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発明の名称 圧電振動装置の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−19132(P2007−19132A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197081(P2005−197081)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 青木 信也
要約 課題
取り出し電極と陽極接合部の金属とを短絡させることなく、封止内部の気密性に対する信頼性や取り出し電極及び外部電極間の導通に対する信頼性を向上させることができる圧電振動装置の製造方法を提供する。

解決手段
接合電極25及び引出し電極23間を電極間接続部27で接続して形成し、接合電極25と周縁ガラス膜33とを陽極接合するとともに、引出し電極23と貫通孔ガラス膜34とを陽極接合し、陽極接合後に、電極間接続部27を切断する。
特許請求の範囲
【請求項1】
励振電極及びこの励振電極が延長された引出し電極を有し、前記励振電極に入力された駆動信号に基づいて振動を発生する圧電基板と、前記引出し電極に対向して前記圧電基板の少なくとも一部に当接する第1面及びこの第1面とは反対側の第2面を有し、前記振動の発生を阻害しないように前記圧電基板の前記振動の発生部を覆い、且つ前記引出し電極に対向する部分に貫通孔が形成されたカバーと、前記引出し電極に電気的に接続され、当該引出し電極から前記貫通孔を経て前記カバーの前記第2面側に引き出される外部電極と、を備えた圧電振動装置の製造方法であって、
前記圧電基板の前記カバーが当接する部分に、当該圧電基板の外形に沿って延びる接合電極を、前記引出し電極に電気的に接続させて形成する工程と、
前記カバーに前記貫通孔を、前記第1面で前記振動発生部を覆うように前記カバーと前記圧電基板とを重ねて前記カバー及び前記圧電基板の相対位置を合わせたときに、平面視で前記第1面側の開口部の縁の輪郭が前記引出し電極の外形より内側に位置するように形成する工程と、
前記カバーの前記第1面に、前記第1面側の開口部の縁の全周を取り囲むガラス膜を、前記相対位置を合わせたときに、前記開口部を取り囲む前記ガラス膜の内周の全周が前記引出し電極に当接するように形成する工程と、
前記カバーの前記第1面に、前記相対位置を合わせたときに、前記接合電極に当接するガラス膜を、前記接合電極と前記カバーとの間を閉塞するように形成する工程と、
前記接合電極が形成された前記圧電基板と各前記ガラス膜が形成された前記カバーとの前記相対位置を合わせ、前記接合電極を正極側とし、且つ前記ガラス膜を負極側として、前記接合電極及び各前記ガラス膜間が所定の電位差となる電界を発生し、前記各ガラス膜を前記引出し電極及び前記接合電極のそれぞれに接合する接合工程と、
前記引出し電極と前記接合電極との電気的な接続を、前記接合工程の後に切断する切断工程と、を含むことを特徴とする圧電振動装置の製造方法。
【請求項2】
前記カバーは、光透過性を有し、
前記切断工程では、レーザー光を前記引出し電極及び前記接合電極間に、前記カバーを介して照射して前記電気的な接続を切断することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動装置の製造方法。
【請求項3】
前記圧電基板に前記接合電極を形成する前記工程では、平面視で前記引出し電極と前記接合電極との間に前記引出し電極の幅より狭い狭幅部を形成するとともに、当該狭幅部を介して前記引出し電極に電気的に接続するように前記接合電極を形成し、
前記切断工程では、前記レーザー光を前記狭幅部に照射し、当該狭幅部を切断して前記電気的な接続を切断することを特徴とする請求項2に記載の圧電振動装置の製造方法。
【請求項4】
平面視で前記圧電基板より大きい面積を有する圧電体ウエハに、複数の前記圧電基板のそれぞれに対応した前記励振電極、前記引出し電極及び前記接合電極を一括して、各前記引出し電極及び各前記接合電極間を電気的に接続して形成する工程と、
平面視で前記カバーより大きい面積を有するカバーウエハに、複数の前記カバーのそれぞれに対応した前記各ガラス膜を一括して形成する工程と、
前記各ガラス膜が形成された前記カバーウエハに、前記複数のカバーのそれぞれに対応した前記貫通孔を形成する工程と、を有し、
前記接合工程では、前記励振電極、前記引出し電極及び前記接合電極が形成された前記圧電体ウエハと前記貫通孔が形成された前記カバーウエハとを、各前記複数の圧電基板及び各前記複数のカバーの前記相対位置が合うように重ね、前記カバーウエハに形成された前記各ガラス膜を前記圧電体ウエハに形成された前記引出し電極及び前記接合電極のそれぞれに一括して接合し、
前記切断工程では、前記複数の圧電基板ごとに前記引出し電極と前記接合電極との電気的な接続を、前記接合工程の後に切断し、
