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発明の名称 プラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12734(P2007−12734A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189261(P2005−189261)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
発明者 大國 充弘
要約 課題
被加工体に対向する誘電体壁の全体に渡って、エッチング処理中に、反応生成物が付着することを防止できるプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法を提供する。

解決手段
被加工体7と対向する誘電体壁2を備えたチャンバ1と、誘電体壁2の外部に配設され、プラズマを生成するための誘導磁場を生成する平面状コイル3と、ファラデーシールドとして機能可能な板状電極13を平面状コイル3と誘電体壁2との間に備え、さらに、誘電体壁2の周縁部を加熱する加熱手段51が設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
誘導磁場によりプラズマを励起し、当該プラズマによりチャンバ内部に収容された被加工体のエッチング処理を行うプラズマエッチング装置において、
被加工体と対向する位置に電磁波を透過する誘電体壁を備えた前記チャンバと、
前記誘電体壁に対応して前記チャンバの外部に配設され、前記誘導磁場を生成する平面状コイルと、
前記平面状コイルと前記誘電体壁との間に介在し、ファラデーシールドとして機能する板状電極と、
前記誘電体壁の周縁部を加熱する加熱手段と、
を備えたことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項2】
前記加熱手段が、ランプである請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項3】
前記ランプが、前記誘電体壁の周縁部に沿って移動可能に配設された請求項2に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項4】
前記加熱手段が、ヒータである請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項5】
前記加熱手段が、高周波電力の吸収材である請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項6】
前記誘電体壁のチャンバ内面側に、誘電体壁からの放熱を抑制する保温膜を備えた請求項1から5のいずれかに記載のプラズマエッチング装置。
【請求項7】
前記板状電極が、前記誘電体壁に埋設された請求項1から5のいずれかに記載のプラズマエッチング装置。
【請求項8】
前記被加工体と対向する位置に設けられた電磁波を透過する誘電体壁に対応してチャンバの外部に配設された平面状コイルが形成する誘導磁場によりプラズマを励起し、当該プラズマによりチャンバ内部に収容された被加工体のエッチング処理を行うプラズマエッチング方法であって、
被加工体のエッチング処理が、前記誘電体壁と前記平面状コイルとの間に介在された板状電極に電位を付与することにより、チャンバ内に生成されたプラズマから前記誘電体壁に入射するイオンが誘電体壁をエッチングすることのない状態で行われるとともに、当該エッチング処理中に、前記誘電体壁の周縁部が加熱されること特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項9】
前記被加工体が、白金、イリジウム、銅、または、アルミニウムから選択された少なくとも1の材料を含有する請求項8に記載のプラズマエッチング方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法に関し、エッチング処理中のパーティクルの発生を抑制することができるプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の高速化に伴って、半導体集積回路の不揮発性メモリに、強誘電体メモリが採用されている。強誘電体メモリは、一般に、強誘電体膜の上下に電極となる導電膜を配置した構造を有し、強誘電体膜の材料にはストロンチウム−ビスマス−タンタル系の酸化物(SBT)や、鉛−ジルコン−チタン系の酸化物(PZT)等の材料が用いられている。また、電極となる導電膜(以下、電極膜という。)の材料としては、酸化物との反応性が低く、強誘電体膜を安定して形成できることから、白金(Pt)やイリジウム(Ir)等の金属材料や、IrO2等の酸化物材料が採用されている。
