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発明の名称 押圧装置および押圧方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5577(P2007−5577A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184298(P2005−184298)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 前川 幸弘 / 東 和司 / 石谷 伸治
要約 課題
平行度調整部の構造を簡素化するとともに第1対象物の第1当接領域と第2対象物の第2当接領域との平行度を精度良く調整しつつ第1対象物を第2対象物に対して均等に押圧する。

解決手段
基板接合装置1の平行度調整部32は、第1基板91を保持する第1保持部31に接続された中央部321、取付部33に接続される外周部322、および、中央部321と外周部322とを連結するとともに可撓性を有する連結部323を備える。基板接合装置1では、第1基板91の第2基板92に対する押圧時に連結部323が撓むことにより、第1基板91の下面911が第2基板92の上面921に倣うため、平行度調整部32の構造を簡素化するとともに第1基板91の下面911と第2基板92の上面921との平行度を精度良く調整しつつ第1基板91を第2基板92に対して均等に押圧することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1対象物を第2対象物に向けて押圧する押圧装置であって、
第1対象物を保持する第1保持部と、
前記第1対象物の第1当接領域を第2対象物の第2当接領域に対向させつつ前記第2対象物を保持する第2保持部と、
前記第1保持部を前記第2保持部に向けて相対的に移動することにより前記第1対象物を前記第2対象物に向けて押圧する押圧機構と、
前記第1保持部の押圧方向に関して前記第1保持部と所定の取付部との間に配置されて前記第1保持部と前記取付部とを接続するとともに、前記第1対象物の前記第2対象物への押圧時に前記第1当接領域を前記第2当接領域に倣わせる板状の平行度調整部と、
を備え、
前記平行度調整部が、
前記第1保持部の前記押圧方向に関して前記第1対象物に重なるとともに前記第1保持部および前記取付部のいずれか一方に接続される中央部と、
前記中央部の外側に位置し、前記第1保持部および前記取付部の他方に接続される外周部と、
前記中央部と前記外周部とを連結するとともに可撓性を有する連結部と、
を備えることを特徴とする押圧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の押圧装置であって、
前記平行度調整部の前記連結部が、前記第1対象物の前記中心を通り前記押圧方向に平行な所定の中心軸を中心とする周方向において前記中央部と前記外周部とを等間隔にて連結することを特徴とする押圧装置。
【請求項3】
請求項2に記載の押圧装置であって、
前記平行度調整部の前記中央部および前記外周部が、前記中心軸を中心として軸対称であることを特徴とする押圧装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の押圧装置であって、
前記中央部、前記連結部および前記外周部の厚さが同じであることを特徴とする押圧装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の押圧装置であって、
前記押圧機構による押圧により前記第1当接領域と前記第2当接領域とが接合されることを特徴とする押圧装置。
【請求項6】
請求項5に記載の押圧装置であって、
前記第1保持部に保持された前記第1対象物および前記第2保持部に保持された前記第2対象物を外気から隔離するチャンバをさらに備え、
前記第1対象物の前記第2対象物に対する押圧が、減圧または不活性ガス環境とされた前記チャンバ内において行われることを特徴とする押圧装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の押圧装置であって、
前記第1対象物および前記第2対象物の少なくとも一方が半導体基板であることを特徴とする押圧装置。
【請求項8】
第1対象物を第2対象物に向けて押圧する押圧方法であって、
a)所定の押圧方向に関して取付部との間に配置された板状の平行度調整部を介して前記取付部に接続される保持部により第1対象物を保持する工程と、
b)前記第1対象物の第1当接領域を第2対象物の第2当接領域に対向させつつ前記第2対象物を保持する工程と、
c)前記保持部を前記第2対象物に向けて相対的に移動することにより、前記第1当接領域を前記第2当接領域に倣わせつつ前記第1対象物を前記第2対象物に向けて押圧する工程と、
を備え、
前記平行度調整部が、