前記切断工程の後に、前記カバーウエハに前記外部電極を一括して形成してから、前記カバーウエハ及び前記圧電体ウエハを前記複数の圧電基板ごとに分割することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧電振動装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電効果を利用して周期的な電気信号を生成する圧電振動装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧電振動装置の1つである弾性表面波装置において、IDT(Interdigital Transducer)電極及びこのIDT電極に導通する取り出し電極を有する圧電体基板に、これらIDT電極及び取り出し電極を取り囲む陽極接合部が形成されており、圧電体基板の取り出し電極に対向する部位に貫通孔が形成されたガラス板を陽極接合部で圧電体基板に接合し、ガラス板の貫通孔を経て圧電体基板の取り出し電極に至る外部電極をスパッタリングなどの成膜技術で形成した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載された従来例では、圧電体基板とガラス板との接合が陽極接合部だけで保たれ、ガラス板の貫通孔を介して圧電体基板の取り出し電極に成膜された外部電極によって、圧電体基板における表面波の伝播面の封止と取り出し電極への導通とが保たれるようになっている。しかしながら、このような外部電極には、貫通孔と取り出し電極との境界部に応力が集中しやすく、亀裂や破断などの損傷が発生しやすくなる。つまり、この特許文献1に記載された従来例では、封止内部の気密性や取り出し電極及び外部電極間の導通に対する信頼性を向上することが困難であるという未解決の課題がある。
【0004】
この課題を解決することができる構成として、シリコン基板同士をガラス膜を介して陽極接合したMEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチにおいて、MEMSスイッチに導通する電極が設けられる貫通孔を陽極接合部に形成し、この貫通孔の周縁部も陽極接合するようにした構成がある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載された構成では、貫通孔の周縁部がMEMSスイッチを有するシリコン基板に陽極接合されるため、この貫通孔を介して外部電極を形成しても、この外部電極に発生する応力を低く抑えることが可能となる。
【0005】
【特許文献1】特開平8−213874号公報(第3頁、図1及び図5)
【特許文献2】特開2005−125447号公報(図6及び図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載された従来例では、ガラス膜とシリコン基板とを陽極接合する構成である。ここで、例えば、圧電体基板としての水晶とガラス膜とを陽極接合する場合には、これら水晶とガラス膜とを直接的に陽極接合することができず、水晶とガラス膜との間に金属を介在させる必要がある。つまり、ガラス膜と金属とを当接させて、これらガラス膜及び金属間に電圧を印加することによって陽極接合が行われる。
【0007】
従って、圧電体基板を構成する水晶を備えた圧電振動装置では、この圧電振動装置に上記特許文献2に記載された構成を適用すると、陽極接合部の金属と取り出し電極とが短絡してしまうという未解決の課題がある。
【0008】
本発明は、上記の未解決の課題に着目してなされたものであり、取り出し電極と陽極接合部の金属とを短絡させることなく、封止内部の気密性に対する信頼性や取り出し電極及び外部電極間の導通に対する信頼性を向上させることができる圧電振動装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、励振電極及びこの励振電極が延長された引出し電極を有し、前記励振電極に入力された駆動信号に基づいて振動を発生する圧電基板と、前記引出し電極に対向して前記圧電基板の少なくとも一部に当接する第1面及びこの第1面とは反対側の第2面を有し、前記振動の発生を阻害しないように前記圧電基板の前記振動の発生部を覆い、且つ前記引出し電極に対向する部分に貫通孔が形成されたカバーと、前記引出し電極に電気的に接続され、当該引出し電極から前記貫通孔を経て前記カバーの前記第2面側に引き出される外部電極と、を備えた圧電振動装置の製造方法であって、前記圧電基板の前記カバーが当接する部分に、当該圧電基板の外形に沿って延びる接合電極を、前記引出し電極に電気的に接続させて形成する工程と、前記カバーに前記貫通孔を、前記第1面で前記振動発生部を覆うように前記カバーと前記圧電基板とを重ねて前記カバー及び前記圧電基板の相対位置を合わせたときに、平面視で前記第1面側の開口部の縁の輪郭が前記引