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発明の名称 燃料の製造方法及び高温ガス炉用燃料
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−183150(P2007−183150A)
公開日 平成19年7月19日(2007.7.19)
出願番号 特願2006−1172(P2006−1172)
出願日 平成18年1月6日(2006.1.6)
代理人 【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
発明者 高橋 昌史
要約 課題
熱的機械的な強度に影響を与えることなく、燃料被覆粒子の充填率を高めて、被覆燃料粒子の燃料全体に対する体積割合を少なくとも45%以上とする。

解決手段
オーバーコート粒子から燃料コンパクト又はペブル球等の高温ガス炉用の燃料を製造する場合に、異なる2種類の直径を有する燃料核から被覆燃料粒子を形成する。異なる2種類の直径を有する燃料核の直径の比(d1:d2)を1:7以上とする。小さな直径の燃料核と大きな直径の燃料核の被覆層の厚みの比(t1:t2)をt1:t2=1:2.5以上とする。小さな直径の燃料核と大きな直径の燃料核のオーバーコート層の厚みの比(T1:T2)をT1:T2=1:6以上、直径の比(D1:D2)をD1:D2=1.6以上とする。小さな直径の燃料核と大きな直径の燃料核を備えたオーバーコート粒子の重量比を2.5〜3.5:1として、燃料に成型する。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料核に被覆層を被覆して形成された被覆燃料粒子の表面に黒鉛マトリックス材をコーティングしてオーバーコート層を形成してオーバーコート粒子とした後、前記オーバーコート粒子から燃料コンパクト又はペブル球等の高温ガス炉用の燃料を製造する方法において、異なる複数の種類の直径を有する前記燃料核から前記被覆燃料粒子を形成することを特徴とする燃料の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された燃料の製造方法であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、前記異なる2種類の直径を有する燃料核の直径の比(d1:d2)を、1:7以上とすることを特徴とする燃料の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された燃料の製造方法であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、前記異なる2種類の直径を有する燃料核に前記被覆層を被覆する際に、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚みと大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚みとの比を、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t1):大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t2)=1:2.5以上とすることを特徴とする燃料の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された燃料の製造方法であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、前記異なる2種類の直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子に前記オーバーコート層をコーティングする際に、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みと大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みとの比を、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T1):大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T2)=1:6以上とすることを特徴とする燃料の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された燃料の製造方法であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径との比を、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D1):大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D2)=1:6以上とすることを特徴とする燃料の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された燃料の製造方法であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、前記異なる2種類の直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子を前記燃料コンパクト又は前記ペブル球に成型する際に、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子との重量比を、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子=2.5:1〜3.5:1の範囲とすることを特徴とする燃料の製造方法。
【請求項7】
燃料核と前記燃料核に被覆された被覆層とを有する被覆燃料粒子の表面に黒鉛マトリックス材をコーティングしてオーバーコート層をコーティングして形成されたオーバーコート粒子から成る燃料コンパクト又はペブル球等の高温ガス炉用燃料において、前記燃料核は異なる複数の種類の直径を有することを特徴とする高温ガス炉用燃料。
【請求項8】
請求項7に記載された高温ガス炉用燃料であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、前記異なる2種類の直径を有する燃料核の直径の比(d1:d2)が、1:7以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料。
【請求項9】
請求項7又は請求項8のいずれかに記載された高温ガス炉用燃料であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚みと大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚みとの比が、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t1):大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t2)=1:2.5以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれかに記載された高温ガス炉用燃料であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みと大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みとの比が、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T1):大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T2)=1:6以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10のいずれかに記載された高温ガス炉用燃料であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径との比が、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D1):大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D2)=1:6以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料。
【請求項12】
