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発明の名称 電子部品装着装置、電子部品装着方法および保持ツール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5336(P2007−5336A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180100(P2005−180100)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 東 和司 / 石谷 伸治
要約 課題
保持面と電子部品との実質的な接触面積を増加させることにより電子部品をより確実に回路基板に装着する。

解決手段
電子部品装着装置において電子部品を保持する保持ツール331は、略円筒状のツール本体、および、ツール本体の下端部から突出するツール突出部335を備え、ツール突出部335の先端面は、電子部品を吸着保持する保持面3351となる。ツール突出部335では、保持面3351の外周縁よりも内側に4つの凹部3352が形成されている。このため、保持ツール331では、保持面3351における開口3353のエッジの合計長さを長くして保持面3351と電子部品との接触領域3354の合計面積を増加することができる。これにより、電子部品をより確実に回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置であって、
電子部品を保持する保持ツールと、
前記保持ツールを介して前記電子部品を回路基板に対して押圧する押圧機構と、
前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与する超音波振動子と、
を備え、
前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に複数の凹部が形成されていることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品装着装置であって、
前記柱状部の前記保持面が所定の中心軸を中心とする円形であり、前記複数の凹部の個数が3以上であり、
前記複数の凹部が、前記中心軸を中心に所定の凹部を回転させつつ等間隔にて配置したものであることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子部品装着装置であって、
前記複数の凹部のそれぞれの開口が円形であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品装着装置であって、
前記複数の凹部のうち少なくとも1つが、前記柱状部内に設けられて前記電子部品の吸引吸着に利用される吸引路に連絡することを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項5】
電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置であって、
電子部品を保持する保持ツールと、
前記保持ツールを介して前記電子部品を回路基板に対して押圧する押圧機構と、
前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与する超音波振動子と、
を備え、
前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に非円形の開口を有する凹部が形成されていることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電子部品装着装置であって、
前記凹部が、溝状であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子部品装着装置であって、
前記凹部が直線状であり、前記凹部の長手方向の長さが、前記長手方向に垂直な幅方向の幅の2倍以上であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の電子部品装着装置であって、
前記柱状部の前記保持面に溝状のもう1つの凹部が形成されていることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項9】
請求項5に記載の電子部品装着装置であって、
前記凹部が、前記柱状部の中心軸上にて複数の溝を交差させた形状であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれかに記載の電子部品装着装置であって、
前記凹部が、前記柱状部内に設けられて前記電子部品の吸引吸着に利用される吸引路に連絡することを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子部品装着装置であって、
前記吸引路の吸引口が、前記凹部の底面内に形成されることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項12】
電子部品を回路基板に装着する電子部品装着方法であって、
a)電子部品を保持ツールにて保持する工程と、
b)前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与しつつ回路基板に対して押圧する工程と、
を備え、
前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に複数の凹部が形成されていることを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項13】
電子部品を回路基板に装着する電子部品装着方法であって、
a)電子部品を保持ツールにて保持する工程と、
b)前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与しつつ回路基板に対して押圧する工程と、
を備え、
前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に非円形の開口を有する凹部が形成されていることを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項14】
