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発明の名称 鉄道車両用電力変換装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−13223(P2007−13223A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−286994(P2006−286994)
出願日 平成18年10月20日(2006.10.20)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 橋本 隆 / 福田 和明
要約 課題
車両走行風を有効に利用し冷却性能の向上した小形軽量の鉄道車両用電力変換装置を提供する。

解決手段
鉄道車両の床下に設置される箱体7と、箱体7の下方に配置された冷却器1cとを有する鉄道車両用電力変換装置であって、冷却器1cの上面に半導体素子2が取り付けられ、冷却器1cの下面に車両の進行方向に沿う板状の放熱フィン6cが車両の進行方向と直交する方向に所定間隔で複数列形成されている。各放熱フィン6cは、前記鉄道車両の床下の艤装限界9の最下部に設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄道車両の床下に設けられた箱体と、
前記箱体の下方に配置され、上面に半導体素子が取り付けられ、下面に車両の進行方向に沿う板状の放熱フィンが車両の進行方向と直交する方向に所定間隔で複数列形成された冷却器とを有し、
前記放熱フィンが前記鉄道車両の床下の艤装限界最下部に設けられていることを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
【請求項2】
鉄道車両の床下に設置される車両駆動用電力変換装置に使われる冷却器を備えた鉄道車両用電力変換装置において、前記冷却器の放熱部は該電力変換装置の箱体の下方に配置され、前記冷却器の受熱部の内面に複数個の半導体素子を取り付け、その反対側の外面は大気へ熱放散する為の複数の放熱フィンが所定間隔で前記受熱部と一体に形成されており、各放熱フィンは平板状の板フィンで、ほぼ垂直方向の姿勢で車体床下の艤装限界内の最下部に車両進行方向に沿って並んでいて、該放熱フィンを備えた前記放熱部が車体中央よりも車体側方に寄せて配置され、前記箱体が車体中央に臨む側部と車体側方に臨む側部とを有し、前記冷却器の放熱部によって該電力変換装置の底面が構成されていることを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両床下に設置される鉄道車両用電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両床下に設置される車両駆動用の電力変換装置は、鉄道架線から入力される電力を半導体素子のスイッチングにより変換し、車両駆動用の電動機を制御するもので、半導体素子より発生する熱を効率良く外気へ逃がす為、電力変換装置の構成要素として半導体冷却装置は重要な役割をもつ。
【0003】
半導体冷却装置は、半導体素子とその周辺回路部品を収納し、冷却の手段として冷却器を有したもので、冷却器は半導体素子の取り付く受熱部分と装置外部ヘ排熱を行う放熱部とから成るが、鉄道車両床下に設置される車両駆動用では、冷却器の放熱部が車両床下の車両側方側となるよう設置され、自然冷却により放熱部から大気へ熱放散する方式をとることが多い。
【0004】
これは、放熱部の冷却を自然冷却として送風機を使用しないことで、機器のメンテナンス作業が不要となることを目的としており、車両側方側へ配置する理由は、車両床下へ排熱がこもることなく車両走行時の走行風を受けやすくすることを考慮したものである。
【0005】
具体的な構成を図を用いて説明する。
図23(a)〜(c)に従来装置を示す。図23(a)は従来装置を示す斜視図で車体に取り付いている状態を示す。図23(b)は図23(a)中のA23−A23線に沿う断面、つまり枕木長手方向の断面図である。図23(c)は図23(a)の水平方向の断面(装置平面図)である。
【0006】
冷却器1は複数個の半導体素子2が取り付く受熱部3と大気へ熱放散する放熱部4′とで構成される。半導体素子2とその周辺部品は汚損等の無い環境とする為、冷却器1の受熱部3の少なくとも半導体素子2の取り付く部分は装置の密閉部へ収納される必要がある。一方、放熱部4′は装置の開放部へ配置し効率良く大気へ熱放散する必要がある。
【0007】
さらに車両床下にこの排熱がこもり床下の配線、配管等を暖める事がないように、放熱部4′が車体側方側となるよう構成されている。
受熱部3から放熱部4′へ効率良く熱輸送する為、冷却器1は冷媒の相変化を利用したヒートパイプ方式が採用されることが多い。すなわち、受熱部3にはヒートパイプ5の一方の端部が埋め込まれ、もう一方側には多数枚の放熱フィン6が取り付けられる。ヒートパイプ5は受熱部3側が下方となるよう傾けて設置され、ヒートパイプ5内部に封入された冷媒は受熱部3側で半導体素子2から発生する熱により蒸発し、放熱フィン6側で凝縮して大気へ熱放散をおこなうことになる。凝縮した冷媒はヒートパイプ5内部を重力により受熱部3側へともどるサイクルをくりかえす。
【0008】
放熱フィン6は自然冷却により大気へ熱放散を行う為、地面に対しほぼ垂直に設置され、放熱フィン6間を上昇気流が通りやすくなっている。
ヒートパイプ5は放熱フィン6を貫通して接続されるのでほぼ水平となるが、前述の如く蒸発部側を若干下方に傾け、放熱フィン6側で凝縮した冷媒が受熱部3側へもどるようになっている。
【0009】
以上により構成される半導体冷却装置は電力変換装置の箱体7に、半導体素子実装部は箱体7の内部(密閉部)に、冷却器の放熱部4′は箱体7の外部(開放部)となるよう、受熱部3を境として取り付けられる。電力変換装置の箱体7は鉄道車両の車体8の床下に放熱部4′が車体側方側となる向きに艤装される。又車体床下には電力変換装置等の機器が艤装可能なスペースとして艤装限界9があり、冷却器1を含め装置はこの艤装限界9内に取り付けられることになる。艤装限界9は一般に下方コーナー部が面取りされた形となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
