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固体撮像装置およびこれを用いたカメラ - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 固体撮像装置およびこれを用いたカメラ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12916(P2007−12916A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−192518(P2005−192518)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100090446
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 司朗
発明者 林 正一 / 酒匂 宏
要約 課題
マイクロレンズを備えることで射出瞳距離の短い光学系に対応可能であって、感度低下およびシューティングなどの感度ムラの発生を抑えながら、優れたスミア特性を有する固体撮像装置およびこれを備えるカメラを提供する。

解決手段
固体撮像装置1では、撮像領域の中心部1Cにおける受光部13の中心軸CCを基準とし、読み出しおよび非読み出しの両方向における外縁部1L、1Rの画素の受光部13の中心軸CL、CRまでの距離をrとし、読み出し方向外縁部1Lの画素におけるトップレンズ25Lの光軸X2Lまでの距離をaとし、非読み出し方向外縁部1Rの画素におけるトップレンズ25Rの光軸X2Rまでの距離をbとするとき、(r−a)<(r−b)の関係が成り立つように、瞳補正がなされている。
特許請求の範囲
【請求項1】
一の半導体基板を共通のベースとし、複数の撮像画素が線状または2次元状に配置されてなる撮像領域を備え、
各撮像画素が、前記半導体基板内に形成された受光部と、当該受光部に対して間隔をあけた状態で形成され、前記受光部で生じた信号電荷を読み出して一方向に転送する転送部と、前記半導体基板上の前記受光部に対応する部分に受光開口部が設けられた遮光膜と、前記半導体基板の上方に形成されたマイクロレンズとを備える固体撮像装置であって、
前記撮像領域において、前記信号電荷の転送方向は、前記複数の撮像画素で同一であって、当該方向を読み出し方向とし、その逆を非読み出し方向とするとき、
前記撮像領域の中心から前記受光開口部の中心までの距離が同一の関係にある前記読み出し方向の外縁部と前記非読み出し方向の外縁部との各撮像画素において、
前記受光開口部の中心と前記マイクロレンズの光軸とのオフセット距離が、前記読み出し方向の外縁部における撮像画素の方が前記非読み出し方向の外縁部における撮像画素よりも小さく設定されている
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記各撮像画素におけるマイクロレンズは、前記受光開口部から光の入射方向に向けて順に配された第1マイクロレンズ要素と第2マイクロレンズ要素とで構成されており、
前記各撮像画素における前記受光開口部の中心と第1マイクロレンズ要素および第2マイクロレンズ要素の各光軸とのオフセット距離は、ともに前記読み出し方向の外縁部における撮像画素の方が前記非読み出し方向の外縁部における撮像画素よりも小さく設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記各撮像画素における転送部は、前記受光部に対して前記読み出し方向に間隔をあけて形成された読み出し側転送要素と、前記受光部に対して前記非読み出し方向に間隔をあけて形成された非読み出し側転送要素とで構成されており、
前記各撮像画素において、前記受光部と前記読み出し側転送要素との間の間隔は、前記受光部と前記非読み出し側転送要素との間の間隔よりも大きく設定されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの固体撮像装置を撮像デバイスとして備え、主光線角度の最大絶対値が10度以上である
ことを特徴とするカメラ。
【請求項5】
その使用用途が監視用、車載用および携帯用の何れかである
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置およびこれを用いたカメラに関し、特に固体撮像装置における受光部開口に対するマイクロレンズの位置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置は、携帯機器やカメラなどの画像入力装置として広く普及している。固体撮像装置は、カムコーダの小型化や内視鏡への応用などに伴い、射出瞳距離の短い光学系への対応が要求されている。
