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発明の名称 光素子および光モジュール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−19313(P2007−19313A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200138(P2005−200138)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
発明者 望月 理光 / 今井 保貴
要約 課題
光検出素子が面発光型半導体レーザの光学特性に与える影響を抑制することのできる光素子および光モジュールを提供する。

解決手段
本発明にかかる光素子100は、面発光型半導体レーザ140と、前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子120と、を含み、前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層122を含み、
特許請求の範囲
【請求項1】
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層は、下記式(1)を満たす膜厚dを有する、光素子。
(2m−1)λ/4n−3λ/16n<d<(2m−1)λ/4n+3λ/16n・・・(1)
〔式(1)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは面発光型半導体レーザの設計波長を示す。〕
【請求項2】
請求項1において、
前記半導体層は、下記式(2)を満たす膜厚dを有する、光素子。
(2m−1)λ/4n−λ/8n<d<(2m−1)λ/4n+λ/8n・・・(2)
〔式(2)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは面発光型半導体レーザの設計波長を示す。〕
【請求項3】
請求項1または2において、
λを面発光型半導体レーザの設計波長、nを半導体層の屈折率とした場合、
前記半導体層の膜厚dは、λ/4nの奇数倍である、光素子。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記面発光型半導体レーザは、
下部ミラーと、
前記下部ミラーの上方に形成された活性層と、
前記活性層の上方に形成された上部ミラーと、
を有し、
前記半導体層は、
前記上部ミラーの上方に形成された第1コンタクト層と、
前記第1コンタクト層の上方に形成された光吸収層と、
前記光吸収層の上方に形成された第2コンタクト層と、
を有する、光素子。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記面発光型半導体レーザと前記光検出素子との間に形成された分離層をさらに含む、光素子。
【請求項6】
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層は、面発光型半導体レーザが設計する光の波長が、ファブリ・ペロー共振の中心波長と一致しない膜厚を有する、光素子。
【請求項7】
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
λを面発光型半導体レーザの設計波長、nを半導体層の屈折率とした場合、
前記半導体層の膜厚dは、λ/4nの偶数倍以外である、光素子。
【請求項8】
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
外部からの光を受光する受光素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層は、下記式(1)を満たす膜厚dを有する、光モジュール。
(2m−1)λ/4n−3λ/16n<d<(2m−1)λ/4n+3λ/16n・・・(1)
〔式(1)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは面発光型半導体レーザの設計波長を示す。〕
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光素子および光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
面発光型半導体レーザは、環境温度等の影響により活性層の温度が変化し、利得に温度依存が生じるために、光出力が変動するという特性を有する。このため、面発光型半導体レーザを用いた光モジュールにおいては、面発光型半導体レーザから出射されるレーザ光の一部を検出して光出力値をモニタするための光検出素子が備えられている場合がある。通常、光検出素子は、面発光型半導体レーザの出射方向に対して斜めに設けられた反射板により反射された光を検出する。
【0003】
また、非特許文献1や特許文献1には、光検出素子を面発光型半導体レーザ上に設けることにより、面発光型半導体レーザから出射されるレーザ光の一部を同一素子内でモニタすることができる光素子が開示されている。この光素子によれば、上述した反射板が不要となり、光素子の小型化およびアライメントコストの低減を図ることができる。
