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発明の名称 磁気抵抗素子及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5802(P2007−5802A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−170278(P2006−170278)
出願日 平成18年6月20日(2006.6.20)
代理人 【識別番号】100116182
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 照雄
発明者 シビア ラシド / 佐藤 勇武 / 森田 治幸
要約 課題
従来技術の非対称性問題を解決する。

解決手段
磁気抵抗センサの自由層を安定させるスタック内バイアスが提供される。より具体的には、自由層の上に提供された安定化層が傾斜した磁化を有する。この傾斜によって、自由層とピン層の間の中間層結合が減少し、従来技術のヒステリシス問題と非対称性問題が実質的に解消される。さらに、アニール温度差と磁界方向を使用するアニール方法を含む、スタック内バイアスの安定化層を傾斜させる方法を提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
磁気抵抗素子であって、
外部磁界に応じて調整可能な磁化を有する自由層と、
固定された磁化を有するピン層と、
前記ピン層と前記自由層の間に挟まれたスペーサと、
傾斜した磁化方向を有するとともに、前記スペーサと反対側の前記自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層とを含み、
側面硬質バイアス層を含まない磁気抵抗素子。
【請求項2】
前記安定化層が、単磁区構造における自由層を安定させる第1の成分と、前記ピン層と前記自由層の間の中間層結合を補償する第2の成分とを含む請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項3】
前記傾斜磁化方向の角度が、前記自由層の磁化方向から約180度の原点状態から15度〜75度である請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項4】
前記安定化層が、前記自由層の幅よりも大きな幅を有する請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項5】
前記スペーサが、絶縁体材料と導体材料のいずれかを含む請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項6】
前記スペーサが、前記自由層と前記ピン層の間に少なくとも1つの導電性ナノコンタクトを有する絶縁体マトリクスを含む請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導電性ナノコンタクトが、磁性体と非磁性体のいずれかである請求項6に記載の磁気抵抗素子。
【請求項8】
前記安定化層、前記スペーサ、前記ピン層および前記自由層の側面に配置された側面シールドをさらに含む請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項9】
磁気抵抗素子であって、
外部磁界に応じて調整可能な磁化方向を有する自由層と、
固定された磁化方向を有するピン層と、
前記ピン層と前記自由層の間に挟まれたスペーサと、
傾斜した磁化方向を有するとともに、前記スペーサと反対側の前記自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層と、
前記安定化層、前記スペーサ、前記ピン層、および前記自由層の側面に配置された絶縁体と、
前記絶縁体の外側面に配置され、前記スペーサが前記自由層と前記ピン層の間の少なくとも1つの導電性ナノコンタクトを有する絶縁体マトリクスを含み、前記少なくとも1つの導電性ナノコンタクトが磁性体と非磁性体のいずれかである側面硬質バイアスと、を含む磁気抵抗素子。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電性ナノコンタクトが、Ni、Co、およびFeのうちの少なくとも1つを含む請求項9に記載の磁気抵抗素子。
【請求項11】
前記傾斜した磁化方向を有する前記安定化層が、自由層を単磁区状態で安定させる第1の成分と、前記自由層と前記ピン層の間の中間層結合を補償する第2の成分とを含む請求項9に記載の磁気抵抗素子。
【請求項12】
前記傾斜磁化方向の角度は、原点状態から15度〜75度であり、原点角度が、前記自由層の磁化方向から約180度である請求項9に記載の磁気抵抗素子。
【請求項13】
前記安定化層が、前記自由層よりも大きな幅を有する請求項9に記載の磁気抵抗素子。
【請求項14】
磁気抵抗素子であって、
外部磁界に応じて調整可能な磁化方向を有する自由層と、
固定された磁化方向を有するピン層と、
前記ピン層と前記自由層の間に挟まれ、絶縁体を含むスペーサと、
