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発明の名称 矩形状平板の面取り加工方法及び矩形状平板の切断加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5520(P2007−5520A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182976(P2005−182976)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 桑原 卓男
要約 課題
ガラス基板の面取り加工の生産効率を高め、コスト低減を実現し、面取り精度を高める面取り加工方法と、切断加工方法を提供する。

解決手段
矩形状平板(蓋部材40)の面取り加工方法は、脆性を有するガラス基板10の表面に複数の蓋部材40を格子状に配列し、所定の大きさにX軸方向及びY軸方向に切断分離して形成する蓋部材40の面取り加工方法であって、X軸方向及びY軸方向の切断線11,12の交差位置において、X軸方向及びY軸方向の切断線11,12のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔20それぞれを同時に穿設する工程と、X軸方向及びY軸方向の切断線11,12に沿ってガラス基板10を切断分離して蓋部材40を形成する工程と、を有し、矩形状の貫通孔20の各辺のそれぞれが、蓋部材40の面取り部41を形成することを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
脆性を有する基板の表面に複数の矩形状平板を格子状に配列し、所定の大きさにX軸方向及びY軸方向に切断分離して形成する前記矩形状平板の面取り加工方法であって、
前記X軸方向及びY軸方向の切断線の交差位置において、前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔それぞれを同時に穿設する工程と、
前記切断線に沿って前記基板を切断分離して矩形状平板を形成する工程と、を含み、
前記矩形状の貫通孔の各辺それぞれが、矩形状平板の面取り部を形成することを特徴とする矩形状平板の面取り加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の矩形状平板の面取り加工方法において、
前記基板の表面に配列される前記複数の矩形状平板の外周縁辺に格子状のメタライズ膜を形成する工程と、
前記メタライズ膜の交差部面積よりも小さく前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔を穿設する工程と、
前記切断線に沿って前記基板を切断分離して矩形状平板を形成する工程と、を含み、
前記矩形状の貫通孔の各辺それぞれが、矩形状平板の面取り部を形成することを特徴とする矩形状平板の面取り加工方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の矩形状平板の面取り加工方法において、
前記基板の表面全体にメタライズ膜を形成する工程と、
前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔を前記メタライズ膜とともに穿設する工程と、
前記基板の表面全体に形成されたメタライズ膜を、前記複数の矩形状平板それぞれの外周縁辺に格子状に形成する工程と、
前記切断線に沿って前記基板を切断分離して矩形状平板を形成する工程と、を含み、
前記矩形状の貫通孔の各辺それぞれが、矩形状平板の面取り部を形成することを特徴とする矩形状平板の面取り加工方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の矩形状平板の面取り加工方法において、
前記貫通孔が、ブラスト加工またはエッチング加工によって穿設されることを特徴とする矩形状平板の面取り加工方法。
【請求項5】
請求項4に記載の矩形状平板の面取り加工方法において、
前記貫通孔の断面形状が、穿設入り口側が広いテーパを有して形成されていることを特徴とする矩形状平板の面取り加工方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の矩形状平板の面取り加工方法において、
前記貫通孔を構成する4辺の長さが同じ矩形状をしていることを特徴とする矩形状平板の面取り加工方法。
【請求項7】
脆性を有する基板の表面に複数の矩形状平板を格子状に配列し、所定の大きさにX軸方向及びY軸方向に切断分離して形成する前記矩形状平板の切断加工方法であって、
前記X軸方向及びY軸方向の切断線の交差位置において、前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔を穿設する工程と、
