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ドライエッチング方法 - 株式会社東芝
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発明の名称 ドライエッチング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12819(P2007−12819A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−190691(P2005−190691)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩
発明者 酒井 隆行
要約 課題
エッチング形状の悪化を抑制しつつエッチング速度を向上させる方法を提供する。

解決手段
反応処理室15内で、CF基を有する堆積性のガス26のプラズマと被加工物17のエッチング領域とが接触する工程と、この工程の後に、反応処理室15内で、エッチングガス24のプラズマと被加工物17のエッチング領域とが接触する工程と、この工程の後に、反応処理室15内で、堆積性のガス26のプラズマと被加工物17のエッチング領域とが接触する工程と、この工程の後に、反応処理室15内で、エッチングガス24のプラズマと被加工物17のエッチング領域とが接触する工程とを備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
反応処理室内で、CF基を有する堆積性のガスのプラズマと被加工物のエッチング領域とが接触する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記反応処理室内で、エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記反応処理室内で、前記堆積性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記反応処理室内で、前記エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第4の工程と、
を備えていることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項2】
前記堆積性のガスは環状C5F8(ペルフルオロシクロペンテン)または環状C4F6(ヘキサフルオロシクロブテン)であることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング方法。
【請求項3】
反応処理室内で、CO(一酸化炭素)ガス及びフッ化炭素系ガスからなる堆積性のガスのプラズマと被加工物のエッチング領域とが接触する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記反応処理室内で、エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記反応処理室内で、前記堆積性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記反応処理室内で、前記エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第4の工程と、
を備えていることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項4】
前記フッ化炭素系ガスは環状C4F8(八フッ化シクロブタン)であることを特徴とする請求項3に記載のドライエッチング方法。
【請求項5】
前記エッチング領域は、前記被加工物の表面に形成されたレジストマスクの開口部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のドライエッチング方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライエッチング方法、とりわけプラズマ源を用いた半導体基板等の被加工物のドライエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライエッチング技術は、半導体装置の製造において広く使用されている。半導体基板を用いたMEMS(Micro Electro Mechanical System)やマイクロマシニングの分野においても、重要な技術である。これらの分野では、半導体基板、特に、シリコン(以降、Siという)基板の表面に垂直な方向に深い穴や溝(以降、トレンチという)を形成する技術が必要とされている。例えば、Si基板中に幅数μm、深さ数10μmの垂直なトレンチの形成、あるいは、幅100μm以上で深さ方向に垂直に貫通した孔の形成等が求められる場合がある。
【0003】
トレンチを形成するために、プラズマ発生源を有する装置を用いて、反応処理室内で、エッチング性のガスであるSF6(六フッ化硫黄)と堆積性のガスであるC4F8(八フッ化シクロブタン)を交互に切り替えて、すなわち、エッチングによるトレンチ形成(エッチング工程)とこのエッチングされたトレンチの側壁保護膜形成(堆積工程)を交互に繰り返しながら、半導体基板を垂直方向にエッチングして行くドライエッチング方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。レジストマスク下に形成されたトレンチの側壁には、エッチング工程と堆積工程の繰り返しに対応した不連続な表面形状、すなわち、波状の凹凸が見られる。
