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発明の名称 非水電解液二次電池の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5069(P2007−5069A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181944(P2005−181944)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 後藤 周作 / 峯谷 邦彦 / 稲葉 幸重 / 上田 敦史 / 八尾 剛史
要約 課題
リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離し得る活物質を含有する正極及び負極、セパレータからなる扁平型の捲回群と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池であって、放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することが困難であった。

解決手段
前記扁平型の捲回群と、非水電解液とを角型電池ケースに挿入し、密閉して組み立て、充電して仕上げる際、前記充電中または前記充電後の充電状態で、角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧する。
特許請求の範囲
【請求項1】
リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離し得る活物質を含有する正極及び負極、セパレータからなる扁平型の捲回群と、非水電解液とを角型電池ケースに挿入し、密閉して組み立て、充電して仕上げる角型非水電解液二次電池の製造方法であって、前記充電中または前記充電後の充電状態で、角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧し、さらに加圧後は、電池厚みが前記加圧時の電池厚みから復元することを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記加圧時の電池厚みが加圧前の電池厚みの95%以下になることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関し、さらに詳しくは角形の非水電解液二次電池の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型情報機器の小型軽量化、高性能化の急速な進展により、その駆動電源として、4V級の高い作動電圧を有し、高エネルギー密度化に適した非水電解液二次電池の開発・実用化が積極的に行われている。
【0003】
非水電解液二次電池の正極活物質としては、層状岩塩構造を有するLiCoO2、LiNiO2、スピネル構造を有するLiMn24等のリチウム含有遷移金属化合物が用いられており、負極活物質には、天然黒鉛、球状・繊維状の人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料が採用されている。
【0004】
高エネルギー密度化を実現するための有効な手段として、正極活物質の高密度充填化、高容量の負極活物質の採用、セパレータの薄型化の他、極板群構造や機構部品の最適化による取り組みがなされ、エネルギー密度の向上が遂げられている。
【0005】
例えば、正極活物質の高密度充填化においては、正極板中の結着剤や導電材の量を可能な限り少なくし、極板中の正極活物質量を多くしたり、また群構成前に行う極板圧延工程で、可能な限り高密度充填を行っている。
【0006】
しかし、角形電池においては、その形状のため圧力変形を受けやすく、電池内部で発生したガスや充電時極板の膨張などにより内圧が上昇すると、電池厚みが増加し、その結果エネルギー密度の低下を引き起こす恐れがあった。
【0007】
さらに、角形電池の扁平部は発生したガスの残存やその膨れのために、正負極板の未反応部分の出現による容量低下や、正負極板間距離の増加による、均一な反応の妨害そして充放電特性の低下が引き起こされた。
【0008】
このような課題を解決するために、例えば、外装ケースの幅広面中央部にそれぞれ外向膨出部を設け、電池作製後前記外向膨出部をそれぞれ電池の内側に押圧成型し、電池内圧上昇による圧力変形を防ぎ、電池特性の向上を図ることが提案されている。
【特許文献1】特開平4−106864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの取組みだけでは高容量で充放電特性や生産性に優れる非水電解液二次電池を提供することは困難であった。例えば正極活物質以外の結着剤や導電材を減らすと、極板作製や群構成工程で合剤の剥がれが生じたり、サイクル特性などの放電特性が低下するという問題が発生した。さらに、高密度充填化を狙うあまり極板圧延を過度に実施してしまい、極板に大きなダメージが与えられ、特に角形電池において群構成、成形工程で、あるいは充放電を繰り返している間に捲回群の曲線部分の頂点付近で極板が切れ、容量低下を引き起こす場合があった。
【0010】
また、特許文献1に代表されるように外装ケースに外向膨出部を設け、その部分を押圧成型した場合、外向膨出部の体積分だけ正負極活物質が充填できなくなり、結果的に容量
低下を引き起こす。さらに、組立方法も煩雑になり、生産性が低下してしまう。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するため、特許文献1のような特殊な外装ケースを使用しなくても、つまり一般的な角型電池ケースでも、充電中または充電後の充電状態で、角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧することで、正負極板間に残ったガスを極板間から取り除くことが可能とするものである。この作用により、正負極板の未反応部分をなくし、放電特性に優れた非水電解液二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の非水電解液二次電池の製造方法は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離し得る活物質を含有する正極及び負極、セパレータからなる扁平型の捲回群と、非水電解液とを角型電池ケースに挿入し、密閉して組み立て、充電して仕上げる角型非水電解液二次電池の製造方法であって、前記充電中または前記充電後の充電状態で、角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧し、さらに加圧後は、電池厚みが前記加圧時の電池厚みから復元することを特徴とするものである。
