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発明の名称 超電導コイル装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−13095(P2007−13095A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−48625(P2006−48625)
出願日 平成18年2月24日(2006.2.24)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃
発明者 来栖 努 / 小野 通隆 / 野村 俊自 / 仙田 郁夫
要約 課題
多芯超電導線からなる超電導線を巻回して構成される超電導コイル装置において、大きな電流容量を有し、且つ、交流損失が小さな超電導コイル装置を安価に提供する。

解決手段
線径が1.2mmを超える多芯超電導線からなる超電導線2巻回して構成される超電導コイル装置1において、前記超電導線2の線径をD1とした時、前記超電導線2のツイストピッチが6D1乃至10D1の範囲内にあるようなモノリスの極細多芯超電導線を用いて超電導コイル1を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
超電導線を構成する超電導フィラメントのフィラメント径が10μm乃至20μmの範囲内にあり、且つ線径が1.2mmを超える多芯超電導線からなる超電導線を巻回して構成される超電導コイル装置において、前記超電導線の線径をD1とした時、前記超伝導線のツイストピッチが6D1乃至10D1の範囲内にあることを特徴とする超電導コイル装置。
【請求項2】
前記超電導線の周囲にエポキシ樹脂を含浸させたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
【請求項3】
前記超電導コイルの内部に、エポキシ樹脂よりも比熱の大きな材料を備えたことを特徴とする請求項2記載の超電導コイル装置。
【請求項4】
前記超電導線に沿うように並べて巻回された空洞部材と、前記空洞部材の中に封入された冷却媒体とを備えたことを特徴とする請求項2記載の超電導コイル装置。
【請求項5】
前記冷却媒体として、ヘリウム、窒素、ネオン、水素、アルゴンの内、少なくとも一種類のガスを封入したことを特徴とする請求項4記載の超電導コイル装置。
【請求項6】
前記空洞部材に繋がる冷却媒体通路を設け、この冷却媒体通路にバルブおよび安全弁の少なくともいずれか一方を接続したことを特徴とする請求項4記載の超電導コイル装置。
【請求項7】
コイル状に巻回され、複数のパンケーキ状に形成された多層状の超電導線と、前記超電導線の間に超電導線と交差するように全体としてループ状に形成された空洞部材と、前記超電導線と前記空洞部材との周囲にエポキシ樹脂を含侵させた事を特徴とする請求項1記載の超電導コイル装置。
【請求項8】
前記空洞部材がコイル状の前記超電導コイルの内周部内側と外周部外側との間を少なくとも2回以上連続して往復するように形成されたことを特徴とする請求項7記載の超電導コイル装置。
【請求項9】
前記空洞部材が絶縁物あるいは高抵抗材で形成されたことを特徴とする請求項4ないし8のいずれか一項に記載の超電導コイル装置。
【請求項10】
前記空洞部材の冷却媒体と接する部分を良熱伝導体で形成したことを特徴とする請求項4ないし8のいずれか一項に記載の超電導コイル装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導電力貯蔵装置、あるいは瞬時電圧低下補償装置等に用いられる極細多芯超電導線を用いた超電導コイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超電導電力貯蔵装置、あるいは瞬時電圧低下補償装置等は、極細多芯超電導線を巻回してコイルとし、このコイルに通電することにより磁場を発生させてエネルギーを貯えるようにしたものがある。
【0003】
超電導線の磁化は、磁場変化に対してヒステリシス特性をもつため、磁場変化下におかれた超電導線は発熱する。
この磁化のヒステリシス特性による発熱はヒステリシス損失と呼ばれ、交流損失の一部を成し、好ましくない。
【0004】
このヒステリシス損失を小さくする効果的な手段としては、超電導線材である超電導フィラメントの径を小さくすることが一般的であった。
極細多芯超電導線の場合、超電導フィラメント径を小さくする際に隣接フィラメント間隔まで小さくなり過ぎると、近接効果により超電導フィラメントを埋め込んでいるマトリクスを介して超電導フィラメントが結合してしまう恐れがある。
【0005】
