米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社東芝

発明の名称 燃料電池装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5053(P2007−5053A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181491(P2005−181491)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 後藤 基伊 / 平山 智彦
要約 課題
吸気フィルタのメンテナンスおよび交換を簡単に行え、本来の発電性能を維持できる燃料電池装置の提供。

解決手段
燃料電池装置は、装置本体3と、装置本体3に収容された燃料電池と、装置本体3に設けられ、取り外し可能な蓋15で覆われるユーザアクセス領域16と、ユーザアクセス領域16に設けられる燃料カートリッジ13と、を備えている。ユーザアクセス領域16に、発電に供する空気を吸い込む吸気口36が設けられ、この吸気口36は取り外し可能な吸気フィルタ41で覆われている。
特許請求の範囲
【請求項1】
装置本体と、
上記装置本体に収容された燃料電池と、
上記装置本体に設けられ、取り外し可能な蓋で覆われるユーザアクセス領域と、
上記ユーザアクセス領域に設けられる電池構成要素と、
上記ユーザアクセス領域に設けられ、発電に供する空気を吸い込む吸気口と、
上記吸気口を覆う取り外し可能な吸気フィルタと、を具備したことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、上記電池構成要素は、発電に供する燃料が充填された燃料カートリッジであり、上記ユーザアクセス領域は、上記燃料カートリッジを取り外し可能に支持するように上記装置本体に設けられたホルダであることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項3】
請求項1の記載において、上記吸気口は、空気供給路を介して上記燃料電池の空気極に接続されるとともに、上記空気供給路は、上記吸気口から吸い込んだ空気を上記空気極に送り込む送気ポンプを有することを特徴とする燃料電池装置。
【請求項4】
請求項3の記載において、上記吸気フィルタおよび上記送気ポンプは、直線状に並んでいることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項5】
請求項1の記載において、上記吸気フィルタは、上記ユーザアクセス領域に露出するとともに、上記電池構成要素と隣り合うことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項6】
燃料電池を収容する閉塞領域と、取り外し可能な蓋で覆われた開放領域とを有する装置本体と、
上記装置本体の開放領域に設けられ、発電に供する空気を吸い込む吸気口と、
上記吸気口を覆うとともに、上記開放領域に露出して設けられる取り外し可能な吸気フィルタと、を具備したことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項7】
請求項6の記載において、上記吸気口は、空気供給路を介して上記燃料電池の空気極に接続されるとともに、上記空気供給路は、上記吸気口から吸い込んだ空気を上記空気極に送り込む送気ポンプを有し、上記送気ポンプと上記吸気フィルタとは、直線状に並んでいることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項8】
請求項6の記載において、上記装置本体の上記開放領域に取り外し可能に支持された燃料カートリッジをさらに備えており、上記燃料カートリッジは、上記開放領域内で上記吸気フィルタと隣り合うことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項9】
装置本体と、
上記装置本体に収容された燃料電池と、
上記装置本体に設けられ、取り外し可能な蓋で覆われるユーザアクセス領域と、
上記ユーザアクセス領域に設けられる電池構成要素と、
上記燃料電池から吐出される発電後の気体を排出する排気口と、
上記ユーザアクセス領域に設けられ、発電に供する空気を吸い込むとともに、上記排気口とは異なる方向に開口する吸気口と、