出し電極の外形より内側に位置するように形成する工程と、前記カバーの前記第1面に、前記第1面側の開口部の縁の全周を取り囲むガラス膜を、前記相対位置を合わせたときに、前記開口部を取り囲む前記ガラス膜の内周の全周が前記引出し電極に当接するように形成する工程と、前記カバーの前記第1面に、前記相対位置を合わせたときに、前記接合電極に当接するガラス膜を、前記接合電極と前記カバーとの間を閉塞するように形成する工程と、前記接合電極が形成された前記圧電基板と各前記ガラス膜が形成された前記カバーとの前記相対位置を合わせ、前記接合電極を正極側とし、且つ前記ガラス膜を負極側として、前記接合電極及び各前記ガラス膜間が所定の電位差となる電界を発生し、前記各ガラス膜を前記引出し電極及び前記接合電極のそれぞれに接合する接合工程と、前記引出し電極と前記接合電極との電気的な接続を、前記接合工程の後に切断する切断工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
この第1の発明では、貫通孔の第1面側の開口部の周縁部にガラス膜を形成し、このガラス膜を引出し電極に接合することができるため、外部電極に発生する応力を低く抑えることができる圧電振動装置を製造することが可能となる。且つ、接合工程の後に、引出し電極と接合電極との電気的な接続を切断するため、これら引出し電極と接合電極とが短絡していない圧電振動装置を製造することが可能となる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記カバーは、光透過性を有し、前記切断工程では、レーザー光を前記引出し電極及び前記接合電極間に、前記カバーを介して照射して前記電気的な接続を切断することを特徴とする。
【0012】
これにより、引出し電極と接合電極との電気的な接続を切断することが可能となる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、前記圧電基板に前記接合電極を形成する前記工程では、平面視で前記引出し電極と前記接合電極との間に前記引出し電極の幅より狭い狭幅部を形成するとともに、当該狭幅部を介して前記引出し電極に電気的に接続するように前記接合電極を形成し、前記切断工程では、前記レーザー光を前記狭幅部に照射し、当該狭幅部を切断して前記電気的な接続を切断することを特徴とする。
【0014】
この第3の発明では、引出し電極と接合電極との間の狭幅部にレーザー光を照射してこれら引出し電極及び接合電極間の電気的な接続を切断するようになっているので、この狭幅部より広い幅を有する部分を切断する場合に比較して、切断にかかる時間を短縮することができ、効率的に切断することが可能となる。
【0015】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか一の発明において、平面視で前記圧電基板より大きい面積を有する圧電体ウエハに、複数の前記圧電基板のそれぞれに対応した前記励振電極、前記引出し電極及び前記接合電極を一括して、各前記引出し電極及び各前記接合電極間を電気的に接続して形成する工程と、平面視で前記カバーより大きい面積を有するカバーウエハに、複数の前記カバーのそれぞれに対応した前記各ガラス膜を一括して形成する工程と、前記各ガラス膜が形成された前記カバーウエハに、前記複数のカバーのそれぞれに対応した前記貫通孔を形成する工程と、を有し、前記接合工程では、前記励振電極、前記引出し電極及び前記接合電極が形成された前記圧電体ウエハと前記貫通孔が形成された前記カバーウエハとを、各前記複数の圧電基板及び各前記複数のカバーの前記相対位置が合うように重ね、前記カバーウエハに形成された前記各ガラス膜を前記圧電体ウエハに形成された前記引出し電極及び前記接合電極のそれぞれに一括して接合し、前記切断工程では、前記複数の圧電基板ごとに前記引出し電極と前記接合電極との電気的な接続を、前記接合工程の後に切断し、前記切断工程の後に、前記カバーウエハに前記外部電極を一括して形成してから、前記カバーウエハ及び前記圧電体ウエハを前記複数の圧電基板ごとに分割することを特徴とする。
【0016】
この第4の発明では、複数の圧電基板のそれぞれに対応した励振電極、引出し電極及び接合電極を一括して形成した圧電体ウエハと、複数のカバーのそれぞれに対応した各ガラス膜を一括して形成するとともに、各貫通孔を形成したカバーウエハとを一括して接合してから、引出し電極及び接合電極間の電気的な接続を切断し、外部電極を一括して形成してから複数の圧電基板ごとに分割するようになっている。すなわち、複数の圧電振動装置をウエハ単位で一括して製造するようになっているため、個々の圧電振動装置を個別に製造する場合に比較して、圧電振動装置を効率的に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態を、圧電振動装置の1つである弾性表面波装置を例に、図面に基づいて説明する。
