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発明の名称 プラズマエッチング方法、及びプラズマエッチング装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5381(P2007−5381A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180739(P2005−180739)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
発明者 大國 充弘 / 松永 啓一
要約 課題
微細なメタルゲート電極であっても、安定したエッチングを行うことができるプラズマエッチング方法、及びプラズマエッチング装置を提供する。

解決手段
まず、チャンバ1の内壁に被覆膜が形成される。次に、当該被覆膜が形成された状況下で、ウエハ7のエッチング処理が行われ、その後当該エッチング処理の過程で上記被覆膜上に付着した反応生成物が、上記被覆膜とともにエッチング除去される。そして、これら各工程が、上記エッチング処理が開始される時のチャンバ内壁の状態が、常に、略同一となる頻度で実施される。これにより、例えば、上記被覆膜の除去を、1つの被加工体のエッチング処理が終了する度に行うことで、チャンバ内が常に同一の状態で、被加工体のエッチング処理を行うことが可能となる。このため、微細なパターンを形成するエッチング処理であっても、再現性のよい、安定した加工を行うことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
チャンバ内に維持されたプラズマにより、被加工体のエッチング処理を行うプラズマエッチング方法において、
前記チャンバの内壁に被覆膜を形成するステップと、
前記被覆膜が形成された状況下で、被加工体のエッチング処理を行うステップと、
前記エッチング処理の過程で前記被覆膜上に付着した反応生成物を、前記被覆膜とともにエッチング除去するステップとを有し、
前記エッチング処理を開始する時のチャンバ内壁の状態を、常に、略同一にすることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項2】
前記被覆膜が、当該被覆膜の形成直後にエッチング処理が行われる被加工体の成分元素を含有する請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項3】
前記被加工体が金属元素を含有する場合、前記被覆膜が当該金属元素を含有する請求項2に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項4】
前記被覆膜が、当該被覆膜の成分元素からなる材料基板をスパッタエッチングすることにより形成される請求項1から3のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。
【請求項5】
前記被覆膜が、化学気相成長法により形成される請求項1から3のいずれか記載のプラズマエッチング方法。
【請求項6】
前記被覆膜の除去が、1つの被加工体のエッチング処理が終了する度に実施される請求項1から5のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。
【請求項7】
チャンバ内に維持されたプラズマにより、被加工体のエッチング処理を行うプラズマエッチング装置において、
前記チャンバの内壁に被覆膜を形成する被覆膜形成手段と、
被加工体のエッチング処理に使用されるプロセスガスを、前記チャンバ内に供給する第1のガス供給手段と、
前記被覆膜のエッチング除去に使用されるプロセスガスを、前記チャンバ内に供給する第2のガス供給手段と、
を備え、
前記被覆膜が形成された状況下で、前記第1のガス供給手段が供給するプロセスガスを使用したエッチング処理が終了した後、前記第2のガス供給手段がプロセスガスを供給し、前記エッチング処理の過程で前記被覆膜上に付着した反応生成物を、前記被覆膜とともにエッチング除去すること特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項8】