【0013】
また、前記加圧時の電池厚みが加圧前の電池厚みの95%以下になることが好ましい。
【0014】
このように電池の幅広面中央部を加圧前の厚みよりも薄くなるように、加圧することにより、正負極板間に残ったガスを極板間から取り除くことが可能となるため、正負極板の未反応部分がなくなり、放電特性に優れた非水電解液二次電池の製造方法を提供することができる。
【0015】
また、前記加圧工程を導入することで、一般的な角型電池ケースを使用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離し得る活物質を含有する正極及び負極、セパレータからなる扁平型の捲回群と、非水電解液とを角型電池ケースに挿入し、密閉して組み立て、充電して仕上げる角型非水電解液二次電池であって、前記充電中または前記充電後の充電状態で、角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧することで、一般的な角型電池ケースでも、放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
【0017】
また、正負極板間に残ったガスを極板間から取り除き、正負極板の未反応部分がなくなるため、その結果容量を増加させることもできる。
【0018】
さらに、前記加圧をすることで、正負極板間距離が接近し、電池の厚みも薄くすることが可能となり、また、発生ガスを電池系外に放出するために行っている、電池を密閉する前の充電工程を省くことも可能となり、生産性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のリチウム二次電池の形状としては、正極板、負極板及びセパレータからなる捲回された極板群が、扁平形である主に角形、扁平形の形状で、例えば図1に示す様な角型非水電解液電池である。この図1の斜視図(一部切り欠き図)を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1に示すように、正極板4と負極板6とがセパレータ5を介在して楕円状に捲回された極板群が、有底角型の電池ケース1に収容されているとともに、封口板2の内部端子に
電気的に接続されており、封口板2と電池ケース1とをレーザー溶接した後、封口板2に設けた注液孔から非水電解液を注液した後、注液栓をレーザーで封口している。
【0021】
この正極板4は、アルミニウム製の箔やラス加工やエッチング処理された箔からなる集電体3の片側または両面に正極活物質と結着剤及び導電剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することができる。そして、正極板4の厚みは130μm〜200μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0022】
正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1-x)2(0<x<1)、LiCrO2、αLiFeO2、LiVO2等が好ましい。
【0023】
結着剤としては、分散媒に混練分散できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共重合体として用いることができる。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体やポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョンが好ましい。
【0024】
導電剤としてはアセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維等を単独、或いは二種類以上の混合物が好ましく、また必要に応じて増粘剤を加えることができ、増粘剤としてはエチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどが好ましい。
【0025】
分散媒としては、結着剤が溶解可能な溶剤が適切で、有機系結着剤の場合は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系結着剤の場合は水または温水が好ましい。
【0026】
また、上記ペーストの混練分散時に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0027】
塗着乾燥は、特に限定されるものではなく、上記のように混練分散させたスラリー状合剤を、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーター等を用いて、容易に塗着することができ、自然乾燥に近い乾燥が好ましいが、生産性を考慮すると70℃〜200℃の温度で5時間〜10分間乾燥させるのが好ましい。
【0028】
圧延は、ロールプレス機によって所定の厚みになるまで、線圧1000〜2000kg/cmで数回圧延を行うか、線圧を変えて圧延するのが好ましい。
【0029】
また、負極板6は、集電体7の片側または両面に負極活物質と結着剤、必要に応じて導電剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することができる。そして、負極板の厚みは正極板と同様に140μm〜210μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0030】
この負極集電体7として用いる銅または銅合金は、特に限定されるものではなく、圧延
