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発明の名称 圧電振動片の製造方法、圧電振動片
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−13383(P2007−13383A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189515(P2005−189515)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 小林 博文
要約 課題
垂直な断面形状と正確な平面形状を有し、高精度な周波数を実現する水晶振動片と、この水晶振動片を実現する生産効率が高い製造方法を提供する。

解決手段
水晶振動片10は、振動腕12の表裏両面に溝13を穿設し、水晶振動片10の外形周縁部14,15の断面方向の一部を残して形成するドライエッチング加工工程と、この加工工程の後に、水晶振動片10の外形周縁部14,15の断面方向の一部を除去して外形形状を形成するウエットエッチング加工工程と、を含む。また、水晶振動片10は、上述のように製造され、且つ、低コストで、高精度な共振周波数を有し、小型化、高周波化を可能とする水晶振動片10を実現する。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧電材料からなる基板から圧電振動片を分離形成する圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電振動片を構成する振動腕の主面の表裏両面それぞれに設けられる溝を穿設する工程と、
前記圧電振動片の外形形状を表裏両面から形成する工程と、を含み、
少なくとも前記溝を穿設する手段が、ドライエッチング加工であることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記溝を穿設し、前記圧電振動片の外形周縁部の断面の一部を残して外形形状を形成するドライエッチング加工工程と、
この加工工程の後に、前記圧電振動片の外形周縁部の前記断面の一部を除去して外形形状を形成するウエットエッチング加工工程と、
を含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記ドライエッチング加工工程によって、前記圧電振動片の外形周縁部のエッチング深さを、前記溝のエッチング深さよりも深く形成することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記圧電振動片の外形周縁部の断面の一部を残して外形形状を形成するウエットエッチング加工工程と、
このウエットエッチング加工工程の後に、前記溝を穿設し、前記圧電振動片の外形周縁部の前記断面の一部を除去して外形形状を形成するドライエッチング加工工程と、
を含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記ウエットエッチング加工工程によって、前記圧電振動片の外形周縁部の厚みを、前記基板から前記圧電振動片が脱落しない程度の厚みで形成することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の製造方法で製造され、
基部と、該基部から延在される振動腕を有し、
前記振動腕の主面の表裏両面に溝が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片の製造方法、この製造方法で製造された圧電振動片に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電材料としての水晶基板の上の全面にマスク膜を形成し、露光処理を行い、このマスク膜表面をシリル化した後、ドライエッチング加工を行う工程と、さらに全面にエッチングマスク材料を形成する工程と、その後このエッチングマスク材料を前記マスク膜が露出するまで除去し、さらに前記マスク膜を除去し、前記エッチングマスク材料からなるエッチングマスクを形成する工程と、その後、このエッチングマスクを用いて前記水晶基板を加工する工程とを有する水晶振動子の製造方法というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、少なくとも2本の振動用アーム部(振動腕)と、このアーム部を連結する少なくとも1つの基部からなり、このアーム部に駆動電極と検出電極を設け、前記アーム部の断面形状が略六辺形でその上下の辺に接する左右の辺の差が等しく、且つ対向する辺が平行である音叉型振動子であって、アーム部を上面と下面の同時ドライエッチングにより加工する音叉型振動子というものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−218775号公報(第2,3頁、図1)
【特許文献2】特開2004−93318号公報(第3,4頁、図1,2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
