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発明の名称 液浸露光方法及び液浸露光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5714(P2007−5714A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186876(P2005−186876)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 河野 拓也 / 福原 和也 / 河村 大輔
要約 課題
簡易に液浸媒質の蒸発を防止できる液浸露光方法及び液浸露光装置を提供する。

解決手段
マスクのパターンの像を液浸媒質を介して被露光対象膜上に転写して上記被露光対象膜を液浸露光する液浸露光方法であって、上記液浸媒質を囲む液浸露光雰囲気内の蒸気圧を液浸媒質の第1の蒸気圧に設定する工程と、上記液浸露光雰囲気内の第2の蒸気圧を測定する工程と、上記第1の蒸気圧と上記第2の蒸気圧とを対比し、一致しない場合は上記液浸露光雰囲気内の蒸気圧を調整する工程と、を含むことを特徴とする液浸露光方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
マスクのパターンの像を液浸媒質を介して被露光対象膜上に転写して前記被露光対象膜を液浸露光する液浸露光方法であって、
前記液浸媒質を囲む液浸露光雰囲気内の、前記液浸媒質の蒸気圧を第1の蒸気圧に設定する工程と、
前記液浸露光雰囲気内の前記液浸媒質の第2の蒸気圧を測定する工程と、
前記第1の蒸気圧と前記第2の蒸気圧とを対比し、一致しない場合は前記液浸露光雰囲気内の蒸気圧を調整する工程と、
前記第1の蒸気圧と前記第2の蒸気圧とを対比し、一致する場合は前記被露光対象膜に液浸露光を行う工程と、
を含むことを特徴とする液浸露光方法。
【請求項2】
前記第1の蒸気圧は、前記液浸媒質の飽和蒸気圧であることを特徴とする請求項1記載の液浸露光方法。
【請求項3】
前記被露光対象膜が形成された基板表面情報に基づき、前記液浸露光雰囲気内の蒸気圧を調整する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の液浸露光方法。
【請求項4】
マスクのパターンの像を被露光対象膜に投影する投影光学系と、
前記被露光対象膜が形成された基板を保持する基板ステージと、
前記投影光学系終端部と前記被露光対象膜との間の少なくとも一部分に液浸媒質を供給する液浸媒質供給装置と、
前記液浸媒質を囲む液浸露光雰囲気内の蒸気圧を測定する測定装置と、
前記蒸気圧と予め設定された所定の蒸気圧とを対比し、一致しない場合は前記蒸気圧を調整する制御装置と、
を備えることを特徴とする液浸露光装置。
【請求項5】
前記被露光対象膜が形成された基板の表面を観察する装置を備えることを特徴とする請求項4記載の液浸露光装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液浸露光方法及び液浸露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液浸露光方法は、投影光学系の下面と基板表面との間の少なくとも一部分を液浸媒質で満たしつつ、マスクのパターンの像を液浸媒質を介して基板上に転写する方法である。液浸露光方法は、液浸媒質の屈折率をnとしたときに、液浸媒質中での露光光の波長が空気中の1/nになることを利用して解像度を上げる方法である。液浸露光方法は従来の露光装置の構成を大きく変えることなく解像度を向上させることができることから現在注目を浴びている(特許文献1参照)。
【0003】
液浸露光において、液浸露光雰囲気中の蒸気圧が飽和蒸気圧よりも小さい場合、液浸媒質は液浸露光雰囲気と接する面から気化する。そして、気化熱に起因する液浸媒質の温度変化により液浸媒質の屈折率が変化する。液浸媒質の屈折率が変化すると、露光装置光学系の結像特性が変化して、基板上に形成される像の位置に誤差が生じる。一方、液浸露光されるべき基板の表面が湿潤すると、クロマトグラフィーの効果で基板中の水分や、基板上に配置されたフォトレジストの成分及び水分が基板の表面に向かって移行する。そして、基板の表面に移行した成分は液浸媒質と混ざり合い液浸媒質を汚染し液浸媒質の屈折率を変化させる。基板が乾燥するにつれ移行した物質のみが基板表面に残留し、露光後の熱処理・現像工程のパターン形成の妨げとなる。またフォトレジストの成分の移行に起因してフォトレジストの反りが生じる。そのため液浸媒質の蒸発を防止して液浸媒質の屈折率変化を制御する方法が求められていた。
