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発明の名称 燃料電池ユニットおよび動作制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−123157(P2007−123157A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−316381(P2005−316381)
出願日 平成17年10月31日(2005.10.31)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 尾関 明弘
要約 課題
負荷への電力供給を安全に行うことができるようにする。

解決手段
セルスタックに負荷が電気的に直接接続されずに負荷よりも軽い軽負荷が電気的に接続された状態で、各セルの電圧値が監視される(S16、S17)。そして、監視される各セルの電圧値が既定値以上である場合に、セルスタックに負荷が電気的に接続されるよう制御される(S18)。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のセルが積層されたセルスタックと、
前記セルスタックに負荷が電気的に直接接続されずに前記負荷よりも軽い軽負荷が電気的に接続された状態で、各セルの電圧値を監視する手段と、
前記監視手段により監視される各セルの電圧値が既定値以上である場合に、前記セルスタックに前記負荷が電気的に接続されるよう制御する手段と
を具備することを特徴とする燃料電池ユニット。
【請求項2】
前記監視手段による監視される各セルのうち電圧値が規定値未満のセルがある場合に、前記軽負荷を電気的に切断して回復処理を行う手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の燃料電池ユニット。
【請求項3】
前記監視手段による監視される各セルのうち電圧値が規定値未満のセルがあった場合の回数をカウントする手段と、
前記カウント手段によってカウントされた回数が既定値以上の場合、発電処理を終了させる手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の燃料電池ユニット。
【請求項4】
前記軽負荷は、前記セルスタックと前記負荷との間に直列に接続される可変抵抗器であり、
前記セルスタックの出力電圧が一定となるように前記可変抵抗器を制御する手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の燃料電池ユニット。
【請求項5】
前記軽負荷は、前記負荷と並列に接続される可変抵抗器であり、
前記セルスタックと前記負荷との接続/非接続状態を切り換えるスイッチと、
前記セルスタックの出力電圧が一定となるように前記可変抵抗器を制御する手段と
を更に具備する請求項1記載の燃料電池ユニット。
【請求項6】
前記軽負荷は、前記負荷と並列に接続される固定抵抗器であり、
前記セルスタックと前記負荷との接続/非接続状態を切り換える第1のスイッチと、
前記セルスタックと前記固定抵抗器との接続/非接続状態を切り換える第2のスイッチと
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の燃料電池ユニット。
【請求項7】
複数のセルが積層されたセルスタックを備えた燃料電池ユニットに適用される動作制御方法であって、
前記セルスタックに負荷が電気的に直接接続されずに前記負荷よりも軽い軽負荷が電気的に接続された状態で、各セルの電圧値を監視し、
前記監視される各セルの電圧値が既定値以上である場合に、前記セルスタックに前記負荷が電気的に接続されるよう制御する
ことを特徴とする動作制御方法。
【請求項8】
前記監視される各セルのうち電圧値が規定値未満のセルがある場合に、前記軽負荷を電気的に切断して回復処理を行うことを特徴とする請求項7記載の動作制御方法。
【請求項9】
前記監視される各セルのうち電圧値が規定値未満のセルがあった場合の回数をカウントし、
前記カウントされた回数が既定値以上の場合、発電処理を終了させることを特徴とする請求項7記載の動作制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばダイレクトメタノール方式の燃料電池ユニットおよび動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の方式には種々のものがあるが、情報処理装置に適するものとして、ダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC: Direct Methanol Fuel Cell)が挙げられる。この種の燃料電池には、複数のセルがそれぞれセパレータを介して積層されたセルスタックが適用される。セルスタックにおいては、燃料供給のバランスなどが崩れると、特定のセルの電圧が他のセルの電圧に比べて低下する現象が起こることがある。この場合、発電を続行すると、電圧低下を起こしたセルが破壊される可能性がある。そのため、異常なセルを事前に検知してシステムに障害が生じないように工夫する必要がある。
【0003】