箔、電解箔などが挙げることができ、その形状も箔、孔開き箔、エキスパンド材、ラス材等であっても構わない。
【0031】
負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵、脱離し得る黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む材料、例えば天然黒鉛や球状・繊維状の人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料が好ましく、特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.3350〜0.3400nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することがより好ましい。
【0032】
結着剤、分散媒および必要に応じて加えることができる導電剤、増粘剤は正極と同様のものを使用することができる。
【0033】
セパレータ5としては、厚さ15μm〜30μmのポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの微多孔性ポリオレフイン系樹脂の単層やポリエチレン樹脂の両側にポリプロピレン樹脂を積層したものが好ましい。
【0034】
電池ケース1としては、上端が開口している有底の角型ケースであり、その材質は、耐圧強度の観点からマンガン、銅等の金属を微量含有するアルミニウム合金や安価なニッケルメッキを施した鋼鈑が好ましい。
【0035】
このようにして作製した正極板4と負極板6とをセパレータ5を介して絶縁されている状態で扁平状に巻回した極板群を乾燥した後、電池ケース1に収納するか、極板群を電池ケース1に収納した後、乾燥する。
【0036】
この乾燥条件としては、低湿度、高温の雰囲気であることが好ましいが、温度が高すぎるとセパレータに熱収縮が生じたり、微多孔が潰れたりして電池特性に悪影響を及ぼすので、具体的には露点が−30℃〜−80℃であり、温度が80〜120℃であることが好ましい。
【0037】
電解液としては、非水溶媒に電解質を溶解することにより調整される。前記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジメトキシプロパン、4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、スルホラン、3−メチル−スルホラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等を用いることができ、これらの非水溶媒は、単独或いは二種類以上の混合溶媒として、使用することができる。
【0038】
非水電解液に含まれる電解質としては、例えば、電子吸引性の強いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33等が挙げられる。これらの電解質は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み合わせて使用しても良い。これらの電解質は、前記非水溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好ましい。
【0039】
本発明の製造方法は、このようにして作製したリチウムイオン二次電池を充電状態にし、角型電池ケースの最大幅広面中央部の加圧を行う。
【0040】
ここでいう充電状態とは、非水電解液を注液した後、注液栓をレーザーで封口することによって作製したリチウムイオン二次電池を、定電流充電方式または定電流定電圧充電方式にて充電した状態であっても、定電流充電方式または定電流定電圧充電方式にて充電し、定電流方式で放電する充放電サイクルを少なくとも1回行い、再充電した状態であっても良い。
【0041】
その充電条件としては、特に限定されるものではなく、最大電流が0.5C(2時間率)以下であることが好ましい。
【0042】
また、電池の充電深度としては、特に限定されるものではないが、電池電圧を3.80V〜4.20Vにすることが好ましい。
【0043】
加圧の条件としては、角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧することが好ましい。これは、注液、封口によって作製したリチウムイオン二次電池を充電状態にした時、電解液の分解により発生したガスが対向する正負極板間に残るが、特に角型電池の最大幅広面中央部に相当するところに多く残るため、その部分を加圧することが好ましいためである。
【0044】
さらに、加圧時の電池厚みは加圧前の電池厚みの95%以下になることが好ましい。
【0045】
95%より大きい場合は、加圧の効果が不十分になり、発生したガスが十分に押し出されない。
【0046】
この結果として、一般的な角型電池ケースでも、正負極板間に残ったガスを極板間から取り除き、正負極板の未反応部分がなくなるため、放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができ、また、容量を増加させることも可能となる。
【0047】
さらに、発生ガスを電池系外に放出するために行っている、電池を密閉する前の充電工程を省くことも可能となり、生産性が向上する。
【実施例1】
【0048】
本発明を実施例と比較例を用いて詳細に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。
【0049】
(実施例1)
まず、正極板4は、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラックを2重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂を固形分で3重量部を加え、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として混練分散させてペーストを作製した。このペーストを、厚さ15μmの帯状のアルミニウム箔からなる集電体3に連続的に間欠塗着を行い乾燥し、線圧1000Kg/cmで3回圧延を行った。
【0050】