【0004】
上記課題を解決する手段として例えば特許文献2には、液浸媒質の成分を特定することで蒸発を防止する方法が提案されている。しかしながら、基板表面条件や露光環境に合わせて液浸媒質の成分を調整しなければならないことから、調整作業が煩雑になるという問題があった。
【特許文献1】特開2004−207710号公報
【特許文献2】特開2004−258662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は簡易に液浸媒質の蒸発を防止できる液浸露光方法及び液浸露光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴は、マスクのパターンの像を液浸媒質を介して被露光対象膜上に転写して上記被露光対象膜を液浸露光する液浸露光方法であって、上記液浸媒質を囲む液浸露光雰囲気内の、上記液浸媒質の蒸気圧を第1の蒸気圧に設定する工程と、上記液浸露光雰囲気内の上記液浸媒質の第2の蒸気圧を測定する工程と、上記第1の蒸気圧と上記第2の蒸気圧とを対比し、一致しない場合は上記液浸露光雰囲気内の蒸気圧を調整する工程と、上記第1の蒸気圧と上記第2の蒸気圧とを対比し、一致する場合は上記被露光対象膜に液浸露光を行う工程と、を含むことを特徴とする液浸露光方法を要旨とする。
【0007】
本発明の第2の特徴は、マスクのパターンの像を被露光対象膜に投影する投影光学系と、上記被露光対象膜が形成された基板を保持する基板ステージと、上記投影光学系終端部と上記被露光対象膜との間の少なくとも一部分に液浸媒質を供給する液浸媒質供給装置と、上記液浸媒質を囲む液浸露光雰囲気内の蒸気圧を測定する測定装置と、上記蒸気圧と予め設定された所定の蒸気圧とを対比し、一致しない場合は上記蒸気圧を調整する制御装置と、を備えることを特徴とする液浸露光装置を要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
簡易に液浸媒質の蒸発を防止できる液浸露光方法及び液浸露光装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、図中同一の機能又は類似の機能を有するものについては、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。
【0010】
(液浸露光装置)
図1に示すように、本発明の実施形態にかかる液浸露光装置1は、照明装置21と、照明装置21と投影光学系3との間に挟んで配置されるマスク10と、マスク10を支持するマスクステージ27と、マスク10のパターンの像を被露光対象膜12に投影する投影光学系3と、被露光対象膜12が形成された基板11を保持する基板ステージ29と、投影光学系終端部31と被露光対象膜12との間の少なくとも一部分に液浸媒質6を供給する液浸媒質供給装置25と、液浸媒質6を囲む液浸露光雰囲気内の蒸気圧を測定する測定装置5と、上記蒸気圧と予め設定された所定の蒸気圧とを対比し、一致しない場合は上記蒸気圧を調整する制御装置4と、を備える。さらに液浸露光装置1は、制御装置4に接続された、液浸露光に関するデータベースを記憶した記憶装置9を備える。
【0011】
照明装置21は、光源とその光源からの光でマスク10を照明するための照明系とを有する。光源としては例えば波長約193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザーや、波長約248nmのフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー等が挙げられる。照明装置21からの露光光ELは原版としてのマスク10を照明し、マスク10のパターンは投影光学系3によって縮小されて基板11上に設けられた被露光対象膜12に投影され転写される。