上記射出瞳距離の短い光学系に対応すべく提案されている固体撮像装置の構造について、図4を用いて説明する。図4(b)、(c)に示すように、固体撮像装置500は、半導体基板511の一方の主面に、層間絶縁膜514が形成され、その上に互いに間隔をあけて対をなす転送電極515が形成されている。転送電極515の上には、遮光膜516およびパッシベーション膜517が被覆形成され、さらにその上に、平坦化膜519、カラーフィルタ520およびレンズ形成膜521が順に積層されている。
【0003】
半導体基板511の主面から内方に向けては、対をなす転送チャネル512とこれらに挟まれるようにフォトダイオード513が形成されている。また、フォトダイオード513の上方においては、遮光膜516が開口されて、受光開口部518が形成されている。
また、レンズ形成膜521の表面における受光開口部518の上方に当たる部分は、凸状に成形されてマイクロレンズ522が形成されている。
【0004】
図4(a)に示すように、射出瞳距離の短い光学系に対応の場合には、固体撮像装置500の中心部500cと外縁部500aとで入射光Lの入射角度に差異を生じる。図4(b)に示すように、中心部500cでは、略垂直方向に入射光Lが入射するために、入射光Lの全体が受光開口部518を通過してフォトダイオード513に入射されるのに対して、図4(c)に示すように、外縁部500aでは、入射光Lの一部が受光開口部518を囲む遮光膜516やパッシベーション膜517で遮られてしまう、所謂、ケラレという現象が発生する。このため、図4に示す構成の固体撮像装置500では、感度低下やシューティングなどの感度ムラなどの問題が発生する。
【0005】
上記射出瞳距離の短い光学系に対応する場合におけるケラレの問題に対しては、例えば、外縁部においてマイクロレンズの光軸を受光開口部の中心軸に対してオフセットする、所謂、瞳補正を行うという提案がなされている(例えば、特許文献1)。図5に示すように、特許文献1では、固体撮像装置の外縁部において、受光開口部618の中心軸Cに対してマクロレンズ622の光軸Xを距離tだけオフセットすることで瞳補正をかけるという技術が開示されている。上記距離tは、固体撮像装置の中心部から外縁部に向かうに従って大きくなるように設定される。当該文献では、このようにマイクロレンズ622に瞳補正をかけることで、感度低下やシューティングなどの感度ムラの発生を抑制しようとしている。
【特許文献1】特開平10−229180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1で提案の固体撮像装置では、外縁部の一部において、マイクロレンズ622により屈折しフォトダイオード613に到達しない光が転送チャネル612へと入射してしまい、特にスミア特性が大きく劣化してしまうという問題を生じる。即ち、固体撮像装置では、各画素における転送チャネル612には読み出し側と非読み出し側とが設定され、非読み出し側の転送チャネル612とフォトダイオード613との間隔は、読み出し側の転送チャネル612とフォトダイオード613との間隔よりも小さく設定されている。そして、固体撮像装置では、配されている全画素において、同一の方向性を以って、上記フォトダイオード613に対する各転送チャネル612の間隔が設定されている。
【0007】
このような読み出し側と非読み出し側とにおける各画素での上記間隔の差異を考慮するとき、固体撮像装置の撮像領域の中心からの距離のみに応じてマイクロレンズ622のオフセット距離tが設定されている上記特許文献1の技術では、装置の非読み出し側における外縁部の画素において、マイクロレンズ622で屈折しフォトダイオード613に到達しない光が転送チャネル612に入射してしまうため、上記スミア特性の大きな劣化を生じるものである。これによって、固体撮像装置における非読み出し側の外縁部では、上述のように、スミア特性が大きく劣化するに至るものである。
【0008】
