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圧電振動片および圧電デバイス - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 圧電振動片および圧電デバイス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6091(P2007−6091A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183332(P2005−183332)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎
発明者 棚谷 英雄
要約 課題
振動腕に長溝を形成して電界効率を高めても、安定した屈曲振動を実現できる圧電振動片と、圧電デバイスを提供すること。

解決手段
圧電材料により形成された基部51と、前記基部から延びる複数の振動腕35,36とを備える圧電振動片であって、前記複数の振動腕には、その主面の長手方向に沿って形成され、内側に駆動電極を備えた長溝33,34が設けられており、前記長溝の先端部において、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する長溝縮幅部33a,34aを備える圧電振動片。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧電材料により形成された基部と、前記基部から延びる複数の振動腕と
を備える圧電振動片であって、
前記複数の振動腕には、その主面の長手方向に沿って形成され、内側に駆動電極を備えた長溝が設けられており、
前記長溝の先端部において、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する長溝縮幅部を備える
ことを特徴とする圧電振動片。
【請求項2】
前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅する縮幅部を有するとともに、前記先端側には前記幅寸法が、先端側に向かって等しい寸法で延びるか、もしくは増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pが、少なくとも前記長溝縮幅部を含まない先端部よりも、さらに振動腕先端側に位置させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項3】
前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部と、この第1の縮幅部の終端から、前記縮幅部として、さらに先端側に向かって、徐々に縮幅する第2の縮幅部とを有することを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片。
【請求項4】
前記基部が所定の長さを備えているとともに、前記基部の前記振動腕が延びる側である一端側より前記所定距離だけ離れた他端側から幅方向に延長され、かつ前記振動腕の外側において、該振動腕と同じ方向に延びる支持用アームを備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電振動片。
【請求項5】
前記基部には、前記支持用アームが前記基部に対して一体に接続されている接続部よりも前記振動腕寄りの位置に、貫通孔を設けたことを特徴とする請求項4に記載の圧電振動片。
【請求項6】
前記基部には、幅方向に縮幅して形成した切り込み部を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電振動片。
【請求項7】
前記各振動腕の側面に、プラスX軸(電気軸)方向に突出する異形部の突出量を5μm以下としたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電振動片。
【請求項8】
パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、
前記圧電振動片が、
圧電材料により形成された基部と、前記基部から延びる複数の振動腕と
を備える圧電振動片であって、
前記複数の振動腕には、その主面の長手方向に沿って形成され、内側に駆動電極を備えた長溝が設けられており、
前記長溝の先端部において、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する長溝縮幅部を備える
ことを特徴とする圧電デバイス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片と、パッケージやケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器や圧電ジャイロセンサー等において、圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
図9は、圧電デバイスに従来より用いられている圧電振動片の一例を示す概略平面図である。
【0003】
図において、圧電振動片1は、水晶などの圧電材料をエッチングすることにより、図示する外形を形成するもので、パッケージ(図示せず)等に取付けられる矩形の基部2と、基部2から図において上方に延長された一対の振動腕3,4を備えており、これら振動腕の主面(表裏面)に長溝3a,4aを形成するとともに、必要な駆動用の電極を形成したものである(特許文献1参照)。
このような圧電振動片1においては、駆動用の電極を介して駆動電圧が印加されると、図9に矢印で示すように、各振動腕3,4の先端部を近接・離間するようにして、屈曲振動することにより、所定の周波数の信号が取り出されるようになっている。
【0004】
ところで、このような圧電振動片1は、基部2の符号5,6で示す箇所に引出し電極が形成され、この部分に接着剤7,8を塗布して、例えばパッケージなどの基体に固定支持される。
そして、この接着剤による固定支持後に、圧電振動片を構成する材料と、パッケージなどの材料の線膨張係数の相違などに起因して残る残留応力が、振動腕の屈曲振動を妨げないように、基部2に切り込み部9,9を形成するようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−261575