【0012】
マスク10は、マスク保持手段としてのマスクステージ27上に固定され位置調整される。投影光学系終端部31は投影光学系3の一部をなし、例えば光学素子としてのレンズからなり、最も基板に近い位置に配置されている部材である。投影光学系終端部31の下面即ち被露光対象膜12と対向する面は平面になっている。
【0013】
マスクステージ27は、マスク10を支持するものであって、投影光学系3の光軸に垂直な平面内、即ちXY平面内で2次元移動可能及びZ方向に微小回転可能である。尚、マスクステージ27はリニアモータ等のマスクステージ駆動装置(図示せず)により駆動され、マスクステージ駆動装置は制御装置4により制御される。またマスクステージ27にはマスクの位置決めを可能とする計測計(図示せず)が取り付けられている。
【0014】
投影光学系3は、マスク10のパターンを所定の投影倍率で被露光対象膜12に投影露光するものであり、被露光対象膜12(基板11)側の先端部に設けられた光学素子を含む複数の光学素子で構成されている。また投影光学系3には、この投影光学系3の結像特性(光学特性)を調整可能な結像特性制御装置(図示せず)が設けられている。結像特性制御装置は、投影光学系3を構成する複数の光学素子の一部を移動可能な光学素子駆動機構、及び鏡筒内の複数の光学素子間のうちの特定の空間の圧力を調整する圧力調整機構を含んで構成されている。光学素子駆動機構は、投影光学系3を構成する複数の光学素子のうちの特定の光学素子を光軸方向に移動したり、光軸に対して傾斜する。結像特性制御装置は制御装置4により制御され、制御装置4は結像特性制御装置を介して、投影光学系3の投影倍率や像面位置を調整可能である。
【0015】
液浸媒質6と接触する光学素子としてはレンズや平行平面板等が挙げられる。平行平面板はガラスよりも安価なため、液浸媒質6と接触する光学素子をレンズにする場合に比べてその交換コストが低くなるという利点がある。即ち、露光光の照射によりフォトレジストから発生する飛散粒子、または液浸媒質6中の不純物の付着などに起因して液浸媒質6に接触する光学素子の表面が汚れた際に、その光学素子を定期的に交換する必要がある。その際この光学素子を安価な平行平面板とすることにより、レンズに比べて交換部品のコストが低く、かつ交換に要する時間を短くすることができるからである。尚、本実施形態では、投影光学系3と基板11表面との間は液浸媒質6で満たされているが、例えば基板11の表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液浸媒質6を満たしてもよい。
【0016】
基板11は、水平方向及び垂直方向に位置調整可能な基板ステージ29上に設置されている。基板11は、デバイスの基材、例えば半導体基板やガラス基板に被露光対象膜としてフォトレジスト層、もしくはフォトレジスト層の上層に設けられるトップコート層(保護層)からなる膜部材を設けたものである。したがって、基板11上の最上層に設けられた被露光対象膜12は、液浸露光時において液浸媒質6に接触する液体接触面を形成する。被露光対象膜12としては、例えば、フォトレジスト層(主膜)としての東京応化工業株式会社製P6111が用いられ、主膜上のトップコート層としては、例えば、東京応化工業株式会社製TSP−3Aが用いられる。これらの被露光対象膜12の材料特性、特に用いる液体との濡れ性又は接触角に応じて液浸露光装置内の蒸気圧等が決定される。
【0017】
基板ステージ29は、基板11を支持するものである。基板ステージ29はリニアモータ等の基板ステージ駆動装置(図示せず)により駆動される。基板ステージ駆動装置は制御装置4により制御される。
【0018】
液浸媒質供給装置25は、給水管255から液浸媒質6の供給を受け、液浸媒質供給装置本体251からノズル253を介して液浸媒質6を放出し、投影光学系終端部31と被露光対象膜12の間の空間を液浸媒質6で満たす。またノズル253は必要な場合には液浸媒質6を吸入するようになっている。液浸媒質6の放出および吸入は液浸媒質供給装置25によって制御される。
【0019】
