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発明の名称 半導体発光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−109887(P2007−109887A)
公開日 平成19年4月26日(2007.4.26)
出願番号 特願2005−299212(P2005−299212)
出願日 平成17年10月13日(2005.10.13)
代理人 【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
発明者 紺野 邦明 / 武沢 初男
要約 課題
半導体発光素子からの光取り出し効率が改善された半導体発光装置を提供する。

解決手段
リードと、前記リードの上に設けられた半導体発光素子と、を備え、前記リードのうちで、前記半導体発光素子から放出される光の晒される部分の少なくとも一部の表面には、第1の金属層が設けられ、前記リードのうちで、前記半導体発光素子から放出される光に晒されない部分の少なくとも一部の表面には、前記半導体発光素子から放出される光に対する反射率が前記第1の金属層よりも小なる第2の金属層が設けられてなることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
特許請求の範囲
【請求項1】
リードと、
前記リードの上に設けられた半導体発光素子と、
を備え、
前記リードのうちで、前記半導体発光素子から放出される光に晒される部分の少なくとも一部の表面には、第1の金属層が設けられ、
前記リードのうちで、前記半導体発光素子から放出される光に晒されない部分の少なくとも一部の表面には、前記半導体発光素子から放出される光に対する反射率が前記第1の金属層よりも小なる第2の金属層が設けられてなることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
第1主面に第1導電部が設けられ、第2主面に第2導電部が設けられたベースセラミックと、
前記ベースセラミックの前記第1主面の上に設けられ、第1開口を有するスペーサセラミックと、
前記スペーサセラミックの上に設けられ、上方に向かって拡開する傾斜側面からなる第2開口を有する上部セラミックと、
前記第1及び第2開口に露出した前記導電部の上に設けられた半導体発光素子と、
を備え、
前記第1導電部及び前記傾斜側面の少なくとも一部の表面には、第1の金属層が設けられ、
前記第2導電部の少なくとも一部の表面には、前記半導体発光素子から放出される光に対する反射率が前記第1の金属層よりも小なる第2の金属層が設けられてなることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項3】
前記リードは、アウターリードと、前記アウターリードより厚みが大なるインナーリードと、を有し、
前記インナーリードは凹部を有し、
前記半導体発光素子は、前記凹部内に設けられ、
前記凹部は、前記半導体発光素子から放出される光に晒される前記部分を有することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記半導体発光素子は、窒化物系半導体からなる発光層を有し、
前記第1の金属層は、銀からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記第2の金属層は、少なくともパラジウムからなる層を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置。



発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体発光装置は、照明やディスプレイ装置などの光源として幅広く用いられるようになった。特に、窒化ガリウム(GaN)などの窒化物系半導体を用いた青色発光素子(青色LED:light emitting diode)の実現により、白色半導体発光装置の用途も飛躍的に拡大している
【0003】
白色半導体発光装置は、紫外光〜青色光の波長範囲を有する窒化物系半導体の発光層を備えた発光素子と、この放射光を吸収することにより励起された他の波長の光を放射する蛍光体とにより構成される。例えば、青色発光素子からの放射光と、青色光を黄色に変換する黄色蛍光体からの黄色光とを所定の比率で混合することにより、白色光が合成される。
【0004】