前記保持部の前記押圧方向に関して前記第1対象物に重なるとともに前記保持部よび前記取付部のいずれか一方に接続される中央部と、
前記中央部の外側に位置し、前記保持部および前記取付部の他方に接続される外周部と、
前記中央部と前記外周部とを接続するとともに可撓性を有する連結部と、
を備えることを特徴とする押圧方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の対象物を他の対象物に向けて押圧する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多層デバイス等の製造において、半導体基板等の2枚の基板の主面を接合する技術が知られている。基板の接合を行う装置では通常、両基板の主面を当接させた状態で、一方の基板を他方に向けて押圧することにより2枚の基板が接合される。このような2つの対象物を押圧する装置では、対象物を均等に押圧するために、一方の対象物を支持する支持部と他方の対象物に力を加えて支持部に向けて押圧するツールとの平行度を調整するための様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1の加圧装置では、下プレート上に載置された対象物に向けて押圧されるツールが球面軸受に取り付けられており、対象物が載置されていない状態の下プレートに対してツールを押圧してツールを下プレートに倣わせた後、球面軸受が摺動しないように固定することにより、ツールの下プレートに対する平行度を調整する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2のボンディング装置では、ベアチップを先端に吸着するボンディングツールが、その他端側において球面軸受を介してロッドに取り付けられており、作業者がマイクロメータによりロッドの傾きを調整することにより、ボンディングツールのプリント基板に対する平行度を調整する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3の陽極化成装置では、ゴム等のような柔軟性を有する接触保証機構を介してプラス電極を基板に向けて押圧することにより、プラス電極の表面を基板の裏面に倣わせる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−223244号公報
【特許文献2】特開2000−49199号公報
【特許文献3】特開2004−103800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1および特許文献2では、ツールの傾きを調整するために球面軸受が利用されているため、押圧機構の構造が複雑になってしまう。また、実際に対象物を押圧する工程の前にツールの平行度を厳密に調整する工程が必要となるため、作業効率の向上に限界がある。さらには、特許文献2のボンディング装置における平行度調整では、圧力を色に変換して表示する特殊な紙をボンディングツールとプリント基板との間に配置し、作業者がボンディングツールの押圧による紙の色の変化を目視してボンディングツールの傾きを調整するため、作業者の熟練度等により調整結果が異なってしまう。
【0007】
また、特許文献3では、接触保証機構により上記のような問題は解決されるものと考えられるが、接触保証機構についてゴムやバネのような部材であることが開示されているのみであり、接触保証機構の具体的な形状や接触保証機構が取り付けられる下部電極との具体的な接続態様については何ら開示されていない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、平行度調整部の構造を簡素化するとともに第1対象物の第1当接領域と第2対象物の第2当接領域との平行度を精度良く調整しつつ第1対象物を第2対象物に対して均等に押圧することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、第1対象物を第2対象物に向けて押圧する押圧装置であって、第1対象物を保持する第1保持部と、前記第1対象物の第1当接領域を第2対象物の第2当接領域に対向させつつ前記第2対象物を保持する第2保持部と、前記第1保持部を前記第2保持部に向けて相対的に移動することにより前記第1対象物を前記第2対象物に向けて押圧する押圧機構と、前記第1保持部の押圧方向に関して前記第1保持部と所定の取付部との間に配置されて前記第1保持部と前記取付部とを接続するとともに、前記第1対象物の前記第2対象物への押圧時に前記第1当接領域を前記第2当接領域に倣わせる板状の平行度調整部とを備え、前記平行度調整部が、前記第1保持部の前記押圧方向に関して前記第1対象物に重なるとともに前記第1保持部および前記取付部のいずれか一方に接続される中央部と、前記中央部の外側に位置し、前記第1保持部および前記取付部の他方に接続される外周部と、前記中央部と前記外周部とを連結するとともに可撓性を有する連結部とを備