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、マイクロレンズを備えることで射出瞳距離の短い光学系に対応可能であって、感度低下およびシューティングなどの感度ムラの発生を抑えながら、優れたスミア特性を有する固体撮像装置およびこれを備えるカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するために、本発明に係る固体撮像装置は、一の半導体基板を共通のベースとし、複数の撮像画素が線状または2次元状に配置されてなる撮像領域を備え、各撮像画素が、半導体基板内に形成された受光部と、当該受光部に対して間隔をあけた状態で形成され、受光部で生じた信号電荷を読み出して一方向に転送する転送部と、半導体基板上の受光部に対応する部分に受光開口部が設けられた遮光膜と、半導体基板の上方に形成されたマイクロレンズとを備える構成を有するものであって、撮像領域において、信号電荷の転送方向が複数の撮像画素で同一であって、当該方向を読み出し方向とし、その逆を非読み出し方向とするとき、撮像領域の中心から受光開口部の中心までの距離が同一の関係にある読み出し方向の外縁部と非読み出し方向の外縁部との各撮像画素において、受光開口部の中心とマイクロレンズの光軸とのオフセット距離が、読み出し方向の外縁部における撮像画素の方が非読み出し方向の外縁部における撮像画素よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明に係る固体撮像装置において、撮像領域の中心を基準とし、読み出しおよび非読み出しの両方向における外縁部の撮像画素の受光開口部の中心までの距離をrとし、読み出し方向外縁部の上記撮像画素におけるマイクロレンズの光軸までの距離をaとし、非読み出し方向外縁部の上記撮像画素におけるマイクロレンズの光軸までの距離をbとするとき、次の関係が成立することを特徴とする。
【0011】
[数1]
(r−a)<(r−b)

なお、上記数式1の関係については、固体撮像装置における全撮像画素に対して適用してもよいし、経験的に必要と考えられる撮像領域の一部にあたる外縁部にだけ適用することもできる。
【0012】
また、本発明に係るカメラは、上記本発明に係る固体撮像装置を撮像デバイスとして備え、主光線角度の最大絶対値が10°以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る固体撮像装置では、(数1)に示す関係を以って、マイクロレンズの瞳補正をかけているので、上記特許文献1の固体撮像装置のように非読み出し方向外縁部の撮像画素において、マイクロレンズにより屈折し受光部に到達しない光が転送部に入射することが抑制される。即ち、本発明に係る固体撮像装置では、受光部中心までの距離が撮像領域中心から同一距離にある読み出し方向外縁部の撮像画素と非読み出し方向外縁部の撮像画素の各々において、読み出し方向外縁部の撮像画素における受光開口部の中心とマイクロレンズの光軸との間のオフセット距離を、非読み出し方向外縁部の撮像画素よりも小さく設定していることから、上記受光部に到達しない光が転送部に入射するのを抑制することができる。よって、本発明に係る固体撮像装置では、想定よりも大きな角度を以って光が入射した際や、射出瞳距離の短いレンズで大きな角度を以って光が入射した際にも、スミア特性の劣化を抑制することができる。
【0014】
従って、本発明に係る固体撮像装置では、マイクロレンズを備えることで射出瞳距離の短い光学系に対応可能であって、感度低下およびシューティングなどの感度ムラの発生を抑えながら、優れたスミア特性を有する。
本発明に係る固体撮像装置では、各撮像画素におけるマイクロレンズが、受光開口部から光の入射方向に向けて順に配された第1マイクロレンズ要素と第2マイクロレンズ要素とで構成されている場合においても、各撮像画素における受光開口部の中心と第1マイクロレンズ要素の光軸および第2マイクロレンズ要素の光軸との各オフセット距離が、ともに読み出し方向の外縁部における撮像画素の方が非読み出し方向の外縁部における撮像画素よりも小さく設定されている特徴を有することで上記優位性を有する。
【0015】
また、本発明に係る固体撮像装置では、各撮像画素における転送部が、受光部に対して読み出し方向に間隔をあけて形成された読み出し側転送要素と、受光部に対して非読み出し方向に間隔をあけて形成された非読み出し側転送要素とで構成されている場合、各撮像画素において、受光部と読み出し側転送要素との間の間隔は、受光部と非読み出し側転送要素との間の間隔よりも大きく設定されているという構成とすることもできる。
【0016】