鉄道車両の床下に設置される半導体冷却装置では、車両走行時の走行風を大気側への熱放散効率向上に利用することが考えられるが、従来装置では放熱部4′が装置の車側側に設置されているにもかかわらず、多数枚の放熱フィン6が車体中央側(冷却器受熱部側)から車体側方側(冷却器先端側)へと所定のピッチで並んで取り付いており、走行風がはいりこむ奥側となる冷却器受熱部側の放熱フィン間には走行風がはいりこみにくい構造となっていた。
【0011】
つまり、冷却器の最も先端の放熱フィンには走行風があたるが、それより内側の冷却器根元側の放熱フィンには先端の放熱フィンにさえぎられて走行風がはいりこみにくく有効に走行風を利用できない欠点があった。
【0012】
冷却器がレール方向に複数個並ぶ場合は、特に車両進行方向後方側の冷却器では放熱部の根元側へ走行風が流れにくい構成である。
【0013】
また、冷却器内部に冷媒を封入し、気密接続をするので、気密度不良による冷媒漏れでの冷却器異常温度上昇が引き起こす素子破壊が起きないよう、冷却器には高い信頼性が要求される。
【0014】
さらに、冷媒には通常、水あるいはパーフロロカーボン系の冷媒が使用されるが、低温環境下での冷媒凍結による冷却不能、環境問題対応等の理由から、冷媒を不要とした冷却方式の適用が、冷却器構成の簡素化の点からも望ましい。
【0015】
本発明は上記問題点を解消し、車両走行風を有効に利用し冷却性能の向上した小形軽量の鉄道車両用電力変換装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明では鉄道車両の床下に設置される車両駆動用電力変換装置において、車両走行時の走行風を有効に冷却器部に取り入れ、冷却器放熱フィン間をこの走行風が流れるよう冷却器を構成したもので、冷媒の相変化を利用した熱輸送手段を使わずに、冷却器を部品種類、数の少ない簡略な冷却器とし信頼性向上、簡易な製造方法を可能にしたものである。
【0017】
請求項1に対応する鉄道車両用電力変換装置は、鉄道車両の床下に設けられた箱体と、前記箱体の下方に配置され、上面に半導体素子が取り付けられ、下面に車両の進行方向に沿う板状の放熱フィンが車両の進行方向と直交する方向に所定間隔で複数列形成された冷却器とを有し、前記放熱フィンが前記鉄道車両の床下の艤装限界最下部に設けられている。
【0018】
請求項2に対応する鉄道車両用電力変換装置は、冷却器の放熱部は該電力変換装置の箱体の下方に配置され、前記冷却器の受熱部の内面に複数個の半導体素子を取り付け、その反対側の外面は大気へ熱放散する為の複数の放熱フィンが所定間隔で前記受熱部と一体に形成されており、各放熱フィンは平板状の板フィンで、ほぼ垂直方向の姿勢で車体床下の艤装限界内の最下部に車両進行方向に沿って並んでいて、該放熱フィンを備えた前記放熱部が車体中央よりも車体側方に寄せて配置され、前記箱体が車体中央に臨む側部と車体側方に臨む側部とを有し、前記冷却器の放熱部によって該電力変換装置の底面が構成されている。
【発明の効果】
【0019】
車体床下の艤装限界内の最下方は地面に最も近く走行風が最も有効に活用できる。つまり走行風は、車両走行時、車両の周囲の空気が車両と相対的に動くことで車両及び、車両と一体になって運動する物(車両床下に設置された機器類)に対して流れるものであるが、静止している地面との間が最も空気が相対的に動くことになる。このため、放熱フィン間を車両走行時の地面との相対的な空気の動きによる走行風が流れ放熱フィンのフィン効率が向上する。
【0020】
このため本発明によれば車両走行時の走行風を有効に冷却器の冷却風として活用でき、装置の小形軽量化につながるだけでなく、装置の構成が簡素化され、部品種類、部品点数の少ない信頼性の向上した装置が実現できる。
又、冷媒を使わない冷却方式が採用できるので、冷媒封入のための特殊な製造技術が不要になり、冷媒の漏れ管理等、メンテナンスの向上にもつながる。さらに冷媒の凍結といった耐環境性を考慮することも無く、冷媒の及ぼす地球環境ヘの影響も皆無である。加えて材料の種類がへることで製品の廃棄の際も、問題になることなくリサイクル可能な製品が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施の形態)
(構成)
図1(a)に本発明の第1の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を示し、図1(b)に図1(a)中のA1−A1線に沿う断面図(半導体冷却器の縦断面図)を示す。
【0022】
冷却器1aは電力変換装置の箱体7に取り付けられ、その箱体7の内部側は密閉部、外部側は開放部となる。冷却器1aは半導体素子2の取り付く受熱部3aと放熱部4とからなり、放熱部4は多数枚(複数枚)の放熱フィン6aにより構成される。
【0023】
受熱部3aはその下方が車体中央側、その上方が車体側方側となるよう箱体7に対し傾いて取り付けられる。冷却フィン6aはほぼ平板状の板フィン形状で、多数枚が所定の間隔でほぼ水平に受熱部3aに接続された形で構成される。受熱部3aと放熱部4は金属材料により一体に成形されていてもよい。車体8に対しては放熱フィン6aが車体側方側となるよう配置され、艤装限界9内におさまるよう艤装される。
【0024】
本実施形態では、1個の冷却器1aにはインバータ回路1相分の半導体素子2が実装され、この冷却器1aが3個並んで3相のインバータ回路を構成する。車両の前後方向に3個並んだ冷却器1aの放熱部4は、互いに間隔をあけて並ぶよう受熱部3aの幅(レール長手方向の寸法)よりも放熱フィン6aの幅は小さく構成されている。
【0025】
(作用)