【0003】
このような強誘電体膜や電極膜の微細加工には、プラズマエッチング装置が使用されている。これらの膜は、一般に、エッチング速度が小さい難エッチング材料である。この種のエッチングに多用されるプラズマエッチング装置の概略構成図を図10に示す。
【0004】
図10に示すように、プラズマエッチング装置は、鉛直方向に軸を有する円筒状のチャンバ1を備える。チャンバ1は板状の誘電体壁2を上壁として備えており、当該誘電体壁2の上面に平面状コイル3が設けられている。また、チャンバ1内部の誘電体壁2と対向する位置には、エッチング対象となるウエハが載置されるステージ6が設けられている。
【0005】
上記構成のプラズマエッチング装置は、平面状コイル3に高周波電源5から電力が印加された際に、平面状コイル3が、チャンバ1の軸方向に垂直な面内で、チャンバ1の軸を軸心として電子が円運動をする磁場を形成する。このため、被加工面と平行な面内で均一なプラズマを生成することができ、ウエハ面内におけるエッチング速度のばらつきが小さくなっている。
【0006】
上記電極膜のエッチングには、一般に、塩素ガス等のハロゲン系ガスがエッチングガスとして使用される。この場合、ハロゲン系ガスのプラズマと電極膜とが反応してハロゲン化金属が生成されることにより、エッチング処理が進行する。しかしながら、上述の電極膜のエッチング処理時に生成されるハロゲン化金属は沸点が高く、チャンバの内壁に到達した際に固体化しやすい。このため、ガスとしてチャンバの外部に排気することが難しく、チャンバ1内に残留しやすい。例えば、ポリシリコンやシリコン酸化膜をプラズマエッチングした際に生成されるSiCl4の沸点が58℃であるのに対し、上述の金属元素の塩化物の沸点は、PtCl2:581℃、PtCl4:370℃、IrCl3:763℃と高温である。また、他の電極材料として、AlやCuが用いられることもあるが、これらの元素の塩化物の沸点も、AlCl3:183℃、CuCl3:800℃と高温である。
【0007】
特に、図10に例示したプラズマエッチング装置では、ステージ6に対向する誘電体壁2に反応生成物が堆積すると、当該反応生成物が剥離した場合に、ステージ6上、すなわち、エッチング処理中のウエハ7上に落下する。このようにウエハ7上に落下した反応生成物は、以降の工程でのパターン形成不良の原因となり、半導体集積回路装置の製造歩留まりを著しく低下させることになる。
【0008】
そこで、誘電体壁2に反応生成物を付着させないことを目的として、上部誘電体壁2と平面状コイル3の間にファラデーシールドとして機能する導体板13(以下、ファラデーシールド電極13という。)を設置し、当該ファラデーシールド電極13に直流電圧、もしくは高周波電力を印加する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3等参照。)。
【0009】
この構成によれば、ファラデーシールド電極13の電位を調整することで、誘電体壁2とプラズマとの間の電位差を特定の値に維持することができるため、誘電体壁2の下面に入射するイオンの入射量を調整することができる。このため、ファラデーシールド電極13に、特定の高周波電力(あるいは、直流電位)を印加して、被加工体のエッチング中に、プラズマから誘電体壁2の下面に入射するイオン量を調整することで、誘電体壁2の下面に堆積しつつある反応生成物を除去するとともに、誘電体壁2がエッチングされることのないチャンバ状態が実現可能になるとされている。
【特許文献1】国際公開96/25834号パンフレット
【特許文献2】特開2001−345311号公報
【特許文献3】特開平10−275694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、0.18μmCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスに適用されるような微細な強誘電体メモリを形成する場合、強誘電体膜の分極疲労劣化を抑制する等の必要性から、電極膜として、Pt、IrO2、Ir等の積層膜が用いられる。このような電極膜を形成する際には、例えば、図11(a)に示すように、上面にチタン膜や窒化チタン膜等の密着層が形成された強誘電体膜等の下地膜21上に、Ir膜22、IrO2膜23、及びPt膜24が下層から順に堆積され、Pt膜24上にハロゲン系ガスにエッチング耐性を有する、例えば、シリコン酸化膜や窒化チタン膜等からなるマスクパターン25がフォトリソグラフィ等を使用して形成される。そして、マスクパターン25をエッチングマスクとして、Pt膜24、IrO2膜、及び、Ir膜22がハロゲン系ガスをエッチングガスとしたプラズマエッチング処理によりエッチングされ、図11(b)に示すように、電極膜のパターンが形成される。なお、マスクパターン25が導電体でない場合、マスクパターン25はエッチング等により除去される。