傾斜した磁化方向を有するとともに、前記スペーサと反対側の前記自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層と、
前記安定化層、前記スペーサ、前記ピン層および前記自由層の側面に配置された絶縁体と、
前記絶縁体の外側面に配置された側面硬質バイアスと、を含む磁気抵抗素子。
【請求項15】
外部磁界に応じて調整可能な磁化を有する自由層と、
固定された磁化を有するピン層と、
前記ピン層と前記自由層の間に挟まれたスペーサと、
傾斜した磁化方向を有するとともに、前記スペーサと反対側の前記自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層と、を含む磁気抵抗素子が、側面硬質バイアス層を含まない装置。
【請求項16】
前記装置が、磁界センサとメモリのいずれかを含む請求項15に記載の装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタック内バイアス(in-stack bias)を有する磁気抵抗素子に関し、より具体的には傾斜スタック内バイアスを有する磁気抵抗センサ等の磁気抵抗素子及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のハードディスクドライブなどの磁気記録技術において、ヘッドは、互いに独立に動作する読み取り装置と書き込み装置を備えている。読み取り装置は、自由層、ピン層、およびピン層と自由層の間のスペーサを含む。
【0003】
読み取り装置において、ピン層の磁化の向きは固定される。しかしながら、例えば記録媒体などの外部磁界の影響(これに限定されない)により自由層の磁化の向きが変化することがある。
【0004】
読み取り装置に外部磁界(フラックス)が印加されると、自由層の磁化方向がある角度だけ変化し、すなわち回転する。フラックスが正のときは自由層の磁化が上向きに回転し、フラックスが負のときは自由層の磁化が下向きに回転する。外部磁界が印加されて自由層の磁化方向がピン層と同じに合わされると、層間の抵抗が小さくなり、層の間を電子が移動し易くなる。
【0005】
しかしながら、自由層がピン層と反対の磁化方向を有するときは、層間の抵抗が大きい。この大きい抵抗は、層間の電子の移動が困難になるために生じる。
【0006】
図1(a)は、CPP方式の従来技術のトンネル磁気抵抗(TMR)スピンバルブを示す。TMRスピンバルブにおいて、スペーサ23は、絶縁体またはトンネル障壁層である。したがって、電子は、絶縁スペーサ23を自由層21からピン層25に、またはその逆に横切ることができる。TMRスピンバルブは、約50%の高い磁気抵抗(MR)を有する。
【0007】
図1(b)は、従来技術の垂直通電型巨大磁気抵抗(CPPGMR:current perpendicular to plane, giant magnetoresistive)スピンバルブを示す。この場合、スペーサ23は導体の役割をする。従来技術のCPP−GMRスピンバルブは、大きな抵抗変化△Rと高周波応答を有する適度な素子抵抗を必要とする。また、小さい媒体磁界を検出できるように低い保磁力も必要である。また、ピン止め磁界は強くなければならない。
【0008】
図1(c)は、従来技術の弾道磁気抵抗(BMR)スピンバルブを示す。絶縁体として働くスペーサ23内で、強磁性体領域47がピン層25を自由層21に接続する。接点領域は、約数ナノメートルである。その結果、このナノコンタクト内にできる磁壁内の電子の拡散によってMRが実質的に大きくなる。他の要因には、強磁性体のスピン分極と、BMRスピンバルブとナノコンタクトしている領域の構造がある。
【0009】
前述の従来技術のスピンバルブにおいて、スピンバルブのスペーサ23は、TMRの場合は絶縁体、GMRの場合は導体、およびBMRの場合は磁気ナノサイズコネクタを有する絶縁体である。従来技術のTMRスペーサは、一般にアルミナなどの絶縁性の大きい金属で作成されるが、従来技術のGMRスペーサは、一般に、銅などの導電性の大きい金属で作成される。
【0010】
従来技術において、読み取り動作中に自由層の磁化が媒体磁界自体からだけ影響を受けるように、ピン層と自由層の間の中間層の結合が大きくならないようにしなければならない。中間層の結合が大きいと、出力読み取り信号に悪影響を及ぼす望ましくない影響を有する。例えば、信号非対称性とヒステリシスが実質的に大きくなる。この影響は、セスペデス(Cespedes)らの論文である非特許文献1に開示されている。
【非特許文献1】Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-76: 157 1-72 Part 2, 2004
【0011】
電流閉じ込め経路CPPヘッドにおいて、スペーサは、Cu-Al23などの絶縁体によって互いに分離された非磁性導電体領域で作成される。したがって、特にGMRとTMRの場合には、自由層とピン層の相互作用は、層の厚さが薄くなるほど大きくなる。例えば、TMRヘッドでは、全体の素子抵抗を小さくするために絶縁体スペーサがきわめて薄くされる。そのようにTMRスペーサの厚さを薄くすると、自由層とピン層の間にピンホールができ、その結果中間層結合が大きくなる。