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の押圧装置であって、前記平行度調整部の前記連結部が、前記第1対象物の前記中心を通り前記押圧方向に平行な所定の中心軸を中心とする周方向において前記中央部と前記外周部とを等間隔にて連結する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の押圧装置であって、前記平行度調整部の前記中央部および前記外周部が、前記中心軸を中心として軸対称である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の押圧装置であって、前記中央部、前記連結部および前記外周部の厚さが同じである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の押圧装置であって、前記押圧機構による押圧により前記第1当接領域と前記第2当接領域とが接合される。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の押圧装置であって、前記第1保持部に保持された前記第1対象物および前記第2保持部に保持された前記第2対象物を外気から隔離するチャンバをさらに備え、前記第1対象物の前記第2対象物に対する押圧が、減圧または不活性ガス環境とされた前記チャンバ内において行われる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の押圧装置であって、前記第1対象物および前記第2対象物の少なくとも一方が半導体基板である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、第1対象物を第2対象物に向けて押圧する押圧方法であって、a)所定の押圧方向に関して取付部との間に配置された板状の平行度調整部を介して前記取付部に接続される保持部により第1対象物を保持する工程と、b)前記第1対象物の第1当接領域を第2対象物の第2当接領域に対向させつつ前記第2対象物を保持する工程と、c)前記保持部を前記第2対象物に向けて相対的に移動することにより、前記第1当接領域を前記第2当接領域に倣わせつつ前記第1対象物を前記第2対象物に向けて押圧する工程とを備え、前記平行度調整部が、前記保持部の前記押圧方向に関して前記第1対象物に重なるとともに前記保持部よび前記取付部のいずれか一方に接続される中央部と、前記中央部の外側に位置し、前記保持部および前記取付部の他方に接続される外周部と、前記中央部と前記外周部とを接続するとともに可撓性を有する連結部とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、平行度調整部の構造を簡素化するとともに第1対象物の第1当接領域と第2対象物の第2当接領域との平行度を精度良く調整しつつ第1対象物を第2対象物に対して均等に押圧することができる。請求項6の発明では、チャンバ内の構造を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る押圧装置である基板接合装置1の構成を示す正面図である。基板接合装置1は、第1対象物である略円板状の半導体基板(以下、「第1基板」という。)91を第2対象物である略円板状の半導体基板(以下、「第2基板」という。)92に向けて押圧することにより、両基板の当接領域である主面を接合する装置であり、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等の製造に利用される。図1中では、図示の都合上、基板接合装置1の構成の一部を断面にて描いている(図4においても同様)。
【0019】
図1に示すように、基板接合装置1は、第1基板91および第2基板92を内部に収容して外気から隔離するチャンバ2、チャンバ2内において第1基板91を保持するとともに第1基板91を第2基板92に向けて押圧する押圧ヘッド3、チャンバ2内において第2基板92を静電気力により吸着して保持する第2保持部41、チャンバ2内を減圧環境または不活性ガス環境とする環境調整機構21、並びに、押圧ヘッド3および第2保持部41に保持された第1基板91および第2基板92を撮像する撮像部5を備える。
【0020】
押圧ヘッド3は、第1基板91を静電気力により吸着して保持する第1保持部31を備え、第1保持部31に保持された第1基板91の(−Z)側の主面(以下、「下面」という。)911は、第2保持部41に保持された第2基板92の(+Z)側の主面(以下、「上面」という。)921に対向する。本実施の形態では、第1基板91の下面911のほぼ全体が第2基板92に当接する予定の領域(以下、「当接領域」という。)であり、また、第2基板92の上面921のほぼ全体が第1基板91に当接する当接領域であるため、第1基板91の上面921および第2基板92の下面911を両基板の当接領域と呼ぶ場合がある。