電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置において電子部品を吸着保持する保持ツールであって、
ツール本体と、
前記ツール本体から突出するとともに先端面が電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部と、
を備え、
前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に複数の凹部が形成されていることを特徴とする保持ツール。
【請求項15】
電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置において電子部品を吸着保持する保持ツールであって、
ツール本体と、
前記ツール本体から突出するとともに先端面が電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部と、
を備え、
前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に非円形の開口を有する凹部が形成されていることを特徴とする保持ツール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に電子部品を装着する技術に関連する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント基板等の回路基板に電子部品を装着する装置では、電子部品の電極と回路基板の電極とを接合する様々な方法が利用されており、電子部品を短時間で、かつ、比較的低温にて接合することができる方法の1つとして超音波を利用する接合方法(以下、「超音波接合」という。)が知られている。超音波接合では、超音波振動により回路基板に押圧された電子部品を振動させ、電子部品の電極(例えば、バンプが形成されている。)と回路基板の電極とを電気的に接合する。
【0003】
このような超音波接合を行う電子部品の装着装置では、電子部品を保持するツールの先端部の形状を工夫することにより、電子部品の接合の質を向上する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、フリップチップ型の半導体発光素子を吸着保持するとともに超音波振動を付与するボンディングツールにおいて、ボンディングツールの先端部に半導体発光素子の外周全体を包囲する四角形状の保持環を設け、半導体発光素子をボンディングツールの先端に嵌め込むように保持することにより、超音波振動による電子部品の位置ずれや回転を防止する技術が開示されている。
【0004】
一方、特許文献2では、フィルム基板のAl配線リード先端部をLSIチップの電極パッドに超音波接合するボンディング用ツールにおいて、ツール先端面のほぼ中央部に円形の穴が形成されている。これにより、接合時に押圧されたAl配線リードが変形し、ツール先端部の穴の内部へと入り込むため、Al配線リードが押しつぶされて外側に広がるように変形することが抑制される。また、特許文献2では、ボンディング用ツールの先端面に、直交しつつ先端面を横切る十字型の溝を形成することによっても同様の効果を奏する旨が記載されている。
【0005】
特許文献3のボンディングツールでも、ツールの先端面に十字型の溝が形成されており、接合時に接続リードの上部が変形して溝に入り込むことにより、接続リードとボンディングツールとが噛み合って接続リードの位置ずれが防止されるとともにボンディングツールの接続リードに対するグリップ力が向上される。また、特許文献4では、半導体素子の接続用端子に小穴を形成し、超音波振動伝達用ツールに小穴に挿入される小突起を設けることにより、接続用端子への超音波の伝達を効率化する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−164636号公報
【特許文献2】特開平5−29404号公報
【特許文献3】実開平6−52145号公報
【特許文献4】特開平5−235117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子部品の装着装置では、電子部品を保持するツールの1つとして、流路に垂直な断面が円形の(すなわち、円柱状の)吸引路を内部に有するとともに先端面の中央部に円形の吸引口が1つだけ設けられ、当該先端面において電子部品を吸引吸着して保持するものが利用されている。このようなツールにより電子部品を超音波接合した場合、ツールの先端面における吸引口の周囲の領域のうち、吸引口のエッジ近傍においてエッジに沿う円環状の領域が他の領域に比べて強く電子部品に押圧される。すなわち、吸引口のエッジに沿う当該円環状の領域が、電子部品に実質的に接触する接触領域となる。
【0007】
一方、電子部品の基板に対する接合の質の更なる向上が求められており、電子部品の位置ずれ等を防止してより確実に回路基板に装着するために、ツールの先端面(以下、「保持面」という。)と電子部品との接触領域の面積を大きくする必要がある。ここで、吸引路の径を単に大きくすることにより、吸引口の周囲の接触領域の長さを長くすることができるが、吸引路の径を過剰に大きくするとツールの肉厚が薄くなってしまい、電子部品に対して超音波振動を適切に伝達することが困難になる可能性がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、保持面と電子部品との実質的な接触面積を増加させることにより電子部品をより確実に回路基板に装着することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置であって、電子部品を保持する保持ツールと、前記保持ツールを介して前記電子部品を回路基板に対して押圧する押圧機構と、前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与する超音波振動子とを備え、前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に複数の凹部が形成されている