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発明の名称 半導体レーザ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5505(P2007−5505A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182730(P2005−182730)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫
発明者 西川 透
要約 課題
薄型でかつ高出力半導体レーザ素子を搭載するのに適した放熱性の高い半導体レーザ装置を実現することを目的とする。

解決手段
レーザ照射方向を前方として、前方から、ダイパッド104前端面、樹脂モールド体106前端面、半導体レーザ素子101前端面の順に位置するように構成し、半導体レーザ素子101の前端面からダイパッド104の前端面までの距離を、ダイパッド104によるレーザの蹴られ量が一定以下となるような所定の長さにすることにより、ダイパッド104を最大限半導体レーザ素子101より前方に延伸することができるため、薄型でかつ高出力半導体レーザ素子を搭載するのに適した高い放熱性を確保することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
レーザの発光素子である半導体レーザ素子と、
サブマウントを介して前記半導体レーザ素子を載置するダイパッドと、
ワイヤを介して前記半導体レーザ素子の電極と接続されるリードと、
少なくとも前記半導体レーザ素子の発光部および前記リードのワイヤ接続部に対向する端部が露出するように前記半導体レーザ素子および前記ダイパッドならびに前記リードを包含する樹脂モールド体と
を有し、前記半導体レーザ素子の発光方向を前方として、前方から前記ダイパッドの前端面、前記樹脂モールド体における前記ダイパッドの前記半導体レーザ素子搭載面上の前端面、前記半導体レーザ素子の前端面の順に配置され、前記半導体レーザ素子の発光点から前記ダイパッドの前端面までの距離が所定の長さであることを特徴とする半導体レーザ装置。
【請求項2】
前記所定の長さを、前記半導体レーザ素子から照射されるレーザの垂直方向の拡がり角と前記ダイパッド表面から発光点までの高さより、前記ダイパッドによる前記レーザの蹴られ量が一定以下となるように算出することを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
【請求項3】
前記所定の長さを300μm以上とすることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
【請求項4】
前記ダイパッドを、前記半導体レーザ素子の発光方向に対して垂直方向に前記樹脂モールド体から突き抜けて延伸したウィング部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
【請求項5】
前記ダイパッドをさらに前方に延伸し、延伸された部分に前記ダイパッドによる前記レーザの蹴られ量が一定以下となるように面取りを設けることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記ダイパッドの下部において、前記樹脂モールド体の前端面が前記サブマウントの後端面より後方に位置するように、前記ダイパッドの下部の前記樹脂モールド体を開口することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザ素子を実装する半導体レーザ装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ装置は、主として光ディスクの記録および再生の光源等で実用されている。
近年の光ディスクでは、高速記録の用途が高まり、半導体レーザ装置としては、より高出力タイプのものが必要とされている。一方、ノートパソコンやその他のモバイル機器の急速な普及にともない、光ディスクドライブとしては、より薄型化されたものが必要とされており、半導体レーザ装置としても、同様により薄型のものが必要とされている。
【0003】
従来の半導体レーザ装置では、薄型化を実現するために、図15、図16に示すようなフレーム構造を有したパッケージが開発されている。以下、図15,図16を用いて従来の半導体装置を実装するパッケージ構造について説明する。
【0004】
図15は従来の半導体装置を実装するパッケージの斜視図、図16は従来の半導体装置を実装するパッケージの平面図である。