液浸媒質6としては、露光光をできるだけ吸収することなく透過させるものであって、基板11に設けられた被露光対象膜12をできるだけ侵食しないものが用いられる。液浸媒質6としては、例えば露光光がArFレーザー光の場合は純水等を用いることができ、露光光がフッ素(F)レーザ光の場合はFレーザ光を透過可能なフッ素系オイル等のフッ素系流体を用いることができる。
【0020】
加湿器23は、飽和蒸気圧気体を雰囲気中に給気可能に形成されている。加湿器23は、投影光学系3の近傍に配置されることが好ましい。
【0021】
制御装置4は、図2に示すように、測定装置5と、制御手段2(例えば加湿器23、液浸媒質供給装置25、マスクステージ27)と、基板ステージ29と、記憶装置9と、入力装置81及び出力装置82からなる入出力装置8に接続されている。入力装置81としては、例えばキーボード、マウス等のポインティングデバイスが挙げられる。出力装置82としては、例えば液晶ディスプレイ、モニタ等の画像表示装置等が挙げられる。また制御装置4は、液浸媒質6を囲む液浸露光雰囲気内の蒸気圧と記憶装置9に記憶された所定の蒸気圧、例えば飽和蒸気圧とが一致しない場合に、制御手段2を作動させて蒸気圧を調整可能に形成されている。制御装置4としては、CPU及びこのCPUに接続されたROM、RAM、磁気ディスクなどの記憶装置を含む通常のコンピュータシステムで構成すればよい。
【0022】
測定装置5は、液浸露光雰囲気を形成するチャンバー(図示せず)内の蒸気圧を測定可能に構成されている。具体的には、湿度計51、温度計及び気圧計を備える。湿度計51は、投影光学系3の近傍に配置されることが好ましい。
【0023】
記憶装置9には、液浸露光に関する種々の情報がデータベースとして記憶されている。データベースには、温度及び圧力に対する蒸気圧が含まれる。またデータベースには、温度及び圧力に加えてさらに基板11情報、基板11上に形成された被露光対象膜12の膜部材情報及び液浸媒質6情報等に対する蒸気圧が含まれる。またデータベースには、基板11上に形成された被露光対象膜12に対する液浸媒質6の接触角情報や、液浸媒質6の材料特性(例えば揮発性や粘性、密度、表面張力など)が含まれる。さらにデータベースには、基板11の製造条件、例えば基板11表面の成膜条件、研磨条件、エッチング条件、酸化条件等が含まれる。また記憶装置9には、液浸媒質6の被露光対象膜12上への供給条件や、液浸媒質6の被露光対象膜12上からの回収条件を記憶装置9に保存しておいてもよい。また、種々の被露光対象膜12とそれらの被露光対象膜12に好適な液体種を予め調査しておき、被露光対象膜12とその被露光対象膜12に好適な液体種の組合わせ並びにその組合わせに対する最適な条件を記憶装置9に保存しておいてもよい。被露光対象膜12としては、フォトレジストの材料、製造主、品番などが挙げられる。記憶装置9に記憶されたデータベースは随時更新することができる。つまり、異なる種類の被露光対象膜12を有する基板11を露光するときや、新たな種類の液浸媒質6を使うときは、この新たな被露光対象膜12や液浸媒質6について例えば実験を行って上記データベースを作成し、記憶装置9に記憶されているデータベースを更新すればよい。また、データベースの更新は、例えばインターネットを含む通信装置を介して、記憶装置9に対して遠隔地から行うことも可能である。記録装置9としては、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクや磁気テープなどのプログラムを記録する記録媒体等が使用可能である。
液浸露光装置1は、ステップアンドスキャン方式の露光装置であり、マスク10と基板11とが同期走査され露光が行なわれる。
【0024】
(液浸露光方法)
図1の液浸露光装置1を用いて、マスク10のパターンの像を液浸媒質6を介して被露光対象膜12上に転写して被露光対象膜12を液浸露光する液浸露光方法の実施形態について図3のフローチャートを参照しながら説明する。
(イ)まず、ステップ101で、液浸媒質の蒸発を防止する、液浸媒質を囲む液浸露光雰囲気内の液浸媒質の蒸気圧、例えば飽和蒸気圧に関するデータベースを記憶装置9に記憶させる。