上記吸気口を覆うとともに、上記ユーザアクセス領域に露出して設けられる取り外し可能な吸気フィルタと、を具備したことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項10】
請求項9の記載において、上記吸気口は、空気供給路を介して上記燃料電池の空気極に接続されるとともに、上記空気供給路は、上記吸気口から吸い込んだ空気を上記空気極に送り込む送気ポンプを有し、上記吸気フィルタおよび上記送気ポンプは、直線状に並んでいることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項11】
請求項9の記載において、上記燃料電池および上記送気ポンプは、上記吸気口と上記排気口との間に位置することを特徴とする燃料電池装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばメタノールおよび空気を燃料ポンプや送気ポンプを用いて燃料電池に供給するダイレクトメタノール型の燃料電池装置に係り、特に発電に供する空気を吸い込む吸気系の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばポータブルコンピュータのような電子機器用の電源として、高出力で充電を要しない小型の燃料電池装置が注目されている。この種の燃料電池装置のうち、例えばメタノール水溶液を循環させるダイレクトメタノール型の燃料電池装置(以下DMFC:Direct Methanol Fuel Cellと称する)は、水素を燃料とする燃料電池装置に比べて燃料の取り扱いが容易で、かつシステム全体が簡易であることから、電子機器用の電源として好ましいものとなる。
【0003】
従来のDMFCは、燃料極、空気極および電界質膜を有するDMFCスタックと、このDMFCスタックの燃料極にメタノール水溶液を供給する燃料供給路と、DMFCスタックの空気極に空気を供給する空気供給路とを備えている。空気供給路は、発電に供する空気を大気中から吸い込む吸気口を有している。
【0004】
DMFCスタックの燃料極では、メタノールが水と反応して酸化され、二酸化炭素、水素イオンおよび電子が生成される。水素イオンは、電界質膜を透過して空気極に到達する。空気極では、空気中の酸素が水素イオンおよび電子と結合して還元され、水を生成する。この時、燃料極および空気極の間に接続された外部回路に電子が流れて、発電動作が実行されるようになっている。
【0005】
ところで、DMFCスタックに供給される空気中に例えば炭化水素系の化合物が含まれていると、この化合物が空気極に付着し、この空気極上での還元反応を阻害する原因となる。特に還元反応の阻害は、DMFCの発電性能の低下に繋がるために、還元反応用の酸素を空気中から取り込むに当っては、炭化水素系の化合物を空気中から速やかに除去することが必要となる。
【0006】
このため、従来のDMFCでは、吸気口から空気極に至る空気供給路に吸気フィルタを配置している。この吸気フィルタは、吸気口から吸い込まれた空気を浄化するためのものであり、空気中に含まれる炭化水素系の化合物を吸着する機能を有している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−185193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DMFCの本来の発電性能を持続させるためには、吸気フィルタの浄化性能を高く維持することが重要となる。そのため、吸気フィルタは、浄化性能の低下を防ぐために頻繁に交換することが望ましいものとなる。
【0008】
ところが、上記特許文献1は、空気を浄化する吸気フィルタを備えてはいるものの、この吸気フィルタを頻繁に交換することを何等想定しておらず、吸気フィルタの浄化性能を維持するための具体的な構成が記載されていない。
【0009】
しかも、特許文献1では、吸気フィルタを湿潤状態に保持するために、吸気フィルタに水分を供給する機構を必要としている。そのため、吸気フィルタの構成が複雑となったり、この吸気フィルタが燃料電池装置の奥まった位置に入り込むのを避けられない。
【0010】
このため、吸気フィルタを交換するためには、装置全体を分解して吸気フィルタを取り出さなくてはならず、この吸気フィルタの交換および着脱作業に多大な手間と労力を要するといった不具合がある。
【0011】
