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発明の名称 圧電デバイス、圧電デバイスの製造方法及び電子機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−19310(P2007−19310A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200130(P2005−200130)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 今村 峰宏
要約 課題
圧電デバイスの周波数調整の高精度化、及び圧電デバイスの小型化・薄型化を図った圧電デバイス、圧電デバイスの製造方法、及び電子機器を提供する。

解決手段
パッケージ3内に圧電素子2が収容された圧電デバイス20であって、圧電素子2が実装され、電気的に接続されたTAB基板5と、TAB基板5と電気的に接続された駆動用IC26と、圧電素子20を収容する透明材料からなる蓋体12と、を備え、蓋体12と駆動用IC26とが陽極接合により接合され、圧電素子2が蓋体12と駆動用IC26とで封止されたことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
パッケージ内に圧電素子が収容された圧電デバイスであって、
前記圧電素子が実装され、前記圧電素子と電気的に接続されたTAB基板と、
前記TAB基板と電気的に接続された駆動用ICと、
前記圧電素子を収容する透明材料からなる蓋体と、を備え、
前記蓋体と前記駆動用ICとが陽極接合により接合され、前記圧電素子が前記蓋体と前記駆動用ICとで封止されたことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記TAB基板は、絶縁テープと前記絶縁テープの一面側に設けられた導電部とを有し、
前記駆動用ICには前記駆動用ICを貫通する貫通電極が設けられ、
前記TAB基板が前記駆動用IC上に実装されるとともに、前記TAB基板の前記導電部と前記駆動用ICの前記貫通電極とが電気的に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記TAB基板の一面側に形成される前記導電部の一端部が、前記TAB基板の一面側の端部から前記TAB基板の他面側から突出して延設され、
前記圧電素子が、前記TAB基板の前記導電部の一端部に設けられた電極端子と電気的に接続されたことを特徴とする請求項2に記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記蓋体は、上面部と、前記上面部の周縁部から略垂直に延設された側壁部とを有し、前記上面部と前記側壁部とに囲まれた内側には中空とされる凹部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
【請求項5】
前記凹部が、前記圧電素子の外形よりも大きく形成されたことを特徴とする請求項4に記載の圧電デバイス。
【請求項6】
前記パッケージは、前記蓋体が前記パッケージの上面及び側面に対応し、前記駆動用ICが前記パッケージの底面に対応し、
前記パッケージの内部には中空とされる内部空間が形成され、
前記圧電素子が前記内部空間に収容されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
【請求項7】
前記駆動用ICの前記圧電素子が実装された面とは反対側の面には、前記貫通電極に一端部が接続された引き廻し配線が設けられ、前記引き廻し配線の他端部には突起電極が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
【請求項8】
透明材料からなる前記蓋体がガラスからなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
【請求項9】
TAB基板に圧電素子を実装する工程と、
シリコンウエハに半導体素子を含む駆動用ICを形成するとともに、前記駆動用ICごとに前記シリコンウエハを貫通する貫通電極を形成する工程と、
前記圧電素子を実装した前記TAB基板を前記シリコンウエハの前記駆動用IC上に実装し、前記シリコンウエハの前記駆動用ICごとに形成した前記貫通電極と前記TAB基板とを電気的に接続する工程と、
中空とされる凹部を有する蓋体を前記シリコンウエハの前記駆動用IC上に実装し、前記蓋体と前記シリコンウエハとを陽極接合により接合させる工程と、
前記シリコンウエハを前記駆動用ICの外周に沿ってダイシングする工程と、