旧来、水晶振動子は、水晶基板からフォトリソグラフィ技術を用いてケミカルエッチング加工(ウエットエッチング加工)により形成していたが、水晶基板が結晶方位の異方性を有していることから、ケミカルエッチング加工後の水晶振動子の断面形状が斜面となるほか、レジストマスク形状に対して正確な形状が得られないというような課題を有していた。
【0006】
そこで、前述した特許文献1あるいは特許文献2のように、水晶振動子の形成にドライエッチング加工を用いることが提案されている。特許文献1によれば、平板の水晶基板から水晶振動子を形成する際の形成手段としてドライエッチング加工を採用し、垂直な断面形状を備える水晶振動子が得られるとしている。
【0007】
また、特許文献2では、ドライエッチング加工により、水晶の上面と下面の両方の面に同時にイオンプラズマを当てることにより上下と左右の長さが対称な水晶振動子が得られるとしている。
【0008】
しかしながら、このような特許文献1や特許文献2では、小型化や高周波化を図るために水晶振動子の振動腕に溝を設けるような場合には、外形形状の形成とは別に溝形成工程が必要になり、このような製造方法においては、外形形状と溝との相対的な形状誤差が発生することが予測され、正確な発振周波数や共振周波数が得られないという課題を有している。
【0009】
さらに、ドライエッチング加工は、一般的にケミカルエッチング加工に比べエッチング速度が遅いことや、外形形状の形成工程と溝形成工程とが別になることから、工程が長くなり生産効率が低下することが考えられる。
【0010】
本発明の目的は、前述した課題を解決することを要旨とし、圧電振動片において垂直な断面形状と正確な平面形状を有し、高精度な周波数を実現する圧電振動片と、この圧電振動片を実現する生産効率が高い製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の圧電振動片の製造方法は、圧電材料からなる基板から圧電振動片を分離形成する圧電振動片の製造方法であって、前記圧電振動片を構成する振動腕の主面の表裏両面それぞれに設けられる溝を穿設する工程と、前記圧電振動片の外形形状を表裏両面から形成する工程と、を含み、少なくとも前記溝を穿設する手段が、ドライエッチング加工であることを特徴とする。
ここで、圧電材料としては、例えば水晶、圧電振動片としては水晶振動片を例示することができる。
【0012】
本発明によれば、圧電振動片の製造方法において、前述した振動腕に設けられる溝の穿設工程と外形形状の形成工程とを有し、溝はドライエッチング加工により穿設される。この溝は、圧電振動片のさらなる小型化や高周波化の実現のために設けられるが、旧来のウエットエッチング加工(ケミカルエッチング加工)では、水晶の結晶方位の異方性(エッチングレートの異方性)から、溝内部の断面が斜めに形成され、また形状の対称性が損なわれることがあり、振動特性(周波数特性)に与える影響は無視できない。
【0013】
ドライエッチング加工では、水晶の結晶方位の異方性は無視できるため、所望の形状を正確に形成し、特に溝内部の断面が圧電振動片の主面に対して垂直に形成されることから、高精度な発振周波数や共振周波数を得ることができる。
【0014】
また、本発明では、前記溝を穿設し、前記圧電振動片の外形周縁部の断面の一部を残して外形形状を形成するドライエッチング加工工程と、この加工工程の後に、前記圧電振動片の外形周縁部の前記断面の一部を除去して外形形状を形成するウエットエッチング加工工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
このように、ドライエッチング加工により、振動腕に設けられる溝と、外形形状(圧電振動片の外形周縁部の断面方向の一部を残して)とを形成するため、溝と外形形状との相対的位置、形状誤差が小さくなり、さらに、溝及び外形の断面(側面)が主面に対して垂直に形成できるので、高精度な周波数特性を得ることができる。
【0016】
さらに、ドライエッチング加工により溝の穿設加工と外形形状の形成加工とを一括して行い、その後、ドライエッチング加工で残った外形周縁部の断面方向の一部をウエットエッチング加工により除去するため、ウエットエッチング加工による加工量が少なくてすみ、加工時間を短くすることが可能となり、製造効率を高めることができる。
【0017】
また、上記製造方法では、前記ドライエッチング加工工程によって、前記圧電振動片の外形周縁部のエッチング深さを、前記溝のエッチング深さよりも深く形成することが好ましい。
【0018】
圧電振動片の外形周縁部のドライエッチング加工は表裏両面方向から行われるので、上述したようなエッチング深さにすることで、外形周縁部の残り厚みが溝の残り厚みよりも薄く形成されることになる。従って、溝の形成後、外形周縁部を基板からウエットエッチング加工によって分離する際の加工量が少なくなることから、加工時間を短縮することが可能となる。
【0019】