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品装着装置であって、前記柱状部の前記保持面が所定の中心軸を中心とする円形であり、前記複数の凹部の個数が3以上であり、前記複数の凹部が、前記中心軸を中心に所定の凹部を回転させつつ等間隔にて配置したものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子部品装着装置であって、前記複数の凹部のそれぞれの開口が円形である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品装着装置であって、前記複数の凹部のうち少なくとも1つが、前記柱状部内に設けられて前記電子部品の吸引吸着に利用される吸引路に連絡する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置であって、電子部品を保持する保持ツールと、前記保持ツールを介して前記電子部品を回路基板に対して押圧する押圧機構と、前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与する超音波振動子とを備え、前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に非円形の開口を有する凹部が形成されている。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子部品装着装置であって、前記凹部が、溝状である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電子部品装着装置であって、前記凹部が直線状であり、前記凹部の長手方向の長さが、前記長手方向に垂直な幅方向の幅の2倍以上である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の電子部品装着装置であって、前記柱状部の前記保持面に溝状のもう1つの凹部が形成されている。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の電子部品装着装置であって、前記凹部が、前記柱状部の中心軸上にて複数の溝を交差させた形状である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項5ないし9のいずれかに記載の電子部品装着装置であって、前記凹部が、前記柱状部内に設けられて前記電子部品の吸引吸着に利用される吸引路に連絡する。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の電子部品装着装置であって、前記吸引路の吸引口が、前記凹部の底面内に形成される。
【0020】
請求項12に記載の発明は、電子部品を回路基板に装着する電子部品装着方法であって、a)電子部品を保持ツールにて保持する工程と、b)前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与しつつ回路基板に対して押圧する工程とを備え、前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に複数の凹部が形成されている。
【0021】
請求項13に記載の発明は、電子部品を回路基板に装着する電子部品装着方法であって、a)電子部品を保持ツールにて保持する工程と、b)前記保持ツールを介して前記電子部品に超音波振動を付与しつつ回路基板に対して押圧する工程とを備え、前記保持ツールが、先端面が前記電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部を備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に非円形の開口を有する凹部が形成されている。
【0022】
請求項14に記載の発明は、電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置において電子部品を吸着保持する保持ツールであって、ツール本体と、前記ツール本体から突出するとともに先端面が電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部とを備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に複数の凹部が形成されている。
【0023】
請求項15に記載の発明は、電子部品を回路基板に装着する電子部品装着装置において電子部品を吸着保持する保持ツールであって、ツール本体と、前記ツール本体から突出するとともに先端面が電子部品を吸着保持する保持面とされた略柱状の柱状部とを備え、前記柱状部の前記保持面の外周縁よりも内側に非円形の開口を有する凹部が形成されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、保持面と電子部品との接触面積を増加させることにより電子部品をより確実に回路基板に装着することができる。
【0025】
請求項2の発明では、中心軸を中心とする柱状部の向きに関わらず、電子部品に対して超音波振動による力をほぼ同様に付与することができる。請求項6の発明では、開口のエッジの長い凹部を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子部品装着装置1の構成を示す正面図であり、図2は電子部品装着装置1の平面図である。電子部品装着装置1は、微細な電子部品を反転した後に、プリント基板等の回路基板9上への電子部品の装着と電極の接合(すなわち、実装)とを同時に行う、いわゆる、フリップチップ実装装置である。
【0027】
図1および図2に示すように、電子部品装着装置1は、回路基板9を保持する基板保持部2を備え、基板保持部2の(+Z)側には、基板保持部2に保持された回路基板9に電子部品を装着する装着機構3が設けられ、基板保持部2の(−X)側には、装着機構3に電子部品を供給する部品供給部4が設けられる。また、基板保持部2と部品供給部4との間には、部品供給部4により装着機構3に供給された電子部品を撮像する撮像部5、並びに、電子部品を回収する部品回収機構61および62が設けられ、回路基板9の(+X)側には、電子部品を保持する装着機構3の部品保持部33(図1参照)の先端を研磨する研磨部7が設けられる。電子部品装着装置1では、これらの機構が制御部10により制御されることにより、回路基板9に対する電子部品の装着が行われる。