【0011】
このような積層膜のエッチング処理中には、PtCl4やIrCl3等の複数種の反応生成物が生じる。このように、反応生成物が複数種発生する状況下では、各反応生成物がチャンバ1内において同様に拡散しないため、誘電体壁2への反応生成物の付着が不均一になりやすい。このため、ファラデーシールド電極13に印加する高周波電力(あるいは、直流電位)を、上述したような、誘電体壁2の全面に渡って、誘電体壁2をエッチングすることなく、誘電体2に付着した反応生成物だけを除去する条件に設定することが困難となる。
【0012】
一方、誘電体壁2の周縁部は、チャンバ1の側壁に近接しているため、イオンが入射可能な入射角が誘電体壁2の中央部に比べて狭くなっている。したがって、誘電体壁2の周縁部において、誘電体壁2に入射するイオンの量は、中央部において誘電体壁2に入射するイオンの量よりも少ない。このため、誘電体壁2の周縁部に付着した反応生成物は、そもそも、ファラデーシールド電極13の作用によるエッチングがなされにくく、誘電体壁2の周縁部は、誘電体壁2の中央部に比べて反応生成物が堆積しやすい傾向にある。そして、上述のような難エッチング材料のエッチング処理では、反応生成物がチャンバ1内壁に容易に付着堆積するため、この傾向が強くなる。
【0013】
このように、誘電体壁2の周縁部に反応生成物が堆積すると、これらの反応生成物が剥離した際にパーティクルが発生し、半導体集積回路装置の製造歩留まりを低下させる要因となる。すなわち、プラズマエッチング処理中に、ファラデーシールド電極13に特定の高周波電力や直流電位を印加する従来技術は、誘電体壁2の周縁部の反応生成物を除去し、パーティクルの発生を抑制するという観点では不十分な技術である。
【0014】
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、難エッチング材料のエッチング処理を行う場合であっても、被加工体に対向する誘電体壁の全体に渡って、エッチング処理中に、反応生成物が付着することを防止できるプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、以下に示す技術的手段を採用している。すなわち、本発明に係るプラズマエッチング装置は、被加工体と対向する位置に電磁波を透過する誘電体壁を備えたチャンバと、誘電体壁に対応してチャンバの外部に配設され、プラズマを生成するための誘導磁場を生成する平面状コイルとを備える。また、平面状コイルと誘電体壁との間には、ファラデーシールドとして機能可能な板状電極が配設され、誘電体壁の周縁部を加熱する加熱手段が設けられている。
【0016】
上記加熱手段は、例えば、誘電体壁の周縁部を加熱するランプを備える構成とすることができる。この場合、誘電体壁のチャンバ内壁面側の面には、加熱された誘電体壁からの放熱を抑制するため、SnO2膜等からなる保温膜を設けることが好ましい。ここで、ランプは、前記誘電体壁の周縁部に沿って、移動可能に配設されることが好ましい。
【0017】
また、上記加熱手段は、誘電体壁に埋設されたヒータを備えてもよい。さらに、上記加熱手段は、誘電体壁の少なくとも周縁部に配設された高周波電力の吸収材により構成することもできる。
【0018】
なお、上記板状電極は、上記誘電体壁に埋設されていてもよい。
【0019】
本構成によれば、エッチング処理中に、誘電体壁の周縁部の温度を高めることが可能となる。これにより、エッチング処理中に、誘電体壁の周縁部への反応生成物の付着が防止され、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0020】
一方、他の観点では、本発明は、プラズマエッチング方法を提供することができる。すなわち、本発明に係るプラズマエッチング方法は、被加工体と対向する位置に設けられた電磁波を透過する誘電体壁に対応してチャンバの外部に配設された平面状コイルが形成する誘導磁場によりチャンバ内にプラズマが生成され、誘電体壁と前記平面状コイルとの間に介在された板状電極に電位を付与することにより、プラズマから誘電体壁に入射するイオンによりエッチングされることのない状態でエッチング処理が行われるとともに、当該エッチング処理中に前記誘電体壁の周縁部が加熱される。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法によると、被加工体に対向する誘電体壁に反応生成物が付着堆積することを確実に防止できるため、パーティクルの発生が抑制される。このため、微細なパターンを形成するエッチング処理であっても、高い製造歩留まりを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略構成図である。また、図2は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略上面図である。なお、図2に示すA−A線における断面が図1に対応している。また、図2において、平面状コイル3は、その外形のみを破線で示している。