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述したように、圧電振動片の各振動腕3,4が、屈曲振動をする場合において、図10(a)で示すような問題がある。
図10(a)において、振動腕3には、長溝3aが形成されており、長溝3aが形成された箇所は、他の領域と比べて圧電材料の厚みが薄い。このため、振動腕3は符号Tで示した長溝3aの端部の箇所にて、急に剛性が変化する構造となっている。
【0007】
この状態で図9のように振動腕3の先端が水平に揺動されると、図10(b)のような長溝を備えない振動腕3−1の挙動と比較すると、図10(a)の振動腕3は、符号Tの箇所が振動の「節」のような役割を果たし、これよりも先端側の部分の追随が遅れ、振り回されるような挙動となる。
このため、長溝を形成した図9のような圧電振動片1の振動腕においては、図10(b)のような振動腕を備える圧電振動片におけるような正常な屈曲振動とは異なる振動をし、特性が不安定となって、性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0008】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、振動腕に長溝を形成して電界効率を高めても、安定した屈曲振動を実現できる圧電振動片と、圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、第1の発明にあっては、圧電材料により形成された基部と、前記基部から延びる複数の振動腕とを備える圧電振動片であって、前記複数の振動腕には、その主面の長手方向に沿って形成され、内側に駆動電極を備えた長溝が設けられており、前記長溝の先端部において、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する長溝縮幅部を備える圧電振動片により、達成される。
【0010】
第1の発明の構成によれば、振動腕の長手方向に沿って長溝が形成されている構成において、その先端部には、長溝縮幅部を有している。この長溝縮幅部は、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する構成であるから、該長溝縮幅部が形成された領域で、振動腕の剛性は徐々に変化する構造となっている。このため、従来のように、長溝の先端部に急激に剛性が低下する構造とならないので、屈曲振動の「節」のような働きをする箇所をなくすか、その効果を弱めることができ、安定した屈曲振動を実現することができる。
かくして、振動腕に長溝を形成して電界効率を高めても、安定した屈曲振動を実現できる圧電振動片を提供することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅する縮幅部を有するとともに、前記先端側には前記幅寸法が、先端側に向かって等しい寸法で延びるか、もしくは増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pが、少なくとも前記長溝縮幅部を含まない先端部よりも、さらに振動腕先端側に位置させるようにしたことを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、振動腕に形成した前記長溝に駆動用の電極(励振電極)を形成した場合に、その腕幅に関して、前記基部側から先端側に向かって等しい寸法で延びるか、もしくは増加に転じる腕幅変化の変更点Pを設けることにより、CI値を抑制しつつ、2次の高調波における発振の防止をすることができる。さらに、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに振動腕先端側に位置させるようにすることで、CI値を抑え、かつ振動特性を悪化させることがない圧電振動片を提供することができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部と、この第1の縮幅部の終端から、前記縮幅部として、さらに先端側に向かって、徐々に縮幅する第2の縮幅部とを有することを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、第1の縮幅部の終端から、さらに先端側に向かって、前記振動腕の腕幅が徐々に縮幅するようにした前記第2の縮幅部を設けるとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pを設けることにより、CI値を抑制しつつ、2次の高調波における発振の防止をすることができる。
しかも、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部を有しているので、振動腕が屈曲振動する際に、最も大きな応力が作用し、歪みが大きくなる付け根部分の剛性を向上させることができる。これにより、振動腕の屈曲振動が安定し、不要な方向への振動成分が抑制されるので、一層CI値を低減させることができる。すなわち、圧電振動片を小型化する上で、安定した屈曲振動を実現し、CI値を低く抑えることができる。
【0013】
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明の構成において、前記基部が所定の長さを備えているとともに、前記基部の前記振動腕が延びる側である一端側より前記所定距離だけ離れた他端側から幅方向に延長され、かつ前記振動腕の外側において、該振動腕と同じ方向に延びる支持用アームを備えていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、前記支持用アームがパッケージなどの基体側に接着などにより接合された場合においては、周囲温度の変化や、落下衝撃などを原因として、その接合箇所に生じた応力変化が、支持用アームの接合箇所から、前記基部の他端までの距離を隔てて、さらには基部の所定長さの距離を隔てて振動腕に影響を与えることはほとんどなく、このため、特に温度特性が良好となる。
しかも、これとは逆に屈曲振動する振動腕からの振動漏れは、基部を隔てた支持用アームに達するまでに基部の所定長さを隔てていることから、ほとんど及ぶことがない。すなわち、基部長さが極端に短いと、屈曲振動の漏れた成分が支持用アーム全体に拡がり、制御が困難となる事態が考えられるが、この発明において、そのようなおそれがない。