【0004】
しかし、このような光素子においては、光検出素子が面発光型半導体レーザの光学特性に影響を与える場合がある。
【特許文献1】特開平10−135568号公報
【非特許文献1】Vertical-Cavity Surface-Emitting Lasers for Optical Data Storage, Jpn. J. Appl. Phys. vol. 35 (1996) pp. 506-507
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光検出素子が面発光型半導体レーザの光学特性に与える影響を抑制することのできる光素子および光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる光素子は、
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層は、下記式(1)を満たす膜厚dを有する。
【0007】
(2m−1)λ/4n−3λ/16n<d<(2m−1)λ/4n+3λ/16n・・・(1)
〔式(1)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは設計波長を示す。〕
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
【0008】
本発明にかかる光素子において、
前記半導体層は、下記式(2)を満たす膜厚を有する、光素子。
【0009】
(2m−1)λ/4n−λ/8n<d<(2m−1)λ/4n+λ/8n・・・(2)
〔式(2)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは設計波長を示す。〕
本発明にかかる光素子において、
前記半導体層の膜厚dは、λ/4nの奇数倍であることができる。
【0010】
本発明にかかる光素子において、
前記面発光型半導体レーザは、
下部ミラーと、
前記下部ミラーの上方に形成された活性層と、
前記活性層の上方に形成された上部ミラーと、
を有し、
前記半導体層は、
前記上部ミラーの上方に形成された第1コンタクト層と、
前記第1コンタクト層の上方に形成された光吸収層と、
前記光吸収層の上方に形成された第2コンタクト層と、
を有することができる。
【0011】
本発明にかかる光素子において、
前記面発光型半導体レーザと前記光検出素子との間に形成された分離層をさらに含むことができる。
【0012】
本発明にかかる光素子は、
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層は、面発光型半導体レーザが発振する光の波長が、ファブリ・ペロー共振の中心波長と一致しないような膜厚を有する。
【0013】
本発明にかかる光素子は、
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層の膜厚dは、λ/4nの偶数倍以外である。
【0014】
本発明にかかる光モジュールは、
面発光型半導体レーザと、
前記面発光型半導体レーザの出射面の上方に形成された光検出素子と、
外部からの光を受光する受光素子と、
を含み、
前記光検出素子は、光吸収層を有する半導体層を含み、
前記半導体層は、下記式(1)を満たす膜厚dを有する。
【0015】
(2m−1)λ/4n−3λ/16n<d<(2m−1)λ/4n+3λ/16n・・・(1)
〔式(1)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは面発光型半導体レーザの設計波長を示す。〕
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
1.光素子の構成
図1および図2は、本発明を適用した実施の形態に係る光素子100を模式的に示す断面図である。また、図3は、図1および図2に示す光素子100を模式的に示す平面図である。なお、図1は、図3のA−A線における断面を示す図であり、図2は、図3のB−B線における断面を示す図である。
【0018】
本実施の形態にかかる光素子100は、図1に示すように、面発光型半導体レーザ140と、分離層20と、光検出素子120と、を含む。
【0019】
以下、面発光型半導体レーザ140、分離層20、光検出素子120、および全体の構成について説明する。
【0020】
1.1.面発光型半導体レーザ
面発光型半導体レーザ140は、半導体基板(本実施形態ではn型GaAs基板)101上に設けられている。この面発光型半導体レーザ140は垂直共振器を有する。また、この面発光型半導体レーザ140は、柱状の半導体堆積体(以下「柱状部」とする)130を含むことができる。
【0021】