【0023】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るプラズマエッチング装置は、鉛直方向に軸を有する略円筒状のチャンバ1を備える。チャンバ1の上壁は、例えば、石英等の板状の誘電体壁2により構成されており、当該誘電体壁2の上面に、ファラデーシールド電極13が配置される。上述したように、ファラデーシールド電極13は、チャンバ1内に生成されるプラズマに対する誘電体壁2の相対的な電位をシフトさせ、プラズマ内で生成され誘電体壁2に入射するイオンの入射量を調整する機能を有している。
【0024】
ファラデーシールド電極13の上方には、平面状コイル3が設けられている。当該平面状コイル3は、例えば、渦巻き状や、略同心円状に構成された、電気的に一体のコイルであり、高周波電力が印加された際に、チャンバ1の軸方向に垂直な面内で、チャンバ1の軸を軸心として電子が円運動をする磁場を形成する。
【0025】
なお、ファラデーシールド電極13と平面状コイル3とは、電気的に接続されることがないように、例えば、平面状コイル3が、誘電体壁2の上面に設けられた絶縁体により、ファラデーシールド電極13と所定の間隔をおいて支持されている。
【0026】
また、プラズマエッチング装置10は、チャンバ1内部の上記誘電体壁2と対向する位置に、エッチング対象である被加工体7(以下、ウエハ7という)が載置されるステージ6を備えている。なお、ステージ6に載置されるウエハ7は、チャンバ1の側壁、あるいは下壁に開閉可能に設けられた図示しない搬入出口を介して、チャンバ1内に搬入出される。
【0027】
さらに、プラズマエッチング装置10は、平面状コイル3、ステージ6、及び、ファラデーシールド電極13のそれぞれに、独立して高周波電力を印加する高周波電源5、9、及び15を備えている。また、高周波電源5と平面状コイル3との間、高周波電源9とステージ6との間、及び、高周波電源15とファラデーシールド電極13との間のそれぞれには、インピーダンス整合器4、8、及び14が介在されている。例えば、インピーダンス整合器4及び8は、チャンバ12内でのプラズマの発生による高周波電力印加対象のインピーダンスの変動に対応して、高周波電源5及び9が印加する高周波電力の損失が最小となる整合状態に調整され、インピーダンス整合器14は、高周波電源15から供給される高周波電力により、誘電体壁2のチャンバ内面側がプラズマに対して特定の電位を有する状態に調整される。
【0028】
そして、チャンバ1の側壁上部には、プラズマを生成するためのプロセスガスが導入されるガス導入口11が連通され、チャンバ1の下部には、チャンバ1内を所定圧力に維持する真空ポンプが接続されたガス排出口12が連通されている。
【0029】
さて、本発明のプラズマエッチング装置10は、図1及び図2に示すように、誘電体壁2の周縁部を加熱するハロゲンランプ等のランプ51を加熱手段として備えている。図2は、誘電体壁2の上方に、誘電体壁2の周縁に沿って、12個のランプ51が等間隔に配置された事例を示している。当該ランプ51の配置は、特に限定されないが、誘電体壁2の周縁部全体が同一の温度となるように配置されることが好ましい。また、誘電体壁2の周縁部の加熱が効率良く実施できるように、ファラデーシールド電極13は、誘電体壁2の周縁部を被覆しない状態で配設されることが好ましい。
【0030】
ここで、ランプ51は、誘電体壁2の周縁部の温度分布を均一化するために、誘電体壁2の周縁に沿って移動可能に配設されてもよい。このような構成は、例えば、図2において、各ランプ51が、誘電体壁2と平行な面内でチャンバ1の軸を軸心として回転可能な一体の支持部材に支持される構成とし、当該支持部材をモータ等の駆動手段で回転させる構成により実現可能である。
【0031】
さらに、本実施形態では、誘電体壁2の下面(チャンバ1の内壁)に、SnO2膜等からなる保温膜52を形成している。保温膜52は、ランプ51からの放射光により誘電体壁2に付与された熱が、誘電体壁2から放射されることを抑制し、誘電体壁2の温度を維持する機能を有している。
【0032】
