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発明の名称 フレキシブルプリント基板、実装構造、液滴吐出ヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12661(P2007−12661A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−187854(P2005−187854)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 今村 峰宏
要約 課題
段差のある限られた空間内での折り曲げ実装が可能なフレキシブルプリント基板を提供する。

解決手段
本発明のフレキシブルプリント基板は、可撓性絶縁基板2の表面に回路配線3が形成されてなるフレキシブルプリント基板であって、このフレキシブルプリント基板の実装時に屈曲させて谷部となる谷折り溝4を可撓性絶縁基板2の裏面側に形成することにより、狭い空間内においても大きな角度で屈曲できるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
可撓性絶縁基板の表面に回路配線が形成されてなるフレキシブルプリント基板であって、
前記フレキシブルプリント基板の実装時に屈曲させて谷部となる谷折り溝が前記可撓性絶縁基板の裏面に配設されていることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
【請求項2】
前記谷折り溝の延在方向に直交する断面が略半円状であることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項3】
前記谷折り溝は複数個の窓部からなり、前記窓部はその直上の回路配線が露出するように前記可撓性絶縁基板を除去してなることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項4】
前記窓部の配列方向の長さは、前記回路配線の幅より大きいことを特徴とする請求項3記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項5】
前記谷折り溝の両端部を、前記谷折り溝の延設方向へ窪ませてなる接着剤誘導部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線基板。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板を用いた実装構造。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板または請求項6記載の実装構造を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント基板とその実装構造および液滴吐出ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出法(インクジェット法)は、各種画像の記録やマイクロデバイスの製造工程における配線形成などに広く利用されており、画像を記録するためのインクや、デバイスを形成するための材料を含む機能液を液滴状にして液滴吐出ヘッドから吐出するものである。液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する駆動素子(圧電素子)と、この駆動素子を制御する駆動回路(ICドライバ)とからなり、互いにワイヤボンディングで接続されている。(たとえば特許文献1参照。)
【0003】
プリンタヘッドは可動部材であるので、この可動部材上に設けられた種々の電子回路への電力供給や駆動信号の送信のために、柔軟性を有するフィルム上にプリント配線を形成したフレキシブルプリントケーブルを利用した接続が提案されている。(たとえば特許文献2参照。)このフレキシブルプリントケーブルは、被接続部材と接続するためのリード線をベースフィルムとカバーフィルムとで被覆挟持した構成であって、接続部以外の部位のベースフィルムとカバーフィルムとを除去してリード線を露出させることにより、フレキシブルプリントケーブルを任意の角度に容易に屈曲できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2000−296616号公報