セルスタックを構成する複数のセルの電圧をそれぞれ測定する技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。この文献には、複数のセパレータの側面にそれぞれ弾性部材を用いて圧接するための複数個の電圧測定端子を有する固定プレートをセルスタックに取り付け、各電圧測定端子をリード線でコネクタに接続し、このコネクタを電圧測定装置に接続することにより、各セルの電圧を測定することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−151613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献の技術のように電圧測定端子の接続状態を改善しただけでは、セル等の破壊を確実に防止することはできない。例えば状態の悪いセルスタックに負荷を接続した場合、すぐにセルスタックの電圧が急激に低下する場合があり、各セルの電圧測定が完了する時までには既に破壊が起こっている可能性がある。また、破壊に至らない場合でもダメージを受ける可能性がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、負荷への電力供給を安全に行うことができる燃料電池ユニットおよび動作制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る燃料電池ユニットは、複数のセルが積層されたセルスタックと、前記セルスタックに負荷が電気的に直接接続されずに前記負荷よりも軽い軽負荷が電気的に接続された状態で、各セルの電圧値を監視する手段と、前記監視手段により監視される各セルの電圧値が既定値以上である場合に、前記セルスタックに前記負荷が電気的に接続されるよう制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る動作制御方法は、複数のセルが積層されたセルスタックを備えた燃料電池ユニットに適用される動作制御方法であって、前記セルスタックに負荷が電気的に直接接続されずに前記負荷よりも軽い軽負荷が電気的に接続された状態で、各セルの電圧値を監視し、前記監視される各セルの電圧値が既定値以上である場合に、前記セルスタックに前記負荷が電気的に接続されるよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、負荷への電力供給を安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池ユニットを示す外観図である。図1に示すように、この燃料電池ユニット10は、情報処理装置、例えばノート型パーソナルコンピュータの後部を載置するための載置部11と、燃料電池ユニット本体12とから構成される。燃料電池ユニット本体12には、電気化学反応で発電を行うDMFCスタックや、DMFCスタックに対して燃料となるメタノールや空気を注入、循環させるための補機(ポンプやバルブ等)を内蔵している。
【0010】
また、燃料電池ユニット本体12のユニットケース12a内部の例えば左端に、着脱可能な燃料カートリッジ(図示していない)が内蔵されており、この燃料カートリッジを交換できるように、カバー12bは取り外し可能となっている。
【0011】
載置部11には情報処理装置が載置される。載置部11の上面には、情報処理装置と接続するための接続部としてドッキングコネクタ14が設けられている。一方、情報処理装置の例えば底面後部には、燃料電池ユニット10と接続するための接続部としてドッキングコネクタ21(図示していない)が設けられており、燃料電池ユニット10のドッキングコネクタ14と機械的、電気的に接続される。また、載置部11上に三箇所の位置決め突起15とフック16が設けられており、対応して設けられた情報処理装置の底面後部の三箇所の穴に、位置決め突起15とフック16が挿入される。
【0012】
情報処理装置を燃料電池ユニット10から取り外す時は、図2に示した燃料電池ユニット10のイジェクトボタン17を押すことにより、ロック機構(図示していない)の解除が行われて、容易に取り外すことができる。
【0013】
また、燃料電池ユニット本体12の例えば右側面には、発電設定スイッチ112と燃料電池運転スイッチ116が設けられる。
【0014】
発電設定スイッチ112は、燃料電池ユニット10での発電を許可或いは禁止するためにユーザが予め設定するためのスイッチであり、例えばスライド型スイッチで構成される。
【0015】
燃料電池運転スイッチ116は、例えば、燃料電池ユニット10で発電される電力で情報処理装置18が動作している時に、情報処理装置18の動作は継続しつつ燃料電池ユニット10での発電のみを停止させるような場合等に用いる。この場合、情報処理装置18は内蔵された二次電池の電力を用いて動作を継続することになる。燃料電池運転スイッチ116は、例えばプッシュスイッチ等で構成される。
【0016】
図2は、情報処理装置18(例えば、ノート型パーソナルコンピュータ)を燃料電池ユニット10の載置部11の上に載置、接続した時の外観を示す図である。
【0017】
なお、図1、図2に示した燃料電池ユニット10の形状や大きさ、或いはドッキングコネクタ14の形状や位置等は、種々の形態が考えられる。
【0018】
図3は、燃料電池ユニット10の系統図を示したものであり、特にDMFCスタックとその周辺に設けられた補機について細部の系統を示している。
【0019】
燃料電池ユニット10は、発電部40と、燃料電池ユニット10の制御部である燃料電池制御部41とから構成される。燃料電池制御部41は発電部40の制御を行う他、情報処理装置18との通信を行う通信制御部としての機能を有する。
【0020】
発電部40は、発電を行うための中心となるDMFCスタック42を有する他、燃料となるメタノールを収納する燃料カートリッジ43を有する。燃料カートリッジ43には高濃度のメタノールが封入されている。燃料カートリッジ43は、燃料を消費した時には容易に交換できるよう、着脱可能となっている。
【0021】
また、一般に、ダイレクトメタノール型燃料電池においては、発電効率をあげるためにクロスオーバ現象を低減する必要がある。このために高濃度メタノールを希釈して低濃度化し、これを燃料極47に注入することが有効である。この実現のため、燃料電池ユニット10では、希釈循環システム62を採用しており、発電部40に希釈循環システム62の実現に必要な補機63を設ける。
【0022】
補機63には液体流路に設けられるものと気体流路に設けられるものがある。
【0023】
