成したアレイ光源10r、緑色(G)の色光を発光するアレイ光源10g、青色(B)の色光を発光する半導体レーザを2次元的にアレイ状に構成したアレイ光源10bの3個を光源として用いている。
【0047】
アレイ光源10r、アレイ光源10g及びアレイ光源10bは、それぞれ、図1〜図4に示したレーザ光源装置1〜4のいずれかからなるものである。
【0048】
各アレイ光源10r,10g,10bから射出された光は液晶ライトバルブ75(光変調装置)に照射される。つまり、各アレイ光源10r,10g,10bの出射側には、R,G,Bの各色光を変調する液晶ライトバルブ75がそれぞれ設けられている。そして、各液晶ライトバルブ75によって変調された3つの色光が、クロスダイクロイックプリズム(色合成手段)77に入射するように構成されている。このプリズム77は4つの直角プリズムが貼り合わされたものであり、内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光Lr、Lg、Lbが合成されてカラー画像を表す光が形成される。色合成された光は投射レンズ76(投射装置)によりスクリーン79上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0049】
なお、前述では透過型の液晶ライトバルブ用いた構成を示したが、反射型ライトバルブを用いることもできる。さらには、デジタルマイクロミラーデバイスを用いることもできる。
【0050】
本実施形態のプロジェクタ70によれば、アレイ光源10r、アレイ光源10g及びアレイ光源10bをなすレーザ光源部10が取り外されて、人体に害を及ぼすこと及び武器などに悪用されることを未然に防止することができる。
【0051】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態では種々の切断部材が電流経路の一部であるボンディングワイヤを切断する例を中心に説明したが、ボンディングワイヤを切断する構成に代えて、切断部材がアノード電極、カソード電極などの電極を切断又は破壊するように構成しても良い。例えば、電極の一部に脆弱な部分を形成しておき、切断部材がこの脆弱部分を叩くことで電極が破壊され、電流経路が遮断されるような構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す模式断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す模式断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す模式斜視図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るレーザ光源装置の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る走査型表示装置の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプロジェクタの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0053】
1,2,3,4…レーザ光源装置、10…レーザ光源部、11…基板、12…光発振部、13…ボンディングワイヤ、14…アノード電極、15…カソード電極、16…筐体、17…ネジ、18…接着剤、21,31…固定部、22…フック、32…切断部、33…貫通孔、40…遮断部材、41…接続部、42…バネ、43…切断部




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013