本発明に係るカメラは、上記本発明に係る固体撮像装置を撮像デバイスとして備えているので、上記優位性をそのまま有することになり、さらにカメラの小型化を実現する上で優位である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例を以って説明する。なお、以下で説明する実施の形態はあくまでも一例であって、本発明は、以下の形態だけに限定されるものではない。
1.固体撮像装置1の構成
本実施の形態に係る固体撮像装置1は、その使用用途が携帯電話機用カメラに用いられるものである。固体撮像装置1の構造について、図1を用いて説明する。図1は、(a)がその撮像領域を側面から示した模式図であり、(b)が撮像領域の中心部1Cを示す部分断面図であり、(c)が撮像領域の読み出し側外縁部1Lを示す部分断面図であり、(d)が撮像領域の非読み出し側外縁部1Rを示す部分断面図である。
【0018】
図1(a)に示すように、本実施の形態においては、射出瞳距離を表す数値として主光線角度αを採用する。なお、本実施の形態に係る固体撮像装置1における主光線角度αの絶対値は、0〜25°である。
図1(a)では、固体撮像装置1を、一の半導体基板11を共通のベースとして複数の撮像画素が形成されており、便宜的に、撮像領域の中心部1Cと読み出し側外縁部(図1(a)の左側)1Lと非読み出し側外縁部(図1(a)の右側)1Rとに区分している。
【0019】
図1(b)〜(d)に示すように、固体撮像装置1の撮像領域は、中央部1C、読み出し方向側外縁部1L、非読み出し方向側外縁部1Rで共通の積層構造を有している。具体的には、固体撮像装置1は、半導体基板11における一方の主表面から内方に向けて受光部であるフォトダイオード13が各画素ごとに設けられている。
また、半導体基板11における同表面から内方にかけての領域には、フォトダイオード13を間に挟み、且つ、それぞれが間隔をあけて転送チャネル12a、12bが形成されている。図1(b)〜(d)に示すように、図の左側に位置する転送チャネル12aが読み出し転送チャネルであって、固体撮像装置1の一方向に向けて信号電荷の転送を実行する。図1(b)〜(d)の各々において、フォトダイオード13の右側に位置する転送チャネル12bは、非読み出し転送チャネルである。
【0020】
ここで、受光部であるフォトダイオード13は、光電変換により信号電荷の発生と蓄積を担い、転送部ある転送チャネル12a、12bは、フォトダイオード13で発生の信号電荷を読み出し、この信号電荷を一方向(読み出し方向)に転送する。
固体撮像装置1においては、撮像領域の全画素において、フォトダイオード13と読み出し転送チャネル12aとが間隔LP1をあけ、フォトダイオード13と非読み出し転送チャネル12bとが間隔LP2をあけて設定されている。間隔LP1と間隔LP2との間には、次の関係がある。
【0021】
[数2]
LP1>LP2

フォトダイオード13に対する読み出し転送チャネル12aと非読み出し転送チャネル12bとの配置方向は、固体撮像装置1の撮像領域に存在する全画素で同一となっている。
【0022】
半導体基板11の主表面上には、その全面を覆う状態に層間絶縁膜14が形成され、さらにその上であって、転送チャネル12a、12bの上方に転送電極15が各々形成されている。転送チャネル15の周りを囲むように遮光膜16およびパッシベーション膜17が積層形成されており、その上に平坦化膜19が形成されている。
遮光膜16は、各画素におけるフォトダイオード13の上方で開口されている(この開口された部分を、以下では「受光開口部18」と記載する)。
【0023】
平坦化膜19の上には、層内レンズ形成膜20、平坦化膜22、カラーフィルタ23、トップレンズ形成膜24が順に積層されている。層内レンズ形成膜20およびトップレンズ形成膜24の各々は、各画素においてZ軸方向(図1(a)における光Lの入射側)にレンズ状に突設された部分を有し、これによって層内レンズ21C、21L、21Rおよびトップレンズ25C、25L、25Rを構成している。
【0024】
以上のような半導体基板11上における積層構造については、固体撮像装置1の撮像領域における全画素で共通であるが、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、受光開口部18に対する層内レンズ21C、21L、21Rおよびトップレンズ25C、25L、25Rの瞳補正のかけ方に特徴を有する。