本発明の目的は、吸気フィルタのメンテナンスおよび交換を簡単に行え、本来の発電性能を維持できる燃料電池装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る燃料電池装置は、
装置本体と、上記装置本体に収容された燃料電池と、上記装置本体に設けられ、取り外し可能な蓋で覆われるユーザアクセス領域と、上記ユーザアクセス領域に設けられる電池構成要素と、を備えている。上記ユーザアクセス領域に、発電に供する空気を吸い込む吸気口が設けられ、この吸気口は取り外し可能な吸気フィルタで覆われていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、蓋を外すだけで吸気フィルタが露出するので、吸気フィルタのメンテナンスおよび交換作業を容易に行うことができる。そのため、吸気フィルタを常に浄化性能が高い状態で使用することができ、燃料電池の発電性能を良好に維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1および図2は、例えばメタノールを燃料とするアクティブ型のDMFC1を開示している。このDMFC1は、例えばポータブルコンピュータ2の電源として使用可能な大きさを有している。
【0016】
DMFC1は、装置本体3と載置部4とを有している。装置本体3は、ポータブルコンピュータ2の幅方向に沿う細長い箱状をなしている。載置部4は、ポータブルコンピュータ2の後端部を載置し得るように、装置本体3の前端から水平に突出している。載置部4の上面に電源コネクタ5が配置されている。電源コネクタ5は、載置部4の上にポータブルコンピュータ2を載せた時に、このポータブルコンピュータ2に電気的に接続されるようになっている。
【0017】
装置本体3は、図3ないし図7に示すベース6と、このベース6を覆うトップカバー7とを有している。ベース6およびトップカバー7は、互いに協働して中空の閉塞領域8を規定している。閉塞領域8は、基本的にDMFC1を使用するユーザがアクセスすることを禁止するセクションであって、装置本体3の大部分を占有している。
【0018】
ベース6は、ホルダ支持部9を有している。ホルダ支持部9は、装置本体3の長手方向に沿う一端に位置するとともに、トップカバー7で覆われることなく閉塞領域8の外方に突出している。ホルダ支持部9の上にホルダ10が取り付けられている。ホルダ10は、底壁11a、一対の側壁11b,11cおよび仕切り壁11dを有している。底壁11aは、ホルダ支持部9の上に置かれている。側壁11b,11cは、装置本体3の幅方向に互いに間隔を存して向かい合っている。仕切り壁11dは、閉塞領域8とホルダ10との間を仕切るように、底壁4aから起立している。
【0019】
図3に示すように、ホルダ10は、燃料カートリッジ13を取り外し可能に支持している。燃料カートリッジ13は、電池構成要素の一例であり、この燃料カートリッジ13の内部に例えば発電に供する燃料としての高濃度メタノールが充填されている。燃料カートリッジ13は、中空の箱状をなすとともに、その一端面に燃料供給口14を有している。燃料カートリッジ13は、燃料が空となった時点でホルダ10から取り外され、新たな燃料カートリッジ13がホルダ10に取り付けられる。言い換えると、燃料カートリッジ13は、交換可能にホルダ10に支持されている。
【0020】
燃料カートリッジ13は、蓋15で覆われている。蓋15は、トップカバー7に連続するようにホルダ10に取り外し可能に支持されている。この蓋15は、ホルダ10と協働して中空の開放領域16を規定している。開放領域16は、基本的にユーザが自由にアクセスできるユーザアクセス領域の一例であり、上記仕切り壁11dを介して閉塞領域8と仕切られている。燃料カートリッジ13は、開放領域16に収容されている。
【0021】
蓋15は、燃料カートリッジ13を交換する時に、ホルダ10から取り外される。蓋15を取り外した状態では、燃料カートリッジ13やホルダ10が装置本体3の外に露出するようになっている。
【0022】
図4および図5に示すように、ホルダ10の仕切り壁11dは、カートリッジ接続口17を有している。カートリッジ接続口17は、開放領域16に露出している。燃料カートリッジ13の燃料供給口14は、燃料カートリッジ13をホルダ10に取り付けた時に、カートリッジ接続口17に接続される。
【0023】
図3および図11に示すように、装置本体3の閉塞領域8に混合タンク20、DMFCスタック21、第1の凝縮器22および第2の凝縮器23が収容されている。