そして、このような作用を得ることができる上に、支持用アームは、基部の他端から幅方向に延長され、振動腕の外側で、この振動腕と同じ方向に延びる構成としたから、全体の大きさをコンパクトにすることができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記基部には、前記支持用アームが前記基部に対して一体に接続されている接続部よりも前記振動腕寄りの位置に、貫通孔を設けたことを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、前記支持用アームが前記基部に対して一体に接続されている接続部よりも前記振動腕寄りの位置に貫通孔を設けたことにより、貫通孔の代わりに基部の側縁に切り込み部を深く形成することに比べて、基部の剛性を大きく低下させることなく、より一層振動漏れを抑制することができる。
【0015】
第6の発明は、第1ないし5のいずれかの発明の構成において、前記基部には、幅方向に縮幅して形成した切り込み部を備えることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、前記した貫通孔に代え、またこれに加えて、前記基部の側縁の一部を幅方向に縮幅して形成した切り込み部を備えることにより、振動腕の屈曲振動による振動漏れが前記基部を介して、支持用アームの接合箇所に及ぶことを抑制し、CI値の上昇を防止もしくは一層確実に防止することができる。
【0016】
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明の構成において、前記各振動腕の側面に、プラスX軸(電気軸)方向に突出する異形部の突出量を5μm以下としたことを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、圧電振動片の外形形成をウエットエッチングにより行う場合に、エッチング異方性により生成される前記異形部を5μm以下の最小なものとなるようにしたから、振動腕の屈曲振動を安定したものとすることができる。
【0017】
また、上記目的は、第8の発明にあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、前記圧電振動片が、圧電材料により形成された基部と、前記基部から延びる複数の振動腕とを備える圧電振動片であって、前記複数の振動腕には、その主面の長手方向に沿って形成され、内側に駆動電極を備えた長溝が設けられており、前記長溝の先端部において、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する長溝縮幅部を備える圧電デバイスにより、達成される。
第8の発明の構成によれば、第1の発明と同様の原理により、振動腕に長溝を形成して電界効率を高めても、安定した屈曲振動を実現できる圧電デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1および図2は、本発明の圧電デバイスの実施形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のA−A線切断端面図である。また、図3は図1の圧電振動片32の詳細を説明するための拡大平面図、図4は図1の振動腕部分に関するB−B線切断端面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、この圧電デバイス30は、基体であるパッケージ57内に圧電振動片32を収容している。
パッケージ57は、図1および図2に示すように、例えば、矩形の箱状に形成されている。具体的には、パッケージ57は、第1の基板54と、第2の基板55と、第3の基板56とを積層して形成されており、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して図示の形状とした後で、焼結して形成されている。
パッケージ57の底部には、製造工程において、脱ガスするための貫通孔27を有している。貫通孔27は、第1の基板54に形成された第1の孔25と、第2の基板55に形成され、上記第1の孔25よりも小さな外径を有し、第1の孔25と連通した第2の孔26で形成されている。
そして、貫通孔27には、封止材28が充填されることにより、パッケージ57内が気密状態となるように孔封止されている。
【0019】
パッケージ57は、図2に示すように、第3の基板56の内側の材料を除去することで、内部空間Sのスペースを形成している。この内部空間Sが圧電振動片32を収容するための収容空間である。そして、第2の基板55に形成した各電極部31−1,31−2、31−1,31−2の上に、導電性接着剤43,43、43,43を用いて、圧電振動片32の支持用アーム61,62の後述する引出し電極形成箇所を載置して接合している。
支持用アーム61と支持用アーム62は同一の形状であるから、支持用アーム61について図3を参照しながら説明すると、その長さ寸法uは、圧電振動片32の全長aに対して、60ないし80パーセントとすることが、安定した支持構造を得るために必要である。
ここで、図示は省略するが、支持用アーム61の接合箇所と基部51との間となる箇所の一部に、剛性を低下させた箇所ないし構造、例えば、切り込み部もしくは縮幅部などを設けるようにしてもよい。これにより、CI値の低減などを期待できる。
また、支持用アーム61,62の外側コーナ部は、それぞれ内方に凸もしくは外方に凸となったR状に面取りされることにより、欠けたりする損傷を防止している。
【0020】
支持用アームとの接合箇所は、例えば、一方の支持用アーム61に関して、圧電振動片32長さ寸法の重心位置Gに相当する箇所をひとつだけ選択することもできる。しかし、この実施形態のように、上記重心位置を挟んで該重心位置から等距離離れた2点を選んで電極部31−1,31−2を設定し、接合すると、より接合構造が強化されて好ましい。
ひとつの支持用アームについて、1点で接合する場合は、接着剤塗布領域の長さが、圧電振動片32の全長aの25パーセント以上を確保することが十分な接合強度を得る上で好ましい。
この実施形態のように、2点の接合箇所を設ける場合には、接合箇所どうしの間隔を圧電振動片32の全長aの25パーセント以上とすることが十分な接合強度を得る上で好ましい。
また、この圧電振動片32の導電性接着剤43による固定支持の後においては、圧電振動片32を構成する材料と、パッケージ57を構成する材料の線膨張係数の相違などに起因して、基部51には、残留応力が存在している。
【0021】