前記プラズマエッチング装置が、
前記被加工体と対向する位置に、電磁波を透過する誘電体壁を備えた前記チャンバと、
前記誘電体壁に対応して前記チャンバの外部に設けられ、前記プラズマを維持する誘導磁場を生成する平面状コイルと、
前記平面状コイルと前記誘電体壁との間に設けられたファラデーシールド電極と、
を備えた請求項7に記載のプラズマエッチング装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチング方法、及びプラズマエッチング装置に関し、特に、微細なパターンを転写するエッチング処理を行う、プラズマエッチング方法、及びプラズマエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び動作速度の高速化の要求に応じて、半導体集積回路装置を構成するトランジスタの寸法の縮小化が進められている。この縮小化に伴い、TiN、TaN、TaSiN等の金属材料により構成されたメタルゲート電極(以下、メタルゲートという。)と、HfOXやHfSiOX等のハフニウム系酸化物を始めとする高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜(以下、high−k膜という。)とを備えたトランジスタが開発されている。そして、このようなメタルゲートとhigh−k膜とを備えた微細なトランジスタを安定して製造するために、メタルゲート材料を高精度に安定して加工することが可能な微細加工技術が必要とされている。
【0003】
上述のようなメタルゲート材料の加工工程では、従来のポリシリコン膜からなるゲート電極の加工工程と同様に、プラズマエッチング装置等のドライエッチング装置が使用されている。当該ドライエッチング装置において、使用されるエッチングガスは塩素ガス等のハロゲン系ガスであり、金属材料とハロゲン系ガスのプラズマとが反応してハロゲン化金属が生成されることによりエッチングが進行する。
【0004】
このようなドライエッチング装置では、メタルゲートを安定した良品率で加工するために、パターン形成不良の原因となるパーティクルの発生を抑制することが必須となる。上述のようなメタルゲート材料の加工工程では、エッチング処理時に生成され、チャンバの内壁に付着したハロゲン化金属のチャンバ内壁に対する密着性が低く、チャンバ内壁から容易に剥離してしまう。このため、メタルゲートの加工を安定して行うために、ハロゲン化金属を始めとするチャンバの内壁に付着した反応生成物の剥離を抑制することが必要である。
【0005】
上述のように、チャンバ内壁との密着性が低い反応生成物の剥離を防止する技術として、後掲の特許文献1には、チャンバ内壁に反応生成物が付着していない清浄な状態で、チャンバ内壁に密着層を形成し、当該密着層が形成された状態で被エッチング膜のエッチングを行う技術が開示されている。
【0006】
例えば、下部電極にエッチング対象のウエハが載置される平行平板型のプラズマエッチング装置では、まず、チャンバが清浄な状態で、ウエハと対向する上部電極に密着層が形成される。この後、エッチング対象のウエハがチャンバ内の下部電極に載置されるとともに、上部電極を介して導入されたエッチングガスのプラズマがチャンバ内に生成され、エッチング処理が実施される。このとき、エッチング処理中に上部電極に到達した反応生成物は、上記密着層上で固体化する。すなわち、反応生成物は、上部電極の表面に形成された密着層上に高い密着性を有した状態で堆積する。このため、反応生成物の剥離は発生し難くなり、パーティクルの発生が抑制される。
【0007】
そして、エッチング後には、反応生成物が付着した上部電極に、さらに、密着層が形成される。これにより、既に上部電極に付着していた反応生成物は、密着層に挟まれる状態となるため、上部電極からの剥離が防止されるとともに、以降のエッチング処理において発生する反応生成物は、新たに形成された密着層上に付着するため、パーティクルの発生が抑制される。すなわち、エッチング対象のウエハに対向する上部電極の表面には、密着層と反応生成物とが交互に形成(付着)した積層構造が形成される。これにより、エッチング処理中にパーティクルが発生することを、定常的に抑制することが可能となる。
