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発明の名称 半導体発光素子およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−123435(P2007−123435A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−311616(P2005−311616)
出願日 平成17年10月26日(2005.10.26)
代理人 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩
発明者 藤原 章裕
要約 課題
チップサイズが小さく、且つ十分な信頼性が得られる半導体発光素子およびその製造方法を提供する。

解決手段
LED11は、{100}面から<011>方向に5度乃至30度傾斜した主面と、ヘキ開面に対して30度乃至60度の方向に切断された側面とを有する半導体基板12と、半導体基板12の主面上に設けられpn接合を有する発光層13と、発光層13上に形成された第1電極14と、主面に対向する半導体基板12の裏面に形成された第2電極15とを具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
{100}面から<011>方向に5度乃至30度傾斜した第1主面と、ヘキ開面に対して30度乃至60度の方向に傾斜した側面とを有する半導体基板と、
前記半導体基板の第1主面上に設けられpn接合を有する発光層と、
前記発光層上に形成された第1電極と、
前記第1主面に対向する前記半導体基板の第2主面に形成された第2電極と、
を具備することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記発光層はInGaAlP系半導体またはGaAlAs系半導体であり、前記半導体基板はGaPであることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
{100}面から<011>方向に5度乃至30度傾斜した第1主面を有する透光性の半導体基板上にpn接合を有する発光層を形成する工程と、
前記発光層上に第1電極を形成し、前記第1主面に対向する前記半導体基板の第2主面に第2電極を形成する工程と、
前記発光層上に前記第1電極上に第1保護膜を形成し、前記発光層側から前記半導体基板に至る第1の溝を形成する工程と、
前記第1保護膜をマスクとして前記第1の溝の側面をエッチングする工程と、
前記第1の溝を含む前記発光層上に第2保護膜を形成し、前記半導体基板の前記第2主面上に第3保護膜を形成する工程と、
前記半導体基板の前記第2主面側から前記第1の溝に対向して前記第1の溝に至る第2の溝を形成する工程と、
前記第2および第3保護膜をマスクとして、前記第2の溝の側面をエッチングする工程と、
を具備することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1および第2の溝を前記半導体基板のヘキ開面に対して30度乃至60度斜め方向に形成することを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項5】
前記第1の溝の側面のエッチングはBrエッチング液またはHCl:H:HO系エッチング液を用いて行い、前記第2の溝の側面のエッチングはHCl:H:HO系エッチング液を用いて行なうことを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子の製造方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子、なかでも可視発光ダイオード(LED)は、フルカラーディスプレイ、交通・信号機器、車載用途などに幅広く用いられているが、この用途においては特に光出力の高いものが要求されている。
【0003】
この種の従来の代表的なLEDの構造としては、{100}面から<011>方向に傾斜した主面を有するGaP基板上にInGaAlP系半導体のpn接合を有する発光層(以下、InGaAlP系発光層という)が設けられており、InGaAlP系発光層と電気的接続を取るために、その上面側には上面電極が、下面側には下面電極が設けられている。
【0004】
上述のように構成されたLEDでは、GaP基板をダイシングによりチップに分割し、そのダイシングの際にInGaAlP系発光層およびGaP基板に生じた破砕層を、エッチングにより除去している。
【0005】
しかし、InGaAlP系発光層はエッチング速度がGaP基板よりも大きいため、InGaAlP系発光層がオーバーエッチングされて消失する恐れがある。
そのため、InGaAlP系発光層のオーバーエッチングを抑えようとするとGaP基板の破砕層の除去が不十分となるという問題がある。
【0006】
これに対して、InGaAlP系発光層の周りに防液堤を設けた構造の半導体発光素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
特許文献1に開示された半導体発光素子の製造方法は、InGaAlP系発光層をパターニングしてメサ部を形成し、同時にメサ部を取り囲むようにInGaAlP系発光層を残置して周壁部を形成している。
周壁部の外側をダイシングすることによりInGaAlP系発光層に破砕層が導入されるのを防止し、周壁部によりエッチング液の侵入を遮断してInGaAlP系発光層がエッチングされるのを防止している。
