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発明の名称 偏向ヨーク装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12446(P2007−12446A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−192002(P2005−192002)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 山崎 良二
要約 課題
消費電力の低減を図ることができるとともに、組立性、生産性が向上し、製造コストの低減を図ることが可能な偏向ヨーク装置を提供することにある。

解決手段
偏向ヨーク装置は、樹脂により成形されたほぼ円錐台状のコイルセパレータ33と、コイルセパレータの内面に沿って設けられた水平偏向コイル30bと、コイルセパレータの外面側にコイルセパレータと同軸的に配設されたほぼ円錐台状の磁性体コア34と、磁性体コアに巻装された垂直偏向コイル32bと、を有している。磁性体コアは、その内面からコイルセパレータ側に突出した突出部38を有している。コイルセパレータは、磁性体コアの突出部を収納する切欠き部40と、切欠き部を覆ったカバー部44とを有し、カバー部はコイルセパレータと一体に成形されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ほぼ円錐台状に成形されたコイルセパレータと、
前記コイルセパレータの内面に沿って設けられた水平偏向コイルと、
前記コイルセパレータの外面側に前記コイルセパレータと同軸的に配設されたほぼ円錐台状の磁性体コアと、
前記磁性体コアに巻装された垂直偏向コイルと、を備え、
前記磁性体コアは、その内面から前記コイルセパレータ側に突出した突出部を有し、
前記コイルセパレータは、前記磁性体コアの突出部を収納する切欠き部と、前記切欠き部を覆ったカバー部とを有し、前記カバー部は前記コイルセパレータと一体に成形されている偏向ヨーク装置。
【請求項2】
前記カバー部は、前記切欠き部に対応した形状を有する板状のカバー本体と、前記カバー本体とコイルセパレータとを連結しているとともに折曲げ可能な連結部とを一体に有している請求項1に記載の偏向ヨーク装置。
【請求項3】
前記磁性体コアの突出部および前記切欠き部は、前記コイルセパレータの中心軸と平行な方向に沿って延出し、前記カバー部の連結部は、前記切欠き部の長手方向の中間部で前記コイルセパレータに連結されている請求項2に記載の偏向ヨーク装置。
【請求項4】
前記磁性体コアの突出部および前記切欠き部は、前記コイルセパレータの中心軸と平行な方向に沿って延出し、前記カバー部の連結部は、前記切欠き部の長手方向の一端部で前記コイルセパレータに連結されている請求項2に記載の偏向ヨーク装置。
【請求項5】
前記磁性体コアの突出部および前記切欠き部は、前記コイルセパレータの中心軸と平行な方向に沿って延出し、前記カバー部の連結部は、前記切欠き部の長手方向の両端部で前記コイルセパレータに連結されている請求項2に記載の偏向ヨーク装置。
【請求項6】
前記カバー部のカバー本体は、前記磁性体コアの突出部に押圧され、前記コイルセパレータの内面から内側に突出した位置で前記切欠き部と対向している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の偏向ヨーク装置。
【請求項7】
前記コイルセパレータは、前記切欠き部の位置で分離された2つのセパレータハーフを組み合わせて構成され、各セパレータハーフは前記カバー部と一体に成形されている請求項1に記載の偏向ヨーク装置。
【請求項8】
ほぼ円錐台状に成形されたコイルセパレータと、前記コイルセパレータの内面側に設けられた水平偏向コイルと、前記コイルセパレータの外面側に前記コイルセパレータと同軸的に配設された円錐台状の磁性体コアと、前記磁性体コアに巻装された垂直偏向コイルと、前記磁性体コアは、その内面から前記コイルセパレータ側に突出した突出部を有し、前記コイルセパレータは、前記磁性体コアの突出部を収納する切欠き部と、前記切欠き部を覆ったカバー部とを有し、前記カバー部は前記コイルセパレータと一体に成形されている偏向ヨーク装置の製造方法において、
前記コイルセパレータおよびカバー部を樹脂により一体成形し、