このような白色半導体発光装置を用いる照明やディスプレイ装置において、高光出力化の要求がますます高まりつつある。このために、半導体発光素子の高効率化と共に、光取り出し効率の高いパッケージが必要とされる。半導体発光素子からの放射光および蛍光体からの波長変換光を外部に最大限取り出すためのパッケージの改善が必要である。
【0005】
例えば、半導体発光素子を囲む薄板状反射枠を配置した半導体発光装置の技術開示例がある(特許文献1)。しかし、白色光を得るために必要な380〜650ナノメータ波長帯においては、リフレクタを構成する金属の反射率が一般には低下する。従って、上記技術開示例では高光出力を有する白色半導体発光装置としては充分でない。
【特許文献1】特開2005−19919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、半導体発光素子からの光取り出し効率が改善された半導体発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
リードと、
前記リードの上に設けられた半導体発光素子と、
を備え、
前記リードのうちで、前記半導体発光素子から放出される光に晒される部分の少なくとも一部の表面には、第1の金属層が設けられされ、
前記リードのうちで、前記半導体発光素子から放出される光に晒されない部分の少なくとも一部の表面には、前記半導体発光素子から放出される光に対する反射率が前記第1の金属層よりも小なる第2の金属層が設けられてなることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、
第1主面に第1導電部が設けられ、第2主面に第2導電部が設けられたベースセラミックと、
前記ベースセラミックの前記第1主面の上に設けられ、第1開口を有するスペーサセラミックと、
前記スペーサセラミックの上に設けられ、上方に向かって拡開する傾斜側面からなる第2開口を有する上部セラミックと、
前記第1及び第2開口に露出した前記導電部の上に設けられた半導体発光素子と、
を備え、
前記第1導電部及び前記傾斜側面の少なくとも一部の表面には、第1の金属層が設けられ、
前記第2導電部の少なくとも一部の表面には、前記半導体発光素子から放出される光に対する反射率が前記第1の金属層よりも小なる第2の金属層が設けられてなることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、半導体発光素子からの光取り出し効率及び信頼性が改善された半導体発光装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の第1具体例にかかる半導体発光装置の模式平面図である。
また、図2はその模式断面図である。
アウターリード10と、これとは肉厚の異なるインナーリード12と、を有する第1リード14が設けられている。また、第2リード20は、第1リード14とほぼ同一直線上にあり反対方向に伸びている。これらリードの材料として、例えば銅(Cu)系の合金を用いると、高い熱伝導率のために有利である。第1リード14と第2リード20とは、第1樹脂18に埋め込まれている。
【0011】
肉厚のインナーリード12の上部には、リード凹部16がプレスなどにより形成されており、半導体発光素子22が金属半田(図示せず)などを用いて接着されている。半導体発光素子22の上部に設けられた電極(図示せず)と第2リード20とは、ボンディングワイヤ24により接続されている。
【0012】
熱可塑性樹脂などで構成される第1樹脂18には、リード凹部16より大きな凹部28が形成されており、半導体発光素子22からの放射光を上部に放出する。凹部28内には、半導体発光素子22およびボンディングワイヤ24を覆って、例えば、熱硬化性である第2樹脂26が充填される。この第2樹脂26は、半導体発光素子22からの放射光及び蛍光体による波長変換光に対して透過性の高い材料からなることが好ましい。たとえば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂の中から選択することができる。
【0013】
本発明の特徴のひとつは、半導体発光素子22から放出される光に晒されるリード凹部16の少なくとも一部分の表面には銀(Ag)メッキ層などの第1金属層34が設けられ、半導体発光素子22から放出される光に晒されないインナーリード12のそれ以外の部分や、第1リード14および第2リード20の表面には、他の第2金属層36が設けられている点にある。また、かつ第1金属層34は、第2金属層36よりも半導体発光素子22からの放射光に対して、より高い反射率を有する。さらに、第1金属層34は、蛍光体による波長変換光に対しても、より高い反射率を有することがより好ましい。