【0024】
混合タンク20は、高濃度メタノールを希釈して例えば濃度数%〜数十%のメタノール水溶液を生成するためのものである。混合タンク20は、ベース6に支持されるとともに、仕切り壁11dを間に挟んで燃料カートリッジ13と隣り合っている。図10に示すように、混合タンク20は、第1の燃料供給管24を介してカートリッジ接続口17に接続されている。第1の燃料供給管24は、高濃度メタノールを混合タンク20に送り込む燃料ポンプ25を有している。
【0025】
DMFCスタック21は、メタノールの化学反応を利用して発電を行う燃料電池の一例である。DMFCスタック21は、燃料極(アノード)27と、空気極(カソード)28と、これら両極27,28の間に介在される電界質膜29とを有している。DMFCスタック21は、ベース6に支持されるとともに、装置本体3の長手方向に沿う中間部に位置している。
【0026】
DMFCスタック21の燃料極27は、第2の燃料供給管30を介して上記混合タンク20に接続されている。第2の燃料供給管30は、燃料極27の一端に接続されているとともに、混合タンク20内のメタノール水溶液を燃料極27に送り込む送液ポンプ31を有している。
【0027】
燃料極27の他端は、燃料戻し管32を介して混合タンク20に接続されている。燃料戻し管32は、燃料極27から排出される未反応のメタノール水溶液や燃料極27での酸化反応により生成された二酸化炭素を混合タンク20に戻すためのものである。未反応のメタノール水溶液および二酸化炭素は、燃料極27から排出される排出物質の一例であり、燃料極27から排出された直後では、DMFCスタック21の発電動作時の熱影響を受けてメタノール水溶液の水温が60℃以上となっている。
【0028】
上記第1の凝縮器22は、燃料戻し管32の途中に介在されている。第1の凝縮器22は、燃料極27から混合タンク20に戻るメタノール水溶液を冷却するためのものである。第1の凝縮器22は、メタノール水溶液が流れる管33と、この管33に熱的に接続された複数の放熱フィン34とを有している。
【0029】
図10に示すように、DMFCスタック21の空気極28の一端に空気供給管35が接続されている。空気供給管35は、上記閉塞領域8に収容されるとともに、DMFCスタック21から上記ホルダ10の仕切り壁11dに向けて直線状に延びている。
【0030】
図6および図7に示すように、仕切り壁11dは、吸気口36を有している。吸気口36は、発電に供する空気を大気中から吸い込むためのものであり、上記開放領域16に向けて開口している。このため、吸気口36は、装置本体3の長手方向に沿う一端部に位置しており、この吸気口36にDMFCスタック21から延びる空気供給管35が接続されている。さらに、装置本体3のトップカバー7は、吸気口36に対応する位置に複数の通気孔7aを有している。
【0031】
空気供給管35は、送気ポンプ37を有している。送気ポンプ37は、吸気口36から吸い込んだ空気をDMFCスタック21の空気極28に送り込むためのものである。この送気ポンプ37は、DMFCスタック21と吸気口36との間に位置している。
【0032】
図4ないし図7に示すように、上記ホルダ10の仕切り壁11dにリブ状のフィルタ支持壁38が形成されている。フィルタ支持壁38は、上記吸気口36を取り囲むように仕切り壁11dからホルダ10の内側に向けて張り出している。フィルタ支持壁38は、ホルダ10の底壁11aおよび一方の側壁11cと協働して四角いフィルタ装着口39を規定している。
【0033】
フィルタ装着口39に吸気フィルタ41が装着されている。吸気フィルタ41は、一定の厚みを有する四角い板状をなしており、例えば空気中に含まれる炭化水素系の化合物を吸着する機能を有している。吸気フィルタ41は、ホルダ10の方向からフィルタ装着口39に取り外し可能に嵌め込まれている。これにより、吸気フィルタ41の外周面がフィルタ支持壁38、底壁11aおよび側壁11cに気密に接触し、吸気口36をホルダ10の方向から覆っている。そのため、吸気フィルタ41は、燃料カートリッジ13と仕切り壁11dとの間の隙間部分に介在されて、上記開放領域16に露出している。
【0034】
言い換えると、吸気フィルタ41は、仕切り壁11dに沿うように起立するとともに、燃料カートリッジ13の一端面と向かい合っている。この結果、吸気フィルタ41の大型化が可能となり、空気との接触面積を十分に確保することができる。
