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発明の名称 マグネトロン及びそれを用いたマイクロ波応用装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5070(P2007−5070A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181961(P2005−181961)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 斉藤 悦扶
要約 課題
マグネトロンの陰極部を構成するフィラメントコイルの両端部における温度を均等にし、フィラメントコイルからの熱電子放出バランスを整え、雑音を抑制すること。

解決手段
第1のエンドハット23は、断面傘状に形成され中央部は芯部に挿入孔23aが形成された軸部23bと連続して径小軸部23cが下向きに突設され、この軸部23bの外周部に下向きすり鉢状の凹部23dが形成されており、挿入孔23aに第1の陰極端子導出用リード線15が挿入されると共に、フィラメントコイル12の一端が凹部23dに嵌合し接合されている。第1のエンドハット23は体積が第2のエンドハット14の体積と等しくなるように、軸部23bには、径小軸部23cがフィラメントコイル12の内径と接しない状態で軸部23bの下方に延長されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
螺旋状のフィラメントコイルと、前記フィラメントコイルの両端部に接合された第1のエンドハット,第2のエンドハットを介して前記フィラメントコイルを支持する第1の陰極端子導出用リード線,第2の陰極端子導出用リード線とを有する陰極構体を備え、前記第1のエンドハットの体積が第2のエンドハットの体積と同等になるように、前記第1のエンドハットは断面傘状に形成され、中央部に形成された軸部に前記フィラメントコイルの内径と接しない径小軸部が下向きに延長して突設され、前記軸部の外周部に下向きすり鉢状の凹部が形成されており、前記軸部及び径小軸部の挿入孔に前記第1の陰極端子導出用リード線が挿入されると共に、前記フィラメントコイルの一端が前記凹部に嵌合し接合されたことを特徴とするマグネトロン。
【請求項2】
前記第1のエンドハットの中央部に形成された軸部に延長して突設された径小軸部は複数のスリットが設けられ更に下方へ延長されたことを特徴とする請求項1記載のマグネトロン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマグネトロンを使用したことを特徴とするマイクロ波応用装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ及びマイクロ波応用装置などに用いられるマグネトロンの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロ波応用装置に用いられるマグネトロンは、通常、図5に示されるように、中心部には真空管部1があり、この真空管部1の外周に配設された複数枚の放熱用フィン2と、真空管部1と同軸に配設された一対の環状磁石3と、この環状磁石3を磁気的に継ぐ一対の枠状継鉄4と、フィルター回路部5とで構成されている。
【0003】
また、真空管部1は、円筒状の陽極筒体6と、陽極筒体6の中心軸上に配置された陰極構体7と、陽極筒体6の中心軸に対して放射状に陽極筒体6の内周面に配置された複数枚の陽極ベイン8と、これらを1枚おきに電気的に接続するための複数個の均圧環9と、一端がいずれか1枚の陽極ベイン8に接続されたマイクロ波放出用アンテナ10とを具備した構成となっている。
【0004】
陰極構体7は、陽極筒体6の一方の開口端縁に陽極筒体6と同軸心に接合されて真空管容器の一部を構成する金属管11と、陽極筒体6の中心軸部分に配置され、図6に示されるように、螺旋状のフィラメントコイル12と、両端部に接合された第1のエンドハット13,第2のエンドハット14を介してフィラメントコイル12を支持する第1の陰極端子導出用リード線15,第2の陰極端子導出用リード線16とを備え、金属管11の開口端縁に気密接合されると共に金属管11の環軸方向に沿って貫通した一対の貫通孔17を有したステム絶縁体18と、基端軸部が一対の貫通孔17に挿通される一対の外部端子19と、ステム絶縁体18のフィラメントコイル12側の端面に接合される一対の封着用金属板20とを備えている。
【0005】
第1のエンドハット13は、図6、図7に示されるように、断面傘状に形成され中央部には芯部に挿入孔13aが形成された軸部13bが下向きに突設され、この軸部13bの外周部に下向きすり鉢状の凹部13cが形成されており、軸部13bの挿入孔13aに第1の陰極端子導出用リード線15が挿入されると共に、フィラメントコイル12の一端が凹部13cに嵌合し接合されている。
【0006】
上記の各部品の内、フィラメントコイル12はトリウム・タングステン製、第1のエンドハット13,第2のエンドハット14及び第1の陰極端子導出用リード線15,第2の陰極端子導出用リード線16はモリブデン製、ステム絶縁体18はセラミックス製、外部端子19及び封着用金属板20は鋼板等の一般的な導電金属製である。