【0028】
基板保持部2は、回路基板9を保持するステージ21、および、ステージ21を図1中のY方向に移動するステージ移動機構22を備える。研磨部7はステージ21の(+X)側に取り付けられており、ステージ移動機構22によりステージ21と一体的にY方向に移動する。研磨部7は、平らで水平な研磨面711を有するシート状の研磨部材71、および、研磨部材71を保持する研磨部材保持部72を備える。
【0029】
装着機構3は、装着ヘッド31および装着ヘッド31をX方向に移動する装着ヘッド移動機構32を備え、装着ヘッド31は、吸着により電子部品を保持する部品保持部33を備える。装着ヘッド31には、部品保持部33を昇降する昇降機構34(図1参照)が設けられる。
【0030】
図3は、部品保持部33近傍を拡大して示す図である。図3に示すように、部品保持部33は、電子部品を吸着保持する保持ツール331、および、保持ツール331が取り付けられるホーン332を備え、ホーン332には、超音波振動を付与する発振部である超音波振動子35が取り付けられる。ホーン332はブロック361を介してシャフト362に取り付けられ、昇降機構34(図1参照)によりシャフト362がZ方向に移動することにより、部品保持部33が回路基板9や研磨面711(図1参照)に対して相対的に昇降する。保持ツール331は、電子部品の装着において好適な振動特性および振動伝達特性を有するステンレス鋼により形成されており、中心部に電子部品の吸引吸着に利用される真空吸引用の吸引路333を備える。吸引路333は、保持ツール331の(+Z)側の端部(すなわち、上端部)において、チューブ363を介してブロック361およびシャフト362に形成された吸引路364に接続され、さらに、バルブ等を介して真空発生装置に接続される。
【0031】
図4は、保持ツール331の(−Z)側の端部(すなわち、下端部)をさらに拡大して示す図である。図4に示すように、保持ツール331は、略円筒状であってホーン332(図3参照)に取り付けられるツール本体334、および、ツール本体334よりも細い略円筒状(すなわち、ツール本体334よりも小さい外径を有するとともに内部に吸引路333の一部が形成された略柱状)の柱状部であるとともにツール本体334の下端部から突出するツール突出部335を備える。ツール突出部335の(−Z)側の先端面は、電子部品を吸着保持する保持面3351となる。なお、ツール突出部335は、ツール本体334に比べて非常に微小であるが、図4では実際よりも大きく描いている(図3においても同様)。
【0032】
図5は、保持ツール331のツール突出部335を示す底面図である。図4および図5に示すように、ツール突出部335では、保持面3351がツール突出部335の中心軸3350を中心とする円形であり、保持面3351の外周縁よりも内側に4つの凹部3352が形成されている。4つの凹部3352は、中心軸3350を中心に所定の凹部(すなわち、Z方向に垂直な断面が円形である凹部3352と同形状の凹部)を回転させつつ互いに重なり合わないように等間隔にて配置したものとなっており、各凹部3352の保持面3351における開口3353は円形とされる。換言すれば、ツール突出部335では、中心軸3350を中心として所定の凹部を回転させつつ互いの一部を共有することなく等間隔(すなわち、90°毎)にて配置するように、4つの凹部3352が中心軸3350周りに均等に配置されている。
【0033】
4つの凹部3352はそれぞれ、ツール突出部335の内部に設けられた吸引路333に連絡しており、4つの開口3353から吸引を行うことにより、保持面3351に電子部品が吸着保持される。すなわち、4つの開口3353は、電子部品を吸引吸着する吸引口となる。吸引路333は圧縮エアの供給源にも接続されており、開口3353からエアをブローすることも可能とされる。保持ツール331のツール突出部335の外径は、例えば、1mm程度であり、ツール突出部335のZ方向の長さは、約0.5〜1mmである。
【0034】
図1および図2に示すように、部品供給部4は、所定の位置に電子部品を配置する部品配置部41、部品配置部41から電子部品を取り出して保持する供給ヘッド42、供給ヘッド42をX方向に移動する供給ヘッド移動機構43、並びに、供給ヘッド42を回動および僅かに昇降する回動機構44を備える。部品配置部41は、多数の電子部品が載置される部品トレイ411、部品トレイ411を保持するステージ412、並びに、部品トレイ411をステージ412と共にX方向およびY方向に移動するトレイ移動機構413を備える。
【0035】
供給ヘッド42は、吸着により保持した電子部品を装着ヘッド31の部品保持部33に供給する供給コレット421(図1参照)を備える。供給コレット421は、中心部に真空吸引用の吸引路を備え、先端に形成された吸引口から吸引を行うことによって電子部品を吸着して保持する。
【0036】
部品供給部4では、回路基板9に装着される予定の多数の電子部品が、回路基板9に接合される電極部が形成された側の面(実装後の状態における下面であり、以下、「接合面」という。)を(+Z)側に向けて(すなわち、回路基板9に装着される向きとは反対向きに)部品トレイ411上に載置されている。なお、本実施の形態では電子部品の電極部は、電極パターン上に金(Au)で形成された突起バンプであるが、実装方法、あるいは、実装される電子部品によっては電極部はメッキバンプ等であってもよく、電極パターン自体であってもよい。また、バンプは、電子部品の電極パターン上に設けられる代わりに、回路基板9の電極上に設けられてもよい。
【0037】
