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発明の名称 絶縁膜の形成方法、半導体装置の製造方法、半導体装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5633(P2007−5633A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185192(P2005−185192)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 水島 一郎 / 田中 正幸 / 名取 克晃 / 小澤 良夫 / 犬宮 誠治 / 関根 克行 / 甲斐 徹哉
要約 課題
リーク電流の少ない高誘電体膜を有する絶縁膜の形成方法、半導体装置の製造方法、半導体装置を提供しようとするものである。

解決手段
以下の工程を含む。酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる下地膜4が形成される。金属原料を含むソースガスと第1酸化力を有する第1酸化剤とを交互に供給することにより、下地膜上に第1絶縁膜5aが形成される。金属原料を含むソースガスと第1酸化力より強い第2酸化力を有する第2酸化剤とを交互に供給することにより、第1絶縁膜上に第2絶縁膜5bが形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる下地膜を形成する工程と、
金属原料を含むソースガスと第1酸化力を有する第1酸化剤とを交互に供給することにより、前記下地膜上に第1絶縁膜を形成する工程と、
金属原料を含むソースガスと前記第1酸化力より強い第2酸化力を有する第2酸化剤とを交互に供給することにより、前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
【請求項2】
前記第1酸化剤が、水または酸素または一酸化窒素であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の形成方法。
【請求項3】
前記第1酸化剤を供給する回数が、1回または2回であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の形成方法。
【請求項4】
半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に、酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる第1導電膜を形成する工程と、
金属原料を含むソースガスと第1酸化力を有する第1酸化剤とを交互に供給することにより、前記第1導電膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
金属原料を含むソースガスと前記第1酸化力より強い第2酸化力を有する第2酸化剤とを交互に供給することにより、前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記第3絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に設けられ、酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる第1導電膜と、
前記第1導電膜上に設けられ、前記第1導電膜上に位置する第1部分と前記第1部分上に位置し且つ前記第1部分の平均炭素濃度より高い炭素濃度を有する第2部分とからなる、第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に設けられた第2導電膜と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁膜の形成方法、半導体装置の製造方法、半導体装置に関し、例えば、フローティングゲート電極とコントロールゲート電極との間のゲート間絶縁膜に関する。
【背景技術】
【0002】
順次積層された、フローティングゲート電極、ゲート間絶縁膜、コントロールゲート電極を有する半導体装置が知られている。このような半導体装置において、ゲート間絶縁膜を高誘電体膜により構成することが行われている。高誘電体膜を用いることにより、フローティングゲート電極とコントロールゲート電極との間でのリーク電流を抑制することができる。ゲート間絶縁膜に用いられる高誘電体膜のC濃度が低いほど、リーク電流を抑制することができる。
【0003】
また、半導体装置の製造過程において、ALD(Atomic Layer Deposition)による成膜が行われることがある。ALDは、原子層単位で各層を順次堆積することにより所望の厚さの膜を形成する技術である。ALDを用いることにより、膜の厚さを高精度で制御することができる。
【0004】