前記コイルセパレータの内面に沿って水平偏向コイルを装着し、
垂直偏向コイルが巻装された磁性体コアを用意し、
前記コイルセパレータの外周側に前記磁性体コアを装着するとともに、前記磁性体コアの突出部により前記カバー部を押圧してコイルセパレータの内側に移動させ前記切欠き部を閉塞する偏向ヨーク装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、カラー受像管などの陰極線管装置に用いる偏向ヨーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陰極線管装置として、例えばカラー受像管は、ほぼ矩形状の有効部を有したガラス製パネルと、このパネルに連接されたガラス製ファンネルと、ファンネルの小径部に連接された円筒状のガラス製ネックとからなる真空外囲器を備えている。パネルの有効部内面には、青、緑、赤に発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体層、および黒色遮光層からなる蛍光体スクリーンが形成されているとともに、真空外囲器内には、この蛍光体スクリーンに対向して、多数の電子ビーム通過孔を有したシャドウマスクが配置されている。また、ネック内には3電子ビームを放出する電子銃が配設されているとともに、ネック外周からファンネルの外周面にかけて位置したヨーク装着部に偏向ヨーク装置が装着されている。
【0003】
上記構成のカラー受像管では、電子銃から放出された3電子ビームを偏向ヨーク装置の発生する水平、垂直偏向磁界により水平、垂直方向に偏向し、シャドウマスクを介して蛍光体スクリーンを水平、垂直走査することにより、カラー画像を表示する。
【0004】
偏向ヨーク装置は、合成樹脂等により成形されたほぼ円錐台状のコイルセパレータと、コイルセパレータの内側に設けられた一対の水平偏向コイルと、一対の垂直偏向コイルが巻装された磁性体コアと、を有し、磁性体コアはコイルセパレータの外周側に配置されている。偏向ヨーク装置は、垂直偏向コイルから発生する垂直偏向磁界および水平偏向コイルから発生する水平偏向磁界により、電子銃から放出された一列配置の3電子ビームを偏向し、画面全体にわたり、一列配置の3電子ビームを走査する(例えば、特許文献1)。
【0005】
上記のような陰極線管装置において、偏向ヨークが大きな電力消費源であり、陰極線管装置の消費電力低減に当たっては、この偏向ヨークの偏向電力を低減することが重要となる。偏向電力の低減には、偏向コイルを陰極線管のネックに近づけ、偏向磁界の作用空間を小さくし、電子ビームに対して偏向磁界が効率良く作用するようにすると良い。
【0006】
このような目的で、磁性体コアの内面にコイルセパレータ側へ突出した複数の突部を設け、この突部に重ねて磁性体コアに垂直偏向コイルを巻装することにより、垂直偏向コイルを陰極線管のネック側に接近させることが考えられる。
【特許文献1】特開平11−265668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のように、磁性体コアの内面にコイルセパレータ側へ突出した複数の突部を設けた場合、これらの突部が邪魔となって、磁性体コアをコイルセパレータに接近して配置することが困難となる。そのため、コイルセパレータ側には、磁性体コアの突部を逃がすための凹所を複数設ける必要がある。
【0008】
しなしながら、ほぼ円錐台形状のコイルセパレータの外面側に複数の凹所を設けた場合、コイルセパレータの成形時にアンダーカットができてしまい、製品の型抜きが困難となる。また、アンダーカット部を入れ子により成形することも考えられるが、この場合、コイルセパレータの壁部に解雇が形成されてしまう。このような開口は、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとを絶縁する上でコイルセパレータの沿面距離を減少させ、コイルセパレータの絶縁性を低下させる要因となる。