【0004】
この開示された提案には、エッチング速度を上げる方法は示されていない。エッチング速度を高速化する方法として、例えば、エッチングガスのガス流量を増加させ、F(フッ素)ラジカル供給速度及び反応生成物除去速度を上げる方法が考えられる。
【0005】
しかしながら、エッチングガスのガス流量を増加させる場合、交互に切り替える堆積性のガスとのガス流量の差が大きくなると、ガス切り替え時に、圧力調整バルブが追従できず、圧力変動が生じ、プラズマが不安定になる現象が発生する。プラズマの不安定を避けるために、エッチング工程と堆積工程の切り替え時の圧力変化を小さくしようとして、堆積工程時のC4F8ガス流量を増加させると、トレンチの側壁の加工形状を良好に制御することが困難となる問題が発生する。
【特許文献1】特開2004−327606号公報 (第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、エッチング形状の悪化を抑制しつつエッチング速度を向上させる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のドライエッチング方法は、反応処理室内で、CF基を有する堆積性のガスのプラズマと被加工物のエッチング領域とが接触する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記反応処理室内で、エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第2の工程と、前記第2の工程の後に、前記反応処理室内で、前記堆積性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第3の工程と、前記第3の工程の後に、前記反応処理室内で、前記エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第4の工程とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別態様のドライエッチング方法は、反応処理室内で、CO(一酸化炭素)ガス及びフッ化炭素系ガスからなる堆積性のガスのプラズマと被加工物のエッチング領域とが接触する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記反応処理室内で、エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第2の工程と、前記第2の工程の後に、前記反応処理室内で、前記堆積性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第3の工程と、前記第3の工程の後に、前記反応処理室内で、前記エッチング性のガスのプラズマと前記エッチング領域とが接触する第4の工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エッチング形状の悪化を抑制しつつエッチング速度を向上させる方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。以下に示す図では、同一の構成要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1に係るドライエッチング方法について、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は被加工物のドライエッチングを実施するために使用されるドライエッチング装置を模式的に示す構成図、図2(a)はドライエッチング前のSi基板の模式的断面図、図2(b)はドライエッチング方法で形成されるトレンチの形状及び側壁に発生するアンダーカット量を模式的に示す断面図、図3は堆積性のガス流量に対するアンダーカット量を示す図、図4はエッチングガス流量に対するエッチング速度を示す図である。
【0012】
図1に示すように、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP)源を有するドライエッチング装置1は、プラズマ生成室11、及び、プラズマ生成室11に接続された反応処理室15を有する。プラズマ生成室11に高周波エネルギーを供給するアンテナ12がプラズマ生成室11の外周部に設置され、アンテナ12にはマッチング回路13を介して高周波電源14が接続されている。反応処理室15内に、被加工物17が載置される下部電極16を備え、下部電極16にはマッチング回路18を介して高周波電源19が接続されている。なお、プラズマ生成室11と反応処理室15は、明確に区別される必要は必ずしもない。誘導結合型プラズマ源は、高密度プラズマ(プラズマ密度10E11〜10E13cm−3程度)を発生することが可能な装置の1つである。
【0013】
また、ドライエッチング装置1は、プラズマ生成室11の上部にガス導入口21が設置され、ガス導入口21には、例えば、質量流量計(MFC)を含む流量制御装置23、25を介して、エッチング性のガス、すなわちエッチングガス24及び堆積性のガス26がそれぞれ接続されている。反応処理室15には圧力調整用のバルブ31を介してターボ分子ポンプ32が接続され、ターボ分子ポンプ32の排気側にはドライポンプ33が接続され、更に、ドライポンプ33の排気側は排ガス処理装置34に接続され、排ガス処理装置34の排気側は、排気ダクト(図示略)に接続された排気系を形成している。