【特許文献1】特開2003−257946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記メタルゲートの形成工程は、例えば、図4(a)に示すように、まず、シリコン基板21上に、HfSiOX膜22とTiN膜23とが下層から順に成膜される。
TiN膜23上には、反射防止膜24、及びフォトレジスト膜が順に成膜され、メタルゲートの形成領域を被覆するフォトレジストパターン25がフォトリソグラフィにより形成される。
【0009】
次に、図4(b)に示すように、フォトレジストパターン25をエッチングマスクとして、プラズマエッチング処理が行われ、反射防止膜24、TiN膜23、及びHfSiOX膜22がエッチングされる。このとき、レジストパターン25は、エッチングマスクとして機能するが、上記エッチング処理中にレジストパターン25がサイドエッチングされるため、エッチング後に形成されるメタルゲート26のゲート長W2は、エッチング前のレジストパターン25のゲート長方向の幅W1に比べて小さくなる。なお、メタルゲート26上に残留しているレジストパターン25と反射防止膜27とは、アッシング処理等により除去され、図4(c)に示すように、メタルゲートの形成が完了する。
【0010】
ゲート長が50nm以下の短ゲート長トランジスタでは、レジストパターン寸法W1とメタルゲート寸法W2との差W1−W2(以下、寸法シフト量という。)が、メタルゲートのゲート長と同じオーダであるため、安定したトランジスタ特性を実現するためには、このような寸法シフト量は、常に一定に管理される必要がある。
【0011】
しかしながら、チャンバ内壁に予め形成した密着層上に、被エッチング膜をプラズマエッチングした際に発生する反応生成物と、新たな密着層とを、交互に付着させる特許文献1に開示された手法では、チャンバ内壁に付着している膜の膜厚は次第に厚くなる。この場合、プラズマの状態(プラズマ電位やプラズマ密度)は、被加工体のエッチング処理を繰り返すにつれて徐々に変化するため、上記寸法シフト量が変化してしまう。
【0012】
図5に、上記特許文献1に開示された手法によりメタルゲートを形成した場合のゲート形状のエッチング処理枚数に対する依存性を示す。図5において、図5(a)は、上記寸法シフト量の処理枚数依存性を示しており、図5(b)は、メタルゲート断面において、底部の内角α(図4(c)参照)の累積処理枚数依存性を示している。図5(a)から、上記特許文献1に開示された手法では、累積処理枚数の増加とともに寸法シフト量が減少し、ゲート長が大きくなっていることが理解できる。また、図5(b)において、累積枚数の増大とともに内角αが減少していることから、メタルゲートの断面形状も、上端の幅が下端の幅よりも狭い形状(いわゆる、オーバカット形状)になっていることが理解できる。すなわち、特許文献1に開示された手法では、メタルゲートのエッチング処理の際に発生するパーティクルの数を減少させることは可能であっても、微細なメタルゲートを安定して形成する観点では不十分な技術である。
【0013】
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、微細なメタルゲート電極であっても、安定したエッチングを行うことができるプラズマエッチング方法、及びプラズマエッチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、以下に示す技術的手段を採用している。すなわち、本発明に係るプラズマエッチング方法は、まず、エッチング処理に用いられるプラズマが維持されるチャンバの内壁に被覆膜が形成される。続いて、当該被覆膜が形成された状況下で、被加工体のエッチング処理が行われ、当該エッチング処理の過程で上記被覆膜上に付着した反応生成物が、上記被覆膜とともにエッチング除去される。そして、これら各工程が、上記エッチング処理が開始される時のチャンバ内壁の状態が、常に、略同一となる頻度で実施される。ここで、チャンバの内壁の状態が略同一であるとは、被覆膜と当該被覆膜上に付着した反応生成物との総膜厚の変化に伴うプラズマ状態の変化が、被加工体のエッチング処理後の形状の差異として顕在化しない範囲を指す。
【0015】