液体流路に設けられる補機63の接続関係は、燃料電池カートリッジ43の出力部から燃料供給ポンプ44が配管接続され、さらに燃料供給ポンプ44の出力部から混合タンク45に接続される。さらに、混合タンク45の出力部は送液ポンプ46に接続され、送液ポンプ46の出力部はDMFCスタック42の燃料極47に接続される。燃料極47の出力部は混合タンク45に配管接続される。また、水回収タンク55の出力部は水回収ポンプ56に配管接続され、水回収ポンプ56は混合タンク45へ接続される。
【0024】
一方、気体流路においては、送気ポンプ50が送気バルブ51を介してDMFCスタック42の空気極52に接続される。空気極52の出力部は凝縮器53に接続される。また、混合タンク45からも、混合タンクバルブ48を介して凝縮器53に接続される。凝縮器53は排気バルブ57を介して排気口58に接続される。この凝縮器53には、水蒸気を効果的に凝縮するフィンが備えられている。また、冷却ファン54は凝縮器53の近傍に配設される。
【0025】
次に、燃料電池ユニット10の発電部40の発電メカニズムについて、燃料と空気(酸素)の流れに沿って説明する。
【0026】
まず、燃料カートリッジ43内の高濃度メタノールは、燃料供給ポンプ44によって、混合タンク45に流入する。混合タンク45の内部で高濃度メタノールは、回収された水や燃料極47からの低濃度メタノール(発電反応の残余分)等と混合されて希釈され、低濃度メタノールが生成される。低濃度メタノールの濃度は発電効率の高い濃度(例えば3〜6%)を保てるように制御される。この濃度制御は、例えば、濃度センサ60の検出結果を基に、燃料電池制御部41が燃料供給ポンプ44によって混合タンク45に供給される高濃度メタノールの量を制御することによって実現される。または、混合タンク45に環流する水の量を水回収ポンプ56等で制御することによって実現できる。
【0027】
また、混合タンク45には、混合タンク45内のメタノール水溶液の液量を検出する液量センサ61や、温度を検出する温度センサ64が備えられており、これらの検出結果は燃料電池制御部41に送られて発電部40の制御などに使用される。
【0028】
混合タンク45で希釈されたメタノール水溶液は送液ポンプ46で加圧されて、DMFCスタック42の燃料極(負極)47に注入される。燃料極47では、メタノールの酸化反応が行われることで電子が発生する。酸化反応で生成される水素イオン(H+)はDMFCスタック42内の固体高分子電解質膜422を透過して空気極(正極)52に達する。
【0029】
一方、燃料極47で行われる酸化反応によって生成される二酸化炭素は、反応に供されなかったメタノール水溶液とともに再び混合タンク45に環流する。二酸化炭素は混合タンク45内で気化し、混合タンクバルブ48を介して、凝縮器53へ向かい、最終的には排気バルブ57を介して、排気口58から外部へ排気される。
【0030】
他方、空気(酸素)の流れは、吸気口49から取り込まれ、送気ポンプ50で加圧され、送気バルブ51を介し空気極(正極)52に注入される。空気極52では、酸素(O2)の還元反応が進行し、外部の負荷からの電子(e-)と、燃料極47からの水素イオン(H+)と、酸素(O2)から水(H2O)が水蒸気として生成される。この水蒸気は空気極52から排出され、凝縮器53に入る。凝縮器53では、冷却ファン54によって水蒸気が冷却されて水(液体)となり、水回収タンク55内に一時的に蓄積される。この回収された水は水回収ポンプ56によって混合タンク45へと環流し、高濃度メタノールを希釈するための希釈循環システム62が構成される。
【0031】
この希釈循環システム62による燃料電池ユニット10の発電メカニズムからわかるように、DMFCスタック42から電力が取り出す、即ち、発電を開始するために、各部のポンプ44,46,50,56やバルブ48、51、57或いは冷却ファン54等の補機63を駆動させる。これによってメタノール水溶液と空気(酸素)がDMFCスタック42内に注入されそこで電気化学反応が進行することによって電力が得られる。一方、発電を停止するには、これらの補機63の駆動を停止することによる。
【0032】
図4は、本発明に係る燃料電池ユニット10が接続される情報処理装置18のシステム構成を示したものである。
【0033】
情報処理装置18は、CPU65、主記憶66、ディスプレイコントローラ67、ディスプレイ68、HDD(Hard Disk Drive)69、キーボードコントローラ70、ポインタデバイス71、キーボード72、FDD73、これら構成品間において信号を伝送するバス74、バス74を介して伝送される信号を変換するためのノースブリッジ75、サウスブリッジ76と呼ばれるデバイス等から構成される。また、情報処理装置18の内部に電源部79を設け、ここに二次電池80として、例えばリチウムイオン電池を保有している。電源部79は、制御部77(以降、電源制御部77と記載する)によって制御される。
【0034】
燃料電池ユニット10と情報処理装置18との電気的インタフェースとして制御系インタフェースと電源系インタフェースとを設ける。制御系インタフェースは情報処理装置18の電源制御部77と燃料電池ユニット10の制御部41との間にて通信を行うために設けられるインタフェースである。制御系インタフェースを介して情報処理装置18と燃料電池ユニット10との間で行われる通信は、例えばI2Cバス78といったシリアルバスを介して行われる。
【0035】
電源系インタフェースは、燃料電池ユニット10と情報処理装置18との間における電力の授受のために設けられるインタフェースである。例えば、発電部40のDMFCスタック42で発電された電力が制御部41(以降、燃料電池制御部41と記載する)およびドッキングコネクタ14、21を介して情報処理装置18に供給される。また、電源系インタフェースには、情報処理装置18の電源部79から、燃料電池ユニット10内の補機63等への電力供給83もある。