面発光型半導体レーザ140は、例えば、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、「第1ミラー」という)102と、GaAsウエル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層からなり、ウエル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層103と、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、「第2ミラー」という)104と、が順次積層されて構成されている。なお、第2ミラー104の最上層14は、Al組成の小さい方、すなわちp型Al0.15Ga0.85As層となるような順序で構成されている。ただし、最上層14は、第2電極109と直接接触させるために、後述の分離層を選択的にエッチングして表面露出させる必要があるため、Alを含まないGaAs層、もしくはほとんど含まないAlGaAs層で形成されている。なお、分離層を形成しない形態であっても、最上層の導電性を向上することで、より均一に電流注入を行うことができるため、多少の吸収を伴ってもAlを含まない均一な層であることが望ましい。また、第2ミラーには、活性層の近領域に、酸化狭窄構造を形成するためのAlGa1−cAs(x>0.95)となる層が含まれている。第1ミラー102、活性層103、および第2ミラー104を構成する各層の組成および層数はこれに限定されるわけではない。
【0022】
第2ミラー104は、たとえば炭素(C)がドーピングされることによりp型にされ、第1ミラー102は、たとえばケイ素(Si)がドーピングされることによりn型にされている。したがって、p型の第2ミラー104、不純物がドーピングされていない活性層103、およびn型の第1ミラー102により、pinダイオードが形成される。
【0023】
また、面発光型半導体レーザ140のうち、第2ミラー104から第1ミラー102の途中にかけての部分が、第2ミラー104の上面104aからみて円形の形状にエッチングされて柱状部130が形成されている。なお、本実施の形態では、柱状部130の平面形状を円形としたが、この形状は任意の形状をとることができる。
【0024】
また、主として柱状部130を取り囲むように第1絶縁層30が形成されている。第1絶縁層30は、たとえばポリイミドからなり、第1ミラー102の上に形成されている。さらに、第1絶縁層30は、後述する第2電極109の引き出し部109bおよびパッド部109cの下に形成されている。さらに、第1絶縁層30は、後述する第2絶縁層40の下に形成されている。
【0025】
さらに、第2ミラー104を構成する層のうち活性層103に近い領域の、AlGa1-xAs(x>0.95)層を側面から酸化することにより得られる電流狭窄層105が形成されている。この電流狭窄層105はたとえばリング状に形成されている。すなわち、この電流狭窄層105は、図1および図2に示す半導体基板101の表面101aと平行な面で切断した場合における断面形状が、柱状部130の平面形状の円形と同心の円のリング状であることができる。
【0026】
また、面発光型半導体レーザ140には第1電極107および第2電極109が設けられている。この第1電極107および第2電極109は、面発光型半導体レーザ140を駆動するために使用される。
【0027】
具体的には、図1に示すように、第1電極107は、第1ミラー102の上面102a上に設けられている。第1電極107は、たとえば図3に示すようなリング状の平面形状を有することができる。すなわち、第1電極107は主として柱状部130を取り囲むように任意の形状設けられている。言い換えれば、柱状部130は第1電極107の内側に設けられている。
【0028】
第2電極109は、面発光型半導体レーザ140の上面104a上に設けられている。第2電極109は、図3に示すように、たとえばリング状の平面形状を有する接続部109aと、直線状の平面形状を有する引き出し部109bと、円状の平面形状を有するパッド部109cと、を有する。第2電極109は、接続部109aにおいて第2ミラー104と電気的に接続されている。第2電極109の引き出し部109bは、接続部109aとパッド部109cとを接続している。第2電極のパッド部109cは、電極パッドとして用いることができる。第2電極109の接続部109aは、主として後述する分離層20を取り囲むように設けられている。言い換えれば、分離層20は第2電極109の内側に設けられている。
【0029】
なお、本実施の形態では、第1電極107が第1ミラー102上に設けられている場合について示したが、第1電極107を半導体基板101の裏面101bに設けてもよい。
【0030】
第1電極107は、例えば金(Au)とゲルマニウム(Ge)の合金と、金(Au)との積層膜からなる。また、第2電極109は、例えば白金(Pt)、チタン(Ti)および金(Au)の積層膜からなる。第1電極107と第2電極109とによって活性層103に電流が注入される。なお、第1電極107および第2電極109を形成するための材料は、前述したものに限定されるわけではなく、例えば金(Au)と亜鉛(Zn)との合金などが利用可能である。
【0031】
1.2.分離層
本実施の形態の光素子100においては、面発光型半導体レーザ140上に分離層20が形成されている。すなわち、分離層20は、面発光型半導体レーザ140と後述する光検出素子120との間に設けられている。具体的には、図1および図2に示すように、分離層20は、第2ミラー104上に形成されている。すなわち、分離層20は、第2ミラー104と後述する第1コンタクト層111との間に設けられている。