【0014】
第1金属層34としてAgをメッキする場合の厚みは、例えば、1〜10マイクロメータとすることができる。また、第2金属層36としては、例えば、Ni/Pd/Auなどの積層とすることができる。積層厚みとしては、例えば、Niを0.5〜2マイクロメータ、Pdを0.02〜0.15マイクロメータ、Auを0.001〜0.01マイクロメータ程度とすることができる。なお、リード凹部16には、半導体発光素子22から放出される光に晒される表面の少なくとも一部分に第1金属層34が設けられていればよいので、例えば、リード凹部16において、第1金属層34の下に、第2金属層36が設けられていてもよい。
【0015】
インナーリード12の厚みT2は、例えば、1.2ミリメータ、アウターリード10の厚みT1は、例えば、0.5ミリメータとすることができる。樹脂の材料としては、例えば、ナイロン系のポリフタルアミド(PPA)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0016】
また、半導体発光素子22としては450ナノメータ波長帯の発光波長を有する窒化物系半導体の発光層を備えた発光素子とする。さらに、第2樹脂26中には、例えば珪酸塩蛍光体(Me1−yEuSiO(Meは、Ba,Sr,Ca,Mgから選ばれる少なくとも一つの金属元素)が分散される。この珪酸塩は黄色蛍光体を構成するので、半導体発光素子22からの450ナノメータ帯の光がピーク波長である575ナノメータ近傍である黄色光へ波長変換される。
【0017】
なお、本明細書において、「窒化物系半導体」とは、BInGaAl1−x−y−zN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z≦1)なる組成式において、組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させたすべての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むものや、導電型などを制御するために添加される各種のドーパントのいずれかをさらに含むものも、「窒化物系半導体」に含まれるものとする。
【0018】
半導体発光素子22は、活性層に近い側がリード凹部16の表面に接着される、いわゆるアップサイドダウン構造を用いることができる。このようにすると、活性層からの放射光にリード凹部16の側面または底面に向かって放射されるのでこれを効率よく反射することにより、高い外部光取り出し効率を実現することができる。
【0019】
このように、高い光取り出し効率を実現するためにはパッケージ内部に向かう光を効率よく外部に向けて反射することが重要である。光を反射させるリフレクタとして利用できるのは、リード凹部16の側面、リード凹部16の半導体発光素子22が接着されていない底面、第1樹脂18における凹部28の傾斜側面がある。
【0020】
このうち、リード凹部16の側面および底面はインナーリード12にプレスなどにより形成される。従って、より高い反射率を得るためには表面の平滑度及び金属層の材質が重要となる。この場合、表面を鏡面に加工することが好ましい。
【0021】
また、金属層の反射率は、波長や材質に依存する。
図3は、反射率の波長依存性を表わすグラフ図である。
リード表面にメッキなどで設けることが比較的容易な金属薄膜として、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)などがある。これら金属薄膜の場合、金属粒子の大きさ、形状などによっても反射率は異なるが、表面を鏡面としたときの標準的薄膜の反射率実測値の例を図3に表わした。金属薄膜の反射率(%)を縦軸に、測定波長(μm)を横軸に表わした。本具体例においては、半導体発光素子からの放射光および蛍光体からの変換光の波長に対する反射率を知ることが必要となる。
【0022】
白色半導体発光装置への応用を考慮するときに、青色半導体発光素子の波長450ナノメータと、黄色蛍光体による波長変換光575ナノメータにおける反射率を高く維持することが必要である。例えばAgの反射率は90〜92%と高いので、好ましい。一方、Auにおいては48〜74%であり、Pdにおいては55〜60%と、共に低い。この結果、Au,Pd,Ptなどにおいては放射光を充分には反射できず、光取り出し効率を低下させる。
