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発明の名称 電池モジュールおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5288(P2007−5288A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−124089(P2006−124089)
出願日 平成18年4月27日(2006.4.27)
代理人 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
発明者 吉原 康雄 / 福岡 孝博
要約 課題
大型の円筒形電池であっても高い生産性で容易に製造でき、十分な放熱効果と堅牢性とを備え、一部の円筒形電池のみを簡単に交換できる構成を有する電池モジュールと、この電池モジュールを効率良く組み立てることができる製造方法を提供する。

解決手段
共に同一個数の円筒形電池2を並置してなる第1の電池列および第2の電池列における各円筒形電池2の電池軸方向の両端部を保持枠3で保持する。保持枠3は、内枠部4と2つの外枠部7,8とを互いに着脱自在に連結した直方体に形成する。内枠部4の両側辺および2つの外枠部7,8の内枠部4との対向辺に、円筒形電池2の半部が嵌まり込む半円弧形の切欠き状となった保持受け部を、電池列の電池個数と同数だけ配設する。隣接する各2個の円筒形電池2を電池間接続板9を介して互いに電気的接続する。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数個の単電池と、前記単電池の外周面の一部分に嵌合する保持受け部を備えた複数の枠部からなる保持枠とを有し、前記単電池の電池軸方向の両端部が前記保持枠のそれぞれの枠部の保持受け部にて保持され、隣接し合う各2個の単電池が互いに電気的に接続されてなる電池モジュール。
【請求項2】
前記単電池が円筒形電池であって、複数の円筒形電池が各々の電池軸を互いに平行に配して並置されてなる電池列と、
前記円筒形電池の電池軸方向の両端部に、前記複数の枠部が互いに着脱自在に連結されて直方体に一体化されてなる保持枠を備え、
前記各保持枠における互いに対向し合う枠部には、前記円筒形電池の外面に当接する保持受け部が前記電池列の電池個数と同数だけ配設され、
前記円筒形電池の電池軸方向の両端部が、前記各保持枠における互いに対向し合う枠部のそれぞれに設けられた保持受け部に狭持固定され、
前記電池列において互いに隣接する円筒形電池同士が電池間接続板を介して互いに電気的に接続されてなる請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
電池列として、共に同一個数の円筒形電池が各々の電池軸を互いに平行に配してそれぞれ並置されてなる第1の電池列および第2の電池列を備え、
第1及び第2の電池列の電池軸方向の両端部に設けられる各保持枠は、それぞれ内枠部と、これの一方側の辺に沿って配置された一方の外枠部と、他方側の辺に沿って配置された他方の外枠部とが互いに着脱自在に連結されて直方体に一体化されており、
前記内枠部の両側辺、一方の外枠部における前記内枠部に対向する側の辺、ならびに他方の外枠部における前記内枠部に対向する側の辺に、前記円筒形電池の外面に当接して保持する保持受け部が、前記電池列の電池個数と同数だけそれぞれ配設され、
前記第1の電池列にある各円筒形電池の電池軸方向の両端部が、前記各保持枠における互いに対向し合う一方の外枠部と内枠部のそれぞれの保持受け部に嵌まり込んだ状態で挟持固定され、
前記第2の電池列にある各円筒形電池の電池軸方向の両端部が、前記各保持枠における互いに対向し合う他方の外枠部と内枠部のそれぞれの保持受け部に嵌まり込んだ状態で挟持固定され、
前記第1および第2の電池列において互いに隣接する円筒形電池同士が電池間接続板を介して互いに電気的に接続され、且つ前記両電池列における各一端に位置する2個の円筒形電池が電池間接続板を介して互いに電気的接続されてなる請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記保持枠の各枠部に形成された各保持受け部が、電池の外形に対応した曲率半径を有する半円弧形状に設定されている請求項2または3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記保持枠のそれぞれの枠部の側辺に沿った方向において隣接する各2つの保持受け部間の各位置に、それぞれ前記側辺と直交する方向に延びる形状にねじ孔が形成され、
各枠部を互いに対向させて組み合わせた際に連接する前記ねじ孔に固定ねじを挿入して螺合締結することにより前記枠部が着脱自在に相互に連結され、
隣接する各2個の円筒形電池が、電池間接続板の溶接部が各々の正極端子または負極端子に固着され、且つ前記溶接部から互いに近接方向に延出した各々の接続部が互いにねじ結合されて、着脱自在に電気的接続されている請求項1から4の何れかに記載の電池モジュール。
【請求項6】
内枠部に、両側辺間で相対向する2つの保持受け部において各々の中央部間を貫通する円筒形電池用固定孔が形成されているとともに、前記各円筒形電池用固定孔に、この円筒形電池用固定孔の長さ寸法よりも長い形状と弾性とを有する固定用栓部材が挿入されている請求項3から5の何れかに記載の電池モジュール。
【請求項7】
各保持枠における複数の枠部の各々の外面側において、各保持受け部における中央部を除く部分が外表面から所定の段差だけ内方に凹んだ凹所に形成されているとともに、互いに隣接する各2つの保持受け部が、前記段差よりも小さい段差で外表面から内方に凹んだ位置で前記各保持受け部の配列方向に平行に延びる直線状のガイド支持部によって連接され、前記内枠部における一端部に形成された2つの保持受け部間が、外表面から内方に凹んだ位置で直線状に延びるガイド支持部によって互いに連接され、
電池間接続板の接続部が相対向する2つの前記ガイド支持部の間に嵌まり込んでいる請求項5または6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
各円筒形電池の電池軸方向の一端側を保持する保持枠と他端側を保持する保持枠は同一形状であって、前記他端側を保持する保持枠が電池列の配列方向に沿った電池軸回りに回転された構成で配置されている請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記保持枠は、単電池の外周面の一部分に嵌合する保持受け部をそれぞれ備えた2つの枠部により構成される請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記保持枠は、単電池の外周面の一部分に嵌合する保持受け部を片面にそれぞれ備えた2つの外枠部と、同形状の保持受け部を両面に備えた内枠部とを有し、前記内枠部のそれぞれの面に前記外枠部を結合し、互いに対向し合う前記内枠部の保持受け部と前記外枠部の保持受け部との間で前記単電池を狭持する請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記2つの外枠部の間に、2つ以上の内枠部を備えた請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記保持受け部は、単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成されている請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記保持枠における互いに対向し合う枠部の一方は単電池の外周面の半周以上に対応した曲率半径を有する形状に形成された保持受け部を備え、他方の枠部は単電池の外周面の半周以下に対応した曲率半径を有する形状に形成された保持受け部を備え、これら一方の枠部と他方の枠部を互いに対向させて結合した際に双方の保持受け部が形成する形状が、単電池の外周面の全周に対応した曲率半径を有する円弧形状となる請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記保持受け部の形状を、単電池の外周面に対応した曲率半径と略一致する多角状とした請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記保持受け部の形状を、単電池の外周面に対応した曲率半径を有する円弧部と、直角部とを組み合わせた形状とした請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記保持受け部を、単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成し、この半円弧状の面に複数の切欠きを形成した請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記保持受け部の形状を、段差の各頂点を結んだ線が単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となる段差状に形成した請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記保持受け部の形状を、櫛歯の各頂点を結んだ線が単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となる櫛歯状に形成した請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記保持受け部を、弾性力のある材質にて構成した請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記保持受け部の端部を、単電池の略外形寸法まで延出させた請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項21】
前記保持受け部の端部に、単電池を保持するための平板を結合した請求項20に記載の電池モジュール。
【請求項22】
保持受け部の端部を単電池の略外形寸法まで延出させた保持受け部を有する外枠部と、同様の構成の内枠部とを同じ向きになるように結合し、前記内枠部の端部に単電池を保持するための平板を結合した請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項23】
前記保持受け部の端部における単電池の外周面に対応した曲率半径と略一致する線上に、単電池を固定するための固定部を備えた請求項20または22に記載の電池モジュール。
【請求項24】
前記枠部の枠部同士の連結方向に延びる面に、枠部の連結方向と直交する方向にねじ孔が形成され、複数の枠部が連結された後に、前記面に枠部の連結長さと略同じ長さの連結体が当接され、前記連結体を介して固定ねじが前記ねじ孔に螺合締結されることにより保持枠が固着結合されてなる請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項25】
前記保持枠のそれぞれの枠部の側辺に沿った方向において隣接する各2つの保持受け部間に、それぞれ枠部の連結方向と同じ方向に延びる挿通孔が形成され、複数の枠部が連結された際に連接する前記挿通孔に棒ねじが挿入され螺合締結されることにより保持枠が固着結合されてなる請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項26】
前記棒ねじをナットにより螺合締結する請求項25に記載の電池モジュール。
【請求項27】
前記保持枠を、底板、ケース、または枠体により固定した請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項28】