半導体素子2より発生する熱は受熱部3aを介して放熱フィン6aに熱伝導され、放熱フィン6aの表面から大気へと熱放散される。車両駆動用の電力変換装置では、当然、半導体素子2から熱が発生するのは車両走行時であり、車両停止時は半導体素子2は通電されないので損失を発生することはない。車両走行時は車両に対して走行風が車体床下に取り付けられた装置に対し流れる。つまり、周囲から空気が流れ込むことになる。走行風は、車両走行時、車両の周囲の空気が車両と相対的に動くことで車両及び、車両と一体になって運動する物(車両床下に設置された機器類)に対して、はたらくものである。
【0026】
この走行風は、車両走行時、放熱フィン6a間を流れることになり、放熱フィン6aの表面では空気流速が(自然対流のみの時と比較し)速くなり、熱伝達率が向上し放熱フィン6aの放熱性能が向上する。放熱フィン6aは水平な向きであるため、走行風はフィン6aの先端から根元側へはいりこんでくることが可能で、従来、ヒートパイプを使った冷却器では先端側の放熱フィンに遮られて根元側の放熱フィンには流れにくかった走行風が本実施形態では放熱フィンの向きが水平であることから根元側まで流れ込み放熱フィン6aの全域にわたって走行風を利用できる。
【0027】
又、車両が低速で走行時は、充分な走行風が得られず、放熱フィン6aから大気へは自然対流による放熱が支配的になる場合があるが、冷却器1aは相毎に分割して構成してあり、放熱フィン6aがとなりあう放熱フィン6aとの間に間隔を設けているので、この部分を自然対流時の上昇気流が通り、放熱フィン6aヘ空気が流れ込み自然対流による放熱を行うことが可能である。
【0028】
さらに、放熱フィン6aは上方の放熱フィンになるにしたがって、より車体側方側へ設置されており、自然対流による空気の流れは下方から上方へ向かう際に放熱フィン6aに沿って流れ、自然対流時の上昇気流に対しても放熱フィン6aは有効に大気へ熱放散可能である。
【0029】
(効果)
本実施形態によれば、車両走行時の走行風が有効に放熱フィン6a間を流れることでフィン効率が向上し、冷却器の小形化、高性能化が可能である。
フィン効率が向上することで、冷媒の相変化を利用した冷却器(放熱フィン全域を同一温度としてフィン効率を向上する)とする必要がなくなり、冷媒を使わない冷却器が可能となる。冷媒には耐凍結性が要求されたり、耐環境性が要求されたりするが、本実施形態の冷却器にはそういった問題が皆無となる。又、冷媒を封入する為の気密接続部分がなくなり、冷媒漏れの管理が不要となる。
冷却器構成部品は大幅に削減され、信頼性が向上する利点もある。
受熱部が傾斜して装置の箱体に取り付くことで、半導体素子の取り付く面を、垂直に取り付く場合と比較して広くとれ、半導体素子の実装スペースが充分とれることで、半導体素子の取付にも自由度の多い設計が可能である。
【0030】
(第2の実施の形態)
(構成)
図2(a)に本発明の第2の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を、図2(b)に図2(a)のA2−A2線に沿う断面図(半導体冷却器の縦断面図)を示す。
【0031】
本実施形態でも第1の実施形態と同様、放熱部4が車体側方側となるよう、冷却器1bが電力変換装置の箱体7に取り付けられ、受熱部3bの半導体素子2の取り付く内側の面の反対側の面(外面側)には多数枚の放熱フィン6bが設けられる。受熱部3bは本実施形態では垂直に箱体7に取り付けられ、これにほぼ平板状の板フィン形状の多数枚の放熱フィン6bが所定の間隔で水平に設けられている。放熱フィン6bは金属材料によって受熱部3bと一体に成形されていてもよい。
【0032】
本実施形態でも、1個の冷却器1bにはインバータ回路1相分の半導体素子2が実装され、この冷却器1bが3個並んで3相のインバータ回路を構成する。車両の前後方向に3個並んだ冷却器1bの放熱部4は、互いに間隔をあけて並ぶよう受熱部3bの幅(レール方向の寸法)よりも放熱フィン6bの幅は小さく構成されている。
【0033】
(作用)
半導体素子2から発生する熱は受熱部3bを介して放熱フィン6bに熱伝導により伝わり、第1の実施形態と同様、車両走行時の走行風が放熱フィン6b間を流れることで放熱フィン6bから大気への放熱性能が向上する。又、これも第1の実施形態と同様に、冷却器1bは相毎に分割して構成してあり、放熱フィン6bがとなりあう放熱フィン6bとの間に間隔を設けているので、この部分を自然対流時の上昇気流が通り、放熱フィン6bへ空気が流れ込み自然対流による放熱を行うことが可能であるので、車両の低速走行時で走行風が充分に得られない場合は、自然対流効果により放熱フィン6bから大気への熱放散が行われる。
【0034】
(効果)
第1の実施形態と同様、走行風を利用し、放熱フィン6bのフィン効率が向上することで、冷却器の小形化、高性能化が達成でき、冷媒を使わない冷却器が可能となる。
又、本実施形態では半導体素子の取り付く面は垂直で、箱体内部の密閉部は長方形断面のスペースが与えられることになり、この部分に収納される半導体素子周辺回路部品がデッドスペースの少ない効率のよい実装が可能である。
さらに冷却器の放熱フィンは受熱部に対して直角に設置されるので、冷却器自体の形状もシンプルで製造しやすい形状である。
【0035】
(第3の実施の形態)(請求項1,2に対応)
(構成)
図3(a)に本発明の第3の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を、図3(b)に図3(a)のA3−A3線に沿う断面図(半導体冷却器の縦断面図)を示す。
【0036】
本実施形態では冷却器1cの放熱部4は箱体7の下方に配置される。受熱部3cの片側(箱体7の内面側)に半導体素子2が取り付けられ、その反対の面(箱体7の外面側)に放熱フィン6cが受熱部3cに対し直角に多数枚設けられるのは第2の実施形態と同様である。放熱フィン6cは他の全ての実施形態と同様に放熱フィン6cは受熱部3cと一体に成形されているとよい。
【0037】
(作用)