【0023】
Alの反射率は90〜92%と高い。但し、Alは、リードを構成する材料上にメッキ薄膜を形成することが困難である。従って、Alを用いる場合には、リフレクタ全体をAl材料で構成したほうが好ましい。
【0024】
以上のように、インナーリード12に設けられたリード凹部16の表面にAgを部分メッキすることにより90%以上の反射率が実現できる。高反射された青色光と黄色光の合成により所望の白色光が得られる。
図4は、CIE(Commission International de I‘Eclairage:国際照明委員会)規格による色度図である。座標(0.15、0.03)で表わされる青色光と、座標(0.48、0.505)で表わされる黄色光とを結ぶ直線M近傍で表わされる白色光が得られることを表わしている。なお、半導体発光素子の放射光の波長と、蛍光体による波長変換光との組み合わせを多様に選択できることが、このCIE色度図から理解できる。ここでA,B,D65は標準光を表わす。
【0025】
以上説明したように、Ag層により反射率を改善できるが、本発明者の検討の結果、リードの全体をAg層で被覆すると問題が生ずることが判明した。以下、この問題について説明する。
すなわち、Ag薄膜は、マイグレーションを生じやすく、酸化や硫化しやすい。ここで、Ag粒子がイオン化し移動する現象をマイグレーションと呼ぶこととする。この現象は、電圧印加、高湿、狭い間隔において、より加速される。
【0026】
図5は、Agのマイグレーションによって生じたブリッジ70による短絡を表わした模式平面図である。
半導体発光装置の場合、アノード−カソード間に、3〜5ボルトの電圧を印加する必要がある。従って、マイグレーションによるアノード−カソード間短絡を防止するためには、両電極間の距離Gを接近させすぎないことが好ましい。また、半導体発光素子を接着する電極表面にはAgメッキを施し、これと対向する電極にはAgメッキを施さないことが好ましい。
【0027】
さらに、Agは酸化や硫化されやすい。つまり、Agをリードの外装メッキ(外部に露出する部分のメッキ)とした場合、錆などが発生しやすいという問題がある。この点からも、直接空気にさらされるリード表面にはAg以外の金属層を設けるようにすれば酸化を抑制できる。
またさらに、例えば、Agを外装メッキした半導体発光装置をレーザ溶接法などで実装しようとした場合、高反射率を有するAgメッキ面でレーザが反射されてしまい、効率のよい溶接が困難となるという問題もある。この点からも、リード外装面には、Ag以外の金属層を設けることが有利となる。このようにすると、リードのレーザ溶接も容易となるので実装工程の合理化が可能となる。
【0028】
次に、パッケージに関してさらに詳細に説明をする。
図6はリードフレーム30状態におけるパッケージを表わす模式平面図であり、図7はその模式断面図である。
インナーリード12に設けられたリード凹部16の表面にはAgメッキなどによる第1金属層34が設けられている。インナーリード12と対向する第2リード20の表面にもAgメッキが部分的に施されてもよいが、マイグレーション防止のためには無いほうが好ましい。さらに、第1リード14及び第2リード20の表面には、例えばPdメッキなどの第2金属層36が設けられている。
【0029】
図6に例示されるように、このパッケージは多数個連結されてリードフレーム30状とされているので、凹部16の内部表面への部分メッキ工程は容易である。リード凹部16の表面の反射率が450〜575ナノメータの波長帯において低下が少なく、他の部分の反射率より高く保たれていれば、AgとPd以外の組み合わせでも良い。
【0030】
なお、第1具体例においては、図6、図7に例示されたフレーム上に、例えば融点が約280℃であるAuSn共晶半田を用いて半導体発光素子を接着することができる。AuSn共晶半田は導電性接着剤に比較して高温で接着され、高温動作に対してより高信頼性が維持できる。また、半導体発光素子22がリード凹部16の高さ以下であれば、上部を金型でカバーできるので第1樹脂18のインサート成形を半導体発光素子の接着後に行うことができる。この場合、樹脂成形の温度が、半導体発光素子の接着温度より高いことはないので、半導体発光素子及び樹脂の信頼性が確保できる。