なお、各電極部31−1,31−2、31−1,31−2のうち、少なくとも一組の電極部31−1,31−2はパッケージ裏面の実装端子41、41と導電スルーホールなどで接続されている。パッケージ57は、圧電振動片32を収容した後において、真空中で透明なガラス製の蓋体40が封止材58を用いて接合されることにより、真空中で気密に封止されている。これにより、蓋体40を封止した後で、外部からレーザ光を照射して圧電振動片32の電極などをトリミングして、周波数調整できるようになっている。
尚、蓋体40は、透明な材料でなく、例えば、コバールなどの金属板体をシーム封止などで接合する構造としてもよい。
圧電振動片32は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。
この実施形態では、圧電振動片32は、後述するように、例えば水晶の単結晶から切り出されることになる。
【0022】
この圧電振動片32は、図1に示すように、基部51と、この基部51の一端(図において右端)から、右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕35,36を備えている。
各振動腕35,36の主面の表裏には、好ましくは、それぞれ長さ方向に延びる長溝33,34をそれぞれ形成し、図1および図2に示すように、この長溝内に駆動用の電極である励振電極37,38が設けられている。
尚、この実施形態では、各振動腕35,36の先端部は、後述するように、ややテーパ状に次第に拡幅されることにより、重量増加され、錘の役割を果たすようにされている。これにより、振動腕の屈曲振動がされやすくなっている。
また、図1においては励振電極37,38は図1では向きの異なる平行斜線を付して区別しやすくしてあるが、図3では平行斜線は省略されている。
【0023】
ここで、各長溝33,34の先端部には、長溝縮幅部33a,34aが形成されている。この点については各振動腕に共通の構成なので、以下、振動腕36についてだけ説明する。
すなわち、各振動腕36において、長溝34が形成されている領域は、図4からも明らかなように、圧電材料の厚みが極端に薄くなっており、その分他の領域よりも剛性が低下している。
このため、長溝34の先端部で、これを垂直な終端とすると、その箇所を境界としてそれより先端側の振動腕36は極端に剛性が高まることになる。
このような構造を避けるため、長溝34の先端部は徐々に幅寸法を狭めて、例えば先鋭な終端を有する長溝縮幅部34aとしたものである。
【0024】
また、圧電振動片32は、その基部51の振動腕を形成した一端より、図1において、所定距離BL2(基部長さ)隔てた他端(図において左端)において、基部51の幅方向に延長され、かつ振動腕35,36の両外側の位置で、各振動腕35,36の延びる方向(図1において右方向)に、これら振動腕35,36と平行に延びている支持用アーム61,62を備えている。
このような圧電振動片32の音叉状の外形と、各振動腕に設ける長溝は、それぞれ例えば水晶ウエハなどの材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
【0025】
図1および図3に示すように、励振電極37,38は、長溝33,34内と、各振動腕の側面とに形成され、各振動腕について長溝内の電極と、側面に設けた電極が対となるようにされている。そして、各励振電極37,38は、それぞれ引出し電極37a,38aとして、支持用アーム61,62に引き回されている。これにより、圧電デバイス30を実装基板などに実装した場合に、外部からの駆動電圧が、実装端子41から、電極部31,31(31−1および/または31−2,31−1および/または31−2)を介して圧電振動片32の各支持用アーム61,62の引出し電極37a,38aに伝えられ、各励振電極37,38に伝えられるようになっている。
そして、長溝33,34内の励振電極に駆動電圧が印加されることによって、駆動時に、各振動腕の長溝が形成された領域の内部の電界効率を高めることができるようになっている。
【0026】
すなわち、図4に示すように、各励振電極37,38はクロス配線により、交流電源に接続されており、電源から駆動電圧としての交番電圧が、各振動腕35,36に印加されるようになっている。
これにより、振動腕35,36は互いに逆相振動となるように励振され、基本モード、すなわち、基本波において、各振動腕35,36の先端側を互いに接近・離間させるように屈曲振動されるようになっている。
ここで、例えば、圧電振動片32の基本波は、Q値:12000、容量比(C0/C1):260、CI値:57kΩ、周波数:32.768kHz(「キロヘルツ」、以下同じ)である。
また、2次の高調波は、例えば、Q値:28000、容量比(C0/C1):5100、CI値:77kΩ、周波数:207kHzである。
【0027】
また、好ましくは、基部51には、基部51の振動腕側の端部から十分離れた位置において、両側縁に、基部51の幅方向の寸法を部分的に縮幅して形成した凹部もしくは切り込み部71,72を設けている。切り込み部71,72の深さ(図3の寸法q)は、例えば、それぞれ近接する振動腕35,36の外側の側縁と一致する程度まで縮幅されると好ましく、例えば30μm程度とすることができる。
これにより、振動腕35,36が屈曲振動する際に振動漏れが基部51側に漏れ、支持用アーム61,62に伝搬することを抑制し、CI値を低く抑えることができる。
切り込み部71,72の深さ寸法を大きくすると、振動漏れの低減には有効であっても、基部51自体の剛性が必要以上に低下し、振動腕35,36の屈曲振動の安定性を害する。
【0028】
そこで、本実施形態では、基部51の幅方向の中心付近であって、支持用アーム61,62が基部51に対して一体に接続されている接続部53よりも振動腕35,36寄りの位置に貫通孔80を形成するようにしている。
貫通孔80は、図1および図2に示されているように、基部51の表裏に貫通する矩形の孔であり、孔形状はこれに限らず、円形や楕円、正方形などでもよい。
これにより、切り込み部71,72を深く形成することに比べて、基部51の剛性を大きく低下させることなく、より一層振動漏れを抑制して、CI値を低減することができる。
【0029】
ここで、貫通孔80の基部51幅方向の長さrは50μm程度が好ましいが、貫通孔80の寸法rと上記切り込み部71の深さqとの寸法eに対する割合、すなわち(r+q)/eは、30パーセントないし80パーセントとされることで、振動漏れ低減と、支持用アーム61を介した接合箇所の影響を低減する上で効果がある。