複数の円筒形電池の軸方向の両端部が、前記円筒形電池の一端側と他端側に配設された1対の保持枠によりそれぞれ狭持されてなる電池モジュールの製造方法であって、
上辺にのみ所定個数の半円弧状保持受け部が形成された一方の外枠部2つを所定間隔隔てて配置し、これら2つの一方の外枠部の保持受け部上に円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分を嵌め込んで所定個数の円筒形電池を並置する工程と、
上辺および下辺に所定個数の半円弧状保持受け部が形成された内枠部2つを、下辺側の保持受け部に前記円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分をそれぞれ嵌め込ませた状態で前記2つの一方の外枠部に当接させる工程と、
隣接する各2個の円筒形電池を電池間接続板で電気的に接続する工程と、
前記円筒形電池の一端側および他端側において前記2つの一方の外枠部と前記2つの内枠部とを固定ねじによりそれぞれ結合する工程と、
前記2つの内枠部の上辺側の保持受け部上に円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分を嵌め込んで所定個数の円筒形電池を並置する工程と、
下辺にのみ所定個数の半円弧状保持受け部が形成された他方の外枠部2つを、これら保持受け部に前記内枠部上の円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分をそれぞれ嵌め込ませた状態で前記2つの内枠部に当接させる工程と、
前記内枠部と他方の外枠部との間で隣接する各2個の円筒形電池を電池間接続板で電気的に接続する工程と、
前記円筒形電池の一端側および他端側において前記2つの他方の外枠部と前記2つの内枠部とを固定ねじによりそれぞれ結合する工程とを有する電池モジュールの製造方法。
【請求項29】
組立工程に先立って、前記2つの一方の外枠部を所定間隔隔てて組立用基台状に配置してねじ結合により仮固定し、電池モジュールの組立完了後に前記組立用基台を取り外すようにした請求項28に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項30】
一方の外枠部に内枠部を被せる状態に当接させたのち、前記内枠部における相対向する各2つの保持受け部の各々の中央部間を貫通する各円筒形電池用固定孔に、この円筒形電池用固定孔の長さ寸法よりも長い形状と弾性とを有する固定用栓部材をそれぞれ挿入して、この固定用栓部材の先端を前記円筒形電池の外面に当接させて前記円筒形電池を回り止めし、
前記内枠部と2つの外枠部とをねじ結合により一体化して保持枠を形成して、前記固定用栓部材を、これの両端側の円筒形電池にある各々の外面でそれぞれ押圧させて前記円筒形電池用固定孔内で圧縮するようにした請求項28または29に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項31】
各円筒形電池の正側電極端子および負側電極端子に、一対の電池間接続板を、この電池間接続板の接続部が互いに反対方向に突出する配置または前記接続部が互いに直交方向に突出する配置で各々の溶接部を溶接して予め固着しておき、
保持枠に前記円筒形電池を取り付けたのちに、互いに隣接する各2個の円筒形電池から互いに近接位置にある方向に突出している2枚の電池間接続板の接続部を重ね合わせてねじ結合して、隣接する各2個の円筒形電池を互いに電気的接続するようにした請求項28から30の何れかに記載の電池モジュールの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、所要の出力電圧を得るのに必要な個数の単電池を配列して電気的に接続し、且つ機械的に連結して構成される電池モジュールおよびその電池モジュールを高い生産性で組み立てることができる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、AV機器あるいはパソコンや携帯型通信機器などの電子機器のポータブル化やコードレス化が急速に促進されており、これらの電気機器の駆動電源として、信頼性が高く、且つメンテナンスが容易であることから、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池またはリチウムイオン二次電池などが使用されている。
【0003】
一方、ハイブリッドタイプの電気自動車では、内燃機関と組み合わせることにより走行駆動源に用いられる電池駆動モータの電力源として、ニッケル水素蓄電池が用いられている。また、地震や台風などの災害による停電発生時のバックアップ用非常電源装置などの用途には、現在において鉛蓄電池が主に採用されているが、将来的には大容量で、且つ大電流放電が可能なニッケル水素蓄電池の実用化が要望されている。さらに、大容量を有するニッケル水素蓄電池には、無人通信基地局などの非常電源装置や、電車のパンタグラフ昇降用電源装置或いは電車の給電停止時に使用する照明点灯用バックアップ電源装置などの鉄道用電源装置の用途への採用も期待されている。
【0004】
上述のような電源装置は、複数個の円筒形電池にある各々の異極の電源端子間を互いに接続して電池モジュールを構成し、その電池モジュールを所要の出力電圧を得るのに必要な個数だけ相互に接続して電池パックに組み立てられるのが一般的である。本件出願人は、振動や衝撃に対しても強い堅牢性を有する電池モジュールを先に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記電池モジュールは、円筒形電池の電池軸方向の長さとほぼ等しい厚みを有する直方体に、円筒形電池の直径とほぼ等しい一辺を有する平面視正方形の形状で厚み方向に貫通する電池収納部が、一列または複数列に形成されてなる合成樹脂製のホルダケースを有し、各電池収納部に個々に収納された各円筒形電池のうちの隣接する各2個の円筒形電池の異極間が平板状接続板によって相互に電気的接続された構成になっている。隣接する各2個の円筒形電池を相互に接続する電池間接続構造は、円筒形電池に、これの外周近傍箇所において軸方向外方に突出するリング状の接続電極部を形成し、平板状接続板を、隣接する各2個のうち一方の円筒形電池の接続電極部と他方の円筒形電池の底面とに架け渡して、接続板と接続電極部および電池ケースの底面との各々の接触箇所をそれぞれ溶接により接合した構成になっている。
【0006】
この電池モジュールは、各円筒形電池を個々の電池収納部に収納することによって完全に電気絶縁した状態で保持できるから、絶縁リングや外装チューブが不要となってコストの低減と生産性の向上を図ることができ、各円筒形電池が、これらの外周の4箇所が電池収納部を形成する4つの隔壁に接した状態に固定されるから、振動や衝撃に対してもがたつくことなく確実に保持される顕著な効果を奏するものである。
【0007】
また、従来の電池パックとしては、複数個の円筒形電池を一列に電気的、且つ機械的に直列接続して電池モジュールを構成し、上方が開口した直方形状箱形となった合成樹脂製ホルダケース内に、上記電池モジュールを複数列多段の並列配置で挿入して保持させ、ホルダケースにおける両端部に位置する各エンドプレートに電池モジュールの端子間を電気的に接続するバスバーを設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。上記ホルダケースは、全体の外形が細長い円柱状となった電池モジュールを挿入するための円形の貫通孔が両端壁に電池モジュールの収納数だけ形成されているとともに、電池モジュールを安定に保持するための中間壁が両端壁間に平行に設けられており、この中間壁にも円形の貫通孔が両端壁と同数だけ開口されている。各電池モジュールは、両端壁と中間壁の各貫通孔に挿入してホルダケースの定位置に保持されている。
【0008】
この電池パックは、電池モジュールの支持強度および剛性を格段に向上させることができるとともに、ボルトなどの締結作業のみで電池モジュールをバスバーに結合できる結果、電池モジュールをホルダケースに組み込む作業が簡単容易となる効果が得られる。
【特許文献1】特開2003−162993号公報
【特許文献2】特開平10−270006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の電池モジュールにおいては、1つの電池モジュール内に収納される電池の個数が予め決められていることから、使用者や用途ごとに異なる形状の電池モジュールが要望された場合には、その形状に合わせた構成の電池モジュールを新たに設計・製造する必要があることから、要望にタイムリーに答えることができないという問題点を有していた。その他にも、さらなる改良を要する課題が未だ残存している。すなわち、上記電池モジュールは、各円筒形電池が収納されている電池収納部の四隅に形成される、円筒形電池と電池収納部の隔壁との間の空隙を、電池収納部の両端開口を施蓋する蓋部材の放熱用孔を介し外部に連通することにより、放熱用通路を確保しており、この放熱用通路を流通する風によって各円筒形電池の冷却効果を得るようになっているので、比較的多数個の円筒形電池に対する冷却効果が不十分である。
【0010】
ところで、近い将来には、100Ah程度の大容量および1.6Kg程度の比較的大きな重量を有するニッケル水素蓄電池のような大型の円筒形電池の実用化が期待されている。ところが、従来の電池モジュールでは、その構成上、上述した大型の円筒形電池を適用して実用化するのが極めて困難であると思われる。何故ならば、上記電池モジュールは、ホルダケースの全ての電池収納部に円筒形電池を個々に挿入する工程および電池収納部に収納された円筒形電池のうちの隣接する各2個をそれぞれ接続板の両端部の溶接により相互接続する溶接工程を経て製作されるから、このような工程を経て大型の円筒形電池を組み込む場合には、作業性が悪くなって生産性の著しい低下を来すことが予想される。また、各円筒形電池は、ホルダケースの厚み方向の両端開口を閉塞する一対の蓋部材によって電池収納部内に閉じ込めた状態で電池軸方向に妄りに動かないように固定されているので、大型の円筒形電池を用いる場合には、これらを確実に保持するための堅牢性が不十分となり、振動や衝撃を受けた際の強度が問題となる。
【0011】
また、上記電池モジュールでは、ホルダケースの全ての各電池収納部に円筒形電池を収納したのちに、隣接する各2個の円筒形電池を、これらに架け渡すように配置した接続板の両端部分を一方の円筒形電池の正極および他方の円筒形電池の負極端子に溶接して順次接合することにより相互に電気的接続する工程を経て製作されるが、この溶接工程において何れか1個の円筒形電池への接合に失敗すると、ホルダケースに収納済みの全ての円筒形電池を交換しなければならない。さらに、この電池モジュールでは、全ての円筒形電池がこれらの電極端子に溶接された接続板を介して電気的接続された構成になっているから、メンテナンス時などにおいて一部の円筒形電池に消耗や劣化が認められた場合に、電池モジュール全体を交換しなければならず、ランニングコストが高くつく。
【0012】
一方、上記電池パックを構成する電池モジュールは、一列に電気的、且つ機械的に直列接続した所要個数の円筒形電池の全体を電気絶縁性および熱収縮性を有する樹脂製の外装チューブで被覆した構成を有して、例えば、横3列で、且つ縦7列の並列配置でホルダケース内に保持されるようになっており、これら各電池モジュールは、ホルダケースの空気導入口から空気導出口に向けて空気流を流動させる冷却構造によって冷却されるようになっている。この冷却構造は、冷却調整フィンプレートのプレート本体から両方向に突出する冷却調整フィンによって空気流の流れ方向および流速を調整するよう構成されている。したがって、上記電池パックでは、各電池モジュールに対する冷却効果が十分であるが、極めて複雑な構成の冷却構造を備えていることから、相当のコスト高となる。