撮像部5は、装着ヘッド移動機構32による装着ヘッド31(特に、部品保持部33)の移動経路上であって装着ヘッド31の移動と干渉しない位置(本実施の形態では移動経路の真下)に設けられ、部品保持部33に保持された電子部品を(−Z)側から撮像する。基板保持部2と撮像部5との間に設けられる部品回収機構61も、装着ヘッド31(特に、部品保持部33)の移動経路上であって装着ヘッド31の移動と干渉しない位置に配置され、必要に応じて部品保持部33が保持する電子部品を回収する。また、ステージ412の(+X)側に取り付けられる部品回収機構62は、トレイ移動機構413によりステージ412と一体的にX方向およびY方向に移動され、必要に応じて供給コレット421が保持する電子部品を回収する。
【0038】
図6は、電子部品装着装置1による電子部品の装着の流れを示す図である。電子部品装着装置1により回路基板9に電子部品が装着される際には、まず、多数の電子部品が接合面を(+Z)側に向けて載置された部品トレイ411が、予め図1中の(−X)側に位置している供給ヘッド42の下方にてトレイ移動機構413により移動し、電子部品の接合面が供給コレット421により吸着保持される(ステップS11)。次に、供給ヘッド42が反転しつつ供給ヘッド移動機構43により(+X)方向へと移動し、図1中に二点鎖線にて示す受渡位置に位置する(ステップS12)。このとき、供給コレット421と装着ヘッド31の部品保持部33とが対向する。
【0039】
続いて、昇降機構34により部品保持部33が僅かに下降し、電子部品の上面が部品保持部33により吸引吸着されるとともに供給コレット421による吸引が停止され、部品保持部33が供給コレット421から電子部品を受け取って保持ツール331の保持面3351(図4参照)にて吸着保持する(ステップS13)。電子部品の供給が完了すると、昇降機構34により部品保持部33が僅かに上昇し、供給ヘッド42が、元の位置へと退避する。供給ヘッド42の退避と並行して、装着ヘッド31が撮像部5の真上へと移動し、撮像部5により部品保持部33に保持される電子部品が撮像される(ステップS14)。
【0040】
撮像部5からの出力である画像データは制御部10に送られ、取得された電子部品の画像データと、予め記憶されている電子部品の画像データとが比較されて電子部品の姿勢(すなわち、電子部品の位置および向き)が検出される。装着機構3では、検出された電子部品の姿勢に基づいて装着ヘッド31が制御され、部品保持部33がZ方向に伸びる軸を中心に回動して電子部品の姿勢が補正される(ステップS15)。なお、制御部10により、電子部品の姿勢が補正不可能な状態である(すなわち、吸着エラーが生じている)と判断された場合には、電子部品の装着動作が中止されて装着ヘッド31が部品回収機構61の上方へと移動し、部品保持部33からのエアのブロー等により部品保持部33から分離された電子部品が部品回収機構61により回収される。
【0041】
続いて、装着ヘッド31が、装着ヘッド移動機構32により(+X)方向へと移動し、回路基板9上の電子部品の装着予定位置の上方(以下、「装着位置」と呼ぶ。)に位置する(ステップS16)。そして、部品保持部33が回路基板9に向けて下降して接合面に形成された電極部と回路基板9上の電極とが接触し、昇降機構34により電子部品が、基板保持部2に保持される回路基板9に対して押圧される。この状態で、超音波振動子35により超音波振動が部品保持部33に付与され、保持ツール331に保持された電子部品に保持ツール331を介して超音波振動が付与されることにより、電子部品が回路基板9に対して電気的に接合され、電子部品の装着と同時に電気的接合(すなわち、実装)が行われる(ステップS17)。その後、吸引を停止した部品保持部33が昇降機構34により電子部品から離れて上昇し、電子部品の装着が完了する。電子部品装着装置1では、昇降機構34が、保持ツール331を介して電子部品を回路基板9に対して押圧する押圧機構の役割を果たす。
【0042】
電子部品の装着が完了すると、装着ヘッド31が受渡位置へと戻り、取り出された電子部品を部品保持部33の保持ツール331により吸着保持し、装着位置へと移動した後に超音波振動を付与しつつ回路基板9に対して電子部品を押圧して装着する動作(ステップS11〜S17)が繰り返される。そして、電子部品の装着が多数回繰り返されたために保持面3351の研磨が必要となった場合には、部品保持部33が研磨部7の上方へと移動し、保持面3351が研磨部材71に押圧されつつ超音波振動子35により振動が付与されることにより、保持面3351の研磨が行われる。
【0043】
図5に示すように、電子部品装着装置1では、電子部品を吸着保持する保持ツール331の保持面3351において、凹部3352の開口3353のエッジ近傍であり、かつ、当該エッジに沿う円環状の4つの領域(図5中に二点鎖線にて描く同心円にて挟まれる領域)3354が、電子部品の接合時(すなわち、電子部品に対する超音波振動の付与時)に他の領域に比べて強く電子部品に押圧される。すなわち、領域3354は、保持面3351のうち電子部品に実質的に接触する領域ということができ、以下、「接触領域3354」という(以下の実施の形態においても同様)。
【0044】
電子部品装着装置1では、保持ツール331のツール突出部335において、保持面3351の外周縁よりも内側に複数の凹部3352の開口3353が形成されており、(実用的な範囲内で通常形成される大きさの)円形の吸引口(すなわち、開口)が保持面に1つだけ形成されている通常の保持ツールに比べて、保持面3351における開口3353のエッジの合計長さを長くして保持面3351と電子部品との接触領域3354の合計面積を増加することができる。これにより、電子部品をより確実に安定した接合強度にて回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。
【0045】
また、保持ツール331では、同じ形状を有する複数の凹部3352が中心軸3350を中心として周方向に等間隔にて配置されているため、中心軸3350を中心とするツール突出部335の向きに関わらず、すなわち、超音波振動の電子部品に対する相対的な振動方向に関わらず、電子部品に対して超音波振動の力をほぼ同様に付与することができる。その結果、所望の接合の質を安定して得ることができる。また、各凹部3352が吸引路333に連絡されているため、中心軸3350を中心とする周方向において電子部品を軸対称な力で吸着保持することができる。
【0046】