【0018】
本発明の実施形態における弾性表面波装置1は、正面図である図1に示すように、弾性表面波を発生する弾性表面波素子2とこの弾性表面波素子2における弾性表面波の伝播部を封止するカバー3と、この図で見てカバー3の上面に形成される外部電極4とを備えている。
【0019】
弾性表面波素子2は、図1に示すように、水晶から形成される素子基板21を備え、この図で見て素子基板21の上面に後述する種々の電極が形成された構成を有している。
【0020】
カバー3は、図1に示すように、光透過性を有する水晶から形成され、この図で見て上方から下方に向かって開口の大きさが小さくなる貫通孔32が形成されたカバー基板31を備え、この図で見てカバー基板31の下面に後述する種々のガラス膜が形成された構成を有している。
【0021】
外部電極4は、図1に示すように、カバー基板31の貫通孔32を、この図で見て上方から覆うように形成されている。
【0022】
ここで、上記の各構成について詳細を説明する。
弾性表面波素子2は、平面図である図2に示すように、駆動電圧が入力されて弾性表面波素子2に弾性表面波を励振するIDT電極22と、このIDT電極22に電気的に接続されIDT電極22を延長する引出し電極23と、IDT電極22の両外側に形成され、IDT電極22によって励振された弾性表面波を反射する反射器電極24と、素子基板21の外形の縁の全周に沿って、且つ素子基板21の外形より内側に形成される接合電極25とを有している。
【0023】
カバー3は、平面図である図3(a)に示すように、カバー基板31の各引出し電極23が対向する位置に、貫通孔32が形成されている。
【0024】
ここで、カバー基板31は、図3(a)中のA−A断面図である図3(b)に示すように、弾性表面波素子2側の面である第1面311と、この第1面311とは反対側の面である第2面312とを有している。また、図3(a)及び図3(b)において、符号321は、各貫通孔32における第1面311側の開口部である第1開口部を示し、符号322は、各貫通孔32における第2面312側の開口部である第2開口部を示している。
【0025】
カバー基板31に形成されている貫通孔32は、図3(b)に示すように、第1開口部321の大きさが第2開口部322の大きさよりも小さく、貫通孔32の断面が第2開口部322から第1開口部321に向かって細くなるように傾斜した形状を有している。なお、この貫通孔32は、図3(a)に示すように、第1開口部321の輪郭が、対向する引出し電極23の外形より内側に位置するように形成されている。
【0026】
また、カバー3は、図3(a)に示すように、カバー基板31の外形の縁の全周に沿って、且つカバー基板31の外形より内側に形成される周縁ガラス膜33と、各貫通孔32の周囲に形成される貫通孔ガラス膜34とを有している。なお、これらの周縁ガラス膜33及び貫通孔ガラス膜34は、図3(b)に示すように、カバー基板31の第1面311側に形成されている。また、貫通孔ガラス膜34は、第1開口部321の縁の全周に沿って形成されている。
【0027】
外部電極4は、弾性表面波装置1の平面図である図4(a)に示すように、カバー基板31の各貫通孔32をこのカバー基板31の第2面312側から覆うように形成されている。これらの外部電極4は、図4(a)中のB−B断面図である図4(b)に示すように、各貫通孔32を経て弾性表面波素子2の各引出し電極23に接続されている。
【0028】
上述した構成を有する弾性表面波装置1は、弾性表面波素子2における弾性表面波の伝播部がカバー3によって封止されている。そして、外部電極4に駆動信号が入力されると、この駆動信号が引出し電極23を介してIDT電極22に伝達され、弾性表面波が励振されるようになっている。
【0029】
次に、本実施形態の弾性表面波装置1の製造方法について説明する。この製造方法は、弾性表面波素子2の原料となる後述する素子原料基板を製造する工程と、カバー3を製造する工程と、素子原料基板及びカバー3を接合する接合工程と、引出し電極23及び接合電極25間の後述する電気的な接続を切断する切断工程と、外部電極4を形成する工程とに大別される。なお、弾性表面波素子2の素子原料基板を製造する工程とカバー3を製造する工程とは、並行して別々に実施することが可能であり、これら2つの工程の順序はいずれの工程が先でも後でもかまわない。
【0030】
弾性表面波素子2の原料となる素子原料基板を製造する工程を、図5に基づいて説明する。
この素子原料基板を製造する工程では、まず、図5(a)に示すように、素子基板21にアルミニウムを主成分とする金属膜26を、スパッタ技術、蒸着技術、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術等を活用して形成する。
【0031】