前記切断線に沿って開口部が底部よりも広いテーパを有する切断溝を形成する工程と、
前記切断溝に沿って、前記開口部の幅よりも小さい幅を有して、前記複数の矩形状平板を切断分離する工程と、
を含むことを特徴とする矩形状平板の切断加工方法。
【請求項8】
請求項7に記載の矩形状平板の切断加工方法において、
前記切断溝を形成する工程が、ブラスト加工またはエッチング加工であることを特徴とする矩形状平板の切断加工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状平板の面取り加工方法及び切断加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス等の脆性を有するパッケージ蓋用の矩形状平板を予め所定の大きさに切断し、矩形状平板を複数枚積層した積層体の周囲をダミーガラスで覆い、この積層体をパイプ内に研磨剤と共に封入し、パイプをバレル装置に装着し回転することにより、パイプ内の内壁面に積層体をすべり運動させることにより、積層体(つまりパッケージ蓋用の矩形状平板)の面取り加工を行う矩形状平板の面取り加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−200338号公報(第7,8頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1では、矩形状平板を複数枚積層した積層体をパイプ内に封入し、パイプ内の内壁面に積層体をすべり運動させ面取り加工を行うために、切断された矩形状平板を積層体にする工数を有し、また、面取り加工の際に、矩形状平板の表面に傷がつかないようにするために、積層体の外周にダミーガラスを貼着しているため、このダミーガラスは、面取り加工後に廃却されることになるため、貼着工数も含めコスト高になることが考えられる。
【0005】
また、この矩形状平板は、パッケージ蓋用として用いられるために、矩形状平板としての形状形成後に、パッケージとの接合のためのメタライズ膜を形成するが、外形形成とメタライズ工程とが別工程となるため相互の位置ずれが発生することが予測される。
【0006】
また、パイプ内の内壁面に積層体をすべり運動させ面取り加工する方法であるために、矩形状平板は、図10に示すような形状となる。
図10は、前述した従来技術により面取り加工された矩形状平板(蓋部材)40の平面図である。図10に示すように、矩形状平板40は、パイプの内壁に沿ってすべり運動するために、四隅の角部は、パイプの内壁の形状が転写され、パイプの内径Rを有する面取り形状となる。そのために、矩形状平板の長さAと幅BがA>Bのとき、面取り部の各寸法がa>bとなり、縦及び横寸法がバランスよくなるようにa=bに形成することは困難である。
【0007】
また、このような面取り加工においては、バレル装置を必要とし、設備投資及び工場スペースからも不利となることが考えられる。
【0008】
本発明の目的は、前述した課題を解決することを要旨とし、脆性を有する矩形状平板の面取り加工の生産効率を高め、コスト低減を実現する他、面取り精度を高める面取り加工方法と、矩形状平板の切断する際の矩形状平板の欠け、割れを低減する切断加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の矩形状平板の面取り加工方法は、脆性を有する基板の表面に複数の矩形状平板を格子状に配列し、所定の大きさにX軸方向及びY軸方向に切断分離して形成する前記矩形状平板の面取り加工方法であって、前記X軸方向及びY軸方向の切断線の交差位置において、前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔それぞれを同時に穿設する工程と、前記切断線に沿って前記基板を切断分離して矩形状平板を形成する工程と、を含み、前記矩形状の貫通孔の各辺それぞれが、矩形状平板の面取り部を形成することを特徴とする。
【0010】
ここで、矩形状平板としては、例えば、パッケージの蓋部材に用いられるガラスやセラミック材料等の脆性を有する材料からなる平板部材である。
【0011】
この発明によれば、基板に形成する貫通孔は、全てを同時に穿設し、この貫通孔の対角を結ぶ直線で基板を切断分離するために、この貫通孔を構成する各辺が、矩形状平板の面取り部を構成することになるため、所望の大きさの面取り加工を効率よく行うことができ、コスト低減を実現できる。
【0012】
また、基板に形成する貫通孔は、全てを同時に穿設することから、貫通孔一つ一つの寸法及び応対位置のばらつきが小さく、高精度の面取りができる。
【0013】