なお、保持ツール331の保持面3351に形成される複数の凹部3352の個数は4つには限定されず、3つ以上の凹部3352が中心軸3350を中心として等間隔に形成されることにより、超音波振動の振動方向に関わらず、電子部品に対して超音波振動の力をほぼ同様に付与することができる。また、電子部品を吸着保持するという観点のみからは、複数の凹部3352のうち少なくとも1つが吸引路333に連絡されていればよい。
【0047】
保持ツール331では、複数の凹部3352のそれぞれのZ方向に垂直な断面が円形(すなわち、凹部3352が円柱状)であり、各凹部3352の開口3353が円形とされる。このため、ドリル等の工具により複数の凹部3352を保持面3351側から容易に形成することができ、開口3353のエッジの合計長さが通常の保持ツールよりも長い保持ツール331を容易に製造することができる。
【0048】
次に、電子部品装着装置に設けられる保持ツールの他の好ましい例について説明する。図7は、他の保持ツール331aのツール突出部335を示す底面図である。図7に示すように、保持ツール331aの保持面3351には、中心軸3350を中心とする1つの円形の開口3353a、および、開口3353aの周囲に中心軸3350を中心として等間隔にて配置されるとともに開口3353aと径が等しい3つの円形の開口3353bが形成される。開口3353aは、ツール突出部335の内部に形成された吸引路333(保持面3351の外周縁よりも内側に形成された凹部といえる。)の保持面3351における開口である。また、3つの開口3353bは、保持面3351の外周縁よりも内側に吸引路333とは独立して形成された3つの凹部3352aの開口であり、これらの凹部3352aは、中心軸3350を中心として所定の凹部を回転させつつ互いに重なり合わないように等間隔にて配置したものである。3つの凹部3352aは互いに独立しており、吸引路333とも連絡していないため、保持ツール331aでは、開口3353aのみが電子部品を吸引吸着する吸引口となる。
【0049】
保持ツール331aが設けられる電子部品装着装置では、図1に示す電子部品装着装置1と同様に、4つの凹部の開口(すなわち、凹部とみなすことができる吸引路333の開口3353a、および、3つの凹部3352aの開口3353b)が保持面3351の外周縁よりも内側に形成されることにより、実用的な範囲内で通常形成される大きさの円形の吸引口(例えば、開口3353aと同じ大きさの吸引口)が保持面に1つだけ形成されている通常の保持ツールに比べて、保持面3351における開口のエッジの合計長さを長くして保持面3351と電子部品との接触領域3354の合計面積を増加することができる。これにより、電子部品をより確実に回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。
【0050】
また、保持ツール331aでは、吸引路333の開口3353aが中心軸3350を中心として形成され、さらに、同じ形状を有する3つの凹部3352aの開口3353bが中心軸3350を中心として周方向に等間隔にて配置されているため、中心軸3350を中心とするツール突出部335の向きに関わらず、電子部品に対して超音波振動の力をほぼ同様に付与することができる。その結果、所望の接合の質を安定して得ることができる。
【0051】
なお、図7の例では、開口3353aと開口3353bとが同じ形状とされるが、開口3353aの径は、開口3353bよりも大きくてもよく、あるいは、小さくてもよい。また、保持面3351では、吸引路333の開口3353aの周囲に、中心軸3350を中心として等間隔にて配置された4つ以上の凹部3352aの開口3353bが形成されてもよい。逆に、1つの開口3353aのみが設けられる場合に比べて電子部品をより確実に回路基板に装着するという観点のみからは、開口3353bが吸引路333の開口3353aを中心として対称な位置(すなわち、開口3353aを挟んで互いに反対側)に配置される2つの凹部3352aが、保持面3351に形成されてもよい。
【0052】
図8は、さらに他の好ましい保持ツール331bのツール突出部335を示す底面図である。図8に示すように、保持ツール331bの保持面3351では、吸引路333の開口3353a、および、開口3353aの周囲に中心軸3350を中心として等間隔にて配置される3つの凹部3352aの開口3353bが形成されている。これにより、図7に示す保持ツール331aと同様に、電子部品をより確実に回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。また、中心軸3350を中心とするツール突出部335の向きに関わらず、電子部品に対して超音波振動の力をほぼ同様に付与することができる。
【0053】
保持ツール331bでは、さらに、3つの凹部3352aのそれぞれと吸引路333とを連絡する細長い溝状の3つの連絡路3356が保持面3351に形成される。これにより、開口3353aのみならず、3つの開口3353bも電子部品を吸引吸着する吸引口となるため、電子部品をより強い力で吸着してより確実に保持することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質をさらに向上することができる。
【0054】
なお、3つの凹部3352aのうち1つまたは2つの凹部3352aのみが吸引路333に連絡されてもよい。また、2つの凹部3352aが、吸引路333を中心として対称な位置(すなわち、吸引路333を挟んで互いに反対側)に配置され、凹部3352aのいずれか一方または両方が吸引路333に連絡されてもよい。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電子部品装着装置について説明する。図9は、第2の実施の形態に係る電子部品装着装置の保持ツール331cのツール突出部335を示す底面図である。図9に示すように、第2の実施の形態に係る電子部品装着装置では、ツール突出部335の保持面3351に、図5に示す4つの凹部3352とは形状が異なる1つの溝状の凹部3352bが形成される。電子部品装着装置のその他の構成は図1ないし図5と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