上記構成によれば、例えば、上記被覆膜の除去を、1つの被加工体のエッチング処理が終了する度に行うことで、チャンバ内が常に同一の状態で、被加工体のエッチング処理を行うことが可能となる。このため、微細なパターンを形成するエッチング処理であっても、再現性のよい、安定した加工を行うことができる。
【0016】
上記被覆膜は、例えば、被覆膜の形成直後にエッチング処理が行われる被加工体の成分元素を含有することが好ましく、特に、被加工体が金属元素を含有する場合は、被覆膜が当該金属元素を含有することが好ましい。これにより、エッチング処理中に発生する反応生成物は、密着性が高い状態で上記被覆膜上に付着するため、パーティクルが発生することを抑制することができる。
【0017】
また、上記被覆膜の形成は、エッチング工程のスループットが大きく低下することを避けるため、エッチング処理と一連の処理として実行可能な、スパッタリング法や化学気相成長法により行うことが好ましい。
【0018】
一方、他の観点では、本発明は、上述のプラズマエッチング方法の実施に好適なプラズマエッチング装置を提供することができる。すなわち、本発明に係るプラズマエッチング装置は、チャンバ内壁に被覆膜を形成する被覆膜形成手段と、被加工体のエッチング処理に使用されるプロセスガスをチャンバ内に供給する第1のガス供給手段と、前記被覆膜のエッチング除去に使用されるプロセスガスをチャンバ内に供給する第2のガス供給手段と、を備える。そして、被覆膜が形成された状況下で、第1のガス供給手段が供給するプロセスガスを使用したエッチング処理が終了した後、前記第2のガス供給手段がプロセスガスを供給し、前記エッチング処理の過程で前記被覆膜上に付着した反応生成物を、前記被覆膜とともにエッチング除去する。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、被加工体のエッチング処理に先立ちチャンバ内壁に被覆膜が形成され、エッチング処理の過程でチャンバの内壁に到達して付着した反応生成物が、エッチング処理後に上記被覆膜とともに除去される。すなわち、エッチング処理が開始される時に、チャンバの内壁には、同一の条件で成膜された被覆膜が存在しており、チャンバ内壁の状態は、常に同一の状態が再現される。このため、被加工体のエッチング処理に使用されるプラズマのプラズマ電位やプラズマ密度が同一の状態となり、微細なパターンを形成するエッチング処理であっても、再現性が高く安定した処理を実現することができる。
【0020】
加えて、被覆膜として、エッチング処理中に発生する反応生成物との密着性に優れる膜を採用することにより、反応生成物がチャンバ内壁に付着しやすくなるとともに、被覆膜上に付着した反応生成物が剥離することを抑制することができる。このため、チャンバ内を浮遊する微小な粒子や、チャンバ内壁に付着した反応生成物の剥離に起因するパーティクルを減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置の概略断面図である。図2は、本実施の形態に係るプラズマエッチング方法の処理を示すフロー図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係るプラズマエッチング装置10は、鉛直方向に軸を有する略円筒状のチャンバ1を備える。チャンバ1の上壁は、例えば、石英等の誘電体からなる板状の誘電体壁2により構成されており、当該誘電体壁2の上面に平面状コイル3が設けられている。平面状コイル3には、インピーダンス整合器4を介して、例えば、周波数が13.56MHzの高周波電力を出力する高周波電源5が接続されている。
【0023】
平面状コイル3は、例えば、渦巻き状や、略同心円状に構成された、電気的に一体のコイルであり、高周波電源5によりRF電力が印加された際に、チャンバ1の軸方向に垂直な面内で、チャンバ1の軸を軸心として電子がほぼ円運動をする磁場が形成されるようになっている。なお、本実施形態では、チャンバ1の側壁及び下壁は、アルミニウムにより構成されるとともに、当該アルミニウムの少なくとも内壁面側には、陽極酸化により耐食性を有する皮膜が形成されている。
【0024】