【0021】
押圧ヘッド3は、第1保持部31の(+Z)側にて円板状の部材311を介して第1保持部31に接続されるとともに第1基板91の第2基板92への押圧時に第1基板91の下面911を第2基板92の上面921に倣わせる板状の(いわゆる、メンブレン構造である)平行度調整部32、平行度調整部32の(+Z)側に接続される円環状の取付部33、並びに、円板状の部材331および略円柱状のシャフト332を介して取付部33に接続されるとともに第1保持部31を第2保持部41に対して相対的に離れる方向および近づく方向に移動する(すなわち、図1中のZ方向に昇降する)保持部昇降機構34を備える。部材311には、部材331に固定された複数のピン状の固定部材312が遊嵌され、各固定部材312の下端の幅は抜け防止のために広くなっている。また、シャフト332は、チャンバ2の(+Z)側の面に設けられた開口に挿入されており、当該開口はベローズ333によりシールされている。
【0022】
押圧ヘッド3では、Z方向(すなわち、押圧方向)に関して第1保持部31と取付部33との間に配置される平行度調整部32により第1保持部31と取付部33とが接続される。また、保持部昇降機構34により第1保持部31が平行度調整部32および取付部33と共に第2保持部41に向けて相対的に移動することにより、第1保持部31に保持された第1基板91が第2基板92に向けて押圧される。換言すれば、保持部昇降機構34は、第1基板91を第2基板92に向けて押圧する押圧機構となっている。押圧ヘッド3は、部材331の(−Z)側に、平行度調整部32と離間して設けられるとともに第1基板91の押圧時に平行度調整部32の略中央に当接する中央部当接部材313をさらに備え、中央部当接部材313の(−Z)側の面は略球面状(の一部)とされる。なお、図1では、中央部当接部材313と平行度調整部32との間の距離を実際よりも大きく描いている。
【0023】
図2は、平行度調整部32を拡大して示す平面図である。図2に示すように、平行度調整部32は、所定の中心軸320を中心とする円形の(すなわち、中心軸320を中心として軸対称である)中央部321、中央部321の外側に位置するとともに中心軸320を中心とする円環状の(すなわち、中心軸320を中心として軸対称である)外周部322、および、中心軸320を中心として放射状に広がって中央部321と外周部322とを接続するとともに可撓性を有する複数の連結部323を備える。中央部321、外周部322および連結部323は、厚さが同じであり、連結部323により、中心軸320を中心とする周方向において中央部321と外周部322とが等間隔にて連結される。本実施の形態では、中心軸320を中心とする周方向において45°毎に配置される連結部323により、中央部321と外周部322とが連結される。このような平行度調整部32は、一定の厚さの金属板を加工することにより製作される。
【0024】
なお、平行度調整部32はいわゆる薄板には限定されず、ある程度厚さを有する板状であってもよい。また、厚板の場合は連結部323の弾性は極僅かとなるが、本実施の形態のように半導体基板同士を接合する場合は、極めて精度の高い僅かな平行度の調整のみが必要となるため、連結部323の弾性は小さくてよい。
【0025】
図1および図2に示すように、押圧ヘッド3では、中央部321が部材311を介して第1保持部31に接続され、外周部322が取付部33に接続されることにより、第1保持部31と取付部33とが平行度調整部32により接続される。平行度調整部32では、中央部321が第1保持部31の押圧方向(すなわち、Z方向)に関して第1基板91の中心に重なっており、中心軸320は第1基板91の中心を通り第1保持部31の押圧方向に平行となっている。
【0026】
図1に示すように、撮像部5は、(+Z)側および(−Z)側を撮像するための2つの撮像窓51を備え、2つの撮像窓51はチャンバ2内においてX方向に一体的に進退可能とされる。また、撮像部5は、チャンバ2の(+X)側の面に設けられた開口に挿入されており、当該開口はベローズによりシールされている。
【0027】
基板接合装置1は、第2保持部41の(−Z)側に配置されて第2保持部41をX方向およびY方向に移動する保持部移動機構42、並びに、第2保持部41の中心を通ってZ方向に伸びる回転軸を中心に第2保持部41を回動する保持部回動機構43をさらに備え、撮像部5により撮像された第1基板91および第2基板92の画像に基づいて第2基板92の位置および向きがチャンバ2内において調整されることにより、第1基板91および第2基板92の位置合わせが行われる。
【0028】