また、本実施形態では、パッケージ寸法を小型にするために、基部51の側面と支持用アーム62の間隔(寸法p)を30μmないし100μmとしている。
【0030】
また、本実施形態では、図1に示すように、上述した支持用アーム61,62が延びる箇所、すなわち、基部51の他端部53(接続部)は、振動腕35,36の付け根部52よりも十分離れた距離BL2を有するようにされている。
この距離BL2は、好ましくは、振動腕35,36の腕幅寸法W2の大きさを超える寸法とされている。
すなわち、音叉型振動片の振動腕35,36が屈曲振動する際に、その振動漏れが基部51に向かって伝えられる範囲は、振動腕35,36の腕幅寸法W2と相関がある。本発明者はこの点に着目し、支持用アーム61,62の基端となる箇所を適切な位置に設けなければならないという知見を持った。
【0031】
そこで、本実施形態では、支持用アーム61,62の基端となる箇所53(接続部)について、振動腕の付け根部52を起点として、振動腕の腕幅寸法W2の大きさに対応した寸法を超える位置を選択することで、振動腕35,36からの振動漏れが、支持用アーム61,62側に伝搬することを、より確実に抑制する構造とすることができたものである。したがって、CI値を抑制して、かつ後述する支持用アームの作用効果を得るためには、53の位置を振動腕35,36の付け根部(すなわち、基部51の一端部である)52の箇所から上記BL2の距離だけ離すことが好ましい。
【0032】
同様の理由により、切り込み部71,72が形成される箇所も、振動腕35,36の付け根部52の箇所から振動腕35,36の腕幅寸法W2の大きさを超える箇所とするのが好ましい。このため、切り込み部71,72は、支持用アーム61,62が基部51に対して一体に接続されている箇所を含んで、そこよりも振動腕寄りの位置に形成される。
また、好ましくは、切り込み部71,72の位置が、前記付け根(根元)の箇所から前記腕幅寸法W2×1.2以上離れた位置に形成することで、ドライブレベル特性を正常な圧電振動片のレベルに適合させることができることが確認されている。
尚、支持用アーム61,62は振動に関与しないので、その腕幅f(図14参照)に特別の条件はないが、支持構造を確実にするため、振動腕よりも大きな幅とすることが好ましい。
【0033】
かくして、この実施形態では、図1における振動腕の腕幅W2が40μmないし50μm程度、振動腕どうしの間隔MW2が50μmないし100μm程度、図3の寸法aで示す圧電振動片32−3の全長は、1300μmないし1600μm程度である。振動腕の全長である寸法bは、1100ないし1400μm,支持用アーム61,62の幅fが50μmないし100μm程度とすることで、基部51の幅寸法eは200ないし400μm、基部51の最大幅dを400μmないし600μmとすることができ、これは図9の圧電振動片1の幅とほぼ同様で、長さは短く、従来と同じ大きさのパッケージに十分収容できるものである。
また、本実施形態では、パッケージ寸法を小型にするために、基部51の側面と支持用アーム61,62の間隔(寸法p)が30ないし100μmとされている。
本実施形態は、このような小型化をはかりつつ、以下のような作用効果を得ることができる。
【0034】
図1の圧電振動片32においては、支持用アーム61,62がパッケージ57側に導電性接着剤43により接合されているので、周囲温度の変化や、落下衝撃などを原因として、その接合箇所に生じた応力変化が、支持用アーム61,62の接合箇所から、基部51の他端部53までの屈曲した距離と、さらには、距離BL2を超える基部51の長さ分の距離を隔てて振動腕35,36に影響を与えることはほとんどなく、このため、特に温度特性が良好となる。
しかも、これとは逆に屈曲振動する振動腕35,36からの振動漏れは、基部51を隔てた支持用アーム61,62に達するまでに距離BL2を超える基部51の所定長さを隔てていることから、ほとんど及ぶことがない。
【0035】
ここで、基部51の長さが極端に短いと、屈曲振動の漏れた成分が支持用アーム61,62の全体に拡がり、制御が困難となる事態が考えられるが、この実施形態では、そのような事態が十分に回避される。
そして、このような作用を得ることができる上に、支持用アーム61,62は、図示したように、基部51の他端部53(接続部)から幅方向に延長され、振動腕35,36の外側で、この振動腕と同じ方向に延びる構成としたから、全体の大きさをコンパクトにすることができる。
また、この実施形態では、図1に示すように、支持用アーム61,62の先端が、振動腕35,36の先端よりも基部51寄りになるように形成されている。この点においても、圧電振動片32の大きさをコンパクトにすることができる。
【0036】
さらに、図9の構成と比較して、容易に理解されるように、図9では、互いに接近した引き出し電極5と引き出し電極6に、導電性接着剤7,8を塗布して接合する構造であるから、これらが接触しないように、短絡を避けてきわめて狭い範囲に接着剤を塗布(パッケージ側)したり、接合後も硬化前に接着剤が流れて短絡しないようにしながら接合工程を実行しなければならず、容易な工程ではなかった。
これに対して、図1の圧電振動片32では、互いにパッケージ57の幅方向一杯に離れた支持用アーム61,62のそれぞれの中間付近に対応する電極部31―1,31−2に導電性接着剤43,43を塗布すればよいので、上述のような困難さがほとんどなく、また、短絡の心配もないものである。
【0037】
図6は、本実施形態の圧電振動片32の温度特性として、温度−CI値特性を示している。
図示するように、図6の温度−CI値特性に関しては、きわめて良好である。
【0038】
次に、本実施形態の圧電振動片32の好ましい詳細構造について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3に示す圧電振動片32の各振動腕35,36は同じ形状であるから、振動腕36について説明すると、基部51から各振動腕が延びる基端部Tでは、振動腕幅が最も広い。そして、振動腕36の付け根部であるこのTの位置から振動腕36の先端側に僅かな距離だけ離れたUの箇所の間において、急激に縮幅する第1の縮幅部TLが形成されている。そして第1の縮幅部TLの終端であるUの位置から、振動腕36のさらに先端側に向かってPの位置まで、すなわち、振動腕に関して、CLの距離にわたって、徐々に連続的に縮幅する第2の縮幅部が形成されている。