ゲート間絶縁膜としての高誘電体膜をALDにより形成する場合、金属元素を含むソースガスと酸化剤としてのソースガスとを交互に供給することが多く行われる。ALDにより形成された高誘電体膜のC濃度を抑制するには、強力な酸化力を有した酸化剤が用いられることが好ましい。このような酸化力の強い酸化剤として、例えば、O3を用いることが、特開2001-152339号公報(特許文献1)、米国特許第6,576,053号明細書(特許文献2)に開示されている。
【特許文献1】特開2001-152399号公報
【特許文献2】米国特許第6,576,053号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、リーク電流の少ない絶縁膜の形成方法、リーク電流の少ない絶縁膜を有する半導体装置およびその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の視点による絶縁膜の形成方法は、酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる下地膜を形成する工程と、金属原料を含むソースガスと第1酸化力を有する第1酸化剤とを交互に供給することにより、前記下地膜上に第1絶縁膜を形成する工程と、金属原料を含むソースガスと前記第1酸化力より強い第2酸化力を有する第2酸化剤とを交互に供給することにより、前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の視点による半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜上に、酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる第1導電膜を形成する工程と、金属原料を含むソースガスと第1酸化力を有する第1酸化剤とを交互に供給することにより、前記第1導電膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、金属原料を含むソースガスと前記第1酸化力より強い第2酸化力を有する第2酸化剤とを交互に供給することにより、前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第3絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の視点による半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に設けられ、酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる第1導電膜と、前記第1導電膜上に設けられ、前記第1導電膜上に位置する第1部分と前記第1部分上に位置し且つ前記第1部分の平均炭素濃度より高い炭素濃度を有する第2部分とからなる、第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に設けられた第2導電膜と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リーク電流の少ない絶縁膜の形成方法、リーク電流の少ない絶縁膜を有する半導体装置およびその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明者等は、本発明の開発の過程において、背景技術の項で述べたような強い酸化力を有する酸化剤を用いて高誘電体膜を形成する技術について研究した。その結果、本発明者等は、以下に述べるような知見を得た。
【0011】
上記のように、強い酸化力を有する酸化剤を用いたALDによって形成された高誘電体膜をゲート間絶縁膜に採用することにより、ゲート間絶縁膜を介するリーク電流を抑制できる。しかしながら、強い酸化力を有する酸化剤は、フローティングゲート電極に対する酸化力も強い。このため、フローティングゲート電極にポリシリコンが用いられた場合、実際に、この方法でゲート絶縁膜を形成すると、フローティングゲート電極とゲート間絶縁膜との界面に、1nm程度の膜厚のシリコン酸化膜が形成されてしまう。このシリコン酸化膜は、ゲート間絶縁膜としての高誘電体膜の実効的な誘電率の低下等の問題を引き起こす。この結果、リーク電流が増加してしまう。
【0012】
以下に、このような知見に基づいて構成された本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の主要部を概略的に示す断面図である。図1に示されるように、半導体装置は、半導体基板1、素子分離絶縁膜2、トンネル絶縁膜3、フローティングゲート電極4、ゲート間絶縁膜5、コントロールゲート電極6を有する。
【0014】
半導体基板1は、例えばシリコンから構成される。半導体基板1の表面には、例えばシリコン酸化膜からなる素子分離絶縁膜2が設けられる。素子分離絶縁膜2の上面は、半導体基板1の表面より突出している。