【0013】
また、この電池パックは、所定個数の円筒形電池を電池軸方向に一列配置で電気的に直列接続してなる細長い円柱状の電池モジュールを、ホルダケースの両側端壁および冷却フィンプレートの各々に形成された挿通孔にそれぞれ挿通して保持する構成になっている。したがって、この電池パックは、上述した大型の円筒形電池を用いて構成する用途には小型の電池に比べ熱を多く発生することにより到底採用することができない。さらに、構成要素の電池モジュールは、溶接により直列接続された複数個の円筒形電池の外周面全体が外装チューブで被覆されているから、メンテナンス時などにおいて一部の円筒形電池に消耗や劣化が認められた場合に、やはり電池モジュール全体を交換しなければならず、ランニングコストが高くつく。
【0014】
そこで本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたもので、大型の電池であっても高い生産性で容易に製造でき、十分な放熱効果と堅牢性とを備え、さらに、消耗や劣化した円筒形電池のみを簡単に交換できる構成を有する電池モジュールと、この電池モジュールを効率良く確実に組み立てることができる製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明の電池モジュールは、複数個の単電池と、前記単電池の外周面の一部分に嵌合する保持受け部を備えた複数の枠部からなる保持枠とを有し、前記単電池の電池軸方向の両端部が前記保持枠のそれぞれの枠部の保持受け部にて保持され、隣接し合う各2個の単電池が互いに電気的に接続されたものである。
【0016】
このような構成とすることにより、単電池を保持する保持枠を、要望された電池モジュールの構成に応じて自由に組み立てることができることから、汎用性に優れた効果が得られる。
【0017】
また、単電池が円筒形電池であり、複数の円筒形電池が各々の電池軸を互いに平行に配して並置されてなる電池列と、前記円筒形電池の電池軸方向の両端部に、前記複数の枠部が互いに着脱自在に連結されて直方体に一体化されてなる保持枠を備え、前記各保持枠における互いに対向し合う枠部には、前記円筒形電池の外面に当接する保持受け部が前記電池列の電池個数と同数だけ配設され、前記円筒形電池の電池軸方向の両端部が、前記各保持枠における互いに対向し合う枠部のそれぞれに設けられた保持受け部に狭持固定され、前記電池列において互いに隣接する円筒形電池同士が電池間接続板を介して互いに電気的に接続することもできる。
【0018】
このような構成とすると、電池列を構成する各円筒形電池が各々の電池軸方向の両端部をそれぞれ保持枠で保持されて、各円筒形電池の両端部を除く外面が外部に露出されているので、従来の電池モジュールと比較して格段に放熱効果の高いものとなる。また、保持枠は、少なくとも2つの枠部に分割された構成になっており、全円筒形電池の電池軸方向の両端部を2つの保持枠の各枠部に設けられたそれぞれの保持受け部で挟み込む状態で保持するので従来の電池モジュールのように各円筒形電池を個々に電池収納部に挿入したり複数個の円筒形電池を電池軸方向に電気的に直列接続した電池列を貫通孔に挿通したりする工程を要するものとは異なり、大型の円筒形電池であっても、これを保持枠の所定箇所に容易に組み込むことができる。しかも、保持枠は、2つの枠部が着脱自在に連結された構成を有しているから、容易に分解することができ、消耗または劣化した円筒形電池のみを取り替えることが可能である。
【0019】
また、電池列として、共に同一個数の円筒形電池が各々の電池軸を互いに平行に配してそれぞれ並置されてなる第1の電池列および第2の電池列を備え、第1及び第2の電池列の電池軸方向の両端部に設けられる各保持枠は、それぞれ内枠部と、これの一方側の辺に沿って配置された一方の外枠部と、他方側の辺に沿って配置された他方の外枠部とが互いに着脱自在に連結されて直方体に一体化されており、前記内枠部の両側辺、一方の外枠部における前記内枠部に対向する側の辺、ならびに他方の外枠部における前記内枠部に対向する側の辺に、前記円筒形電池の外面に当接して保持する保持受け部が、前記電池列の電池個数と同数だけそれぞれ配設され、前記第1の電池列にある各円筒形電池の電池軸方向の両端部が、前記各保持枠における互いに対向し合う一方の外枠部と内枠部のそれぞれの保持受け部に嵌まり込んだ状態で挟持固定され、前記第2の電池列にある各円筒形電池の電池軸方向の両端部が、前記各保持枠における互いに対向し合う他方の外枠部と内枠部のそれぞれの保持受け部に嵌まり込んだ状態で挟持固定され、前記第1および第2の電池列において互いに隣接する円筒形電池同士が電池間接続板を介して互いに電気的に接続され、且つ前記両電池列における各一端に位置する2個の円筒形電池が電池間接続板を介して互いに電気的接続することもできる。
【0020】
このような構成とすると、第1および第2の電池列を構成する各円筒形電池が各々の電池軸方向の両端部をそれぞれ保持枠で保持されて、各円筒形電池の両端部を除く外面が外部に露出されているので、従来の電池モジュールのように電池収納部に個々に円筒形電池を収納したりする構成と比較して格段に放熱効果の高いものとなる。また、保持枠は、内枠部と2つの外枠部とに3分割された構成になっているとともに、これら枠部に円筒形電池の外面に当接して保持する保持受け部が形成されているので、全円筒形電池の電池軸方向の両端部を2つの保持枠部で挟み込む状態で保持枠を取り付けることができるから、従来の電池モジュールのように各円筒形電池を個々に電池収納部に挿入したり複数個の円筒形電池を電池軸方向に直列接続した電池列を貫通孔に挿通したりする工程を要するものとは異なり、大型の円筒形電池であっても、これを保持枠の所定箇所に容易に組み込むことができる。しかも、保持枠は、内枠部と2つの外枠部が着脱自在に連結された構成を有しているから、容易に分解することができ、消耗または劣化した円筒形電池のみを取り替えることが可能である。
【0021】
さらに、前記保持枠の各枠部に形成された各保持受け部を、電池の外形に対応した曲率半径を有する半円弧形状に設定すると、円筒形電池の各々の電池軸方向にある両端部を保持枠により固定化するに際して、各枠部に形成された半円弧状の保持受け部のうち各2つを円筒形電池の外周面に対し両側から挟み込むように嵌め合わせることができるので、円筒形電池を挿通させるための貫通孔の径を円筒形電池の径よりも僅かに大きく設定して容易に挿通させるための余裕を設ける必要があった従来のものと比較して、大型の円筒形電池であっても、この各円筒形電池の電池軸方向の両端部を直方体の保持枠でがたつきなく強固に固定して常に安定に保持できる高い堅牢性を備えた構造とすることができる。
【0022】
また、前記保持枠のそれぞれの枠部の側辺に沿った方向において隣接する各2つの保持受け部間の各位置に、それぞれ前記側辺と直交する方向に延びる形状にねじ孔を形成し、各枠部を互いに対向させて組み合わせた際に連接する前記ねじ孔に固定ねじを挿入して螺合締結することにより前記枠部を着脱自在に相互に連結し、隣接する各2個の円筒形電池が、電池間接続板の溶接部が各々の正極端子または負極端子に固着され、且つ前記溶接部から互いに近接方向に延出した各々の接続部が互いにねじ結合されて着脱自在に電気的接続された構成とすると、メンテナンス時などにおいて一部の円筒形電池に消耗または劣化が認められた場合、保持枠から固定用の各ねじを抜脱するだけで保持枠を内枠部と2つの外枠部とに極めて簡単に分解できるとともに、電池間接続板から固定用の各ねじを外すことにより個々の円筒形電池に分解できるので、必要な円筒形電池のみを容易に交換することができる。そのため、この電池モジュールは、従来のように一部の電池が消耗または劣化しただけであるにも拘らず電池モジュール全体を交換する場合に比較して、ランニングコストを大幅に低減できる大きなメリットがある。
【0023】
また、内枠部に、両側辺間で相対向する2つの保持受け部において各々の中央部間を貫通する円筒形電池用固定孔が形成されているとともに、前記各円筒形電池用固定孔に、この円筒形電池用固定孔の長さ寸法よりも長い形状と弾性とを有する固定用栓部材が挿入された構成とすると、内枠部の円筒形電池用固定孔内で圧縮される固定用栓部材が、その弾性復元力により両側で相対向する各2個の円筒形電池の外面に圧接して、振動や衝撃を受けたときの外力を吸収するよう作用するため、各円筒形電池を一層がたつきなく安定に保持できる。
【0024】
また、各保持枠における複数の枠部の各々の外面側において、各保持受け部における中央部を除く部分が外表面から所定の段差だけ内方に凹んだ凹所に形成されているとともに、互いに隣接する各2つの保持受け部が、前記段差よりも小さい段差で外表面から内方に凹んだ位置で前記各保持受け部の配列方向に平行に延びる直線状のガイド支持部によって連接され、前記内枠部における一端部に形成された2つの保持受け部間が、外表面から内方に凹んだ位置で直線状に延びるガイド支持部によって互いに連接され、電池間接続板の接続部が相対向する2つの前記ガイド支持部の間に嵌まり込んでいる構成とすると、各電池接続板およびこれらの接続部を相互に固定するボルトやナットが、段差の存在によって保持枠内に包含されて、外部には全く突出しないため、円筒形電池間の電気的短絡を防止するための絶縁手段を特に設ける必要がなくなるとともに、この電池モジュールを所要個数用いて電池パックを構成する際に、多数の電池モジュールを縦横に配列した組み合わせで相互に固定することで容易に構成することができる。また、各電池間接続板が、相対向する2つのガイド支持部の間に嵌め込まれて位置規制されるから、これによっても堅牢性が一層高い構造となり、大型の円筒形電池を単電池として用いる場合に好適なものとなる。しかも、組立時には、隣接する各2枚の電池間接続板の接続部を互いに重ね合わせた位置決め状態に一層確実に保持することができ、ねじ結合の作業性が向上する。
【0025】
また、各円筒形電池の電池軸方向の一端側を保持する保持枠と他端側を保持する保持枠が同一形状であって、前記他端側を保持する保持枠が電池列の配列方向に沿った電池軸回りに回転された構成で配置されている構成とすると、同一の保持枠によって2つの電池列における各円筒形電池の電池軸方向の両端部を保持することができるから、一層のコストダウンを達成することができる。
【0026】
さらには、上記電池モジュールにおける保持枠が、単電池の外周面の一部分に嵌合する保持受け部をそれぞれ備えた2つの枠部により構成された構成とすると、比較的少数の単電池を構成した電池モジュールを、単電池の個数や構成に応じて容易に作製することができる。
【0027】
また、上記電池モジュールにおける保持枠が、単電池の外周面の一部分に嵌合する保持受け部を片面にそれぞれ備えた2つの外枠部と、同形状の保持受け部を両面に備えた内枠部とを有し、前記内枠部のそれぞれの面に前記外枠部を結合し、互いに対向し合う前記内枠部の保持受け部と前記外枠部の保持受け部との間で前記単電池を狭持する構成としたり、この電池モジュールにおいて、2つの外枠部の間に2つ以上の内枠部を備えた構成とすると、要望される容量に応じた数の単電池を保持することができる保持枠を自由に設定することができる。
【0028】
また、保持受け部の形状を、単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成すると、単電池を安定して保持することができる。
【0029】