【0032】
分離層20の平面形状はたとえば円形であることができる。図示の例では、分離層20の平面形状は、第1コンタクト層111の平面形状と同じである。分離層20の平面形状は、第1コンタクト層111の平面形状よりも大きく形成することもできる。
【0033】
このように分離層20を設けることにより、半導体層122と柱状部130とが電気的および光学的に分離され、界面が明確になるため、半導体層122の膜厚の制御をより確実に行うことができる。
【0034】
1.3.光検出素子
光検出素子120は分離層20上に設けられている。本実施の形態の光素子100においては、光検出素子120の上面はレーザ光の出射面108を含んでいる。
【0035】
また、光検出素子120は、半導体層122を備える。半導体層122は、第1コンタクト層111と、光吸収層112と、第2コンタクト層113と、を含む。第1コンタクト層111は分離層20上に設けられ、光吸収層112は第1コンタクト層111上に設けられ、第2コンタクト層113は光吸収層112上に設けられている。第1コンタクト層111の平面形状は、光吸収層112および第2コンタクト層113の平面形状よりも大きく形成されている(図1および図2参照)。第2コンタクト層113および光吸収層112は、柱状の半導体堆積体を構成する。
【0036】
第1コンタクト層111は例えばn型GaAs層からなり、光吸収層112は例えば不純物が導入されていないGaAs層からなり、第2コンタクト層113は例えばp型GaAs層からなることができる。具体的には、第1コンタクト層111は、たとえばケイ素(Si)がドーピングされることによりn型にされ、第2コンタクト層113は、たとえば炭素(C)がドーピングされることによりp型にされている。したがって、p型の第2コンタクト層113、不純物がドーピングされていない光吸収層112、およびn型の第1コンタクト層111により、pinダイオードが形成される。
【0037】
光検出素子120には、第3電極116および第4電極110が設けられている。この第3電極116および第4電極110は光検出素子120を駆動させるために使用される。具体的には、図1および図2に示すように、第3電極116は、第1コンタクト層111を覆うように形成されている。第3電極116の一部は、上述の第2電極109上に形成されている。すなわち、第3電極116と第2電極109とは、電気的に接続されている。図3に示すように、第3電極116はたとえばリング状の平面形状を有しており、主として第1コンタクト層111および第2絶縁層40を取り囲むように設けられている。言い換えれば、第1コンタクト層111および第2絶縁層40は、第3電極116の内側に設けられている。
【0038】
第4電極110は、図3に示すように、たとえばリング状の平面形状を有する接続部110aと、直線状の平面形状を有する引き出し部110bと、円状の平面形状を有するパッド部110cと、を有する。第4電極110は、接続部110aにおいて第2コンタクト層113と電気的に接続されている。第4電極110の引き出し部110bは、接続部110aとパッド部110cとを接続している。第4電極のパッド部110cは、電極パッドとして用いることができる。第4電極110は光検出素子120の上面上(第2コンタクト層113上)に設けられている。第4電極110には開口部114が設けられており、この開口部114によって第2コンタクト層113の上面の一部が露出する。この露出した面が、レーザ光の出射面108である。したがって、開口部114の平面形状および大きさを適宜設定することにより、出射面108の形状および大きさを適宜設定することができる。本実施の形態においては、図3に示すように、出射面108が円形である場合を示す。
【0039】
また、本実施の形態の光素子100においては、第3電極116は第1電極107と同じ材質にて形成することができ、第4電極110は第2電極109と同じ材質にて形成することができる。
【0040】
また、主として光吸収層112および第2コンタクト層113を取り囲むように第2絶縁層40が形成されている。第2絶縁層40は、図1〜図3に示すように、第1コンタクト層111、第2ミラー104、および第1絶縁層30の上に形成されている。さらに、第2絶縁層40は、第4電極110の引き出し部110bおよびパッド部110cの下に形成されている。
【0041】
ここで、半導体層122の膜厚dについて説明する。
【0042】
一般に、設計波長をλとし、半導体層122の屈折率をnとした場合、半導体層122の膜厚dをλ/4nの偶数倍(λ/2nの整数倍)に設計することにより、光検出素子120の光の吸収効率は向上する。このような膜厚にすることによって、半導体層122においてファブリ・ペロー共振が起こるからである。しかし、光検出素子120においてファブリ・ペロー共振が起こると、光検出素子120から下方に放出される光と、活性層から出射し光検出素子の表面で下方に反射される光とが打ち消し合うため第2ミラー104の実質的な反射率が低下し、面発光型半導体レーザ140の光閉じこめが悪化するため、閾値が上昇してしまう。
【0043】