【0036】
なお、情報処理装置18の電源部79に対してACアダプタ用コネクタ81を介してAC/DC変換された直流電源が供給され、これによって情報処理装置18の動作、二次電池(リチウムイオン電池)80の充電が可能である。
【0037】
図5は、燃料電池ユニット10の燃料電池制御部41と、情報処理装置18の電源部79との、接続関係を示す構成例である。
【0038】
燃料電池ユニット10と情報処理装置18とはドッキングコネクタ14、21によって機械的かつ電気的に接続される。ドッキングコネクタ14、21には、燃料電池ユニット10のDMFCスタック42で発電された電力を情報処理装置18へ供給するための第一の電源端子(出力電源端子)91および、情報処理装置18から、燃料電池ユニット10のマイクロコンピュータ95にレギュレータ94を介して電源を供給し、かつ補機用電源回路97にスイッチ101を介して電源を供給するための第二の電源端子(補機用入力電源端子)92を有する。また、情報処理装置18からEEPROM99へ電源供給するための第三の電源端子92aを有している。
【0039】
さらに、ドッキングコネクタ14、21は情報処理装置18の電源制御部77と燃料電池ユニット10のマイクロコンピュータ95との通信や、書き込み可能な不揮発性メモリ(EEPROM)99との通信、を行うための通信用入出力端子93を有している。
【0040】
次に、図5に示した接続図と、図6に示した燃料電池ユニット10の状態遷移図とを用いて、燃料電池ユニット10から情報処理装置18へ、燃料電池ユニット10に設けられるDMFCスタック42の電力が供給されるまでの基本的な処理の流れを説明する。
【0041】
なお、情報処理装置18の二次電池(リチウムイオン電池)80には所定の電力が充電されているものとする。また、図5の中のスイッチは全て開いているものとする。
【0042】
まず、情報処理装置18は、コネクタ接続検出部111から出力される信号に基いて、情報処理装置18と燃料電池ユニット10とが機械的および電気的に接続されたことを認識する。この認識は、コネクタ接続検出部111が例えばコネクタ接続検出部111へ入力される信号に基いて、ドッキングコネクタ14、21の接続によって燃料電池ユニット10の内部で接地されることを検出することによって行われる。
【0043】
また、情報処理装置18の電源制御部77は、燃料電池ユニット10の発電設定スイッチ112の設定が発電許可設定であるか発電禁止設定であるかを認識する。例えば、発電設定スイッチ検出部113へ入力される信号に基いて、発電設定スイッチ検出部113が発電設定スイッチ112の設定状態に応じて接地状態であるか或いは解放状態であるか否かを検出する。発電設定スイッチ112が解放状態である場合は、電源制御部77は発電禁止設定として認識する。
【0044】
発電設定スイッチ112が発電禁止設定である状態は、図6の状態遷移図において「ストップステート(0)」ST10に相当する状態である。
【0045】
情報処理装置18と燃料電池ユニット10とがドッキングコネクタ14、21を介して機械的に接続されると、情報処理装置18側から第三の電源端子92aを介して燃料電池制御部41の記憶部である不揮発性メモリ(EEPROM)99に電源が供給される。このEEPROM99には、燃料電池ユニット10の識別情報等が予め記憶される。識別情報には、例えば燃料電池ユニットの部品コードや製造シリアル番号、或いは定格出力などの情報を予め含ませることができる。また、このEEPROM99は、例えば、I2Cバス93といったシリアルバスに接続されており、EEPROM99に記憶されているデータはこのEEPROM99に電源が供給されている状態において読み出し可能である。図5の構成では、電源制御部77が通信用入出力端子93を介してEEPROM99の情報を読み出すことが可能である。
【0046】
この状態においては、燃料電池ユニット10は発電を行っておらず、また燃料電池ユニット10の内部の状態は、EEPROM99の電源以外は電源が供給されていない状態である。
【0047】
ここで、ユーザが発電設定スイッチ112の設定を発電許可設定に設定すると(図5では発電設定スイッチを接地状態側に設定する)、情報処理装置18に設けられる電源制御部77は、燃料電池ユニット10に設けられるEEPROM99に記憶された識別情報を読み出すことが可能となる。この状態が、図6の「ストップステート(1)」ST11の状態である。
【0048】
換言すると、ユーザが発電設定スイッチ112を発電許可設定に設定しない限り、即ち発電禁止設定の設定である限り、「ストップステート(0)」ST10の状態であり、燃料電池ユニット10における発電を禁止することが可能である。
【0049】
なお、発電設定スイッチは、例えばスライドスイッチ等のように開または閉の状態をいずれか一方の状態に保持できるものが好ましい。
【0050】
電源制御部77による識別情報の読み出しは、I2Cバス78といったシリアルバスを介して燃料電池ユニット10に設けられるEEPROM99に記憶されている燃料電池ユニット10の識別情報を読み出すことによって行われる。
【0051】
電源制御部77が読み出された識別情報に基いて、情報処理装置18に接続されている燃料電池ユニット10が情報処理装置18に適合した燃料電池ユニットであると判断した場合、図6の状態は、「ストップステート(1)」ST11から「スタンバイステート」ST20に遷移する。
【0052】
具体的には、情報処理装置18に設けられる電源制御部77は、情報処理装置18に設けられるスイッチ100を閉じることによって、二次電池80の電力を第1の電源端子92を介して燃料電池ユニット10へ供給し、レギュレータ94を介してマイクロコンピュータ95へ電源が供給される。
【0053】
この「スタンバイステート」ST20の状態では、燃料電池ユニット10に設けられるスイッチ101は開いており、補機用電源回路97には電源は供給されていない。従って、この状態において補機63は動作していない。