【0056】
第2の実施の形態に係る電子部品装着装置は、第1の実施の形態と同様に、電子部品を吸着保持する保持ツール331c、保持ツール331cを介して保持ツール331cに保持された電子部品を回路基板9に対して押圧する押圧機構である昇降機構34(図1参照)、および、保持ツール331cを介して電子部品に超音波振動を付与する超音波振動子35(図3参照)を備え、保持ツール331cは、先端面が電子部品を吸着保持する保持面3351とされた略円筒状のツール突出部335を備える。
【0057】
図9に示すように、保持ツール331cでは、ツール突出部335の保持面3351の外周縁よりも内側にX方向に伸びる直線状の凹部3352bが形成されており、凹部3352bの長手方向(すなわち、図9中のX方向)の長さは、長手方向に垂直な幅方向(すなわち、Y方向)の幅の2倍以上とされる。凹部3352bは、保持面3351において非円形(図9の場合、直線状の長穴状)の開口3353cを有し、ツール突出部335内に設けられて電子部品の吸引吸着に利用される真空吸引用の吸引路333に連絡している。凹部3352bの底面3355(すなわち、凹部3352bを形成する(+Z)側の面)内の中央には、中心軸3350を中心とする吸引路333の吸引口3331が形成される。
【0058】
第2の実施の形態に係る電子部品装着装置による電子部品の装着動作は、第1の実施の形態と同様であり、まず、部品トレイ411上に載置された電子部品が供給コレット421(図1参照)により吸着保持され、部品保持部33に渡され(図6:ステップS11〜S13)、電子部品の撮像および電子部品の姿勢の補正が行われた後、装着ヘッド31が装着位置に移動される(ステップS14〜S16)。その後、部品保持部33が回路基板9に向けて下降して電子部品が回路基板9に対して押圧され、この状態で、電子部品に超音波振動が付与されることにより、電子部品が回路基板に装着されると同時に電気的に接合(すなわち、実装)される(ステップS17)。吸引を停止した部品保持部33は電子部品から離れて上昇し、電子部品の装着が完了する。
【0059】
図9に示すように、第2の実施の形態に係る電子部品装着装置では、保持ツール331cのツール突出部335において、保持面3351の外周縁よりも内側に長穴状の開口3353cが形成されており、実用的な範囲内で通常形成される大きさの円形の吸引口(例えば、吸引口3331と同じ大きさの吸引口)が保持面に1つだけ形成されている通常の保持ツールに比べて、保持面3351における開口3353cのエッジの長さを長くして保持面3351と電子部品との接触領域3354の面積を増加することができる。これにより、電子部品をより確実に安定した接合強度にて回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。
【0060】
保持ツール331cでは、凹部3352bが溝状とされるため、開口3353cのエッジの長さが長い凹部3352bを容易に形成することができる。また、凹部3352bが吸引路333に連絡しているため、電子部品の上面において凹部3352bの開口3353cに対応する広い領域が保持ツール331cにより吸引される。これにより、保持ツール331cでは、電子部品をより強い力で吸着してより確実に保持することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質をさらに向上することができる。
【0061】
なお、電子部品をより確実に回路基板に装着するという観点のみからは、凹部3352bは、直線状の溝状以外の他の形状(例えば、直線を2箇所にて折り曲げたZ字型の溝状や吸引路333を中心として吸引路333の周囲を囲む円環状の溝状)とされてもよく、また、溝状以外の他の非円形の形状(例えば、楕円形や矩形、複数の円形や楕円形等の一部を重ね合わせた形状の開口を有する形状)とされてもよい。また、凹部3352bは、必ずしも吸引路333の吸引口3331と重なる位置に設けられる必要はなく、吸引路333とは独立して(すなわち、吸引路333に連絡することなく)設けられてもよい。
【0062】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電子部品装着装置について説明する。図10は、第3の実施の形態に係る電子部品装着装置の保持ツール331dのツール突出部335を示す底面図である。図10に示すように、保持ツール331dの保持面3351には、図9に示す保持ツール331cと同様の溝状の凹部3352bに加えて、凹部3352bよりも長手方向(すなわち、図10中のX方向)の長さが短い2つの溝状の凹部3352cが、凹部3352bの幅方向両側に隣接して形成される。第3の実施の形態に係る電子部品装着装置による電子部品の装着動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0063】
保持ツール331dでは、保持面3351の外周縁よりも内側に、凹部3352bの開口3353cに加えて、2つの凹部3352cの開口3353dが形成されているため、保持面3351における開口(開口3353cおよび開口3353d)のエッジの合計長さをさらに長くして保持面3351と電子部品との接触領域3354の合計面積を増加することができる。これにより、電子部品をさらに確実に回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質をより向上することができる。
【0064】
なお、溝状の凹部3352cの数は1つであってもよく、3以上でもよく、これにより、電子部品の回路基板への接合の質を向上することが可能である。
【0065】
図11は、他の好ましい保持ツール331eのツール突出部335を示す底面図である。保持ツール331eでは、3つの溝状の凹部3352dが中心軸3350を中心とする吸引路333の周囲に形成されており、3つの凹部3352dは、中心軸3350を中心に所定の凹部を回転させつつ等間隔にて配置したものとなっている。3つの凹部3352dはそれぞれ、保持面3351に形成された細長い溝状の連絡路3356により吸引路333に連絡する。
【0066】
