米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> セイコーエプソン株式会社

発明の名称 圧電振動片の製造方法、圧電振動片
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−13382(P2007−13382A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189514(P2005−189514)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 小林 博文
要約 課題
溝と外形形状とを一括形成し、生産効率の高い圧電振動片の製造方法と、溝と外形形状との位置ずれを防止し、高精度の圧電振動片を提供する。

解決手段
水晶振動片10の製造方法は、水晶基板1から、音叉形状の一対の振動腕12を有する複数の水晶振動片10を、水晶振動片の周囲の水晶基板を除去して形成する水晶振動片10の製造方法であって、一対の振動腕12の主面の表裏両面に設けられる溝13と、水晶振動片10の外形形状と、を一括形成する。また、水晶振動片10の形成手段がドライエッチング加工である。また、水晶振動片10は、上述のように製造され、且つ、低コストで、高精度な共振周波数を有し、小型化、高周波化を可能とする圧電振動片を実現する。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧電材料からなる基板から、複数の振動腕を有する複数の圧電振動片を、前記圧電振動片の周囲を除去して形成する圧電振動片の製造方法であって、
前記複数の振動腕の主面の表裏両面に設けられる溝と、前記圧電振動片の外形形状と、
を一括形成することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記圧電振動片の形成手段がドライエッチング加工であることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記圧電振動片は、少なくとも一対の振動腕を有する音叉型形状の圧電振動片であることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記溝の幅を、前記複数の振動腕のうち隣り合う振動腕の間の間隔よりも小さく設定し、
前記圧電振動片の形成手段において加工すべき前記溝の幅と前記隣り合う振動腕の間の間隔との差によるエッチングレート差から、前記溝と前記圧電振動片の外形形状とを一括形成することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記複数の圧電振動片が、隣接する圧電振動片の間の距離が、少なくとも前記複数の振動腕の間の間隔よりも大きくなるように配置されていることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の製造方法で製造され、
基部と、該基部から延在される複数の振動腕を有し、
前記複数の振動腕の主面の表裏両面に設けられる溝が形成されていることを特徴とする圧電振動片。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片の製造方法、及びその製造方法によって製造される圧電振動片に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一水晶基板上に複数の水晶振動子(水晶振動片)を形成する製造方法において、水晶基板上に感光性樹脂からなる皮膜(レジスト膜)を構成し、露光光の透過率が制御されているマスクを用いて前記樹脂を感光させることによって、所望の形状と厚さを形成し、前記樹脂形状を用いて水晶基板を一括ドライエッチング加工によって形成された複数の水晶振動子のそれぞれの厚さが異なる水晶振動子の製造方法というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−6248号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1では、複数の水晶振動子のそれぞれの厚さが異なるように形成するために、露光光の透過率が制御されているマスクを用いてレジスト膜を感光させ、除去すべき水晶基板の形状、及び厚さに対応したレジスト膜を形成し、ドライエッチング加工によって、水晶振動子を形成しているが、水晶基板(水晶ウエハ)から多数の水晶振動子を一つ一つに分離形成する場合には、各水晶振動子を所定の厚さにする加工のほかに、外形形状を形成する加工が必要となり、このような外形形状の形成加工には通常ウエットエッチング加工が採用され、異なる加工方法を併用しなければならないので、工数が増加する他、前述の2種類の製造設備を用意しなければならず、コスト高になることが考えられる。