さらには、保持枠における互いに対向し合う枠部の一方は単電池の外周面の半周以上に対応した曲率半径を有する形状に形成された保持受け部を備え、他方の枠部は単電池の外周面の半周以下に対応した曲率半径を有する形状に形成された保持受け部を備え、これら一方の枠部と他方の枠部を互いに対向させて結合した際に双方の保持受け部が形成する形状が、単電池の外周面の全周に対応した曲率半径を有する円弧形状となるようにすると、保持枠の結合前に、単電池が既に一方の枠部の保持受け部に嵌まり込み、一方の枠部と他方の枠部を結合させる際に単電池が所定位置からずれることがないことから、電池モジュールの組立効率が向上する。
【0030】
また、保持受け部の形状を、単電池の外周面に対応した曲率半径と略一致する多角状としたり、単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成し、この半円弧状の面に複数の切欠きを形成したり、段差の各頂点を結んだ線が単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となる段差状に形成したり、櫛歯の各頂点を結んだ線が単電池の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となる櫛歯状に形成したりすると、単電池を確実に固定しながらも単電池の外周面と保持受け部との間に僅かな隙間が形成されることから、これら隙間により電池の充放電時に発生する発熱を放熱することができる。
【0031】
また、保持受け部の形状を、単電池の外周面に対応した曲率半径を有する円弧部と直角部とを組み合わせた形状とすると、円筒形電池のほかにも角形電池を保持することが可能になることに加えて、円筒形電池を保持した際には保持受け部の直角部が放熱用の隙間として機能し、角形電池を保持した際には保持受け部の円弧部が放熱用の隙間として機能する。
【0032】
また、保持受け部を、弾性力のある材質にて構成すると、単電池が振動や衝撃でずれることを抑制できる効果が得られる。
【0033】
さらには、保持受け部の端部を単電池の略外形寸法まで延出させた構成とすると、1つの枠部にて単電池の略全体を保持できることから、単電池の一部を保持する枠部と残りの部分を保持する枠部とを作製する必要がなくなることから、部品点数の削減に伴うコストの低減化を図ることができる。また、この構成における保持受け部の端部には、他方の枠部としての平板を結合するだけで単電池全体を保持できることから、他方の枠部の構成を簡素化し、さらなるコストの削減を図ることができる。
【0034】
また、上記構成において、保持受け部の端部が単電池の略外形寸法まで延出した保持受け部を有する内枠部を、外枠部と同じ向きになるように結合し、前記内枠部の保持受け部の端部に平板を結合した構成とすると、部品構成の簡素化、部品点数の削減に伴うコストの低減を図りながらも、要望される容量に応じた保持枠を自由に設定することができる。
【0035】
また、この時、保持受け部の端部における単電池の外周面に対応した曲率半径と略一致する線上に、単電池を固定するための固定部を設けると、保持枠の結合前に、単電池が枠部の保持受け部と固定部との間に嵌まり込み、外枠部と内枠部と平板を結合させる際に単電池が所定位置からずれることがないことから、電池モジュールの組立効率が向上する。
【0036】
また、上記枠部の枠部同士の連結方向に延びる面に、枠部の連結方向と直交する方向にねじ孔が形成され、複数の枠部が連結された後に、前記面に枠部の連結長さと略同じ長さの連結体が当接され、前記連結体を介して固定ねじが前記ねじ孔に螺合締結されることにより保持枠が固着結合されてなる構成とすると、前記連結体により保持枠が強固に結合されて電池モジュールの剛性が向上する。
【0037】
また、保持枠のそれぞれの枠部の側辺に沿った方向において隣接する各2つの保持受け部間に、それぞれ枠部の連結方向と同じ方向に延びる挿通孔が形成され、複数の枠部が連結された際に連接する前記挿通孔に棒ねじが挿入され螺合締結されることにより保持枠が固着結合されてなる構成とすると、複数の枠部からなる保持枠を簡便な構成にて強固に結合することができる。
【0038】
なお、この時、棒ねじをナットにより螺合締結する構成とすると、よりフレキシブルに電池モジュールを組み立てることができる。
【0039】
また、保持枠を、底板、ケース、または枠体により固定する構成とすると、汎用性に優れた電池モジュールを容易に電池パックとして供給することができる。
【0040】
なお、上記目的を達成するための本発明の電池モジュールの製造方法は、上辺にのみ所定個数の半円弧状保持受け部が形成された一方の外枠部2つを所定間隔隔てて配置し、これら2つの一方の外枠部の保持受け部上に円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分を嵌め込んで所定個数の円筒形電池を並置する工程と、上辺および下辺に所定個数の半円弧状保持受け部が形成された内枠部2つを、下辺側の保持受け部に前記円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分をそれぞれ嵌め込ませた状態で前記2つの一方の外枠部に当接させる工程と、隣接する各2個の円筒形電池を電池間接続板で電気的に接続する工程と、前記円筒形電池の一端側および他端側において前記2つの一方の外枠部と前記2つの内枠部とを固定ねじによりそれぞれ結合する工程と、前記2つの内枠部の上辺側の保持受け部上に円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分を嵌め込んで所定個数の円筒形電池を並置する工程と、下辺にのみ所定個数の半円弧状保持受け部が形成された他方の外枠部2つを、これら保持受け部に前記内枠部上の円筒形電池の一端部および他端部の各々の半分をそれぞれ嵌め込ませた状態で前記2つの内枠部に当接させる工程と、前記内枠部と他方の外枠部との間で隣接する各2個の円筒形電池を電池間接続板で電気的に接続する工程と、前記円筒形電池の一端側および他端側において前記2つの他方の外枠部と前記2つの内枠部とを固定ねじによりそれぞれ結合する工程とを有するものであり、この製造方法により、複数の円筒形電池が円筒形電池の軸方向の一端側と他端側とに配設された1対の保持枠によりそれぞれ狭持された電池モジュールが構成される。
【0041】
この製造方法によれば、大型の円筒形電池を用いて構成する場合であっても、これら各円筒形電池の電池軸方向の両端部を、円筒形電池の外周面の形状に対応した形状の保持受け部にて容易、且つ極めて能率的に固定して、本発明の電池モジュールを高い生産性で製造することができる。
【0042】
なお、組立工程に先立って、前記2つの一方の外枠部を所定間隔隔てて組立用基台状に配置してねじ結合により仮固定し、電池モジュールの組立完了後に前記組立用基台を取り外すようにすると、大型の円筒形電池であっても、これら円筒形電池の2つの保持枠への組み込みを組立用基台上で確実な位置決めによって安定し、且つ確実に行うことができる。
【0043】
また、一方の外枠部に内枠部を被せる状態に当接させたのち、前記内枠部における相対向する各2つの保持受け部の各々の中央部間を貫通する各円筒形電池用固定孔に、この円筒形電池用固定孔の長さ寸法よりも長い形状と弾性とを有する固定用栓部材をそれぞれ挿入して、この固定用栓部材の先端を前記円筒形電池の外面に当接させて前記円筒形電池を回り止めし、前記内枠部と2つの外枠部とをねじ結合により一体化して保持枠を形成して、前記固定用栓部材を、これの両端側の円筒形電池にある各々の外面でそれぞれ押圧させて前記円筒形電池用固定孔内で圧縮するようにすると、隣接する各2個の円筒形電池にある各々の電池間接続板を位置決めした状態を固定用栓部材によって保持できるので、電池間接続板をねじ結合する作業性がより一層向上し、しかも、固定用栓部材を確実に圧縮させてその弾性復元力で相対向する2つの円筒形電池の外面に当接させることができるので、耐振動性および耐衝撃性に優れた構造とすることができる。
【0044】
さらには、各円筒形電池の正側電極端子および負側電極端子に、一対の電池間接続板を、この電池間接続板の接続部が互いに反対方向に突出する配置または前記接続部が互いに直交方向に突出する配置で各々の溶接部を溶接して予め固着しておき、保持枠に前記円筒形電池を取り付けたのちに、互いに隣接する各2個の円筒形電池から互いに近接位置にある方向に突出している2枚の電池間接続板の接続部を重ね合わせてねじ結合して、隣接する各2個の円筒形電池を互いに電気的接続するようにすると、保持枠に設置したのちの各円筒形電池を、これらに予め固着してある電池間接続板をねじ結合により相互に電気的接続し、且つ機械的に連結できるから、従来の電池モジュールのようにホルダケースなどに組み込んだ円筒形電池を電気的接続するための溶接工程が不要となり、この溶接工程の削減により、大型の円筒形電池を構成要素とした場合にも容易、且つ能率的に相互接続して組み立てることが可能となる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、電池の軸方向両端部を除く部分が保持枠にて保持されて残りの部分が外部に露出されているので、格段に高い放熱効果を得ることができ、また、大型の電池であっても、これを保持枠の所定箇所に容易に組み込むことができ、しかも、保持枠を構成する各枠部が着脱自在に連結された構成であることから、容易に分解して消耗または劣化した電池のみを取り替えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る電池モジュール1の外観イメージを示す概略斜視図である。この電池モジュール1は、10個の円筒形電池2を、電池軸方向に沿って平行な配置で5個並置してなる電池列を上下2段に配して、この計10個の円筒形電池2の電池軸方向の両端部をそれぞれ保持枠3で固定して保持した構成になっている。また、この電池モジュール1は、10個の円筒形電池2が各々の両端部を除く外面が外部に露出された状態で接続されているので、従来の電池収納部に個々に円筒形電池を収納したりする構成と比較して格段に放熱効果の高いものとなる。
【0047】
また、この実施形態では、円筒形電池2として、100Ah程度の大容量および1.6Kg程度の比較的大きな重量を有するニッケル水素蓄電池のような大型の円筒形電池2を用いる場合を例示してあり、この電池モジュール1は、上述のような大型の円筒形電池2であっても、高い生産性で効率的に組み立てることが可能であり、しかも、十分な堅牢性を有する構成とすることができる。これについての詳細は後述する。
【0048】
図1の前後に位置する一対の保持枠3は、内枠部4とこれの上下に配した第1および第2の外枠部7,8とを互いに組み合わせて着脱自在に固定することにより、全体として矩形の外形を有する直方体に一体化されている。内枠部4と第1および第2の外枠部7,8は何れも合成樹脂による一体成形品であるが、放熱性を考慮したアルミニウム製による一体成形品でもよく、また、前後に配置される一対の保持枠3は、共に同一のものである。但し、この一対の保持枠3は、互いに逆方向を向き、且つ上下位置を反転させた相対位置で互いに平行に配置されている。電池列方向において隣接する各2個の円筒形電池2は、各々に固着した電池間接続板9の一部を重ね合わせた状態でボルト10とナット(図示せず)との螺合締結により連結することにより、互いに電気的接続されている。図1に示す電池モジュール1は、10個の円筒形電池2を保持する構成の一例であるが、このように本発明の保持枠3を用いれば、10個の円筒形電池2を保持するための専用の保持枠を作製する必要がなく、第1の外枠部7と、第2の外枠部8と、内枠部4とを自由に組み合わせることにより、使用者や用途ごとに異なる様々な形状に合わせた電池モジュールを構成することができ、様々な要望にタイムリーに答えることができる、非常に汎用性に優れた効果が得られる。つぎに、この電池モジュール1の詳細について、以下に順次説明する。