【0008】
然しながら、上述した特許文献1に開示された半導体発光素子の製造方法は、メサ部および周壁部を設けているので、その分チップサイズが増大するという問題がある。
【0009】
また、破砕層の原因となるダイシング時のチッピング(半導体ウェーハのかけ)を防止するために、基板のヘキ開面に対して斜め方向に各チップを配列してダイシングする方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
特許文献2に開示された化合物半導体装置の製造方法は、化合物半導体基板の(100)面を表面とし、化合物半導体基板の[0−1−1]方向にオリエンテーションフラットを形成し、オリエンテーションフラットに対して45度方向に各チップを配列してダイシングしている。
【0011】
然しながら、上述した特許文献2に開示された化合物半導体装置の製造方法は、表面が(100)面から傾斜した化合物半導体基板については、何ら開示していない。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0017250A1号明細書
【特許文献2】米国特許第6、897、126B2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、十分な信頼性を有する半導体発光素子およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様の半導体発光素子では、{100}面から<011>方向に5度乃至30度傾斜した第1主面と、ヘキ開面に対して30度乃至60度の方向に傾斜した側面とを有する半導体基板と、前記半導体基板の第1主面上に設けられpn接合を有する発光層と、前記発光層上に形成された第1電極と、前記第1主面に対向する前記半導体基板の第2主面に形成された第2電極と、を具備することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の一態様の半導体発光素子の製造方法では、{100}面から<011>方向に5度乃至30度傾斜した第1主面を有する透光性の半導体基板上にpn接合を有する発光層を形成する工程と、前記発光層上に第1電極を形成し、前記第1主面に対向する前記半導体基板の第2主面に第2電極を形成する工程と、前記発光層上に前記第1電極上に第1保護膜を形成し、前記発光層側から前記半導体基板に至る第1の溝を形成する工程と、前記第1保護膜をマスクとして前記第1の溝の側面をエッチングする工程と、前記第1の溝を含む前記発光層上に第2保護膜を形成し、前記半導体基板の前記第2主面上に第3保護膜を形成する工程と、前記半導体基板の前記第2主面側から前記第1の溝に対向して前記第1の溝に至る第2の溝を形成する工程と、前記第2および第3保護膜をマスクとして、前記第2の溝の側面をエッチングする工程と、を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、十分な信頼性を有する半導体発光素子およびその製造方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0017】
図1は本発明の実施例に係る半導体発光素子を示す図で、図1(a)はその平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿って切断し矢印方向に眺めた断面図である。
本実施例は、GaAs基板上に形成されたInGaAlP系発光層にGaP基板を接着し、GaAs基板を除去した構造の半導体発光素子の例である。
【0018】
図1に示すように、本実施例の半導体発光素子11(以下、単にLEDという)は、{100}面から<011>方向に15度傾斜した第1主面と、第1主面に対して垂直で且つヘキ開面に対して45度の方向に切断された側面を有するp−GaP基板12と、GaP基板12の第1主面の全面に設けられたInGaAlP系発光層13と、InGaAlP系発光層13の表面に形成された第1電極14と、第1主面と相対向するp−GaP基板12の第2主面に形成された第2電極15とを有している。
【0019】
p−GaP基板12の主面は、具体的には、例えば(−100)面から[0−1−1]方向に5度乃至30度の範囲で傾斜していることが好ましいが、15±1度の範囲で傾斜していることがさらに好ましい。
【0020】
この傾斜角度のp−GaP基板12を用いた場合、後述するp−GaP基板12上に形成したGaPバッファ層の表面モフォロジーが良好で、ピット密度やヒロック密度が(100)を主面とする基板に比べて1桁以上少ないため、接着基板として優れている。
【0021】
図2は、図1に示すp―GaP基板12上にInGaAlP系発光層13を備えたLED11を搭載した半導体発光装置を示す断面図である。
【0022】
図2に示すように、発光層13が発光観測面になるように、LED11がリードフレーム16aに形成された反射カップ17の中に載置され、第2電極15が導電性接着剤により反射カップ17の底部に固着され、第1電極14が金線18によりリードフレーム16bに接続されている。
リードフレーム16a、16bおよびLED11を透明樹脂19でモールドすることにより半導体発光装置20が得られる。
【0023】
この半導体発光装置20に室温で定格電流の2倍の電流を流し、168時間後の光出力の変化量で示される信頼性は、従来構造のLEDを用いた半導体発光装置より30%以上向上していた。
【0024】