このため、超電導フィラメント径を10μm程度以下よりも小さくする場合には、近接効果を生じにくいCuNi等の合金を超電導フィラメントの周囲に備えることが一般的に行われていた。
【0006】
また磁場変化下においては、超電導フィラメント間を磁束が貫くと、マトリクスを介して渦電流が流れて発熱する。この超電導フィラメントの結合による発熱は結合損失と呼ばれ、交流損失の一部を成し、これもまた好ましくない。
この結合損失を小さくするためには超電導線のツイスト(撚り)ピッチを小さくすることが一般的であった。
【0007】
ツイストピッチの限界は超電導フィラメントの線径の大きさと関係しており、用途に応じて選定される。
一般用途の極細多芯・銅マトリクスNbTi線の場合には線径の15倍程度以上のツイストピッチ、特に低損失化を求める場合には線径の10倍程度のツイストピッチ、交流用途では、後述のCuNi合金の併用と共に線径の5倍程度のツイストピッチが選定される場合が一般的である。
【0008】
更に結合損失を小さくしたい場合には、ツイストピッチを小さくすることに加えて、CuNi等の合金を超電導線の内部に配置して、マトリクスを介して超電導フィラメント間に流れる結合電流を素早く減衰させることが行われている(例えば特許文献1,2参照)。
【0009】
一方、超電導フィラメントの径を小さくしつつ、超電導線の線径を大きくすると、超電導フィラメントの組込本数が増加するため、製作上の理由から、実用的な超電導線においては、超電導線径と超電導フィラメント径の間には、おおまかには比例関係がある。
【0010】
このため、超電導線の電流容量を大きくとるために超電導線の線径を大きくすると、フィラメント径が大きくなるのと同時に、ツイストピッチも長くなるため、ヒステリシス損失と結合損失の両方が大きくなってしまう。
【0011】
一方、交流損失の低減とは別に、巻線部の除熱性能を向上させる対策をとることも実施されてきた。即ち、特許文献3に示すように、超電導線の周りにも冷却媒体である液体ヘリウムを存在させ、除熱性能を向上させる手段をとっていた。
【0012】
しかしながら、パルス的な電流変化を生じさせるためには、高電圧を印加する必要があり、絶縁性能の不良なガスヘリウムが発生するような超電導コイルは、高電圧に対しては適さない冷却法となる。
【0013】
従って、高速パルス通電が必要な場合には、ひたすら超電導線の低交流損失化を図ると同時に、超電導線を複数撚り合わせることで導体の電流容量を増し、同じエネルギーの出し入れをするのに、比較的低電圧で制御できるコイルを採用することが一般的であった。
【0014】
従って、大電流の通電が必要で、且つ、低交流損失化が必要な場合には、線径が1mm程度未満の超電導線を複数本束ねて集合化して、撚り線し、成型したものを用いることが一般的であった。
この成型撚線導体は一般にラザフォード導体と呼ばれている。
【0015】
また線径が1mm程度未満の超電導線を、複数本、撚り併せて、ステンレス製のコンジット内に納めたケーブル・イン・コンジット導体が用いられることもあった(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平4−137409号公報
【特許文献2】特開平7−111112号公報
【特許文献3】特公平6−038368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ケーブル・イン・コンジット導体やラザフォード導体等の集合導体では、複数本の超電導線の素線を束ねて撚るため、そのコスト、成型のコストが必要になり、導体コストが高くなってしまっていた。
また交流損失を見積もる場合においても、集合導体では、素線間の結合損失については、実際に製作してみないとわからないという側面があった。
【0017】
更に素線間の偏流や安定性について検討する必要があった。
これらの導体は必要な時のみ動作するエネルギー貯蔵装置においては、即ち、連続的なパルス運転を伴わないエネルギー貯蔵装置では、動作時のクエンチを避ける為のコイル設計を行なう為、待機時に過剰な性能を有するコイルを提供する事になる。
【0018】
本発明は以上の点に鑑みて、集合導体に比較して技術的な煩雑さが少なく、コストが安価なモノリスの超電導線を、大きな電流容量を有し、低交流損失化し、安価な超電導コイル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために請求項1に係る超電導コイル装置の発明は、超電導線を構成する超電導フィラメントのフィラメント径が10μm乃至20μmの範囲内にあり、外径が1.2mmを超える多芯超電導線からなる超電導線を巻回して構成される超電導コイル装置において、前記超電導線の線径をD1とした時、前記超伝導線のツイストピッチが6D1乃至10D1の範囲内にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の超電導コイル装置によれば、集合導体に比較して技術的な煩雑さが少なく、コストが安価なモノリスの超電導線を、大きな電流容量を有し、低交流損失化し、安価に製造しうることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る超電導コイル装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による超電導コイル装置を示す概略図である。