【0035】
図6および図7に示すように、吸気フィルタ41は、ホルダ10の仕切り壁11dとの間に密閉された清浄空間42を形成しており、この清浄空間42に吸気口36が開口している。したがって、送気ポンプ37が駆動すると、吸気口36は清浄空間42から空気を吸い込むようになっている。
【0036】
それとともに、吸気フィルタ41は、空気供給管35の延長線上に位置している。この吸気フィルタ41と上記送気ポンプ37とは、直線状の位置関係を保つように互いに並んでいる。
【0037】
図10に示すように、上記第2の凝縮器23は、排気管43を介して空気極28の他端に接続されている。第2の凝縮器23は、空気極28から排出される水蒸気や水のような物質を冷却するためのものであり、排気管43の下流端に接続されている。第2の凝縮器23は、回収タンク44を有している。回収タンク44は、空気極28から排出される水および水蒸気から回収された水を貯溜するためのものであり、この第2の凝縮器23で水分が分離された気体成分は、第2の凝縮器23から大気中に放出される。
【0038】
回収タンク44は、回収管45を介して燃料戻し管32に接続されている。回収管45は、回収タンク44に貯えられた水を燃料戻し管32を介して混合タンク20に送り込む回収ポンプ46を有している。
【0039】
さらに、排気管43は、空気極28と第2の凝縮器23との間で分岐された分岐管48を有している。分岐管48の上流端は混合タンク20に接続されている。分岐管48は、混合タンク20に戻された二酸化炭素を排気管43を経由して第2の凝縮器23に導くためのものである。第2の凝縮器23に導かれた二酸化炭素は、第2の凝縮器23から大気中に放出される。
【0040】
図3および図8に示すように、第1の凝縮器22および第2の凝縮器23は、上記装置本体3の他端部に設置されており、上記燃料カートリッジ13に対し混合タンク20やDMFCスタック21を間に挟んだ反対側に位置している。第1および第2の凝縮器22,23は、互いに間隔を存して向かい合うようにベース6に支持されており、これら凝縮器22,23の間に第1および第2のファン50,51が配置されている。
【0041】
したがって、本実施の形態では、燃料カートリッジ13、混合タンク20、送気ポンプ37、DMFCスタック21、第1および第2の凝縮器22,23は、装置本体3の長手方向に沿って一列に並んでいる。
【0042】
第1のファン50は、第1の凝縮器22に重なり合っている。第1のファン50が動作すると、第1の凝縮器22を通り抜けて第1のファン50に向うような冷却風の流れが形成され、この冷却風により第1の凝縮器22が冷却される。第1の凝縮器22を冷却した冷却風は、第1のファン50の吐出口50aから吐き出される。
【0043】
第2のファン51は、第2の凝縮器23に重なり合っている。第2のファン51が動作すると、第2の凝縮器23を通り抜けて第2のファン51に向うような冷却風の流れが形成され、この冷却風により第2の凝縮器23が冷却される。第2の凝縮器23を冷却した冷却風は、第2のファン51の吐出口51aから吐き出される。さらに、第2の凝縮器23から排出される二酸化炭素のような不純物にしても、冷却風の流れに乗じて吐出口51aから吐き出される。
【0044】
図8および図11に示すように、第1および第2のファン50,51の吐出口50a,51aは、装置本体3の他端の方向を指向するように開口している。装置本体3は、その他端に排気口52を有している。排気口52は、装置本体3のトップカバー7に形成されて、第1および第2のファン50,51の吐出口50a,51aと向かい合っている。そのため、吐出口50a,51aから吐き出される冷却風および二酸化炭素のような不純物は、排気口52を通じて装置本体3の外に排出される。
【0045】
この排気口52の開口方向は、上記吸気口36の開口方向とは逆向きとなっている。言い換えると、発電用の空気を吸い込む吸気口36は、排気口52から装置本体3の長手方向に遠ざかった位置において、排気口52とは異なる方向に向けて開口している。したがって、発電に必要な酸素濃度が低く、かつ二酸化炭素のような不純物を含む気体が排気口52から排出されていても、吸気口36が排気口52から排出される気体を吸い込み難くなる。
【0046】