【0039】
このため、振動腕36は基部に近い付け根付近が、第1の縮幅部TLを設けることにより、高い剛性を備えるようにされている。また、第1の縮幅部の終端Uから先端に向かうにつれて、第2の縮幅部CLを形成したことにより、連続的に剛性が低くなるようにされている。Pの箇所は腕幅の変更点Pであり、振動腕36の形態上くびれた位置であるから、くびれ位置Pと表現することもできる。振動腕36においては、この腕幅の変更点Pよりもさらに先端側は、腕幅が同じ寸法で延長されるか、好ましくは図示のように徐々に僅かに拡大している。
【0040】
ここで、図3の長溝33,34が長い程、振動腕35,36を形成する材料について電界効率が向上する。ここで、振動腕の全長bに対して、長溝33,34の基部51からの長さjが、少なくともj/b=0.7程度までは、長くするほど音叉型振動片のCI値は下がることがわかっている。このため、j/b=0.5ないし0.7であることが好ましい。この実施形態では、図3において、振動腕36の全長bは、例えば1200μm程度である。
【0041】
また、長溝の長さを適切に長くして、十分にCI値の抑制をはかるようにした場合、次に圧電振動片32のCI値比(高調波のCI値/基本波のCI値)が問題となる。
すなわち、基本波のCI値が低減されると同時に、高調波のCI値も抑制され、該高調波のCI値が、基本波のCI値よりも小さくなると、高調波により発振しやくすなってしまう。
そこで、長溝を長くしてCI値を低くするだけでなく、さらに、腕幅の変更点Pについても振動腕の先端よりに設けることで、CI値を低減しつつ、さらにCI値比(高調波のCI値/基本波のCI値)を大きくすることができる。
すなわち、振動腕36ではその根本部分、つまり、付け根付近が、第1の縮幅部TLにより、剛性が強化されている。これにより、振動腕の屈曲振動を一層安定させることができ、貫通孔80を形成したことと相俟って、CI値の抑制をはかることができる。
【0042】
しかも、第2の縮幅部CLを設けたことで、振動腕36は、その付け根付近から、先端側に向かって、腕幅の変更点であるくびれ位置Pまで、徐々に剛性が低下し、くびれ位置Pからさらに先端側では、長溝34が無く、腕幅を徐々に拡大させていることから、剛性は先端側にいくに従って高くされている。
このため、2次の高調波における振動の際の振動の「節」を、振動腕36のより先端側に位置させることができると考えられ、このことにより、長溝34を長くして圧電材料の電界効率を上げ、基本波のCI値を抑制しながら、2次の高調波のCI値の低下を招くことがないようにすることができる。このことから、図3に示すように、好ましくは腕幅の変更点Pを長溝の先端部よりも、振動腕の先端側に設けることで、ほぼ確実にCI値比を大きくして、高調波による発振を防止できる。
また、長溝縮幅部34aは、その幅寸法が先端側に向かって徐々に縮幅する構成であるから、電界効率を高めても安定した屈曲振動を実現でき、CI値や温度特性などの諸特性を安定化することができる。
【0043】
さらに、本発明者の研究によると、振動腕の全長bに対して、長溝33,34の基部51からの長さをjとしたときの、上記j/bと、振動腕36の最大幅/最小幅の値である腕幅縮幅率Mと、これらに対応したCI値比(=第2高調波のCI値/基本波のCI値)とは相関がある。
上記j/b=61.5パーセントとした場合、振動腕36の最大幅/最小幅の値である腕幅縮幅率Mを1.06よりも大きくすることにより、CI値比を1より大きくすることができ、高調波による発振を防止することができることが確認されている。
かくして、全体を小型化しても、基本波のCI値を低く抑えることができ、ドライブレベル特性が悪化することがない圧電振動片を提供することができる。
【0044】
さらに、本実施形態によれば、圧電振動片32の各振動腕35,36には、内側に駆動電極である励振電極37,38を備えた長溝33,34が設けられており、長溝33,34の先端部には、上述したように長溝縮幅部33a,34aを備えている。
すなわち、各長溝縮幅部33a,34aが形成された領域で、振動腕35,36の剛性は徐々に変化する構造となっている。このため、従来のように、長溝の先端部に急激に剛性が低下する構造とならないので、少なくとも基本波における発振に際しては、その屈曲振動の「節」のような働きをする箇所をなくすか、その効果を弱めることができ、安定した屈曲振動を実現することができる。
かくして、振動腕に長溝を形成して電界効率を高めても、安定した屈曲振動を実現できる圧電振動片32を提供することができる。
【0045】
次に、圧電振動片32のさらに好ましい構造について説明する。
図4の寸法xで示すウエハ厚み、すなわち、圧電振動片を形成する水晶ウエハの厚みは、70μmないし130μmが好ましい。
【0046】
また、図3の振動腕35と36の間の寸法kは、50ないし100μmとするのが好ましい。寸法kが50μmより少ないと、圧電振動片32の外形を、後述するように、水晶ウエハをウエットエッチングにより貫通させて形成する場合に、エッチング異方性に基づく異形部、すなわち、図4の符号81で示した振動腕側面におけるプラスX軸方向へのヒレ状凸部を、十分に小さくすることが困難になる。寸法kが100μm以上となると、振動腕の屈曲振動が不安定になるおそれがある。
さらに、図4の振動腕35(振動腕36も同じ)における長溝33の外縁と振動腕の外縁との寸法m1,m2は、ともに3ないし15μmとするとよい。寸法m1,m2は15μm以下とすることで、電界効率が向上し、3μm以上とすることで、電極の分極が確実に行われるのに有利である。
【0047】
図3の振動腕36において、第1の縮幅部TLの幅寸法mが11μm以上あると、CI値の抑制に確実な効果が期待できる。
図3の振動腕36において、腕幅の変更点Pよりも先端側が拡幅している拡幅度合いが、振動腕36の腕幅が最小とされている箇所である該腕幅の変更点Pの箇所の幅に対して、0ないし20μm程度の増加とするのが好ましい。これを超えて拡幅されると、振動腕36の先端部が重くなりすぎて、屈曲振動の安定性を損なうおそれがある。
【0048】
