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発明の名称 燃料電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5052(P2007−5052A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181490(P2005−181490)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 田島 伸泰
要約 課題
本発明は、内部に滞留する予混合液を容易に吸い出すことのできる混合タンクを備える燃料電池を提供する。

解決手段
燃料電池1は、燃料タンク31と混合タンク41と起電部50と空気供給部60と復水器81と混合液供給路43と混合液回収路44と水供給路84とを備える。混合タンク41は、燃料タンク31と燃料供給路32で連通され、液体燃料を水と混合させて予混合液を作る。混合タンク41は、連通孔41eとチューブ48とキャップ49とを備える。連通孔41eは、内部と外部とを通じさせる。チューブ48は、予混合液を混合タンク41内から抜き取るために設けられ、連通孔41eの内部孔口41fに基端48aを固定し、先端48bを内部の底面41tに到達させる。キャップ49は、取外し可能に設けられ、外部に開口する連通孔41eの外部孔口41gを塞ぐ。
特許請求の範囲
【請求項1】
液体燃料を溜めておく燃料タンクと、
前記燃料タンクと燃料供給路で連通され、この燃料供給路を通して供給される前記液体燃料を水と混合させて予混合液を生成する混合タンクと、
前記予混合液を空気中の酸素と化学反応させて発電を行う起電部と、
前記起電部に前記空気を供給する空気供給部と、
前記起電部から排出される湿り空気中の水蒸気を凝縮させる復水器と、
前記混合タンクから前記起電部へ前記予混合液を送通する混合液供給路と、
前記起電部から前記混合タンクへ前記予混合液を送通する混合液回収路と、
前記復水器で回収された水を前記混合液回収路に合流させる水供給路と、を備え、
前記混合タンクは、
内部と外部を通じる連通孔と、
前記予混合液を前記混合タンク内から抜き取るために設けられ、前記内部に開口する前記連通孔の内部孔口に基端が固定されて先端が前記内部の底面に到達するチューブと、
前記外部に開口する前記連通孔の外部孔口を塞ぐ取外し可能なキャップと、を有する
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記混合タンクは、槽と蓋とで構成され、
前記連通孔は、前記蓋に設けられ、
前記チューブは、前記槽の深さよりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記槽は、前記チューブの先端を前記内部の底面に保持する装着部を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記装着部は、
前記チューブの外径よりも大きいザグリ部と、
前記ザグリ部の中央から立ち上がり前記チューブが外挿される支柱と、
前記支柱と前記チューブの内面との間に前記予混合液を送通する流路を形成する凹部と
を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記連通孔と前記装着部とは、前記層と蓋とを合わせる方向に対して互にオフセット配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記混合タンクにおける前記混合液回収路の混合液流入口は、前記混合液供給路の混合液流出口よりも前記燃料供給路の燃料流入口に近い位置に開口され、
前記装着部は、前記混合液流入口および前記混合液流出口よりも前記燃料流入口から遠い位置に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記装着部は、前記混合液回収路の混合液流入口および前記燃料供給路の燃料流入口から前記混合液供給路の混合液流出口へ前記混合タンクの内部を移動する前記予混合液の流れの淀みの領域に配置することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料と水とを混ぜ合わせた予混合液を生成する混合タンクを備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ポンプを含むモジュールが上壁に取り付けられている燃料タンクが、特許文献1に示されている。このモジュールは、モジュールから燃料タンクの底部まで延びる燃料供給管を備える。燃料タンクの中に貯留された液体の燃料は、この燃料供給管を通して吸い出される。