【0049】
図2は、上記電池間接続板9を示す斜視図であり、この電池間接続板9は、同一形状のものを一種類備えているだけである。すなわち、全ての隣接する各2個の円筒形電池2は同一の電池間接続板9によって相互に電気的接続されている。この電池間接続板9は、後述の電池ケースに溶接手段で固着される溶接部11と、この溶接部11から延出した接続部12とが、段差部13を介して一体に連接された形状を有しており、溶接部11が接続部12に対し段差部13だけ凹んだ凹所になっている。
【0050】
図3(a)は、上記電池間接続板9を用いて隣接する各2個の円筒形電池2を互いに電気的接続し、且つ機械的に連結した電池間接続構造を示す斜視図、同図(b)は(a)のA−A線に沿って切断した拡大断面図をそれぞれ示し、上記電池間接続板9の形状について、図3を参照しながら補足説明する。上記溶接部11は、円筒形電池2の電池ケース14における円形の端面内に包含される半円弧状の形状を有している。具体的には、円筒形電池2の円形状をした電極端子板17の周端面よりも僅かに大きな曲率半径を有する半円形の内周部11aと、電池ケース14における開口端側の円形のかしめ部18の内周面に対応した曲率半径を有する半円形の外周部11bとで囲まれた半円弧状の形状を有している。この溶接部11には、スポット溶接用のプロジェクション19が複数(この実施の形態において4個)設けられているとともに、隣接する各2個のプロジェクション19にある各間の部位にスリット20が形成されている。
【0051】
上記接続部12は、一対の側辺12a,12bとこの側辺12a,12bに直交する端辺12cとを有するほぼ矩形状に形成されており、一対の側辺12a,12bは、溶接部11の両端部間の距離よりも大きく、且つ電池ケース14の直径よりも僅かに小さい間隔で溶接部11から互いに平行に延出されている。この接続部12には、端辺12cの中央部から両側辺12a,12bに平行に延びるスリット21が形成されているとともに、端辺12cの両端部近傍部位に一対の連結用孔22が形成されている。なお、接続部12には、図2に示すように、その下面側に一対のナット23が連結用孔22に合致した位置決め配置で予め溶接により固着される場合もある。
【0052】
上記段差部13は、溶接部11の半円形の外面部11bから立ち上がった平面視半円弧状であって、接続部12側の外側面が、電池ケース14の開口端部のかしめ部18における内側周面に合致した曲率半径の半円弧状に形成され、且つ円筒形電池2の封口板24からかしめ部18の軸方向端部までの距離よりも僅かに大きな高さを有している。溶接部11と接続部12とが段差部13を介して一体に連接された形状を有する電池間接続板9は、鉄または銅の少なくとも片面にニッケルを表面加工した素材、或いはニッケル、鉄、銅を素材として一体形成されて、低い電気抵抗に設定されている。
【0053】
なお、この実施形態の電池モジュール1の接続対象となる円筒形電池2は、上述したように大容量で大型のニッケル水素蓄電池であり、つぎに、この円筒形電池2の概略構成について、図3(b)を参照しながら説明する。この円筒形電池2は、負極を兼ねる有底円筒状の電池ケース14の一端開口部が封口体32により閉塞されており、この封口体32は、封口板24、この封口板24の外面に接合された電極端子板17、この電極端子板17の中央部に固着された断面U字形状のキャップ状正極端子29、このキャップ状正極端子29と電極端子板17との間の空間内に配置されたゴム弁体30および絶縁ガスケット31により構成されている。
【0054】
上記封口板24の周縁部と電池ケース14の開口端部とは、これらの間に絶縁ガスケット31を介在した状態で電池ケース14の開口端部に内方に縮径するかしめ加工を施してかしめ部18を形成することにより、このかしめ部18により圧縮された絶縁ガスケット31を介して相互に気密状態に密着固定されている。電池間接続板9は、かしめ部18に被せる状態に取り付けられた絶縁リング27の存在により、電池ケース14と封口板24とを電気的に短絡するおそれがない。上記電池間接続板9は、溶接部11が電池ケース14における円形の端面内に包含される半円弧状の形状を有していることから、円筒形電池2における正極端子であるキャップ状正極端子29が接合された封口板24および負極端子となる電池ケース14の底面28の双方に共通に取り付けることができる。
【0055】
電池間接続板9を、円筒形電池2の封口板24に溶接部11を溶接して取り付けるに際しては、溶接部11を円筒形電池2の封口板24上に載置して、段差部13の外側面を絶縁リング27の内側周面に宛がうと、段差部13の外側面が絶縁リング27の内側周面にほぼ合致した曲率半径の半円弧状に形成されていることから、段差部13の外側面が絶縁リング27の内側周面に対しほぼ嵌合する状態に密着して位置決めされるので、電池間接続板9を安定に保持した状態で溶接部11を封口板24に溶接することができる。そのため、互いに溶接された溶接部11と封口板24との間には、常にばらつくことなく高い溶接強度を有する堅牢性の高い接合状態を得ることができる。
【0056】
上記溶接に際しては、溶接部11における一対のプロジェクション19に対応する部位に溶接電極をそれぞれ当接させて、プロジェクション溶接が行われる。それにより、溶接電流は、接触面積が小さいことから接触抵抗が大きいプロジェクション19と封口板24との接触部分に局部的に集中して流れ、それによる発熱によりプロジェクション19が溶融して、溶接部11と封口板24とが相互に接合される。このとき、溶接部11のスリット20は、プロジェクション溶接時の無効電流を低減するとともに、封口板24と溶接部11との歪みを、スリット20の存在によって容易に変形させて吸収できるから、確実な溶接を行うことができる。
【0057】
一方、電池間接続板9を円筒形電池2の電池ケース14の底面28に溶接して取り付けるに際しては、溶接部11を円筒形電池2における電池ケース14の底面28に宛がって、溶接部11における一対のプロジェクション19に対応する部位に溶接電極をそれぞれ当接させた状態でプロジェクション溶接が行われる。それにより、溶接電流は、接触面積が小さいことから接触抵抗が大きいプロジェクション19と底面28との接触部分に局部的に集中して流れ、それによる発熱によりプロジェクション19が溶融して、溶接部11と底面28とが相互に接合される。このとき、溶接部11のスリット20は、プロジェクション溶接時の無効電流を低減するとともに、溶接部11と底面28とで互いに異なる歪みを、スリット20の存在によって容易に変形させて吸収できるから、確実な溶接を行うことができる。
【0058】
そして、図3に示すように、2個の円筒形電池2を電池軸方向に沿って平行に配置してこれらを径方向に電気的に直列接続する場合には、2枚の電池間接続板9における電池ケース14の開口端側および底面28からそれぞれ径方向外方に突出している各接続部12を、互いに反対方向を向く配置で重ね合わせて、図示のボルト10が挿通される各々の一対の連結用孔(図示せず)を合致させた相対配置に位置決めし、重ね合わせ状態の各2つの連結用孔の一方側から挿通したボルト10を他方側のナット23に螺合締結することにより、上記2枚の電池間接続板9が相互に電気的接続状態に連結される。この接続時には、双方の電池間電極板9の互いに異なる歪みを各々のスリット21の存在により容易に変形させて吸収できるから、確実な締結を行うことができる。なお、この電池間接続構造は、同一の電池間接続板9を電池ケース14の正極側の封口板24および底面28の何れにも共通に取り付けられるが、電池ケース14の底面28への取付用の電池間接続板9の一面にナット23を連結用孔に合致した配置で予め溶接により固着しておけば、上記連結作業を一層容易、且つ迅速に行うことができる。
【0059】
図1の電池モジュール1を構成するための各円筒形電池2には、製造に先立って、図4(a),(b)にそれぞれ示すような取り付け形態に電池間接続板9が予め溶接により取り付けられる。図1に示すように10個の円筒形電池2を直列接続した電池モジュール1を構成する場合、その10個のうち8個の円筒形電池2には、図4(a)に示すように、一対の電池間接続板9がこれらの接続部12が互いに反対方向に向け突出する配置で電池ケース14の正極側の封口板24および底面28にそれぞれ溶接により予め接合される。残りの2個の円筒形電池2には、図4(b)に実線および2点鎖線でそれぞれ示すように、一対の電池間接続板9がこれらの接続部12が異なる直交方向に向けそれぞれ突出する2種の配置で電池ケース14の正極側の封口板24および底面28にそれぞれ溶接により予め接合される。なお、この実施の形態において、電池ケース14の底面28つまり負極端子に接続される電池間接続板9には、ナット23が連結用孔22に合致した配置で予め溶接により固着される。
【0060】
図5は、図1の電池モジュール1における10個の円筒形電池2の接続状態のみを示したものである。同図の左端上下にある2個の円筒形電池2A,2Bを除く8個の円筒形電池2は、何れも一対の電池間接続板9が図4(a)の配置で予め固着されて、図の手前側および後方側においてそれぞれ隣接する各2個の円筒形電池2に対し図3で説明した電池間接続構造で互いに電気的接続されている。左端上部の円筒形電池2Aは一対の電池間接続板9が図4(b)に2点鎖線で示す配置に予め固着されているとともに、左端下部の円筒形電池2Bは一対の電池間接続板9が図4(b)に実線で示す配置に予め固着されており、この左端上下の円筒形電池2A,2Bは、図の後方側において各々の電池間接続板9を介し互いに電気的接続されている。これにより、10個の円筒形電池2,2A、2Bは直列接続されており、この直列接続の両端部に位置する図の右端上下の円筒形電池2には、各々の図の手前側に固着された電池間接続板9の接続部12に外部接続用端子板33がボルト10により取り付けられている。外部接続用端子板33には端子ねじ34が設けられている。
【0061】
つぎに、図1の電池モジュール1の組立工程について説明する。図6は、電池モジュール1の組立手順を説明するための概略分解正面図であり、同図では、図1の電池モジュール1を上下反転した状態、つまり図1の状態から円筒形電池2の鉛直軸回りに回転して左右が相互に入れ代わる配置で組み立てる場合を例示してある。また、内枠部4と第1および第2外枠部7,8とからなる保持枠3は、同一のものを図6の前後位置に配して組み立てられる。但し、後方側の保持枠3は、図示の手前側の保持枠3を左右方向の水平軸回りに回転させて上下反転させることにより手前側の保持枠3に対し向きが反対となる配置で設けられる。
【0062】
先ず、組立用基台37における図の手前側に第1の外枠部7を、且つ図の後方側に第2の外枠部8をそれぞれ載置して、これら外枠部7,8に設けられた各3個のねじ孔7a,8aを組立用基台37の取付孔37aに合致するよう位置決めしたのち、ボルト38を各取付孔37aに挿通させてねじ孔7a,8aに螺合する。これにより、組立用基台37の手前側および後方側には、第1の外枠部7および第2の外枠部8が所定の相対配置、つまり所定の間隔で平行に対置する位置決め状態で仮固定される。
【0063】
つぎに、組立用基台37上の前後位置に仮固定された第1および第2の外枠部7,8にある各々の上辺にそれぞれ5個ずつ切欠き状に形成された半円弧状の保持受け部7b,8bに、円筒形電池2,2Aの電池軸方向の両端部を上方から落とし込む状態で嵌め入れる。このとき、5個の円筒形電池2,2Aは、図5の図示状態から左右方向の軸回りに回転させて上下反転させた配置で嵌め込む。これにより、5個の円筒形電池2,2Aは、手前側の第1の外枠部7にある保持受け部7bおよび後方側の第2の外枠部8にある保持受け部8bに架け渡す状態で各電池軸方向の両端部の半部が嵌まり込んで支持される。上記保持受け部7b,8bは、円筒形電池2,2Aの外形に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成されており、円筒形電池2,2Aの両端部の半部が保持受け部7b,8bに嵌合状態に保持される。