次いで、図5(b)に示すように、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を活用して、前述したIDT電極22、引出し電極23、反射器電極24及び接合電極25を形成して、素子原料基板28を完成する。なお、このとき、素子原料基板28には、各引出し電極23と接合電極25との間に、図5(c)に示すように、これら引出し電極23と接合電極25とを電気的に接続する電極間接続部27を形成する。
【0032】
カバー3を製造する工程を、図6に基づいて説明する。
このカバー3を製造する工程では、まず、図6(a)に示すように、カバー基板31の第1面311にホウケイ酸ガラスで構成されるガラス膜35を、例えばスパッタ技術を活用して形成する。
【0033】
次いで、図6(b)に示すように、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を活用して、前述した周縁ガラス膜33及び貫通孔ガラス膜34を形成する。ここで、貫通孔ガラス膜34は、カバー基板31の平面図である図6(c)に示すように、貫通孔32の第1開口部321が形成される部分を開口して形成される。さらに、貫通孔ガラス膜34の開口部331の輪郭が引出し電極23の外形より内側に位置するように形成される。なお、貫通孔ガラス膜34の外形の輪郭は、引出し電極23の外形からはみ出ていてもよい。
【0034】
次いで、カバー基板31に、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を活用して、貫通孔32を形成して、図3に示すカバー3を完成する。
【0035】
素子原料基板28及びカバー3を接合する接合工程を、図7に基づいて説明する。
この接合工程では、まず、カバー3におけるカバー基板31の第1面311を、素子原料基板28の接合電極25が形成されている面に向けて、カバー3と素子原料基板28とを重ねる。
【0036】
次いで、図7(a)に示すように、各貫通孔32の第1開口部321及び各貫通孔ガラス膜34の開口部331の輪郭が引出し電極23の外形より内側に位置するように、且つカバー3の周縁ガラス膜33の全周が素子原料基板28の接合電極25の全周に重なるように、カバー3と素子原料基板28との相対位置を合わせる。
【0037】
次いで、カバー3と素子原料基板28との相対位置が合っている状態で、図7(b)に示すように、直流電源5の正極を接合電極25に接続し、カバー基板31の第2面312上に載置した電極板6に直流電源5の負極を接続する。
【0038】
次いで、直流電源5に1〜1.5kVの電圧を発生させて、周縁ガラス膜33と接合電極25とを陽極接合するとともに、貫通孔ガラス膜34と引出し電極23とを陽極接合する。
【0039】
引出し電極23及び接合電極25間の電気的な接続を切断する切断工程を、図8に基づいて説明する。
この切断工程では、図7(a)中のC−C断面図である図8(a)に示すように、例えば凸レンズ7などを含む図示しない光学系を介して集光されたレーザー光8を、カバー基板31を透過させて電極間接続部27に照射し、電極間接続部27を切断する。
【0040】
レーザー光8を照射して電極間接続部27を切断することにより、図8(b)に示すように、引出し電極23及び接合電極25間の電気的な接続を切断する。
なお、レーザー光8は、カバー基板31を透過し、電極間接続部27に吸収される波長を有していればよく、例えば、YAGレーザー、CO2レーザー、YVO4レーザー、YLFレーザーなどの赤外レーザーや、ArFエキシマレーザー、KrClエキシマレーザー、KrFエキシマレーザーなどの紫外レーザーを採用することができる。
【0041】
外部電極4を形成する工程では、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術、マスク蒸着技術、リフトオフ加工技術などを活用して、図4(a)及び図4(b)に示す外部電極4を形成する。これにより、弾性表面波装置1の完成となる。
【0042】
なお、上記の切断工程と外部電極4を形成する工程との順序は、外部電極4がレーザー光8の電極間接続部27への照射を遮らなければ、外部電極4を形成する工程が先でもかまわない。
【0043】
なお、本実施形態において、弾性表面波素子2が圧電基板に対応し、電極間接続部27が狭幅部に対応している。
【0044】
本実施形態では、貫通孔32の第1開口部321の周縁部に、第1開口部321の全周を取り囲む貫通孔ガラス膜34を形成し、この貫通孔ガラス膜34と引出し電極23とを接合することができる。従って、貫通孔32を経て引出し電極23に電気的に接続される外部電極4に発生する応力を低く抑えることができる。
【0045】
さらに、引出し電極23と接合電極25との間に形成され、これら引出し電極23と接合電極25とを電気的に接続する電極間接続部27を、接合工程の後に切断するようになっているため、引出し電極23と接合電極25とは短絡していない。
【0046】