図1(b)に示すように、撮像領域の中心部1Cにおける画素では、受光開口部18の中心軸CCに対して、層内レンズ21Cおよびトップレンズ25Cの各光軸が合致されている。それに対して、図1(c)、(d)に示すように、撮像領域の外縁部1L、1Rでは、受光開口部18の中心軸CL、CRに対して、層内レンズ21L、21Rおよびトップレンズ25L、25Rのそれぞれの光軸X1L、X2L、X1R、X2Rが各々ずれた状態で設けられている。
【0025】
図1(c)に示すように、読み出し側外縁部1Lでは、受光開口部18の中心軸CLに対して層内レンズ21Lの光軸X1Lが距離t1Lだけオフセットされており、トップレンズ25Lの光軸X2Lが距離t2Lだけオフセットされている。読み出し方向および非読み出し方向の両方向においても、各オフセット距離t1L、t2L、t1R、t2Rは、撮像領域の中心部1Cから遠ざかれば遠ざかるほど大きくなるように設定されている。
【0026】
図1(d)に示すように、非読み出し側外縁部1Rでも、受光開口部18の中心軸CRに対して層内レンズ21Rの光軸X1Rが距離t1Rだけオフセットされており、トップレンズ25Rの光軸X2Rが距離t2Rだけオフセットされている。
撮像領域の中心部1Cにおける受光開口部18の中心軸CCと、両外縁部1L、1Rにおける受光開口部18の中心軸CL、CRとの各間隔がともに同一であるとするとき、上記各オフセット距離t1L、t2L、t1R、t2Rの関係は、次のように設定されている。
【0027】
[数3]
t2L>t1L

【0028】
[数4]
t2R>t1R

【0029】
[数5]
t1R>t1L

【0030】
[数6]
t2R>t2L

上記数式の関係をシュリンク率という観点からみると、次のようになる。
【0031】
本実施の形態に係る固体撮像装置1では、中心部1Cから読み出し側外縁部1Lへの方向のシュリンク率が、中心部1Cから非読み出し側外縁部1Rへの方向のシュリンク率に比べて小さく設定されている。例えば、中心部1Cから読み出し側外縁部1Lへの方向のシュリンク率と、中心部1Cから非読み出し側外縁部1Rへの方向のシュリンク率との比率を、(0.99970:0.99965)に設定することができる。
【0032】
2.層内レンズ21L、21Rおよびトップレンズ25L、25Rのオフセット
次に、固体撮像装置1における層内レンズ21L、21Rおよびトップレンズ25L、25Rのオフセット距離の設定について、図2を用いて説明する。図2は、(a)がトップレンズ25C、25L、25Rと受光部であるフォトダイオード13とのX−Y面における位置関係を示す模式図であり、(b)は、その一部断面を模式的に表す模式断面図である。なお、図2においては、受光開口部18とフォトダイオード13との位置関係が全画素で同一であるので、フォトダイオード13とトップレンズ25C、25L、25Rとの位置関係を、受光開口部18とトップレンズ25C、25L、25Rとの位置関係と擬制することができる。
【0033】
図2(a)に示すように、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、中心部1Cのフォトダイオード13の中心とトップレンズ25Cの光軸とは合致している。それに対して、両外縁部1L、1Rでは、フォトダイオード13の中心に対してトップレンズ25L、25Rがそれぞれオフセットしている。しかも、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、中心部1Cの中心からそれぞれのフォトダイオード13の光軸が等距離にある読み出し側外縁部1Lと非読み出し側外縁部1Rにおいて、読み出し側外縁部1Lにおけるフォトダイオード13の中心に対するトップレンズ25Rの光軸とのオフセット距離が、非読み出し側外縁部1Rにおけるオフセット距離よりも小さく設定されている。
【0034】
図2(b)に示すように、中心部1Cに対して等距離rにある読み出し側および非読み出し側の両外縁部1L、1Cにおいて、中心部1Cの中心軸CCから読み出し側外縁部1Lのトップレンズ25Lの光軸X2Lまでの距離がaであり、中心部1Cの中心軸CCから非読み出し側外縁部1Rのトップレンズ25Rの光軸X2Rまでの距離がbであって、距離aと距離bとの間には、上記数式1の関係が成立する。
【0035】
また、シュリンクという観点からみると、距離aと距離bとの間には、次の関係が成立する。
【0036】
[数7]
a>b

なお、図2(a)、(b)では、トップレンズ25L、25Rのオフセット距離について示しているが、層内レンズ21L、21Rについても、上記数式7の関係を有する。
【0037】