【特許文献2】実用新案登録第25246365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の小型、軽量化に伴い、液滴吐出ヘッドも同様に小型、軽量化が求められており、それを構成する圧電素子とICドライバとの接続距離をより小さくして、高密度での接続を行うことが要求されている。しかしながら、ワイヤボンディングによる接続の場合、現行ピッチよりも更に細かいピッチで接続すると、歩留まりが大幅に低下するという問題がある。このような細かいピッチでの接続方法として、フレキシブルプリントケーブルを用いることが考えられるが、液滴吐出ヘッドにおける圧電素子とICドライバとは共に積層構造をなしている上に、その間には段差があるので、これらを限られた空間内で高密度で接続するには、フレキシブルプリントケーブルをほぼ直角に屈曲させる必要があり、その屈曲部で断線するという問題があった。また、一方では、特許文献2に記載のフレキシブルプリントケーブルは、任意の角度に屈曲可能であるが、接続端部以外ではリード線が露出しているために、接続強度が低いという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、電子素子間を高い密度で接続できるように、直角に屈曲可能であり、かつ接続強度の高いフレキシブルプリント基板を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフレキシブルプリント基板は、可撓性絶縁基板の表面に回路配線が形成されてなるフレキシブルプリント基板であって、前記フレキシブルプリント基板の実装時に屈曲させて谷部となる谷折り溝が前記可撓性絶縁基板の裏面に延設されていることを特徴とする。
【0007】
可撓性絶縁基板の裏面に谷折り溝が延設されているので、実装時に、フレキシブルプリント基板を谷折り溝に沿って屈曲させれば、容易に所望の角度で屈曲することができる。谷折り溝が形成された部位は他の部位に比べて可撓性絶縁基板の膜厚が小さくなっているので、屈曲させる際の力がこの部位に集中するためである。よって、段差のある限られた空間内での接続を行う際にも、大きな角度で屈曲することができる。
また、フレキシブルプリント基板を直角に屈曲するには、谷折り溝の底を中心として可撓性絶縁基板の裏面同士が対向するように折り畳む。この際に、折り畳みの谷部では、可撓性絶縁基板の板厚分が重なり合うが、谷折り溝を設けることにより、この重なり合いが発生しなくなる。また、屈曲時の応力は谷折り溝の溝空間を潰す方向に集中するので、屈曲部が外周方向へ向かって膨らむことがなくなり、その部位に配された回路配線が引き伸ばされる方向に変形することがなくなるので、この変形を原因とする回路配線の断線が起きることがない。
よって、本発明のフレキシブルプリント基板によれば、直角に屈曲可能であるので、限られた空間内で電子素子間を高密度で接続できる。
【0008】
本発明のフレキシブルプリント基板にあっては、前記谷折り溝の延在方向の直交断面が略半円状であることが好ましい。
このようにすると、可撓性絶縁基板を直角に屈曲した際に生じる基板の板厚分の重なり合いをより効率よく谷折り溝中に収容して緩和できる。また、概略半円状の溝の形成は他の形状に比較して形成しやすいという利点もある。
【0009】
本発明のフレキシブルプリント基板にあっては、前記谷折り溝は、前記フレキシブルプリント基板を実装時に屈曲させて谷部となる位置に配列された複数個の窓部からなり、前記窓部は、その直上の回路配線が露出するように前記可撓性絶縁基板を除去してなることを特徴とする。
谷折り溝を連続したものとせずに、必要部位にのみ断続的に配列された複数個の窓部から構成することにより、可撓性絶縁基板の強度を低下させることなく、フレキシブルプリント基板を所望の角度で容易に屈曲することができる。加えて窓部は、その直上の回路配線が露出するように可撓性絶縁基板を除去してなるものであるので、フレキシブルプリント基板を直角に屈曲しても可撓性絶縁基板の板厚分の重なり合いが全く生じることがないので、屈曲部の外周面が変形して膨らむことがない。よって、これを原因とする回路配線の断線が発生することがない。