【0012】
BMRの場合、中間層結合は、自由層とピン層の間のスペーサ内に存在するナノコンタクト(直接接続)の関数として大きくなる。自由層とピン層が逆の磁化方向を有するとき、磁壁ができることがある。その結果、強い電子散乱によってMR比率を高くすることができる。例えば、自由層とピン層が、スペーサのアルミナマトリクスに埋め込まれたNi磁性ナノ粒子によって接続されると、約100エルステッド(場合によっては約200エルステッド)よりも大きい中間層結合が生じる。その結果、伝達曲線(すなわち、外部磁界の関数としての電圧)が非対称になり、出力信号が実質的に減少する。
【0013】
前述の従来技術の問題に取り組むために、従来技術の安定化層を使用して自由層の単磁区(mono-domain)を作成する。図2にこの安定化層を示す。ピン層53と自由層55の間にスペーサ51が配置され、自由層55のスペーサ51と反対側に非磁性体スペーサ層57が配置される。非磁性スペーサ層57の上に安定化層59が提供される。安定化層59を作成した結果として、安定化層とスペーサの間の磁化方向の差が約180度になるので、自由層55が単磁区になる。
【0014】
従来技術のシミュレーションにおいて、中間層結合がない場合と中間層結合がある場合の所望の安定化磁界が決定された。中間層結合がない場合、自由層のヒステリシスは、自由層が100nm×100nmの大きさを有するときにNiFeの場合に約150エルステッドの外部磁界強度で消滅する。磁界強度が強すぎると自由層のスチフネスまたは感度が低下し、それに対して磁界強度が弱すぎると安定性が低下する。また、ヒステリシスを有する伝達曲線も問題になる。しかしながら、自由層の厚さが薄くなるほど消磁界が強くなり、ヒステリシスも大きくなる。100エルステッドの中間層結合と150エルステッドのバイアス磁界を追加することによって、ヒステレシス問題が実質的に軽減され、バイアス磁界が自由層磁化容易軸内で作用するが、バイアスポイントは元の位置からずれる。
【0015】
しかしながら、従来技術のヒステリシス問題に取り組む場合でも、従来技術のさらに別の問題がある。例えば、従来技術の中間層結合による非対称性の問題がまだある。したがって、図1と図2に示したような従来技術において、従来技術の非対称性問題を解決する必要性が満たされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、従来技術の問題と欠点を解消することである。しかしながら、そのような目的または任意の目的は本発明において達成されなくてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
外部磁界に応じて調整可能な磁化を有する自由層、実質的に固定された磁化を有するピン層、およびピン層と自由層の間に挟まれたスペーサを有する磁気抵抗素子を提供する。さらに、連続し分離されていない安定化層が提供され、スペーサと反対側の自由層上に配置される。安定化層は、傾斜した磁化方向を有し、磁気抵抗素子は、側面硬質バイアス層を含まない。
【0018】
さらに、外部磁界に応じて調整可能な磁化方向を有する自由層、実質的に固定された磁化方向を有するピン層、ピン層と自由層の間に挟まれたスペーサ、およびスペーサの反対側の自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層を含む磁気抵抗素子を提供する。安定化層は、傾斜した磁化方向を有する。また、安定化層、スペーサ、ピン層、および自由層の側面に配置された絶縁体と、絶縁体の外側面に配置された側面硬質バイアスとを提供する。スペーサは、自由層とピン層の間の少なくとも1つの導電性ナノコンタクトを有する絶縁体マトリクスを含み、少なくとも1つの導電性ナノコンタクトは、磁性体と非磁性体のいずれかである。
【0019】
また、外部磁界に応じて調整可能な磁化方向を有する自由層、実質的に固定された磁化方向を有するピン層、ピン層と自由層の間に挟まれたスペーサ、およびスペーサと反対側の自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層を含む磁気抵抗素子を提供する。安定化層は、傾斜した磁化方向を有する。さらに、安定化層、スペーサ、ピン層および自由層の側面に絶縁体が配置され、絶縁体の外側面に側面硬質バイアスが配置される。スペーサは絶縁体を含む。
【0020】
さらに、外部磁界に応じて調整可能な磁化を有する自由層、実質的に固定された磁化を有するピン層、ピン層と自由層の間に挟まれたスペーサ、およびスペーサと反対側の自由層上に配置された連続し分離されていない安定化層を含む装置を提供する。安定化層は、傾斜した磁化方向を有し、磁気抵抗素子は側面硬質バイアス層を含まない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