【0031】
また、リードフレーム30状態で多数個連結されたパッケージに第1樹脂18がインサート成形なされた後に、半導体発光素子を接着しても良い。
図8は、第1樹脂18がインサート成形された後のリードフレーム30を表わす模式平面図であり、図9は、その模式断面図である。この場合、第1樹脂18のインサート成形温度より低温で接着できる導電性接着剤を用いることが好ましい。
【0032】
図10は、AuSn共晶半田により接着された第1具体例の白色半導体発光装置の軸上光度−順電流特性の一例を表わすグラフ図である。実線は、リード凹部16をAgメッキした本具体例を表わし、破線はリード凹部16をPdメッキした比較例である。いずれも、周囲温度Ta=25℃における実測値を表わしている。順電流500ミリアンペアにおいて、Agメッキである本具体例においては、軸上光度が約23000ミリカンデラ(mcd)であるのに対し、Pdメッキである比較例においては約16300ミリカンデラ(mcd)にとどまっている。これは、450〜575ナノメータ波長帯の反射率に対応しているためと考えられる。
【0033】
図11(a)は、本具体例の指向特性の実測値を表わすグラフ図であり、図11(b)は、指向特性が半導体発光素子22の中心を通るAA’に沿った垂直面内において測定されることを表わす模式図である。指向特性は、この垂直面内において、垂直軸となす角に対する光度相対値により図11(a)のように表わされる。光度相対値が50%となる半値全角θは、約110度であり、高反射率であるリード凹部16によって指向特性の制御性が良いことを表わしている。
【0034】
次に、本発明の第2具体例にかかる半導体発光装置について説明する。
図12は、第2具体例を表わす模式平面図であり、図13は、その模式断面図である。図1及び図2に関して前述したものと同様の構成要素には同一番号を付して、詳細な説明を省略する。
第1具体例と同様に、半導体発光素子22は波長帯が450ナノメータ近傍の窒化物系素子であり、第2樹脂26中には珪酸塩からなる黄色蛍光体が分散配置されている。第1リード31及び第2リード32は、例えば、熱可塑性樹脂のような第1樹脂18などによりインサート成形されている。半導体発光素子22は、第1リード31の上に、例えばAgペーストなどの導電性接着剤を用いて250℃以下で接着され、電極のひとつが第2リード32へボンディングワイヤ24により接続される。
【0035】
第2具体例において、第1リード31と第2リード32とはほぼ同一の肉厚を有している。そして、半導体発光素子22を、第1樹脂18に埋め込まれた第1リード31の平坦な表面上に250℃以下で接着することができる。この組立プロセスは、量産性に富む。
【0036】
第2具体例においては、第1樹脂18の凹部28の底面に露出し、半導体発光素子22から放出される光に晒される第1リード31の表面において、部分Agメッキ層のような第1金属層34を施すことにより、半導体発光素子22から放出される光に晒されない第2金属層36よりも反射率を高く保つことができて、光取り出し効率のよい白色半導体発光装置が実現できる。この場合、第1リード31のうちで、凹部28の底面に露出した部分以外の表面や、第2リード32の表面には、例えばPdメッキ層などからなる第2金属層36を被覆おくことができる。また、第1金属層34は、蛍光体による波長変換光に対しても、第2金属層36よりも高い反射率を有することがより好ましい。
【0037】
さらに、第1樹脂18にチタン酸カリウム粉末のような反射率の高い材料を混合させると凹部28の傾斜側面29における反射率を高めることができて、リフレクタとしての効果を持たせることができる。また、凹部28の傾斜側面29に反射率の高いAlのような金属蒸着膜を設けて反射率を高めることもできる。なお、第1具体例においても、傾斜側面29の反射率を高めることにより、光取り出し効率を上げることができる。
【0038】
次に、本発明の第3具体例にかかる半導体発光装置について説明する。
図14は、第3具体例の模式平面図であり、図15は、図14におけるDD´における模式部分断面立面図である。本具体例におけるパッケージは、セラミック基板を積層して焼結した構造である。この場合も、セラミックは多数個取りができるので、例えば、半導体発光装置を組み立て後、個々に分離することが可能である。図14及び図15は、分離後の半導体発光装置を表わす。
【0039】