従来の構造は、図15、図16に示すように半導体レーザ2001素子が実装されるマウント部2011Mを有するリード2011と、他の端子導出用のリード2012とが共通の樹脂モールド体2013によって一体化された構成であり、上記樹脂モールド体2013には、上記リード2012の、半導体レーザ素子2001が実装されるマウント部2011Mと他のリード2012の一部とを外部に露出させると共に、半導体レーザ素子2001を収容する凹部2014が設けられた構成となっている。そして、この凹部2014内において、半導体レーザ素子2001とリード2011および2012に対する電気的接続がリードワイヤ2018によりなされる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3186684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこの構造では、半導体レーザ素子を搭載する部分が狭く、半導体レーザ素子からの発熱を外部に逃がす外部放熱板との接触面積を十分に取ることができないため、高出力タイプの半導体レーザ素子を搭載するには向かない。特に、半導体レーザ素子前端面付近で、放熱性に優れた金属性フレームの体積が少ないため、半導体レーザ素子の中でももっとも発熱量が大きい半導体レーザ素子前端面部付近からの発熱を十分に外部に逃がすことができないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明では、薄型でかつ高出力半導体レーザ素子を搭載するのに適した放熱性の高い半導体レーザ装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の半導体レーザ装置は、レーザの発光素子である半導体レーザ素子と、サブマウントを介して前記半導体レーザ素子を載置するダイパッドと、ワイヤを介して前記半導体レーザ素子の電極と接続されるリードと、少なくとも前記半導体レーザ素子の発光部および前記リードのワイヤ接続部に対向する端部が露出するように前記半導体レーザ素子および前記ダイパッドならびに前記リードを包含する樹脂モールド体とを有し、前記半導体レーザ素子の発光方向を前方として、前方から前記ダイパッドの前端面、前記樹脂モールド体における前記ダイパッドの前記半導体レーザ素子搭載面上の前端面、前記半導体レーザ素子の前端面の順に配置され、前記半導体レーザ素子の発光点から前記ダイパッドの前端面までの距離が所定の長さであることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の半導体レーザ装置は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記所定の長さを、前記半導体レーザ素子から照射されるレーザの垂直方向の拡がり角と前記ダイパッド表面から発光点までの高さより、前記ダイパッドによる前記レーザの蹴られ量が一定以下となるように算出することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の半導体レーザ装置は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記所定の長さを300μm以上とすることを特徴とする。
請求項4記載の半導体レーザ装置は、請求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、前記ダイパッドを、前記半導体レーザ素子の発光方向に対して垂直方向に前記樹脂モールド体から突き抜けて延伸したウイング部を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の半導体レーザ装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、前記ダイパッドをさらに前方に延伸し、延伸された部分に前記ダイパッドによる前記レーザの蹴られ量が一定以下となるように面取りを設けることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の半導体レーザ装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、前記ダイパッドの下部において、前記樹脂モールド体の前端面が前記サブマウントの後端面より後方に位置するように、前記ダイパッドの下部の前記樹脂モールド体を開口することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体レーザ装置は、レーザ照射方向を前方として、前方から、ダイパッド前端面、樹脂モールド体前端面、半導体レーザ素子前端面の順に位置するように構成し、半導体レーザ素子の前端面からダイパッドの前端面までの距離を、ダイパッドによるレーザの蹴られ量が一定以下となるような所定の長さにすることにより、ダイパッドを最大限半導体レーザ素子より前方に延伸することができるため、薄型でかつ高出力半導体レーザ素子を搭載するのに適した高い放熱性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、図4,図5,図6,図7を用いて本発明の半導体レーザ装置の概略を説明する。