図3はヘキ開面に対して斜め方向に切断された側面を有するGaP基板の抗折強度と切断角度との関係を示す図である。ここでは、GaP片持ち梁の開放端に加重を印加していき、GaPが破断したときの加重を抗折強度としている。
【0025】
図3に示すように、GaP基板の抗折強度はヘキ開面に対する切断角度が0〜45度の範囲では、切断角度が大きくなるにつれて増大していく。
抗折強度は切断角度が30度付近で130g程度、切断角度が45度付近で最大の250g程度と、従来の切断角度が0度の20gに対して10倍以上高い値を示している。
また、切断角度が45〜90度の場合は、結晶の対称性より断角度が大きくなるにつれて抗折強度は減少していく(図示せず)。
【0026】
即ち、LED11は側面がヘキ開面に対して45度方向に切断されているので、モールド樹脂19の樹脂応力がヘキ開面に平行な方向に印加されず、モールド樹脂19の樹脂応力に対して高い耐性を有している。
【0027】
その結果、LED11へのダメージが低減し、半導体発光装置20の信頼性を向上させることが可能である。
【0028】
これから、p−GaP基板12のヘキ開面に対して斜め方向に切断された側面の切断角度は、45度近辺を選択するのが良く、一般的に30度乃至60度の範囲が適当である。
【0029】
次に、p−GaP基板12にInGaAlP系発光層13を備えたLED11の製造方法について説明する。図4乃至図14はLED11の製造工程を順に示す断面図である。
【0030】
始に、図4に示すように、{100}面から<011>方向に15度傾斜した主面を有するGaAs基板21上にInGaAlP系発光層13を、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により形成する。
【0031】
具体的には、厚さ250μm程度のn−GaAs基板21に、厚さ0.5μm程度のGaAsバッファ層22を形成した後、厚さ0.2μm程度のInGaPエッチングストップ層23、厚さ0.1μm、キャリア濃度1E18cm−3程度のn−GaAsコンタクト層24、厚さ1μm、キャリア濃度1E16〜1E19cm−3程度のn−InGaAlPクラッド層25、厚さ1μmのInGaAlP MQW(Multiple Quantum Well)活性層26、厚さ1μm、キャリア濃度1E17〜1E19cm−3程度のp−InGaAlPクラッド層27、厚さ0.05μm、キャリア濃度1E18cm−3程度のp−InGaP接着層28を順次積層形成する。
【0032】
本明細書では、n−GaAsコンタクト層24からp−InGaP接着層28までをInGaAlP系発光層13と称する。
【0033】
ここで、活性層26は、多重量子井戸構造(MQW)に限定されるものではなく、シングルヘテロ構造(SH)、ダブルヘテロ構造(DH)、量子井戸ヘテロ構造(QWH)によって構成することもできる。
【0034】
更に具体的には、InGaAlP系発光層13の成長は、n−GaAs基板21をMOCVD装置内のサセプタ上に載置し、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)およびホスフィン(PH3)をキャリアガスの水素(H2)と共に導入し、500〜900℃程度でエピタキシャル成長させることにより形成する。
【0035】
導電型の制御は、n形ドーパントガスとしてシラン(SiH4)およびp型ドーパントガスとしてトリメチル亜鉛(TMZn)を導入することにより行う。
【0036】
InGaAlPの組成の制御は、原料ガスのTMAとTMGの流量比を変えることにより行い、例えばn−InGaAlPクラッド層25およびp−InGaAlPクラッド層27はIn0.49(Ga0.3Al0.70.51Pであり、InGaAlP MQW性層26の組成はIn0.49(Ga0.75Al0.250.51Pである。
【0037】
次に、図5に示すように、p−GaP基板12上にMOCVD法により、例えば厚さ0.1μm、キャリア濃度1E18cm−3程度のp−GaPバッファ層12aを形成する。具体的には、キャリアガスのH2と共にTMG、TMZn、PH3を導入し、500〜900℃程度でエピタキシャル成長する。
【0038】
次に、図6に示すように、p−InGaP接着層28とGaPバッファ層12aを密着させ、例えば0.1〜10kg/cm程度の圧力で圧接しながら700℃程度で熱処理することにより接合する。
【0039】
次に、n−GaAs基板21とGaAsバッファ層22をアンモニア系のエッチング液を用いて選択的に除去し、更にInGaPエッチングストップ層23を塩酸により選択的に除去する。
【0040】
これにより、p−InGaP接着層28とp−GaPバッファ層12aを原子レベルで結合させ、透光性接着材(絶縁物)を介することなくp−InGaP発光層13が設けられたp−GaP基板12が得られる。
【0041】
次に、図7に示すように、n−GaAsコンタクト層24上に、例えばAuTi合金またはAuGeNi合金の第1電極14をGaP基板12のヘキ開面に対して45度斜め方向に格子状に形成する。
同様に、GaP基板12の第2主面上に、例えばAuNi合金の第2電極15を、水玉状に形成する。
【0042】
次に、第1電極14をマスクとして、n−GaAsコンタクト層24をHSO:H:HO系エッチング液を用いてエッチングし、n―InGAlPクラッド層25を露出させる。
ここで、n−GaAsコンタクト層24のエッチングは、HSO:H:HO系エッチング液を用いて行う。エッチング液の組成は、n−GaAsコンタクト層24のサイドエッチングを抑制するために体積比率で、例えば8:1:64程度が適当である。