【0064】
つぎに、前後の第1および第2の外枠部7,8上にそれぞれ内枠部4を被せて、内枠部4の下方の一辺側に切欠き状に形成されている半円弧状の保持受け部4a内に各円筒形電池2,2Aの半部を嵌まり込ませる。この保持受け部4aは、円筒形電池2,2Aの外形に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成されており、内枠部4の両端部の外端面4bおよびこれの内方の内端面4cは、第1および第2の外枠部7,8の両端部にある外端面7c,8cおよびこれの内方の内端面7d,8dにそれぞれ当接する。したがって、5個の円筒形電池2,2Aは、第1および第2の外枠部7,8の保持受け部7b,8bと内枠部4の保持受け部4aとで電池軸方向の両端部の外周面全周を上下から挟み込む状態に保持される。
【0065】
続いて、内枠部4と第1および第2の外枠部7,8とにより電池軸方向の両端部が保持されている5個の円筒形電池2,2Aを、これらの隣接する各2個にそれぞれ固着されている電池間接続板9における接続部12の連結用孔22が互いに合致するように位置決めする。この位置決め状態において、前後の内枠部4における保持受け部4aの中央部に貫通する5個の円筒形電池用固定孔4dにそれぞれ固定用ゴム栓40を矢印で示すように上方から挿入する。この各固定用ゴム栓40は、これの下端が円筒形電池2,2Aの外面に当接している。なお、固定用ゴム栓40は、円筒形電池用固定孔4dよりも僅かに長い寸法を有しており、挿入状態において円筒形電池用固定孔4dの図の上端開口から僅かに突出している。
【0066】
上述のように5個の円筒形電池2,2Aが、隣接する各2個の円筒形電池2,2Aの電池間接続板9における接続部12を重ね合わされた状態で連結用孔22を介してボルト10とナット23の螺合締結により相互に接続する。これにより、下段5個の円筒形電池2,2Aは直列接続されて第1の電池列を構成する。但し、図6の右端にある円筒形電池2Aの後方側に固着された電池間接続板9は、これの接続部12が上方に突出した配置で設けられており、この時点では他の電池間接続板9に接続されない。各2枚の電池間接続板9の連結に際しては、重ね合わされた2つの接続部12のうち円筒形電池2,2A寄り、つまり内方側の接続部12にナット23が連結用孔22に合致する配置で予め固定されているので、ボルト10を、重ね合わされた状態の2つの連結用孔22に挿通させてナット23に螺合するだけでよく、容易な作業で迅速に行える。
さらに、前後4本ずつの固定ねじ39を、組立用基台37の前後の各挿通孔37bから手前側の第1の外枠部7にある挿通孔7e並びに後方側の第2の外枠部8にある挿通孔8eを介して内枠部4の下方側の各ねじ孔4eにそれぞれ螺合締結して、手前側の第1の外枠部7と内枠部4および後方側の第2の外枠部8と内枠部4をそれぞれ相互に連結する。これにより、5個の円筒形電池2,2Aは、一体化された内枠部4と第1の外枠部7および第2の外枠部8とにより電池軸方向の両端部がそれぞれ強固に固定される。換言すると、5個の円筒形電池2,2Aの両端部は、第1および第2の外枠部7,8の保持受け部7b,8bと内枠部4の保持受け部4aとがそれぞれ合体して形成された保持孔内に隙間無く貫通した状態で保持される。
【0067】
続いて、前後の各内枠部4の上方の他辺側に形成されている半円弧状の保持受け部4aに、上段5個の円筒形電池2,2Bを、図5の図示状態から左右方向の水平軸回りに回転させて上下反転させた配置で嵌め込む。上記内枠部4の保持受け部4aは、円筒形電池2,2Aの外形に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成されている。そのため、5個の円筒形電池2,2Bは、各々の電池軸方向の両端部が手前側および後方側の内枠部4の保持受け部4aに殆ど隙間無く嵌まり込んで、前後の保持受け部4aに架け渡される。
【0068】
つぎに、前後の内枠部4上に第2および第1の外枠部8,7をそれぞれ被せ、第2および第1の外枠部8,7に形成されている半円弧状の保持受け部8b,7b内に各円筒形電池2,2Aの上半部を嵌まり込ませる。この保持受け部8b,7bも円筒形電池2,2Bの外形に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成されており、第2および第1の外枠部8,7にある両端部の外端面8c,7cおよびこれの内方の内端面8d,7dは内枠部4の両端部の外端面4bおよびこれの内方の内端面4cにそれぞれ当接する。したがって、5個の円筒形電池2,2Bは、第2および第1の外枠部8,7の保持受け部8b,7bと内枠部4の保持受け部4aとにより電池軸方向の両端部の外周面全周が上下から殆ど隙間無く挟み込む状態に保持される。
【0069】
続いて、上段5個の円筒形電池2,2Bを、これらの電池列方向において隣接する各2個にそれぞれ固着されている電池間接続板9における接続部12の連結用孔22が互いに合致するように位置決めする。この位置決め後の各円筒形電池2,2Bは、内枠部4の各円筒形電池用固定孔4dの上端開口から僅かに突出している固定用ゴム栓40が自体の外面に当接していることにより、回り止めされて、電池間接続板9における接続部12の連結用孔22が互いに合致した位置決め状態に保持される。
【0070】
上述のように上段5個の円筒形電池2,2Bが回り止めされた保持状態において、電池列方向において隣接する各2個の円筒形電池2,2Bの電池間接続板9にある各々の接続部12を連通孔22に通したボルト10とナット23の螺合締結により相互に接続するとともに、右端の円筒形電池2Bとこれの下方の円筒形電池2Aとの各々の接続部12をボルト10とナット23との螺合締結により相互に接続する。これにより、10個の円筒形電池2,2A,2Bは全て直列接続される。上記各2枚の電池間接続板9の連結に際しては、重ね合わされた2つの接続部12のうち円筒形電池2,2A寄りの接続部12にナット23が連結用孔22に合致する配置で予め固定されているので、ボルト10を、重ね合わせ状態の2つの連結用孔22に挿通させてナット23に螺合するだけでよく、容易な作業で迅速に行える。
【0071】
最後に、下方に図示したと同様の固定ねじ39を、手前側の第2の外枠部8にある挿通孔8e並びに後方側の第1の外枠部7にある挿通孔7eを介し内枠部4の上方側のねじ孔4fにそれぞれ螺合締結して、手前側の第2の外枠部8と内枠部4および後方側の第1の外枠部7と内枠部4をそれぞれ相互に連結する。これにより、上段5個の円筒形電池2,2Bは、一体化された内枠部4と第2の外枠部8および第1の外枠部7とにより電池軸方向の両端部がそれぞれ強固に保持されて、第2の電池列が形成され、図1の電池モジュール1の組み立てが完了する。
【0072】
この組立完了後の電池モジュール1では、上下の固定ねじ39の締結により、5個の固定用ゴム栓40が、上下から円筒形電池2,2A,2Bの押圧力を受けて圧縮状態で円筒形電池用固定孔4d内に押し込められ、その復元力で上下の円筒形電池2,2A,2Bに圧接して円筒形電池2,2A,2Bをがたつくことなく保持するように機能する。最後に、ボルト38を抜脱して組立用基台37を取り外す。
【0073】
この実施形態の電池モジュール1は、上述のような工程を経て組み立てることにより、上記した1.6kg程度の比較的大きな重量を有する円筒形電池2を単電池として用いる場合であっても、容易、且つ能率的に組み立てることができる。すなわち、保持枠3は、内枠部4と第1および第2の外枠部7,8とに3分割された構成になっているから、全ての円筒形電池2を各枠部4,7,8の保持受け部4a,7b,8b内に個々に上方から落とし込む状態で挿入して組み込むことができる。したがって、従来の電池モジュールのように各円筒形電池を個々に電池収納部に挿入したり複数個の円筒形電池2を電池軸方向に電気的に直列接続した電池列を貫通孔に挿通したりする工程を要するものとは異なり、大型の円筒形電池2であっても、これを保持枠3の所定箇所に容易に組み込んで保持することができる。
【0074】
また、保持枠3に設置したのちの各円筒形電池2は、これらに予め固着してある電池間接続板9をボルト10とナット23の螺合締結によって相互に電気的接続し、且つ機械的に連結できる。そのため、従来の電池モジュールのようにホルダケースなどに組み込んだ円筒形電池2を電気的接続するための溶接工程が不要となり、この溶接工程の削減により、大型の円筒形電池2を構成要素とした場合にも容易、且つ能率的に相互接続して組み立てることが可能となる。
【0075】
さらに、電池モジュール1の組み立てに当たっては、先ず、前後位置の最下位に配置する第1および第2の外枠部7,8を組立用基台37に仮固定して位置決めするので、この点からも、大型の円筒形電池2の組み込みを安定、且つ確実に行うことができる。
【0076】
一方、円筒形電池2の各々の電池軸方向にある両端部を保持枠3により固定するのに際しては、各枠部4,7,8に形成された半円弧状の保持受け部4a,7b,8bのうちの各2つを円筒形電池2の外周面に対し両側から挟み込むように嵌め合わせるので、半円弧状の保持受け部4a,7b,8bを円筒形電池2の外形に対応した曲率半径を有する半円弧状に設定することができる。すなわち、従来の電池モジュールのように貫通孔に円筒形電池2を挿通させる構成では、貫通孔の径を円筒形電池2の径よりも僅かに大きく設定して容易に挿通させるための余裕を設ける必要があるが、これとは異なり、各2つの半円弧状の保持受け部4a,7b,8bを合体させることにより形成される貫通孔を円筒形電池2の外径とほぼ同一に設定することができる。そのため、この電池モジュール1では、大型の円筒形電池2であっても、この各円筒形電池2の電池軸方向の両端部を直方体の保持枠3でがたつきなく強固に固定して常に安定に保持できる高い堅牢性を備えた構造となる。
【0077】
また、内枠部4の円筒形電池用固定孔4d内で圧縮されている固定用ゴム栓40は、その復元力により上下に相対向する各2個の円筒形電池2の外面に圧接して、振動や衝撃を受けたときの外力を吸収するよう作用する。そのため、各円筒形電池2は一層がたつきなく安定に保持される。
【0078】
さらに、上記電池モジュール1は、メンテナンス時などにおいて一部の円筒形電池2に消耗または劣化が認められた場合、各固定ねじ39を抜脱するだけで保持枠3を内枠部4と第1および第2の外枠部7,8に簡単に分解できるとともに、電池間接続板9にあるボルト10を外すことにより個々の円筒形電池2を取り外すことができるので、必要な円筒形電池2のみを交換することができる。そのため、この電池モジュール1は、従来のように一部の電池が消耗または劣化しただけであるにも拘らず電池モジュール全体を交換する場合に比較して、ランニングコストを大幅に低減できる大きなメリットがある。
【0079】
つぎに、前記電池モジュール1の細部について説明する。図7ないし図9は何れも組立状態の保持枠3のみを示したもので、図7は、上記電池モジュール1における手前側の保持枠3を手前側から見た斜視図であって、保持枠3の電池モジュール1における外面側を示したものであり、図8は上記電池モジュールにおける後方側の保持枠3を手前側から見た斜視図であって、保持枠3の電池モジュール1における内面側を示したものであり、図9は一部破断した斜視図である。
【0080】