【0054】
しかしながら、マイクロコンピュータ95は動作を開始しており、情報処理装置18に設けられる電源制御部77から、I2Cバス78を介して各種の制御用コマンドを受信することが可能な状態である。また、マイクロコンピュータ95は、燃料電池ユニット10の電源情報を、I2Cバスを介して情報処理装置18へ送信可能な状態である。
【0055】
図7は、情報処理装置18に設けられる電源制御部77から、燃料電池制御部41に設けられるマイクロコンピュータ95に送られる制御用コマンドの一例を示した図である。
【0056】
図8は、燃料電池制御部41に設けられるマイクロコンピュータ95から情報処理装置18に設けられる電源制御部77に送られる電源情報の一例を示した図である。
【0057】
情報処理装置18に設けられる電源制御部77は、図8の電源情報のうち「DMFC運転状態」(図8の番号1)を読み取ることによって、燃料電池ユニット10が「スタンバイステート」ST20であること認識する。
【0058】
この「スタンバイステート」ST20の状態で、電源制御部77が、図7に示した制御用コマンドのうち「DMFC運転ON要求」コマンド(発電開始コマンド)を燃料電池制御部41に送ると、これを受信した燃料電池制御部41は、燃料電池ユニット10の状態を「ウォームアップステート」ST30に移行させる。
【0059】
具体的には、マイクロコンピュータ95からの制御によって燃料電池制御部41に設けられるスイッチ101を閉じて補機用電源回路97に情報処理装置18からの電源を供給する。併せて、マイクロコンピュータ95から送信される補機用制御信号によって、発電部40に設けられる補機63、即ち、図4に示した各ポンプ44、46、50、56、バルブ48、51、57及び冷却ファン54等を駆動させる。さらにマイクロコンピュータ95は、燃料電池制御部41に設けられたスイッチ102を閉じる。
【0060】
この結果、発電部40に設けられるDMFCスタック42に対してメタノール水溶液や空気が注入され、発電が開始される。また、DMFCスタック42による発電電力は、情報処理装置18に供給が開始される。ただし、発電出力は、瞬時に定格値に達するわけではないため、定格値に達するまでの状態を「ウォームアップステート」ST30と呼んでいる。
【0061】
燃料電池制御部41に設けられるマイクロコンピュータ95は、例えばDMFCスタック42の出力電圧およびDMFCスタック42の温度をモニタすることにより、DMFCスタック42の出力が定格値に達したと判断すると、燃料電池ユニット10に設けられるスイッチ101を開き、補機63への電力供給源を情報処理装置18からDMFCスタック42に切り替える。この状態が「オンステート」ST40である。
【0062】
以上が「ストップステート」ST10から「オンステート」ST40への処理の流れの概要である。
【0063】
以下、上述したDMFCスタック42(図5参照)における各セルの電圧を効果的に測定して適切な処理を行う手法について説明する。
DMFCスタック42内の各セルの出力は、燃料供給のバランスがとれている場合には、各セルの出力も均等となっている。しかし、燃料供給のバランスが何らかの要因により崩れてしまうと、各セルの出力のバランスも崩れてしまうことがある。そのほか、温度分布などの要因により各セルの出力のバランスが崩れることもある。
【0064】
図9は、燃料供給が減少した場合のセルの電流−電圧特性を示す図である。
燃料供給の減少が起こった場合と起こらない場合とを比較すると、燃料供給の減少が起こった場合の方が、出力電流値が減少することがわかる。すなわち、出力電力が低下することとなる。セルを直列接続するスタック構造の場合、スタックを構成する各セルの電流値は同じとなる。しかし、出力バランスが崩れた場合には出力電圧値が各セルで異なることになる。このとき、出力の落ちたセルの効率は低下し、発熱も大きくなる。他のセルの負荷は場合によっては軽くなるが、スタック全体での効率は低下し、発熱が大きくなってしまう。更に、出力の低い状態で発電を続けた場合、転極によりセルが破壊される場合がある。故障したセルは発電不能となり、高抵抗状態となる。そのため、スタックの出力が上がらず、最悪の場合にはスタックが使用不能となってしまうことも考えられる。
【0065】
本実施形態では、以下に説明する手法により、このような不具合を未然に防止することができる。
【0066】
DMFCスタック42内の複数のセルは直列に接続されている。燃料供給のバランスが一定に保たれている場合には、図10のように各セルの電圧は同じになり、効率良く電力を供給することができる。一方、燃料供給のバランスが大きく崩れると、図11のように特定のセルの電圧が低くなる可能性があり、この場合に発電を継続すると電力供給の効率が悪化するとともに発熱量も増加し、やがてセルの破壊に至ることがある。
【0067】
このようなことを未然に防止するためには、低電圧のセルの発生を検知し、検知した内容に基づいて適切な制御を行うことが好ましい。
【0068】
図12は、電圧監視基板が取り付けられたDMCFスタック42を上から見た図である。また、図13は、電圧監視基板が取り付けられたDMCFスタック42を横から見た図である。
【0069】
DMFCスタック42は、セルに相当する発電部としてのMEA(Membrane Electrode Assembly)201及び燃料流路となるセパレータ202の積層構造となっている。この積層構造の両端には、エンドプレート203が接合されている。
【0070】
DMFCスタック42の上部には、電圧監視基板(基板ユニット)210が取り付けられている。この電圧監視基板210は、取り付けねじ211により開口部210Aを通じてエンドプレート203に固定される。
【0071】