図4は放熱板を配置した半導体レーザ装置の放熱パスを示す断面図、図5は本発明の半導体レーザ装置における放熱パスを示す断面図、図6はレーザ素子内部の熱分布を示す図、図7はダイパッドと照射レーザの位置関係を示す図である。
【0014】
本発明では、より放熱性を向上させるために、半導体レーザ素子101の特性を損なわない限界まで半導体レーザ素子101をマウントする半導体レーザ搭載用ダイパッド104の体積を大きくできる構成としている。
【0015】
従来例を含めて、フレーム構造をもつ薄型の半導体レーザ装置では、図4に示すように、サブマウント102を介して半導体レーザ素子101を搭載したダイパッド104に、上部放熱板401および下部放熱板402を配置することで、矢印で示すように特に半導体レーザ直下に効率よく放熱パスを設けることができるため、キャンタイプの半導体レーザ装置よりも放熱性に優れているとされている。
【0016】
しかし、高出力タイプの半導体レーザ素子は、図6に示すように、半導体レーザ素子101の温度分布が、中心部に比べて端面部、特に前端面側で高温になっており、一般に動作時に前端面側でより高い温度分布を持つことがわかっている。そのため、より効率的な放熱を実現するためには、図5に示すように、半導体レーザ素子101のチップ前端面より前方にできるだけ大きく半導体レーザ搭載用ダイパッド104を伸ばすことが重要になる。このことにより、図の矢印で示した放熱パスで示すように、ダイパッド104の前部からも放熱されるため、放熱効果が向上する。
【0017】
一方で、半導体レーザ搭載用ダイパッド104は、図7に示すように、前方に伸ばしていくと、半導体レーザ素子101から出射されるレーザが矢印のように下向きにも照射されるため、レーザの照射範囲内までダイパッド104が延伸されていると、ダイパッド104にレーザが蹴られるようになる。そのため、半導体レーザ搭載用ダイパッド104の前端面と半導体レーザ素子101のチップ前端面の位置関係には、レーザ蹴られが発生しないような条件を設定する必要がある。
【0018】
従来例では、半導体レーザ装置の前面部において、概ね、樹脂モールド体よりダイパッドの前端面が内側に位置しており、さらにダイパッド前端面より半導体レーザ素子の前端面が内側に位置している。また、半導体レーザ素子のチップ前端面付近は、半導体レーザ素子から出射されるレーザが蹴られないよう、マウント部を半導体レーザ素子から照射されるレーザの光軸を中心として凹形状にしているが、これでは、逆に放熱特性としては不利な条件となってしまう。
【0019】
そこで、半導体レーザ素子101から照射されるレーザの垂直方向の拡がり角と半導体レーザ搭載用ダイパッド104表面から発光点までの高さと半導体レーザ素子101のチップ前端面から半導体レーザ搭載用ダイパッド104前端面の距離を設定し、これらをパラメータとして、半導体レーザ素子から出射されるレーザの蹴られが、1%となる位置関係を算出し、ダイパッド104を凹形状にすることなく、レーザ蹴られを考慮した最大の長さを確保して放熱効率を向上させる。
【0020】
この計算結果から、半導体レーザ装置として、特性に影響が出ない最大の距離を導出することで、最大の放熱性を得られる半導体レーザ装置を実現できる。
高出力レーザの垂直方向の拡がり角は、市場要求を考慮すると、最大でも25°(FWHM)以下と考えるのが妥当であるが、レーザ蹴られがまったくないようにするためには、最大の垂直拡がり角を30°程度に設定すれば十分であると考えられる。さらに、ダイパッドの表面から発光点までの高さも、一般仕様を考慮すると、最小で200μm程度と考えるのが妥当である。
【0021】
これら2点を考慮すれば、高放熱性を重視する高出力タイプの半導体レーザ素子を搭載する半導体レーザ装置の場合、半導体レーザ搭載用ダイパッド前端面と半導体レーザ素子101の前端面との距離は、実装精度なども考慮して、300μm以上に設定することが最低条件として考えられる。
【0022】
実際は、レーザの拡がり角やレーザの発光点高さに合わせて、距離をより大きくすることで、より高い放熱性を得ることができる。