図8に示すように、内枠部4と第1および第2の外枠部7,8の内面側は、各保持受け部4a,7b,8bの周囲箇所に凹所が形成されているが、これら凹所は成形部品とするための肉抜きとして形成されているだけで、機能的には、各保持受け部4a,7b,8bを除く箇所を平面状に形成した場合と同様である。
【0081】
一方、図7および図9に示すように、内枠部4と第1および第2の外枠部7,8の外面側は、これら各枠部4,7,8の保持受け部4a,7b,8bにおける半円弧状の中央部を除く部分が外表面から所定の段差d1だけ内方に凹んだ凹所Nに形成されているとともに、図の左右方向において互いに隣接する各2つの保持受け部4a,7b,8bが、外表面から上記段差d1よりも小さい段差d2だけ内方に凹んだ位置で各保持受け部4a,7b,8bの配列方向に平行に延びる直線状の上下一対のガイド支持部41によって連接されている。また、内枠部4における図7の左端(図9では右端)で上下に相対向する2つの保持受け部4a,4a間は、外表面から上記段差d2だけ内方に凹んだ位置で上下方向に延びる直線状のガイド支持部42によって連接されている。
【0082】
図7の左端の左右方向において相対向するガイド支持部42と内枠部4の保持立壁部43との対面距離部Rは、図2で説明した電池間接続板9における接続部12の一対の側辺12a,12b間の幅とほぼ同じに設定されている。
【0083】
したがって、上記保持枠3によって10個の円筒形電池2を固定する際には、隣接する各2個の円筒形電池2に固着された電池間接続板9の接続部12が上下で相対向する一対のガイド支持部41の間に嵌め込まれるとともに、図7の左端の上下で隣接する2個の円筒形電池2に固着された電池間接続板9の接続部12が上下方向に延びるガイド支持部42と保持立壁部43との間に嵌め込まれる。
【0084】
ガイド支持部41,42の外表面からの段差d2は、2枚の電池間接続板9にある各々の厚みとボルト10のねじ部の高さとの総和よりも僅かに大きく設定されている。また、段差d1と段差d2の差(d1−d2)は、ボルト10が螺合されるナット23より飛び出したねじ部の高さよりも僅かに大きく設定されている。これにより、図1の電池モジュール1の平面図である図11に示すように、各電池間接続板9、ボルト10およびナット23は、保持枠3内に包含されて、外部には全く突出しない。そのため、この電池モジュール1では、各円筒形電池2間の電気的短絡を防止するための絶縁手段を特に設ける必要がなくなる。
【0085】
さらに、上記電池モジュール1の正面図である図10に示すように、内枠部4と第1および第2の外枠部7,8とを相互に固定する固定ねじ39のねじ部が挿通孔7e,8eに連通する収納凹所7f,8f内に収納されている。そのため、この電池モジュール1を所要個数用いて電池パックを構成する際には、各電池間接続板9、ボルト10およびナット23が保持枠3内に包含されて直方体の一対の保持枠3から突出する部材が何ら存在しないことから、多数の電池モジュール1を縦横に配列した組み合わせで相互に固定することで容易に構成することができる。
【0086】
また、電池モジュール1としては、各電池間接続板9が、上下で相対向する一対のガイド支持部41の間およびガイド支持部42と保持立壁部43との間に嵌め込まれて位置を規制されるから、これによっても堅牢性が一層高い構造となり、大型の円筒形電池2を単電池として用いる場合に好適なものとなる。しかも、組立時には、隣接する各2枚の電池間接続板9の接続部12を互いに重ね合わせて各々の連結用孔22を合致させた位置決め状態に一層確実に保持することができ、ボルト10をナット23に螺合締結する際の作業性が向上する。
【0087】
図10に示すように、手前側の保持枠3では、左右方向の一つ置きのガイド支持部41並びにガイド支持部42および保持立壁部43が電池間接続板9の支持用として使用されていない。一方、手前側の保持枠3を円筒形電池2の軸回りに回転させた配置で設けられる後方側の保持枠3では、左右方向における前方側において使用されていないガイド支持部41,42および保持立壁部43が電池間接続板9の支持用として使用されている。すなわち、保持枠3の外側面には、左右方向において隣接する各2つの保持受け部4a,7b,8b間に全てガイド支持部41が形成され、且つ左端の上下方向において隣接する保持受け部4a,4a間にガイド支持部42および保持立壁部43が形成されているので、同一形状の保持枠3を前後の両方に共用できる。ここで、10個の円筒形電池2を図5に示した接続状態に接続する関係上、上述のように未使用の保持受け部4aまたはガイド支持部42および保持立壁部43が生じるが、保持枠3としての機能上、何ら支障がない。
【0088】
なお、上記実施の形態では、図6に示す両外枠部7,8の各々の内端面7d,8dと内枠部4の内端面4cとが互いに当接する構成として、対応する各2つの半円弧状保持受け部7b,4a、8b,4aによって円筒形電池2の外形に対応した円形の貫通孔を形成する場合を例示して説明したが、内枠部4と両外枠部7,8とは、各々の外端面4b,7c,8c同士のみが当接するようにして、各々の内端面4c,7d,8dを図示よりも短く設定してこれらの間に隙間が生じる構成としてもよい。この場合には、固定ねじ39の螺合締結時に各枠部4,7,8を僅かに弾性変形させて、各保持受け部4a、7b,8bを円筒形電池2の外周面に密接させることができ、円筒形電池をより一層強固に保持することができる。
【0089】
次に、本発明の保持枠の他の構成例や、保持受け部の他の形状例について、図12〜図25を参照して説明する。
【0090】
図12は、本発明の他の例における保持枠50の構成を示す平面図である。保持枠50は、外枠部51、および外枠部52により構成されており、それぞれの外枠部51,52は、円筒形電池2の外周面に当接する保持受け部71,72をそれぞれ有している。これら保持受け部71,72は、それぞれ円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径を有する半円弧状に形成されており、外枠部51,52が結合されて保持枠50を構成した際に、円筒形電池2の外周面が保持受け部71,72に殆ど隙間無く嵌まり込む。また、外枠部51と外枠部52がズレなく結合されるように、外枠部51における外枠部52との結合部分に係合凸部67が設けられ、外枠部52における外枠部51との結合部分に係合凸部67に対応した形状の係合凹部68が設けられている。
【0091】
図13(a),(b)は、上記の外枠部51,52に加えて、内枠部53を組み合わせて構成する保持枠50の構成を示す平面図である。内枠部53の両面には、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径を有する半円弧状の保持受け部73が形成されており、内枠部53の一方面側には結合用の係合凸部67が設けられ、他方面側には係合凸部67に対応した形状の係合凹部68が設けられていることから、図13(a)のように1つの内枠部53と外枠部51,52とを結合して最大4個の円筒形電池2を保持できる保持枠50を構成することや、図13(b)のように2つの内枠部53と外枠部51,52とを結合して最大6個の円筒形電池2を保持できる保持枠50を構成することが適宜選択できる。なお、図示した例に限らず、内枠部53の数を適宜増やして所望の数の円筒形電池2を保持できる保持枠50を自由に構成とすることが可能である。
【0092】
次に、2つの外枠部51,52と1つの内枠部53とを用いて保持枠50を構成する際の結合方法の一例を図14に示す。まず、一方の外枠部51の係合凸部67を内枠部53の係合凹部68に嵌め込むことにより、一方の外枠部51と内枠部53とをズレなく結合する。次に、内枠部53の係合凸部67を他方の外枠部52の係合凹部68に嵌め込むことにより、一方の外枠部51と結合した内枠部53と他方の外枠部52とをズレなく結合する。そして、各枠部51,52,53において枠部同士の連結方向に延びる面に、連結後の枠部の長さ(図の左右方向)に略相当する長さの連結体65を当接させ、固定ねじ39を、連結体65の所定箇所に設けられた連結穴65aを介して外枠部51,52ならびに内枠部53の所定箇所に設けられたねじ孔64に螺合締結して、保持枠50を固着する。なお、保持枠50の固着方法としては、連結体65を保持枠50の何れか一方側の面に設ける方法だけでなく、保持枠50の両面に設けて両面側において固定ねじ39にて螺合締結する方法でも良い。また、曲げに対する強度を高めるために、連結体65を断面L字形状としたり、連結体65に補強リブを設けたりしても良い。
【0093】
図15に、保持枠50を構成する際の結合方法の別の例を示す。図15に示す保持枠50は、外枠部51g,52gと、内枠部53gとから構成されている。これら外枠部51g,52gならびに内枠部53gのそれぞれの側辺に沿った方向において隣接する各2つの保持受け部71g,72g,73g間には係合凸部や係合凹部が設けられておらず、代わりに枠部同士の連結方向に延びる挿通孔61,62,63がそれぞれ設けられ、一方の外枠部51gと他方の外枠部52gと内枠部53gとが組み合わさった際に、各挿通孔61,62,63が連接した一本の挿通孔となる。そして、連接した挿通孔に図中の矢印にて示す方向から棒ねじ80を挿通させ、棒ねじ80の先端をナットにて螺合締結することにより、保持枠50が強固に結合される。また、図15における挿通孔61の左端に、インナーナット(図示せず)を設けて、棒ねじ80の先端をこのインナーナットに螺合締結することにより保持枠50を結合する構成してもよい。なお、棒ねじ80の長さは、数種類を予め用意し、内枠部53gの数に応じて変化する保持枠50の長さ(図の左右方向)に応じたものを適宜使用することにより、所望の数の円筒形電池2を保持する保持枠50を自由に設定することができる。
【0094】
次に、保持受け部の各種変形例を示す。図16に示す外枠部51aは、多角状の保持受け部71aが設けられた構成である。このように、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する多角状の保持受け部71aを設けた構成とすると、保持受け部71aと円筒形電池2の外周面との間に僅かな隙間が生じることから、円筒形電池2を強固に保持しつつもその隙間を利用して充放電時の発熱を放熱することができる。また、保持受け部71aが多角状であることから、電池外周面の形状のばらつきにも比較的柔軟に対応して保持することができる。
【0095】
図17に示す外枠部51bは、円筒形電池2の外周面に対応した曲率半径に略一致する円弧部83と、直角部84との組合せからなる保持受け部71bが設けられた構成である。このような保持受け部71bを設けることにより、円筒形電池2だけでなく角形電池を保持することが可能となり、また、円筒形電池2を保持する際には保持受け部71bの直角部84が放熱用の隙間として機能し、角形電池を保持する際には保持受け部71bの円弧部83が放熱用の隙間として機能する。
【0096】
図18に示す外枠部51cは、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状の面に切欠き81を備えた保持受け部71cが設けられた構成である。このような保持受け部71cによれば、円筒形電池2を保持した際に切欠き81が放熱用の隙間として機能する。
【0097】
図19に示す外枠部51dは、段差状の保持受け部71dを備えた構成であり、この各段差の頂点を結んだ線が、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となっている。このような段差状の保持受け部71dによれば、円筒形電池2を保持した際に円筒形電池2の外周面と各段差との間にできる隙間が、放熱用の隙間として機能する。