【0005】
また、水晶基板の厚さを形成する工程(製造方法)と外形形状を形成する工程とを別にすることにより、それらの相対的な位置誤差が発生しやすく、正確な共振周波数が得られないという課題も有している。
【0006】
さらに、異なる厚さの水晶振動子を一括加工するために、レジスト膜の厚さを変える方法において、露光光の透過率を制御する部位が形成されたマスクを用いているが、透過率の制御及びレジスト膜の厚さ制御等は、一般に調整及び管理が困難とされており、所望の厚さの水晶振動子を得ることが難しいことが予測される。
【0007】
本発明の目的は、振動腕に溝を有する圧電振動片において、圧電振動片の表裏に設けられる溝と、外形形状と、を一括形成する生産効率の高い圧電振動片の製造方法と、溝と外形形状との位置ずれを防止し、高精度な圧電振動片を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の圧電振動片の製造方法は、圧電材料からなる基板から、複数の振動腕を有する複数の圧電振動片を、前記圧電振動片の周囲を除去して形成する圧電振動片の製造方法であって、前記複数の振動腕の主面の表裏両面に設けられる溝と、前記圧電振動片の外形形状と、を一括形成することを特徴とする。
ここで、圧電振動片としては、例えば、水晶基板から構成される。
【0009】
本発明によれば、圧電振動片が、振動腕の主面の両面に設けられる溝と、外形形状とを一括形成するために、製造工程を簡素化することができ、生産効率を高めることができる。
また、このような一括製造方法によれば、溝と外形形状との相対的な位置ずれを防止することができるので、所望の共振周波数、且つ高精度の共振周波数を得ることができる。
【0010】
また、本発明では、前記圧電振動片の形成手段がドライエッチング加工であることを特徴とする。
一般に、水晶振動片の形成手段としては、ウエットエッチング加工を採用することが多い。しかしながら、ウエットエッチング加工は、水晶基板が有する結晶方位の異方性により、振動腕の形状の対称性結晶方位の異方性(側面の垂直性等)を確保することが困難とされ、特に、高周波化や小型化のために、振動腕に溝を設ける構造では、その影響が大きいとされている。
【0011】
ここで、ドライエッチング加工を採用することにより、水晶基板の結晶方位の異方性の影響を受けないことから、振動腕の形状の対称性を実現でき、高精度な共振周波数の圧電振動片を提供することができる。
【0012】
また、前述したように、圧電振動片の溝形成と外形形状形成とをドライエッチング加工で一括形成することから、圧電振動片の形成がドライエッチング加工装置だけで可能となるために、設備投資や工場スペース等においても、前述した従来技術に比べ有利である。
【0013】
また、前記圧電振動片は、少なくとも一対の振動腕を有する音叉型形状の圧電振動片であることを特徴とする。
音叉型の圧電振動片は、周知のとおり、基部の一端面から一対の振動腕が延在されて形成される圧電振動片である。
【0014】
従って、高周波化、小型化を進める上において、振動腕のサイズを小さくするため、振動腕の断面形状の垂直性の周波数特性に与える影響が大きくなるが、上述したドライエッチング加工を採用することにより、高精度な共振周波数を実現できる。
【0015】
また、前記溝の幅を、前記複数の振動腕のうちの隣り合う振動腕の間の間隔よりも小さく設定し、前記圧電振動片の形成手段において加工すべき前記溝の幅と前記隣り合う振動腕の間の間隔との差によるエッチングレート差から、前記溝と前記圧電振動片の外形形状とを一括形成することを特徴とする。
【0016】
ドライエッチング加工において、加工すべき部位が密のところ(幅が狭い)と疎のところ(幅が広い)では、マイクロローディング効果により、同じ条件で加工しても加工深さが、疎の部位のほうが深くなる(エッチングレート差がある)ということが知られている。
【0017】
従って、溝の幅を隣り合う振動腕の間の間隔よりも小さく設定することで、幅が広い振動腕の間の領域はエッチング深さが深く、溝はエッチング深さが浅く加工される。このことから、外形形状に相当する部分は貫通され、溝は底部を残すことができることから、圧電振動片の外形形状加工と、振動腕の表裏に溝を有する断面がH字状の形状を一括して形成することができる。この際、ドライエッチング加工を採用することから、振動腕の形状の対称性、側面の垂直性が得られ、生産性の向上と高精度な共振周波数を得ることができる。