電圧監視基板210の下側の面には、複数のセパレータ202にそれぞれ対向するように配列された複数のコンタクト214が実装されている。複数のコンタクト214は、複数のセパレータ202とそれぞれ電気的に接続するための端子であり、対向するセパレータ202にそれぞれ圧接されている。
【0072】
また、電圧監視基板210の上側の面には、LSIなどから成る回路212及びコネクタ213が実装されている。回路212は、複数のコンタクト214を通じて得られる各セルの電圧値を測定し、図5に示される燃料電池制御部10側のマイクロコンピュータ95へ通知すべきデータの生成処理などを行う。コネクタ213は、電圧監視基板210とマイクロコンピュータ95との間で信号の送受を行うための信号線を接続したりするものである。
【0073】
図14は、コンタクト202が実装される電圧監視基板210の裏面を示す斜視図である。また、図15は、図14に示したコンタクト202を横から見た側面図である。
【0074】
複数のコンタクト202は、図14及び図15に示されるように、例えばシールドフィンガータイプのコンタクトのコンタクトである。シールドフィンガータイプのコンタクト214は、セパレータ202に圧接される弾性体部分214Aと基板に接地される固定部分とから構成されている。弾性体部分214Aは、セパレータ202に圧接される部分である。また、個々のコネクタ214は、基板上の配線215を通じて前述の回路212に電気的に接続されている。
【0075】
また、上記コンタクト214を実装する代わりに、図16に示すようなスプリングプローブタイプのコンタクト216を実装するようにしてもよい。このコンタクト216は、セパレータ202に圧接される移動体部分216Aと基板に接地される固定部分216Bとから構成されている。
【0076】
このようにコネクタ216を用いることにより、図17に示されるようにセパレータ202のばらつきがある場合にも、電気的な接続を確実に行うことができる。また、各端子にリード線を接続する必要がないため、燃料電池ユニット内における複数のリード線による煩雑さを省くことができる。
【0077】
また、電圧監視基板210に実装された回路212などに障害が生じた場合には、電圧監視基板210を交換するだけで済むという利点がある。基板の交換は、取り付けねじ211をはずすだけで簡単に行うことができる。
また、電圧監視基板210上の回路212は、コンタクト214が実装される面とは異なる面に実装されているので、配線を少なくすることができ、回路構成を簡潔にすることができ、製造上の困難性を低減している。また、検査やメンテナンスなどを行いやすい。
【0078】
また、DMFCスタック42上のわずかなスペースを電圧監視基板210の配置に有効に利用しているので、極めてコンパクトな構成を実現しているといえる。
【0079】
以下では、図18〜図25を参照して、負荷への電力供給を安全に行うとともにDMFCスタック(セルスタック)42の更なる保護を実現する手法について説明する。
【0080】
セルスタックの特性はメタノール溶液の濃度や温度による影響を受け、そのI−V特性は一般に図18のようにスタックの状態の良いときと悪いときで大きく変化する。但し、無負荷時には燃料消費量が少なく状態の悪いセルがあっても悪い現象が出にくい。
【0081】
通常では最も電力を供給できて効率のよいV2付近の電圧で使用することが多い。また単セルの電圧が低いために、複数の発電セルをスタックして使用することが普通である。直列接続の複数スタックで使用する場合、各セルの電流値は一定となるが、状態の差により電圧値にばらつきが起こり、特に状態の悪いものが存在する場合には破壊に至る場合がある。
【0082】
通常、DMFCスタックは所定の温度特性を有しており、起動時には状態が悪い場合が多い。また前回終了時から時間経過している場合、燃料流路内の状態も悪くなり、状態のばらつきも大きくなると考えられる。このような状態で最大負荷を接続すると、状態の悪いセルは負荷に対応しきれずに破壊に至る場合がある。
【0083】
そこで、本実施形態では、いきなり最大負荷を接続するのではなく、セルの電圧がV1付近となるような軽負荷を接続して状態を確認し、状態の悪いセルがあった場合に負担を減らすことで破壊に至らないようにする。また、異常が検出された場合には例えばリフレッシュなどの回復処理を行うことで正常な状態に復帰させる。このような制御は、前述の燃料電池制御部41内のマイクロコンピュータ95もしくはその他の回路によって実現される。
【0084】
例えば、マイクロコンピュータ95もしくはその他の回路は、DMFCスタック42に負荷が電気的に直接接続されずに負荷よりも軽い軽負荷が電気的に接続された状態で、各セルの電圧値を監視する機能や、当該監視される各セルの電圧値が既定値以上である場合に、DMFCスタック42に負荷が電気的に接続されるよう制御する機能を有する。
【0085】
また、マイクロコンピュータ95もしくはその他の回路は、当該監視される各セルのうち電圧値が規定値未満のセルがある場合に、前記軽負荷を電気的に切断して回復処理を行う機能を有する。また、マイクロコンピュータ95もしくはその他の回路は、当該監視される各セルのうち電圧値が規定値未満のセルがあった場合の回数をカウントし、当該カウントされた回数が既定値以上の場合、発電処理を終了させる機能を有する。その他の細かい機能については、後で述べる。
【0086】
次に、図19〜図22を参照して、負荷よりも軽い軽負荷の接続を実現する例をいくつか紹介する。
【0087】
第1の構成例を図19に示す。この例では、DMFCスタック42と負荷300との間に、可変抵抗器301および制御回路302が設けられる。可変抵抗器301は、軽負荷に相当するものであり、DMFCスタック42と負荷300との間に直列に接続される。制御回路302は、DMFCスタック42の出力電圧が一定となるように可変抵抗器301を制御する。この場合、DMFCスタック42の出力電圧をV1〜V2にかけて緩やかに変化させる。これにより、状態の悪いセルがあった場合にも、過負荷状態となる前にその検出を行うことが可能となる。