また、図4における振動腕35(振動腕36も同じ)の外側の一側面に、プラスX軸方向にヒレ状に突出する異形部81が形成されている。これは、圧電振動片をウエットエッチングして外形形成する際に、水晶のエッチング異方性によりエッチング残りとして形成されるものであるが、好ましくは、フッ酸とフッ化アンモニウムによるエッチング液中で、9時間ないし11時間エッチングすることにより、該異形部81の突出量vを5μm以内に低減することが、電界効率を向上させ低いCI値とする上で好ましい。
【0049】
図3の寸法gで示す長溝の幅寸法は、振動腕の該長溝が形成されている領域において、振動腕の腕幅cに対して、60ないし90パーセント程度とするのが好ましい。振動腕35,36には、第1および第2の縮幅部が形成されているので、腕幅cは振動腕の長さ方向の位置により異なるが、振動腕の最大幅に対して、長溝の幅gは60ないし90パーセントで、より好ましくは60ないし80パーセント程度である。これより長溝の幅が小さくなると、電界効率が下がり、CI値の上昇につながる。
また、長溝33,34の基部51側端部の位置は、図3において振動腕35,36の付け根、すなわちTの位置と同じか、それより僅かに振動腕先端側であって、第1の縮幅部TLが存在する範囲内であることが好ましく、特にTの位置よりも基部51の基端側に入り込まないようにすることが好ましい。
また、振動腕の腕幅cは40μmないし60μm程度が好ましい。
【0050】
さらに、図3の基部51の全長hは、圧電振動片32の全長aに対して、従来30パーセント程度あったものが、この実施形態は、切り込み部の採用などにより、15ないし25パーセント程度とすることができ、小型化を実現している。
【0051】
図5は、本実施形態の圧電振動片32を利用して圧電発振器を構成する場合の発振回路の例を示す回路図である。
発振回路91は、増幅回路92と帰還回路93を含んでいる。
増幅回路92は、増幅器95と帰還抵抗94を含んで構成されている。帰還回路93は、ドレイン抵抗96と、コンデンサ97,98と、圧電振動片32とを含んで構成されている。
ここで、図5の帰還抵抗94は、例えば10MΩ(メガオーム)程度、増幅器95はCMOSインバータを用いることができる。ドレイン抵抗96は、例えば200ないし900kΩ(キロオーム)、コンデンサ97(ドレイン容量)と、コンデンサ98(ゲート容量)は、それぞれ10ないし22pF(ピコファラド)とすることができる。
【0052】
(圧電デバイスの製造方法)
次に、図7のフローチャートを参照しながら、上述の圧電デバイスの製造方法の一例を説明する。
圧電デバイス30の圧電振動片32と、パッケージ57と、蓋体40は、それぞれ別々に製造される。
(蓋体およびパッケージの製造方法)
蓋体40は、例えば、所定の大きさのガラス板を切断し、パッケージ57を封止するのに適合する大きさの蓋体として用意される。
パッケージ57は、上述したように、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。成形の際には、複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間Sを形成する。
【0053】
(圧電振動片の製造方法)
先ず、圧電基板を用意し、ひとつの圧電基板から所定数の圧電振動片について、同時にその外形をエッチングにより形成する(外形エッチング)。
ここで、圧電基板は、圧電材料のうち、例えば、圧電振動片32を複数もしくは多数分離することができる大きさの水晶ウエハが使用される。この圧電基板は工程の進行により図3の圧電振動片32を形成するので、図3に示すX軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光学軸となるように、圧電材料、例えば水晶の単結晶から切り出されることになる。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度(図8のθ)の範囲で回転して切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨して得られる。
【0054】
外形エッチングでは、図示しない耐蝕膜などのマスクを用いて、圧電振動片の外形から外側の部分として露出した圧電基板に関して、例えば、フッ酸溶液をエッチング液として、圧電振動片の外形のエッチングを行う。耐蝕膜としては、例えば、クロムを下地として、金を蒸着した金属膜などを用いることができる。このエッチング工程は、ウエットエッチングで、フッ酸溶液の濃度や種類、温度等により変化する。
ここで、外形エッチング工程でのウエットエッチングでは、図3に示した電気軸X、機械軸Y、光学軸Zに関して、エッチングの進行上、次のようなエッチング異方性を示す。
すなわち、圧電振動片32に関して、そのX−Y平面内におけるエッチングレートについては、プラスX方向で、このX軸に対して120度の方向、およびマイナス120度の方向の面内においてエッチングの進行が速く、マイナスX方向でX軸に対してプラス30度の方向、およびマイナス30度の方向の内面のエッチングの進行が遅くなる。
同様に、Y方向のエッチングの進行は、プラス30度方向およびマイナス30度方向が速くなり、プラスY方向で、Y軸に対してプラス120度方向、およびマイナス120度方向が遅くなる。
【0055】
このようなエッチング進行上の異方性により、圧電振動片32では、図4の符号81で示されているように、各振動腕の外側側面に、ヒレ状に突出した異形部が形成される。
しかしながら、この実施形態では、エッチング液として、フッ酸および、フッ化アンモニウムを用いて、十分な時間、すなわち、9時間ないし11時間という十分な時間をかけて、エッチングを行うことにより、図4で説明した異形部81をきわめて小さくすることができる(ST11)。
この工程において、圧電振動片32の切り込み部71,72を含む外形だけでなく、貫通孔80も同時に形成され、終了時には、水晶ウエハに対して、それぞれ細い連結部で基部51付近を接続された多数の圧電振動片32の外形完成状態のものが得られる。
【0056】
(溝形成のためのハーフエッチング工程)
次に、図示しない溝形成用レジストにより、図4で示した形態となるように、各長溝を挟む両側の壁部を残す様にして、溝を形成しない部分に耐蝕膜を残し、外形エッチングと同じエッチング条件で、各振動腕35,36の表面と裏面を、それぞれウエットエッチングすることにより長溝に対応した底部を形成する(ST12)。
ここで、図4を参照すると、符号tで示す溝深さは、全体厚みxに対して、30ないし45パーセント程度とされる。tに関して、全体厚みxの30パーセント以下だと、電界効率を十分向上させることができない場合がある。45パーセント以上だと、剛性が不足して、屈曲振動に悪影響を与えたり、強度が不足する場合がある。