【0007】
かかる構成においてマグネトロンは、フィラメントコイル12を通電加熱し、フィラメントコイル12と陽極ベイン8の間に所定の直流高電圧を印加することにより、フィラメントコイル12から陽極ベイン8に向かって放出された電子が、陽極ベイン8とフィラメントコイル12の間の作用空間において直交する電磁界の作用を受け、フィラメントコイル12の周囲を旋回しながら周回し、陽極部の陽極ベイン8に向い、複数枚の陽極ベイン8によって分割、形成された空洞共振器に生じた微弱なマイクロ波と相互作用を起こすことにより、空洞共振器内に大なるマイクロ波を発生させ、マイクロ波放出用アンテナ10から外部へマイクロ波を放出する。
【0008】
上記の陰極構体7において、第1のエンドハット13,第2のエンドハット14は熱容量が大きく、動作時におけるフィラメントコイル12の温度は、中央部付近が最も高く、中央部から両端部の第1のエンドハット13及び第2のエンドハット14との接合部へ近づくほど低くなる。このフィラメントコイル12から放出される熱電子は、該フィラメントコイルの温度に依存することから、フィラメントコイルから発生する熱電子の密度は不均一になり、雑音成分を発生させる要因となっていた。
【0009】
そこで、第1のエンドハットの熱容量を従来のものに比べ小さくするために、第1のエンドハットの第1の陰極端子導出用リード線との接合部より外周に複数の穴を穿設することが提案された(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−283036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の構成によれば、第1のエンドハットの熱容量を小さくすることはできるものの、マグネトロンの雑音を低減するには不十分であった。
【0011】
一般に、第2のエンドハットは、第2の陰極端子導出用リード線と電気的及び機械的に接合することから、ステム絶縁体側の面を平坦にする必要があるため、第2のエンドハットはフィラメントコイルの他端に配設された第1のエンドハットより大きい体積に構成されている。そのため、フィラメントコイルの両端部で第1のエンドハット側と第2のエンドハット側との熱電子放出のバランスが崩れ、雑音成分を発生させているということが考えられる。
【0012】
したがって、上記従来の構成では、第1のエンドハットの熱容量を低減することで、フィラメントコイルの中心部から第1のエンドハット側での熱電子の密度差を小さくすることができるものの、フィラメントコイルの両端部において、第1のエンドハット13側と第2のエンドハット14側との熱電子密度の差は寧ろ拡大されてしまうことになり、雑音成分の低減効果が不十分となっていたと考えられる。
【0013】
本発明は、前記課題に鑑み、フィラメントコイルの両端部における温度をより均一にし雑音を抑制することのできるマグネトロンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のマグネトロンは、螺旋状のフィラメントコイルと、フィラメントコイルの両端部に接合された第1のエンドハット,第2のエンドハットを介してフィラメントコイルを支持する第1の陰極端子導出用リード線,第2の陰極端子導出用リード線とを有する陰極構体を備え、第1のエンドハットの体積が第2のエンドハットの体積と同等になるように、第1のエンドハットは断面傘状に形成され、中央部に形成された軸部にフィラメントコイルの内径と接しない径小軸部が下向きに延長して突設され、軸部の外周部に下向きすり鉢状の凹部が形成されており、軸部及び径小軸部の挿入孔に第1の陰極端子導出用リード線が挿入されると共に、フィラメントコイルの一端が凹部に嵌合し接合されて構成されている。
【0015】
かかる構成によれば、第1のエンドハットの体積を第2のエンドハットの体積に近づけることにより、第1のエンドハットと第2のエンドハットの熱容量を同等にすることができる。
【0016】
また、第1のエンドハットの中央部に形成された軸部に突設された径小軸部は複数のスリットが設けられ更に下方へ延長された構成を有する。
【0017】
かかる構成によれば、第1のエンドハットの重心をより下方へ位置させることができる。
【0018】
また、本発明のマイクロ波応用装置は、上記のいずれかに記載のマグネトロンを備えている。
【0019】
係る構成によれば、マグネトロンから発生するノイズが低くなることから、マイクロ波応用装置から発生するノイズも抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したように、本発明によれば、フィラメントコイルの両端部における温度をより均一にし、雑音を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるマグネトロンの縦断面図であり、図2は図1における陰極部の拡大断面図、図3、図4は要部拡大斜視図である。従来と同一構成要素については同一符号が付してある。
【0023】
図1において、従来と異なる構成要素は陰極構体27であり、特に第1のエンドハット23の構成が異なっている。マグネトロンを構成するその他の構成要素は従来のマグネトロンの構成と同一である。