以上のように、エッチング処理中に誘電体壁2の周縁部を加熱することにより、誘電体壁2の周縁部のチャンバ内面側では、反応生成物が固体化して付着することが抑制されるとともに、反応生成物が付着した場合であっても、付着した反応生成物の再気化が促進される。このため、上記構成によれば、誘電体壁2の周縁部では、上記加熱により反応生成物の付着堆積が抑制され、誘電体壁2の中央部では、ファラデーシールド電極13の作用により、反応生成物の付着堆積が抑制される。この結果、エッチング処理中に、誘電体壁2の全体に渡って反応生成物の付着が防止され、パーティクルの発生が抑制される。
【0033】
また、図11に例示した断面構造を有する電極膜をエッチングする場合、誘電体壁2の周縁部のチャンバ内面側(図1、矢印B部)の温度は、200℃以上に維持されることが好ましく、特に、250℃以上に維持されることが好ましい。このとき、誘電体壁2の中央部のチャンバ内面側の温度は、周縁部からの熱伝導により150℃から200℃程度に維持されることが好ましい。このようにすることで、誘電体壁2の周縁部と中央部において、エッチング中に入射するイオンの量の差異に起因して生じる反応生成物の付着量の差異を誘電体壁2の温度分布により解消することができ、反応生成物の堆積を誘電体壁2の全体に渡って抑制することができる。
【0034】
図3に、上記構成のプラズマエッチング装置10において、図11に例示した断面構造を有する電極膜をエッチングした場合に、基板上に落下するパーティクル増加数を計数した結果を示す。図3において、横軸は誘電体壁2の周縁部のチャンバ内面側(図1、矢印B部)の温度に対応し、縦軸はパーティクル増加数に対応する。ここで、パーティクル増加数とは、エッチング処理後にウエハ上で計数されたパーティクル数から、エッチング処理前にウエハ上で計数されたパーティクル数を差し引いた値である。また、ここでは、0.2μm以上の粒径を有する微粒子をパーティクルとして計数している。
【0035】
また、上記積層膜のエッチングは、エッチングガスとして、Cl2ガスを100sccm、O2ガスを250sccmの流量で導入するとともに、チャンバ1内の圧力を2.0Paに維持した状態で実施される。このとき、周波電源5は1500Wの高周波電力(周波数:13.56MHz)を平面状コイル3に印加し、高周波電源9は200Wの高周波電力(周波数:13.56MHz)をステージ6に印加している。また、高周波電源15は、ファラデーシールド電極13に300Wの高周波電力(周波数:12.56MHz)を印加している。このとき、ステージ6の温度は、ステージ6に内蔵されている図示しないヒータにより50℃に維持されている。
【0036】
図3に示すように、ランプ加熱を行っていない場合(誘電体壁周縁部温度が25℃)、パーティクル増加数が200個程度であるのに対し、ランプ加熱により誘電体壁2の周縁部を200℃以上に加熱した場合には、パーティクル増加数が、半導体装置の製造プロセスにおいて一般に要求されている20個程度に減少している。
【0037】
以上説明したように、エッチング処理中に、誘電体壁2の中央部では、ファラデーシールド電極13の作用により反応生成物の付着堆積を抑制するとともに、誘電体壁2の周縁部を加熱して200℃以上の温度に維持することで、誘電体壁2の全面に渡って反応生成物の付着堆積が抑制できる。このため、製造歩留まりが低下することのない安定したプラズマエッチング処理を行うことが可能となる。
【0038】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略構成図である。また、図5は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略上面図である。なお、図5に示すA−A線における断面が図4に対応している。また、図5において、平面状コイル3は、その外形のみを破線で示している。
【0039】
本実施形態に係るプラズマエッチング装置は、第1の実施形態のランプ51に代えて、誘電体壁の周縁部を加熱するヒータを加熱手段として採用している。すなわち、図4及び図5に示すように、本実施形態のプラズマエッチング装置10は、誘電体壁2の周縁部に、抵抗加熱ヒータ等のヒータ53を備えている。当該ヒータ53は、誘電体壁2の上面(チャンバ1の外側)に配置されてもよいが、チャンバ1の内面側の温度を効率良く上昇させることができるように、誘電体壁2の内部で、チャンバ1の内壁面に可能な限り近い位置に埋設されることが好ましい。また、ヒータ53は、誘電体壁2の周縁部の温度分布を均一化するためにリング状の発熱体であることが好ましいが、誘電体壁2の周縁部の温度を上昇させることが可能な構成であれば、任意の構成を採用することが可能である。例えば、図2に例示したランプ51に対応させて、ヒータ53を誘電体壁2の周縁部に等間隔で配置する構成とすることもできる。
【0040】