(ロ)ステップ102で、温度及び圧力、さらに被露光対象膜12が形成された基板11の情報、被露光対象膜12の膜部材情報及び液浸媒質6情報を入力装置81を介して制御装置4に入力する。ステップ103で、入力された情報に応じて、記憶装置9に予め記憶されているデータベースを参照し、飽和蒸気圧を制御装置4により選択し決定する。
【0025】
(ハ)次に、ステップ104で、液浸露光装置1内の蒸気圧を液浸媒質の飽和蒸気圧に設定する。そして、ステップ105で、液浸露光装置1を作動させて液浸露光を開始する。
【0026】
(ニ)液浸露光と平行して、ステップ106で、液浸露光装置1内の蒸気圧を測定する。
【0027】
(ホ)ステップ107で、測定した蒸気圧と飽和蒸気圧とを対比する。そして、一致する場合、ステップ109で、液浸露光を継続する。一致しない場合は、ステップ108で、蒸気圧を調整しつつ被露光対象膜12の液浸露光を行う。蒸気圧の調整は制御装置4を作動させることにより行う。具体的には、チャンバー内における蒸気圧が飽和蒸気圧よりも低い場合、加湿器23を作動させて蒸気圧を高める。
尚、被露光対象膜12に対する液浸媒質6の接触角が大きい場合、例えば液浸媒質供給装置25を用いて単位時間あたりの液体供給量を多くしてもよい。被露光対象膜12が撥液性を有する場合、走査露光のために基板11を走査移動すると液浸媒質6が被露光対象膜12に対して剥離が生じやすくなるため、液体供給量を多くして、液浸媒質6の剥離の発生を抑えてもよい。
【0028】
(ヘ)その後、ステップ110で、液浸露光を終了させる。
【0029】
尚、この液浸露光方法の実施形態において、液浸媒質の蒸気圧は、飽和蒸気圧を例として説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、ステップ104では液浸露光装置1内の蒸気圧を液浸媒質の飽和蒸気圧に設定しているが、飽和蒸気圧に限定されるものではなく、飽和蒸気圧を越えない値で設定されていても良い。以降述べる実施例1−3についても同様である。
【0030】
次に、蒸気圧制御に関する液浸露光方法の実施例1〜3について説明する。
【0031】
(1)実施例1
図4のフローチャートを用いて実施例1を説明する。
図1の液浸露光装置1を用いる。蒸気圧の測定装置として湿度計51、蒸気圧を制御する手段として加湿器23を用いる。湿度計51は、レンズ先端の露光光路外かつ液浸媒質外の位置に設置する。液浸媒質6として純水、基板11として酸化膜基板、被露光対象膜12として保護膜、フォトレジスト膜、反射防止膜の積層膜、チャンバー内雰囲気として空気、露光光として193nmのArFエキシマレーザ光を用いる。ステップ201で、かかる条件を入出力装置を介して制御装置4に入力する。そして、記録装置9に保存されたデータベースと対比して液浸露光装置1内の蒸気圧を液浸媒質の飽和蒸気圧に設定する。その後ステップ202で、液浸露光を開始する。そしてステップ203で、測定装置5により液浸露光装置1のチャンバー内の蒸気圧を測定する。蒸気圧測定値を制御装置4(コンピュータ)に送信する。ステップ206で、制御装置4により蒸気圧測定値と設定蒸気圧を比較する。蒸気圧測定値が設定蒸気圧以上の場合、ステップ207で、ステップアンドスキャン方式で基板11上に露光を行う。蒸気圧測定値が設定蒸気圧未満の場合、ステップ204で、制御装置4により加湿器23に給気開始の指示を送信して、加湿器23により飽和蒸気圧気体を給気する。その間、蒸気圧の測定を継続して行い、蒸気圧測定値が設定蒸気圧を上回ったら、制御装置4により加湿器23に給気終了の指示を送信し蒸気圧の測定を停止する。その後、ステップ208で、液浸露光を終了させる。
【0032】
(2)実施例2
図5のフローチャートを用いて実施例2を説明する。
以下の手順を除いて実施例1と同様にして液浸露光を行う。即ち、蒸気圧測定値が設定蒸気圧を下回った場合、ステップ205で、ステップアンドスキャン露光を終了して次のステップの段階で液浸露光動作を停止する。そして、実施例1と同様の方法で液浸媒質近傍の気体の蒸気圧を制御する。測定蒸気圧が設定蒸気圧を超えたら、先に露光停止した位置に基板11を移動させて液浸露光動作を再開させる。
【0033】
(3)実施例3
図6のフローチャートを用いて実施例3を説明する。