【0009】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、消費電力の低減を図ることができるとともに、組立性、生産性が向上し、製造コストの低減を図ることが可能な偏向ヨーク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、この発明に係る偏向ヨーク装置は、ほぼ円錐台状に成形されたコイルセパレータと、前記コイルセパレータの内面に沿って設けられた水平偏向コイルと、前記コイルセパレータの外面側に前記コイルセパレータと同軸的に配設されたほぼ円錐台状の磁性体コアと、前記磁性体コアに巻装された垂直偏向コイルと、を備え、前記磁性体コアは、その内面から前記コイルセパレータ側に突出した突出部を有し、前記コイルセパレータは、前記磁性体コアの突出部を収納する切欠き部と、前記切欠き部を覆ったカバー部とを有し、前記カバー部は前記コイルセパレータと一体に成形されている。
【0011】
この発明の他の態様に係る偏向ヨーク装置の製造方法は、ほぼ円錐台状に成形されたコイルセパレータと、前記コイルセパレータの内面側に設けられた水平偏向コイルと、前記コイルセパレータの外面側に前記コイルセパレータと同軸的に配設された円錐台状の磁性体コアと、前記磁性体コアに巻装された垂直偏向コイルと、前記磁性体コアは、その内面から前記コイルセパレータ側に突出した突出部を有し、前記コイルセパレータは、前記磁性体コアの突出部を収納する切欠き部と、前記切欠き部を覆ったカバー部とを有し、前記カバー部は前記コイルセパレータと一体に成形されている偏向ヨーク装置の製造方法であって、
前記コイルセパレータおよびカバー部を樹脂により一体成形し、前記コイルセパレータの内面に沿って水平偏向コイルを装着し、垂直偏向コイルが巻装された磁性体コアを用意し、前記コイルセパレータの外周側に前記磁性体コアを装着するとともに、前記磁性体コアの突出部により前記カバー部を押圧してコイルセパレータの内側に移動させ前記切欠き部を閉塞する。
【発明の効果】
【0012】
この発明の態様によれば、消費電力の低減を図ることができるとともに、組立性、生産性が向上し、製造コストの低減を図ることが可能な偏向ヨーク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面を参照しながら、この発明の第1の実施形態に係る偏向ヨーク装置を備えたカラー陰極線管装置について詳細に説明する。
図1に示すように、カラー陰極線管装置は真空外囲器10を備え、この真空外囲器は、周縁にスカート部2を有したほぼ矩形状のパネル1と、パネルのスカート部に連接されたファンネル4と、ファンネルの小径部に連接された円筒状のネック3と、を有している。パネル1の内面には赤、緑、青にそれぞれ発光する複数の蛍光体層、および遮光層を有した蛍光体スクリーン12が形成されている。ネック3からファンネル4にかけてその外周にはヨーク装着部が形成され、このヨーク装着部には偏向ヨーク装置14が装着されている。ネック内には、蛍光体スクリーンの蛍光体層に向けて3電子ビーム20R、20G、20Bを放出する電子銃16が配置されている。
【0014】
電子銃16と蛍光体スクリーン12との間でパネル1内側には、フレーム17に支持されているとともに色選別機能を有するシャドウマスク18が配設されている。このシャドウマスク18は、電子銃16から放出された電子ビーム20R、20G、20Bを整形し特定の色の蛍光体層にビームスポットを投影する。
【0015】
なお、上記真空外囲器10では、ネック3と同軸で蛍光体スクリーン12の中心を通って延びた軸を管軸Z、管軸と直交して延びた軸を水平軸(H軸)X、および管軸および水平軸と直交して延びた軸を垂直軸(V軸)Yとしている。
【0016】
上記構成のカラー陰極線管装置では、電子銃16から放出された3電子ビームを偏向ヨーク装置14から発生した磁界により水平軸および垂直軸方向に沿って偏向し、シャドウマスク18を介して、蛍光体スクリーン12を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表示する。
【0017】
図2ないし図5に示すように、偏向ヨーク装置14は、電子ビームを水平軸X方向に偏向するための磁界を発生する一対の水平偏向コイル30a、30bと、電子ビームを垂直軸Y方向に偏向するための磁界を発生する一対の垂直偏向コイル32a、32bと、を備えている。一対の水平偏向コイル30a、30bは、それぞれサドル型のコイルからなり、2つの水平偏向コイルを合わせてほぼ円錐台状をなしている。これらの水平偏向コイル30a、30bは、合成樹脂等によって形成されたコイルセパレータ33の内周面に沿って取り付けられている。コイルセパレータ33は、ほぼ円錐台状に形成されている。
【0018】