基板接合装置1は、第1保持部31内に設けられた電極に接続される高周波電源22をさらに備え、第2保持部41内に設けられた電極は接地されている。基板接合装置1では、第1基板91および第2基板92の接合の過程において、所定の減圧環境または不活性ガス環境とされたチャンバ2内において、第1保持部31および第2保持部41により第1基板91および第2基板92が離間した状態で保持され、この状態で高周波電源22から第1保持部31に高周波の電圧が付与されることにより、第1保持部31と第2保持部41との間に高周波電圧が印加されてプラズマが発生する。これにより、第1基板91の下面911および第2基板92の上面921(すなわち、両基板の当接領域)にプラズマが照射され、両基板の当接領域上に付着している水や有機物等の不要物質が除去されるとともに当接領域の表面改質が行われる。
【0029】
換言すれば、基板接合装置1では、高周波電源22、第1保持部31内の電極および第2保持部41内の電極が、第1基板91および第2基板92の当接領域にエネルギー波であるプラズマを照射するエネルギー波照射機構となり、エネルギー波照射機構が能動化されることにより、両基板の当接領域にいわゆるプラズマ洗浄処理が行われる。なお、第1保持部31が金属等の導電体により形成されている場合には、第1保持部31内に電極が設けられる必要はなく、第1保持部31全体が、第1基板91および第2基板92を挟んで配置される1対の電極の一方となる(第2保持部41についても同様)。
【0030】
次に、基板接合装置1による第1基板91と第2基板92との接合の流れについて説明する。図3は、基板接合装置1による接合動作の流れを示す図である。基板接合装置1により基板の接合が行われる際には、まず、チャンバ2のゲートが開放され、第1基板91が当該ゲートからチャンバ2内に搬入され、図1に示すように、チャンバ2内において第1保持部31により保持される(ステップS11)。続いて、第1基板91と同様にチャンバ2内に搬入された第2基板92が第2保持部41により保持され、第1基板91と第2基板92とが離間した状態で、第1基板91の下面911と第2基板92の上面921とがZ方向において対向する(すなわち、両基板の当接領域が対向する。)(ステップS12)。なお、第1保持部31および第2保持部41による第1基板91および第2基板92の保持は並行して行われてもよく、第2基板92の保持が第1基板91の保持よりも先に行われてもよい。
【0031】
第1保持部31および第2保持部41により第1基板91および第2基板92がチャンバ2内にて保持されると、チャンバ2のゲートが閉じられて第1基板91および第2基板92が外気から隔離される。そして、環境調整機構21(例えば、真空ポンプおよびガス供給機構)により、チャンバ2内のエアが排気され、アルゴン(Ar)ガス等の処理ガスが供給されてチャンバ2内が所定の減圧環境(または、不活性ガス環境)とされる(ステップS13)。
【0032】
チャンバ2内が減圧環境とされると、第1保持部31および第2保持部41の(+X)側に位置する撮像部5が(−X)方向に移動し、図1中に二点鎖線にて示す位置に位置する。2つの撮像窓51は、対向する第1基板91と第2基板92との間に位置し、(+Z)側の撮像窓51を介して第1基板91の下面911に設けられたパターン(例えば、配線パターンや位置合わせ用の印)が撮像され、これと同時に(−Z)側の撮像窓51を介して第2基板92の上面921に設けられたパターンが撮像される(ステップS14)。
【0033】
次に、撮像部5により取得された第1基板91および第2基板92の画像に基づいて第1基板91の第2基板92に対する相対位置のずれ量が求められる。そして、保持部移動機構42および保持部回動機構43により、第2保持部41に保持された第2基板92が移動および回動され、第1基板91の第2基板92に対する相対的な位置および向きが調整されて第1基板91および第2基板92の位置合わせ(いわゆる、アライメント)が行われる(ステップS15)。
【0034】
押圧ヘッド3では、第1保持部31に接続される部材311の下面が固定部材312の先端の幅が広い部位に軽く当接して部材311の位置が部材331に対して固定されており、これにより、平行度調整部32が第1基板91、第1保持部31および部材311の重量により変形することが防止される。その結果、平行度調整部32の変形による第1基板91の位置の変化が防止され、第1基板91および第2基板92の位置合わせを高い精度にて行うことができる。
【0035】
第1基板91および第2基板92の位置合わせが行われると、撮像部5の2つの撮像窓51が一体的に(+X)方向に移動し、第1基板91および第2基板92の間から退避する。そして、高周波電源22が能動化され、減圧環境下において第1基板91の下面911および第2基板92の上面921にプラズマが照射されて第1基板91および第2基板92に対するプラズマ洗浄処理が行われる(ステップS16)。
【0036】
図4は、第1基板91および第2基板92の接合途上の様子を示す基板接合装置1の正面図である。プラズマ洗浄処理が完了すると、保持部昇降機構34により第1保持部31が(−Z)方向に移動して第1基板91が第2基板92に対して相対的に近づけられ、第1基板91の下面911が第2基板92の上面921に当接する(すなわち、両基板の当接領域が当接する。)(ステップS17)。