図10に示すように、DMFC1は、制御部55を有している。制御部55は、例えば混合タンク20内で生成されるメタノール水溶液の濃度および液量を制御したり、ポータブルコンピュータ2との間で情報をやりとりして、ポータブルコンピュータ2に供給する電力を制御するためのものである。制御部55は、DMFC1の載置部4に収容されているとともに、電源コネクタ5およびDMFCスタック21に電気的に接続されている。
【0047】
メタノール水溶液の濃度は、燃料カートリッジ13から混合タンク20に供給される高濃度メタノールの量、DMFCスタック21の燃料極27から戻される未反応のメタノール水溶液の量およびDMFCスタック21の空気極28から戻される水の量を制御部55で制御することにより調節される。
【0048】
具体的には、混合タンク20は、タンク内のメタノール水溶液の量を検出する液量センサ56と、メタノール水溶液の温度を検出する温度センサ57と、メタノール水溶液の濃度を検出する濃度センサ58とを備えている。各センサ56,57,58によって検出されたメタノール水溶液に関する情報は、制御部55に送られる。制御部55は、各センサ56,57,58からの情報に基づいて、例えば燃料ポンプ25や回収ポンプ46を制御する。これにより、燃料カートリッジ13から混合タンク20に流入する高濃度メタノールの量および回収タンク44から混合タンク20に流入する水の量が制御され、メタノール水溶液の濃度が発電性能を良好に維持できる値に制御される。
【0049】
次に、DMFC1の発電動作について説明する。
【0050】
燃料カートリッジ13に貯えられた高濃度メタノールは、燃料ポンプ25によって混合タンク20に送り込まれる。この混合タンク20には、DMFCスタック21の空気極28から回収された水およびDMFCスタック21の燃料極27から排出される未反応の低濃度メタノールが戻される。そのため、高濃度メタノールは、混合タンク20内で水および低濃度メタノールと混じり合って希釈され、所定の濃度のメタノール水溶液が生成される。
【0051】
混合タンク20で生成されたメタノール水溶液は、送液ポンプ31によってDMFCスタック21の燃料極27に送り込まれる。燃料極27では、メタノールが水と反応して酸化され、水素イオン、二酸化炭素および電子を生成する。水素イオンは、DMFCスタック21の電界質膜29を透過して空気極28に達する。
【0052】
燃料極27で生成された二酸化炭素は、未反応のメタノール水溶液と一緒に第1の凝縮器22に導かれ、第1のファン50から送られる冷却風により冷やされた後に、燃料戻し管32を介して混合タンク20に戻される。混合タンク20に戻された二酸化炭素は、混合タンク20内で気化するとともに、分岐管48から排気管43に流入する。
【0053】
一方、発電に供する空気は、送気ポンプ37の駆動により吸気フィルタ41を通して清浄空間42に取り込まれる。この時、吸気フィルタ41は、空気中の塵埃を捕捉するとともに、この空気中に含まれる炭化水素系の化合物を吸着する。
【0054】
吸気フィルタ41で浄化された空気は、清浄空間42に流入する。吸気口36は、清浄空間42内の空気を吸い込むとともに、この空気は送気ポンプ37を介してDMFCスタック21の空気極28に送り込まれる。空気極28では、空気中の酸素が水素イオン、電子と結合して還元され、水蒸気が生成される。この時、燃料極27と空気極28との間に接続された外部回路に電子が流れて、発電動作が行われる。
【0055】
空気極28で生成された水蒸気は、排気管43に流れ込むとともに、この排気管43内で上記混合タンク20からの二酸化炭素と合流して第2の凝縮器23に導かれる。第2の凝縮器23では、第2のファン51から送られる冷却風により水蒸気が冷却されて水となる。この水は回収タンク44に一時的に貯溜される。水分が分離され、かつ二酸化炭素のような不純物を含む気体は、第2の凝縮器23から排出されるとともに、この第2の凝縮器23を通過した冷却風と共に第2のファン51の吐出口51aから排気口52に向けて吐き出される。
【0056】
回収タンク44に貯えられた水は、回収ポンプ46を介して混合タンク20に送り込まれ、高濃度メタノールを希釈するための水として再利用される。
【0057】
このようなDMFC1によると、発電用の空気は、吸気フィルタ41で浄化された後、吸気口36に吸い込まれる。このため、空気中に含まれる塵埃および空気極28上での還元反応を阻害する炭化水素系の化合物を、夫々DMFCスタック21の上流で除去することができる。このため、DMFC1の発電性能を維持できる。