また、本発明では、前記基板の表面に配列される前記複数の矩形状平板の外周縁辺に格子状のメタライズ膜を形成する工程と、前記メタライズ膜の交差部面積よりも小さく前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔を穿設する工程と、前記切断線に沿って前記基板を切断分離して矩形状平板を形成する工程と、を含み、前記矩形状の貫通孔の各辺それぞれが、矩形状平板の面取り部を形成することが好ましい。
ここで、メタライズ膜の形成は、前述したように矩形状平板がパッケージの蓋部材に用いられる際に、パッケージと蓋部材との接合のために形成されるものである。
【0014】
このように、メタライズ膜を形成した後、貫通孔を穿設することから、メタライズ膜を貫通孔の穿設後に形成する方法に対して、貫通孔の内面にメタライズ膜が形成されることによる、パッケージとの接合に影響を与えることを防止することができる。
【0015】
また、貫通孔は、メタライズ膜の交差部の面積よりも小さいため、切断分離後の矩形状平板(蓋部材)の周縁部全周にわたってメタライズ膜が形成されることになり、パッケージとの密閉性、接合の信頼性を高めることができる。
【0016】
また、本発明では、前記基板の表面全体にメタライズ膜を形成する工程と、前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔を前記メタライズ膜とともに穿設する工程と、前記基板の表面全体に形成されたメタライズ膜を、前記複数の矩形状平板それぞれの外周縁辺に格子状に形成する工程と、前記切断線に沿って前記基板を切断分離して矩形状平板を形成する工程と、を含み、前記矩形状の貫通孔の各辺それぞれが、矩形状平板の面取り部を形成することが好ましい。
【0017】
このようにすれば、前述した格子状のメタライズ膜を形成した後、貫通孔を穿設する方法と工程順が異なるが、同様な効果を奏することができる。
【0018】
また、前記貫通孔が、ブラスト加工またはエッチング加工によって穿設されることが好ましい。
ここで、貫通孔の加工方法としては、詳しくは実施の形態で説明するが、前述した工程順に合わせてブラスト加工か、エッチング加工かを選択することが可能である。
【0019】
このような加工方法は、マスクまたはレジスト膜の形状を自在に設計できるため、共に複数の貫通孔を同時に、また、任意形状の貫通孔を自在に選択して穿設することができる。さらに、複数の貫通孔を同時に穿設できることから、貫通孔毎の相互位置誤差を抑えることができるので、高精度な面取りを行うことができる。また、穿設面(特にコーナー部)の凹凸を小さく加工することができるので、矩形状平板(蓋部材)のマイクロクラックの発生を低減することができる。
【0020】
また、前記貫通孔の断面形状が、穿設入り口側が広いテーパを有して形成されていることが望ましい。
【0021】
前述したように、貫通孔は、ブラスト加工やエッチング加工によって穿設される。これらの加工方法では、加工時間等の加工条件を適宜設定することで、断面形状がテーパを有して形成することが可能である。このことから、貫通孔にテーパを設けることで、穿設入り口側(基板の表面側)が広く形成できることから貫通孔と基板表面との交差部が鈍角となり、この交差部の欠けの発生を抑えることができる。
【0022】
さらに、本発明では、前記貫通孔を構成する4辺の長さが同じ矩形状をしていることが望ましい。
4辺の長さが同じ矩形状としては、例えば、正方形及び菱形がある。
【0023】
このような形状に加工することにより、正方形の場合には、面取り部の大きさが縦・横同じ大きさとなり角部の強度が最もバランスのよい形状である。また菱形の場合は、パッケージの形状に合わせて面取り部の縦・横の大きさを任意に設定することができるという利点がある。
【0024】
また、本発明の矩形状平板の切断加工方法は、脆性を有する基板の表面に複数の矩形状平板を格子状に配列し、所定の大きさにX軸方向及びY軸方向に切断分離して形成する前記矩形状平板の切断加工方法であって、前記X軸方向及びY軸方向の切断線の交差位置において、前記X軸方向及びY軸方向の切断線のそれぞれに対角を有する矩形状の貫通孔を穿設する工程と、前記切断線に沿って開口部が底部よりも広いテーパを有する切断溝を形成する工程と、前記切断溝に沿って、前記開口部の幅よりも小さい幅を有して、前記複数の矩形状平板を切断分離する工程と、を含んでいることを特徴とする。
【0025】
ここで、切断分離の手段としては、例えば、ダイヤホイールソーやワイヤソー等を採用することができる。
この発明によれば、予め切断溝を形成し、その後、同じ位置で切断分離する工程を有しているため、切断分離する際の負荷が小さくなることから、切断速度を上げて切断効率をたかめ、また、切断分離による欠けや割れを防止することができる。
【0026】