例示的かつ非限定的な実施形態は、本明細書に示した例示的かつ非限定的な実施形態による、傾斜スタック内バイアスおよび当業者によって理解されるようなその等価物を有する磁気抵抗素子を含む。さらに、実施形態において、層の構成が提供されない場合、それらの層は、当業者によって理解されるような構成を有する。
【0022】
本実施形態において、連続した単一の完全に接合された(すなわち、分離されていない)層の傾斜安定化層を提供する。この安定化層は、静磁界の2つの成分を発生させる働きをする。第1の成分は、自由層磁化容易軸の方向であり、単磁区構造の自由層を安定化する働きをする。
【0023】
第2の成分は、第1の成分の方向から約90度の向きであり、中間層結合の反対方向に磁界を印加することによってピン層と自由層の間の中間層結合を低減(補償)する働きをする。これにより、従来技術の非対称性問題とヒステリシス問題が実質的に解消される。
【0024】
図3は、例示的かつ非限定的な実施形態によるスピンバルブを示す。スピンバルブは、間に挟まれたスペーサ105によってピン層103から分離された自由層101を有する。さらに、自由層101の上に非磁性体スペーサ層107が提供される。自由層101は、外部磁界に応じて調整可能な磁化を有し、ピン層103は、実質的に固定された磁化を有する。
【0025】
非磁性体スペーサ層107の上に安定化層109が提供される。本発明の安定化層109は、様々な特定の特性を有する。例えば限定ではなく、この安定化層は、水平方向の単一の連続した非強磁性体層である。さらに、安定化層109は、隙間なく完全に接合される。安定化層109は、実質的に連続した非分離層として実質的に自由層101全体を覆う。
【0026】
さらに、安定化層109は、その磁化方向111がある方向から自由層の磁化方向に対して約180度傾斜している。自由層の磁化方向は、ピン層の磁化方向から約90度である。前述のように、第1の成分111aは、自由層の安定性を維持するように向けられ、第1の成分に対して約90度でかつピン層の磁化方向と同じ向きを有する第2の成分111bは、自由層101とピン層103の間の中間層結合を補償するように向けられる。この実施形態において、磁気抵抗素子は、側面硬質バイアス層を含まない。
【0027】
図4は、例示的かつ非限定的な実施形態によるボトムスピンバルブを示す。分かりやすくするために、図3に関して前に述べた内容と実質的に同じ内容を有する残りの参照符号の詳しい説明は省略する。さらに、前述のように、安定化層109の上にAFM層113を配置することができる。代替として、AFMの代わりに硬質磁石層を使用して実質的に類似の機能を達成することができる。
【0028】
図4は、例示的かつ非限定的な実施形態によるボトムスピンバルブを示す。しかしながら、当業者によって理解されるように、トップスピンバルブを使用することもできる。さらに、AFM層の下にバッファ層(図示せず)を提供することができ、上部シールドまたは下部シールドを使用することができる。
【0029】
次に、傾斜の程度と傾斜角の詳細を説明し、図5に示す。従来技術において、自由層の磁化方向に対して約180度の方向から傾斜はない。したがって、従来技術の傾斜角は、約0度であると考えられる。これは、「原点」位置と呼ばれることもある。
【0030】
しかしながら、本発明において、「傾斜」は、図5に示したような約45度の位置の前後プラス/マイナス約30度の範囲内の角度(例えば、約15〜約75度)を含むように定義される。したがって、「傾斜」は、原点からどちらかの方向の2つの領域によって定義される(図5の斜線領域)。
【0031】
原点から約45度の傾斜は概算であり、結合の強さによってのみ限定される。傾斜が+角度側か−角度側かは自由層とピン層の間に結合によって決まる。例えば限定ではなく、結合強度が適度な場合には傾斜角が小さくなり、結合強度が大きい場合、傾斜角は、この高い結合強度を補償するために大きくならなければならない。
【0032】
安定化層109は、自由層101よりも実質的に大きくすることができる。さらに、スペーサ105に関して、この層は、当業者によって知られるようなAl23、MgO、または類似の材料を含む絶縁体でよい。したがって、そのような構造は、従来技術に関して前に説明したTMRヘッドに使用することができる。
【0033】
代替として、スペーサ105は、例えば限定ではなく例として、当業者によって理解されるようなCuや類似の材料などの導電体層でよい。したがって、そのような構造は、従来技術に関して前に述べたGMRヘッドに使用することができる。
【0034】
他の代替の例示的かつ非限定的な実施形態において、スペーサ105は、自由層101をピン層103に電気的に結合する導体材料を有する絶縁体マトリクスを含むことができる。導体材料は、非磁性体(例えば、銅)でもよく、あるいは磁性体(例えば、Ni、Co、およびFeの少なくとも1つ)でもよい。導体材料は、自由層とピン層の間にナノコンタクトを構成する。
【0035】