【0057】
なお、上記外形エッチングおよび溝エッチングは、その一方もしくは両方をドライエッチングにより形成してもよい。その場合には、例えば、圧電基板(水晶ウエハ)上に、圧電振動片32の外形や、外形形成後には、長溝に相当する領域を、その都度メタルマスクを配置して覆う。この状態で、例えば、図示しないチャンバー内に収容し、所定の真空度でエッチングガスを供給して、エッチングプラズマを生成しドライエッチングすることができる。つまり、真空チャンバー(図示せず)には、例えば、フレオンガスボンベと酸素ガスボンベとが接続され、さらに、真空チャンバーには、排気管が設けられ、所定の真空度に真空引きされるようになっている。
真空チャンバー内が、所定の真空度に真空排気され、フレオンガスと、酸素ガスが送られ、その混合ガスが所定の気圧になるまで充填された状態にて、直流電圧が印加されると、プラズマが発生する。そして、イオン化された粒子を含む混合ガスは、メタルマスクから露出した圧電材料に当たる。この衝撃により、物理的に削り取られて飛散し、エッチングが進行する。
【0058】
(電極形成工程)
次に、蒸着もしくはスパッタリングなどによって、電極となる金属、例えば、金を全面に被覆し、次いで、電極を形成しない箇所を露出したレジストを用いて、フォトリソグラフィの手法により、図1および図4で説明した駆動用の電極を形成する(ST13)。
その後、各振動腕35,36の先端部には、スパッタリングや蒸着により、錘付け電極(金属被膜)21,21が形成される(ST14)。錘付け電極21,21は通電されて圧電振動片32の駆動に用いられるのではなく、後述する周波数調整に利用される。
【0059】
次いで、ウエハ上で、周波数の粗調整が行われる(ST15)。粗調整は、錘付け電極21,21の一部をレーザ光などのエネルギービームを照射することにより、部分的に蒸散させて、質量削減方式による周波数調整である。
続いて、上記したウエハに対する細い連結部を折り取り、圧電振動片32を個々に形成する個片にする(ST16)。
次に、図1で説明したように、パッケージ57の各電極部31−1,31−2、31−1,31−2に導電性接着剤43,43,43,43を塗布し、その上に支持用アーム61,62を載置して、接着剤を加熱・硬化させることにより、パッケージ57に対して、圧電振動片32を接合する(ST17)。
なお、この導電性接着剤43としては、例えば、合成樹脂などを利用したバインダー成分に、銀粒子などの導電粒子を混入したもので、機械的接合と電気的接続とを同時に行うことができるものである。
【0060】
続いて、蓋体40が金属製などの不透明な材料で形成されている場合には、図2で説明した貫通孔27は設けられていない。そして、圧電振動片32に対して、駆動電圧を印加して、周波数を見ながら、例えば、レーザ光を圧電振動片32の振動腕35および/または振動腕36の錘付け電極21の先端側に照射し、質量削減方式により微調整としての周波数調整を行う(ST18−1)。
次いで、真空中で行うシーム溶接などにより蓋体40をパッケージ57に接合し(ST19−1)、必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
【0061】
あるいは、パッケージ57を透明な蓋体40で封止する場合には、圧電振動片32のST17における接合後において、該蓋体40をパッケージ57に接合する(ST18−2)。
この場合、例えば、低融点ガラスなどを加熱して、蓋体40をパッケージ57に接合する加熱工程が行われるが、この際に、低融点ガラスや導電性接着剤などからガスが生成される。そこで、加熱により、このようなガスを図2で説明した貫通孔27から排出し(脱ガス)、その後、真空中で段部29に金錫、より好ましくは、金ゲルマニウムなどでなる金属球体やペレットを配置し、レーザ光などを照射することにより、溶融する。これにより図2の金属充填材28が貫通孔27を気密に封止する(ST19−2)。
次いで、図2で示すように、硼珪酸ガラスなどでなる透明な蓋体40を透過させるように外部からレーザ光を圧電振動片32の振動腕35および/または振動腕36の錘付け電極21の先端側に照射し、質量削減方式により微調整としての周波数調整を行う(ST20−2)。次いで、必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
【0062】
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態や変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、箱状のパッケージに圧電振動片を収容したものに限らず、シリンダー状の容器に圧電振動片を収容したもの、圧電振動片をジャイロセンサーとして機能するようにしたもの、さらには、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、圧電振動片を利用したあらゆる圧電デバイスに適用することができる。さらに、圧電振動片32では、一対の振動腕を形成しているが、これに限らず、振動腕は3本でも、4本以上でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の圧電デバイスの実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1のA−A線切断端面図。
【図3】図1の圧電デバイスに使用される圧電振動片の概略拡大平面図。
【図4】図1の振動腕部分のB−B線切断端面図。
【図5】図1の圧電振動片を用いた発振回路例を示す回路図。
【図6】図1の圧電デバイスに使用される圧電振動片の温度−CI値特性を示すグラフ。
【図7】図1の圧電デバイスの製造方法の一例を示すフローチャート。
【図8】水晶Z板の座標軸を示す図
【図9】従来の圧電振動片の概略平面図。
【図10】圧電振動片の振動腕の屈曲状態を示す図。
【符号の説明】
【0064】
30・・・圧電デバイス、32・・・圧電振動片、33,34・・・長溝、33a,34a・・・長溝縮幅部、35,36・・・振動腕、61,62・・・支持用アーム、71,72・・・切り込み部、80・・・貫通孔




 

 


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