【0022】
本実施の形態に係る超電導コイル装置1は(a)図に示すように超電導線2を所定の寸法に巻回して構成される。
超電導線2は同じく(b)図に示すように、超電導フィラメント3とこの超電導フィラメント3を埋め込むマトリクス4とから構成されるモノリスの極細多芯超電導線である。
【0023】
超電導フィラメント3はNbTi、Nb3Sn、Nb3Al、MgB2、Bi2212のうち、いずれか一つの超電導材料からなる。
マトリクス4は銅、銅合金、アルミ、アルミ合金のいずれかを使用して構成される。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施の形態による超電導コイル装置を構成する超電導線を示す概略図である。
【0025】
超電導線2を構成する超電導フィラメント3のフィラメント径D3を10乃至20μmとしている。
超電導フィラメント3の形状は円径に限ることなく、等価的に10乃至20μmが実現されれば他の形状でもよい。
【0026】
本実施の形態においては、超電導線2の線径D1は1.2mmを超えることを特徴とし、また超電導線2のツイストピッチD2はツイストピッチの製造限界に近い超電導線2の線径D1の6倍乃至一般に低損失化の際に採用される10倍の間とし、超電導線2を構成する超電導フィラメント3のフィラメント径D3を10乃至20μmとしたことを特徴とする。
【0027】
超電導線2の形状は図1においては丸線としているが丸線だけに限定されず、線径D1が1.2mmを超える丸線の断面積と同等の断面積であれば(c)図に示すように平角形状であってもよいし、コーナー部に曲線部をもつ平角線であってもよい。
【0028】
また、本実施の形態では、超電導線として、線径D1が1.2mmを超し、且つ、ツイストピッチD2が線径D1の6乃至10倍となるモノリスの極細多芯超電導線を採用することで、比較的大きな電流容量を有し、且つ、交流損失が小さな超電導コイル装置を安価に実現することができる。
【0029】
このように、本実施の形態では、超電導フィラメント3のフィラメント径D3を極端に小さくすることなく、従来の一般的な範囲内から選択したことで、導体コストを抑えた安価な超電導コイル装置を実現することができる。
【0030】
図3は、本発明の第2の実施の形態による超電導コイル装置1を示す概略図である。なお、以下の実施の形態の説明において、前記第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0031】
本実施の形態においては(b)図に示すように、超電導線2の線径D1が1.2mmを超し、且つ、超電導線2の線径D1の6乃至10倍のツイストピッチD2を有するモノリスの超電導線を密巻にした後、その周囲にエポキシ樹脂5を含浸させている。
【0032】
含浸はコイル巻線後に真空雰囲気中で行ってもよいし、コイル巻線と同時に塗り込んでもよい。
また、必要に応じて、コイル内部を冷却するための図示しない冷却板をコイル内部に備えて、この冷却板も一体的にエポキシ樹脂で含浸していてもよい。
【0033】
このように、本実施の形態は、エポキシ樹脂を含浸した超電導コイル1を、線径D1が1.2mmを超し、且つ、線径D1の6乃至10倍のツイストピッチD2を有するモノリスの超電導線2で構成し、超電導線2を構成する超電導フィラメント3のフィラメント径D3を10乃至20μmとしたため、比較的大きな電流容量を有し、且つ、交流損失が小さな、エポキシ樹脂で含浸された超電導コイル装置を安価に実現することができる。
【0034】
図4は、本発明の第3の実施の形態による超電導コイル装置1を示す概略図である。
本実施の形態においては(b)図に示すように、超電導線2の線径D1が1.2mmを超し、超電導線2を構成する超電導フィラメント3のフィラメント径D3を10乃至20μmとし、且つ、超電導線2の線径D1の6乃至10倍のツイストピッチD2を有するモノリスの超電導線を密巻にした後、その周囲にエポキシ樹脂5を含浸させている。
【0035】
更に、超電導コイル1の内部に、超電導コイル1の運転温度範囲において、エポキシ樹脂5よりも比熱が大きな材料6を備えている。
材料6としては、ステンレス鋼、CuNiなどの金属材料であってもよいし、FRPなどの絶縁材料でもよい。