【0015】
素子分離絶縁膜2相互間の半導体基板1の表面上には、トンネル絶縁膜3が設けられる。トンネル絶縁膜3は、例えばシリコン酸化膜からなる。トンネル絶縁膜3上には、フローティングゲート電極4が設けられる。フローティングゲート電極4は、例えば、P(リン)が添加されたポリシリコンからなる。すなわち、フローティングゲート電極4は、酸化剤に曝されることによりその表面に酸化膜を形成する材料からなる。
【0016】
フローティングゲート電極4上には、高誘電体材料、例えばAl23、HfO2からなるゲート間絶縁膜5が設けられる。ゲート間絶縁膜5は、フローティングゲート電極4上の第1部分5aと、第1部分5a上の第2部分5bとからなる。第1部分5aと、第2部分5bとは、後述のように形成方法が異なる。
【0017】
また、ゲート間絶縁膜5は、図2に示されるように、積層された複数の層により形成されていても良い。図2は、本実施形態の他の例に係る半導体装置の主要部を概略的に示す断面図である。図2に示されるように、ゲート間絶縁膜5が、3つの層11、12、13により形成された例を示している。この3つの層11、12、13は、それぞれ、例えばHfO2、Al23、HfO2から構成される。また、各層11、12、13の厚さは、それぞれ、例えば4nm、10nm、4nmである。
【0018】
または、3つの層11、12、13として、それぞれ、例えばTa25、ZrO2、Ta25を用いることもできる。また、層11、13としてHfO2とTa25の混合物を用い、層12としてAl23とZrO2の混合物を用いることもできる。さらに、ゲート絶縁膜5が、さらに多くの積層構造を有していてもよい。
【0019】
ゲート間絶縁膜5が積層膜の場合、ゲート間絶縁膜5のうち、フローティングゲート電極4上の部分が第1部分5aに相当し、残りの部分が第2部分5bに相当する。すなわち、第1部分5aと第2部分5bは、これらを構成する材料によって区別されるのではなく、後述のように、形成方法によって区別される。したがって、第1部分5aと第2部分5bとが同じ材料によって形成されてもよいし、異なる材料によって形成されてもよい。
【0020】
ゲート間絶縁膜5上には、コントロールゲート電極6が設けられる。コントロールゲート電極6は、例えば、P(リン)が添加されたポリシリコンからなる。
【0021】
次に、図3乃至図5を参照して、図1の半導体装置の製造方法について説明する。図3乃至図5は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程の一部を示す断面図である。
【0022】
図3に示されるように、半導体基板1上の全面に、例えば熱酸化法により、トンネル絶縁膜3が形成される。次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)によって、トンネル絶縁膜3上の全面に、フローティングゲート電極4が堆積される。
【0023】
次に、フローティングゲート電極4上に、CVD法、リソグラフィ工程、RIE(reactive ion etching)等のエッチングによって、シリコン窒化膜等のマスク材21が形成される。マスク材21は、素子分離絶縁膜2の形成予定領域に開口を有する。
【0024】
次に、マスク材21をマスクとして、フローティングゲート電極4、トンネル絶縁膜3、半導体基板1の表面がエッチングされる。このエッチングの結果、開口22が形成される。
【0025】
次に、図4に示されるように、例えばCVD法により、開口22が素子分離絶縁膜2の材料膜(例えば、シリコン酸化膜)により埋め込まれるとともに、マスク材21上の全面に、素子分離絶縁膜2の材料膜が形成される。次に、マスク材21上の余分な材料膜が、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除去され、開口22内の膜の上面が、半導体基板1よりやや高い位置までエッチバックされることにより、素子分離絶縁膜2が形成される。次に、マスク材21が除去される。
【0026】
次に、図5に示されるように、フローティングゲート電極4上および素子分離絶縁膜2上に、ALDによってゲート間絶縁膜5が堆積される。この際、上記のように、酸化剤として、強い酸化力を有する気体を用いると、フローティングゲート電極4上に、シリコン酸化膜が形成されてしまう。そこで、ゲート間絶縁膜5の形成の初期の段階では、より弱い酸化力を有する気体を酸化剤として用いる。
【0027】
酸化剤としてのソースガスとして、例えば、強い酸化力を有するO3が用いられる。ただし、ゲート間絶縁膜5の成膜の初期の段階では、O3より酸化力の弱い材料、例えばH2Oが用いられる。また、NO、O2を用いることもできる。さらに、2種の酸化剤の酸化力が相互に異なれば、種々の組み合わせを用いることができる。例えば、濃度の違うO3を用いることが可能である。
【0028】