半導体発光素子22が、ベースセラミック40上の第1導電部42表面に設けられたPdメッキ層などを含む第2金属層36の上に接着されている。半導体発光素子22上部に設けられたひとつの電極(図示せず)から、ベースセラミック40上の第2導電部44へボンディングワイヤ24が接続されている。スペーサセラミック46を介して、傾斜側面49を有する上部セラミック48が設けられている。なおここで、半導体発光素子22がマウントされた第1導電部42の一部が、図14に表したように、対向する第2導電部44に向けて突出しているのは、例えば、図示したものよりもサイズの大きな半導体発光素子でも、反射部の中心にマウントできるようにするためである。すなわち、図14に表したような第1導電部42のパターンを用いれば、幅広いサイズの半導体発光素子22を反射部の中央にマウントすることができ、汎用性の高いパッケージが得られる。
【0040】
上部セラミック48の傾斜側面49には、第3導電部50が設けられており、半導体発光素子22から放出される光に晒されるその表面には例えばAgメッキ層から成る第1金属層34が設けられている。こうすることにより、半導体発光素子22や、第2樹脂26中に分散されている蛍光体による波長変換光を高反射率で上方へ反射することができる。なお、後に説明するように、傾斜側面49における第3導電部50を側面導電部53により、半導体発光素子22のいずれかの電極と接続することもできる。
【0041】
次に、このパッケージの構造についてさらに詳細に説明する。
図16〜図19は、このパッケージを構成するセラミック部材を表わす模式図である。パッケージは多数個連結して形成されるので、境界線を破線で表わしてある。
図16は、ベースセラミック40の第1主面の平面図である。セラミック材料としては、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)などを用いることができる。第1導電部42、第2導電部44となる領域に、導電性厚膜が塗布される。この場合、側面導電部51、53,55にも導電性厚膜が塗布される。厚膜材料としてはモリブデン・マンガンなどの混合物を用いることができる。
【0042】
図17は、ベースセラミック40の第1主面とは反対側である第2主面を表わす模式図である。第1導電部42は、図16に例示された導電部42とベースセラミック40の角部の側面導電部51、51により電気的に接続されている。同様に、第2導電部44は、図16に例示された導電部44とベースセラミック40の角部の側面導電部53、55により電気的に接続されている。そして、表面に第1金属層34が設けられた第3導電部50が、側面導電部53を介して、図16及び図17に例示された第2導電部44へと接続できる。この結果、第3導電部50は半導体発光素子22のいずれかの電極と接続される。なお、図17に例示される導電部42、44は、外部実装基板などへ接続される。
【0043】
図18は、ベースセラミック40の第1主面と上部セラミック48との間に配置される第1開口部57を有するスペーサセラミック46を表わす模式平面図である。この材料にもAlN,Alなどが用いられる。なお、必要に応じて、4箇所の角部の側面導電部を設けることができる。
【0044】
図19は、上方に向かって拡開する傾斜側面49からなる第2開口部59を有する上部セラミック48である。放熱性には殆ど影響を与えないので、Alでも良いしAlNでも良い。傾斜側面49にはまず、導電性厚膜がメタライズ工程により形成され、スペーサセラミック46及びベースセラミック(導電性厚膜形成済み)40と高温で焼成される。このあと、外部に露出している導電性厚膜上に、Niメッキ、Pdメッキなどを行い第2金属層36とする。さらに、より高反射率としたい箇所に部分Agメッキを施すなどして第1金属層34とする。
【0045】
図20は、完成したパッケージを表わす模式平面図であり、図21は、その模式部分断面立面図であり、図22は、模式底面図である。Ag層などからなる第1金属層34、及びPdなどからなる第2金属層は、セラミック焼結後に、それぞれ部分メッキ工程などにより形成される。
【0046】
図20におけるように、半導体発光素子22から放出される光に晒される傾斜側面49にAgメッキなどの第1金属層34を設けると、第2金属層36よりも高反射とできる。この場合、第1金属層34の反射率は、半導体発光素子22の放射光波長において第2金属層36より高いことが好ましい。また、蛍光体からの波長変換光においてもより高いことが一層好ましい。このように第1金属層34をリフレクタとして作用させることにより、外部取り出し効率が改善できている。