【0043】
図15はn−GaAsコンタクト層24のサイドエッチング速度とHSO:H:HO系エッチング液のHOの体積比率との関係を示す図である。
【0044】
図15に示すように、実験によれば、HSO:H:HO=8:1:64のエッチング液aではエッチング時間が22秒および30秒のときのサイドエッチング速度はそれぞれ0.15μm/min程度であり、エッチング時間に依らずほぼ等しい。
【0045】
一方、従来用いられていたHSO:H:HO=8:1:1のエッチング液bでは、エッチング時間が22秒および30秒のときのサイドエッチング速度は0.25および0.45μm/min程度であり、エッチング時間に応じて増大している。
【0046】
これにより、n−GaAsコンタクト層24のサイドエッチングが抑制されるので、サイドエッチングにより第1電極14が浮き上がることによるLED11の導通不良などの信頼性低下を防止することが可能である。
【0047】
次に、図8に示すように、InGaAlP系発光層13上に第1電極14を覆うように開口幅L1が、例えば80〜100μm程度の格子状のパターンを有する第1保護膜31、例えばレジスト膜を形成する。開口部32がp−GaP基板12をチップに分割するためのダイシング領域となる。
【0048】
次に、図9に示すように、ブレード33によりp−GaP基板12を開口部32に沿ってダイシングし、InGaAlP系発光層13側からp−GaP基板12の内部に至る、例えば幅L2が60〜80μm、深さL3が40〜70μmの第1の溝34を形成する。
【0049】
このダイシングにより、第1の溝34のInGaAlP系発光層13の側面およびp−GaP基板12の側面に破砕層35、36が生じる。
【0050】
次に、図10に示すように、第1保護膜31をマクスとしてInGaAlP系発光層13を、例えばBrエッチング液によりエッチングして、ダイシングにより生じた破砕層35、36を含む領域13a、13bを除去する。
Brエッチング液では、GaPはInGaAlPに対して十分大きな選択比を有しているので、この段階ではp−GaP基板12の破砕層は残留している。
【0051】
次に、図11に示すように、第1の溝34の側面および底面を含むInGaAlP系発光層13の全面に第2保護膜37、例えばレジスト膜を形成し、次にp−GaP基板12の第2主面上に第3保護膜38、例えばレジスト膜を形成する。
【0052】
次に、図12に示すように、InGaAlP系発光層13側を粘着性のシート39に貼り付けて、ブレード40によりにp−GaP基板12側から第1の溝34と相対向する領域をダイシングし、第1の溝34と相対向してp−GaP基板12側から第1の溝34の底部に至る第2の溝41を形成し、P―GaP基板12をチップに分割する。
【0053】
このダイシングにより、第2の溝41のp−GaP基板12の側面に破砕層42、43が生じる。
【0054】
次に、図13示すように、第1保護膜31および第2保護膜38をマスクとしてp―GaP基板12を、例えばHCl:H:HO=95:2:3の混合液によりエッチングして、ダイシングにより生じた破砕層42、43を含む領域12b、12cを、例えば7μm程度除去する。
【0055】
P―GaP基板12のチッブ同士の間隔が60〜80μm程度の場合に、エッチング液の回り込みが十分でないため、7μm程度エッチングするのに30〜45分程度の時間を要する。
【0056】
従来、200μm程度の深い溝の側面をエッチングするには、エッチング液の回り込みを良くするために、シート39を機械的に引き伸ばしてチップ同士の間隔を300〜500μm程度に広げて行っていた。
【0057】
しかし、シート39を引き伸ばすと、第2保護膜37がシート39に引きずられて浮き上がり、第2保護膜37下にHCl:H:HO系エッチング液が浸透してn−GaAsコンタクト層24がサイドエッチングされ、第1電極14が浮き上がる恐れがある。
【0058】
そこで、シート39をシート保持リングに固定した後、シート39を、例えば温度60〜80℃で10分程度加熱してシート39を熱膨張させ、次に、例えば温度5〜10℃の冷却板に30秒程度押し付けて急冷し、シート39を熱収縮させることにより、チップ同士の間隔を適度に広げることができる。
【0059】
実験によれば、加熱条件、急冷条件を調整することにより、第2保護膜37の浮き上がりを抑えて、チップ同士の間隔が100〜200μm程度まで拡大され、第2の溝41のp−GaP基板12の側面の破砕層42、43を含む領域12b、12cを十分に除去することができる。
【0060】
次に、図14に示すように、第3保護膜38を除去して、シート45にp−GaP基板12を貼り付けた後、シート39を剥離して、第2保護膜37を除去する。これにより第1電極14が上向きでシート45に配列されたLED11が得られる。
【0061】
ここで、p―GaP基板12の側面とInGaAlP系発光層13の側面は、それぞれ個別にエッチングしているので、p―GaP基板12の側面とInGaAlP系発光層13の側面とは完全に一致せず、僅かながらも段差が生じる。
【0062】
InGaAlP系発光層13の側面がp―GaP基板12の側面より外側に飛び出していると、モールド樹脂19の樹脂応力が集中して、InGaAlP系発光層13にダメージを与える恐れがある。
【0063】
従って、InGaAlP系発光層13の側面はp―GaP基板12の側面より内側にあるように、エッチング条件を調整することが望ましい。