一方、チャンバ1内部の誘電体壁2と対向する位置には、エッチング対象となるウエハ7が載置されるステージ6が設けられている。当該ステージ6には、インピーダンス整合器8を介して、例えば、周波数が13.56MHzの高周波電力を出力する高周波電源9が接続されている。
【0025】
また、平面状コイル3と誘電体壁2との間には、板状のファラデーシールド電極13が設けられている。ファラデーシールド電極13には、インピーダンス整合器14を介して、例えば、周波数が13.56MHzの高周波電力を出力する高周波電源15が接続されている。当該ファラデーシールド電極13は、チャンバ1内に生成されるプラズマに対する誘電体壁2の相対的な電位をシフトさせ、プラズマ内で生成され誘電体壁2に入射するイオンの入射量を調整する機能を有している。
【0026】
なお、インピーダンス整合器4、8及び14は、各高周波電源5、9、15から供給される電力よるプラズマの生成に伴って変動する高周波電力印加対象のインピーダンスに対応して、各高周波電源5、9、15が印加する高周波電力の損失が最小となる整合状態に調整される。
【0027】
さらに、ガス供給手段30から供給されるプロセスガスが導入されるガス導入口11が、チャンバ1の側壁上部に連通されるとともに、チャンバ1内を所定圧力に維持する真空ポンプが接続されたガス排出口12がチャンバ1の下部に連通されている。なお、ステージ6に載置されるウエハ7は、例えば、チャンバ1の側壁に開閉可能に設けられた図示しない搬入出口を介して、チャンバ1内に搬入出される。
【0028】
さて、プラズマエッチング装置10において、エッチング処理が行われる場合、まず、チャンバ1の内壁に被覆膜が形成される(図2 S1)。この被覆膜は、以降でエッチング処理が行われる被エッチング膜の成分元素を含有していることが好ましい。例えば、図4に例示した、HfSiOX膜22、TiN膜23、及び反射防止膜24が下層から順に形成され、レジストパターン25をエッチングマスクとしてエッチング処理を行う場合、当該被覆膜としてチタン膜や窒化チタン膜等のチタン含有膜や、タンタル膜や窒化タンタル膜等のタンタル含有膜を採用することができる。
【0029】
図4に示す積層構造を有する多層膜のエッチング処理の過程では、チャンバに内壁に対する密着性は、TiN膜23のエッチング処理の際に発生する反応生成物であるハロゲン化金属(TiCl4)が最も低い。このため、被覆膜としてチタン含有膜を形成することで、ハロゲン化金属の密着性を高めることができる。これにより、反応生成物がチャンバ内壁に付着しやすくなるとともに、被覆膜上に付着した反応生成物が剥離することが抑制される。この結果、チャンバ内を浮遊する微小な粒子や、チャンバ内壁に付着した反応生成物の剥離に起因するパーティクル発生を抑制することができる。
【0030】
このようなチタン含有膜の成膜は、例えば、TiやTiNからなる基板をステージ6に載置し、当該基板をスパッタエッチングすることにより形成できる。このようなスパッタエッチングは、例えば、被覆膜形成ガス供給手段31がチャンバ1内にアルゴンガスを10sccmの流量で導入するとともに、チャンバ1内を10Pa程度の圧力に維持し、高周波電源9がステージ6に電力を印加することで実施可能である。このとき、高周波電源9が印加する高周波電力(周波数13.56MHz)は500Wとしている。また、当該処理において、ステージ6の温度は、ステージ6に内蔵された図示しないヒータにより、約70℃に維持されている。
【0031】
なお、後述のように、被覆膜はエッチング処理後に除去されるため、当該除去が容易となるように、被覆膜の膜厚は、チャンバ1の内壁を被覆できる範囲で、可能な限り薄い膜であることが好ましい。例えば、チャンバ1の内壁が数μmの凹凸を有する状態であれば、被覆膜の膜厚は、10nm程度とすればよい。また、上記Ti含有膜は、被覆膜形成ガス供給手段31から供給された、例えば、TiCl4ガスを、チャンバ1内でプラズマ化し、化学気相成長法により形成してもよく、その成膜方法は限定されない。
【0032】
以上のようにして、チャンバ1の内壁への被覆膜の形成が完了すると、被覆膜の形成に使用したウエハがチャンバ1から搬出される。続いて、チャンバ1内に、被加工体であるウエハ7が搬入され、エッチングガス供給手段32から供給されるガスを使用したエッチング処理(図2 S2→S3)が行われる。図4に例示した構造の場合、レジストパターン25をエッチングマスクとして、まず、反射防止膜24がエッチングされる。