【0088】
上記可変抵抗器301の内部構成例を図20に示す。この例では、比較器303およびこれに付随する抵抗器等のエレメントが、入力される電圧Vを基準電圧値Vrefに収斂させるよう動作し、DMFCスタック42の出力電圧が一定となるように可変抵抗器301を制御する。
【0089】
第2の構成例を図21に示す。この例では、DMFCスタック42と負荷300との間に、検査用負荷(可変抵抗器)311、スイッチ312、および前述の制御回路302が設けられる。検査用負荷(可変抵抗器)311は、軽負荷に相当するものであり、負荷300と並列に接続される。スイッチ312は、DMFCスタック42と負荷300との接続/非接続状態を切り換えるものであり、マイクロコンピュータ95などから送られてくる負荷接続制御信号によってオン/オフ操作される。制御回路302は、DMFCスタック42の出力電圧が一定となるように検査用負荷311を制御する。この例では、負荷300をDMFCスタック42に接続する前に、DMFCスタック42のセルの平均値がV1となるように検査用負荷311を制御し、各セルの状態を確認する。この場合、後述する一連の動作を適用することにより、セルを更に安全に使用することが可能となる。
【0090】
第3の構成例を図22に示す。この例では、DMFCスタック42と負荷300との間に、検査用負荷(固定抵抗器)321、前述のスイッチ312、およびスイッチ322が設けられる。検査用負荷(固定抵抗器)321は、軽負荷に相当するものであり、負荷300と並列に接続される。スイッチ312は、DMFCスタック42と負荷300との接続/非接続状態を切り換えるものであり、マイクロコンピュータ95などから送られてくる負荷接続制御信号によってオン/オフ操作される。スイッチ322は、DMFCスタック42と検査用負荷(固定抵抗器)321との接続/非接続状態を切り換えるものであり、マイクロコンピュータ95などから送られてくる検査用負荷制御信号によってオン/オフ操作される。この例では、負荷300をDMFCスタック42に接続する前に、DMFCスタック42の各セルの状態を確認する。
【0091】
これらの構成例を適用することにより、負荷をDMFCスタック42に接続する前にセルの状態を確認でき、セルの破壊などを防止でき、セルがダメージを受ける前に回復処理などを行うこともできる。
【0092】
次に、図23および図24のフローチャートを参照して、電圧監視の動作を説明する。
【0093】
まず、DMFCスタック42による発電動作が無負荷の状態で開始される(ステップS11)。これにより、燃料電池ユニット10の状態は、例えば図6にて説明した「ストップステート(0)」ST10から、「ストップステート(1)」ST11、「スタンバイステート」ST20、「ウォームアップステート」ST30、「オンステート」ST40へと順次遷移する。
【0094】
マイクロコンピュータ95は、DMFCスタック42の電圧値を得て、その電圧値が規定値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、DMFCスタック42の電圧値が規定値未満の場合、異常とみなし、DMFCスタック42による発電動作を停止する(ステップS13)。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「ストップステート(0)」ST10へ遷移する。一方、DMFCスタック42の電圧値が規定値以上の場合、正常とみなし、マイクロコンピュータ95は、各セルの電圧監視を開始する(ステップS14)。
【0095】
マイクロコンピュータ95は、OCV監視を実行し、無負荷時の状態における各セルが規定値以上であるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、電圧値が規定値未満のセルがある場合には、異常とみなし、DMFCスタック42による発電動作を停止する(ステップS13)。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「ストップステート(0)」ST10へ遷移する。一方、DMFCスタック42の電圧値が規定値以上の場合、正常とみなし、マイクロコンピュータ95は、負荷ではなく、軽負荷がDMFCスタック42に電気的に接続された状態に設定し(ステップS16)、その状態での各セルの電圧監視を開始する(ステップS17)。
【0096】
ここで、全てのセルが規定値以上であれば、負荷がDMFCスタック42に電気的に接続された状態に設定し(ステップS18)、以降の処理(図24)へと進む。一方、電圧値が規定値未満のセルがある場合には、軽負荷を電気的に切断する(ステップS19)。
【0097】
軽負荷を切断した後、マイクロコンピュータ95は、電圧監視において電圧値が規定値未満となった回数(以下、NG回数と呼ぶ)が何回目であるかを判定する(ステップS20)。NG回数が規定回数未満である場合には、該当するセルを正常に復帰させるため、例えば、無負荷状態で定常よりも流量を上げてリフレッシュを行う等といった回復処理を行う(ステップS21)。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「リフレッシュステート」ST60へ遷移する。回復処理を終了した後はステップS15へ戻り、OCV監視を行う。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「オンステート」ST40へ遷移する。一方、NG回数が規定回数以上である場合には、異常とみなし、DMFCスタック42による発電動作を停止する(ステップS13)。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「ストップステート(0)」ST10へ遷移する。