を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の圧電デバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイス、圧電デバイスの製造方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオ等において、撮像時に発生する手ぶれを補正するために、水晶振動子を用いた圧電デバイス(ジャイロセンサ)が広く利用されている。この圧電デバイスの搭載により、ぶれのない高品質な画像が提供されている。一方、近年の上記電子機器の小型化・薄型化はめざましく、それに伴い電子機器に搭載される圧電デバイスの小型化・薄型化も要求されている。
【0003】
以下に、一般的な圧電デバイスの一例である音叉型水晶振動子の構造について説明する。
音叉型水晶振動子は、基部から第1及び第2の腕部が同一方向に並列して延びる音叉型の平面形状を有する薄板状の水晶片からなる圧電素子と、この圧電素子の基部に対して2本の内部端子がワイヤーボンディング等によりそれぞれ接続された駆動用ICと、圧電素子を収納したパッケージとから構成され、パッケージによって内部が気密状態に保たれている。このパッケージは、セラミック製の複数の基板を積層して内側に所定の内部空間を形成するようにされている。
【0004】
圧電デバイスは、以上のように構成されており、外部からの駆動電圧が電極部及び導電性接着剤を介して圧電振動片に伝えられると、圧電振動片の励振電極からの電圧が圧電材料に伝えられることで、一対の振動腕が屈曲振動を生じ、所定の周波数で振動する。この振動周波数を外部に取り出すことによって、所定の周波数の出力を得ることができるようになっている。
【0005】
圧電デバイスの製品完了後(製造工程中)には、圧電デバイスが正確な発振周波数で動作するか否かを計測する工程が設けられる。ここで、計測した圧電デバイスの動作周波数に、目標の設定値に対して誤差が生じた場合には圧電素子の周波数調整が行われる。周波数調整の方法としては以下の方法が挙げられる。まず、圧電素子の先端部に金属からなる錘部を形成する。そして、錘部にレーザ光を照射して錘部をトリミング(質量削減方式)し、圧電素子の振動周波数を調整する。ここで、パッケージはセラミック等の不透明材料であるため、パッケージング後に圧電素子にレーザ光を照射して周波数調整を行うことは困難である。従って、一般的には、圧電素子をTAB基板に実装し、パッケージングする前の大気圧状態において上述した方法により周波数調整が行われる。このとき、真空前と真空後の状態では圧電素子の周波数特性が異なるため、大気圧時(真空前)の周波数調整の際には予め真空後に生じる誤差を考慮して周波数調整が行われる。そして、周波数調整が終了した後に真空状態で圧電素子をパッケージングする(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−127379号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の方法では、真空後に生じる周波数の誤差を考慮して周波数調整が行われるが、算出した補正値の精度に誤差が生じる場合がある。これにより、パッケージング後の電子機器の周波数特性に誤差が生じ、製品の歩留りの低下を招くおそれがあった。
また、近年の圧電デバイスの小型化・薄型化により、さらなる小型化・薄型化が期待されているところ、ICデバイスとTAB基板とをワイヤーボンディングによりセラミック基板を介して実装する方法では、電子機器の小型化・薄型化を図ることは困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧電デバイスの周波数調整の高精度化、及び圧電デバイスの小型化・薄型化を図った圧電デバイス、圧電デバイスの製造方法、及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、パッケージ内に圧電素子が収容された圧電デバイスであって、前記圧電素子が実装され、前記圧電素子と電気的に接続されたTAB基板と、前記TAB基板と電気的に接続された駆動用ICと、前記圧電素子を収容する透明材料からなる蓋体と、を備え、前記蓋体と前記駆動用ICとが陽極接合により接合され、前記圧電素子が前記蓋体と前記駆動用ICとで封止されたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、圧電素子を収容する蓋体が透明材料であるため、蓋体の外部からレーザ光を照射するとレーザ光は蓋体を透過する。これにより、圧電素子を蓋体に収容した状態で圧電素子を周波数調整することができる。つまり、真空状態において周波数調整を行うことができる。従って、従来のように、真空後における補正値等を考慮する必要がなく、高精度に周波数調整を行うことが可能となる。