【特許文献1】米国特許第6,298,540 B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メタノールと水を混合した予混合液を電解質膜によって、空気中の酸素と化学反応させ、発電する燃料電池がある。燃料となるメタノールは、カートリッジ式のタンクにメーカで充填した状態でユーザに提供される。燃料電池は、この燃料タンクとは別に、燃料を水と均質に混ぜ合わせる混合容器を備えている。
【0004】
混合容器と電解質膜とは、予混合液を送通する流路で連通される。流路の途中には、冷却器や送液ポンプが設けられ、予混合液が循環される。燃料電池の装置全体の構成を小型にするために、閉止弁など流路中において省略できる部品は、極力省かれる。予混合液が循環する系統をメンテナンスのために分解する場合、混合タンク内に予混合液が残留していると、分解したところから予混合液が漏れ出すこともありうる。
【0005】
したがって、予混合液が流れる系統の一部を分解する場合は、少なくとも混合タンクの中の液を抜き取る必要がある。混合タンクは、槽に上蓋を小ネジで固定した構造である。予混合液を抜き取る際は、この上蓋を取外し、中の液をスポイトや注射機のようなもので吸い出す必要がある。そのため、上蓋を取り外した状態で中身を溢さないように慎重な作業を要するだけでなく、上蓋を開放するため埃などの異物が混入する可能性もある。
【0006】
また、特許文献1のように、燃料ポンプを内蔵するモジュールの先に取り付けられた燃料供給管は、エンジンなどに燃料を供給するために用意されたものであり、タンク内の燃料を短時間で吸い出すように設けられていない。
【0007】
さらに、燃料電池を分解する場合、予混合液を循環させるためのポンプなどは、駆動力が得られないため、これらを利用することもできない。
【0008】
そこで、本発明は、内部に対流する予混合液を容易に吸い出すことのできる混合タンクを備える燃料電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の燃料電池は、燃料タンクと、混合タンクと、起電部と、空気供給部と、復水器と、混合液供給路と、混合液回収路と、水供給路とを備える。燃料タンクは、液体燃料を溜める。混合タンクは、燃料タンクと燃料供給路で連通され、この燃料供給路を通して供給される液体燃料を水と混合させて予混合液を生成する。起電部は、予混合液を空気中の酸素と化学反応させて発電を行う。空気供給部は、起電部に空気を供給する。復水器は、起電部から排出される湿り空気中の水蒸気を凝縮させる。混合液供給路は、混合タンクから起電部へ予混合液を送通する。混合液回収路は、起電部から混合タンクへ予混合液を送通する。水供給路は、復水器で回収された水を混合液回収路に合流させる。
【0010】
そして、混合タンクは、連通孔とチューブとキャップとを備える。連通孔は、内部と外部とを通じさせる。チューブは、予混合液を混合タンク内から抜き取るために設けられ、内部に開口する連通孔の内部孔口に基端を固定し、先端を内部の底面に到達させる。キャップは、取外し可能に設けられ、外部に開口する連通孔の外部孔口を塞ぐ。
【発明の効果】
【0011】
本発明の燃料電池は、予混合液が循環する系統を分解する前に、混合タンクを開放することなく、容易に混合タンクから予混合液を抜き取り回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る第1の実施形態の燃料電池1について、ノート型のポータブルコンピュータPの外部電源に適用した場合を例として、図1から図10を参照して説明する。この燃料電池1は、発電方法の概念図を図5に示すように、メタノールと水を混合した予混合液を燃料とし、この予混合液を空気中の酸素と電解質膜で化学反応させることによって発電させる、ダイレクトメタノール方式の燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)である。このDMFCは、水素を燃料に用いる燃料電池よりも取り扱いが易しく、図3に示すように、装置全体を小型にまとめることができる。
【0013】
燃料電池1は、図1に示すように、直方体に形成された本体11と、本体11の底に沿って平坦に延出した載置部12とを有している。図1に示すように、本体11の壁部には多数の通気孔11aが形成されている。図3に示す発電部2が、本体11の内部に納められている。