図6に、上記構成のプラズマエッチング装置10において、図11に例示した断面構造を有する電極膜をエッチングした場合に、基板上に落下するパーティクル増加数を計数した結果を示す。図6において、横軸は誘電体壁2の周縁部のチャンバ内面側(図1、矢印B部)の温度に対応し、縦軸はパーティクル増加数に対応する。
【0041】
また、上記積層膜のエッチングは、エッチングガスとして、Cl2を100sccm、O2ガスを250sccmの流量で導入するとともに、チャンバ1内の圧力を2.0Paに維持した状態で実施される。このとき、高周波電力5は1500Wの高周波電力(周波数:13.56MHz)を平面状コイル3に印加し、高周波電源9は200Wの高周波電力(周波数:13.56MHz)をステージ6に印加している。また、高周波電源15は、ファラデーシールド電極13に300Wの高周波電力(周波数:12.56MHz)を印加している。このとき、ステージ6の温度は、50℃に維持されている。
【0042】
図6に示すように、ヒータ加熱を行っていない場合(誘電体壁周縁部温度が25℃)、パーティクル増加数が200個程度であるのに対し、ヒータ加熱により誘電体壁2の周縁部を200℃以上に加熱した場合には、パーティクル増加数が半導体装置の製造プロセスにおいて一般に上限とされている20個以下に減少している。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、誘電体壁2の中央部では、ファラデーシールド電極13の作用により反応生成物の付着堆積を抑制するとともに、誘電体壁2の周縁部を加熱して200℃以上の温度に維持することで、誘電体壁2の全面に渡って反応生成物が付着堆積することを抑制できる。このため、製造歩留まりが低下することのない安定したプラズマエッチング処理を行うことが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、ヒータ53が誘電体壁2に埋設されているため、上記第1の実施形態に比べて、チャンバ1の内面近傍に加熱手段を配置することができる。すなわち、第1の実施形態において、誘電体壁2からの放熱を防止するために、誘電体壁2のチャンバ1内面側に形成していた保温膜52を設けない場合であっても、誘電体壁2の周縁部の内面を200度以上の高温に維持することができる。
【0045】
上記第1の実施形態における保温膜52は、プラズマに直接曝されるため、長期的には保温膜52が、入射するイオンのスパッタリング作用により剥離する。例えば、上記条件のエッチング処理では、累積処理時間が70時間の時点で保温膜52の剥離が生じる。この場合、誘電体壁2の交換が必要である。このような交換の作業中は、プラズマエッチング装置を正常に稼動させることができないため、設備稼働率が低下してしまう。しかしながら、本実施形態では、上述のように、保温膜52が形成されていない場合であっても、誘電体壁2の温度を維持することが可能であるため、保温膜52の剥離に起因する誘電体壁2の交換作業は発生しない。したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態に比べて、設備稼動率を向上させる効果を奏することもできる。
【0046】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略構成図である。また、図8は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略上面図である。なお、図8に示すA−A線における断面が図7に対応している。また、図8において、平面状コイル3は、その外形のみを破線で示している。
【0047】
本実施形態に係るプラズマエッチング装置10は、第2の実施形態のヒータ53に代えて、高周波電力の吸収材54を加熱手段として採用している。すなわち、図7及び図8に示すように、本実施形態のプラズマエッチング装置10は、誘電体壁2の周縁部が、高周波電力も吸収材54により構成されている。当該吸収材54の発熱量は、吸収材54の誘電正接(tanδ)に比例する。このため、例えば、上記第2の実施形態で示したエッチング条件において、平面状コイル3、及びファラデーシールド電極13を介して高周波電源5、15から供給される電力により、誘電体壁2の周縁部の温度を200℃以上に維持できる誘電正接を有する材料を吸収材54に採用することで、第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。