また、貫通孔の穿設の際に説明したように、切断溝にテーパが設けられていることから、切断溝の開口部におけるコーナー部の角度が鈍角になり、矩形状平板(蓋部材)の長辺または短辺におけるマイクロクラックの発生を低減することができる。
【0027】
また、前記切断溝を形成する工程が、ブラスト加工またはエッチング加工であることが好ましい。
【0028】
切断溝の加工方法としては、詳しくは実施の形態で説明するが、前述した工程順に合わせてブラスト加工か、エッチング加工かを選択する。
【0029】
このような加工方法は、前述した貫通孔の加工と同様に、共に複数の切断溝を同時に、形成することができる。さらに、各切断溝毎の相互位置誤差を抑えることができ、高精度な切断溝を形成することができる。また、切断溝の幅、深さ、テーパ角も、加工条件を適宜設定することでほぼ任意に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の実施形態1に係る矩形状平板の面取り加工方法及び切断加工方法を示し、図6,7は実施形態2、図8は本発明の実施形態3に係る矩形状平板の切断加工方法を示し、図9は本発明の矩形状平板を用いた圧電振動子を例示し、図10は従来技術により面取りされた矩形状平板の形状を示している。
(実施形態1)
【0031】
まず、本発明の加工方法により形成される矩形状平板としてのパッケージの蓋部材40を用いた圧電振動子100の構成について図9を参照して説明する。
圧電振動子100は、電子回路において一定の周波数を得るために用いられ、特に携帯用の電子機器では小型化を要求されることから圧電振動片を封入したセラミックパッケージの圧電振動子が採用されている。
【0032】
図9は、圧電振動子100を示す斜視図である。図9において、圧電振動子100は、図示しない圧電振動片をパッケージ101内に実装した後、蓋部材40をパッケージ101の上部開口部にAuSn共晶半田ロー材によって密閉接合し、内部を真空状態に保持している。こうして内部を真空状態に保持することにより、安定した共振周波数を得ることができる。
【0033】
パッケージ101は、セラミック板を3層に積層して形成されており、それらの四隅の角部には、円弧状のキャスタレーション101a〜101dが形成されている。キャスタレーション101a〜101dは、パッケージ101の内部に実装されている圧電振動片の励振電極や検出電極と外部回路との接続を行う接続電極領域として形成されている。
【0034】
ここで、パッケージ101に対する蓋部材40の装着位置がずれると、蓋部材40の角部がパッケージ101の外側にはみ出すことになる。特にキャスタレーション101a〜101dが設けられている場合には、蓋部材40の角部がキャスタレーション101a〜101d部分にはみ出す可能性が高くなる。そして、はみ出した部分に何らかの力が作用すると、当該部分が欠けてクラックが発生する恐れがある。さらにそのクラックが進行すると、パッケージ101内部の真空を保持できなくなる。そこで、蓋部材40の四隅の角部に面取り部41を設け、前述したような欠け、クラックの発生を防止している。
【0035】
なお、蓋部材40は、透明であり、パッケージ101に蓋部材40を接合した後、レーザー光を照射して振動片の錘調整により共振周波数を調整する。蓋部材40の材質としては硼珪酸ガラスが用いられるが、これに限らず他の透明なガラスやセラミックを採用することができる。セラミックにおいても透明であることがより好ましい。
【0036】
続いて、実施形態1に係る面取り加工方法及び切断加工方法について図面を参照して説明する。本実施形態は、基板表面に格子状のメタライズ膜を形成した後、面取り部を形成するための貫通孔を穿設し、その後、切断分離して蓋部材を形成する加工方法である。
図1は、基板としてのガラス基板(ガラスウエハ)10にメタライズ膜30を形成する工程を示す平面図である。図1に示す工程では、硼珪酸ガラスからなるガラス基板10に格子状のメタライズ膜30を形成する。従って、ガラス基板10の表面には、複数の蓋部材40に相当する領域が格子状に配列されている。
【0037】
メタライズ膜30は、蒸着やスパッタリング等の成膜手段によってガラス基板全面に成膜し、レジスト塗布、露光、現像を行い、部分的にエッチングすることで格子上に膜形成する。格子に囲まれた領域が、一つ一つの蓋部材40に相当するようにガラス基板10の表面に配列され、格子状に形成されるメタライズ膜30のそれぞれが、複数の蓋部材40の外周縁辺に形成されることになる。
【0038】
次に、貫通孔20を穿設する。図2は、貫通孔加工工程を示し、図2(a)は、その平面図であり、図1で示すC領域を拡大して表している。図2(a)において、格子状に形成されたメタライズ膜30のX軸方向とY軸方向との各交差部に図に示すような貫通孔20が穿設されている。つまり、貫通孔20の中心は、図4に示す切断線11,12の交差位置にあり、貫通孔20は、正方形をしており、メタライズ膜の交差部面積よりも小さく設定されている。