【0018】
さらに、前記複数の圧電振動片が、隣接する圧電振動片の間の距離が、少なくとも前記複数の振動腕の間の間隔よりも大きくなるように配置されていることが好ましい。
【0019】
圧電振動片は、圧電材料からなる一枚の基板から複数の圧電振動片を分離して形成される。ここで、前述したエッチングレート差を考慮し、複数の圧電振動片のうち、隣接する圧電振動片の間の距離を、ドライエッチング加工によって貫通可能な幅(溝よりも疎の状態)以上に配列しておくことで、基板上に配列される全ての圧電振動片の溝と外形形状とを正確な形状で形成することができる。
【0020】
また、本発明の圧電振動片は、前述した製造方法で製造され、基部と、該基部から延在される一対の振動腕を有し、前記一対の振動腕の主面の表裏両面に設けられる溝が形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、前述した製造方法で製造され、且つ、前述した形状であるため、低コストで、高精度な共振周波数を有し、小型化、高周波化を可能とする圧電振動片を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係る圧電振動片、及びこの圧電振動片の製造方法を示している。
(実施形態)
【0023】
まず、本発明の圧電振動片の構成の1例をあげ説明する。
図1は、本実施形態に係る圧電振動片としての音叉型水晶振動片を示す平面図である。水晶振動片としては図1では音叉型水晶振動片を例示しているが、一部に溝を有する構造であればその形状は限定されない。図1において、本実施形態の水晶振動片10は、基部11の1端面から一対の振動腕12が延在されて構成される音叉型水晶振動片である。
【0024】
一対の振動腕12の主面には、中央部に溝13が穿設されている。この溝13は、振動腕12の裏面側にも同じ位置、形状、深さで形成されている。この水晶振動片10は、平面形状が、図中、中心線Cに対してほぼ線対称に形成されている。
【0025】
水晶振動片10の本実施形態における具体的な寸法関係の1例を次に示す。本実施形態では、振動腕12の幅Wを43μm、振動腕12の間の空間14の距離Aを85μm、振動腕12に設けられている溝13の幅Dを25μmとしている。なお、水晶振動片10の厚みは100μmであり、溝13の深さは、45μmである。この溝13の深さは、後述するドライエッチング加工の際のマイクロローディング効果によって決定される。
【0026】
水晶振動片10には、図示しないが、振動腕12の表裏両面(側面も含む)、溝13の内部には、励振電極や検出電極が形成され、これらの電極はそれぞれ基部11にまで延在されており、パッケージ内に実装されて水晶振動子を構成し、外部回路に接続される。
【0027】
続いて、本実施形態における水晶振動片10の加工方法について図面を参照して説明する。本実施形態では、圧電材料として水晶を採用した例を上げ説明している。
図2は、一枚の水晶基板1上の水晶振動片10の配置の一部を示す平面図である。水晶基板1において、複数の水晶振動片10は、X軸、Y軸に対してそれぞれ平行に図に整列、配列されている。
【0028】
ここで、隣接する水晶振動片10どうしは、それぞれ空間15を有して配置され、X軸方向の距離をH、Y軸方向の距離をhとしたとき、距離H、距離hともに、少なくとも振動腕12の間の距離Aよりも大きく設定されている。これは、水晶振動片10を水晶基板1からドライエッチング加工によって、分離形成する際、水晶振動片10間の距離H、距離hが、振動腕12の間の距離Aよりも小さく設定された場合に、エッチングレート差によって、水晶振動片10間にエッチング残りが発生することを防止するためである。
なお、水晶基板において、X軸は電気軸、Y軸は機械軸、Z軸は光学軸である。
【0029】
続いて、実施形態に係る水晶振動片10の製造方法について、さらに詳しく説明する。
図3(a)〜図3(e)は、本実施形態のドライエッチング加工工程(以降、単にエッチングと表すことがある)について示す部分断面図である。なお、この断面図は、図1に表すB−B断面を示している。
【0030】
図3(a)は、レジスト膜20の成膜工程を示す断面図である。図3(a)において、まず、表裏両面を均一になるように研磨した水晶基板1に、やはり、表裏両面に均一にレジスト膜20を成膜する。なお、以降、表裏両面とも一括加工するため、表面側について説明する。次に、マスク30を用いて露光する。
【0031】