そこで、本実施の形態にかかる光素子100においては、半導体層122は、面発光型半導体レーザ140が発振する光の波長と、上述したファブリ・ペロー共振の中心波長が一致しないような膜厚、すなわちファブリ・ペロー共振がほとんど起こらないような膜厚を有する。即ち、半導体層122は、λ/4nの偶数倍以外の膜厚を有する。
【0044】
これにより、上述した光の打ち消しあいを抑制し、光検出素子120が面発光型半導体レーザ140の光学特性に与える影響を低減することができる。
【0045】
図4は、半導体層122の膜厚と、半導体レーザから出射した光が半導体吸収層122を透過する割合および半導体吸収層の吸収割合との関係を示す図である。図4において、横軸は半導体層122の膜厚(λ/4nの倍率)、縦軸は出力、Tおよびηは、それぞれ通常のファブリ・ペロー共振から想定される透過率および吸収効率、T(FDTD)は、時間領域差分法による透過率のシミュレーション結果を示す。シミュレーションに用いた光素子の条件等は後述する。
【0046】
図4の透過率のシミュレーション結果によれば、膜厚がλ/4nの偶数倍付近のときに透過率および吸収効率がともに上昇していることがわかる。つまり、膜厚がλ/4nの偶数倍付近では、半導体レーザから出射した光が半導体層122を透過しやすく、かつ半導体吸収層における吸収効率が高い。これはすなわち、膜厚がλ/4nの偶数倍付近のとき、半導体吸収層122との界面において、面発光型半導体レーザ140への反射率が低下していることを示している。半導体吸収層122との界面における反射率の低下は、後述するように活性層に蓄積される光の減少を引き起こすため、上述のように発振閾値の上昇を引き起こす(図7参照)。また、たとえば光ファイバなどの外部媒体からの戻り光が、半導体吸収層122へ入射する場合を考えた場合も、戻り光の入射面(半導体レーザの出射面108)における上方向への反射と半導体吸収層122におけるファブリ・ペロー共振から上方向へ出射される光とが打ち消しあうため、戻り光の入射面108における反射率が低下し、半導体吸収層122の透過率が上昇する。すなわち、面発光型半導体レーザ140への戻り光の影響が大きく、外部媒体との距離で決まる戻り光の位相条件によって活性層エネルギーが大きく変動する(図9参照)。よって、半導体層122の膜厚をλ/4nの偶数倍以外とすることにより、光検出素子120が面発光型半導体レーザ140の光学特性に与える影響を低減することができる。
【0047】
また、半導体層122は、下記式(1)を満たす膜厚dを有することが好ましい。
【0048】
(2m−1)λ/4n−3λ/16n<d<(2m−1)λ/4n+3λ/16n・・・(1)
〔式(1)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは設計波長を示す。〕
半導体層122の膜厚dを、上記式(1)の範囲内とすることによって、光素子100から出射する光の放射角の安定性を向上させることができる。
【0049】
図5は、0次モードにおける半導体層122の膜厚と放射角との関係を示す図であり、図6は、1次モードにおける半導体層122の膜厚と放射角との関係を示す図である。図5および図6において、横軸は放射角、縦軸は光強度を示す。図5によれば、λ/4nの偶数倍の14λ/4nおよび16λ/4nのグラフが領域Aにサイドローブを有している。また、図6によれば、49λ/16nのグラフが領域Bにサイドローブを有している。
【0050】
このように、図5および図6によれば、半導体層122は、λ/4nの偶数倍の膜厚またはλ/4nの偶数倍にλ/16nを加えた膜厚を有する場合に、放射角が不安定になっていることがわかる。そこで、式(1)の範囲に膜厚dを設定することにより、光素子100における光の放射角を安定させることができる。
【0051】
また、半導体層122は、下記式(2)を満たす膜厚dを有することがさらに好ましい。
【0052】
(2m−1)λ/4n−λ/8n<d<(2m−1)λ/4n+λ/8n・・・(2)
〔式(2)において、mは整数、nは半導体層の屈折率、λは設計波長を示す。〕
半導体層122の膜厚dを、上記式(2)の範囲内とすることによって、光検出素子120を設けることによる面発光型半導体レーザ140の閾値の上昇を抑えることができる。
【0053】
図7は、半導体層122の膜厚と活性層内の光エネルギーとの関係を示す図であり、図8は、半導体層122の膜厚と出力との関係を示す図である。図7において、横軸は半導体層122の膜厚(λ/4nの倍率)、縦軸は活性層内の光エネルギーを示す。図8において、横軸は電流、縦軸は出力を示す。
【0054】
図7によれば、半導体層122の膜厚dが式(2)の範囲内である領域Bでは、活性層内に蓄えられるエネルギーが大きいが、式(2)の範囲外である領域Cでは、活性層内のエネルギーが急激に減少している。図8によれば、式(2)の範囲である13λ/4nおよび13.5λ/4nの閾値が、式(2)の範囲外である14λ/4nの閾値に比べて小さく、約1/2になっていることがわかる。したがって、半導体層122の膜厚dが式(2)の範囲内であれば、式(2)の範囲外である場合に比べて、光閉じこめが良好で、面発光型半導体レーザ140の閾値の上昇を抑制することができる。
【0055】