【0010】
また本発明の圧電デバイスは、前記TAB基板が絶縁テープと前記絶縁テープの一面側に設けられた導電部とを有し、前記駆動用ICには前記駆動用ICを貫通する貫通電極が設けられ、前記TAB基板が前記駆動用IC上に実装されるとともに、前記TAB基板の前記導電部と前記駆動用ICの前記貫通電極とが電気的に接続されたことも好ましい。
【0011】
この構成によれば、駆動用ICには貫通電極が形成されるため、駆動用IC上に直接駆動用ICを実装することで、駆動用ICとTAB基板及び外部の電子デバイスと駆動用ICとを電気的に接続することができる。これにより、従来のように、セラミック基板等を介してワイヤーボンディングにより圧電素子と駆動用ICとを電気的に接続する必要がない。従って、圧電デバイスの小型化・薄型化を図ることができるとともに、歩留りの向上を図ることができる。
【0012】
また本発明の圧電デバイスは、前記TAB基板の一面側に形成される前記導電部の一端部が、前記TAB基板の一面側の端部から前記TAB基板の他面側から突出して延設され、前記圧電素子が、前記TAB基板の前記導電部の一端部に設けられた電極端子と電気的に接続されたことも好ましい。
【0013】
この構成によれば、圧電素子がTAB基板の導電部の先端部のみにより保持される。これにより、圧電素子が他の部分(蓋体の内壁面等)と接触することなく、圧電デバイスの中空に浮いた状態となる。従って、高精度な周波数特性を得ることができる。
【0014】
また本発明の圧電デバイスは、前記蓋体が、上面部と前記上面部の周縁部から略垂直に延設された側壁部とを有し、前記上面部と前記側壁部に囲まれた内側には中空とされる凹部が形成されたことも好ましい。
【0015】
この構成によれば、蓋体には凹部が設けられるため、上記蓋体と駆動用ICとをパッケージとして用いた場合、このパッケージ内には中空とされる内部空間が形成される。従って、この内部空間に圧電素子を収容することで、圧電素子を蓋体に収容した状態で圧電素子を周波数調整することができる。
【0016】
また本発明の圧電デバイスは、前記凹部が、前記圧電素子の外形よりも大きく形成されたことも好ましい。
【0017】
これにより、圧電素子が他の部分(蓋体の内壁面等)と接触することなく、圧電素子をパッケージ内部に収容することができる。
【0018】
また圧電デバイスの前記パッケージは、前記パッケージは、前記蓋体が前記パッケージの上面及び側面に対応し、前記駆動用ICが前記パッケージの底面に対応し、前記パッケージの内部には中空とされる内部空間が形成され、前記圧電素子が前記内部空間に収容されたことも好ましい。
【0019】
この構成によれば、蓋体には凹部が設けられるため、上記蓋体と駆動用ICとをパッケージとして用いた場合、このパッケージ内には中空とされる内部空間が形成される。従って、この内部空間に圧電素子を収容することで、圧電素子を蓋体に収容した状態で圧電素子を周波数調整することができる。さらに、本発明では、駆動用ICが圧電デバイスを収容するパッケージの一部である底部を構成する。これにより、従来のように、セラミック基板等を介してワイヤーボンディングにより駆動用ICを実装する必要がない。従って、圧電デバイスの小型化・薄型化を図ることができるとともに、歩留りの向上を図ることができる。
【0020】
また本発明の圧電デバイスは、前記駆動用ICの前記圧電素子が実装された面とは反対側の面には、前記貫通電極に一端部が接続された引き廻し配線が設けられ、前記引き廻し配線の他端部には突起電極が設けられたことも好ましい。
【0021】
この構成によれば、駆動用ICの外部に設けられた接続端子の再配置が可能となり、他の電子部品との接続の自由度を向上させることができる。
【0022】
また本発明の圧電デバイスは、透明材料からなる前記蓋体がガラスからなることも好ましい。
【0023】
この構成によれば、圧電素子の周波数調整の際、蓋体と駆動用ICとが接合された状態でレーザ光を照射して、パッケージ内の圧電素子の周波数調整を行うことが可能となる。
【0024】
本発明の圧電デバイスの製造方法は、TAB基板に圧電素子を実装する工程と、シリコンウエハに半導体素子を含む駆動用ICを形成するとともに、前記駆動用ICごとに前記シリコンウエハを貫通する貫通電極を形成する工程と、前記圧電素子を実装した前記TAB基板を前記シリコンウエハの前記駆動用IC上に実装し、前記シリコンウエハの前記駆動用ICごとに形成した前記貫通電極と前記TAB基板とを電気的に接続する工程と、中空とされる凹部を有する蓋体を前記シリコンウエハの前記駆動用ICに実装し、前記蓋体と前記シリコンウエハとを陽極接合により接合させる工程と、前記シリコンウエハを前記駆動用ICの外周に沿ってダイシングする工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