また、本発明では、前記圧電振動片の外形周縁部の断面の一部を残して外形形状を形成するウエットエッチング加工工程と、このウエットエッチング加工工程の後に、前記溝を穿設し、前記圧電振動片の外形周縁部の前記断面の一部を除去して外形形状を形成するドライエッチング加工工程と、を含むことを特徴とする。
このウエットエッチング加工工程は、例えば、圧電振動片の外周周縁を表裏両面側からエッチングして、外周周縁の厚みの一部を残して圧電振動片の概略形状を形成することを意味する。
【0020】
ここのような製造方法によれば、圧電振動片の外形周縁部の加工をエッチング速度が速いウエットエッチング加工で行い、精度が要求される溝と外形形状の分離をドライエッチング加工で行うため、製造効率を高めるとともに、溝の圧電振動片の主面に対して垂直性が得られ、良好な周波数特性を備える圧電振動片を実現することができる。
【0021】
また、本発明では、前記ウエットエッチング加工工程によって、前記圧電振動片の外形周縁部の厚みを、前記基板から前記圧電振動片が脱落しない程度の厚みで形成することが好ましい。
【0022】
圧電振動片は、基板上に複数個一括形成され分離されて完成するが、外形周縁部は、圧電振動片を所定の形状に形成するまでの間、基板と各圧電振動片を接続しておくために厚みの一部が残されている。従って、外形周縁部は、圧電振動片が加工途中で基板から脱落しない程度に薄くしておけばよく、このようにすることで、溝の穿設と外形周縁部の分離加工とを一括して容易に行うことができる。
【0023】
また、本発明の圧電振動片は、前述した製造方法で製造され、基部と、該基部から延在される振動腕を有し、前記振動腕の主面の表裏両面に溝が形成されていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、前述した製造方法で製造され、且つ、前述したような溝を有する形状であるため、低コストで、高精度な共振周波数を有し、小型化、高周波化を可能とする圧電振動片を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態1に係る圧電振動片とこの圧電振動片の製造方法を示し、図4は実施形態2に係る圧電振動片の製造方法を示している。
(実施形態1)
【0026】
図1は、実施形態1による圧電振動片の1例、図2,3は、この圧電振動片の製造方法を示している。なお、ここでは、圧電振動片として音叉型の水晶振動片を例示して説明する。
図1は、本実施形態の水晶振動片10を示す平面図である。なお、水晶振動片としては図1では音叉型水晶振動片を例示しているが、一部に溝を有する構造であればその形状は限定されない。図1において、本実施形態の水晶振動片10は、基部11の端面から一対の振動腕12が延在されて構成される音叉型水晶振動片である。
【0027】
この一対の振動腕12の主面には、中央部に溝13が穿設されている。この溝13は、振動腕12の裏面側にも同じ位置、形状、深さで形成されている。この水晶振動片10は、平面形状が、図中、中心線Cに対して線対称に形成されている。
【0028】
水晶振動片10には、図示しないが、振動腕12の表裏両面(側面も含む)、溝13の内部には、励振電極や検出電極が形成され、これらの電極はそれぞれ基部11にまで延在されており、パッケージ内に実装されて水晶振動子を構成し、外部回路に接続される。
【0029】
続いて、本実施形態における水晶振動片10の加工方法について図面を参照して説明する。本実施形態では、圧電材料として水晶(従って、本実施形態における基板は水晶基板である)を採用した例を上げ説明している。
図2は、一枚の水晶基板1上の水晶振動片10の配置の一部を示す平面図である。水晶基板1上において、複数の水晶振動片10は、X軸、Y軸に対してそれぞれ平行に図に示すように整列、配置されている。
【0030】
ここで、隣接する水晶振動片10どうしは、それぞれ外形周縁部15を有して配置されている。なお、一対の振動腕12の間の空間14(図1、参照)も水晶基板1上に配置された状態では外形周縁部15の一部とされる。
なお、水晶基板1において、X軸は電気軸、Y軸は機械軸、Z軸は光学軸である。
【0031】
続いて、実施形態に係る水晶振動片10の製造方法について、さらに詳しく説明する。
図3(a)〜図3(e)は、本実施形態の加工工程を示す部分断面図である。なお、この断面図は、図1に表すA−A断面を示している。
【0032】
図3(a)は、マスク30の成膜工程を示す断面図である。図1も参照する。図3(a)において、まず、表裏両面を均一になるように研磨した水晶基板1に、表裏両面に均一にマスク30を成膜する。なお、以降、表裏両面とも一括加工するため、表面側について説明する。マスク30は、水晶振動片10の平面形状に成膜され、溝13に相当する開口部31と、外形周縁部14,15に相当する水晶振動片10以外の領域が開口されている。続いてドライエッチング加工を行う。
【0033】