【0039】
これら貫通孔20は、貫通孔20に相当する開口部を有するマスク130を形成した後(図2(b)、参照)、ブラスト加工によって穿設する。マスク130の材質は、ポリウレタン系樹脂によって形成されている。貫通孔20の四隅の角部の対角が、X軸、Y軸に沿った形状に設定されている。これら貫通孔20の断面形状は、ブラスト加工によってテーパ形状に形成される。
【0040】
図2(b)は、貫通孔20の断面形状(図2(a)のE−E断面を表す)を示している。図2(b)において、貫通孔20は、テーパ角θに形成されている。このテーパ角θは、ブラスト加工に用いられる研削材の材質、サイズ、加工時間等の条件によって調整することが可能である。本実施形態では概ね30度に設定されている。貫通孔20を穿設した後、マスク130を除去し、切断分離する。
【0041】
図3は、ガラス基板10の切断加工工程を示す正面図である。図3において、まず、ガラス基板10を、複数枚積層して積層体15とし、ガラスからなる基台110の上面に貼着する。各ガラス基板10は、貫通孔20とメタライズ膜30の位置を正確に合わせて貼着している。それからダイヤホイールソー120によって、ガラス基板10をX軸及びY軸に平行に切断する。
【0042】
図4は、ガラス基板10の切断状態を示す平面図である。ここでは、貫通孔20の一つを例示して、貫通孔20と切断線との関係を詳しく説明する。貫通孔20は正方形をしており、角部21〜24を有している。ダイヤホイールソー120による切断線11(X軸に平行)と切断線12(Y軸に平行)とは、貫通孔20の中心で直交している。従って、貫通孔20の角部21,23は、切断線11上に配置され、角部22,24は切断線12上に配置されている。なお、切断線11,12は、格子状のメタライズ膜30の中央に位置している。
このようにして、蓋部材40が切断分離して形成される。
【0043】
図5は、蓋部材40が切断分離された後の形状を示す平面図である。図5において、矩形状平板である蓋部材40の四隅の角部には、面取り部41が形成されている。この貫通孔20の各辺が面取り部41として構成され、ここで、面取り部41は、貫通孔20が正方形であるため、横方向の寸法が20a、縦方向の寸法が20bであり、20a=20bの関係になる。この関係は、前述した加工方法により、蓋部材40の縦、横寸法がどのように設定されても同じである。
【0044】
このようにして形成された蓋部材40は、メタライズ膜30が外周縁辺全周にわたって形成され、この成膜範囲にAuSn共晶半田ロー材を溶着またはメッキ等の手段で形成し、パッケージ101に接合される。なお、パッケージ101の開口部の端面にもメタライズ膜が形成されている。
【0045】
従って、前述した実施形態1によれば、ガラス基板10に穿設する貫通孔20は、その全てを同時に穿設することができ、この貫通孔20の対角(角部21,23及び角部22,24)を結ぶ切断線11,12でガラス基板10を個別の蓋部材40に切断分離するために、この貫通孔20を構成する各辺が、蓋部材40の面取り部41を構成することになるため、所望の大きさの面取り加工を効率よく行うことができ、コスト低減を実現できる。
【0046】
また、ガラス基板10に形成する貫通孔20は、全てを同時に穿設することから、貫通孔の一つ一つの寸法のばらつきが小さく、高精度の面取りができる。
【0047】
さらに、メタライズ膜30を形成した後、貫通孔20を穿設することから、メタライズ膜30を形成する際に、貫通孔20の内面にメタライズ膜30が形成されてしまうことによる、パッケージ101との接合に影響を与えることを防止することができる。
【0048】
また、貫通孔20は、メタライズ膜30の交差部の面積よりも小さいため、切断分離後の蓋部材40の周縁部全周にわたってメタライズ膜30が形成されることになり、パッケージ101との密閉性、接合の信頼性を高めることができる。
【0049】
また、貫通孔20は、ブラスト加工によって穿設され、このような加工方法は、マスク130の開口部の形状を自在に設計できることから、複数の貫通孔20を同時に、また、任意形状の貫通孔を自在に選択して穿設することができる。さらに、複数の貫通孔20を同時に穿設できることから、貫通孔毎の相互位置誤差を抑えることができるので、高精度な面取りを行うことができる。また、穿設面の凹凸を小さく加工することができるので、蓋部材40の欠けやマイクロクラックの発生を低減することができる。
【0050】