また、図2(a)に示す固体撮像装置1の読み出し方向と非読み出し方向におけるオフセット距離(瞳補正)の関係は、上述の通りであるが、図2(a)のY軸方向におけるオフセット距離については、これに限定されるものはない。即ち、読み出し方向および非読み出し方向と関係を有しないY軸方向においては、一定の割合を以ってフォトダイオード13とトップレンズおよび層内レンズの位置をずらしてもよいし、ずらさなくてもよい。
【0038】
3.レンズ21L、21R、25L、25Rのオフセット距離t1L、t1R、t2L、t2Rの設定理由
次に、本実施の形態に係る固体撮像装置1において、読み出し側外縁部1Lと非読み出し側外縁部1Rとで受光開口部18に対するレンズ21L、21R、25L、25Rのオフセット距離t1L、t1R、t2L、t2Rを変えた理由について、以下で説明する。
【0039】
固体撮像装置では、感度特性を向上させるために受光部(フォトダイオード13)領域を大きくする必要がある。また、読み出し転送チャネル12aとフォトダイオード13との間隙LP1は、読み出し特性を得るために一定の距離が必要である。このため、一般的に、読み出し転送チャネル12aとフォトダイオード13との間隙LP1は、非読み出し転送チャネル12bとフォトダイオード13との間隙LP2よりも大きくなるように設定されている(上記数式2)。
【0040】
このようなフォトダイオード13に対する読み出し転送チャネル12aおよび非読み出し転送チャネル12bの位置関係を有するので、固体撮像装置1における両外縁部1L、1Rでは、マイクロレンズ25L、25Rに入射する光Lは、斜め成分が大きくなり、転送チャネル12a、12bには、入射光Lの内、受光部であるフォトダイオード13に到達しない成分が漏れやすくなる。そして、レンズ21L、21R、25L、25Rをオフセットすることでフォトダイオード13に到達する光は多くなるが、外縁部1L、1Rでは、入射光Lの斜め成分が大きくなり、フォトダイオード13に到達しない光成分が転送電極15に到達する割合も多くなる。
【0041】
さらに、非読み出し側外縁部1Rでは、光Lの入射方向に非読み出し転送チャネル12bが存在し、上述のように、フォトダイオード13と非読み出し転送チャネル12bとの間隔LP2がフォトダイオード13と読み出し転送チャネル12aとの間隔LP1よりも小さいので、仮に、読み出し側外縁部1Lにおけるオフセット距離X1L、X2Lと同一のオフセット距離を適用した場合には、スミア特性が悪化してしまう。即ち、上記特許文献1のように、信号電荷の読み出し方向を考慮することなく、中心部からの距離によってのみ瞳補正を実施した場合には、撮像領域における非読み出し側外縁部で大きなスミアが生じ、色付きによる画像特性が劣化する。
【0042】
このような事項より、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、上記数式1〜7の関係を満足するように、瞳補正を実施するものである。その結果、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、非読み出し転送チャネル12bへの光の入射を防止し、確実にスミアを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る固体撮像素子1では、層内レンズ21C、21L、21Rとトップレンズ25C、25L、25Rとの2枚のレンズを以って1画素における受光開口部18に対するマイクロレンズが構成されている。そして、固体撮像装置1では、レンズ21C、21L、21R、25C、25L、25Rのそれぞれが、射出瞳距離が短い入射光Lであっても、トップレンズ25C、25L、25Rから入射して層内レンズ21C、21L、21Rを通して受光開口部18に入射するように、撮像領域の外縁部1L、1Rに向かうに従って各オフセット距離t1L、t1R、t2L、t2Rが大きくなるようになっている。
【0043】
このため、外縁部1L、1Rにおける受光開口部18に入射される斜め入射光Lは、その受光開口部18の周辺の遮光膜16やパッシベーション膜17に入射されることなく、所定の受光開口部18の中心軸CL、CRに入射する。これによって、本実施の形態に係る固体撮像素子1では、外縁部1L、1Rで感度が落ちる現象(シェーディング)や画素毎に感度が若干変わることにより画面がざらつく現象(感度ムラ)が抑えられる。このため、本実施の形態に係る固体撮像装置1は、より一層の微細化に対しても有効である。
【0044】
微細化に対する有効性は、次のような理由によるものである。