導体材料が非磁性体のとき、装置は、垂直通電式電流閉じ込め経路(CCP−CPP:current-confined path with a current perpendicular to plane)ヘッドであると考えられる。代替として、材料が磁性体のとき、装置は、従来技術に関して前に述べたようなBMR装置であると考えられる。
【0036】
しかしながら、本発明による前述のTMR、GMR、CCP−CPPおよびBMRヘッドは、安定化層109の傾斜の点で従来技術のヘッドと異なり、従来技術の中間層結合問題に取り組むことによって従来技術のヒステリシス問題と非対称性問題を軽減する。
【0037】
本発明による装置において、TMR、BMR、CCP−CPPまたはGMRヘッドには、側面硬質バイアスと側面シールドは不要である。図6に、側面シールド123を有する構造を示す。より具体的には、スピンバルブの側面に絶縁体121が提供される。次に、磁気抵抗素子を近隣トラックの影響から守るために軟質シールド123が提供される。
【0038】
さらに、TMR、BMRおよびCCP−CPPヘッドの場合には、側面シールド123の代わりに硬質磁石で作成された従来技術の側面硬質バイアスを含むことができる。しかしながら、本発明のGMRヘッドの場合には、この従来技術の硬質バイアスは含まれない。側面硬質バイアスは、高い保磁力を有する硬質磁石(例えば、CoPt、CoPtCr合金)で作成され、すなわち、単磁区構造における自由層を安定させるために側面硬質バイアスの磁化方向が固定される。側面シールドは、低い保磁力と高い透磁率を有する材料で作成されるが、NiFeや類似の材料を使用することができる。
【0039】
さらに、安定化層を傾斜させる方法も提供する。ピン層、スタック内バイアスおよび自由層をそれぞれ連続的にアニールしなければならない。アニールを行うために、ピン層を比較的高い温度と高い印加磁界強度でアニールして、ピン層の磁化をあらかじめ定義した方向(空気軸受面に対して垂直)に設定する。次に、安定化層(すなわち、スタック内バイアス)の磁化が、ピン層の磁化を固定するために使用される第1のAFM層のブロッキング温度よりも低く、かつ安定化層の磁化を固定するために使用される第2のAFM層のブロッキング温度よりも高い温度で、アニールすることによって固定される。次に、自由層は、低い磁界と、ピン層と安定化層のそれぞれの磁化を固定するために使用される両方のAFM層のブロッキング温度よりも低い、適度な温度でアニールされる。
【0040】
AFM層は、前述の図面には実施形態が示されていないが、当業者には周知であり、従来技術のAFM層と実質的に類似のものでよいことに注意されたい。さらに、前述の温度(より具体的には、温度差)と印加される磁界と方向でのアニール段階によって安定化層の磁界が傾斜する。したがって、以上述べた傾斜方法によって傾斜安定化スピンバルブが作成される。
【0041】
この実施形態には様々な利点がある。例えば限定ではなく、これらの実施形態によって従来技術の非対称性問題が実質的に解決され、従来技術のヒステリシス問題も実質的に解決される。
【0042】
さらに、以上の実施形態は、一般に、磁気抵抗読み取りヘッドの磁気抵抗素子を対象とする。この磁気抵抗読み取りヘッドは、必要に応じて、多くの装置のどの装置にも使用することができる。例えば限定ではなく、前述のように、読み取りヘッドをハードディスクドライブ(HDD)磁気記録装置に含めることができる。
【0043】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、磁気抵抗効果を利用する他の装置も本発明の磁気抵抗素子を含むことができる。例えば限定ではなく、磁界センサまたはメモリが本発明を利用することができる。磁界センサは、人体解剖(例えば、頭部)の断面などのターゲット組織の断面を測定する磁気共鳴撮像(MRI)装置に使用することができるが、応用例はこれに限定されない。そのような応用例は本発明の範囲内である。
【0044】
本発明は、前述の特定の実施形態に限定されない。添付した特許請求の範囲に定義した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく実施形態に多くの修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)〜(c)は、様々な従来技術の磁気読み取りスピンバルブシステムを示す図である。
【図2】安定化層を有する従来技術のスピンバルブを示す図である。
【図3】本発明の例示的かつ非限定的な実施形態によるスピンバルブを示す図である。
【図4】本発明の例示的かつ非限定的な実施形態によるボトムスピンバルブを示す図である。
【図5】本発明の例示的かつ非限定的な実施形態による傾斜の角度を示す図である。
【図6】本発明の例示的かつ非限定的な実施形態による側面シールドを含む装置を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
101 自由層
103 ピン層
105 スペーサ
107 非磁性体スペーサ層
109 安定化層
111 磁化方向




 

 


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