【0010】
本発明のフレキシブルプリント基板にあっては、前記窓部の配列方向の幅は、前記回路配線の幅より大きいことが好ましい。
窓部の形状をこのようにすると、回路配線の配線方向の両側面において、フレキシブルプリント基板の表裏面の間を貫通する空隙部が生じる。フレキシブルプリント基板を他の基板や電子素子上に固定する際に用いる接着剤をこの空隙部を通して、接着面から逆側面に排出することができる。このように空隙部を通して接着面の逆側面に誘導された接着剤は、屈曲部の谷部、すなわち窓部によって形成される谷折り溝の底部に留まり、フレキシブルプリント基板を屈曲した状態で固定することとなる。よって、屈曲された状態のフレキシブルプリント基板はその接着面において接着されるのみならず、空隙部を介して接着面の逆側面に誘導された接着剤によって、屈曲部の谷部をも固定されることとなり、機械的強度の高い接合を行うことができる。
【0011】
本発明のフレキシブルプリント基板は、前記フレキシブルプリント基板の前記谷折り溝が形成された部位の両端部を、前記谷折り溝の延設方向へ窪ませてなる接着剤誘導部を有することを特徴とする。
フレキシブルプリント基板を他の基板や電子素子などに接合する際に、フレキシブルプリント基板の接着面と被接着部材との間に接着剤を介して、これらを圧着すると、接着剤が基板の端部へ向かって流動する。この流動して排出される接着剤の受け皿となるように、フレキシブルプリント基板の谷折り溝形成部位の端部を窪ませて接着剤誘導部としたので、排出された接着剤をここに誘導して溜めることができる。よって、接着剤の排出性を向上させることができ、接着面以外の部位に接着剤が流れることがなくなる。加えて、この接着剤誘導部は、谷折り溝の配設方向へ向かって窪ませてなるものであるので、ここに排出された接着剤は、この窪みの方向に沿って流動することとなり、谷折り溝の底部、すなわち屈曲した際の谷部に誘導される。よって、屈曲の谷部がこの排出された接着剤によって屈曲状態のままで固定されることとなり、一旦屈曲されたフレキシブルプリント基板が反り返るのを防ぐことができると共に、強固に接合を行うことができる。
【0012】
本発明の実装構造は、本発明のフレキシブルプリント基板を用いたことを特徴とする。このような実装構造によれば、前述したように、直角に屈曲可能であるので、限られた空間内で電子素子間を高密度で接続できる。また、屈曲部の外周面が変形して膨らむことがないので、これを原因とする回路配線の断線が発生することがなく、信頼性の高い実装構造となる。さらに、接着剤によって、接合部と屈曲部とが共に固定される構造であるので、機械的強度の高い接合構造となる。
【0013】
本発明の液滴吐出ヘッドは、前記のフレキシブルプリント基板またはそれを用いた実装構造を備えたことを特徴とする。
この液滴吐出ヘッドによれば、前述したように段差のある電子部品同士を限られた空間内で高密度で接続可能となるので、従来に比べて軽量、小型のものとなる。さらに、機械的強度が高く、断線の心配のない接合構造を有するものであるので、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のフレキシブルプリント基板1は、可撓性絶縁基板2の片側表面に回路配線3が配線され、その逆側表面に実装時に屈曲して谷部となる谷折り溝4が延設されてなる。可撓性絶縁基板の両側面において谷折り溝4が形成された部位には、谷折り溝4の延設方向に向かって窪ませてなる接着剤誘導部5が形成されている。
図1(a)および図1(b)はいずれも、本実施形態のフレキシブルプリント基板1の概略平面図であって、図1(a)は回路配線3側から見たものであり、図1(b)はその逆側の谷折り溝4側から見たものである。また、図1(c)および図1(d)はいずれも本実施形態のフレキシブルプリント基板1の概略断面図であって、図1(c)はA−A´線断面視、図1(d)はB−B´線断面視のものである。
【0015】