車体床下の艤装限界9内の最下方は地面に最も近く走行風が最も有効に活用できる。つまり走行風は、車両走行時、車両の周囲の空気が車両と相対的に動くことで車両及び、車両と一体になって運動する物(車両床下に設置された機器類)に対して流れるものであるが、静止している地面との間が最も空気が相対的に動くことになる。
本実施形態では放熱フィン6c間を車両走行時の地面との相対的な空気の動きによる走行風が流れ放熱フィン6cのフィン効率が向上する。
【0038】
(効果)
走行風によるフィン効率の向上によって、冷却器の小形化、高性能化が可能になるが、走行風を最も得やすい艤装限界最下部にこの放熱部分があることで、その効果は前述の実施形態以上の効果がある。
【0039】
(第4の実施の形態)
図4(a)に本発明の第4の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を、図4(b)に半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態では、冷却器1dは第2の実施形態と同様に箱体7にとりつけられるが、冷却器1dの車体側方側の面には丸棒形状(ピンフィン)の放熱フィン6dが多数本、所定の間隔で受熱部3dに垂直に縦横に並んでいる。この場合、放熱フィン6dは地面に対してほぼ水平となる。
本実施形態では、放熱フィン6d間を水平方向、上下方向の何れにも空気が流れることが可能となり、走行風での冷却、車両低速走行時の自然対流何れの場合でも、放熱フィン6dは有効に放熱可能なフィン形状である。
【0040】
(第5の実施の形態)
図5(a)に本発明の第5の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を、図5(b)に半導体冷却器単体の斜視図を示す。
【0041】
本実施形態では多数の幅の狭い板状の放熱フィン6eが受熱部3eに垂直に所定の間隔で縦横に並んだ構成の冷却器1eが箱体7に取り付けられる。第4の実施形態同様、放熱フィン6e間を水平方向、上下方向の何れにも空気が流れることが可能で、走行風での冷却、車両低速走行時の自然対流何れの場合でも、放熱フィン6eは有効に放熱可能なフィン形状である。
【0042】
(第6の実施の形態)
図6(a)に本発明の第6の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を、図6(b)に半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態の冷却器1fは、幅の狭い板状のフィンをその途中で90度ひねることにより、放熱フィン6fを構成している。符号6f′はひねり部を示している。すなわち、受熱部3f側(根元側)は放熱フィン6fは垂直向きで、先端側は水平向きとなるよう多数の放熱フィン6fが所定の間隔で受熱部3fに取り付けられ、冷却器1fを構成している。
【0043】
本実施形態でも第4,5の実施形態と同様、走行風冷却、自然対流冷却の何れにも対応可能な冷却器としているが、特に走行風の流れやすい放熱フィン先端側ではフィンは水平方向で走行風の妨げとならぬ向きとし、自然対流はフィンの温度上昇により発生する上昇気流によるもので、発熱源に近いフィン根元側がより自然対流効果があることから、フィン根元は垂直方向のフィンの向きとし、自然対流効果を充分活かす構成としている。さらに放熱フィン6fの中間のひねり部分に空気が流れるとそのフィン曲面部分で乱流を促進する効果も得られる。
【0044】
(第7の実施の形態)
(構成)
図7(a)に本発明の第7の実施形態が適用される回路図を、図7(b)に本発明の第7の実施形態の半導体冷却器の断面図を示す。
本実施形態は、図7(a)に示すように、半導体素子2aが2個直列に接続され、その両端が電源の正極、負極に接続され、中間点が出力としてモータヘ接続される半導体スイッチング回路(1相分)が並列に3相接続されたインバータ回路からなる電力変換装置である。
【0045】
図7(b)に示すように、本実施形態では、車体8の床下に艤装される電力変換装置の箱体7に取り付く冷却器は上下2段に分かれて、車体側方側に放熱部がくるよう設置される。本実施形態では、半導体素子2aは対向する2面が電極面となる平形半導体素子で、この電極面を冷却器に押圧して冷却を行う。
【0046】
上側の冷却器1gの受熱部3gには電力変換回路の上アーム側の半導体素子2aが、下側の冷却器1hの受熱部3hには電力変換回路の下アーム側の半導体素子2aが押圧される。上アーム側の半導体素子2aは受熱部3gとの間に、熱伝導良好なセラミックス絶縁板10と導体11を挟んで押圧され、下アーム側の半導体素子2aはその負極側が受熱部3hに絶縁することなく直接押圧される。
【0047】
上側の冷却器1g、下側の冷却器1hとも受熱部3g、3hの車体側方側にはそれぞれ放熱フィン6g、6hが多数枚構成されるが、その大きさは上側の冷却器1gの放熱フィン6gの方が、下側の冷却器1hの放熱フィン6hよりも大きい。(放熱フィン高さが高い。又は放熱フィン枚数が多い。)
(作用)
上アーム側の半導体素子2aから発生する熱は導体11とセラミックス絶縁板10を介して冷却器1gの受熱部3gに熱伝導され、放熱フィン6gより大気ヘ熱放散され、下アーム側の半導体素子2aより発生する熱は直接、冷却器1hの受熱部3hに熱伝導され、放熱フィン6hより大気へ熱放散される。前述の実施形態と同様、走行風を利用し大気への熱放散が効率良く行われる。
【0048】
上アーム側の半導体素子2aと下アーム側の半導体素子2aとは許容される温度上昇値は同一であるが、下アーム側は冷却器1hと半導体素子2aとの間に介在するものがなく、冷却器1hに要求される放熱性能は、上アーム側の冷却器1gと比較し同一性能でなく低い性能でも許容される。
【0049】
そこで、下アーム側の放熱フィン6hは、上アーム側の放熱フィン6hと比較して、フィン高さを低く、又はフィン枚数を少なくする等の方法により放熱部4の小形化が可能となる。