【0014】
載置部12は、図2に示すようにポータブルコンピュータPの後部とドッキングできるように形成されている。載置部12の内部には、発電部2の動作を制御する制御部3が設けられている。載置部12の上面には、ポータブルコンピュータPを連結するロック機構13と、燃料電池1から電力をポータブルコンピュータPに供給するためのコネクタ14とが設けられている。
【0015】
ロック機構13は、載置部12上の3箇所に配置されており、それぞれ位置決突起131とフック132とを備える。ロック機構13に連結される係合孔、およびコネクタ14に接続されるソケットは、ポータブルコンピュータPの後部底面に各々設けられられている。
【0016】
載置部12は、ポータブルコンピュータPが押し当てられると、ロック機構13が係合孔に挿入され、フック132によって載置部12にポータブルコンピュータPを保持する。その結果、ソケットがコネクタ14と電気的に接続される。載置部12は、さらにイジェクトボタンEを備える。このイジェクトボタンEを押すと、ロック機構13のフック132が解除され、ポータブルコンピュータPを燃料電池1から取り外すことができるようになる。
【0017】
発電部2は、図3の斜視図および図4の系統図に示すように、燃料供給部30と予混合液循環部40と起電部50と空気供給部60と燃料冷却部70と水回収部80と濃度センサ90とを備える。
【0018】
図4に示すように燃料供給部30は、燃料タンク31と燃料供給路32と燃料バルブ33と燃料ポンプ34とで構成されている。予混合液循環部40は、混合タンク41と循環ポンプ42と混合液供給路43と混合液回収路44とフィルタ45とイオンフィルタ46と循環逆止弁47とで構成されている。
【0019】
起電部50は、複数のセルが積層されて構成されている。各セルは、図5に示すように、アノード(燃料極)51とカソード(空気極)52とこれらの間に挟まれる電解質膜53とで構成されている。
【0020】
空気供給部60は、送気ポンプ61と吸気バルブ62と吸気フィルタ63とで構成されている。燃料冷却部70は、排液冷却器71と第1の冷却ファン72と予混合液冷却器73とで構成される。水回収部80は、復水器81と第2の冷却ファン82と回収槽83と水供給路84と水回収ポンプ85とで構成される。
【0021】
濃度センサ90は、音速センサが適用されている。物質中の音速を計測することでその物質の密度が分かるので、これを基に燃料であるメタノールと水との分子量から予混合液の濃度が求まる。
【0022】
燃料タンク31は、液体燃料として高濃度のメタノールが入れられている。燃料タンク31は、取替えが簡単な燃料カートリッジとして構成されている。したがって、燃料タンク31を取り替える際に燃料タンク31が入れられている部分に相当する本体11の一部は、カバー11bとして取り外せるように形成されている。
【0023】
燃料タンク31は、燃料供給路32によって混合タンク41に連通されている。燃料供給路32の途中には、燃料バルブ33と燃料ポンプ34が設けられている。燃料バルブ33は、電磁弁であり、燃料ポンプ34とともに制御部3によって、動作制御される。
【0024】
混合タンク41は、図6に示すように、槽41aと蓋41bとで構成されている。槽41aは、図7に示すように、燃料供給路32と連通される燃料流入口32aと、混合液供給路43と連通される混合液流出口43aと、混合液回収路44と連通される混合液流入口44aとが設けられている。混合タンク41内において、混合液流入口は44a、混合液流出口43aよりも燃料流入口32aに近い位置に開口している。槽41aと蓋41bとの合わせ面を機密にするために、パッキング41cが槽41aのシート面に装着されている。
【0025】
蓋41bは、内部と外部とを通じさせる連通孔41e有している。この連通孔41eは、図8に示すように、混合タンク41の内側に向かって突出する内部孔口41fに、チューブ48の基端48aが取り付けられている。
【0026】
連通孔41eの外部孔口41gは、混合タンク41の外側に向かって突出し、キャップ49で塞がれている。キャップ49は、ビス49aで蓋41bに取外せるように固定されている。キャップ49の内側には、シール部材となるOリング49bが取り付けられている。蓋41bは、Oリング49bで密閉される範囲の内側となる外部孔口41gの脇に、内部に繋がる通気孔41hをさらに有している。
【0027】