さらに、貫通孔20にテーパ角θを設けることで、穿設入り口側(ガラス基板10の表面側)における貫通孔20とガラス基板表面との交差部が鈍角となり、この交差部の欠けの発生を抑えることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、貫通孔20が正方形であることから、面取り部41の大きさが縦・横同じ大きさとなり角部の強度が最もバランスのよい形状である。
なお、貫通孔20形状は菱形にすることができ、菱形の場合は、パッケージ101の形状に合わせて面取り部の縦・横の大きさを任意に設定することができるという利点がある。
また、貫通孔20は、ブラスト加工によって穿設されるため、任意の形状を設定することが可能である。
また、貫通孔20は、ウエットエッチング加工によっても穿設することが可能である。
(実施形態2)
【0052】
次に本発明の実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1に対して、貫通孔の穿設工程順序が異なり、つまり、ガラス基板の全面にメタライズ膜を成膜した後、貫通孔を穿設し、それから格子状のメタライズ膜を形成し、そして切断分離するところに特徴を有する。
図6は、本実施形態によるメタライズ膜35の成膜工程を示している。まず、ガラス基板10の表面全体にわたってメタライズ膜35を形成し、続いて貫通孔20を穿設する。
【0053】
図7は、貫通孔20を穿設する工程を示す平面図である。図7において、貫通孔20は、前述した実施形態1(図2(a)、参照)と同じ位置、同じ形状に穿設する。貫通孔20の加工方法としては、ここではエッチング加工としてウエットエッチングを採用する。従って、まず、貫通孔20に相当する開口部を有するレジスト膜を形成し、ウエットエッチングによってメタライズ膜35を貫通孔20の形状に除去し、さらに、貫通孔20に相当する開口部を有するレジスト膜(図示せず)を形成し、貫通孔20を穿設する。
【0054】
貫通孔20を穿設した後、格子状のメタライズ膜を形成するため、メタライズ膜35の不要な部分が開口されたレジスト膜(図示せず)を形成し、ウエットエッチングにより、図2(a)に示すメタライズ膜30に相当する所定の格子状メタライズ膜を形成する。続いて、レジスト膜を除去した後、前述した実施形態1と同様な方法で一つ一つの蓋部材40(図5、参照)が、切断分離されて形成される。
【0055】
なお、貫通孔20の穿設方法にウエットエッチングを採用しても、ウエットエッチングの加工時間を適切に管理することにより、貫通孔20は、図2(b)で示すようなテーパ角θを有する断面形状に形成することができる。
【0056】
従って、前述した実施形態2によれば、貫通孔20とメタライズ膜35の形成順序と、貫通孔20の穿設方法がウエットエッチングを採用したことに違いはあるが、実施形態1と同様な効果を奏することができる。
なお、このような工程順にしても、貫通孔20の穿設は、ブラスト加工を採用することが可能である。
(実施形態3)
【0057】
続いて、本発明の実施形態3に係るガラス基板10の切断加工について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1によるガラス基板10の切断分離が、ダイヤホイールソー120によって一度に行われることに対し、ブラスト加工によって、予め切断溝を形成し、その後、ダイヤホイールソー120によって切断分離することに特徴を有している。
図8は、本実施形態に係る蓋部材40の切断加工工程を示す断面図である。なお、貫通孔20は、実施形態1と同様な方法で穿設されている。
【0058】
図8(a)は切断溝25を穿設する工程を示す。まず、図4に示す切断線11,12に沿った開口部を有するポリウレタン系樹脂からなるマスク131を形成し、ブラスト加工を行う。ここで、ブラスト加工は、底部が貫通しない深さまで加工し、底部25aを残して停止する。
【0059】
このようにして、切断線11,12に沿った切断溝25が穿設される。ここで、切断溝25は、開口部側(ガラス基板10の表面側)の幅が、ダイヤホイールソー120の厚みよりも大きく、且つ、底部側は狭いテーパを有する断面形状に形成される。この断面形状は、前述したようにブラスト加工に用いられる研削材の材質、サイズ、加工時間等の条件によって調整する。本実施形態では、ダイヤホイールソー120の厚みが400μmであるため、切断溝25の開口部側の幅は500μm〜1000μmの範囲の適切な幅に設定することが好ましい。
【0060】
なお、蓋部材の切断手段としては、ダイヤホイールソーの他に、ワイヤカットソーを使用することができる。この際、ワイヤカットソーのワイヤ径は160μm程度のものを用いることが切断効率やワイヤの耐久性にとって好ましいが、切断工程において使用される砥粒の直径等を考慮して切断溝25の開口部側の幅を設定する。
【0061】