露光中に、ステップ203で、蒸気圧を測定し蒸気圧が低下した場合、ステップ207で、露光を継続しつつ蒸気圧を制御する。例えば実施例1の方法で露光を開始した後も、測定装置5による測定を継続する。
ステップ206で、液浸露光中に蒸気圧測定値が第1の設定蒸気圧を下回った場合、露光を継続しつつ実施例1と同様の方法で液浸媒質近傍の気体の蒸気圧を制御する。ステップ209で、蒸気圧測定値が第2の設定蒸気圧を下回った場合、ステップ205で、実行中の液浸露光を終了して次のステップの段階で動作を停止する。実施例1と同様の方法で液浸媒質近傍の気体の蒸気圧を制御し、蒸気圧が設定蒸気圧を超えたら、先に露光停止した位置に基板11を移動させてスキャン露光動作を再開する。
尚、実施例2、3において上記液浸露光動作の停止に換えて基板ステージ29を移動させて液浸媒質6と基板11が触れない状態にしてもよい。
【0034】
以上説明した液浸露光装置1を作動させて液浸露光方法を実施すれば、液浸露光雰囲気内の蒸気圧が一定に保たれる。そのため液浸媒質6の蒸発が防止され、液浸媒質6の屈折率変化を防止できる。またフォトレジスト成分の移行を防止できるため、液浸媒質6の汚染に起因する液浸媒質6の屈折率変化や、フォトレジストの反りを効果的に防止することができる。その結果、本実施形態によれば基板11に対して良好な環境条件のもとで高いパターン転写精度でパターンを転写できるため、所望の性能を発揮できるデバイスを提供できる。
【0035】
(半導体デバイスの製造方法)
次に、図7のフローチャートを用いて半導体デバイスの製造方法を説明する。
S301で半導体デバイスの回路設計を行う。S302で設計した回路パターンを形成したマスク10を作製する。一方、S303でシリコン材料等からなる基板11を用意し、S304で基板11上に被露光対象膜12(フォトレジスト膜)をスピン塗布する。次に、液浸露光装置1内の基板11ステージに基板11を、マスクステージ27にマスク10を配置する。S305で液浸露光を開始し、上記実施形態の説明に従い液浸露光装置1を作動させてマスク10に形成された回路パターンを基板11上に転写する。S306で液浸露光を終了する。そしてS307で基板11上に回路を形成する。S308で形成された回路部分をダイシングしてチップ化し、得られたチップを基板上にボンディングする。その後、S309でボンディングされた基板を封止することにより半導体デバイスが製造される。
【0036】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、実施形態において説明した構成を一部に含む液浸露光装置も同様に使用することができる。また液浸露光装置1の測定装置5は、湿度計51、温度計及び気圧計に加え、さらに図8に示すように発光部52aと受光部52bを有する基板11の表面を観察する基板表面観察装置52を備えてもよい。そして、基板表面観察装置52により、基板11に照射した光の反射率から基板11の表面状態を把握し、それに応じて蒸気圧の制御を行っても構わない。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態にかかる液浸露光装置を示す概略構成図(XZ軸側面図)である。
【図2】本実施形態にかかる液浸露光装置の制御系のブロック図である。
【図3】本実施形態にかかる液浸露光方法のフローチャートである。
【図4】実施例1にかかる液浸露光方法のフローチャートである。
【図5】実施例2にかかる液浸露光方法のフローチャートである。
【図6】実施例3にかかる液浸露光方法のフローチャートである。
【図7】本実施形態にかかる半導体デバイスの製造方法のフローチャートである。
【図8】本実施形態の変形例にかかる液浸露光装置を示す概略構成図(YZ軸側面図)である。
【符号の説明】
【0038】
1…液浸露光装置
2…制御手段
21…照明装置
23…加湿器25…液浸媒質供給装置
27…マスクステージ
29…基板ステージ
3…投影光学系
4…制御装置
5…測定装置
6…液浸媒質
9…記録装置
10…マスク
11…基板
12…被露光対象膜




 

 


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