この方法によれば、シリコンウエハをダイシングする前の状態で、駆動用ICを蓋体により封止するとともに、外部に接続するための端子を形成することができる。これにより、製造工程の効率化を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
【0026】
本発明の電子機器は、上記圧電デバイスを備えたことを特徴とする。
この電子機器によれば、高精度に周波数調整された圧電デバイスを備えるため、より高精度な電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0028】
(圧電デバイスの構造)
図1は圧電デバイス20を模式的に示す斜視図であり、図2は図1に示す圧電デバイス20のA−A’線に沿った断面図であり、図3は図1に示す圧電デバイス20の底面26c(11c)を模式的に示す平面図である。本実施形態では、2軸の検出方向を有する圧電デバイスについて説明する。また、本実施形態においては、圧電デバイス20として、角速度を検出するための角速度検出器(ジャイロセンサ)に適用した場合を例にして説明する。
【0029】
圧電デバイス20は、図1に示すように、電圧を印加すると圧電逆効果により単一周波数で振動する圧電素子2と、圧電素子2を中空に浮かせて駆動用IC26との電気的接続を図るためのTAB基板5と、圧電デバイス20に電圧を印加するとともに、得られた周波数を検出する駆動用IC26とを備えている。そして、上記圧電素子2は、蓋体12の空間内部に収容されることにより封止される。なお、本実施形態においては圧電素子2として音叉型の圧電振動片が用いられる。
【0030】
圧電素子2は、図1に示すように、基部15と、その基部15の一方側(+X側)に延びる一対の励振用振動片16と、基部15の他方側(−Y側)に延びる検出用振動片17とを備えている。励振用振動片16のそれぞれには、この励振用振動片16を励振するための励振電極18が設けられており、検出用振動片17には、この検出用振動片17から発生した電界を検出するための検出電極19が設けられている。また、圧電素子2は例えば水晶等の圧電材料で形成されている。
【0031】
TAB基板5は、図1,図2に示すように、ポリイミド樹脂等からなる絶縁テープ6と、その絶縁テープ6の下面6Aに設けられた導電性を有する配線パターン8とを備えている。絶縁テープ6の中央部には開口部7が形成されている。従って、絶縁テープ6は全体として環状に形成されており、その下面6Aも環状に形成されている。配線パターン8は、図1,図2に示すように、絶縁テープ6の下面6Aの外側の両短辺の一端部6cから内側の両短辺の他端部6d(開口部7)に延設される。そして、他端部6dに延設された配線パターン8は、この他端部6dを軸にして上面6B方向に屈曲しながら上面6Bから突設し、さらにその先端部は上面6Bに対して平行となるように屈曲して開口部7中央付近まで延設される。この延設された配線パターン8の先端部の上面側には実装端子9が形成されている。配線パターン8は、図1に示すように、開口部7を挟んで、絶縁テープ6の+X側及び−X側のそれぞれに互いに間隔をあけて複数ずつ(ここでは3つずつ、計6つ)設けられている。これらの配線パターン8の実装端子9上には、図2に示すように、上記圧電素子2が実装され、TAB基板5の配線パターン8の実装端子9と圧電素子2とが電気的に接続される。これにより、圧電素子2は、配線パターン8の先端部のみに支持され、パッケージ3内の中空に浮いた状態となる。
【0032】
駆動用IC26は、半導体素子が能動面に形成されたシリコンウエハを平面視矩形状にダイシングしたものである。駆動用IC26には、図2に示すように、駆動用IC26の能動面26aから裏面方向に貫通する貫通電極14が形成される。貫通電極14は、図1に示すように、実装されるTAB基板5の配線パターン8の電極端子28に対応した位置に形成され、駆動用IC26上に実装されるTAB基板5と電気的に接続される。また、貫通電極14は、シリコンウエハに形成された貫通孔内に絶縁層等を介して埋め込まれた金属端子と、金属端子の上面に形成された接合層とを備えて構成される。金属端子は、Cu,Al等をメッキ法により析出させたものであり、接合層は、例えば無鉛はんだ等のろう材である。また、駆動用IC26の能動面26aの周縁部(駆動用IC26に実装されたTAB基板5の外周)には、図1,2に示すように、蓋体12の側壁部12bの幅W1に対応した実装領域26bが設けられる。
【0033】