一方、下アーム側の半導体素子2aの負極側は電力変換回路の最もマイナス側の電位、すなわちアース電位であり、本実施形態の(構成)で述べたように、冷却器1hに押圧するに際し、電気的絶縁の必要性が無く、半導体素子2aは直接、冷却器1hの受熱部3hに押圧でき、その受熱部3hは直接、箱体7へ取付可能である。(複数相の下アーム側の半導体素子を相互に絶縁することなく同一電位の冷却器にとりつけることも勿論可能である。)
上アーム側の半導体素子2aと冷却器1gの受熱部3gとの間では電気的絶縁を確保するためセラミックス絶縁板10が介在され、絶縁沿面距離を考慮して受熱部3g自体が、下アーム側の受熱部3hよりも大きくなる。(言い換えれば設置可能な放熱フィン枚数は上アーム側の冷却器のほうが多い)
さらに、艤装限界9と放熱フィン6g、6hとの関係を考えると、上アーム側の放熱フィン6gの方が配置上も上側に配置され、艤装限界9の下側のコーナー部との関係からフィン高さも上アーム側の放熱フィン6gの方が、下アーム側の放熱フィン6hよりもフィン高さが高くできる(車体側方側にのばせる)。
【0050】
前述のように、上アーム側と下アーム側とでは冷却器1g、1hに要求される放熱性能は異なり、上アーム側の方が下アーム側よりも高い放熱性能を有していることが必要で、構成上必然的に許容される冷却器の大きさと条件が合致する。又、車両低速走行時の走行風が不充分な条件下での冷却性能を考えても、上方側に位置する冷却器1gは少なからずその下方に位置する冷却器1hの排風温度上昇の影響をうけることからも上方の冷却器の方が大きく構成できることは望ましい。
【0051】
(効果)
車両走行時の走行風を有効に利用して冷却器の小形、高性能化が実現できることは、これまで述べてきた実施形態と同様であるが、本実施形態では、平形素子を使用した際の効率的な半導体素子の冷却器への設置方法を提供しており、半導体冷却装置全体の小形化、高性能化(むだのない構成)が可能となる。加えて、車体側方側(比較的、触手が予想される部位)はアース電位部品で構成されるので、製品安全上も好ましい。
【0052】
(第8の実施の形態)(請求項1,2に対応)
(構成)
図8(a)に本発明の第8の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を、図8(b)に図8(a)のA8―A8線に沿う断面図(半導体冷却器の縦断面図)を示す。
【0053】
本実施形態は、第7の実施形態と同様に、半導体素子2aは平形素子で、上アーム側と下アーム側とで冷却器を分割して構成するが、上アーム側、下アーム側両方共、半導体素子2aは電気的絶縁無しで直接、冷却器1i,1jの受熱部3i,3jに押圧される。
【0054】
下アーム側の半導体素子2aは、第7の実施形態で述べたと同じ理由からその負極側を直接冷却器1jの受熱部3jに押圧され、箱体7に対しては車体側方側にその放熱部4が配置されるよう冷却器1jが設置される。
一方、上アーム側の半導体素子2aも下アーム側と同様に、直接、冷却器1iの受熱部3iに押圧されるが、冷却器1iは箱体7に対しては、絶縁物12を介して絶縁取付され、放熱部4が下方となるよう箱体7の下部に設置される。又、下アーム側の半導体素子2aは、複数相を有する電力変換回路で全ての相において冷却器の電位はアース電位となり、同一の冷却器への集約が可能であり、上アーム側の半導体素子2aもその正極側を冷却器1iの受熱部3iへ押圧すれば、複数相において同一電位となり、冷却器の集約は可能であることは言うまでもない。
【0055】
(作用)
車両走行時の走行風が有効に活用できる部位である車体側方側と下方側とに冷却器1i,1jの放熱フィン6i,6jが設置されており、何れの冷却器でも放熱フィン間を走行風が流れることで有効に冷却可能であることはこれまで述べてきた実施形態と同様である。
【0056】
電気的絶縁に関しては、下アーム側の半導体素子2aについてはその冷却器側電位はアース電位であり、冷却器1jの放熱フィン6jが車体側方側に位置していることは、第7の実施形態と同様である。一方、上アーム側の半導体素子2aを直接、冷却器に押圧したことで、冷却器1iは電位をもつが、箱体7に対しては絶縁物12で絶縁取付されており、設置事故の心配はない。又、箱体7の下部に取り付くことで、触手の恐れのない車体下方側へ冷却器1iが配置することになるので、製品安全を配慮した製品となる。
【0057】
(効果)
車両走行時の走行風利用による冷却については、これまで述べてきた実施形態と同様の効果があるが、加えて、平形素子で構成する際の部品点数の削減(セラミックス絶縁板不要)、上アーム、下アーム両方の半導体素子の冷却器への直接取付による冷却器の小形化が可能である。さらに、箱体7内部で上アーム側、下アーム側の半導体素子が立体配置となり、電気的接続がより短い導体で接続可能になり、素子回りの立体インダクタンス実装が可能となる。
【0058】
(第9の実施の形態)
図9に本発明の第9の実施形態の半導体冷却器の断面図を示す。
【0059】
本実施形態は、冷却器1kの受熱部3kに半導体素子2が取り付けられ車体側方側に放熱部4がくるよう構成されているが、冷却器1kの放熱フィン6kは水平ではなく、その先端側が上方となるよう傾いて構成されている。
【0060】
車両走行時の走行風利用に加え、放熱フィン6k間の空気が放熱フィン表面に沿って上方、先端側へ流れやすくしていることで、自然冷却時の冷却効果を向上したものである。
【0061】
(第10の実施の形態)
図10に本発明の第10の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図を示す。
本実施形態は、冷却器1lを複数個並べて箱体7に設置したものであり、放熱フィン6lは板状のフィンを水平にある間隔で設置しているが、放熱フィン6lの先端側の幅は根元側(受熱部3l側)の幅よりも小さく、それぞれの冷却器1lの放熱フィン6l間に、車体側方へいくにしたがって広くなる間隔を設けたものである。
【0062】