保持ツール331eでは、保持面3351に吸引路333の開口3353a、および、3つの凹部3352dの開口3353eが形成されることにより、保持面3351における開口のエッジの合計長さを長くして保持面3351と電子部品との接触領域の合計面積を増加させることができる。これにより、電子部品をより確実に回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。
【0067】
また、保持ツール331eでは、開口3353aおよび3つの開口3353eが電子部品を吸引吸着する吸引口となるため、電子部品をより強い力で吸着してより確実に保持することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質をさらに向上することができる。
【0068】
保持ツール331eでは、吸引路333の開口3353aが中心軸3350を中心として形成され、さらに、同じ形状を有する3つの凹部3352dの開口3353eが中心軸3350を中心として周方向に等間隔にて配置されているため、中心軸3350を中心とするツール突出部335の向きに関わらず、電子部品に対して超音波振動の力をほぼ同様に付与することができる。その結果、所望の接合の質を安定して得ることができる。
【0069】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る電子部品装着装置について説明する。図12は、第4の実施の形態に係る電子部品装着装置の保持ツール331fのツール突出部335を示す底面図である。図12に示すように、保持ツール331fでは、保持面3351の外周縁よりも内側に、ツール突出部335の中心軸3350上にて2本の溝を交差させた形状を有する凹部3352eが形成される。凹部3352eは、保持面3351において非円形(図12の場合、十字状)の開口3353fを有し、ツール突出部335内に設けられて電子部品の吸引吸着に利用される真空吸引用の吸引路333に連絡している。凹部3352eの底面3355内の中央には、中心軸3350を中心とする吸引路333の吸引口3331が形成される。第4の実施の形態に係る電子部品装着装置による電子部品の装着動作も、第1の実施の形態と同様である。
【0070】
保持ツール331fでも、第2および第3の実施の形態と同様に、保持面3351に非円形の開口3353fを有する凹部3352eが形成されることにより、保持面3351における開口のエッジの長さを長くして保持面3351と電子部品との接触領域3354の面積を増加させることができる。これにより、電子部品をより確実に回路基板に装着することができ、その結果、電子部品の回路基板への接合の質を向上することができる。なお、凹部3352eの形状は、必ずしも中心軸3350上で2本の溝が交差した形状とされる必要はなく、3本以上の溝が中心軸3350上で交差した形状とされてもよい。また、交差する溝の長さおよび幅は互いに異なっていてもよい。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0072】
上記実施の形態にて例示した保持ツールの形状は、発光ダイオードのベアチップ等の微小な電子部品の実装が行われる際のものであり、より大きな電子部品や他の電子部品が実装される場合にはツール突出部335の形状、外径、長さ等は適宜変更される。例えば、ツール突出部335は、内部に吸引路333が設けられた略八角柱状とされてもよく、ツール突出部335の外径および長さは1mm以上とされてもよい。
【0073】
また、ツール本体334が取り付けられるホーン332も、図3に示す形状には限定されず、様々な形状とされてよい。例えば、ホーン332が図3中のX方向に長いブロック状とされ、ホーン332の(−X)側の端部に略直方体のツール本体334が取り付けられてもよい。この場合、ツール突出部335は、ツール本体334の(−X)側において(−Z)側の端面から基板保持部2に保持された回路基板9に向けて突出するように設けられる。
【0074】
上記実施の形態に係る電子部品装着装置では、保持ツールによる電子部品の保持は、吸引吸着には限定されず、電気的あるいは磁気的な吸着により保持されてもよい。この場合、保持ツールの内部に吸引路は形成されず、保持面3351上の凹部が吸引路に連絡することもない。
【0075】
電子部品装着装置は、発光ダイオードや半導体レーザ等の半導体発光素子の装着に適しており、また、半導体発光素子以外の様々な種類の電子部品、例えば、半導体のベアチップ部品やSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタ等の装着にも適している。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、超音波を利用して電子部品を回路基板に装着する様々な技術に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1の実施の形態に係る電子部品装着装置の正面図
【図2】電子部品装着装置の平面図
【図3】部品保持部近傍の拡大図
【図4】保持ツールの下端部の拡大図
【図5】ツール突出部の底面図
【図6】電子部品の装着の流れを示す図
【図7】他の好ましい保持ツールのツール突出部の底面図
【図8】他の好ましい保持ツールのツール突出部の底面図
【図9】第2の実施の形態に係る保持ツールのツール突出部の底面図
【図10】第3の実施の形態に係る保持ツールのツール突出部の底面図
【図11】他の好ましい保持ツールのツール突出部の底面図
【図12】第4の実施の形態に係る保持ツールのツール突出部の底面図
【符号の説明】
【0078】
1 電子部品装着装置
9 回路基板
34 昇降機構
35 超音波振動子
331,331a〜331f 保持ツール
333 吸引路
334 ツール本体
335 ツール突出部
3331 吸引口
3350 中心軸
3351 保持面
3352,3352a〜3352e 凹部
3353,3353a〜3353f 開口
3355 底面
S11〜S17 ステップ




 

 


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