駆動用IC26の裏面26cの各貫通電極14上には、図3に示すように、Al等の導電材料からなる電極端子10が形成される。さらに、各電極端子10上には、導電材料又はアクリル樹脂からなる半円形状の突起電極24が形成される。突起電極24を樹脂により形成する場合には、樹脂の表面にAu,Cu等のメッキ処理を施す。また、図3に示すように、駆動用IC26の裏面26cの短辺方向に沿って配列される電極端子10のうち例えば中間に配列される電極端子10には、駆動用IC26の裏面26c中央に向かって延在する引き廻し配線27が形成される。そして、突起電極24は、上記引き廻し配線27の先端部上に形成される。これにより、電極端子10の再配置が行われ、隣接する電極端子10,10間においてショート等が防止されるようになっている。
【0034】
蓋体12は、駆動用IC26上に実装される圧電素子2を密閉させて真空状態に保持するのものであり、周波数調整の際のレーザ光を透過させるため透明材料であるガラスから形成される。ガラスの種類としては、シリコンと熱膨張係数が近い、パイレックス(登録商標)ガラス、又は無アルカリガラス等を用いることが好ましい。また、蓋体12は、平面視矩形状の天井部12c(上面部)と、天井部12cの4辺から天井部12cに対して垂直に延設された側壁部12bとを有し、側壁部12bに囲まれた領域には凹部12dが形成される。この蓋体12の凹部12d内部は中空となっている。凹部12dの高さ(Z軸方向)は、圧電素子2の高さと、圧電素子2が実装されるTAB基板5の高さとを合わせた高さよりも高く、凹部12dのX軸方向及びY軸方向の長さは、駆動用IC26に実装されるTAB基板5の外形よりも大きくなるように形成される。つまり、駆動用IC26に実装されるTAB基板5及び圧電素子2に接触しないように凹部12dは形成される。
【0035】
本実施形態の圧電デバイス20は、図1及び図2に示すように、上述した蓋体12が、蓋体12の凹部12dの窪んだ部分を駆動用IC26に対向させて駆動用IC26の実装領域26bに実装される。そして、蓋体12の側壁部12bの接触面12aと駆動用IC26の実装領域26bの表面とが陽極接合により接合され、蓋体12と駆動用IC26とが固定される。このように圧電デバイス20のパッケージ3は、駆動用IC26をパッケージ3の底面とし、蓋体12をパッケージ3の側面及び上面として構成される。つまり、駆動用IC26がパッケージ3の一部として機能する。これにより、パッケージ内部には中空とされる内部空間22が形成され、圧電素子2はこの内部空間22に真空、かつ、浮いた状態でパッケージ3に収容されることになる。
【0036】
次に、圧電デバイスの動作について簡単に説明する。
圧電素子2においては、励振電極18に駆動電圧が印加されると、励振用振動片16が、図3中、Y軸方向にいわゆる音叉振動する。励振用振動片16の振動(音叉振動)は検出用振動片17に伝達され、励振用振動片16の振動に伴って、検出用振動片17もY軸方向に音叉振動する。そして、検出用振動片17がY軸方向に振動した状態で、圧電素子2がθX方向に回転すると、すなわち、θX方向に角速度ωが作用すると、振動方向(Y軸方向)と角速度ωとのベクトル積の方向に働くコリオリ力により、検出用振動片17にはZ軸方向への振動が発生する。なおこのとき、検出用振動片17のそれぞれは、+Z方向と−Z方向とに交互に振動するようになっている(ウォーク振動)。
【0037】
本実施形態によれば、圧電素子2を収容する蓋体12が透明材料であるため、蓋体12の外部からレーザ光を照射するとレーザ光は蓋体12を透過する。これにより、圧電素子2を蓋体12に収容した状態で圧電素子2の周波数調整することができる。つまり、真空状態において周波数調整を行うことができる。従って、従来のように、真空前に真空後の補正値等を考慮して周波数調整する必要がなく、高精度に周波数調整を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、駆動用IC26には貫通電極14が形成されるため、駆動用IC26上に直接駆動用IC26を実装することで、駆動用IC26とTAB基板5及び、外部の電子デバイスと駆動用IC26を電気的に接続することができる。これにより、従来のように、セラミック基板等を介してワイヤーボンディングにより圧電素子2と駆動用IC26とを電気的に接続する必要がない。従って、圧電デバイス20の小型化・薄型化を図ることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、圧電素子2がTAB基板5の導電部の先端部のみにより保持される。これにより、圧電素子2が他の部分(蓋体12の内壁面等)と接触することなく、電子デバイスの中空に浮いた状態となる。従って、高精度な周波数特性を得ることができる。
【0038】
(圧電デバイスの製造方法)
以下に、本実施形態の圧電デバイスの製造方法について説明する。