次に、マスク131を除去した後、ダイヤホイールソー120によって蓋部材40を切断分離する。図8(b)は切断工程を示している。切断加工は、前述した実施形態1(図3、参照)と同じであるが、予め切断溝25が形成されているため、底部25aを切除することで切断分離が終了する。従って、切断分離された部分は、ガラス基板10の表面側は、ブラスト加工による切断溝25の形状、途中からダイヤホイールソー120の幅で表面に対して垂直な断面形状に形成される。
【0062】
従って、このような実施形態3によれば、予めブラスト加工により切断溝25を形成し、その後、同じ位置でダイヤホイールソー120で切断分離するため、切断分離する際の負荷が小さくなることから、切断速度を上げることができ切断効率を高めることができる。また、切断分離の際の切削負荷による欠けや割れを低減することができる。
【0063】
また、切断溝25にテーパが設けられていることから、切断溝25の開口部におけるガラス基板10の表面とのコーナー部の角度が鈍角になり、表面に対して垂直な断面形状に加工する方法に比べ、欠けやマイクロクラックの発生をより低減することができる。
【0064】
また、このような加工方法は、前述した貫通孔20の加工と同様に、共に複数の切断溝25を同時に形成することができる。さらに、各切断溝毎の相互位置誤差を抑えることができ、高精度な切断溝25を形成することができる。また、切断溝の幅、深さ、テーパ角も、加工条件を適宜設定することでほぼ任意に設定することができる。
【0065】
なお、ここでは、切断溝25の穿設をブラスト加工により行う例を説明したが、切断溝25は、ウエットエッチングによる加工も可能であり、この場合も、ウエットエッチングの加工時間等を調整することで、テーパ角、底部25aの残り厚みを適宜調整することが可能である。
【0066】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0067】
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものでないから、それらの形状、材質、組み合わせなどの限定の一部もしくは全部の限定をはずした部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0068】
例えば、前述の実施形態では、蓋部材40の材質として硼珪酸ガラス、セラミックを例示しているが、他の材質にも応用可能である。
また、本発明の加工方法は、圧電振動子の蓋部材に限らず、特に脆性を有する平板の角部の面取り加工及び、切断分離手段に応用することができる。
【0069】
さらに、貫通孔の加工方法が、ブラスト加工やウエットエッチングであるため、マスク(レジスト膜)の形状は自在に形成できるため、貫通孔の形状(面取り形状)も正方形や菱形形状に限らず、パッケージの設計に対応して、任意に選択することができ、円形、楕円形のほか、多角形や円弧との複合形状にすることができる。
【0070】
また、貫通孔の加工方法としては、ブラスト加工やウエットエッチングに限らず、ドライエッチングや超音波加工等、脆性材料の加工に用いられる加工手段を採用することも可能である。
【0071】
従って、前述の実施形態によれば、矩形状平板の面取り加工の生産効率を高め、コスト低減を実現する他、面取り精度を高める面取り加工方法と、矩形状平板の切断する際の矩形状平板の欠け、割れを低減する切断加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態1に係るガラス基板にメタライズ膜を形成する工程を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態1に係る貫通孔加工工程を示し、図2(a)は、その平面図、(b)は、貫通孔の断面形状を示す断面図。
【図3】本発明の実施形態1に係るガラス基板の切断加工工程を示す正面図。
【図4】本発明の実施形態1に係るガラス基板の切断状態を示す平面図。
【図5】本発明の実施形態1に係る蓋部材が切断分離された後の形状を示す平面図。
【図6】本発明の実施形態2に係るメタライズ膜の成膜工程を示す平面図。
【図7】本発明の実施形態2に係る貫通孔を穿設する工程を示す平面図。
【図8】本発明の実施形態3に係る蓋部材の切断加工工程を示す断面図であり、(a)は、切断溝の形成工程、(b)は、切断分離の工程を示す。
【図9】本発明の実施形態1に係る圧電振動子を示す斜視図。
【図10】従来技術により面取り加工された蓋部材を示す平面図。
【符号の説明】
【0073】
1…圧電振動子、10…基板としてのガラス基板、11,12…切断線、20…貫通孔、30,35…メタライズ膜、40…矩形状平板としての蓋部材、41…面取り部。




 

 


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