チューブ48は、槽41aの底面41tに先端48b到達する十分な長さを有している。槽41aの底面41tには、図7および図8に示すように、チューブ48の先端48bを保持する装着部410が設けられている。この装着部410は、混合タンク41内において、混合液流入口44aおよび混合液流出口43aよりも燃料流入口32aから遠い位置に設けられている。
【0028】
本実施形態の場合、混合タンク41は、直方形の箱型であり、燃料流入口32aと混合液流入口44aとが配置されている側の壁に対してこれと対面する側の一方の角寄りに混合液流出口43aが設けられている。そして、混合液流出口43aが設けられた側の他方の角に装着部410が配置される。
【0029】
装着部410は、図7から図9に示すように、ザグリ部411と支柱412と凹部413とで構成される。ザグリ部411は、図8および図9に示すようにチューブの外径よりも大きく、槽41aの内部の底面41tから球面形に掘り下げられている。支柱412は、7および図9に示すように、ザグリ部411の中央から立ち上がり、水平断面形状が十字形である。凹部413は、ザグリ部411から支柱412の先端まで支柱412の外面に沿って形成される。チューブ48の先端48bは、この支柱412に外挿される。したがって、凹部413は、チューブ48と支柱412の外周との間に流路を形成する。
【0030】
混合液供給路43および混合液回収路44は、混合タンク41と起電部50との間に設けられ、予混合液を循環させるループを形成している。混合液供給路43は、混合タンク41から起電部50へ予混合液を送通する。混合液回収路44は、起電部50から混合タンク41へ予混合液を送通する。
【0031】
混合液供給路43は、循環ポンプ42とフィルタ45とイオンフィルタ46と循環逆止弁47とが途中に設けられている。フィルタ45は、循環ポンプ42までの間に配置され、イオンフィルタ46は、循環ポンプ42から循環逆止弁47までの間に配置されている。循環ポンプ42は、予混合液を混合タンク41から起電部50へ送液する。
【0032】
混合液回収路44は、排液冷却器71を途中に設けている。排液冷却器71は、複数回折り返された伝熱管と、この伝熱管の周りに直角に取り付けられた多数の放熱フィンとを有している。また、第1の冷却ファン72が、排液冷却器71に取り付けられる。第1の冷却ファン72は、本体11の通気孔11aから外気を冷却空気として吸い込み、放熱フィンに沿う方向に空気を送る。
【0033】
起電部50は、図5に示すようにアノード51とカソード52とが電解質膜53を挟むように配置されており、アノード51には予混合液が流され、カソード52には空気が流される。混合液供給路43および混合液回収路44は、アノード51に接続されている。カソード52には、空気供給部60と通じる吸気路64および復水器81に通じる排気路86が接続される。
【0034】
起電部50では、図5に示すように、アノード51に流される予混合液中のメタノールおよび水が電解質膜53を介して、カソード52に流される空気中の酸素と反応し、発電される。このとき、アノード51側では、反応性生物として二酸化炭素が生成され、余った予混合液とともに混合液回収路44に排出される。また、カソード52側では、水が水蒸気の状態で生成され、湿り空気となって排気路86に排出される。
【0035】
空気供給部60は、送気ポンプ61で吸気フィルタ63から酸素を含む空気を吸い込み、吸気路64を通してカソード52に送通する。送気ポンプ61とカソード52との間には、吸気バルブ62が設けられている。排気路86は、復水器81、排気フィルタ87および排気バルブ88を通って、本体11の通気孔11aに向かって開口する排気口89へと通じている。
【0036】
復水器81は、水平方向に対して傾斜して伸びる複数の凝縮管と、この凝縮管の回りに取り付けられる冷却フィンとを備える。復水器81は、図3に示すように、第1の冷却ファン72および第2の冷却ファン82を挟んで、排液冷却器71と並べて配置される。第2の冷却ファン82は、復水器81の凝縮管に取り付けられた冷却フィンに沿って、本体11の通気孔11aを通して取り入れた外気を送る。
【0037】
排気路86を通って送られてきた湿り空気中の水分は、復水器81で凝縮され、復水器の下部に配置される回収槽83に溜まる。回収槽83は、水供給路84によって混合液回収路44の途中に連通している。水位センサ83aが回収槽83に設けられ、溜まった水の水位を検出する。水供給路84の途中には、水回収ポンプ85と逆止弁85aとが設けられている。水回収ポンプ85は、回収槽83の水を混合タンク41に送る。
【0038】