【0064】
以上説明したように、本実施例によれば、{100}面から<011>方向に15度傾斜した主面に対して垂直で、且つヘキ開面に対して45の方向に切断された側面を有するp−GaP基板12の全面にInGaAlP系発光層13が設けられている。
【0065】
また、InGaAlP系発光層13側およびp−GaP基板12側からそれぞれダイシングして、別々にエッチングしているので、エッチング特性の異なるInGaAlP系発光層13とp−GaP基板12の破砕層をそれぞれ十分に除去することができる。
【0066】
更に、HSO:H:HO=8:1:64のエッチング液により、第1電極14下のn−GaAsコンタクト層24のサイドエッチングを防止している。
【0067】
その結果、チップサイズが小さく、且つ十分な信頼性を有する半導体発光素子およびその製造方法が得られる。
また、p―GaP基板12のヘキ開面に対して45の方向にダイシングして第1の溝34を形成しているので、第1の溝34を形成した後の製造工程におけるp―GaP基板12の割れが防止され、高い製造歩留まりを得ることができる。
【0068】
ここでは、第1の溝34の側面の発光層13を、Brエッチング液を用いてエッチングする場合について説明したが、HCl:H:HO系エッチング液を用いても構わない。
p−GaP基板12と同じHCl:H:HO=95:2:3のエッチング液を用いることにより、エッチング液の種類を減らすことができるので、製造工程を合理化できる利点がある。
【0069】
また、発光層13がInGaAlP系半導体である場合について説明したが、GaAlAs系半導体でも構わない。GaAlAs系半導体では、InGaAlP系半導体より発光波長の長いLEDが得られる利点がある。
【0070】
具体的には、図4に示すn−InGaAlPクラッド層25、InGaAlP MQW活性層26、p−InGaAlPクラッド層27に替えて、n−GaAs基板上にそれぞれn−GaAlAsクラッド層、GaAlAs MQW活性層、p−GaAlAsクラッド層を成長させる。
【0071】
次に、図5から図14に示す工程に従って、GaAlAs系発光層を有する半導体発光素子を得ることが可能である。
HCl:H:HO系エッチング液はGaAlAs系発光層の破砕層除去にも適用できる。
【0072】
更に、InGaAlN系半導体でも適用は可能である。InGaAlN系半導体ではInGaAlP系半導体より発光波長の短いLEDが得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例に係る半導体発光素子を示す図で、図1(a)はその平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿って切断し矢印方向に眺めた断面図。
【図2】本発明の実施例に係る半導体発光装置を示す断面図。
【図3】本発明の実施例に係るGaP基板の抗折強度と側面のヘキ開面に対する切断方向との関係を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図5】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図6】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図7】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図8】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図9】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図10】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図11】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図12】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図13】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図14】本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。
【図15】本発明の実施例に係るGaAsコンタクト層のサイドエッチング速度とエッチング液の組成との関係を示す図。
【符号の説明】
【0074】
11 LED
12 p―GaP基板
12a p―GaPバッファ層
12b、12c、13a、13b エッチング領域
13 InGaAlP系発光層
14 第1電極
15 第2電極
16a、16b リードフレーム
17 反射カップ
18 金線
19 透明樹脂
20 半導体発光装置
21 n−GaAs基板
22 GaAsバッファ層
23 InGaPエッチングストップ層
24 n−GaAsコンタクト層
25 n−InGaAlPクラッド層
26 InGaAlP MQW層
27 p−InGaAlPクラッド層
28 p−InGaP接着層
31 第1保護膜
32 ダイシングライン
33、40 ブレード
34 第1の溝
35、36、42、43 破砕層
37 第2保護膜
38 第3保護膜
39、45 シート
41 第2の溝




 

 


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