この間隔部分により、車両低速時の充分な走行風が得られない状態での自然冷却効果を増しているのは、第1の実施形態で既に述べた通りであるが、加えて、走行風の放熱フィンへの取り込みに関しても隣り合う放熱フィン間の間隔が車体側方側ほど広くなっているので、冷却器の受熱部側、根元側の放熱フィン部分にまで走行風が入り込みやすいという利点がある。又、放熱フィンのフィン効率からも、先端側は根元側に比べて冷却に寄与する度合いは低く、その意味からも効率的なフィン形状となる。
【0063】
(第11の実施の形態)
図11に本発明の第11の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態は、冷却器1mの放熱フィン6mに穴13を設けた例である。
車両走行時の走行風利用に関しては、これまで述べてきた実施形態と同様の効果があり、受熱部3m側から伝わる熱を効果的に放熱できるが、加えて穴13を放熱フィン6mに設けたことで、放熱部4を自然対流時の上昇気流も通ることになり、車両低速走行時、走行風が充分得られない場合の性能低下を防止するものである。さらに、本実施形態では、上下に隣り合う放熱フィン6mで穴13の位置が同一ではなくずれていることから、上昇気流が放熱フィン6mの表面を流れながら上側へと流れていくので放熱フィン6mの放熱効果は向上する。
【0064】
(第12の実施の形態)
図12に本発明の第12の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態では、冷却器1nの放熱フィン6nに切り起こし14を設け、第11の実施形態と同様の自然対流時の冷却効果を向上したものである。切り起こし14は放熱フィンの一部分を一辺を残してくりぬき、その部分のみを放熱フィン6nに対し曲げたもので、本実施形態では、四角形の1辺を残してくりぬき、切り起こし14を構成している。
【0065】
半導体素子から発生する熱は当然、放熱フィン6nの根元側すなわち受熱部3n側から熱伝導によりフィン先端側へと熱輸送されるので、切り起こし14はフィン根元側の1辺を残し、フィン先端側を曲げるほうが放熱フィン6nの熱輸送上効率が良い。又、この切り起こし14により放熱フィン6nに設けられたくりぬき部分(穴14n)を空気が上昇することになるが、この空気の流れを遮らずに効率良くフィン表面を通るようにする為、切り起こし14は上方に90度以下の角度で曲げている。90度以下の角度としているのは、走行風がフィン根元側へ流れ込むことも考慮し、それに対して抵抗とならぬよう配慮したためである。
【0066】
本実施形態では第11の実施形態と同様、放熱フィン群を上下に空気が流れることが可能となり、自然冷却時の冷却性能も確保される。さらに切り起こし14は単なる穴と違って放熱面積が減少しないので、さらに冷却効果が向上するという利点がある。又、本実施形態では切り起こし14は放熱フィン6nの同一箇所に設けた例としているが、第11の実施形態と同様、上下に隣り合う放熱フィン6nで切り起こし14の位置を異なる位置として、上方に移動する空気を効率良くフィン表面を流れるような構成も可能である。
【0067】
(第13の実施の形態)
図13に本発明の第13の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態では、冷却器1oの放熱フィン6oに、受熱部3o寄りの根元側から先端へつながるスリット15を設けたものである。本実施形態でも、このスリット15の部分が第11の実施形態での穴13、第12の実施形態での切り起こし14のくりぬき部分の穴14nと同様、空気を上下方向に流す役目をもつことになり、自然冷却時での放熱性能の確保につながる。
【0068】
(第14の実施の形態)
図14に本発明の第14の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態の冷却器1pでは、第13の実施形態の構成に加えて、スリット15により分割される放熱フィン6pを受熱部3p寄りのスリット15の根元部分から部分的に曲げた形状とし、その曲げ角度は隣り合う分割された放熱フィン部分で異なる角度としている。この場合、第13の実施形態で説明した効果に加えて、放熱フィン6pの曲げにより角度の異なる分割されたフィン部分での乱流効果があり、さらに放熱性能は向上する。
【0069】
(第15の実施の形態)
図15に本発明の第15の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図を示す。
本実施形態では、冷却器1qの多数枚の放熱フィン6qの先端側を熱伝導良好な棒16(例えばアルミニウム合金あるいは銅などに代表される金属製丸棒)で接続することによって、放熱フィン6qの多数枚に対し温度上昇値を均一化する効果がある。
半導体素子から発生する熱は熱伝導により受熱部3qを介して放熱フィン6qに伝わる為、半導体素子の実装部分から遠い位置にある放熱フィン6qの冷却効果は少なくなるが、本実施形態によればその放熱フィン6qにもこの棒16により熱伝導が行われ冷却能力の向上が可能である。
【0070】
さらに多数枚の冷却フィン6qが先端側で棒16により互いに機械的に拘束しあうことで、放熱フィン群の剛性アップにつながり、車両走行時の振動条件に対し、機械的破壊等がなく、振動による騒音の発生を防止する働きもある。
【0071】
(第16の実施の形態)
図16(a)に本発明の第16の実施形態の半導体冷却器の縦断面図を示す。図16(b)に図16(a)のA16部分の詳細断面図を示す。
本実施形態では、冷却器1rは半導体素子2の取り付く受熱部3rとそれに多数枚の放熱フィン6rが先端側が上になるよう角度をつけて設けられるが、放熱フィン6rはその内部に空洞17をもっており、この空洞17の部分に冷媒18が封入される。つまりこの空洞17が冷媒18の流路となり、放熱フィン6rのそれぞれはヒートパイプ化されている。
【0072】