可撓性絶縁基板1は、ポリイミドやポリエステル製の絶縁基板からなり、回路配線3は、銅や金などの導電体を箔状などにプリント配線してなる。本実施形態において、回路配線3は各配線が互いに平行となるように並列配線されており、被接続部材となる電子素子間、たとえば圧電素子とそのICドライバ間を接続する。この回路配線3および可撓性絶縁基板1の表面は共に絶縁保護などの必要に応じて絶縁性のカバーフィルムで被覆されていてもよい。可撓性絶縁基板1の板厚は特に限定されるものではないが、可撓性と機械的強度とを兼ね備えることが必要であるので、ポリイミドの場合には、25μm程度が好適である。また、回路配線3の配線ピッチおよび膜厚も特に限定されるものではなく、より微細な配線が好ましいが、たとえば銅配線の場合には、配線幅とその間隙幅が35μm/29μm(L/S=35/29)で、膜厚8μmなどのものを例示することができる。
【0016】
可撓性絶縁基板1の回路配線3が形成されていない側の表面には、谷折り溝4が延設されている。この谷折り溝4は、本実施形態のフレキシブルプリント基板1を狭い空間内において実装する際に屈曲させて谷部となる部位に形成されたものであって、回路配線3の配線方向に対して、ほぼ直交するように形成された溝である。その形状は、特に限定されるものではないが、本実施形態にあっては、図1(d)に示したように、谷折り溝4の延設方向に対する断面が概略半円状である。
【0017】
谷折り溝4の両端部となる可撓性絶縁基板1の側面の部位には、それぞれ、谷折り溝4の延設方向へむかって窪ませてなる接着剤誘導部5が形成されている。この接着剤誘導部5の形状も特に限定されるものではないが、本実施の形態にあっては、図1(b)に示したように、谷折り溝4の延設方向に直交する方向からの断面視が半円状である。この接着剤誘導部5は、後述するようにフレキシブルプリント基板1を屈曲させた状態で他の被接続部材と固定する際に用いる接着剤を屈曲した谷部へ誘導するためのものであるので、谷折り溝4の延設方向へ向かって接着剤が流動しやすい形状であることが好ましく、たとえば、谷折り溝4の延設方向に直交する方向からの断面視が楔型であってもよい。
【0018】
図2は、図1に示した第1の実施形態のフレキシブルプリント基板1を実装のために屈曲させて他の実装基板6に接着剤7で固定した状態を示した要部拡大断面図である。
フレキシブルプリント基板1によって互いに接続される被接続部材はいずれも図2にあっては図示されていないが、一方は実装基板6に載置されており、他方がこの実装基板5と段差をもった位置に配置されており、非常に限られた空間内で互いが接続される。たとえば液滴吐出ヘッドを構成する圧電素子とそのICドライバの接続にあっては、膜厚が30μm程度のフレキシブルプリント基板1で64μmピッチの配線接続を行う必要があるので、実装基板6に固定されたフレキシブルプリント基板1は、段差をもって位置する被接続部材へ向かって、その途中でほぼ直角に屈曲される。
【0019】
フレキシブルプリント基板1を屈曲部1aにおいて、大きな角度、すなわちほぼ直角に近い角度で屈曲するには、屈曲部1aが中心となるように、可撓性絶縁基板1の同じ面同士が対向する方向へ曲げる。この際に、谷折り溝4が延設された部位の可撓性絶縁基板2の板厚は他の部位に比べて小さくなっているので、谷折り溝4の底を中心として小さな力で容易にフレキシブルプリント基板1を所望の角度に屈曲することができる。
【0020】
屈曲部1aにおいては、可撓性絶縁基板2の板厚分の重なり合いが生じるが、屈曲部1aの谷部にあたる部位に谷折り溝4が設けられているので、この板厚分の重なり合いが生じない。さらに、可撓性絶縁基板2を屈曲する際には、屈曲部1aの谷部となる谷折り溝4の溝空間が潰れる方向に応力が集中するので、屈曲部1aの外周面が山側へ向かって膨らむことがなく、その部位に配線された回路配線が引き伸ばされる方向に力がかかることがない。よって、フレキシブルプリント基板1を大きな角度で屈曲しても、これにより回路配線3が変形を受けることがないので、回路配線3の断線が起きない。特に、谷折り溝4の断面形状を半円とすると、可撓性絶縁基板2の板厚の重なり合いよりも谷折り溝4の溝空間を大きくとることができるので、より一層この効果が顕著となり、好適である。
【0021】
一方、図2に示したように、フレキシブルプリント基板1の屈曲は、谷折り溝4が谷部となる屈曲部1a以外に、回路配線3側が谷部となる屈曲部1bがあるが、これによる回路配線3の断線や可撓性絶縁基板2の亀裂、破断の心配はない。