【0047】
図23は、第3具体例における変形例の模式平面図である。なお、図14と同様の構成要素には同一番号を付して詳細な説明を省略する。半導体発光素子22が接着されている第1導電部42にも部分Agメッキ層である第1金属層34が設けられている。このために光はこの面でも反射されて、より高い光取り出し効率が得られる。
【0048】
以上の具体例において説明したように、半導体発光素子22からの放射光をリードまたはセラミック導電部の表面に設けられたより反射率の高い金属層により反射し、半導体発光素子及び蛍光体からの波長変換光を効率よく外部に取り出すことができる。この場合、高い反射率を有する金属がマイグレーションや酸化を生じることを抑制するために、他の部分にはこれらに対して耐性のある金属層が設けられる。この結果、白色光を含む半導体発光装置の光出力が改善されると共に、信頼性もより改善される。
【0049】
以上、図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明した。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、半導体発光素子からの放射光の波長は、450〜575ナノメータに限定されず、紫外光〜可視光にわたる波長であってよい。また、蛍光体も珪酸塩に限らず、酸化物、窒化物、YAGなどを含むものであっても良い。
【0050】
その他、半導体発光装置を構成する半導体発光素子、リード、蛍光体、樹脂、セラミックなどの各要素の形状、サイズ、材質、配置関係などに関して当業者が各種の設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を有する限りにおいて本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1具体例にかかる半導体発光装置の模式平面図である。
【図2】本発明の第1具体例にかかる半導体発光装置の模式断面図である。
【図3】金属薄膜の反射率の波長依存性を表わすグラフ図である。
【図4】本発明の第1具体例にかかる半導体発光装置のCIE色度図である。
【図5】マイグレーションを説明する模式図である。
【図6】第1具体例におけるリードフレームを表わす模式平面図である。
【図7】第1具体例におけるリードフレームを表わす模式断面図である。
【図8】第1具体例における樹脂成形されたパッケージを表わす模式平面図である。
【図9】第1具体例における樹脂成形されたパッケージを表わす模式断面図である。
【図10】第1具体例と比較例における軸上光度を表わすグラフ図である。
【図11】図11(a)は第1具体例における指向特性を表わすグラフ図であり、図11(b)は指向特性が測定される切断線を表わす模式平面図である。
【図12】本発明の第2具体例にかかる半導体発光装置の模式平面図である。
【図13】本発明の第2具体例にかかる半導体発光装置の模式断面図である。
【図14】本発明の第3具体例にかかる半導体発光装置の模式平面図である。
【図15】本発明の第3具体例にかかる半導体発光装置の模式断面図である。
【図16】第3具体例のパッケージを構成するベースセラミックの第1主面の模式平面図である。
【図17】第3具体例のパッケージを構成するベースセラミックの第2主面を表わす模式平面図である。
【図18】第3具体例のパッケージを構成するスペーサセラミックを表わす模式平面図である。
【図19】第3具体例のパッケージを構成する上部セラミックの模式平面図である。
【図20】第3具体例のパッケージの模式平面図である
【図21】第3具体例のパッケージの模式部分断面立面図である。
【図22】第3具体例のパッケージの模式底面図である。
【図23】第3具体例の変形例にかかる半導体発光装置の模式平面図である。
【符号の説明】
【0052】
14 第1リード、18 第1樹脂、20 第2リード、22 半導体発光素子、28 凹部、31 第1リード、32 第2リード、34 第1金属層、36 第2金属層、40 ベースセラミック、46 スペーサセラミック、48 上部セラミック、49 傾斜側面、51 側面導電部、53 側面導電部、55 側面導電部、57 第1開口部、59 第2開口部




 

 


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