【0014】
ドライエッチング装置1内のガスの流れを説明する。ボンベに格納されたエッチングガス24であるSF6(六フッ化硫黄)及びCF基を有する堆積性のガス26であるC5F8(ペルフルオロシクロペンテン)が、流量制御装置23、25で流量を制御されて、プラズマ生成室11に導入される。プラズマ生成室11で発生したSF6またはC5F8の高密度プラズマは、反応処理室15内の被加工物17を処理するために、下部電極16または排気系により被加工物17方向に移動させられて、被加工物17に接触して反応する。反応処理室15内の反応ガスまたは未反応ガスは、ターボ分子ポンプ32でドライポンプ33側に排気される。なお、プラズマ生成室11にはプラズマ発生のための、例えば、Ar(アルゴン)ガス(図示略)が同時に導入される場合もある。
【0015】
上述した構成のドライエッチング装置1を使用して、ドライエッチング方法の確立を検討した。被加工物17であるSi基板に所望のトレンチ形状を形成するために、図2(a)に示すように、Si基板51の表面のエッチング領域に開口部55を有するレジストマスク53を形成した。
【0016】
ドライエッチング装置1の反応処理室内において、図1に示す被加工物17の位置にSi基板51を載置した。第1及び第3の工程である保護膜を形成する工程(堆積工程)において、アンテナ12へ供給する高周波電力は1000W、反応処理室15内の圧力は50mtorr(6.7Pa)、及び、下部電極への供給電力は0Wとした。堆積性のC5F8ガスの流量は、変化パラメータである。また、第2及び第4の工程であるエッチングを行う工程(エッチング工程)において、アンテナ12へ供給する高周波電力は2500W、SF6ガス流量は1slm(1000sccm)、反応処理室15内の圧力は90mTorr(12Pa)、下部電極への供給電力は50Wとした。なお、SF6ガス流量は、1.2slmまでのエッチング速度(図示略)を確認後、設定された。
【0017】
この条件の下、堆積工程(例えば、2〜5秒程度)とエッチング工程(例えば、1〜2秒程度)とを1サイクルとして、所望のトレンチの深さ等に応じて複数サイクルを繰り返して、Si基板51のエッチングを行い、図2(b)に示すように、Si基板51に垂直方向にトレンチ57を形成した。
【0018】
図2(b)に示すように、トレンチ57の深さ方向、すなわち、Si基板51に垂直方向へのエッチングと共に、側壁に垂直な方向へのエッチングが起こり、レジストマスク53の開口部55の深さ方向の延長面とトレンチ57の側壁との差をアンダーカット量58として、トレンチ57の形状の評価に使用した。側壁57は、微視的には波状の凹凸が存在するが、アンダーカット量に比較して小さいので直線で示してある。
【0019】
アンダーカット量58のC5F8ガス流量依存性の結果を図3に示す。図3には、比較のため、ドライエッチング装置1において、従来用いられているC4F8(八フッ化シクロブタン)を、本実施例に用いたC5F8の代わりに導入して、トレンチを形成した結果と共に示す。
【0020】
図3に示すように、横軸は堆積性のガスの流量(sccm)、縦軸はアンダーカット量(μm)を示している。円及び破線で示したC5F8では、ガス流量が増加するにつれてアンダーカット量は単調に減少し、流量を1slmまで増加させてもアンダーカット量は増加していない。C5F8ガス流量を1slmとした時、アンダーカット量は約0.4μmである。一方、四角形及び実線で示した従来のC4F8では、ガス流量が100sccmから増加するにつれてアンダーカット量が減少し、300sccmから400sccmで最小を示し、さらに流量が増加するとアンダーカット量が増加して行く傾向にある。
【0021】
これらの結果は、従来の下記化1に示す分子構造を有するC4F8と比較して、次のように説明できる。まず、C4F8の場合は、ガス流量を増加させて行くと、保護膜形成に適切なCFラジカル量が増加して行き、トレンチ57の側壁への堆積量が増加しアンダーカット量を抑える効果が増加して行く。反応処理室15内の圧力を一定に保ちながら、更に、ガス流量を増加させて行くと、ガスの反応処理室15内の滞在時間が減少し、C−C結合の解離に留まって、C−Fの解離が進まず(化1参照)、保護膜形成に適切なCFラジカルが減少し、保護膜形成に不適切なCF2ラジカルが増加して行く。その結果、トレンチ57の側壁への堆積量が減少し、アンダーカット量は再び増加して行くと考えられる。
【化1】


【0022】
一方、本実施例のC5F8の場合は、その分子構造の違いによって、解離の仕方が異なり、トレンチ形状に差が出ると考えられる。すなわち、下記化2に示すように、C5F8はCF2基及びCF基を3:2の割合で有しており、CFラジカルが生成され易い。そのために、C5F8ガス流量を増加させて行くと、初めはC4F8と同様にCFラジカルが急激に増加して行き、トレンチ57の側壁の保護効果が増加して行く。反応処理室15内の圧力を一定に保ちながら、更にガス流量を増加させ、プラズマ中の滞在時間が減少しても側壁の保護膜形成に適切なCFラジカル量の減少は起こらずに、わずかながら増加し続けると考えられる。その結果、C5F8ガス流量が1slmにおいても、アンダーカット量が約0.4μmと小さく抑えられる。
【化2】


【0023】