この屈曲部1bにおいては、可撓性絶縁基板2の膜厚25μmに比較して回路配線3の膜厚が8μm程度と小さいものであるので、屈曲部1bの谷部における回路配線3膜厚の重なり合いが小さく、その外周方向への変形が小さいためである。加えて、可撓性絶縁基板2はポリイミドなどの樹脂からなるので、屈曲部1bにおいて外周面となった場合には延伸されるので、亀裂や破断が起きることがないわけである。
よって、本実施の形態のフレキシブルプリント基板1によれば、軽量小型化の進む電子素子同士の限られた空間内での接続にあっても、断線の心配のない信頼性の高い接続を簡便に行うことができる。
【0022】
フレキシブルプリント基板1の屈曲部1aは、樹脂などの接着剤7によって実装基板6上に屈曲状態で固定されるが、谷折り溝4が設けられており、前述したようにこの谷折り溝4の底部へ向かって応力が集中して、溝空間が潰れる状態で屈曲されるので、屈曲部1aを広げる方向の反発力が発生することがないので、実装基板6から屈曲部1aが浮き上がることがない。加えて、本実施形態のフレキシブルプリント基板1においては、可撓性絶縁基板の両側面部において、谷折り溝4の両端部にあたる部位に、谷折り溝4の延設方向に向かって窪ませてなる接着剤誘導部5が設けられているために、より一層と強固に実装基板6に固定することができる。
【0023】
フレキシブルプリント基板1を実装基板6に接着するには、接着剤7を塗布した後、この上に屈曲状態でフレキシブルプリント基板1を載置する。この際に接着剤7は未硬化状態で流動性を有しているので、圧力の小さい方向、すなわち開放端であるフレキシブルプリント基板1の端部へ向かって流動して排出される。この接着剤の流動を促進するために、フレキシブルプリント基板1の谷折り溝4形成部位の端部を切り欠くなどして、窪み部からなる接着剤誘導部5を設ければ、この部分に接着剤7が誘導されるので、接着剤の排出性を向上させることができ、接着面以外の部位に接着剤が流れることがなくなる。
【0024】
接着剤誘導部5に排出された接着剤は、この窪み方向へさらに流動して、図2に示したように、谷折り溝4の底部、すなわち屈曲部1aの谷部へと導かれて、硬化する。この排出された接着剤によって、屈曲部1aはその谷部においても接着剤7によって固定されることとなり、一旦屈曲されたフレキシブルプリント基板が反り返るのを防ぐことができると共に、より強固な接合を行うことができる。
【0025】
図3は本発明のフレキシブルプリント基板1の第2の実施形態を示したものである。図3に示したものが前記第1の実施形態と異なるところは、谷折り溝4が複数個の窓部41…から構成されているところである。この複数個の窓部41…は、フレキシブルプリント基板1の実装時に屈曲させて谷部となる位置に配列されている。これらの窓部41…において、可撓性絶縁基板2は回路配線3が露出するように除去されている。
【0026】
このように、谷折り溝4を連続したものとせずに、必要部位にのみ断続的に配列された複数個の窓部41…から構成することにより、可撓性絶縁基板2の強度を低下することなく、フレキシブルプリント基板1を所望の角度で容易に屈曲することができる。加えてこの窓部41は、その直上の回路配線3が露出するように可撓性絶縁基板2を除去してなるものであるので、この窓部41でフレキシブルプリント基板1を直角に屈曲しても可撓性絶縁基板2の板厚分の重なり合いが全く生じることがない。よって、屈曲部の外周面が変形して膨らむことがないので、これを原因とする回路配線の断線が発生することがない。
【0027】
窓部41…の形状および大きさは特に限定されるものではないが、配列方向の幅dは、回路配線3の配線幅より大きいことが好ましい。このようにすると、回路配線3の配線方向の両側面において、フレキシブルプリント基板1の表裏面の間を貫通する空隙部42が生じる。この空隙部42を通して、フレキシブルプリント基板1を固定する際に用いられる接着剤を接着面側から逆側面へ迅速に排出することができるので、接着面以外の部位に接着剤が流れることがなくなる。また、逆側面に排出された接着剤は、屈曲部の谷部、すなわち窓部41によって形成される谷折り溝4の底部に留まり、フレキシブルプリント基板1を屈曲した状態で強固に固定することができる。
【0028】