なお、チャンバーにガスを供給した際にH2Oの方が表面に吸着しやすいので、酸化力の弱いソースガスとしてH2Oを用いた方が、表面一層を酸化しきるのに必要な時間が短くてすむという利点がある。具体的には、交互供給の例として、H2Oが用いられる場合、供給時間は3秒であり、O2あるいはNOの場合は、供給時間は20秒である。
【0029】
ゲート間絶縁膜5のうち、弱い酸化力を有する気体を用いて形成された部分が第1部分5aに相当する。残りの、強い酸化力を有する気体を用いて形成された部分が第2部分5bに相当する。
【0030】
Al23からなるゲート間絶縁膜5、および図2のAl23層12の形成の際、金属原料供給のためのソースガスとして、例えばTMA(Trimethyl Alminum)が用いられる。
【0031】
HfO2からなるゲート間絶縁膜5、および図2のHfO2層11、13の形成の際、金属原料供給のためのソースガスとして、例えばTDEAH(Tetrakisi diethylamino hafnium)が用いられる。または、TEMAH(Tetrakisi ethylamino hafnium)が用いられてもよい。
【0032】
成膜初期の段階で、酸化力の弱いH2Oを、酸化剤として用いることにより、フローティングゲート電極4が広範囲に亘って酸化されることを回避できる。この結果、フローティングゲート電極4上に形成されるシリコン酸化膜(図示せぬ)の膜厚は、0.4nm程度に抑えられる。ゲート間絶縁膜5のより具体的な形成方法については、後に詳述する。
【0033】
ゲート間絶縁膜5の成膜後、例えば900℃での熱処理によりゲート間絶縁膜5が結晶化される。次に、例えばCVDによって、コントロールゲート電極6が堆積される。
【0034】
次に、図1に示すように、フローティングゲート電極4、ゲート間絶縁膜5、コントロールゲート電極6が、リソグラフィ工程、およびRIE等のエッチングによりパターニングされる。
【0035】
次に、ゲート間絶縁膜5のより具体的な形成方法について、図6、図7を参照して説明する。まず、上記の工程によって、半導体装置が実際に作製された。なお、ここで作製された半導体装置では、ゲート間絶縁膜5が図2に示すような積層膜であって、各層11、12、13として、HfO2、Al23、HfO2が用いられた。また、各層11、12、13の厚さは、それぞれ、例えば4nm、10nm、4nmであった。
【0036】
図6は、得られた半導体装置のゲート間絶縁膜5のリーク電流の電流密度とゲート間絶縁膜5に印加された電界との関係を示している。図6において、実線は、酸化剤として、H2OおよびO3を用いた場合(本実施形態)を示している。一方、破線は、酸化剤としてO3のみを用いた場合を示している。なお、本実施形態の方の結果は、ゲート間絶縁膜5の第1部分5aの厚さが1nmとなる間に、H2Oが用いられた場合を示している。
【0037】
図6に示すように、本実施形態によるゲート間絶縁膜では、従来のゲート間絶縁膜より、リーク電流が抑制されている。これは、本実施形態に係る半導体装置では、フローティングゲート電極4とゲート間絶縁膜5との間のシリコン酸化膜の膜厚が減少したことに起因する。
【0038】
図7は、酸化力の弱い酸化剤(H2O)の供給回数と、フローティングゲート電極4上に形成されるシリコン酸化膜の厚さとの関係を示している。上記のように、ALDでは、金属供給源および酸化剤は交互に行われる。よって、酸化剤の供給回数は、すなわち、金属供給源と酸化剤との交互供給の回数(ステップ)と同義である。
【0039】
図7に示すように、酸化力の弱い酸化剤を1回でも供給すれば、シリコン酸化膜の膜厚が、大きく減少する。特に、2回(2ステップ分(酸化剤の供給、金属原料の供給、酸化剤の供給までを行った場合に相当))だけ行うと、シリコン酸化膜の膜厚がさらに大きく減少することが分かる。
【0040】
1回の金属原料の供給によって成長する膜の厚さは、約0.08nm乃至0.1nmである。したがって、2ステップによって形成される、ゲート間絶縁膜5の第1部分5aの厚さは0.2nm以下である。この場合、シリコン酸化膜の厚さは、約0.4nmである。
【0041】
なお、酸化力の弱い酸化剤を用いて成膜した場合、この膜中の不純物(C等)の濃度が高くなる傾向がある。このため、酸化力の弱い酸化剤を供給する回数は少ない方がよい。また、図7から分かるように、酸化力の弱い酸化剤を供給する回数が3回以上であっても、シリコン酸化膜の厚さは大きく減少しない。以上の要因より、酸化力の弱い酸化剤を供給する回数は、1回または2回、より好ましくは2回であることが好ましい。
【0042】
また、酸化力の弱い酸化剤により、膜中の不純物濃度が高くなることを補填するために、酸化力の弱い酸化剤を用いた工程と強い酸化力の酸化剤を用いた工程との間に、膜形成時の温度よりの高い温度での熱処理を行うこともできる。こうすることにより、ゲート間絶縁膜5の第1部分5aでのリーク電流を低減させることができる。