コイルセパレータ33の外周側には、磁性体、例えば、フェライトからなる円錐台状のコア34がコイルセパレータと同軸的に装着され、コイルセパレータの外周面を囲んでいる。一対の垂直偏向コイル32a、32bは、それぞれコア34にトロイダル巻きされている。水平偏向コイル30a、30bと垂直偏向コイル32a、32bとは、コイルセパレータ33によって互いに絶縁されている。
【0019】
図3ないし図5に示すように、コア34は、その中心軸を含む平面に沿って2分割されたコアハーフ34a、34bにより構成されている。2つのコアハーフ34a、34bは、固定片36によって互いに固定され、円錐台形状のコア34を構成している。垂直偏向コイル32aは一方のコアハーフ34aに巻装され、垂直偏向コイル32bは他方のコアハーフ34bに巻装されている。
【0020】
各コアハーフ34a、34bの内面には、その軸方向に沿って延びた複数の溝が形成され、垂直偏向コイル32a、32bは、それぞれ溝に収納された状態でコアハーフに巻き付けられている。また、各コアハーフ34a、34bは、円周方向のほぼ中央部において、内周面から中心に向かって突出した複数の突出部38を有している。これらの突出部38は、コアハーフの中心軸と平行な方向に沿って、コアハーフの小径端から大径端まで延びている。
【0021】
図3ないし図6に示すように、コイルセパレータ33は、その中心軸を含む水平面に沿って2分割されたセパレータハーフ33a、33bにより構成されている。2つのセパレータハーフ33a、33bは、互いにほぼ同一の形状および寸法に形成され、その端面同士を突き合わせて固定することにより、ほぼ円錐台形状のコイルセパレータ33を構成している。水平偏向コイル30aは一方のセパレータハーフ33aの内面に装着され、水平偏向コイル30bは他方のセパレータハーフ33bの内面に装着されている。
【0022】
各セパレータハーフ33a、33bの円周方向の両端部には、それぞれ切欠き部40が形成されている。各切欠き部40は、セパレータハーフの小径端部から大径端部に向かって延びているとともに、大径端部側に行くほど幅が広くなるように形成されている。2つのセパレータハーフ33a、33bを互いに固定した状態において、各セパレータハーフの一端部に形成された切欠き部40は他方のセパレータハーフの一端部に形成された切欠き部40と向い合い、開口部42を規定している。切欠き部40によって規定された2つの開口部42は、コア34の突出部38と対向して位置し、突出部38を収納している。
【0023】
セパレータハーフ33aにおいて、水平偏向コイル30aは、2つの切欠き部40の間に装着されている。同様に、セパレータハーフ33bにおいて、水平偏向コイル30bは、2つの切欠き部40の間に装着されている。図4に示すように、コイルセパレータ33の外周にコア34を装着した状態において、コア34の突出部38は、それぞれコイルセパレータ33の開口部42内に突出し、水平偏向コイル30a、30bの間に位置している。これにより、コア34の突出部38は、真空外囲器10のネック3が外周に接近して位置することができる。
【0024】
図3ないし図8に示すように、各セパレータハーフ33a、33bは、それぞれ切欠き部40を覆った2つのカバー部44を備えている。各カバー部44は、切欠き部40に対応した形状を有する細長い板状のカバー本体44aと、カバー本体とセパレータハーフ33a、33bとを連結しているとともに折曲げ可能な連結部44bとを有し、合成樹脂によりセパレータハーフと一体に成形されている。カバー部44の連結部44bは、切欠き部40の長手方向の中間部でセパレータハーフ33a、33bに連結されている。
【0025】
図4に示すように、コイルセパレータ33の外周にコア34を装着した状態において、各カバー部44のカバー本体44aは、コア34の突出部38に押圧され、コイルセパレータ33の内面から内側に突出した位置で切欠き部40と対向している。これにより、カバー本体44aは、切欠き部40を覆っている。カバー本体44aは、水平偏向コイル30a、30bと垂直偏向コイル32a、32bとを絶縁する上で、沿面距離を稼ぐことができる。
【0026】
次に、以上のように構成された偏向ヨーク装置14の製造方法について説明する。