そして、アルミニウム製の正極リードをスポット溶接して取付け、さらに内部短絡を防止するためのポリプロピレン樹脂製絶縁テープを貼付することにより、幅寸法42mm、長さ300mm、厚さ0.145mmの正極板4を作製した。
【0051】
次に、負極板6は、負極活物質としてリチウムを吸蔵、放出可能な鱗片状黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレンブタジエンラバー(SBR)の水溶性デイスパージョンを固形分として1重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1重量部、溶剤として水を加え、混練分散させてペースト状合剤を作製した。このペーストを、厚さ10μmの帯状の銅箔からなる集電体7に連続的に間欠塗着を行い、110℃で30分間乾燥し、
線圧110Kg/cmで3回圧延を行った。
【0052】
そして、ニッケル製の負極リードをスポット溶接して取付け、さらに内部短絡を防止するためのポリプロピレン樹脂製絶縁テープを貼付することにより、幅寸法43mm、長さ400mm、厚さ0.142mmの負極板6を作製した。
【0053】
このようにして作製した正極板4と負極板6とが厚さ20μmのポリエチレン樹脂製の微多孔性セパレータ5を介して絶縁された状態で楕円状に捲回した電極群の長辺面から6.5MPaの圧力条件にて5秒間プレスすることにより扁平型の極板群を得た。
【0054】
この扁平状の極板群をマンガン、銅等の金属を微量含有する3000系のアルミニウム合金製で、肉厚0.25mmで、幅寸法6.3mm、長さ寸法34.0mm、総高50.0mmの形状にプレス成型により作製した有底角型の電池ケース1内に収納した。
【0055】
露点−30℃、温度90℃で2時間乾燥させることによって、カールフィシャー式水分計を用いた測定で、極板群の含有水分量を500ppmから70ppmに下げた。
【0056】
さらに、封口板2と電池ケース1とをレーザ溶接した後、封口板2に設けた注液孔より、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を2:1で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.0Mの濃度で溶解させた非水電解液を注液した後、注液栓をレーザで封口して、電池容量が1000mAhを設計値とする角型の本発明電池Aを作製した。
【0057】
このようにして作製した角型リチウムイオン二次電池を25℃の環境下、電流値0.2C(200mA)、終止電圧4.07Vの定電流充電にて充電し、次いで、図2および図3の模式図に示すように加圧を行った電池を本発明電池Aとした。
【0058】
図2において、電池8の最大幅広面9の中央部分を加圧治具11により、12の矢印で示す加圧方向から圧力120kgfで、加圧前の電池厚みの97%の厚みまで加圧した。図3に示す加圧部分10の範囲は、幅12mm、長さ40mmである。
【0059】
(実施例2)
作製した電池を充電後加圧する時、加圧前の電池厚みの95%の厚みまで加圧を行った以外は、実施例1と同じようにした電池を本発明電池Bとした。
【0060】
(実施例3)
作製した電池を充電後加圧する時、加圧前の電池厚みの93%の厚みまで加圧を行った以外は、実施例1と同じようにした電池を本発明電池Cとした。
【0061】
(比較例1)
作製した電池を充電後加圧しなかった以外は、実施例1と同じようにした電池Dを比較例とした。
【0062】
以上加圧処理の異なる4種類の電池A〜Dについて、電池容量と高効率放電特性の比較を行った。
【0063】
電池容量の評価は、25℃で充電電流1000mA、充電電圧4.2Vの定電流定電圧充電で終止電流100mAまで充電した後、放電電流200mA、放電終止電圧3.0Vまで放電し、その放電容量を用いた正極活物質量で除すことで評価した。また、高効率放電特性試験は、電池容量評価と同様の充電条件で充電し、25℃で放電電流2000mA
、放電終止電圧3.0Vまで放電し、その放電容量で評価した。
【0064】
各電池の電池容量と高効率放電の結果を表1に示す。すべて比較例電池Dを100としたときの値を示す。
【0065】
【表1】


【0066】
表1に示す通り、加圧処理した本発明電池A〜Cは比較例電池Dに比べて、電池容量、高効率放電特性ともに高い値を示し、特に加圧前の電池厚みの95%以下の厚みまで加圧処理した本発明電池B、Cはさらに高い値を示し、電池性能が改善されていることが確認された。
【0067】
これは、電解液の分解により発生したガスが対向する正負極板間に残るが、扁平型捲回群の挿入された角型電池ケースの最大幅広面中央部を加圧することで、正負極板間から発生したガスを取り除くことが可能となり、極板の未反応部分がなくなるためである。
【0068】
加圧時の電池厚みに関しては、加圧前の電池厚みの95%以下の厚みまで加圧することが好ましく、下限は加圧処理後電池にへこみ等の変形が生じない範囲内である。
【0069】
各電池の加圧前、加圧時および加圧後の電池厚みを表2に示す。加圧前の電池厚みを100とした時の値を示す。
【0070】
【表2】



【0071】
加圧後の電池厚みは加圧を開放した後であるため、加圧時の厚み以上、加圧前の厚み以下になる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、、一般的な角型電池ケースでも、放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができるため、ポータブル用電子機器等の電源として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のリチウム二次電池の斜視図
【図2】本発明の加圧工程を示す模式図
【図3】本発明の加圧部分を示す模式図
【符号の説明】
【0074】
1 電池外装ケース
2 封口板
3 正極集電体
4 正極板
5 セパレータ
6 負極板
7 負極集電体
8 電池
9 最大幅広面
10 加圧部分
11 加圧治具
12 加圧方向




 

 


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