また、半導体層122の膜厚dは、λ/4nの奇数倍であることがさらに好ましい。図7によれば、半導体層122の膜厚dがλ/4nの奇数倍であるときに、活性層内のエネルギーが極大値になっている。したがって、半導体層122の膜厚dがλ/4nの奇数倍であれば、他の膜厚である場合と比べて閾値の上昇を抑制することができる。
【0056】
次に、光素子100の上方に反射ガラス板を設けた場合の、反射ガラス板からの戻り光が活性層内のエネルギーに与える影響について説明する。図9は、半導体層122の膜厚と、反射ガラス板からの戻り光が活性層内のエネルギーに与える影響との関係を示す図である。図9において、横軸は距離、縦軸は活性層内の光エネルギーを示す。図9によれば、半導体層122の膜厚dが15λ/4nの活性層内のエネルギーの揺らぎが、14λ/4nの揺らぎより小さい。したがって、半導体層122がλ/4nの奇数倍の膜厚dを有する方が、λ/4nの偶数倍の膜厚dを有するときより、反射ガラス板からの戻り光が面発光型半導体レーザ140に与える影響が小さい。
【0057】
なお、図4〜図9に示すデータを導くために、シミュレーションに用いた光素子の条件等について説明する。シミュレーションに用いた光素子において、第1ミラーは、屈折率3.525および3.049の膜を37.5ペア積層したものであり、第2ミラーが25ペア積層したものであるとした。面発光型半導体レーザの側面は、ポリイミド(屈折率1.78)、下面はGaAs(屈折率3.62)、上面は空気(屈折率1.00)で覆われているとした。柱状部については、傾斜角が80度とし、外径約50μm、深さを活性層下4ペアまでとした。電流狭窄層については、第2ミラーの最下層に設けられ、屈折率を1.6とし、内径13μm、膜厚30nmとした。面発光型半導体レーザの上面に設けられた第1コンタクト層については、材質がGaAs、屈折率3.62、膜厚が58.68nmとした。第2電極および第3電極については、開口径31μm、膜厚はミラー1ペア分とした。第2コンタクト層については、材質がGaAs、屈折率3.62、膜厚が117.4nmとした。第4電極の開口径は25μm、膜厚はミラー1ペア分とした。第1コンタクト層、光吸収層および第2コンタクト層の膜厚の合計が、λ/16n×36、37、・・・52になるようにした。
【0058】
1.4.全体の構成
本実施の形態の光素子100においては、面発光型半導体レーザ140のn型第1ミラー102およびp型第2ミラー104、ならびに光検出素子120のn型第1コンタクト層111およびp型第2コンタクト層113から、全体としてnpnp構造が構成される。
【0059】
光検出素子120は、面発光型半導体レーザ140で生じた光の出力をモニタする機能を有する。具体的には、光検出素子120は、面発光型半導体レーザ140で生じた光を電流に変換する。この電流の値によって、面発光型半導体レーザ140で生じた光の出力が検知される。
【0060】
より具体的には、光検出素子120において、面発光型半導体レーザ140により生じた光の一部が光吸収層112にて吸収され、この吸収された光によって、光吸収層112において光励起が生じ、電子および正孔が生じる。そして、素子外部から印加された電界により、電子は第3電極116に、正孔は第4電極110にそれぞれ移動する。その結果、光検出素子120において、第1コンタクト層111から第2コンタクト層113の方向に電流が生じる。
【0061】
また、面発光型半導体レーザ140の光出力は、主として面発光型半導体レーザ140に印加するバイアス電圧によって決定される。特に、面発光型半導体レーザ140の光出力は、面発光型半導体レーザ140の周囲温度や面発光型半導体レーザ140の寿命によって大きく変化する。このため、面発光型半導体レーザ140において所定の光出力を維持することが必要である。
【0062】
本実施の形態にかかる光素子100では、面発光型半導体レーザ140の光出力をモニタし、光検出素子120にて発生した電流の値に基づいて面発光型半導体レーザ140に印加する電圧値を調整することによって、面発光型半導体レーザ140内を流れる電流の値を調整することができる。したがって、面発光型半導体レーザ140において所定の光出力を維持することができる。面発光型半導体レーザ140の光出力を面発光型半導体レーザ140に印加する電圧値にフィードバックする制御は、外部電子回路(駆動回路;図示せず)を用いて実施することができる。
【0063】
2.光素子の製造方法
まず、n型GaAs層からなる半導体基板101の表面101aに、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、半導体多層膜が形成される。エピタキシャル成長させる方法としては、有機金属気相成長(MOVPE:Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy)法や、MBE法(Molecular Beam Epitaxy)法、あるいはLPE法(Liquid Phase Epitaxy)を用いることができる。
【0064】
その後、所定の形状に順次パターニングを行ったのち、第2ミラー104を側面から酸化して、電流狭窄層105が形成される。そして絶縁層30、40および各電極を形成することにより、光素子100を形成することができる。