また、復水器81で水分がある程度回収された空気は、復水器81の上部から排気され、排気フィルタ87へと送通される。排気フィルタ87は、金属触媒などにより構成され、排気路86を通して排気される空気中に含まれるメタノールなどの有害物質を除去する。排気フィルタ87の直下には、貯溜部87aが設けられている。この貯溜部87aは、水回収ポンプ85と逆止弁85aとの間で水供給路84に、貯溜部87aへの逆流を防止する逆止弁87bを備える回収路87cを介して連通される。
【0039】
濃度センサ90は、予混合液中のメタノール濃度を計測するために、バイパス路91の途中に設けられる。バイパス路91は、循環ポンプ42とイオンフィルタ46との間の混合液供給路43から分岐され、混合タンク41に予混合液を還流する。濃度センサ90の検出分解能が熱によって低下することを防止するために、バイパス路91は、濃度センサ90の上流に予混合液冷却器73が設けられる。
【0040】
予混合液冷却器73は、第1の冷却ファン72によって形成される冷却空気流に対し排液冷却器71の上流側に配置される。予混合液冷却器73は、配管を蛇腹状に折り返した形状を有する。濃度センサ90に送られる予混合液は、予混合液冷却器73を通過することで冷却される。この場合、予混合液冷却器73の冷却能力は、濃度センサ90に送られる予混合液の温度を40℃以下にする程度であることが望ましい。
【0041】
制御部3は、図5に示すように、燃料ポンプ34、循環ポンプ42、送気ポンプ61、吸気バルブ62、第1の冷却ファン72、第2の冷却ファン82、水位センサ83a、水回収ポンプ85、排気バルブ88、濃度センサ90と信号線で接続され、これらを制御する。制御部3は、燃料ポンプ34、循環ポンプ42、送気ポンプ61、水回収ポンプ85の各々の流量、および吸気バルブ62、排気バルブ88の各々の開度によって、燃料電池1内の各流体の流れを制御する補機を構成している。
【0042】
燃料電池1において、混合タンク41、起電部50、排液冷却器71、復水器81、第1の冷却ファン72、第2の冷却ファン82、およびポンプ類は、図3に示すベースマニホールド100の上に載置され、一体に支持される。各流体を流す複数の流路は、ベースマニホールド100の中に形成されている。ベースマニホールド100は、外径が矩形状のベース基板およびベース基板とほぼ同一外形に形成された板状のカバー部材を有している。ベース基板には、流路となる溝が形成され、カバー部材は、これらの溝を覆ってベース基板に張り合わされるている。
【0043】
上記のように構成された燃料電池1は、ポータブルコンピュータPの後端部が燃料電池1の載置部12に載置され、ポータブルコンピュータPとロック機構13で固定されるとともにコネクタ14を介して電気的に接続される。この状態で、本体11に設けられたスイッチがオンにされると、燃料電池1は、発電を開始する。
【0044】
制御部3は、燃料ポンプ34を駆動させ、燃料タンク31から混合タンク41に高濃度のメタノールを供給する。燃料流入口32aから噴出したメタノールは、混合タンク41内で、既存の予混合液、アノードから還流された予混合液、混合液回収路44の途中で復水器81の回収槽83から戻された水と、攪拌希釈される。この攪拌は、燃料流入口32a噴出するメタノールの流れ、および混合液流入口44aから噴出する予混合液の流れによって行われる。
【0045】
メタノールが足された予混合液は、循環ポンプ42によってアノード51に供給される。カソード52には、送気ポンプ61によって空気が供給されている。図5で示したように、供給されたメタノールおよび空気は、アノード51とカソード52との間に設けられた電解質膜53で化学反応する。その結果、アノード51とカソード52との間に電力が発生する。起電部50で発生した電力は、制御部3からコネクタ14を介してポータブルコンピュータPへ供給される。
【0046】
発電反応に伴い、起電部50のアノード51側には二酸化炭素が生成され、カソード52側には水(水蒸気)が生成される。アノード51側に生じた二酸化炭素および化学反応に供されなかった予混合液は、混合液回収路44へ送られ、排液冷却器71を通して冷却された後、混合タンク41に還流する。
【0047】
二酸化炭素は、混合タンク41内で気化し、気液分離膜41kを通過して、混合タンク41から生成ガス回収路86aを通って排気路86の途中に合流される。そして、水分が回収された空気とともに、二酸化炭素は、排気フィルタ87に通され、排気バルブ88を介して、最終的には排気口89から外部へ排気される。気液分離膜41kを通して空気および空気中に飛沫したメタノールは、排気フィルタ87を通過することで排気フィルタ87に回収除去除去される。