【0037】
続いて、保持部昇降機構34により平行度調整部32を介して第1保持部31に(−Z)方向の力が加えられることにより、減圧環境(または、不活性ガス環境)とされたチャンバ2内において第1基板91が第2基板92に向けて押圧されて第1基板91と第2基板92とが接合される(ステップS18)。
【0038】
押圧ヘッド3では、保持部昇降機構34により取付部33を介して平行度調整部32の外周部322(図2参照)に加えられた(−Z)方向の力が、可撓性を有する連結部323を介して中央部321に伝達され、この力により第1基板91が第1保持部31と共に第2基板92に向けて押圧される。したがって、押圧時には連結部323が撓んで部材311が固定部材312に対して僅かに上に移動し、固定部材312の先端部と部材311の下面との接触が解除されるとともに、平行度調整部32の中央部321が中央部当接部材313に当接する。
【0039】
このように、第1基板91の押圧時に連結部323が撓む(すなわち、弾性変形する)ことにより、基板接合装置1では、第1基板91の下面911が第2基板92の上面921に対して僅かに傾いている場合であっても、平行度調整部32の中央部321が中央部当接部材313に当接して滑らかに傾き、第1基板91の傾斜(例えば、6インチタイプのウエハにおいて、直径の両端における第2保持部41との間の距離の差が10μm程度となる傾斜)が補正されて第1基板91の下面911が第2基板92の上面921に倣う。なお、図4では、連結部323の撓み、第1基板91および第2基板92の傾き、並びに、部材311の下面と固定部材312との間の距離を実際よりも大きく描いている。
【0040】
なお、基板接合装置1では、第2保持部41のみ、あるいは、第1保持部31および第2保持部41の双方がZ方向に移動することにより、第1基板91が第2基板92に対して相対的に近づけられて第1基板91と第2基板92との接合が行われてもよい。
【0041】
第1基板91と第2基板92との接合が完了すると、第1保持部31による第1基板91の吸着が解除され、第1保持部31が(+Z)側へと上昇して第1基板91から離れる。このとき、連結部323が元の状態に戻って部材311の下面と固定部材312の先端部とが当接し、第1保持部31が押圧前の初期位置に戻される。そして、環境調整機構21によりチャンバ2内にエアが供給された後にチャンバ2のゲートが開放され、第1基板91および第2基板92がチャンバ2外に搬出されて第1基板91および第2基板92の接合が終了する。
【0042】
以上に説明したように、基板接合装置1では、第1保持部31と保持部昇降機構34との間に設けられる平行度調整部32において、第1基板91を保持する第1保持部31に接続された中央部321と、取付部33を介して保持部昇降機構34に接続された外周部322とが、可撓性を有する連結部323により連結されている。これにより、第1基板91の第2基板92に対する押圧時に、第1基板91の下面911と第2基板92の上面921との平行度を調整して第1基板91の下面911を第2基板92の上面921に倣わせることができる。
【0043】
このように、基板接合装置1では、基板の平行度の調整に球面軸受等を利用する場合に比べて、平行度の調整に係る機構(すなわち、平行度調整部32)の構造を簡素化することができるとともに、第1基板91の下面911と第2基板92の上面921との平行度を精度良く調整しつつ第1基板91を第2基板92に対して均等に押圧することができる。その結果、第1基板91と第2基板92との接合の質を向上することができる。また、基板の接合に先立って行われる基板接合装置1の調整時に、第1保持部31の下面と第2保持部41の上面との平行度を厳密に調整する必要がないため、基板接合装置1の調整に係る作業時間および労力を低減することができる。
【0044】
基板接合装置1では、平行度調整部32の中央部321と外周部322とが、連結部323により中心軸320を中心とする周方向において等間隔にて連結されるため、保持部昇降機構34から外周部322に加えられた力が、周方向において均等に中央部321に伝達される。これにより、第1基板91を第2基板92に対してより均等に押圧することができる。また、平行度調整部32の中央部321および外周部322が中心軸320を中心として軸対称であるため、第1基板91を第2基板92に対してさらに均等に押圧することができ、その結果、第1基板91と第2基板92との接合の質をさらに向上することができる。
【0045】
平行度調整部32では、中央部321、外周部322および連結部323の厚さが同じとされるため、平行度調整部32の構造をより簡素化することができ、その結果、平行度調整部32をより容易に製造することができる。
【0046】