本実施形態によれば、冷媒18の相変化により熱が根元側から先端側へとつたわるのでフィン効率が向上し高性能の冷却器が可能である。放熱フィン6rは先端を上方に傾け、第9の実施形態で述べた効果をもつことはもちろん、放熱フィン6rの内、数枚のみを、この実施形態のようにヒートパイプ化し、第15の実施形態を適用し、先端側を棒で接続し、放熱フィン6r全体の放熱性能向上につなげることも可能である。(この時、先端側を接続する棒は第15の実施形態で述べた金属製丸棒以外にも、もちろん丸棒形状のヒートパイプでの構成も、もちろん可能である。)
(第17の実施の形態)
図17に本発明の第17の実施形態の半導体冷却器の縦断面図を示す。
本実施形態では、冷却器1sの受熱部3sは半導体素子2の実装される部分では厚みが大きく、半導体素子2から遠ざかるにつれて厚みがうすくなるよう、一様の厚みではない。もちろん、受熱部3sの半導体素子2の取り付く側の面は平面であり、放熱フィン6s側の面が平らでない構造で厚みをかえている。従ってフィン高さ同一の放熱フィン6sを多数枚つけると、放熱フィン6s先端部分は車体側方側への突き出し度合いが異なる。
【0073】
本実施形態では、半導体素子2を取り付ける受熱部3s部分の温度勾配を考慮し、放熱フィン6sのフィン効率を高めるよう半導体素子2から遠ざかった部位(半導体素子との温度勾配が大きく温度は低い)ではべース部分の厚みを薄くしてその部分に取り付く放熱フィン6sと半導体素子2の温度勾配を大きくすることなく効率的に冷却できる。加えて、平形形状の半導体素子を使う際は、冷却器に向かって押圧する為、冷却器には曲げ応力がかかるが、受熱部の厚みが半導体素子の押圧される中央部分が厚いことからたわみも軽減され、半導体素子の圧接力分布が一様になる利点ももつ。
【0074】
(第18の実施の形態)
図18に本発明の第18の実施形態の半導体冷却器の縦断面図を示す。
本実施形態では、冷却器1tの放熱フィン6tのフィン高さに関し、多数枚の放熱フィン6tの長さを互いに異ならせている。すなわち、半導体素子2の取り付く部分(受熱部3t側)の中心部分が最も長く、半導体素子2から離れた位置では短くしたもので、半導体素子2からの位置により放熱フィン6tは冷却へ寄与する度合いが異なるので、半導体素子2から遠い側に位置する放熱フィン6tは長さを短くして小形化したものである。
【0075】
冷却器全体として効率の良い構成が可能となるだけでなく、本実施形態でも、平形形状の半導体素子を使う際は、冷却器に向かって押圧する為、冷却器には曲げ応力がかかるが、この曲げに対して放熱フィンは梁の働きをすることになる。フィン高さが高いほど断面係数の大きい梁となり、最も曲げ力のかかる半導体素子中央部分で冷却器の剛性は高く、結果、たわみが軽減され、半導体素子の圧接力分布が一様になる利点ももつ。
【0076】
(第19の実施の形態)
図19(a)に本発明の第19の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す正面図を示し、図19(b)に図19(a)の左側面図を、図19(c)に図19(a)のB19−B19線に沿う断面図を示す。
【0077】
本実施形態では、冷却器1には保護カバ−19が冷却器1を覆うように取り付けられ、保護カバ−19には内外を通気可能とする多数の穴19aが設けられ、保護カバ−19の車体側方側となる面の内側には地面に垂直で冷却器側に傾けた板状の導風板20が設けられている。導風板20は保護カバ−19の内側、車両進行方向に対し中央付近に設けられ、中央部分が冷却器1側に凸となる形状に曲がった板状のものである。
【0078】
本実施形態は、導風板20を用いて、車両走行時の走行風を効果的に冷却器1側に取り入れるようにしたものである。
本実施形態によれば、車両の走行方向が何れの場合でも保護カバ−19に設けた導風板20の内側の面に沿って走行風が冷却器1側へ導かれ、走行風を風下側(装置の後部側)の冷却器1にも充分供給できる。
【0079】
(第20の実施の形態)
図20(a)に本発明の第20の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す正面図を示し、図20(b)に図20(a)のB20−B20線に沿う断面図を示す。
【0080】
本実施形態は、電力変換装置の車体側方側に複数個の冷却器1が配置される場合で、装置の箱体7の両端(進行方向に対し)に冷却器1を分けて取り付け、それぞれに、内外を通気可能とする多数の穴19aが設けられた保護カバ−19を取り付ける。保護カバ−19の車体側方側となる面の内側には装置の両端に位置する冷却器1の近くに、地面に垂直で冷却器1側に傾けた板状の導風板20aが設けられる。その傾ける方向は電力変換装置の両端側が車体中央側(放熱フィン部側)、電力変換装置の中央側が車体側方側となるように対称的な傾きとしている。(つまり、装置の端部に配置された冷却器1を向く方向に傾いている。)
車両走行時、走行風の最も得にくい最後部(車両が何れの方向にも走行することを考えると、当然、電力変換装置の両端部分となる)の冷却器1に、導風板20aが向くことで、何れの方向に車両が走行する場合も、走行風が進行方向最後部の冷却器にも供給される構成となり、走行風を有効に利用した冷却が可能である。
【0081】
(第21の実施の形態)
図21に本発明の第21の実施形態の電力変換装置の平面図方向の断面図を示す。
本実施形態は、横に並んだ複数個の冷却器の内中央の冷却器1uはその両端の隣り合う冷却器1よりも小さく(放熱フィンの高さが低く)、保護カバ−19の内側に設けられた導風板20の凸部にあわせ、中央部分の冷却器1uの放熱フィン高さが他の部分よりも小さくなるよう構成したものである。
【0082】
走行方向に対し、最も走行風の得にくい最後部にあたる冷却器1に、導風板20の向きがあっていることに加え、すぐ前に位置する冷却器が小さく(放熱フィンの高さが低く)、走行風が入りやすくなっていることから、より最後部での走行風冷却が効率的となる。
【0083】
(第22の実施の形態)
図22に本発明の第22の実施形態の半導体冷却器の縦断面図を示す。