【0098】
図20(a),(b)に示す外枠部51eは、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状の面に多数の空孔部69を備えた保持受け部71eが設けられた構成である。この保持受け部71eは、内側の半円弧状面と外側の半円弧状面とからなる2層構造であり、内側の半円弧状面が円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する形状となっており、内側の半円弧状面(保持受け部71e)と外側の半円弧状面との間に複数の通風路82が設けられている。円筒形電池2の外周面に当接する内側の半円弧状面には多数の空孔部69が設けられていることから、電池の充放電時に発生する熱がこれら空孔部69から通風路82を通じて放熱される。なお、空孔部69の数やその配列パターンは、電池の発熱量に応じて適宜自由に設定することができる。
【0099】
図21に示す外枠部51fは、櫛歯状の保持受け部71fが設けられた構成であり、各櫛歯の頂点を結んだ線が、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となっている。このような櫛歯状の保持受け部71fによれば、円筒形電池2を強固に保持しつつも、各櫛歯間の隙間が放熱用の隙間として機能する。なお、上記に図示した例はいずれも一方の外枠部の構成についてのみ説明を行ったが、これら各外枠部51a〜51fにそれぞれ対応する他方の外枠部ならびに内枠部の保持受け部を、外枠部51a〜51fの保持受け部71a〜71fと同様の形状とすることができる。
【0100】
また、図22に示すように、外枠部51hの保持受け部71hに、多数の突起71iを設けた構成としても良い。図22に示す外枠部51hにおいては、多数の突起71iの各頂部同士を結んだ線が円筒形電池2の外周面に対応した曲率半径と略一致する半円弧状となっていることから、この保持枠51hにて円筒形電池2を保持した際に、これら突起71iの高さ分だけ円筒形電池2の外周面と保持受け部71hとの間に隙間が生じることから、この隙間が充放電時に発生する熱の放熱用の隙間として機能する。なお、突起71hの形状は、図示した円形状に限らず、多種多用な形状とすることが可能である。
【0101】
図23に、保持枠50の別の構成を示す。図23の保持枠50は、円筒形電池2の外周面の半周以上に対応した曲率半径と略一致する形状の保持受け部74が設けられた一方の外枠部54と、円筒形電池2の外周面の半周以下に対応した曲率半径と略一致する形状の保持受け部75が設けられた他方の外枠部55とから構成されており、一方の外枠部54と他方の外枠部55とを結合した際に、互いに対向して結合された保持受け部74,75が円筒形電池2の外周面の全周に対応した曲率半径を有する円弧形状を形成する。外枠部54,55の結合は、外枠部54に設けられた係合凸部67を、外枠部55に設けられた係合凹部68に嵌め込むことによりなされる。このような構成によれば、保持受け部74に嵌め込まれた円筒形電池2が保持枠50の構成前に安定して保持されるので、保持枠50の結合工程において円筒形電池2が所定位置からずれないように固定する固定手段を別に設ける必要がなくなるので、工程の簡素化と低コスト化が図れる。なお、図23では外枠部54,55のみを用いた保持枠50の構成を示したが、これに限らず、一方側に円筒形電池2の外周面の半周以下に対応した曲率半径と略一致する形状の保持受け部を備え、他方側に円筒形電池2の外周面の半周以上に対応した曲率半径と略一致する形状の保持受け部を備えた内枠部を用いれば、所望の数の円筒形電池2を保持することができる保持枠50を用途に応じて自由に設定することが可能となる。また、これら外枠部54,55と内枠部との固着方法としては、図14に図示した連結体65による方法や、図15に図示した棒ねじ80による方法が可能である。
【0102】
図24〜図26に、保持枠50の更に別の例を示す。図24に示す外枠部56は、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径に略一致する円弧状部とこの円弧状部の両端部から円筒形電池2の略外形寸法まで延出した直線部とからなる保持受け部76が設けられた構成である。この外枠部56と結合して保持枠50を構成するもう一方の外枠部57は、図25(a)に示すような平板状のものである。このような形状の外枠部56,57を用いれば、一方の外枠部56にて円筒形電池2を保持することができるので、他方の外枠部57の構成を簡素化してコストの低減を図れることに加えて、作業性の向上にも繋がる効果が得られる。また、図25(b)に示すように、円筒形電池2の外周面の略半周に対応した曲率半径に略一致する円弧状部とこの円弧状部の両端部から円筒形電池2の略外形寸法まで延出した直線部とからなる保持受け部78が設けられた構成の内枠部58を用いれば、外枠部56,57と組み合わせて所望の数の円筒形電池2を保持することができる保持枠50を用途に応じて自由に設定することが可能となる。また、図26に示すように、外枠部56(内枠部58)の保持受け部76(78)の直線部に、円筒形電池2を保持するための固定部60を設けた構成とすると、この固定部60により円筒形電池を安定して保持することができ、保持枠50の結合工程時の作業性が向上する効果が得られる。なお、図24〜図26示した保持枠50の結合方法としては、図14に図示した連結体65による方法や、図15に図示した棒ねじ80による方法が可能であることに加えて、接着剤、熱溶着、熱溶接、超音波溶接、締まりバネ等による多種多様な方法が可能である。
【0103】
なお、図12〜図26の外枠部51,51a〜51h,52,54〜57、及び内枠部53,58に設けられたねじ孔64は、連結体65を用いて保持枠50を結合する際に固定ねじ39が螺合締結されるためのねじ孔であり、外枠部51,51a〜51h,52,54〜57に設けられた端子ねじ孔66は、端子ねじ34が螺合締結されるためのねじ孔である。また、外枠部51,51a〜51h,52,54〜57、及び内枠部53,58の各所に設けられたインナーナット取付穴70は、電池間接続板9同士を結合するボルト10が螺合締結されるためのものである。さらには、図23に示した外枠部54,55、ならびに図24〜図26に示した外枠部56および内枠部58の保持受け部74,75,76,78にあっても、図16〜図22に示したような各種形状の保持受け部51a〜51hと同様の形状とすることができる。
【0104】
なお、本実施の形態において説明した保持枠の素材としては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、金属材料、或いは、ポリエチレンテレフタレートを主原料にガラス繊維及びマイカ材を充填複合した熱可塑性ポリエステル系複合材料から選ばれる少なくとも一種を用いることも可能である。また、ゴム等の高分子材料からなる弾力性のある材料も素材として適用可能であるが、その際は1.5〜7.0MPa程度のヤング率を備えていることが望ましい。
【0105】
また、上記の説明では円筒形電池2を用いた構成を主として説明しているが、これに限らず、各種の角筒形電池を用いてその外形寸法に対応した形状の保持受け部を備えた保持枠にて電池モジュール1を構成しても良い。また、上記の説明では電池モジュール1内の電池2を直列に接続した例を示しているが、用途に応じて並列に接続することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
この発明の電池モジュールは、各単電池における保持枠で保持される両端部を除く外面が外部に露出されているので、格段に高い放熱効果を得ることができ、また、保持枠を、内枠部と2つの外枠部とに3分割された構成となっていることにより、大型の単電池であっても、これを保持枠の所定箇所に容易に組み込むことができ、しかも、保持枠は、内枠部と2つの外枠部が着脱自在に連結された構成を有しているから、容易に分解して消耗または劣化した単電池のみを取り替えることが可能である。また、本発明の電池モジュールの製造方法では、上述の顕著な効果を奏する電池モジュールを高い生産性で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電池モジュールの外観イメージを示す概略斜視図。
【図2】同上の電池モジュールにおける隣接する各2個の円筒形電池を相互に電気的接続するための電池間接続板を示す斜視図。
【図3】(a)は同上の電池間接続板を用いて隣接する2個の円筒形電池を互いに接続した電池間接続構造を示す斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿って切断した拡大断面図。
【図4】(a),(b)はそれぞれ同上の電池モジュールの構成に先立って予め実施される、円筒形電池への電池間接続板の取付形態を示す斜視図。
【図5】同上の電池モジュールにおける全ての円筒形電池の接続状態のみを示した正面図。
【図6】同上の電池モジュールの組立手順を説明するための概略分解正面図。
【図7】同上の電池モジュールにおける保持枠のみを電池モジュールの外方側から見た斜視図。
【図8】同上の保持枠を電池モジュールの内方側から見た斜視図。
【図9】同上の保持枠の一部破断した斜視図。
【図10】同上の電池モジュールの正面図。
【図11】同上の電池モジュールの平面図。
【図12】本発明の他の例における保持枠の構成を示す平面図。
【図13】(a)は同上の保持枠において内枠部を1つ用いた構成を示す平面図、(b)は内枠部を2つ用いた構成を示す平面図。
【図14】本発明の保持枠を結合する一例を示した図。
【図15】本発明の保持枠を結合する別の例を示した図。
【図16】多角状の保持受け部が設けられた外枠部の構成を示す平面図。
【図17】円弧部と直角部との組合せからなる保持受け部が設けられた外枠部の構成を示す平面図。
【図18】切欠きを有する保持受け部が設けられた外枠部の構成を示す平面図。
【図19】段差状の保持受け部が設けられた外枠部の構成を示す平面図。
【図20】空孔部と通風路を備えた保持受け部が設けられた外枠部の構成を示し、(a)は平面図、(b)は要部の拡大図。
【図21】櫛歯状の保持受け部が設けられた外枠部の構成を示す平面図。
【図22】多数の突起を保持受け部に備えた外枠部の構成を示す要部拡大図。
【図23】本発明の別の例における保持枠の構成を示す平面図。
【図24】本発明の更に別の例における外枠部の構成を示す平面図。
【図25】(a)は同上の外枠部と、平板状の外枠部とを用いた保持枠の構成を示す平面図、(b)は同上の外枠部と、平板状の外枠部と、保持受け部の両端部が単電池のほぼ外周寸法まで延出した形状の内枠部とを用いた保持枠の構成を示す平面図。
【図26】同上の外枠部および/または内枠部の保持受け部に、単電池を固定するための固定部を設けた構成を示す平面図。
【符号の説明】
【0108】
1 電池モジュール
2,2A,2B 円筒形電池
3 保持枠
4 内枠部
4a 保持受け部
4d 円筒形電池用固定孔
4e,4f ねじ孔
7 第1の外枠部
7a ねじ孔
7b 保持受け部
8 第2の外枠部
8a ねじ孔
8b 保持受け部
9 電池間接続板
11 溶接部
12 接続部
37 組立用基台
40 固定用ゴム栓(固定用栓部材)
41,42 ガイド支持部
50 保持枠
51,51a〜51g,52,52g,54〜57 外枠部
53,53g,58 内枠部
65 連結体
67 係合凸部
68 係合凹部
71〜78 保持受け部
d1,d2 段差
N 凹所




 

 


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