【0048】
カソード52側に生じた水は、その大部分が水蒸気となって空気とともに排気路86に排出される。水分を含む湿り空気は、復水器81によって水分が凝縮分離される。空気は、排気バルブ88を通り、排気口89から本体11内に排気され、更に、本体11の通気孔11aを通して外部に排気される。凝縮された水は、回収槽83に溜まり、水回収ポンプ85で混合液回収路44の途中に注入される。そして、水は、混合タンク41へ送られ、メタノールと混合された後、再び起電部50へ供給される。
【0049】
また、復水器81によって回収しきれなかった水分の一部が、復水器81よりも下流側の排気路86で結露した水は、排気フィルタ87の直下に設けられる貯溜部87aに溜められ、水供給路84を介して混合液回収路44の途中に合流される。
【0050】
燃料電池1の動作中、第1の冷却ファン72および第2の冷却ファン82が駆動され、本体11に形成された通気孔11aを通して外気が本体11内に導入される。通気孔11aを通して本体11内に導入された外気および本体11内の空気は、予混合液冷却器73および排液冷却器71を通り、第1の冷却ファン72に吸気される。第2の冷却ファン82により本体11内に導入された外気および本体11内の空気は、復水器81を通って第2の冷却ファン82に吸気される。また、第1の冷却ファン72および第2の冷却ファン82から排気された空気は、起電部50およびその周囲を通過した後、本体11の外部に排気される。
【0051】
混合タンク41内におけるメタノールの濃度は、濃度センサ90によって検出される。制御部3は、検出された濃度に応じて水回収ポンプ85を作動させ、回収槽83から混合タンク41供給する水の量を調整する。これにより、予混合液のメタノールの濃度を一定に維持する。また、排気路86を通じて回収される水の回収量、つまり、水蒸気の凝縮量は、回収槽83に回収された水の水位に応じて、復水器81の冷却能力を制御することにより調整される。本実施形態では、水位センサ83aにより検出された水位に応じて第2の冷却ファン82の駆動電圧を制御することにより、復水器81の冷却能力を調整し、水の回収量を制御する。
【0052】
水回収ポンプ85が制御部3により正転駆動される間、逆止弁85aが開き、逆止弁87bが閉じられる。そして、回収槽83内の水は、水供給路84および逆止弁85aから混合液回収路44を通って混合タンク41へ送られる。
【0053】
また、制御部3は、一定の動作期間ごとに水回収ポンプ85を所定時間、逆転駆動させる。貯溜部87a内に溜まった水を回収槽83に回収する。水回収ポンプ85が逆転駆動されると、逆止弁87bが開き、逆止弁85aが閉じられる。この結果、貯溜部87aに溜まった水および復水器81より下流の排気路86内で結露した水は、回収路87c、逆止弁87b、および水供給路84を通って回収槽83に回収される。その後、回収された水は、混合タンク41へ供給され、メタノールの希釈に用いられる。
【0054】
燃料電池1のメンテナンスなどのために、メタノールを含む予混合液が循環する系統を開放する場合、開放した箇所から予混合液が流出しないように、混合タンク41から予め抜き取る。予混合液を抜き取るには、混合タンク41の蓋41bに取り付けられたキャップ49を取外し、露出された連通孔41eの外部孔口41gにシリンジやスポイトなどの吸引器を装着する。
【0055】
連通孔41eの内部孔口41fには、混合タンク41の底面41tに設けられた装着部410に先端が挿し込まれたチューブ48が装着されているので、混合タンク41内の予混合液は、確実に吸い出される。また、予混合液を抜き取るために、混合タンク41の蓋41bを全体的に開放することが無いので、作業中に予混合液をこぼすことも無く、またメタノールが空気中に揮発することを防止することができる。そして、混合タンク41を封止して予混合液を再注入する際にも、この連通孔41eがあることによって作業が容易に行える。
【0056】
支柱412の基部は、底面41tに沿った断面の十文字方向にこの底面41tと面一に設けられている。したがって、チューブ48を支柱412の基部まで挿し込んでもザグリ部を塞ぐことは無い。つまり、確実に混合タンク41内の予混合液を吸い上げることができる。
【0057】
また、装着部410は、混合タンク41内において、混合液流入口44aおよび混合液流出口43aよりも燃料流入口32aから遠い位置に設けられている。つまり、混合タンク41内において、燃料流入口32aから噴出するメタノール、混合液流入口44aから噴出する予混合液、および混合液流出口43aに吸い込まれる予混合液によって混合タンク41内に形成される流れの淀みSに装着部410が配置されるため、装着部410がメタノールと水との攪拌、混合を阻害しない。