【0033】
例えば、反射防止膜24が有機材料からなる場合、当該エッチングは、チャンバ1内にSO2ガスを90sccm、O2ガスを10sccmの流量で導入するとともに、チャンバ1内を0.5Pa程度の圧力に維持し、高周波電源5が平面状コイル3に、また、高周波電源9がステージ6に電力を印加することにより実施することができる。このとき、高周波電源5が印加する高周波電力(周波数13.56MHz)は1000Wとし、高周波電源9が印加する高周波電力(周波数13.56MHz)は100Wとしている。また、ステージ6の温度は約20℃に維持されている。
【0034】
反射防止膜24のエッチングが完了すると、高周波電源5及び高周波電源9からの高周波電力の印加が停止され、チャンバ1内が一旦排気される。この後、メタルゲートの材料であるTiN膜23が、レジストパターン25をエッチングマスクとしてエッチングされる。
【0035】
当該エッチングでは、例えば、チャンバ1内にBCl3ガスを90sccm、Cl2ガスを10sccmの流量で導入するとともに、チャンバ1内を0.5Pa程度の圧力に維持し、高周波電源5が平面状コイル3に、また、高周波電源9がステージ6に電力を印加する。このとき、高周波電源5は、1500Wの高周波電力(周波数13.56MHz)を平面状コイル3に印加し、高周波電源9は、150Wの高周波電力(周波数13.56MHz)をステージ6に印加する。なお、このとき、ステージ6の温度は約50℃に維持されている。
【0036】
以上のようなエッチング処理の過程で発生する反応生成物は、チャンバ1の内壁に到達すると上記被覆膜上に付着し堆積する。上述のように、被覆膜がチタン含有膜である場合には、TiN膜のエッチング処理の過程で生成されるハロゲン化金属(この場合、塩化チタン)は、被覆膜がない場合に比べて高い密着性を有する状態で、容易に被覆膜上に堆積する。
【0037】
以上のようにしてエッチング処理が完了すると、高周波電源5及び高周波電源9からの電力の印加が停止され、エッチング処理が完了したウエハ7が図示しない搬入出口からチャンバ1の外部に搬出される(図2 S4)。
【0038】
ウエハ7が搬出された後、次に処理を行う基板が存在する場合、チャンバ1内壁の被覆膜を除去する処理が行われる(図2 S5Yes→S6Yes→S7)。ここでは、1枚のウエハ7が処理される都度、被覆膜が除去される事例について説明するが、上記エッチング処理の過程で発生する反応生成物が少なく、1枚のウエハ7のエッチング処理後にチャンバ1の内壁の状態がほとんど変化しない場合には、被覆膜を除去することなく次ウエハのエッチング処理を行ってもよい(図2 S6No→S1)。
【0039】
被覆膜の除去は、被覆膜除去ガス供給手段33から供給されるガスを使用したプラズマエッチングにより行うことが可能である。上述の事例では、被覆膜を除去するエッチングは、例えば、チャンバ1内にCl2ガスを300sccm、O2ガスを20sccmの流量で導入するとともに、チャンバ1内を10Pa程度の圧力に維持した状態で、高周波電源5が平面状コイル3に、また、高周波電源15がファラデーシールド電極13に電力を印加することにより実施できる。このとき、高周波電源5は、100Wの高周波電力(周波数13.56MHz)を平面状コイル3に印加し、高周波電源15は、500Wの高周波電力(周波数13.56MHz)をファラデーシールド電極13に印加する。なお、このとき、ステージ6の温度は約70℃に維持されている。
【0040】
当該エッチング条件によれば、ファラデーシールド電極13に印加された高周波電力により、プラズマと誘電体壁2との電位差が増大する。このため、プラズマ中のイオンの誘電体壁2への入射量が増大し、誘電体壁2の被覆膜及び被覆膜上に堆積した反応生成物を効率良く除去することができる。
【0041】
そして、チャンバ1内壁の上記被覆膜及び当該被覆膜上に堆積した反応生成物の除去が完了すると、再度、被覆膜の形成が行われ、ウエハ7のエッチング処理が行われる(図2 S1→S2)。
【0042】
以上のようにして、全てのウエハのエッチング処理が完了すると、被腹膜を除去した後処理が完了する(図2 S5No→S8)。