【0058】
吸気フィルタ41は、DMFC1の運転時間の経過に伴い次第に汚損し、浄化性能が徐々に低下するのを避けられない。そのため、DMFC1の本来の発電性能を維持するためには、吸気フィルタ41のメンテナンスを頻繁に行い、発電用の空気の浄化性能を持続させることが必要となる。
【0059】
本実施の形態では、吸気フィルタ41は、燃料カートリッジ13が収まる開放領域16(ユーザアクセス領域)に露出するようにホルダ10の仕切り壁11dに支持されている。燃料カートリッジ13は、燃料を使い切る毎に交換を要するので、蓋15を外すだけの簡単な作業でホルダ10と一緒に装置本体3の外に露出するようになっている。
【0060】
そのため、開放領域16に位置する吸気フィルタ41にしても、単に蓋15を外すだけで装置本体3の外に簡単に露出させることができ、その汚れ具合の確認やホルダ10に対し着脱作業を実行することができる。
【0061】
したがって、吸気フィルタ41のメンテナンスおよび交換作業を、装置本体3を分解することなく容易に行え、作業に手間を要しない。よって、吸気フィルタ41を常に浄化性能が高い状態で使用することが可能となり、DMFC1の発電性能を良好に維持することができる。
【0062】
しかも、吸気フィルタ41は、燃料カートリッジ13の一端面と向かい合うように仕切り壁11dに沿って起立しているので、吸気フィルタ41を大型化することができ、空気との接触面積を十分に確保できる。このため、特に空気中に含まれる炭化水素系の化合物の吸着性能を高めることができ、空気極28に化合物が付着し難くなる。よって、DMFC1の発電性能の低下を防止でき、長期に亘って高出力が得られる。
【0063】
さらに、上記構成によると、吸気フィルタ41、吸気口36および送気ポンプ37は、発電用空気の流れ方向に沿う上流側から下流側に向けて直線状に並んでいる。そのため、吸気フィルタ41と送気ポンプ37との間での圧力損失を最小限に抑えることができ、吸気フィルタ41の浄化効率を高めることができる。
【0064】
それとともに、空気を吸い込む時の吸気抵抗が小さくなり、送気ポンプ37の負担が軽減される。よって、送気ポンプ37の消費電力を抑えることができるといった利点がある。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に特定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
【0066】
例えば、ホルダに装着される発電構成要素は、燃料カートリッジに特定されるものではなく、燃料カートリッジ以外の部品を追加してもよい。
【0067】
さらに、本発明に係る燃料電池装置は、ポータブルコンピュータ用に限らず、例えば携帯形情報端末のようなその他の電子機器用の電源としても実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料電池装置の斜視図。
【図2】本発明の実施の形態において、燃料電池装置にポータブルコンピュータを接続した状態を示す斜視図。
【図3】本発明の実施の形態において、燃料カートリッジ、混合タンク、送気ポンプ、DMFCスタック、第1および第2の凝縮器の位置関係を示す斜視図。
【図4】本発明の実施の形態において、吸気フィルタとホルダとの位置関係を示す斜視図。
【図5】本発明の実施の形態において、吸気フィルタとホルダとの位置関係を示す側面図。
【図6】本発明の実施の形態において、吸気フィルタ、ホルダ、燃料カートリッジおよび空気供給管の位置関係を示す断面図。
【図7】本発明の実施の形態において、ホルダから燃料カートリッジおよび蓋を取り外して、吸気フィルタを露出させた状態を示す断面図。
【図8】本発明の実施の形態において、第1および第2の凝縮器の位置関係を示す斜視図。
【図9】本発明の実施の形態において、第1および第2の凝縮器の位置関係を示す側面図。
【図10】本発明の実施の形態に係る燃料電池装置のブロック図。
【図11】本発明の実施の形態に係る燃料電池装置の断面図。
【符号の説明】
【0069】
3…装置本体、8…閉塞領域、13…電池構成要素(燃料カートリッジ)、15…蓋、16…開放領域(ユーザアクセス領域)、21…燃料電池(DMFCスタック)、36…吸気口、41…吸気フィルタ、52…排気口。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013