基板接合装置1では、構造が簡素な平行度調整部32がチャンバ2内に設けられることにより、チャンバ2内の構造を簡素化することができる。その結果、第1基板91および第2基板92に対して照射されるプラズマの分布の均一性を向上して第1基板91および第2基板92の接合の質を向上することができる。また、チャンバ2内におけるプラズマの異常放電を防止することもできる。さらには、基板接合装置1の調整やメンテナンスを簡素化することもできる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0048】
例えば、平行度調整部32は、金属以外の材料(例えば、樹脂)により形成されてもよく、中央部321、外周部322および連結部323が互いに異なる材料により形成されてもよい。また、中央部321、外周部322および連結部323の厚さは必ずしも同じである必要はなく、例えば、各部が同じ材料により形成されるとともに連結部323の厚さが中央部321および外周部322よりも薄くされることにより、連結部323にのみ可撓性が付与されてもよい。
【0049】
図5ないし図9は、平行度調整部の他の好ましい例を示す平面図である。図5に示す平行度調整部32aでは、円形の中央部321と円環状の外周部322とが、中心軸320を中心とする周方向において120°毎に設けられた連結部323により連結される。このように、隣接する連結部323間の角度は適宜変更されてよい。また、平行度調整部の構造を簡素化するとともに第1基板91を第2基板92に対してある程度均等に押圧するという観点のみからは、周方向において隣接する連結部323間の複数の間隔が互いに異なるように連結部323が設けられてもよい。
【0050】
図6に示す平行度調整部32bでは、連結部323aは、中心軸320を中心として放射状に広がるとともに中央部321と外周部322とを連結する8つの直線部3231と、中心軸320を中心とする径方向における直線部3231の中央部近傍にて8つの直線部3231を連結する円環部3232とを備える。平行度調整部32bでは、中央部321と外周部322との間に複数の円環部3232が設けられてもよい。
【0051】
図7に示す平行度調整部32cは、中心軸320を中心とする周方向において等間隔にて配列された複数の円形の開口が形成された円板状である。平行度調整部32cでは、複数の開口に中心軸320側から接する内接円(図7中に二点鎖線にて示す仮想的な円)3233よりも内側の円形の部位が中央部321に相当し、複数の開口に外側から接する外接円3234よりも外側の円環状の部位が外周部322に相当する。また、内接円3233と外接円3234との間の部位(開口を除く。)が、中央部321と外周部322とを連結する連結部323bになる。平行度調整部32cでは、円形以外の他の形状(例えば、矩形状)の複数の開口が形成されてもよい。
【0052】
図8および図9に示す平行度調整部32dおよび平行度調整部32eでは、中央部321が矩形状とされ、中央部321と連結部323により連結される外周部322が、外周および内周が矩形状である環状とされる。このように、中央部321および外周部322は、必ずしも円形や円環状のように中心軸を中心として軸対称な形状とされる必要はなく、必要に応じて適宜他の形状とされてもよい。例えば、中央部321が楕円形や多角形とされてもよい。
【0053】
上記実施の形態に係る基板接合装置1では、押圧ヘッド3の取付部33が円環状とされ、平行度調整部32の外周部322と全周において接続されるが、取付部33は必ずしも円環状とされる必要はなく、例えば、中心軸320を中心とする周方向において均等に配列された複数の部材であってもよい。この場合、第1基板91の第2基板92に対する押圧時には、外周部322の周方向における複数箇所に対して(−Z)方向の力が加えられる。
【0054】
また、基板接合装置1では、平行度調整部32の中央部321が第1保持部31に接続され、外周部322が取付部33に接続されているが、逆に、中央部321が取付部33に接続され、外周部322が第1保持部31に接続されてもよい。この場合であっても、平行度調整部32の構造を簡素化することができるとともに、第1基板91の下面911と第2基板92の上面921との平行度を精度良く調整しつつ第1基板91を第2基板92に対して均等に押圧することができる。
【0055】
基板接合装置1では、取付部33および平行度調整部32がチャンバ2外に設けられ、平行度調整部32と第1保持部31とがチャンバ2を貫通するシャフト等を介して接続されてもよい。これにより、チャンバ2内の構造をさらに簡素化することができる。
【0056】