図3(b)は、露光工程を示す。図3(b)において、マスク30は、水晶基板1の除去すべき部位が開口されている。開口部31は、溝13を形成する部分、開口部32は、振動腕12の間の空間14に相当する部分、開口部33は、各水晶振動片間の空間(図2においてHまたはhで表される)を表している。なお、図中(10)で示す範囲が、一つ一つの水晶振動片の構成範囲である。続いて、露光光を照射してレジスト膜20を上述の形状で感光する。
【0032】
図3(c)は、レジスト膜20を所定の形状で形成する工程を示している。図3(c)において、剥離剤を用いて除去すべき部位のレジスト膜20を除去する。このようにして、レジスト膜20には、前述した溝13を形成する開口部31に相当する開口部21、振動腕12の間の空間14を示す開口部32に相当する開口部22、各水晶振動片間の空間14を示す開口部33に相当する開口部23が形成される。
次に、水晶基板1をエッチングする。
【0033】
図3(d)は、水晶基板1のドライエッチング加工工程を示す。なお、図3(d)は、詳細な説明をするために拡大図示している。ドライエッチング加工は、一般に採用されている酸化膜ドライエッチャーによってRIE(リアクティブイオンエッチング)装置にて、反応ガス例えばCHF3を用いてエッチング加工する。
【0034】
ここで、一対の振動腕12の間の空間14すなわち開口部22は、表面からの深さ14aまでエッチングされる。また、溝13すなわち開口部21は、表面からの深さ13aまでエッチングされる。溝13と振動腕12の間の空間14とは、前述したように(図1、参照)溝13の幅Wが43μm、空間14の距離Aが85μmという差があるため、同一条件でエッチング加工をしても、マイクロローディング効果によるエッチングレート差が生じ(図中、Jで示す)、空間14におけるエッチング深さ14aよりも溝13のエッチング深さ13aの方が浅く形成される。
【0035】
前述した水晶振動片の設定寸法においては、空間14におけるエッチング深さ14aは51μm、溝13のエッチング深さ13aは45μmであった。従って、空間14におけるエッチング深さ14aと溝13のエッチング深さ13aとの差Jは6μmである。これは、裏面側においても同様な関係となるため、空間14におけるエッチング深さ14bは51μm、溝13のエッチング深さ13bは45μm水晶基板1の厚みが100μmであるため、空間14における表裏両面からのエッチング深さは2μm交差し(図中、14cで表す)、貫通する。
【0036】
また、溝13は、表裏両面から深さ45μmまでエッチングされるが、10μmだけ溝の底部13cが残り、振動腕12は連結している。
【0037】
さらに、隣接する水晶振動片どうしの距離H,hは、前述したように少なくとも一対の振動腕12の間の距離Aよりも大きく設定されているため、表裏両面それぞれのエッチング深さも51μm以上となるため貫通する。
【0038】
このようにして、溝13は、底部13cが10μm残され、外形形状は貫通して水晶基板1から分離されて、図1に表されるような一つ一つの水晶振動片10が形成される。
【0039】
なお、水晶基板1上に配置される水晶振動片10どうしの間の空間15(図2、参照)においては、表面側からのエッチング深さが15a、裏面側からのエッチング深さが15bであり、一対の振動腕間の空間14と水晶振動片10どうしの間の空間15とがほぼ同じ大きさであるため、エッチング深さも概ね等しくなり、表裏からのエッチングは15Cだけ交差し、この交差範囲15cは14cと略等しい。従って、これらの空間はエッチングによって貫通し、この工程において外形形状が形成される。
【0040】
図3(e)は、本実施形態による水晶振動片10の断面形状(図1のB−B断面)を示す。前述したドライエッチング工程で形成された水晶振動片10の表面のレジスト膜20を除去して水晶振動片10の加工工程が終了する。
なお、形状形成の後、前述したような電極を形成し、水晶振動片が完成する。
こうして製造された水晶振動片10は、図3(e)に示すように、一対の振動腕12の断面形状が底部13cの厚みが10μmのH字型の溝付音叉型水晶振動片である。
【0041】
なお、前述した圧電振動片10の製造工程は、1例としてレジスト膜を直接ドライエッチング用のマスクとして用いた例を示しているが、フォトリソグラフィ法によりメタルマスクを形成し、このメタルマスクを用いてドライエッチング加工する方法を採用することができる。
【0042】
従って、前述した実施形態によれば、水晶振動片10が、一対の振動腕12の主面の両面に設けられる溝13と、外形形状とを一括形成するために、製造工程を簡素化することができ、生産効率を高めることができる。