【0036】
また、材料6の形状や配置する位置は(c)図に示すように、帯状に形成、配置するなど任意でよい。
【0037】
このように、本実施の形態は、エポキシ樹脂を含浸した超電導コイル1を、線径D1.2mmを超し、且つ、線径D1の6乃至10倍のツイストピッチD2を有するモノリスの超電導線2で構成し、超電導線2を構成する超電導フィラメント3のフィラメント径D3を10乃至20μmとし、更に超電導コイル1の内部にエポキシ樹脂より比熱の大きな材料を備えるようにしたので、超電導コイル1内の熱容量が大きくなり、交流損失による温度上昇を抑制した超電導コイル装置を実現することができる。
この材料6は、超電導コイル1の剛性の補強材もしくは電気絶縁材を兼ねてもよい。
【0038】
図5は、本発明の第4の実施の形態による超電導コイル装置1を示す概略図で、図5(a)は要部切断断面図、図5(b)は図5(a)の矢印引出し部の要部拡大断面図である。
【0039】
図5に示すように、本実施の形態による超電導コイル装置1は、超電導線2の線径D1が1.2mmを超し、且つ、超電導線2の線径D1の6乃至10倍のツイストピッチD2を有するモノリスの超電導線を密巻にした後、この超電導素線2に沿うように空洞部材としてのステンレスパイプ7を巻回し、その周囲にエポキシ樹脂5を含浸させている。
前記ステンレスパイプ7の空洞7a内には冷却媒体としてのヘリウム8が封入されている。
【0040】
空洞部材としてのステンレスパイプ7はその材質としてステンレスに限ることなく、チタンパイプ、銅パイプ、銅合金パイプ、アルミパイプ、アルミ合金パイプ、FRPパイプ、セラミクスパイプ、または内部に熱容量の大きい冷却媒体を収容できるものであればよい。
【0041】
また、内部に充填された冷却媒体もヘリウムに限ることなく、ネオン、水素、窒素、アルゴンなどの内、超電導コイルを使用する温度領域で熱容量が大きくなるものを一つまたは複数混合して用いても良い。
【0042】
ステンレスパイプ7のパイプ外径は、例えば超電導線2の直径に等しく選定すれば良い。例えば、超電導線2を補強する目的でステンレス線を巻き込むコイルの場合、コイル構成材料の内、最も比熱が大きい部材がこのステンレス線になるが、本発明ではこのステンレス線の断面積の約半分を空洞とし、残部をステンレスパイプ材とし、この空洞7a中に極低温、例えばNbTiコイルの運転温度の4K付近でも比熱が非常に大きいヘリウム8を封入することで、超電導コイル装置1のパルス運転時の温度上昇を1/10以下に抑えることができる。
【0043】
なお、ヘリウム8は液体状態でも気体状態でも良く、圧力も大気圧以下でも2気圧以上の超臨界圧でもよい。また、前述したように空洞の形状も内外圧に耐えられる強度を持てば良くパイプ状に限定するものではない。
【0044】
図6は、本実施の形態に係る超電導コイル装置の効果を示す特性図である。
図6からわかるように、ステンレス線を断面積の50%をヘリウムで構成するステンレスパイプ7に置きかえる事で、40Kから60Kまでの温度上昇に対し約16倍の発熱を許容できることがわかる。
【0045】
このことは交流損失を伴うパルス運転時において、安価な超電導線、即ち交流損失の大きな超電導線を用いても、その発熱による温度上昇を小さく抑えることができ、結果として超電導コイル装置を安価に実現することができる。
【0046】
このように、本実施の形態は、交流損失を低減した高価な超電導線を用いることなく、一般的な直流用超電導線を使用できるようにするものであり導体コストを抑えた安価な超電導コイル装置を実現することができる。
【0047】
図7は、本発明の第5の実施の形態による超電導コイル装置を示す斜視図である。
本実施の形態では、超電導コイル装置1はコイル容器9内に収納され、液体ヘリウムなどの冷却媒体8中に浸漬され、40Kあるいは20Kあるいは77Kに冷却されている。
【0048】
この超電導コイル装置1の超電導線2に前述の空洞部材を配置し、この空洞部材に繋がる冷却媒体通路10a、10bのその片端あるいは両端にバルブ11、安全弁12のどちらか一方、あるいは両方を設け、ガスボンベ13から冷却媒体としてのヘリウムを供給することで、超電導コイルの運転条件、例えば、温度に適した冷却媒体を供給できると共に、常温で空洞に冷却媒体を封入する場合に比べ、空洞部材の強度を小さく設計でき、コイルの電流密度を向上させ使用でき、超伝導素線2の量を減らす事ができる。
【0049】
さらには、冷却された冷却媒体が空洞内に液体として存在する場合に、超電導コイルがクエンチした際、安全弁9の作用で空洞内圧力を規定値以下に抑えることができる。
【0050】
このように、本実施の形態では、空洞部材を内包した超電導コイル1の空洞部と室温部を配管によってつなぎ、室温空間からのガスの供給を可能にすると共に、緊急時の内圧上昇も制御できる構成としたため、電流密度が大きくかつ、安価な超電導コイル装置を得ることができる。