図3(b)は、ドライエッチング加工工程後の状態を示す断面図である。図3(b)において、マスク30の開口部31がエッチングされ、溝13が穿設される。ドライエッチング加工は、一般に採用されている酸化膜ドライエッチャーによってRIE(リアクティブイオンエッチング)装置にて、反応ガス、例えばCHF3を用いてエッチング加工する。
【0034】
この際、外形周縁部14,15は、断面方向中央部の一部が残り厚みを有して、水晶振動片10の外形形状が形成される。なお、外形周縁部14,15の水晶基板1の表面(または裏面)からのエッチング深さは、溝13の表面(または裏面)からのエッチング深さよりも深く形成される。従って、溝13の底部残り厚みよりも外形周縁部14,15の残り厚みの方が小さくなる。この差は、溝13の幅が外形周縁部14,15よりも小さいために、ドライエッチング加工の特性であるマイクロローディング効果によるエッチングレート差から生じる。
【0035】
溝13と水晶振動片10の外形周縁部の側面は、ドライエッチング加工で形成されるため、水晶の結晶方位の異方性から生ずるエッチング異方性がないため、水晶基板1の表面に対して垂直に形成される。
次に、水晶振動片10の平面形状に相当する範囲にレジスト膜20を成膜する。
【0036】
図3(c)は、レジスト膜20が成膜された状態を示している。まず、レジスト膜20を水晶基板1の表面の全体に成膜した後、露光を行い図3(c)に示すように、水晶振動片10の平面形状に相当する範囲と、溝13の内部全体が残された状態に形成する。水晶振動片10の外形周縁部14,15は開口されている。このような状態でウエットエッチング加工を行い、水晶振動片10の外形周縁部14,15を除去する。
なお、レジスト膜30は、メタルマスク等へ置き換えることも可能である。
【0037】
図3(d)は、ウエットエッチング加工工程により、水晶振動片10の外形周縁部14,15が除去された状態を示している。前述したように、レジスト膜20は、外形周縁部14,15のみが開口されているため、このウエットエッチング加工工程では、外形周縁部のみが除去され、水晶振動片10の外形形状が形成される。この際、水晶振動片10の外形周縁部の残り厚みは、溝13の残り厚みよりも薄いため、ウエットエッチング加工時間は短時間ですむ。
【0038】
図3(e)には、上述したウエットエッチング加工後、レジスト膜20を除去した後の水晶振動片10が示されている。このようにして、図1に示すような溝13を有する水晶振動片10が形成される。
【0039】
従って、前述した実施形態1によれば、ドライエッチング加工によって、溝13と外形周縁部の断面の大部分が、高精度でしかも断面形状が水晶振動片10の表面に対して垂直に形成されるため、高精度な発振周波数や共振周波数を得ることができる。
【0040】
また、このように、ドライエッチング加工により、振動腕12に設けられる溝13と、水晶振動片10の外形周縁部の断面の大部分を一括形成するため、溝13と外形形状との相対的位置、形状誤差が小さくなり、また、一対の振動腕12の対称性が保たれること、及び、外形形状形成後に成膜される励振電極または検出電極において、振動腕12の外形部に形成される電極と、溝13内に形成される電極との間の距離が高精度に形成可能となり、良好な周波数特性を得ることができる。
【0041】
さらに、ドライエッチング加工により溝の穿設加工と外形形状の形成加工とを一括して行い、その後、ドライエッチング加工において残した外形周縁部の断面(厚み)の一部をウエットエッチング加工により除去するため、ウエットエッチング加工による加工量が少なくてすみ、加工時間を短くすることが可能となり、製造効率を高めることができる。
(実施形態2)
【0042】
続いて、本発明の実施形態2に係る水晶振動片10の製造方法について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1に対してドライエッチング加工工程とウエットエッチング加工工程の工程順とその際の加工部位が異なることに特徴を有し、水晶振動片の完成時の形状は同じであるため(図1、参照)共通部位には同じ符号を附して説明する。なお、水晶基板1上における水晶振動片の配置関係も図2で示しており説明を省略する。
【0043】
図4(a)〜図4(f)は、本実施形態に係る水晶振動片10の製造工程を示す断面図である。図1で表されるA−A断面を示している。まず、水晶基板1の表裏両面にマスク30を形成する。
図4(a)は、水晶基板1にマスク30を成膜した状態を示している。マスク30は、水晶振動片10の外形形状に相当する形状に成膜される。なお、マスク30は、レジスト膜に置き換えることも可能である。次に、表裏両面からウエットエッチング加工を行う。
【0044】
図4(b)は、ウエットエッチング加工工程後の水晶基板1を示している。図4(b)において、このウエットエッチング加工によって、水晶振動片10の外形形状が形成される。この際、水晶振動片10の外形周縁部14,15(図1,2も参照)は、断面(厚み)の一部を残している。ここで、外形周縁部14,15のエッチング残り厚みは、加工途中において、水晶基板1から水晶振動片10が脱落しない程度の厚みを残している。この厚みは数μm以下にすることが望ましい。