【0043】
図3に、本実施形態の手法により、図4に例示したエッチング処理を行った場合のメタルゲート形状の累積処理枚数依存性を示す。図3において、横軸は累積処理枚数に対応し、縦軸は図3(a)では、上述の寸法シフト量に対応している。また、図3(b)では、縦軸はメタルゲート断面底部の内角α(図4(c)参照)に対応している。また、比較例として、各図中に、図5に例示したデータを破線で示している。
【0044】
図3(a)から理解できるように、本手法によれば、累積処理枚数が1000枚に到達した場合であっても、寸法シフト量が1nm以下に抑制されており、再現性の高い安定したエッチング処理が実現されている。また、図3(b)から、累積処理枚数が1000枚に到達した場合であっても、メタルゲートの断面形状も、従来のようなオーバーカット形状になることがなく、ほぼ矩形の良好な形状が得られていることが理解できる。
【0045】
さらいにいえば、累積処理枚数が7000枚に到達した場合であっても、寸法シフト量は、1nm以下が維持されており、内角αも89.0度が維持される結果も得られている。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、エッチング処理(図2 S2〜S4)が開始される際には、チャンバ1の内壁に同一の被覆膜が形成された状態にあるため、チャンバ1の内壁の状態が、常に、同一になっている。このため、エッチング処理に使用されるプラズマの状態を同一になる。したがって、上述した寸法シフト量の累積処理枚数依存性をなくすことができ、再現性の高い極めて安定したエッチング処理を実現することが可能となる。
【0047】
なお、本発明は以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の変形及び応用が可能である。上記では、特に好ましい形態として、被覆膜が反応生成物の密着性を高める機能を有する形態を説明したが、反応生成物が付着可能な材質であれば、例えば、シリコン酸化膜等の任意の材質の被覆膜を使用することができる。
【0048】
また、上記では、被覆膜を付着した反応生成物とともに除去するためのエッチングガスとしてCl2ガスを用いたが、当該エッチングガスには、被覆膜の除去を行うことができおるガスであればいかなるガスを使用してもよい。例えば、SF6ガスでも同様の効果を得ることができる
さらに、上記では、メタルゲート材料がTiN膜である事例について説明したが、TaN膜等の他の材料を用いても同様の効果が得ることができる。
【0049】
加えて、プラズマエッチング装置として、ファラデーシールド電極を備えた誘導結合型プラズマエッチング装置について説明したが、本発明はいかなる方式のプラズマエッチング装置に適用可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれは、メタルゲートのエッチング等の微細なパターンを形成するエッチング処理において、高い精度で安定したエッチング処理を行うことができ、ドライエッチング方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のプラズマエッチング装置を示す概略構成図。
【図2】本発明に係るプラズマエッチング方法の処理を示すフロー図。
【図3】本発明のプラズマエッチング方法のパターン形状の処理枚数依存性を示す図。
【図4】メタルゲートの積層構造を示す断面図。
【図5】従来のプラズマエッチング方法のパターン形状の処理枚数依存性を示す図。
【符号の説明】
【0052】
1 チャンバ
2 誘電体壁
3 平面状コイル
7 ウエハ(被加工体)
10 プラズマエッチング装置
13 ファラデーシールド電極
21 シリコン基板
22 HfSiOX膜(ゲート絶縁膜材料)
23 TiN膜(メタルゲート材料)
24 反射防止膜
25 レジストパターン
30 ガス供給手段
31 被覆膜形成ガス供給手段(被覆膜形成手段)
32 エッチングガス供給手段(第1のガス供給手段)
33 被覆膜除去ガス供給手段(第2のガス供給手段)





 

 


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