まず、図6に示すように、それぞれカバー部44を一体に備えたセパレータハーフ33a、33bを合成樹脂により一体成形する。図7および図8(a)に示すように、図示しない金型を用いてセパレータハーフ33a、33bを成形した状態において、カバー部44は、セパレータハーフの外周面に対して径方向外側に延出して形成されている。そのため、アンダーカットを生じることなく、かつ、入れ子部材等を用いることなく、セパレータハーフ33a、33bおよびカバー部44を一体成形することが可能となる。
【0027】
続いて、セパレータハーフ33a、33bの内面側に、それぞれ水平偏向コイル30a、30bを装着する。図9に示すように、一対のセパレータハーフ33a、33bを互いに突き合わせて固定し、内面に水平偏向コイル30a、30bが装着されたコイルセパレータ33を形成する。
【0028】
また、垂直偏向コイル32aが巻装されたコアハーフ34aおよび垂直偏向コイル32bが巻装されたコアハーフ34bを用意する。次いで、図9に示すように、矢印C方向に沿ってコアハーフ34a、34bをコイルセパレータ33の両側からコイルセパレータ33の外周面に被せた後、コアハーフ34a、34bを固定片36によって互いに連結し、コア34を構成するとともに、コイルセパレータ33の外周面にコア34を固定する。
【0029】
この際、図8(b)、8(c)および図9に示すように、コアハーフ34a、34bの突出部38により、コイルセパレータ33の各カバー本体44aをコイルセパレータの中心軸に向かって押圧する。これにより、各カバー部44の連結部44bが弾性変形して折れ曲がり、カバー本体44aは、コイルセパレータ33の内面から内側に突出した位置に移動し、切欠き部40を覆った位置に保持される。
その後、コイルセパレータに種々の電子部品を取り付けるとともに、水平偏向コイル30a、30b、および垂直偏向コイル32a、32bを所望の電子部品と電気的に接続する。これにより、偏向ヨーク装置が製造される。
【0030】
以上のように構成されたカラー陰極線管装置の偏向ヨーク装置によれば、磁性体コア34の内面に複数の突出部38を設け、これらの突出部に重ねて垂直偏向コイルを巻装することにより、磁性体コアおよび垂直偏向コイルを陰極線管のネック側に接近させることができる。これにより、電子ビームを効率良く偏向することができ、偏向電力を低減し、消費電力の低減した偏向ヨーク装置を得ることが可能となる。
【0031】
また、コイルセパレータは、磁性体コアの突出部を受け入れる切欠き部を有しているとともに、この切欠き部を閉じるカバー部を有している。そのため、コイルセパレータと磁性体コアとを互いに接近して設けることができる。また、カバー部によって切欠き部を塞ぐことにより、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとの間の沿面距離を稼ぎ、これらのコイル間を確実に絶縁することができる。
【0032】
更に、カバー部は合成樹脂によりコイルセパレータと一体に成形され、コイルセパレータと共に1部品をなしている。そのため、カバー部を成形するための独立した金型を用いる必要がなく、製造コストの低減および生産性の向上を図ることができる。また、別パーツのカバー部を取り付ける作業が不要となり、一層の生産性向上を図ることができる。特に、本実施形態によれば、カバー部は、コイルセパレータにコアを装着する際、コアの突出部に押圧され切欠き部を覆い位置へ自動的に配置される。そのため、組立時、カバー部の位置調整が不要であり、組立性を向上することが可能となる。
以上のことから、組立性、生産性が向上し、製造コストの低減を図ることが可能な偏向ヨーク装置が得られる。
【0033】
次に、この発明の第2の実施形態に係る偏向ヨーク装置について説明する。
図10は、第2の実施形態に係る偏向ヨーク装置を一部破断して示している。第2の実施形態によれば、第1の実施形態に比較してカバー部の構成が相違している。すなわち、図10に示すように、第2の実施形態によれば、カバー部44は、コイルセパレータ33のセパレータハーフ33a、33bに形成された切欠き部40に対応した形状を有する細長い板状のカバー本体44aと、カバー本体とセパレータハーフ33a、33bとを連結しているとともに折曲げ可能な連結部44bとを有している。カバー本体44aおよび連結部44bは、合成樹脂によりセパレータハーフと一体に成形されている。連結部44bは、切欠き部40の長手方向の一端部でセパレータハーフ33a、33bに連結されている。ここでは、連結部44bは、切欠き部40の長手方向の端部の内、コイルセパレータ33の大径側に位置した端部で、セパレータハーフに連結されている。