すなわち、本実施形態によれば、引出し電極23と接合電極25とを短絡させることなく、封止内部の気密性に対する信頼性や、引出し電極23及び外部電極4間の導通に対する信頼性を向上することができる弾性表面波装置1を提供することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、電極間接続部27を引出し電極23の幅よりも細く形成するようにしているので、引出し電極23を接合電極25まで同じ幅で延長し、引出し電極23及び接合電極25間を電気的に接続する場合に比較して、切断にかかる時間を短縮することができ、効率的に弾性表面波装置1を製造することが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態では、弾性表面波装置1を個別に製造する方法を例に説明したが、これに限定されず、複数の弾性表面波装置1をウエハ単位で一括して形成してから弾性表面波装置1ごとに分割して個別の弾性表面波装置1を製造するようにしてもよい。
【0049】
すなわち、図9(a)に示すように、水晶ウエハ10に複数の弾性表面波素子2のそれぞれに対応したIDT電極22、引出し電極23、反射器電極24、接合電極25及び電極間接続部27を、一括して形成した電極パターン11を有する素子側ウエハ12を製造する。
【0050】
また、図9(b)に示すように、素子側ウエハ12とは別の水晶ウエハ10に複数のカバー3に対応した周縁ガラス膜33及び貫通孔ガラス膜34を、一括して形成したガラス膜パターン13を形成する。そして、ガラス膜パターン13が形成された水晶ウエハ10に、各カバー3に対応した貫通孔32を一括して形成してカバー側ウエハ14を製造する。
【0051】
次いで、図9(c)に示すように、各貫通孔32の第1開口部321及び各貫通孔ガラス膜34の開口部331の輪郭が各引出し電極23の外形より内側に位置するように、且つ各カバー3に対応した各周縁ガラス膜33の全周が各弾性表面波素子2に対応した各接合電極25の全周に重なるように、素子側ウエハ12とカバー側ウエハ14との相対位置を合わせる。そして、この相対位置を合わせた状態で、電極パターン11とガラス膜パターン13とを前述した陽極接合にて接合する。
【0052】
次いで、各弾性表面波素子2に対応した電極間接続部27に、図9(d)に示すように、前述したレーザー光8を照射し、電極間接続部27を切断する。
【0053】
次いで、カバー側ウエハ14に、図9(e)に示すように、各貫通孔32に対応した外部電極4を一括して形成する。
【0054】
次いで、図9(f)に示すように、弾性表面波素子2ごとに、素子側ウエハ12及びカバー側ウエハ14を切断し、個別の弾性表面波装置1を完成する。
【0055】
なお、この場合、素子側ウエハ12が圧電体基板に対応し、カバー側ウエハ14がカバーウエハに対応している。このように、複数の弾性表面波装置1をウエハ単位で一括して製造することができるため、個々の弾性表面波装置1を個別に製造する場合に比較して、引出し電極23と接合電極25とを短絡させることなく、封止内部の気密性に対する信頼性や、引出し電極23及び外部電極4間の導通に対する信頼性を向上することができる弾性表面波装置1を効率的に製造することが可能となる。
【0056】
また、本実施形態では、圧電体として水晶を用いた例を説明したが、圧電体はこれに限定されず、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどでもよく、さらに、ガラス基板やシリコン基板に圧電体薄膜を形成した構成でもよい。
【0057】
また、本実施形態では、圧電振動装置の1つである弾性表面波装置を例に説明したが、これに限定されず、音叉型水晶振動装置、厚みすべり水晶振動装置などの圧電振動装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態における弾性表面波装置の正面図。
【図2】本発明の実施形態における弾性表面波装置の弾性表面波素子の平面図。
【図3】本発明の実施形態における弾性表面波装置のカバーの構成を説明する図。
【図4】本発明の実施形態における弾性表面波装置の構成を説明する図。
【図5】本発明の実施形態における弾性表面波装置の素子原料基板の製造工程を説明する図。
【図6】本発明の実施形態における弾性表面波装置のカバーの製造工程を説明する図。
【図7】本発明の実施形態における弾性表面波装置の接合工程を説明する図。
【図8】本発明の実施形態における弾性表面波装置の切断工程を説明する図。
【図9】本発明の実施形態における弾性表面波装置の他の製造方法を説明する図。
【符号の説明】
【0059】
1…弾性表面波装置、8…レーザー光、25…接合電極、27…電極間接続部、33…周縁ガラス膜、34…貫通孔ガラス膜。




 

 


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