基板接合装置1では、第1基板91および第2基板92の位置合わせに係る機構も、チャンバ2の外部に設けられてもよい。例えば、チャンバ2の下面に窓部が設けられ、第1基板91を撮像する撮像部が当該窓部の下側に設けられてもよい。この場合、チャンバ2外に配置された光源から出射された赤外光が、窓部および第2保持部41に設けられた貫通孔を介して、さらに、第2基板92を透過して第1基板91の下面911に照射される。そして、第1基板91の下面911上のパターンからの反射光が、第2基板92、第2保持部41の貫通孔および窓部を介してチャンバ2外へと導かれて撮像部により受光されることにより、第1基板91の撮像が行われる。また、第2保持部41を移動および回動する保持部移動機構42および保持部回動機構43が、チャンバ2の外部において第2保持部41の下側に設けられてもよい。
【0057】
第1保持部31において第1基板91を保持する機構は、プラズマ洗浄処理が行われる減圧環境下または不活性ガス環境下において第1基板91を上側から保持することができるのであれば、真空ポンプに連結された吸引路による吸引吸着であってもよく、また、メカニカルチャックにより第1基板91が保持されてもよい(第2保持部41における第2基板92の保持機構についても同様)。
【0058】
チャンバ2内において第1基板91の下面911および第2基板92の上面921に照射されるエネルギー波は、必ずしもプラズマには限定されず、例えば、高速原子ビーム(FAB(Fast Atom Beam))やイオンビーム等により両基板の当接領域に対する洗浄処理が行われてもよい。また、両基板の当接領域に紫外線を照射して洗浄処理を行った後、基板に熱または超音波を付与しつつ当接領域を接触させて押圧することにより、両基板の接合が行われてもよい。洗浄処理に使用されるガスはアルゴンには限定されず、窒素、酸素、フッ素、水素等であってもよい。また、エネルギー波の照射は、第1基板91および第2基板92のいずれか一方の当接領域のみに対して行われてもよい。なお、第1基板91の当接領域は、必ずしも下面911全面には限定されない(第2基板92においても同様)。
【0059】
基板接合装置1による第1基板91と第2基板92との接合は、必ずしもエネルギー波による表面改質後の接触により行われる必要はなく、例えば、第1基板91および第2基板92を加熱しつつ第1基板91を第2基板92に向けて押圧することにより行われてもよい。この場合、チャンバ2は適宜省略されてもよい。
【0060】
基板接合装置1は、半導体基板同士の接合に利用される他、半導体基板と他の種類の基板(例えば、セラミック基板)との接合に利用されてもよく、また、半導体基板以外の他の種類の基板(例えば、金属基板)同士の接合に利用されてもよい。また、基板接合装置1により接合される基板は、円板状以外の他の形状(例えば、矩形の薄板状)であってもよい。
【0061】
基板接合装置1の構成は、比較的大きい外形を有するために接合時の平行度の調整が重要となる基板同士の接合に適しているが、基板の接合以外にも、一の対象物を他の対象物に向けて押圧する他の装置に適用することもできる。例えば、基板に比べて小さい電子部品であってバンプを有するものを回路基板に向けて押圧して実装する電子部品の実装装置に利用されてもよい。この場合、電子部品のバンプの下面、および、回路基板の電極の表面が、実装装置にて扱われる2つの対象物の当接領域となる。また、基板接合装置1の構成は、回路基板に向けてACF(異方導電性樹脂フィルム)を押圧して貼付する装置に利用されてもよい。
【0062】
さらには、基板接合装置1の構成は、電子部品や回路基板上に形成された複数のバンプの頂部をレベリングプレートにより押圧してバンプの高さを揃えるレベリング装置に利用されてもよい。この場合、レベリングプレートのバンプに当接する主面、および、複数のバンプの頂部が、レベリング装置にて扱われる2つの対象物の当接領域となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、基板を他の基板に向けて押圧して接合する基板接合装置を始め、対象物を他の対象物に向けて押圧する様々な技術に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】基板接合装置を示す正面図
【図2】平行度調整部を示す平面図
【図3】第1基板と第2基板との接合動作の流れを示す図
【図4】基板接合装置を示す正面図
【図5】平行度調整部の他の好ましい例を示す平面図
【図6】平行度調整部の他の好ましい例を示す平面図
【図7】平行度調整部の他の好ましい例を示す平面図
【図8】平行度調整部の他の好ましい例を示す平面図
【図9】平行度調整部の他の好ましい例を示す平面図
【符号の説明】
【0065】
1 基板接合装置
2 チャンバ
31 第1保持部
32,32a〜32e 平行度調整部
33 取付部
34 保持部昇降機構
41 第2保持部
91 第1基板
92 第2基板
320 中心軸
321 中央部
322 外周部
323,323a,323b 連結部
911 下面
921 上面
S11〜S18 ステップ




 

 


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