【0034】
コイルセパレータ33の外周にコア34を装着した状態において、各カバー部44のカバー本体44aは、コア34の突出部38によりコイルセパレータ33の中心軸に向かって押圧される。これにより、各カバー部44の連結部44bが弾性変形して折れ曲がり、カバー本体44aは、矢印Dで示すように、コイルセパレータ33の内面から内側に突出した位置に移動され、切欠き部40を覆った位置に保持される。カバー本体44aは、水平偏向コイル30a、30bと垂直偏向コイル32a、32bとを絶縁する上で、沿面距離を稼ぐことができる。
【0035】
第2の実施形態において、偏向ヨーク装置14の他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略した。そして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、第2の実施形態において、各カバー部の連結部44bは、切欠き部40の長手方向の端部の内、コイルセパレータ33の小径側に位置した端部で、セパレータハーフに連結された構成としてもよい。
【0036】
次に、この発明の第3の実施形態に係る偏向ヨーク装置について説明する。
図11および図12は、第3の実施形態に係る偏向ヨーク装置およびコイルセパレータを示している。第3の実施形態によれば、第1の実施形態に比較してカバー部の構成が相違している。すなわち、第3の実施形態によれば、カバー部44は、セパレータハーフ33a、33bに形成された切欠き部40に対応した形状を有する細長い板状のカバー本体44aと、カバー本体とセパレータハーフとを連結しているとともに折曲げ可能な2つの連結部44bとを有している。カバー本体44aおよび連結部44bは、合成樹脂によりセパレータハーフと一体に成形されている。2つの連結部44bは、切欠き部40の長手方向の両端部でそれぞれセパレータハーフに連結されている。
【0037】
コイルセパレータ33の外周にコア34を装着した状態において、各カバー部44のカバー本体44aは、図12に矢印Eで示すように、コア34の突出部38によりコイルセパレータ33の中心軸に向かって押圧される。これにより、各カバー部44の連結部44bが弾性変形して折れ曲がり、カバー本体44aは、コイルセパレータ33の内面から内側に突出した位置に移動され、切欠き部40を覆った位置に保持される。カバー本体44aは、水平偏向コイル30a、30bと垂直偏向コイル32a、32bとを絶縁する上で、沿面距離を稼ぐことができる。
【0038】
第3の実施形態において、偏向ヨーク装置14の他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略した。そして、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、この発明の第1の実施形態に係る偏向ヨーク装置を備えたカラー陰極線管装置を一部破断して示す側面図。
【図2】上記偏向ヨーク装置を示す側面図。
【図3】上記偏向ヨーク装置の一部を破断して示す斜視図。
【図4】図2の線A−Aに沿った偏向ヨーク装置の断面図。
【図5】上記偏向ヨーク装置のコイルセパレータおよび磁性体コアを示す分解斜視図。
【図6】上記コイルセパレータのセパレータハーフを示す斜視図。
【図7】上記セパレータハーフのカバー部を示す側面図。
【図8】図7の線B−Bに沿ったカバー部の断面図。
【図9】図9は、上記偏向ヨーク装置の組立工程を示す図4に対応の断面図。
【図10】この発明の第2の実施形態に係る偏向ヨーク装置の一部を破断して示す斜視図。
【図11】この発明の第3の実施形態に係る偏向ヨーク装置の一部を破断して示す斜視図。
【図12】第3の実施形態に係る偏向ヨーク装置のセパレータハーフを示す側面図。
【符号の説明】
【0041】
10…真空外囲器、 14…偏向ヨーク、 30a、30b…水平偏向コイル、
32a、32b…垂直偏向コイル、 33…セパレータ、
33a、33b…セパレータハーフ、 34…コア、
34a、34b…コアハーフ、 38…突出部、 40…切欠き部、 42…開口部、
44…カバー部、 44a…カバー本体、 44b…連結部




 

 


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