【0051】
図8は、本発明の第6の実施の形態による超電導コイル装置を示す分解斜視図である。
本実施の形態では、複数のパンケーキ状に巻回された多層状の超電導線2の間に、それぞれステンレスパイプ7等で形成された空洞部材を挟み込むように配置している。
【0052】
ステンレスパイプ7はコイル状の超電導コイル装置1の内周部内側と外周部外側との間を少なくとも2回以上連続して往復するように形成され、コイル状に巻回された超電導線に交差するように全体として星形のループ状に形成されている。
【0053】
さらにこれらのコイル状超電導コイル装置1とステンレスパイプ7とは何重にも積層された状態で、エポキシ樹脂で含浸包囲されている。
【0054】
これによりステンレスパイプ7の空洞長を短くできるとともに、空洞部材の両端が開放の場合にはコイル発熱時の圧力を小さく抑えることができる。
【0055】
また、ステンレスパイプ7の長手方向は加熱部と冷却部とが繰り返される為、空洞内部で流体振動が生じ、空洞内に冷却ガスの流れを発生させる事で冷却特性を向上させることができる。
【0056】
さらに図8に示すように、ステンレスパイプ7の両端をつなぎ管状に構成することで、超電導コイル周囲に蒸発ガスによる気泡の発生を抑制しコイルの耐電圧性能を向上させる。
【0057】
このように、本実施の形態では、空洞部材であるステンレスパイプ7をコイル状に巻回された超電導素線に交差するように配置することで、冷却性能および耐電圧性能を向上させることができ、交流損失による温度上昇を抑制した、安価な超電導コイル装置を得ることができる。
【0058】
なお、前記空洞部材は絶縁物あるいは高抵抗材で形成するようにしてもよく、また、空洞部材の冷却媒体と接する部分を良熱伝導体で構成するようにしてもよい。
【0059】
図9は、本発明の第7の実施の形態による超電導コイル装置を説明するための特性図である。
本実施の形態においては、超電導コイル装置をパルス運転が可能な装置に適用した場合の実施の形態であり、図5はその時の超電導コイル1に流れる電流が時間の経過と共に過渡的に変化したことを表す特性図である。
【0060】
電流の変化パターンは、図9に限定されずに、電流が変化しない時間を挟んで繰り返し変化してもよいし、直線状の電流変化だけではなく任意波形であってもよい。
【0061】
このように、本実施形態は、線径が1.2mmを超し、超電導線2を構成する超電導フィラメント3のフィラメント径D3を10乃至20μmとし、且つ、線径の6乃至10倍のツイストピッチを有するモノリスの超電導線で密巻含浸コイルを構成し、このコイルを用いて、パルス運転をする超電導コイル装置を構成したため、パルス運転が可能な安価な超電導コイル装置を実現することができる。
【0062】
なお、本発明による超電導コイル装置は、電力貯蔵用もしくは瞬時電圧低下補償用の用途以外にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る超電導コイル装置の第1の実施の形態を示す概略図で、(a)は超電導コイルの斜視図、(b)は超電導線の斜視図、(c)は超電導線の他の変形例を示す斜視図。
【図2】本発明に係る超電導コイル装置の第1の実施の形態を示す概略断面図。
【図3】本発明に係る超電導コイル装置の第2の実施の形態を示す概略図で、(a)は超電導コイルの斜視図、(b)は超電導線の断面図。
【図4】本発明に係る超電導コイル装置の第3の実施の形態を示す概略図で、(a)は超電導コイルの斜視図、(b)は超電導線の断面図、(c)は超電導線の他の変形例を示す断面図。
【図5】本発明に係る超電導コイル装置の第4の実施の形態を示す概略図で、(a)は超電導コイルの一部縦断斜視図、(b)は超電導線の断面図。
【図6】本発明係る超電導コイル装置の第4の実施の形態の効果を示す特製図。
【図7】本発明に係る超電導コイル装置の第5の実施の形態を示す概略断面図。
【図8】本発明に係る超電導コイル装置の第6の実施の形態を示す概略斜視図。
【図9】本発明に係る超電導コイル装置の第7の実施の形態を説明するための特性図。
【符号の説明】
【0064】
1…超電導コイル、2…超電導線、3…超電導フィラメント、4…マトリクス、D1…超電導線の線径、D2…超電導線のツイストピッチ、D3…超電導フィラメントのフィラメント径、5…エポキシレジン、6…エポキシレジンよりも比熱の大きな材料、7…ステンレスパイプ、7a…空洞、8…ヘリウム、9…コイル容器、10a、10b…冷却媒体通路、11…バルブ、12…安全弁、13…ガスボンベ。




 

 


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