また、さらに放熱性を向上させるために、半導体レーザ搭載用ダイパッド104の前端面の上面側に面取り部を加工する方法がある。この方法を用いることで、レーザ蹴られが発生する距離を面取り分伸張可能となり、放熱性をさらに向上することができるようになる。
【0023】
面取りの加工方法としては、パンチプレス後のバリ取り用に実施するバリたたき加工時に行うか、パンチプレス時に半導体レーザ搭載用ダイパッド104の前端面の上面側に大きなRが発生するようパンチプレス加工時の調整を行うことで、コストアップなしで容易に加工可能である。
【0024】
また、半導体レーザ素子の後端面付近も発熱量が多いため、より効率的な放熱を実現させるためには、半導体レーザ素子前端付近だけでなく、同様に半導体レーザ素子の後端面付近も同様に放熱性を向上させる必要がある。
【0025】
そこで、本発明では、半導体レーダ素子直下のモールドをなくしてダイパッド104を露出される構成にする。これは、半導体レーザ直下からの放熱をより効率的に行うために有効で、この位置関係にすることで、半導体レーザ素子から発生した熱は、余分な経路を通らず、ダイレクトに外部放熱板に放熱可能となる。
【0026】
また、本発明の半導体レーザ装置では、パッケージ上面および前面がフリーになっているため、組立工程終了後のワイヤへの接触はもちろん、半導体レーザ素子への異物の接触により半導体レーザが破壊される危険性を持っているため、これらの危険性に対する配慮も必要となる。
【0027】
まず、上方からの接触に関しては、キャップを付加することにより回避できる。また、キャップの位置決めを容易に行うために、樹脂モールド体の上面にキャップ位置決め部を設けることで、キャップ取り付け工程をより簡易にすることが可能になる。
【0028】
前面に関しては、レーザレーザをさえぎることができないので、光学的にフリーな状態を保ちながら、半導体レーザ素子を保護する必要があるが、本発明では、半導体レーザ素子の前端面付近への異物の接触を最低限回避するために、半導体レーザ素子の前端面が、樹脂モールド体前端面より前に出張らないような位置関係に半導体レーザ素子を配置している。
【0029】
以下、図面を用いて具体的な実施例について詳細に説明する。
図1は本発明の半導体レーザ装置における縦断面図であり、図2のA−A’断面図である。図2は本発明の半導体レーザ装置における平面図、図3は本発明の半導体レーザ装置における横断面図であり、図3(a)は、図2のB−B’断面図、図3(b)はC−C’断面図である。図8は半導体レーザ素子のレーザ蹴られ計算用パラメータの説明図、図9は半導体レーザ素子のレーザ蹴られ計算用パラメータの計算結果を示す図である。
【0030】
本発明は、図1、図2、図3(a)、図3(b)に示すように、半導体レーザ素子101を実装した半導体レーザ電極取り出し用サブマウント102を半導体レーザ搭載用ダイパッド104上に実装し、半導体レーザ素子101からの電極をレーザ電極取り出し用リード105のレーザ電極取り出し用リードインナー部105Aに電極取り出し用ワイヤ配線103により接続することを基本構成とする半導体レーザ装置であり、パッケージの基本構成としては、半導体レーザ素子101を実装する半導体レーザ搭載用ダイパッド104とレーザ電極取り出し用リード105を樹脂モールド体106により一体化された構成となっている。また、樹脂モールド体106は、半導体レーザ素子101を搭載する部分および半導体レーザ素子101から出射されるレーザビームを前方に取り出すための凹部107を備えた構成が基本構成となっている。さらに、樹脂モールド体106は、放熱効率の必要性に応じて、少なくとも半導体レーザ素子101の発光部およびレーザ電極取り出し用リード105の外部端子部を露出した形状で前記半導体レーザ素子および前記ダイパッドならびに前記リードを包含すれば良い。
【0031】
さらに、本実施例では、高出力タイプの半導体レーザを実装することを基本としているため、放熱性の確保を第一に考えた構成となっている。
放熱性を考慮すると、半導体レーザ搭載用ダイパッド104の厚さは、厚ければ厚いほど有利となるが、量産加工性を考えると、ダイパッドの厚さは、0.35mm〜0.45mmの間に設定することが望ましい。
【0032】
また、半導体レーザ搭載用ダイパッド104およびレーザ電極取り出し用リード105を含めたフレーム材料としては、放熱性に優れ、加工性にも優れた銅系の材料を用いることが望ましい。
【0033】