そして、一旦、マスク30を除去した後、表面全体にわたってマスク40を形成する。
【0045】
図4(c)には、マスク40の形成工程が示されている。上述したウエットエッチング加工によって水晶振動片10の外形形状が形成された水晶基板1の表面全体にマスク40を形成する。
そして、図4(d)に示すように、このマスク40表面に水晶振動片10に相当する範囲のレジスト膜25を成膜する。
【0046】
図4(d)は、レジスト膜25を成膜した状態を示している。図4(d)において、レジスト膜25は、マスク40の上面の水晶振動片10に相当する範囲に形成するが、溝13に相当する範囲に開口部26が形成されている。そして、このレジスト膜25を用いてマスク40をエッチングすべき領域を剥離し、レジスト膜25を除去する。
【0047】
図4(e)は、マスク40が所定の形状に形成された状態を示している。ここで、マスク40は、溝13と外形周縁部14,15を除いた範囲、つまり、溝13の範囲を除いた水晶振動片10の外形形状の範囲に形成されていることになる。このような状態でドライエッチング加工工程により外形周縁部14,15を除去し、水晶振動片10を単体に分離する。
【0048】
図4(f)は、上述したドライエッチング加工によって形成された水晶振動片10を示している。水晶振動片10は、このドライエッチング加工において、溝13と水晶基板1からの分離を一括して行われる。ここで、溝13と外形周縁部14,15との厚み関係について説明すると、外形周縁部14,15のエッチング残り厚み14a,15a(図4(e)、参照)は、溝13のエッチング深さ13a,13bよりも小さいので、溝13の深さを確保するまでエッチング加工することで、外形周縁部が貫通され、水晶振動片10が水晶基板1から分離形成される。そして、マスク40を除去し水晶振動片10が完成する。
【0049】
従って、前述した実施形態2によれば、水晶振動片10の外形周縁部14,15の加工をエッチング速度が速いウエットエッチング加工で行い、精度が要求される溝と外形形状の分離をドライエッチング加工で行うため、製造効率を高めるとともに、溝13及び外形周縁部14,15の側面が水晶振動片の表面(主面)に対して垂直性となり、また、外形形状形成後に成膜される励振電極または検出電極において、振動腕12の外形部に形成される電極と、溝13内に形成される電極との間の距離が高精度に形成可能となるため、良好な周波数特性を備える水晶振動片10を実現することができる。
【0050】
また、水晶振動片10は、水晶基板1上に複数個一括形成、分離されて完成するが、外形周縁部の断面(厚み)の一部は、水晶振動片10を所定の形状に形成するまでの間、水晶基板1と各水晶振動片10を接続しておくために残されている。従って、外形周縁部14,15は、水晶振動片10が加工途中で水晶基板1から脱落しない程度に薄くしておけばよく、このようにすることで、溝13の穿設と外形周縁部14,15の分離加工とを一括して容易に行うことができる。
【0051】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0052】
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものでないから、それらの形状、材質、組み合わせなどの限定の一部もしくは全部の限定をはずした部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0053】
例えば、実施形態1,2では、圧電基板として水晶を例示しているが、水晶以外の圧電基板にも応用することができ、特に、結晶方位の異方性を有する圧電基板には効果が大きい。
【0054】
また、実施形態1,2では、音叉型の水晶振動片を例示して説明したが、音叉型に限らず、一般にH型、ダブルT型と称せられる圧電振動片にも応用することが可能である。
【0055】
従って、前述の実施形態1及び実施形態2によれば、垂直な断面形状と正確な平面形状を有し、高精度な発振周波数、共振周波数を実現する水晶振動片と、この水晶振動片を実現する製造効率が高い製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態1に係る水晶振動片を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態1に係る水晶基板上の水晶振動片の配置の一部を示す平面図。
【図3】(a)〜(e)は本発明の実施形態1に係る水晶振動片の製造方法を示す断面図。
【図4】(a)〜(f)は本発明の実施形態2に係る水晶振動片の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…基板としての水晶基板、10…圧電振動片としての水晶振動片、12…振動腕、13…溝、14,15…外形周縁部、20,25…レジスト膜、30,40…マスク。




 

 


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