本実施形態は、第2の実施形態で説明した構成と冷却器1bの放熱部4は同じ構成で、相違点は、半導体素子は平形の半導体素子2aを用いており、半導体素子2aと冷却器1bの受熱部3bとの間にはセラミックス絶縁板10、導体11を介して押圧する構成としている点(これも第7の実施形態で説明した構成)に加え、半導体素子2の反対側の面にこれまで述べてきた冷却器と比較すると小形の補助フィン21を取り付けた点である。
【0084】
平形形状の半導体素子を本発明の各実施形態それぞれに適用する場合、冷却器の構成上、半導体素子の一方の面を冷却器に押圧することになるので、片面冷却となる。
構成上も簡易であり、多くの利点をもつ冷却方式であるが、発生する熱に限度があるのは当然である。特に鉄道車両駆動用の電力変換装置ではその発生損失は一定では無く車両の走行により変わってくる。損失の変化に応じて、各部位の温度も変化するが、熱時定数によりその変化の応答は変わり、半導体素子の内部、及びその近傍では瞬時的な熱負荷に対して温度上昇してしまう。それを考慮して冷却器1bの所要性能が決まることになるが、瞬時的な温度上昇がおさえられれば、当然、冷却器1bの許容最高温度をあげることができ、冷却器の小形化につながる。
【0085】
そこで、本実施形態に示す補助フィン21を半導体素子のもう一方の面に取り付けることで、主冷却を行う冷却器1bと比べて、小形の冷却器でも、熱時定数が小さいことから、瞬時的な過負荷(ピーク損失)に対しては、主冷却フィンと同等以上に冷却能力をもっており、ピーク損失時の過渡的な素子温度上昇を抑制することが可能となる。ひいては、主冷却フィンの所用熱処理能力を軽減でき、冷却器の小形化、装置の小形化につながる。
【0086】
又、補助フィン21のフィンの向きは装置の箱体7内を循環する空気により冷却されるので、少なくとも上下に空気が流れるよう垂直な向きにはフィン溝22が設けられており、主冷却の為の冷却器1bとはフィンの向きは異なる。又、補助フィン21は通常アルミニウム又は銅製の熱伝導良好な金属をその材料とし、箱体内部であることから、電気的絶縁することなく直接半導体素子2aに押圧されるので、電極として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】(a)はこの発明の第1の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図1(a)のA1−A1線に沿う半導体冷却器の断面図。
【図2】(a)は第2の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図2(a)のA2−A2線に沿う半導体冷却器の断面図。
【図3】(a)は第3の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図3(a)のA3−A3に沿う半導体冷却器の断面図。
【図4】(a)は第4の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図4(a)の半導体冷却器単体の斜視図。
【図5】(a)は第5の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図5(a)の半導体冷却器単体の斜視図。
【図6】(a)は第6の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図6(a)の半導体冷却器単体の斜視図。
【図7】(a)は第7の実施形態の半導体冷却器の回路図。(b)は図7(a)の回路を備えた半導体冷却器の断面図。
【図8】(a)は第8の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。(b)は図8(a)のA8−A8線に沿う半導体冷却器の断面図。
【図9】第9の実施形態の半導体冷却器の断面図。
【図10】第10の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す斜視図。
【図11】第11の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図。
【図12】第12の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図。
【図13】第13の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図。
【図14】第14の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図。
【図15】第15の実施形態の半導体冷却器単体の斜視図。
【図16】(a)は第16の実施形態の半導体冷却器の断面図。(b)は図16(a)のA16で示す部位の詳細な断面図。
【図17】第17の実施形態の半導体冷却器の断面図。
【図18】第18の実施形態の半導体冷却器の断面図。
【図19】(a)は第19の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す正面図。(b)は図19(a)の側面図。(c)は図19(a)のB19−B19線に沿う断面図。
【図20】(a)は第20の実施形態の半導体冷却器が電力変換装置に組み込まれ車体床下に艤装された状態を示す正面図。(b)は図20(a)のB20−B20線に沿う断面図。
【図21】第21の実施形態の電力変換装置の水平方向の断面図。
【図22】第22の実施形態の半導体冷却器の断面図。
【図23】(a)は従来装置を示す斜視図。(b)は図23(a)のA23−A23線に沿う断面図。(c)は図23(a)の水平方向の断面図。
【符号の説明】
【0088】
1,1a〜1u…冷却器
2,2a…半導体素子
3,3a〜3t…受熱部
4…放熱部
5…ヒートパイプ
6a〜6t…放熱フィン
7…箱体
8…車体
9…艤装限界
10…セラッミックス絶縁板
11…導体
12…絶縁板
19…保護カバー
20…導風板
21…補助フィン




 

 


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