図4は、本発明のフレキシブルプリント基板1を用いた実装構造の一実施例を示したものであって、薄膜圧電素子とそのICドライバとを実装基板上で接続して液滴吐出ヘッド101としたものである。
液滴吐出ヘッド101はインクなどを含む機能液の液滴を吐出するヘッドであって、液滴が吐出されるノズル開口部15を備えたノズル基板16と、このノズル基板16の上面に接続され、液滴が流れる流路を形成する流路形成基板10と、この流路形成基板10の上面に形成され、圧電素子300の駆動によって変位する振動板400と、この振動板400の上面に接続され、リザーバ100を形成するためのリザーバ形成基板20と、リザーバ形成基板20の上面側に設けられた圧電素子300を駆動するための駆動回路部(ICドライバ)200とを備えてなるものであって、前記圧電素子300と前記ICドライバ200とが本発明のフレキシブルプリント基板1によって接続されている。フレキシブルプリント基板1とリザーバ形成基板20との間には、樹脂202が配置されており、フレキシブルプリント基板1とリザーバ形成基板20とは樹脂202で樹脂モールド固定されている。さらに、この樹脂202は、溝部700の内側にも配置されており、フレキシブルプリント基板1の端部112と圧電素子300との接続部が樹脂モールドされている。
【0029】
ICドライバ200は、フレキシブルプリント基板1の回路配線3側の面(図面において下面側)に載置されて回路配線3に接続されており、この回路配線3を通してフレキシブルプリント基板1の端部112にて圧電素子300と接続されている。圧電素子300はリザーバ形成基板20の下側面に位置するのに対して、ICドライバ200はリザーバ形成基板200の上側面に位置しており、これらの間にはリザーバ形成基板200の厚さ分の段差があるが、本発明のフレキシブルプリント基板1を用いればこのような段差のある接続を行うことができる。
【0030】
溝部700内において、谷折り部113と山折り部114でほぼ直角に近い大きな角度で屈曲されることができるためである。本発明のフレキシブルプリント基板1には谷折り溝4が設けられているので、屈曲部の外周面側への変形が起こることが無いうえに、小さな力で容易に大きく屈曲できるので、谷折り部113において回路配線3が断線したり、接着端部112が浮き上がったすることがない。また、山折り部114においては、樹脂性の可撓性絶縁基板2側が山側になって屈曲されるので、樹脂が延伸された状態となるので、回路配線3が損傷を受けることはない。
【0031】
また、本発明のフレキシブルプリント基板1にあっては、樹脂をその屈曲部の谷部へ向かって迅速に排出することができるので、樹脂202の屈曲部の谷部にも充填されるので、充分な機械的強度で接着される。よって、本発明のフレキシブルプリント基板1を用いた実装構造によれば、段差のある限られた空間内でも信頼性の高い接続を行うことができるので、液滴吐出ヘッドの小型化を図ることができる。
なお、本発明のフレキシブルプリント基板を備えた液滴吐出ヘッドは前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態のフレキシブルプリント基板の概略平面図、(b)は同第1実施形態のフレキシブルプリント基板のA−A´線概略断面図、(c)は同第1実施形態のフレキシブルプリント基板の概略平面図、(d)は同第1実施形態のフレキシブルプリント基板のB−B´線概略断面図。
【図2】同第1実施形態のフレキシブルプリント基板の実装時の要部拡大断面図。
【図3】(a)は本発明の第2実施形態のフレキシブルプリント基板の概略平面図、(b)は同第2実施形態のフレキシブルプリント基板のA−A´線概略断面図、(c)は同第2実施形態のフレキシブルプリント基板の概略平面図、(d)は同第2実施形態のフレキシブルプリント基板のB−B´線概略断面図。
【図4】本発明の液滴吐出ヘッドの一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0033】
1…フレキシブルプリント基板、2…可撓性絶縁基板、3…回路配線、4…谷折り溝、5…接着剤誘導部、41…窓部、101…液滴吐出ヘッド。




 

 


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