【0058】
さらに、連通孔41eに対して装着部410は、図8に示すように、槽41aと蓋41bとを合わせる方向に対して、オフセット配置されている。したがって、チューブ48を取り付けて蓋41bを閉じる場合、槽41aの深さよりも長いチューブ48を装着しても、連通孔41eと装着部410とがオフセットされた方向にチューブ48湾曲させやすい。本実施形態では、直方体の層の1つの壁41pに寄せて連通孔41eと装着部410とが配置されており、この壁41pに沿ってチューブ48が湾曲するため、混合タンク41内におけるメタノールと水とを混合する流れをチューブ48が妨げない。
【0059】
なお、本実施形態のように、連通孔41eとチューブ48と装着部410とを備える場合、蓋41bは、予混合液の液面と平行な面で開放される場合によらず、垂直な面に沿って開放されるように設けられても良い。この場合、装着部410は、予混合液が溜まる底面41tに設け、連通孔41eは、休止中における液面よりも高い位置に設けることが好ましい。
【0060】
図9に示した装着部410の形状は、図10に示す装着部410aであっても良い。図10に示す装着部410aは、混合タンク41の底面41tから立ち上がる支柱412aに頂部から基部まで十文字に擦り割りすることによって、凹部となるスリット414を設けている。このスリット414は、混合タンク41の内部底面41tよりも深く、かつチューブ48の外径よりも大きい範囲まで切り込まれている。なお、スリット414は、十文字ではなく一文字でも良い。このスリット414を設けることで、チューブ48を支柱412aの基部まで挿し込んでも、第1の実施形態の装着部410と同様に、予混合液を吸い上げるための妨げにはならない。
【0061】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0062】
ベースマニホールド100に形成する流路は、混合液供給路43、混合液回収路44、水供給路84に限らず、必要に応じて種々変更可能である。発電部2は、燃料タンク31、混合タンク41、起電部50、排液冷却器71および復水器81を順番に並べて配置した構成としたが、これらの配置は必要に応じて種々変更可能である。成就した実施形態では、混合タンク41、起電部50、排液冷却器71および復水器81をベースマニホールド100上に実装する構成としたが、これに限定されることなく、これらの少なくとも1つをベースマニホールド100上に取り付ける構成としてもよい。
【0063】
この発明に係る燃料電池1は、上述したポータブルコンピュータPに限らず、モバイル機器、携帯端末等の他の電子機器の電源としても使用可能である。燃料電池の形式としは、DMFCに限らず、PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)等の他の形式としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の燃料電池を示す斜視図。
【図2】図1に示した燃料電池にポータブルコンピュータを接続した状態の斜視図。
【図3】図1に示した燃料電池の内部構造の斜視図。
【図4】図3に示した燃料電池の発電システムの系統図。
【図5】図4に示した起電部のセル構造を模式的に示す図。
【図6】図3に示した混合タンクの分解斜視図。
【図7】図6に示した混合タンクの層を上から見た平面図。
【図8】図7中にF8−F8線に沿って示す混合タンクの断面図。
【図9】図7に示した装着部の斜視図。
【図10】図9に示した装着部と異なる他の形状の装着部の斜視図。
【符号の説明】
【0065】
1…燃料電池、2…発電部、31…燃料タンク、32…燃料供給路、32a…燃料流入口、41…混合タンク、41a…槽、41b…蓋、41e…連通孔、41f…内部孔口、41g…外部孔口、41t…底面、43…混合液供給路、43a…混合液流出口、44…混合液回収路、44a…混合液流入口、48…チューブ、48a…基端部、48b…先端部、49…キャップ、50…起電部、81…復水器、84…水供給路、410,410a…装着部、411…ザグリ部、412,412a…支柱、413…凹部、414…スリット(凹部)、S…淀み。




 

 


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