【0043】
上記のように、ゲート間絶縁膜5の第1部分5aと第2部分5bとは、その形成方法が異なる。このため、第1部分5aと、第2部分5bとは、同じ材料であったとしても、その特性が異なる。以下、このことについて説明する。
【0044】
ゲート間絶縁膜5の成膜当初に酸化力の弱い酸化剤を用いるため、膜中に含まれるC濃度が、第1部分5aにおいて第2部分5bよりも高くなっている。このようなCの含有は、不純物の少ない酸化物高誘電体膜を形成するという観点からは、避けることが好ましい。しかしながら、フローティングゲート電極4との界面においては、界面での不整合を緩和できるという観点からは、ある程度の濃度の異種物質が含まれている方が望ましい。
【0045】
具体的には、例えば、O3のみが酸化剤として用いられた場合、フローティングゲート電極4上に成膜されたゲート間絶縁膜5としてのHfO2には、平均的に1×1018cm-3のCが均一に含まれていた。また、フローティングゲート電極4との界面(本願の第1部分5aに相当する部分)では、C濃度はわずかに低下していた。
【0046】
一方、本実施形態のように、第1部分5aおよび第2部分5bをともにHfO2によって形成し、厚さ1nmの第1部分5aを、酸化力の弱い酸化剤、例えばH2Oを用いて形成した場合、第1部分5aでのC濃度は、1×1019cm-3と、第2部分5bのC濃度(1×1018cm-3)よりも高くなっていた。
【0047】
第1部分5aにより多くのCが存在することによるリーク電流低減効果は、上記のようにフローティングゲート電極4とゲート間絶縁膜5との界面に形成されるシリコン酸化膜が薄くなることによってもリーク電流が低減するため、単独で判断することはできない。しかしながら、界面の不整合を緩和できる点で、良好な膜質を有する高誘電体薄膜の形成には有用な方法と言える。
【0048】
なお、上記の実施形態では、ゲート間絶縁膜5がフローティングゲート電極4としてのシリコン上に形成される場合について記述した。しかしながら、図8に示すように、フローティングゲート電極4上に、例えばシリコン窒化膜等の薄い絶縁膜31が介在していてもよい。
【0049】
例えばO3などの酸化力の強い酸化剤は、シリコン窒化膜に対しても酸化力を有する。このため、シリコン窒化膜の表面にシリコン酸化膜が形成される。このため、シリコン窒化膜上に高誘電体膜を形成するような場合に、当初から酸化剤としてO3を用いると、シリコン酸化膜よりも誘電率の高いシリコン窒化膜上に、さらにシリコン酸化膜が形成される結果を招く。シリコン酸化膜、シリコン窒化膜によって、フローティングゲート電極4とコントロールゲート電極6との間の誘電率が低下する。したがって、シリコン窒化膜が設けられた場合も、その表面の酸化を抑制して、ゲート間絶縁膜5が形成されることが求められる。この場合に、成膜初期に酸化力の弱い酸化剤を用いることによって、シリコン窒化膜上にシリコン酸化膜が形成されることを抑制できる。このため、フローティングゲート電極4上に、絶縁膜31が設けられる場合でも、本実施形態は有用である。
【0050】
本発明の実施形態に係る半導体装置によれば、ゲート間絶縁膜5の成膜の際、成膜の初期の段階では、弱い酸化力を有する気体が酸化剤として用いられ、残りの部分の成膜の際は、強い酸化力を有する気体が酸化剤として用いられる。このため、フローティングゲート電極4とゲート間絶縁膜5との間にシリコン酸化膜が形成されることを抑止すると同時に、リーク電流の少ないゲート間絶縁膜5を形成できる。
【0051】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の主要部を概略的に示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態の他の例に係る半導体装置の主要部を概略的に示す断面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程の一部を示す断面図。
【図4】図3に続く状態を示す断面図。
【図5】図4に続く状態を示す断面図。
【図6】ゲート間絶縁膜のリーク電流の電流密度とゲート間絶縁膜に印加された電界との関係を示す図。
【図7】酸化力の弱い酸化剤の供給回数と、フローティングゲート電極上に形成されるシリコン酸化膜の厚さとの関係を示す図。
【図8】本発明の一実施形態の他の例に係る半導体装置の主要部を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0053】
1…半導体基板、2…素子分離絶縁膜、3…トンネル絶縁膜、4…フローティングゲート電極、5…ゲート間絶縁膜、5a…ゲート間絶縁膜の第1部分、5b…ゲート間絶縁膜の第1部分、6…コントロールゲート電極。




 

 


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