さらに、特に高出力タイプの半導体レーザ素子において、レーザ蹴られを防ぎながら放熱特性を確保するために、図8に示すような、半導体レーザ素子101から照射されるレーザの垂直方向の拡がり角(θv)と半導体レーザ搭載用ダイパッド104表面から発光点までの高さ(h)と半導体レーザ素子101のチップ前端面から半導体レーザ搭載用ダイパッド104前端面までの距離(d)を設定し、これらをパラメータとして、図9における、レーザ蹴られ量が1%となる半導体レーザ素子101から照射されるレーザの垂直方向の拡がり角θvと半導体レーザ搭載用ダイパッド104表面から発光点までの高さhと半導体レーザ素子101のチップ前端面から半導体レーザ搭載用ダイパッド104前端面までの距離dの関係を表すグラフに示すように、半導体レーザ素子から出射されるの蹴られが、1%となる位置関係を算出する。そして、半導体レーザ装置のレーザ照射方向を前方として、前方から、ダイパッド104前端面、樹脂モールド体106前端面、半導体レーザ素子101前端面の順に位置するように構成し、半導体レーザ素子101のチップ前端面から半導体レーザ搭載用ダイパッド104前端面までの距離を算出した距離dとする。
【0034】
このように、半導体レーザ装置として、特性に影響が出ない最大の距離dを導出することで、最大の放熱性を得られる半導体レーザ装置を実現できる。
高出力レーザの垂直方向の拡がり角は、市場要求を考慮すると、最大でも25°(FWHM)以下と考えるのが妥当であるが、レーザ蹴られがまったくないようにするためには、最大の垂直拡がり角を30°程度に設定して計算すれば十分であると考えられる。さらに、ダイパッド104の表面から発光点までの高さも、一般仕様を考慮すると、最小で200μm程度と考えるのが妥当である。
【0035】
これら2点を考慮すれば、高放熱性を重視する高出力タイプの半導体レーザ素子を搭載する半導体レーザ装置の場合、半導体レーザ搭載用ダイパッド104前端面と半導体レーザ素子101の前端面との距離dは、実装精度なども考慮して、300μm程度に設定することにより、レーザ蹴られを防ぎながら最適な放熱特性が得られると考えられる。
【0036】
実際は、レーザの拡がり角θvやレーザの発光点高さhに合わせて、距離dをより大きくすることで、より高い放熱性を得ることができる。その一例として、θvを30°、hを250μmであった場合では、hが高くなっていることにより最大で400μmまで距離dを伸ばすことができる。
【0037】
さらに、ダイパッド104を半導体レーザ装置の横部に樹脂モールド体106を突き抜けて延伸した半導体レーザ搭載用ダイパッド拡張ウイング部を形成することにより、さらなる放熱効率の向上を図ることができる。
【0038】
以上のように、半導体レーザ装置を、レーザ照射方向を前方として、前方から、ダイパッド104前端面、樹脂モールド体106前端面、半導体レーザ素子101前端面の順に位置するように構成し、半導体レーザ素子101のチップ前端面から半導体レーザ搭載用ダイパッド104前端面までの距離を算出した距離dを半導体レーザ素子101の垂直方向の拡がり角θvと半導体レーザ搭載用ダイパッド104表面から発光点までの高さhから求めた距離dにすることにより、レーザ蹴られを防ぎながら、ダイパッド104を最大限半導体レーザ素子104より前方に延伸することができるため、高い放熱性を確保することができる。
【0039】
また、さらに、上記半導体レーザ装置に対して放熱性を向上させる半導体レーザ装置について、図1,図5,図6,図10,図11,図12を用いて説明する。
図10は面取り加工を施した半導体レーザ装置を示す断面図、図11はたたき加工による面取り図形成方法を示す図、図12はパンチプレスによる面取り図形成方法を示す図である。
【0040】
まず、図10に示すように、半導体レーザ搭載用ダイパッド104の前端面をさらに延伸して上面側に面取り部1001を加工する方法がある。面取り部は上述のダイパッド104に付加される形状で、面取りの角度は、レーザにより、ダイパッド104の面取り部1001の蹴られ量が所定の量以下となる角度である。この方法を用いることで、レーザ蹴られが発生する距離dを面取り分伸張可能となり、放熱性をさらに向上することができるようになる。
【0041】
加工方法としては、図11で示すようなパンチプレス後のバリ取り用に実施するバリたたき加工時に所定のたたき加工面取り部1101を形成するか、図12で示すようなパンチプレス時に半導体レーザ搭載用ダイパッド104の前端面の上面側に大きなRを備えるR加工面取り部1201を形成するようにパンチプレス加工時の調整を行うことで、コストアップなしで容易に加工可能である。
【0042】
加工により伸張できる距離は、半導体レーザ搭載用ダイパッド104の厚さにもよるが、0.35mm〜0.45mm程度の厚さであれば、たたき加工やR加工により、0.1mm程度まで大きくすることが可能になる。
【0043】