まず、駆動用IC(シリコンウエハ)に貫通電極を形成する方法について説明する。
図4(a)〜(g)は、駆動用IC26に貫通電極14を形成する工程を示す断面図である。なお、図4においてはシリコンウエハ11aの一部のみを表している。
【0039】
図4(a)に示すように、例えば厚さ400μm程度のシリコンウエハ11aを用意し、シリコンウエハ11aの表面全体に熱酸化等により、酸化シリコンからなる絶縁層35を形成する。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、シリコンウエハ11aに所定アスペクト比の複数の溝部31を形成する。具体的には、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁層35の全面にレジストを塗布した後、露光、現像処理によりレジストを所定形状にパターニングする。そして、パターニングしたレジストをマスクとして、エッチング処理によりシリコンウエハ11aに複数の溝部31を形成する。溝部31は例えば平面視円形状であり、溝部31の深さは100μmであり、開口径は30μmである。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、シリコンウエハ11aに形成した溝部31の内壁面31aを覆う絶縁膜35aを形成する。絶縁膜35aは、例えば、原料ガスにTEOS(テトラエトキシシラン)を用いたプラズマCVD法や、熱酸化法により、溝部31の内壁面31aの露出したシリコンウエハ11aを直接酸化させて形成する。この絶縁膜35aはシリコン酸化膜からなり、端子電極からシリコンウエハ11aへの電流リークや、酸素や水分等によるシリコンウエハ11aの劣化等を防止する。
【0042】
次に、図4(d)に示すように、溝部31の内部を含むシリコンウエハ11aの能動面11cにスパッタ法や真空蒸着法等により下地層34を形成する。下地層34は、シリコンウエハ11aの能動面11c側から順にバリア層とシード層とを積層した積層膜であり、バリア層は例えばTiWにより形成され、シード層はCuにより形成される。バリア層の膜厚は例えば100nmであり、シード層の膜厚は例えば数100nmである。
【0043】
次に、図4(e)に示すように、シリコンウエハ11aの能動面11c上にメッキレジストを塗布し、このレジストを溝部31周辺の能動面11cのシリコンウエハ11aが露出するようなレジストパターン38に形成する。すなわち、シリコンウエハ11aに形成された溝部31の開口径より一回り大きい径の開口部38aを有するメッキレジストパターン38を形成する。
【0044】
次に、図4(f)に示すように、上記メッキレジストパターン38をマスクとして、Cu電解メッキ処理し、溝部31の内部を含む開口部38aにCuを析出させる。これにより、溝部31の内部にCuが充填され、溝部31を含む開口部38aに金属端子55を形成する。続けて、メッキレジストパターン38をそのままマスクとして、金属端子55上に無鉛はんだ等のろう材からなる接合材56を選択的に形成する。この接合材56は、TAB基板5のパターン8の電極端子28と接合するためのものである。接合材56はメッキレジストパターン38を剥離した後に形成してもよい。
【0045】
次に、メッキレジストパターン38をアッシングによりシリコンウエハ11aから剥離した後、図4(g)に示すように、シリコンウエハ11aをシリコンウエハ11aの裏面11b(図示下面側)からバックグラインドする。これにより、シリコンウエハ11aの裏面11bから端子電極の一部を露出(突出)させ、シリコンウエハ11aに貫通電極14を形成する。以上の工程により、シリコンウエハ11aの各駆動用IC26に対応した位置に貫通電極14を形成する。
【0046】
続けて、上記方法により形成した貫通電極14を有するシリコンウエハ11aを用いて、圧電デバイスを形成する方法について説明する。
図5(a),(b)及び図6(c)〜(e)は、圧電デバイス20の製造工程を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、上記貫通電極14を形成したシリコンウエハ11a上に、圧電素子2が実装されたTAB基板5を実装する。具体的には、TAB基板5の配線パターン8の他端部の実装端子9と圧電素子2の電極(図示省略)とを接着剤等を介して電気的に接続する。続けて、圧電素子2が実装されたTAB基板5を、シリコンウエハ11a上の各駆動用IC26の各々の位置に対応させて配置する。そして、TAB基板5を降下させて、図5(b)に示すように、TAB基板5の配線パターン8の他端部の電極端子28を駆動用IC26の貫通電極14上に当接させる。その後、加熱加圧処理を施して貫通電極14の先端部に設けられた無鉛はんだからなる接合材56を溶解させて、TAB基板5の電極端子28と駆動用IC26の貫通電極14とを電気的に接続する。