固体撮像装置において、非読み出し転送チャネル12bとフォトダイオード13との間隔LP2は、より一層の画素寸法の縮小を図っていくとき、感度および飽和等の特性から読み出し転送チャネル12aとフォトダイオード13との間隔LP1ほど十分な距離をとることが困難である。即ち、通常の固体撮像装置においては、上記数式2の関係を以ってレイアウト設計がなされている。これより、従来の固体撮像装置においては、非読み出し側転送チャネル12bが受光開口部18の縁から近い位置となり、光の入射によりスミア特性が大きく劣化しやすい。
【0045】
これに対して、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、上記数式1〜7の関係を満足するように各オフセット距離t1L、t2L、t1R、t2Rを規定した上で瞳補正を行っているので、より一層の装置の微細化に対しても上記優位性を有する。
また、本実施の形態に係る固体撮像装置1は、例えば、監視用、車載用および携帯用などのカメラに用いるのに有用である。これは、これら用途のカメラにおいては、30mm程度の標準レンズでなく、広角レンズや魚眼レンズ等の射出瞳距離が10mm以下のレンズが使用される様になったためである。即ち、射出瞳距離がより短いくなったことにより(想定入射角より大きな入射角で)、読み出し電圧低電圧化CCDの、図1(d)に示すような非読み出し側外縁部1Rの画素では、上記関係(数式1〜7)を以って瞳補正を行わなかった場合には転送路へ光が入射しスミアにより画面に色が付き問題となる。これは、入射角が大きくなる非読み出し側外縁部1Rにおける画素、特に水平端附近の画素で大きく、スミアによる色付きによる画像特性が劣化するためである。
【0046】
これに対して、固体撮像装置1では、上記関係(数式1〜7)を以って瞳補正を行っているので、監視用、車載用および携帯用などのように、射出瞳距離がより一層短いカメラに対しても有効である。
4.固体撮像装置1のスミア特性
固体撮像装置のスミア特性について、特許文献1で提案されているような従来の固体撮像装置を比較例とし、本実施の形態に係る固体撮像装置1を実施例として、図3を用いて説明する。図3は、主光線角度αに対するスミア出力の関係を示す特性図である。
【0047】
なお、図3において、主光線角度αが”−”の場合には、固体撮像装置の撮像領域に対して光が読み出し方向より入射し、”+”の場合には、撮像領域に対して光が非読み出し方向より入射する。
図3に示すように、主光線角度αが−25〜5°の範囲内においては、実施例も比較例も11〜13dBで安定して推移している。しかし、主光線角度αが5°を超えると、比較例では、急激にスミア出力が大きくなっている。
【0048】
一方、実施例では、主光線角度αが5°を超えても、ほとんどスミア出力に変化はなく、14dBまでの範囲で推移している。特に、主光線角度αが10°以上の範囲における実施例のスミア出力は、比較例における主光線角度αが10°のときのスミア出力よりも低くなっている。これより、主光線角度αが10°以上の範囲では、実施例のスミア特性が特に優れていることが分かる。
【0049】
以上の事項より、読み出し方向の斜め上からの入射光Lに対しては、実施例および比較例はともにスミア特性に差異を有するものではなく、良好なスミア特性を有する。一方、非読み出し方向の斜め上からの入射光Lに対しては、比較例ではスミア特性が急激に悪化しているが、実施例ではスミア特性が安定しており、劣化しない。
なお、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、非読み出し側外縁部1Rのレンズ21R、25Rのオフセット距離t1R、t2Rが小さいため、従来の固体撮像装置と比較すると、斜めに対する感度特性の低下が生じる可能性も考えられる。しかし、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、上記理由により感度低下が見られる場合でも、スミア特性の劣化防止の効果の方が大きいため、トータルとして見たときの優位性を有する。このため、固体撮像装置1は、固体撮像デバイスに対してより一層の微細化が求められる監視用、車載用および携帯用などのカメラに対して適用した場合にあっても、十分優れた特性を得ることが出来る。
【0050】
5.その他の事項
上記実施の形態に係る固体撮像装置1は、本発明の構成およびそれより得られる効果を分かり易く説明するために用いた一例であって、本発明は、その本質的な特徴以外の部分を除いて、これに限定を受けるものではない。