また、このような溝13と外形形状との一括製造によれば、溝13と外形形状との相対的な位置ずれを防止することができるので、所望の共振周波数、且つ高精度の共振周波数を得ることができる。
【0043】
また、水晶振動片10の形成に、ドライエッチング加工を採用することにより、水晶基板1の結晶方位の異方性の影響を受けないことから、一対の振動腕12の形状の対称性を実現でき、高精度な共振周波数の水晶振動片10を提供することができる。
【0044】
また、前述したように、水晶振動片10の溝13の形成と外形形状形成とをドライエッチング加工で一括形成することから、水晶振動片10の形成がドライエッチング加工装置だけで可能となるために、設備投資や工場スペース等においても、前述した従来技術に比べ有利である。
【0045】
また、溝13の幅Dを一対の振動腕12の間の距離Aよりも小さく設定することで、幅が広い振動腕の間の空間14はエッチング深さが深く、溝13はエッチング深さが浅く加工される。このことから、外形形状に相当する部分は貫通され、溝13は底部13cを残すことができることから、水晶振動片10の外形形状加工と、振動腕12の表裏に溝を有する断面がH字状の形状を一括して形成することができる。この際、ドライエッチング加工を採用することから、振動腕の形状の対称性、側面の垂直性が得られ、生産性の向上と高精度な共振周波数を得ることができる。
【0046】
さらに、水晶振動片10は、水晶基板1から複数の水晶振動片10を分離して形成する。ここで、前述したエッチングレート差を考慮し、複数の水晶振動片の隣接する圧電振動片の間の距離を、ドライエッチング加工によって貫通可能な幅(溝よりも疎の状態)以上に配列しておくことで、水晶基板1に配列される全ての水晶振動片10の振動腕12に設けられる溝13と外形形状とを正確な形状で形成することができる。
【0047】
また、本発明の水晶振動片10は、前述した製造方法で製造され、基部11と、基部11から延在される一対の振動腕12を有し、一対の振動腕12の主面の両面に設けられる溝13が形成されており、低コストで、高精度な共振周波数を有し、小型化、高周波化を可能とする水晶振動片10を実現することができる。
【0048】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0049】
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものでないから、それらの形状、材質、組み合わせなどの限定の一部もしくは全部の限定をはずした部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0050】
例えば、本実施形態では、圧電基板として水晶を例示しているが、水晶以外の圧電基板にも応用することができ、特に、結晶方位の異方性を有する圧電基板には効果が大きい。
【0051】
また、本実施形態では、音叉型の水晶振動片を例示して説明したが、音叉型に限らず、一般にH型、ダブルT型と称せられる圧電振動片にも応用することが可能である。
【0052】
なお、本実施形態では、図1に示す寸法関係を例示しているが、これは実現した1例であり、密に相当する溝幅、疎に相当する振動腕間の距離、溝の深さ(つまり溝の底部の残り厚み)は、水晶振動片の全体サイズ、共振周波数、ドライエッチング加工の条件によって適切に設定されるものである。
【0053】
従って、前述の実施形態によれば、圧電振動腕の表裏に溝を有する圧電振動片において、溝と外形形状とを一括形成する生産効率の高い圧電振動片の製造方法と、溝と外形形状との相対的な位置ずれを防止し、高精度の圧電振動片を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係る水晶振動片を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態に係る水晶基板上の水晶振動片の配置の一部を示す平面図。
【図3】本発明の実施形態に係るドライエッチング加工工程を示す部分断面図であり、(a)はレジスト膜の成膜工程を示す断面図、(b)は露光工程、(c)はレジスト膜を所定の形状に形成する工程、(d)は水晶基板のドライエッチング加工工程、(e)は水晶振動片の断面形状を示す。
【符号の説明】
【0055】
1…基板としての水晶基板、10…圧電振動片としての水晶振動片、11…基部、12…振動腕、13…振動腕に形成される溝、20…レジスト膜、30…マスク。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013