上記第2の実施形態のエッチング条件として示した高周波電力により、誘電体壁2の周縁部の温度が200℃に到達しない材料を吸収材54として採用した場合であっても、高周波電力5、15が供給する高周波電力を増大させることにより、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、図8の例では、誘電体壁2の周縁部の温度分布を均一化するために、当該周縁部全体をリング状の吸収材54で構成しているが、誘電体壁2の周縁部の温度を上昇させることが可能な構成であれば、任意の構成を採用することが可能である。例えば、図2に例示したランプ51に対応させて、吸収材54からなる複数の領域を誘電体壁2の周縁部に等間隔で配置する構成とすることもできる。また、図7では、誘電体壁2の厚さ方向につき、一部を吸収材54により構成しているが、エッチング処理の際に、エッチングされることのない材質であれば、厚さ方向の全体が吸収材54からなる構成としてもよい。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、被加工体に対向する誘電体壁に反応生成物が付着堆積することがないため、パーティクルの発生を抑制することができる。このため、微細なパターンを形成するエッチング処理であっても、高い製造歩留まりを実現することができる。特に、本発明は、Pt、Ir、Cu、Al等の金属膜や金属化合物膜をハロゲン系ガスによりエッチングする場合のように、沸点の高い反応生成物が発生する状況下であっても、誘電体壁の全面に渡って反応生成物が堆積することを抑制できるため、微細な金属パターンを高い歩留まりで形成することができる。
【0050】
なお、上記各実施の形態において、ファラデーシールド電極13は、誘電体壁2に埋設される構成であってもよい。例えば、図1に示した第1の実施形態のファラデーシールド電極13を、図9に示すように誘電体壁2の内部に埋設することにより、ファラデーシールド電極13とチャンバ1内に生成されるプラズマとの間に存在する誘電体の厚みが減少する。本構成によれば、誘電体によりロスする高周波電力が減少するため、誘電体壁2チャンバ1内面側に反応生成物が堆積することを抑制するために印加する高周波電力を、図1に示す構成に比べて、小さくすることができる。また、本構成では、ランプ51により加熱された熱が、ファラデーシールド電極13に蓄積されるため、図1に示した保温膜52を設けることなく、誘電体壁2の周縁部の温度を高温に維持することが可能となる。
【0051】
また、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において種々の変形及び応用が可能である。例えば、本発明は、誘電体壁に対応して平面状コイルを備え、さらに、誘電体壁と平面状コイルとの間にファラデーシールド電極を備えた、いかなるドライエッチング装置にも適用可能であり、例えば、チャンバの形状等は、上記形状の限定されるものではない。また、上記では、本発明の適用が特に好適な、Pt、Ir等の難エッチング材料のエッチング処理を具体例として示したが、本発明は、いかなる材料膜のエッチング処理に対しても適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、微細なパターンを形成するエッチング処理において、高い製造歩留まりを実現することができ、プラズマエッチングによるパターン形成に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態のプラズマエッチング装置の概略上面図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるパーティクル増加数の温度依存性を示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成図。
【図5】本発明の第2の実施形態のプラズマエッチング装置の概略上面図。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるパーティクル増加数の温度依存性を示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成図。
【図8】本発明の第3の実施形態のプラズマエッチング装置の概略上面図。
【図9】本発明の第1の実施形態のプラズマエッチング装置の変形例を示す概略構成図。
【図10】従来のプラズマエッチング装置の概略構成図。
【図11】積層電極の断面図。
【符号の説明】
【0054】
1 チャンバ
2 誘電体壁
3 平面状コイル
7 ウエハ(被加工体)
10 プラズマエッチング装置
13 ファラデーシールド電極
21 下地膜
22 Ir膜
23 IrO2
24 Pt膜
25 マスクパターン
51 ランプ
52 保温膜
53 ヒータ
54 吸収材





 

 


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