【0065】
3.光モジュール
次に図10を用いて、本発明に係る光電子集積素子を適用した光モジュールを説明する。図10は、本実施の形態に係る光モジュール700を模式的に示す断面図である。図10では、光素子100を適用した光モジュール700を説明する。
【0066】
光モジュール700は、受信部400、送信部500、および電子回路部600を含む。電子回路部600は、増幅回路部610および駆動回路部620を含む。
【0067】
受信部400は、基板406と、受光素子200と、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ300と、筐体部402と、ガラス板404とを含む。
【0068】
筐体部402は、たとえば樹脂材料で形成され、後述するスリーブ420と、集光部405と一体的に形成される。同様に筐体部402は、樹脂材料で形成され、後述するスリーブ420と一体的に形成される。樹脂材料としては、光を透過可能なものが選択され、たとえば、プラスチック系光ファイバ(POF)に用いられるポリメチルメタクリレート(PMMA)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート、フェニルメタクリレート、フッ素系ポリマー等を採用することができる。
【0069】
スリーブ420は、外部から光ファイバなどの導光部材(図示せず)をはめ込み可能に形成されており、収容空間422の周壁の一部を構成している。集光部405は、スリーブ420の収容空間422側に設けられ、導光部材からの光信号を集光して送り出す。これにより、導光部材からの光の損失を低減して、受光素子200と導光部材との光の結合効率を良好なものとすることができる。
【0070】
送信部500は、サブマウント基板508と、光素子100と、筐体部502とを含む。光素子100は、サブマウント基板508上に設置されている。
【0071】
光素子100の面発光型半導体レーザ140は、外部から入力した電気信号を光信号に変換して、導光部材(図示せず)を介して外部に出力する。受光素子200は、導光部材を介して光信号を受信し、これを電流に変換し、変換した電流をヘテロ接合バイポーラトランジスタ300に送る。ヘテロ接合バイポーラトランジスタ300は、受け取った電流を電圧出力に変換し、増幅して、電子回路部600に送る。増幅回路部610は、電圧出力が一定以上にならないように制御し、外部に出力する。なお、電気信号の出力端子や入力端子などの外部端子の説明は省略する。このように、光素子100は、光モジュール700に用いられる。
【0072】
本実施の形態にかかる光素子100によれば、光検出素子120が面発光型半導体レーザ140上に設けられているため、光モジュール700は、スリーブ520の収容空間522側に斜めガラス部を備える必要がなくなり、素子の小型化およびコストの低減を実現することができる。
【0073】
以上、本発明の好適な実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されず、各種の態様を取りうる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施の形態にかかる光素子を模式的に示す断面図。
【図2】本実施の形態にかかる光素子を模式的に示す断面図。
【図3】本実施の形態にかかる光素子を模式的に示す平面図。
【図4】半導体層の膜厚と光の透過率および吸収量との関係を示す図。
【図5】半導体層の膜厚と放射角との関係を示す図。
【図6】半導体層の膜厚と放射角との関係を示す図。
【図7】半導体層の膜厚と活性層内のエネルギーとの関係を示す図。
【図8】半導体層の膜厚と出力との関係を示す図。
【図9】半導体層の膜厚と戻り光が活性層内のエネルギーに与える影響を示す図。
【図10】本実施の形態にかかる光モジュールを模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0075】
20 分離層、30 第1絶縁層、40 第2絶縁層、100 光素子、101 基板、102 第1ミラー、103 活性層、104 第2ミラー、105 電流狭窄層、107 第1電極、108 出射面、109 第2電極、110 第4電極、111 第1コンタクト層、112 光吸収層、113 第2コンタクト層、114 開口部、116 第3電極、117 接続電極、120 光検出素子、122 半導体層、130 柱状部、140 面発光型半導体レーザ、200 受光素子、300 ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、400 受信部、402 筐体部、404 ガラス板、405 集光部、406 サブマウント基板、420 スリーブ、422 収容空間、500 送信部、502 筐体部、508 サブマウント基板、512 モニタフォトダイオード、520 スリーブ、522 収容空間、600 電子回路部、610 増幅回路部、620 駆動回路部、700 光モジュール




 

 


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