【0047】
次に、図6(c)に示すように、ブラスト加工又はエッチング等の方法により、ガラス基板を上述した箱状に形成して蓋体12を形成する。その後、上記TAB基板5が実装されたシリコンウエハ11a(駆動用IC26)及び上記加工した蓋体12を真空引きされた真空チャンバー内に搬送する。このとき、蓋体12の凹部12dが形成された面側を下向きにするとともに、駆動用IC26の実装領域26bに蓋体12の側壁部12bの接触面12aを位置合わせして配置する。続けて、蓋体12を降下させていき、図6(d)に示すように、蓋体12の接触面12aを駆動用IC26の実装領域26bの面に当接させる。次に、陽極接合により、ガラスからなる蓋体12とシリコンからなる駆動用IC26とを接合させる。詳細には、シリコンウエハ11aの駆動用IC26の実装領域26bに蓋体12の接触面12aを密着させた状態で、ホットプレート(不図示)上に載置して、300℃〜400℃の温度域に加熱する。そして、シリコンウエハ11aと蓋体12との間に約600V〜1000Vの直流電圧を印加する。このとき、シリコンウエハ11aを陽極に、蓋体12を陰極として電圧を印加する。これにより、接着剤を用いることなく、数分程度でシリコンウエハ11aの駆動用IC26の実装領域26b面と蓋体12の側壁部12bの接触面12aとが接合される。
【0048】
次に、図6(e)に示すように、シリコンウエハ11aの裏面11bから突出する貫通電極14の表面を覆うようにして電極端子10を形成する。さらに、電極端子10上に突起状の突起電極24を形成する。このとき、隣接する電極10,10同士の間が狭い場合には、図3に示したように、一部の電極から配線を駆動用IC26の中央部まで引き廻し、引き廻した配線の先端部上に突起電極24を形成することも可能である。
【0049】
最後に、ダイシングブレードを用いて、シリコンウエハ11aを各駆動用IC26の外形寸法に沿ってダイシングする。以上説明した工程により、搭載された圧電素子がパッケージングされた圧電デバイス20を得ることができる。
【0050】
本実施形態によれば、ダイシングする前のシリコンウエハ11aの状態で、駆動用IC26を蓋体12により封止するとともに、外部に接続するための端子を形成することができる。これにより、製造工程の効率化を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
【0051】
<電子機器>
上記の圧電デバイス20は、ジャイロセンサとして、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、GPS、PDAあるいは携帯電話等に組み込むことができる。
図7は、上記圧電デバイス20を含む検出器(ジャイロセンサ)を備えた電子機器の一例を示す図であって、デジタルカメラの概略構成を示す斜視図である。図7に示すようにこのデジタルカメラ(電子機器)300は、圧電装置をその筐体内部に配設したものである。
【0052】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上記実施形態では、駆動用IC26に形成する貫通電極14を断面形状が略T字となるように形成したが、これに限定されることはなく、種々の形状を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】圧電デバイスの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す圧電デバイスのA−A’線に沿った断面図である。
【図3】図1に示す圧電デバイスの底面の概略構成を示す図である。
【図4】シリコンウエハに貫通電極を形成する工程の断面図である。
【図5】圧電デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図6】圧電デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図7】デジタルカメラの概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
2…圧電素子、 3…パッケージ、 5…TAB基板、 6…絶縁テープ、 8…配線パターン、 11a…シリコンウエハ、 11b…裏面、 12…蓋体、 14…貫通電極、 20…圧電デバイス、 22…内部空間、 24…突起電極、 26…駆動用IC、 27…引き廻し配線




 

 


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