また、図6に示すように、半導体レーザ素子の後端面付近も発熱量が多いため、より効率的な放熱を実現させるためには、半導体レーザ素子101前端付近だけでなく、同様に半導体レーザ素子101の後端面付近も同様に放熱性を向上させる必要がある。
【0044】
そこで、本発明では、上述の半導体レーザ装置の構成に対して、さらに、図1に示すように、下部モールド体106A前端面がサブマウント102後端面より後方に位置するように配置する。これは、半導体レーザ直下からの放熱をより効率的に行うために有効で、この位置関係に両者を配置することで、図5に示すように半導体レーザ素子101から発生した熱は、余分な経路を通らず、ダイレクトに外部放熱板に放熱可能となる。
【0045】
また、本発明の半導体レーザ装置では、パッケージ上面および前面がフリーになっているため、組立工程終了後のワイヤへの接触はもちろん、半導体レーザへの異物の接触により半導体レーザが破壊される危険性を持っているため、これらの危険性に対する配慮も必要となる。このような構成について図13,図14を用いて説明する。
【0046】
図13は本発明のキャップを設置した半導体レーザ装置の構成を示す平面図、図14は本発明のキャップを設置した半導体レーザ装置の構成を示す断面図であり、図13のB−B’断面図である。
【0047】
まず、上方からの接触に関しては、図13,図14に示すように、キャップ1301を半導体レーザ装置の樹脂モールド体106開口部を上部から塞ぐように設置することにより回避できる。また、キャップ1301の位置決めを容易に行うために、樹脂モールド体106の上面各所にキャップ位置決め部1302を設けることで、キャップ取り付け工程をより簡易にすることが可能になる。
【0048】
前面に関しては、レーザビームをさえぎることができないので、光学的にフリーな状態を保ちながら、半導体レーザ素子101を保護する必要があるが、本発明では、半導体レーザ素子101の前端面付近への異物の接触を最低限回避するために、半導体レーザ素子101の前端面が、樹脂モールド体106の側壁の前端面より前に突出しないような位置関係に半導体レーザ素子101を配置している。
【0049】
なお、以上説明した本発明の構成では、半導体レーザ素子101を実装する半導体レーザ搭載用ダイパッド104とレーザ電極取り出し用リード105を分離した形状にしているが、半導体レーザ素子101を駆動するために支障がなければ、レーザ電極取り出し用リード105のうちのひとつと半導体レーザ搭載用ダイパッド104を一体にしたものを使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、薄型でかつ高出力半導体レーザ素子を搭載するのに適した高い放熱性を確保することができ、半導体レーザ素子を実装する半導体レーザ装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の半導体レーザ装置における縦断面図
【図2】本発明の半導体レーザ装置における平面図
【図3】本発明の半導体レーザ装置における横断面図
【図4】放熱板を配置した半導体レーザ装置の放熱パスを示す断面図
【図5】本発明の半導体レーザ装置における放熱パスを示す断面図
【図6】レーザ素子内部の熱分布を示す図
【図7】ダイパッドと照射レーザの位置関係を示す図
【図8】半導体レーザ素子の蹴られ計算用パラメータの説明図
【図9】半導体レーザ素子のレーザ蹴られ計算用パラメータの計算結果を示す図
【図10】面取り加工を施した半導体レーザ装置を示す断面図
【図11】たたき加工による面取り図形成方法を示す図
【図12】パンチプレスによる面取り図形成方法を示す図
【図13】本発明のキャップを設置した半導体レーザ装置の構成を示す平面図
【図14】本発明のキャップを設置した半導体レーザ装置の構成を示す断面図
【図15】従来の半導体装置を実装するパッケージの斜視図
【図16】従来の半導体装置を実装するパッケージの平面図
【符号の説明】
【0052】
101 半導体レーザ素子
102 サブマウント
103 電極取り出し用ワイヤ配線
104 ダイパッド
104A 半導体レーザ搭載用ダイパッド拡張ウイング部
105 レーザ電極取り出し用リード
106 樹脂モールド体
106A 下部モールド体
107 凹部
401 上部放熱板
402 下部放熱板
1001 面取り部
1101 たたき加工面取り部
1201 R加工面取り部
1301 キャップ
1302 キャップ位置決め部
2001 半導体レーザ素子
2011 リード
2011M マウント部
2012 リード
2013 樹脂モールド体
2014 凹部
2018 リードワイヤ




 

 


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