【0098】
一方、ステップS18において負荷がDMFCスタック42に電気的に接続された状態に設定された後は、図24に示すように、マイクロコンピュータ95は負荷が電気的に接続された状態での各セルの電圧監視を開始する(ステップS31)。
【0099】
ここで、全てのセルが規定値以上であれば、発電を継続する(ステップS32)。一方、電圧値が規定値未満のセルがある場合には、負荷を電気的に切断する(ステップS33)。
【0100】
負荷を切断した後、マイクロコンピュータ95は、電圧監視において電圧値が規定値未満となった回数(以下、NG回数と呼ぶ)が何回目であるかを判定する(ステップS34)。NG回数が規定回数未満である場合には、該当するセルを正常に復帰させるため、例えば、無負荷状態で定常よりも流量を上げてリフレッシュを行う等といった回復処理を行う(ステップS35)。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「リフレッシュステート」ST60へ遷移する。回復処理を終了した後は図23のステップS15へ戻り、OCV監視を行う。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「オンステート」ST40へ遷移する。一方、NG回数が規定回数以上である場合には、異常とみなし、DMFCスタック42による発電動作を停止する(ステップS36)。このとき、燃料電池ユニット10の状態は、例えば「ストップステート(0)」ST10へ遷移する。
【0101】
図25は、本実施形態における電圧と負荷との関係を従来技術と比較して示すタイミングチャートである。
【0102】
本実施形態では、発電開始後、電圧Vが既定値以上であれば、ある時間t1の時点で、従来のようにいきなり最大負荷F2がDMFCスタック42に与えられるのではなく、まず、セルの電圧がV1付近となるような軽負荷F1が与えられる。本実施形態では、この軽負荷F1の接続により、符号K1に示されるように電圧が緩やかに下がる。これに対し、時間t1の時点で最大負荷F2が接続される従来技術では、状態の悪いセルがあると、符号K2のように電圧Vが急激に下がってしまい、セルの電圧が測定される前にDMFCスタック42が危険な状態に陥る可能性がある。
【0103】
軽負荷の接続後、本実施形態では、電圧Vが既定値以上であれば、ある時間t2の時点で、最大負荷F2がDMFCスタック42に与えられる。これにより、V1付近にある電圧VがV2へ向けて比較的緩やかに下がり始める。
【0104】
このように、本実施形態によれば、最大負荷をDMFCスタック42に接続する前に軽負荷を接続してセルの状態を確認する動作を加えることにより、電圧を安全に制御でき、セルの破壊などを防止でき、セルがダメージを受ける前に回復処理などを行うこともできる。
【0105】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池ユニットを示す外観図。
【図2】上記燃料電池ユニットに情報処理装置を接続した状態を示す外観図。
【図3】上記燃料電池ユニットの発電部の構成を主に示す系統図。
【図4】上記燃料電池ユニットに上記情報処理装置を接続した状態を示す系統図。
【図5】上記燃料電池ユニット及び上記情報処理装置の構成を示す系統図。
【図6】上記燃料電池ユニット及び上記情報処理装置の状態遷移図。
【図7】上記燃料電池ユニットに対する主な制御用コマンドを示す図。
【図8】上記燃料電池ユニットの主な電源情報を示す図。
【図9】燃料供給が減少した場合のセルの電流−電圧特性を示す図。
【図10】燃料電池のセルの直列構造と電圧バランスにおける各セルのバランスが完全な場合を説明するための図。
【図11】燃料電池のセルの直列構造と電圧バランスにおける特定のセルのバランスが極端に悪い場合を説明するための図。
【図12】電圧監視基板が取り付けられたDMCFスタックを上から見た図。
【図13】電圧監視基板が取り付けられたDMCFスタックを横から見た図。
【図14】コンタクトが実装される電圧監視基板の裏面を示す斜視図。
【図15】電圧監視基板の裏面に実装されるコンタクトの一例を示す側面図。
【図16】電圧監視基板の裏面に実装されるコンタクトの別の例を示す側面図。
【図17】図13のDMFCスタックにおいてセパレータの長さにばらつきがある場合の例を示す側面図。
【図18】セルのIV特性を説明するための図。
【図19】軽負荷の接続を実現する第1の構成例を示す図。
【図20】図19中の制御回路の構成例を示す図。
【図21】軽負荷の接続を実現する第2の構成例を示す図。
【図22】軽負荷の接続を実現する第3の構成例を示す図。
【図23】電圧監視の動作の前半を示すフローチャート。
【図24】電圧監視の動作の後半を示すフローチャート。
【図25】同実施形態における電圧と負荷との関係を従来技術と比較して示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0107】
10…燃料電池ユニット、11…載置部、12…燃料電池ユニット本体、14…ドッキングコネクタ、40…発電部、41…燃料電池制御部、42…DMFCスタック、43…燃料カートリッジ、44…燃料供給ポンプ、45…混合タンク、46…送液ポンプ、47…燃料極(負極)、48…混合タンクバルブ、50…送気ポンプ、51…送気ポンプ、52…空気極(正極)、53…凝縮器、54…冷却ファン、55…水回収タンク、56…水回収ポンプ、57…排気バルブ、58…排気口、60…濃度センサ、61…液量センサ、62…希釈循環システム、63…補機、64…温度センサ、300…負荷、301…可変抵抗器、302…制御回路、303…比較器、311…検査用負荷、312,322…スイッチ。




 

 


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