例えば、上記固体撮像装置1では、各画素において、層内レンズ21C、21L、21Rとトップレンズ25C、25L、25Rとの組み合わせを以ってマイクロレンズを構成するものとしたが、各画素に対して1つのレンズを以ってマイクロレンズを構成してもよく、逆に各画素に対して3つ以上のレンズの組み合わせを以ってマイクロレンズを構成してもよい。これらの場合においても、上記関係を以って受光開口部に対するレンズのオフセットを設定すれば、上記同様の効果を得ることが可能である。
【0051】
また、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、図1に示すように、平坦化膜19の上に、層内レンズ形成膜20、平坦化膜22、カラーフィルタ23、トップレンズ形成膜24が順に積層された構成を採用しているが、本発明に係る固体撮像装置は、この構造に限定を受けるものではない。例えば、平坦化膜19の上にカラーフィルタ23を積層し、その上に層内レンズ形成膜20、平坦化膜22およびトップレンズ形成膜24が順に形成された構成を採用することも可能であるし、レンズの構成数に応じて適宜その積層構成を変更することも可能である。
【0052】
また、上記実施の形態では、受光開口部18の中心CL、CRとマイクロレンズ21L、21R、25L、25Rの各光軸X1L、X1R、X2L、X2Rとのオフセット距離t1L、t1R、t2L、t2Rが中心部1Cがら外縁方向へ行けば行くほど大きくなるように設定しているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、スミアの程度によって必要となる外縁部の一部領域にだけ本発明を適用してもよい。
【0053】
さらに、上記実施の形態では、画素を2次元配置することとしたが、線状に配置することも可能である。このような線状に画素を配置してなる固体撮像装置は、イメージスキャナなどの用途に用いることが可能である。
なお、上記実施の形態においては、主光線角度αの最大絶対値が25°の固体撮像装置1を一例としたが、本発明に係る固体撮像装置は、これに限定されるものではない。特に、図3に示すように、本発明に係る構成を採用する場合には、主光線角度αの最大絶対値が10°以上の場合、特にスミア特性が優れ、カメラレンズと固体撮像装置との間の距離が短く、小型化が望まれるカメラに対して特に優位である。
【0054】
例えば、このようなカメラの具体例としては、車載用カメラ、携帯電話機用カメラおよび監視用カメラなどをあげることができる。本発明に係る構成を採用する場合には、上記小型化が重要な要素となるような用途のものに適用した場合にも、優れたスミア特性を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、射出瞳距離の短い光学系が必要とされる小型のカムコーダや内視鏡への適用や、監視用や車載用および携帯機器用カメラに用いることができる固体撮像装置を実現するのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る固体撮像装置1の構成を示す模式側面図および部分断面図である。
【図2】固体撮像装置1における撮像領域中心部1Cの中心軸CCに対するフォトダイオード13およびトップレンズ25L、25C、25Rの各位置関係を表す模式平面図および模式断面図である。
【図3】実施例と比較例との各々に係る固体撮像装置における主光線角度αとスミア出力との関係を示す特性図である。
【図4】従来技術に係る固体撮像装置500における撮像領域の構成を示す模式側面図および部分断面図である。
【図5】瞳補正を実施した場合における固体撮像装置の撮像領域外縁部の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1.固体撮像装置
1L.読み出し側外縁部
1C.中心部
1R.非読み出し側外縁部
11.半導体基板
12a.読み出し転送チャネル
12b.非読み出し転送チャネル
13.フォトダイオード
14.層間絶縁膜
15.転送電極
16.遮光膜
17.パッシベーション膜
18.受光開口部
19、22.平坦化膜
20.層内レンズ形成膜
21L、21C、21R.層内レンズ
23.カラーフィルタ
24.トップレンズ形成膜
25L、25C、25R.トップレンズ




 

 


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