【0024】
図1において、本実施の形態のマグネトロンは、中心部には真空管部1があり、この真空管部1の外周に配設された複数枚の放熱用フィン2と、真空管部1と同軸に配設された一対の環状磁石3と、この環状磁石3を磁気的に継ぐ一対の枠状継鉄4と、フィルター回路部5とで構成されている。
【0025】
また、真空管部1は、円筒状の陽極筒体6と、陽極筒体6の中心軸上に配置された陰極構体27と、陽極筒体6の中心軸に対して放射状に陽極筒体6の内周面に配置された複数枚の陽極ベイン8と、これらを1枚おきに電気的に接続するための複数個の均圧環9と、一端がいずれか1枚の陽極ベイン8に接続されたマイクロ波放出用アンテナ10とを具備した構成となっている。
【0026】
陰極構体27は、陽極筒体6の一方の開口端縁に陽極筒体6と同軸心に接合されて真空管容器の一部を構成する金属管11と、陽極筒体6の中心軸部分に配置され、図2に示されるように、螺旋状のフィラメントコイル12と、両端部に接合された第1のエンドハット23,第2のエンドハット14を介してフィラメントコイル12を支持する第1の陰極端子導出用リード線15,第2の陰極端子導出用リード線16とを備え、金属管11の開口端縁に気密接合されると共に金属管11の環軸方向に沿って貫通した一対の貫通孔17を有したステム絶縁体18と、基端軸部が一対の貫通孔17に挿通される一対の外部端子19と、ステム絶縁体18のフィラメントコイル12側の端面に接合される一対の封着用金属板20とを備えている。
【0027】
第1のエンドハット23は、図2、図3に示されるように、断面傘状に形成され中央部は芯部に挿入孔23aが形成された軸部23bと連続して径小軸部23cが下向きに突設され、この軸部23bの外周部に下向きすり鉢状の凹部23dが形成されており、挿入孔23aに第1の陰極端子導出用リード線15が挿入されると共に、フィラメントコイル12の一端が凹部23dに嵌合し接合されている。
【0028】
ここで、第1のエンドハット23は体積が第2のエンドハット14の体積と等しくなるように、軸部23bには、径小軸部23cがフィラメントコイル12の内径と接しない状態で軸部23bの下方に延長されている。
【0029】
このように構成することにより、第1のエンドハット23の体積と第2のエンドハット14の体積を等しくし、マグネトロンの動作時にフィラメントコイルの両端部における温度を等しくすることで、熱電子の密度差を小さくして、雑音の発生を抑制することができる。
【0030】
第1のエンドハット23の軸部23bに径小軸部23cを延長して設けた理由は、フィラメントコイル12全体としての温度のバランスを考慮し、フィラメントコイルの中央部から両端部の接合部までの距離を第1のエンドハット側と第2のエンドハット側で等しくなるようにするために、フィラメントコイルの内径と接しない径小軸部を延長したものであり、また、第1のエンドハット23の体積を第2のエンドハットの体積と等しくなるように増やす方法としては、傘状部の肉厚を増やす方法も考えられるが、年々マグネトロンの小型化の要望に伴い、第1の陰極端子導出用リード線が細く設計されるようになり、第1のエンドハット23は第1の陰極端子導出用リード線の先端に取り付けられているため、傘状部の肉厚を増やして重心が先端側へ移動すると、マイクロ波発振時の微小な振動により首振り現象が顕著に現れ雑音発生や発振効率の低下などの違った要因の一つとなるからである。
【0031】
上記の要因に鑑み、図4に示されるように、第1のエンドハット23の径小軸部23cにスリットを設けて更に下方へ延長することで、第1のエンドハットの重心をより下方へ位置させ、首振り現象の発生を抑えるのに好ましい。なお、径小軸部23cに設けたスリットは他の形状であってもよい。
【0032】
上記構成をすることにより、第1のエンドハット23と第2のエンドハットとの熱容量差を従来のものに比べ小さくすることができ、フィラメントコイル両端部の温度およびその温度が起因するフィラメントコイルの両端部から発生する熱電子の密度を均等にし、発振の安定性が向上するとともに雑音をより抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のマグネトロンはノイズ特性に優れるため、電子レンジや産業用用途に用いられるマイクロ波応用装置などに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1におけるマグネトロンの縦断面図
【図2】本発明の陰極部の断面図
【図3】本発明の要部拡大図
【図4】本発明の別の形態の要部拡大図
【図5】従来のマグネトロンの縦断面図
【図6】従来のマグネトロンの陰極部の断面図
【図7】従来のマグネトロンの要部拡大図
【符号の説明】
【0035】
1 真空管部
7 陰極構体
12 フィラメントコイル
14 第2のエンドハット
15 第1の陰極端子導出用リード線
16 第2の陰極端子導出用リード線
23 第1のエンドハット
23a 挿入孔
23b 軸部
23c 径小軸部
23d 凹部





 

 


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