以上、説明したように、本実施例によれば、堆積性のガスとしてCF基を有する環状C5F8を使用することにより、C5F8ガス流量を約1slmに増加させても、従来に比較してアンダーカット量を小さく抑えることができる。一方、周知のエッチングガスSF6は、流量を増加させるとエッチング速度が上がる傾向にある。図4はSF6ガス流量に対するSi基板のエッチング速度の一例を示したもので、エッチング工程においてSF6ガス流量が増加するにしたがって、エッチング速度が増加して行くことを示している。従って、エッチングガスと堆積性のガスを切り替えた時に、プラズマが不安定にならない程度のガス流量差を維持しながら両ガス流量を増加(例えば、800〜1000sccm程度)させて設定し、交互に切り替えることにより、トレンチ形成のエッチング速度を高めて、且つアンダーカット量を小さく抑えることが可能となる。すなわち、C5F8を使用することにより、エッチング形状の悪化を抑制しつつエッチング速度を向上させる方法を提供することができる。
【0024】
また、本実施例のドライエッチング方法は、アンダーカット量を小さく抑えることができるので、トレンチの側壁方向への広がりを小さく抑えつつ、Si基板の表面から垂直方向に深いトレンチの形成が可能となり、半導体装置及びSi基板を用いたMEMSやマイクロマシニングの分野等において、適用範囲を一層広げることが可能となる。
【実施例2】
【0025】
本発明の実施例2に係るドライエッチング方法について、図5を参照しながら説明する。図5は堆積性のガス流量に対するアンダーカット量を示す図である。実施例1とは、堆積性のガスとしてC4F6を使用することが異なる。以下、実施例1と同一または対応構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略し、異なる構成部分について説明する。
【0026】
本実施例で使用するドライエッチング装置は、実施例1と同様な構成であり、図1に示した堆積性のガス26がC4F6(ヘキサフルオロシクロブテン)であることが異なっている。高周波電力、反応処理室15内の圧力及びSi基板51等は実施例1と同様である。
【0027】
図5には、C4F6ガス流量に対するアンダーカット量58を、実施例1で使用したC5F8及び従来から用いられているC4F8と比較できるように示してある。横軸及び縦軸は図3と同様である。
【0028】
図5に示すように、三角形及び点線で示したC4F6では、ガス流量が増加するにつれてアンダーカット量は単調に減少し、流量を1slmまで増加させてもアンダーカット量は増加していない。C4F6ガス流量を1slmとした時、アンダーカット量は約0.3μmである。実施例1で使用したC5F8のアンダーカット量と比較すると、ほとんど同じ傾向を示し、本実施例のC4F6を使用したアンダーカット量の方がわずかに小さい傾向にある。
【0029】
これは、本実施例のC4F6の分子構造によって説明できる。下記化3に示すように、C4F6はCF2基及びCF基を1:1の割合で有しており、CFラジカルが生成され易い。そのために、C4F6ガス流量を増加させて行くと、CFラジカルが急激に増加して行き、トレンチの側壁の保護効果が増加して行く。反応処理室15内の圧力を一定に保ちながら、更にガス流量を増加させ、プラズマ中の滞在時間が減少しても、側壁の保護膜形成に適切なCFラジカル量の減少は起こらずに、わずかながら増加し続けると考えられる。その結果、C4F6ガス流量が1slmにおいても、アンダーカット量が約0.3μmと小さく抑えられると考えられる。実施例1で使用したC5F8よりアンダーカット量が小さい理由は、C4F6の方がCF基の比率が高いためと推測できる。
【化3】


【0030】
上述したように、本実施例によれば、堆積性のガスとしてCF基を有する環状C4F6を使用することにより、実施例1と同様な効果を有し、その効果の他に、アンダーカット量を更に小さく抑えることが可能となる。
【実施例3】
【0031】
本発明の実施例3に係るドライエッチング方法について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6はSi基板のドライエッチングを実施するために使用されるドライエッチング装置を模式的に示す構成図、図7は堆積性のガスとして添加するCOガス流量に対するアンダーカット量を示す図である。実施例1とは、堆積性のガスとしてC4F8及び添加するCOガスを使用することが異なる。以下、実施例1と同一または対応構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略し、異なる構成部分について説明する。
【0032】
図6に示すように、ドライエッチング装置2は、実施例1のドライエッチング装置1に新しくCO(一酸化炭素)ガス28供給系が追加されている。ボンベに格納されたCOガス28は、流量制御装置27を介して、プラズマ生成室11の上部のガス導入口21に接続されている。また、ボンベに格納された堆積性のガス26として、C4F8が使用される。
【0033】
ドライエッチング装置2の高周波電力、反応処理室15の圧力及びアンダーカット量調査用のSi基板51等は実施例1と同様である。ドライエッチング装置2において、第1及び第3の工程である保護膜を形成する工程(堆積工程)において、環状フッ化炭素系ガスであるC4F8のガス流量を800sccmとし、COガスを添加した。第2及び第4の工程であるエッチングを行う工程(エッチング工程)は、実施例1と同様である。Si基板51のエッチングを行い、図2(b)と同様に、Si基板51にトレンチ57を形成した。
【0034】
C4F8ガス流量は、800sccm(図3参照)に固定してある。図7に、横軸をCOガスの流量(sccm)、縦軸をアンダーカット量(μm)として示すように、添加するCOガス流量が200sccmから600sccmへ増加するにつれてアンダーカット量は単調に減少する。COガス流量を600sccmとした時、アンダーカット量は約0.5μmである。COガスを流さない場合、図3に示すように、C4F8ガス流量が800sccmでは、アンダーカット量は約3μmであるので、COガスを添加することによりアンダーカット量を抑制することが可能となった。
【0035】
この結果は、従来のC4F8だけの場合と比較して、次のように説明できる。すなわち、C4F8を流量800sccmで流すと、CF2基が解離するために、側壁の保護膜形成に適切なCF基の比率が相対的に低くなっていた。しかしながら、COガスを添加することによって、プラズマ中でCOから保護膜形成に適切なCが解離し、Si基板表面でのC/F比率が上昇する。そのためにトレンチ57の側壁の保護膜が形成され易くなり、アンダーカット量が減少したものと考えられる。
【0036】
以上、説明したように、本実施例によれば、分子構造としてCF基を持たない環状C4F8を、COガスと同時に使用することにより、C4F8ガス流量を約800sccmに増加させても、従来に比較してアンダーカット量を小さく抑えることができる。一方、上述したように、エッチングガスは流量を増加させると、エッチング速度が上がる傾向にある。従って、エッチングガスとCOガスを加えた堆積性のガスとを切り替えた時に、プラズマが不安定にならない程度のガス流量差を維持しながら、堆積工程とエッチング工程とを交互に切り替えることにより、エッチング速度を高めて、且つアンダーカット量を小さく抑えることが可能となる。すなわち、COガスを加えたC4F8を使用することにより、エッチング形状の悪化を抑制しつつエッチング速度を向上させる方法を提供することができる。
【0037】
また、本実施例のドライエッチング方法は、従来から量産されているC4F8ガスを使用できるので、トレンチ形成のコストを抑制することが可能となる。そのため、半導体装置及びSi基板を用いたMEMSやマイクロマシニングの分野等において、適用範囲を一層広げることが可能となる。
【0038】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々、変形して実施することができる。
【0039】
例えば、実施例1及び2では、堆積性のガスとしてC5F8及びC4F6を用いたが、分子構造にCF基を持つ他のフッ化炭素系の化合物であっても同様の効果が得られるので、堆積性のガスとして代替することは可能である。
【0040】
また、実施例3では、堆積性のガスの主ガスとしてC4F8、添加ガスとしてCOを使用する例を示したが、堆積性のガスの主ガスとしてCF2基を持つ他のフッ化炭素系の化合物やCF基を持つC5F8またはC4F6等を用いて、添加ガスとしてCOを使用することは差し支えない。
【0041】
また、被加工物であるSi基板にトレンチを形成する例を示したが、Si基板の表面にポリシリコン膜、シリサイド膜、誘電体膜、あるいはSiGe等が形成されていても差し支えなく、被加工物が化合物半導体基板であっても差し支えない。
【0042】
また、ドライエッチング装置として、誘導結合型プラズマ(ICP)源を有する装置を使用する例を示したが、プラズマ源として、高密度プラズマを発生可能な他の電子サイクロトロン共鳴プラズマ、ヘリコン波励起プラズマ、マイクロ波励起表面波プラズマ等を使用することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1に係るドライエッチング方法を実施するために使用されるドライエッチング装置を模式的に示す構成図。
【図2】本発明の実施例1に係るドライエッチング方法で形成されるトレンチの形状及び側壁に発生するアンダーカット量を模式的に示す断面図。
【図3】本発明の実施例1に係るドライエッチング方法で使用する堆積性のガス流量に対するアンダーカット量を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係るドライエッチング方法で使用するエッチングガス流量に対するエッチング速度を示す図。
【図5】本発明の実施例2に係るドライエッチング方法で使用する堆積性のガス流量に対するアンダーカット量を示す図。
【図6】本発明の実施例3に係るドライエッチング方法を実施するために使用されるドライエッチング装置を模式的に示す構成図。
【図7】本発明の実施例3に係るドライエッチング方法において、堆積性のガスとして添加するCOガス流量に対するアンダーカット量を示す図。
【符号の説明】
【0044】
1、2 ドライエッチング装置
11 プラズマ生成室
12 アンテナ
13、18 マッチング回路
14、19 高周波電源
15 反応処理室
16 下部電極
17 被加工物
21 ガス導入口
23、25、27 流量制御装置
24 エッチングガス
26 堆積性のガス
28 COガス
31 バルブ
32 ターボ分子ポンプ
33 ドライポンプ
34 排ガス処理装置
51 Si基板
53 レジストマスク
55 開口部
57 トレンチ
58 アンダーカット量




 

 


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