請求項7乃至請求項11のいずれかに記載された高温ガス炉用燃料であって、前記燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子との重量比が、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子=2.5:1〜3.5:1の範囲であることを特徴とする高温ガス炉用燃料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温ガス炉等の原子炉において燃料として使用される燃料コンパクトやペブル球等の燃料、及び、その製造方法の改良に関し、特に、燃料コンパクトやペブル球中への被覆燃料粒子の充填率を向上することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高温ガス炉は、燃料を含む炉心構造を、熱容量が大きく高温健全性が良好な黒鉛から形成すると共に、冷却ガスとして高温下でも化学反応を起こさないヘリウムガス等の気体を用いているため、固有の安全性が高く、出口温度が非常に高いヘリウムガスを取り出すことができる原子炉であり、約900℃前後の高温熱を、発電はもちろんのこと水素製造や化学プラント等、幅広い分野において利用することを可能とするものである。
【0003】
(被覆燃料粒子)
この高温ガス炉の燃料としては、一般に、二酸化ウランやトリウム等をセラミックス状に焼結した直径約350μm〜650μmの燃料核の周囲に、第1層から第4層の計4層の被覆が施された直径約500μm〜1000μmの被覆燃料粒子が使用される。具体的には、次の4つの被覆である。
【0004】
即ち、一般にバッファ層と呼ばれる最も内側の第1層は、密度約1g/cm3の低密度熱分解炭素(PyC)から成る層で、ガス状の核分裂生成物(FP)のガスを溜めると共に、核燃料のスウェリングを吸収する機能を併せ持つ。次いで、この第1層の上に施される第2層は、一般に、密度約1.8g/cm3の高密度熱分解炭素から形成された内側熱分解炭素(PyC)層であり、ガス状の核分裂生成物(FP)の拡散の障壁となってガス状の核分裂生成物(FP)を保持する機能を有するものである。更に、炭化珪素(SiC)層と呼ばれる第3層は、密度約3.2g/cm3の炭化珪素から成り、主に固体状の核分裂生成物の拡散の障壁となって固体状の核分裂生成物を保持すると共に、被覆燃料粒子全体の主要な強度部材としての機能を有するものである。最も外側の第4層である外側熱分解炭素層は、第2層と同様、密度約1.8g/cm3の高密度熱分解炭素から成り、照射収縮により第3層である炭化珪素層に圧縮応力を発生させて照射下での被覆燃料粒子全体の強度を保持すると共にガス状の核分裂生成物(FP)を保持する機能を有するものである。
【0005】
このような被覆燃料粒子は、一般的には、次のような工程を経て製造される。即ち、まず、燃料核の生成であるが、具体的には、酸化ウランの粉末を硝酸に溶かして生成した硝酸ウラニル原液に、純水、増粘剤を添加して撹拌することにより滴下原液を生成する。この場合、増粘剤は、滴下された硝酸ウラニル原液の液滴が、落下中に自身の表面張力により真球状になるように添加される。この増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、アルカリ条件下で凝固する性質を有する樹脂、ポリエチレングリコール、メトローズ等を使用することができる。次いで、このようにして調整された滴下原液を、所定の温度に冷却して粘度を調整した後、細径の滴下ノズルを振動させることによりアンモニア水溶液中に滴下する。なお、この場合、液滴に、アンモニア水溶液表面に着水するまでの空間においてアンモニアガスを吹きかけ、液滴の表面をゲル化させることにより、着水時に液滴が変形するのを防止する。
【0006】
アンモニア水溶液中に滴下された原液は、アンモニア水溶液中で、硝酸ウラニルがアンモニアと充分に反応して重ウラン酸アンモニウムの粒子となる。この重ウラン酸アンモニウムの粒子を、大気中でばい焼して、三酸化ウラン粒子とした後、更に還元、焼結することにより、高密度のセラミックス状二酸化ウランから成る燃料核を得る。このようにして得られた燃料核の直径や真球度は、次の被覆工程における製造条件に非常に大きな影響を与えることから、燃料核は、篩により直径選別及び真球度選別を行った上で、被覆工程に送られる。
【0007】
次に、燃料核の被覆工程においては、燃料核を流動床に装荷し、被覆となるガスを熱分解させることにより第1層から順次、上述した被覆を施していく。この場合、具体的には、第1層の低密度炭素層については、アセチレン(C22)を約1400℃で熱分解して燃料核を被覆する。第2層、第4層の高密度の熱分解炭素層については、プロピレン(C36)を約1400度で熱分解して被覆を施していく。第3層である炭化珪素層は、メチルトリクロロシラン(CH3SiCl3)を約1600℃で熱分解して形成する。
【0008】
(燃料への加工)
このようにして製造された被覆燃料粒子は、更に、黒鉛粉末、粘結剤等から成る黒鉛マトリックス材を、被覆燃料粒子の表面にオーバーコートして、オーバーコート層を有するオーバーコート粒子とした上で、中空円筒形状又は円筒形状の燃料コンパクトの形態や、球状のペブル球の形態等に加工されて使用される(例えば、特許文献1等参照)。
【0009】
この場合、従来は、均一の直径の燃料核に均一の厚みの被覆層を被覆した被覆燃料粒子を使用し、これに同じく均一の厚みのオーバーコート層をコーティングして、均一の直径を有するオーバーコート粒子とし、この均一の直径を有するオーバーコート粒子を、プレス成型又はモールド成型等により圧縮して、燃料コンパクト又はペブル球等の形態に加工していた。
【0010】
しかし、この均一のサイズのオーバーコート層を有する被覆燃料粒子から形成された燃料コンパクト又はペブル球等の燃料においては、燃料全体に対する被覆燃料粒子が占める体積割合は35%程度しかなく、必ずしも充分な充填率であるとはいえなかった。これは、オーバーコート層の厚みを考慮すると、このオーバーコート層の体積が燃料全体に占める割合も、相対的には高かったためであると考えられる。
【0011】
この場合、オーバーコート層を薄層化等することにより、燃料全体における被覆燃料粒子の充填率を高めることも考えられるが、オーバーコート層には、プレス成型時等の圧力によって被覆燃料粒子が破損するのを防止する役割や、被覆燃料粒子間の介在として燃料コンパクトやペブル球内において被覆燃料粒子を均一に分散させて、焼結時に被覆燃料粒子が熱的機械的に破損するのを防止する役割をも有しているため、オーバーコート層を単純に薄層化すると、これらの機能が果たせなくなり、別の問題が生じる。
【特許文献1】特開2000−284084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、熱的機械的な強度に影響を与えることなく、燃料被覆粒子の充填率を高めて、被覆燃料粒子の燃料全体に対する体積割合を少なくとも45%以上とすることができる燃料の製造方法、及び、そのような高温ガス炉用燃料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、燃料核に被覆層を被覆して形成された被覆燃料粒子の表面に黒鉛マトリックス材をコーティングしてオーバーコート層を形成してオーバーコート粒子とした後、このオーバーコート粒子から燃料コンパクト又はペブル球等の高温ガス炉用の燃料を製造する方法において、異なる複数の種類の直径を有する燃料核から被覆燃料粒子を形成することを特徴とする燃料の製造方法を提供するものである。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、これらの異なる2種類の直径を有する燃料核の直径の比(d1:d2)を、1:7以上とすることを特徴とする燃料の製造方法を提供するものである。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、これらの異なる2種類の直径を有する燃料核に被覆層を被覆する際に、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚みと大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚みとの比を、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t1):大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t2)=1:2.5以上とすることを特徴とする燃料の製造方法を提供するものである。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、これらの異なる2種類の直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子にオーバーコート層をコーティングする際に、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みと大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みとの比を、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T1):大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T2)=1:6以上とすることを特徴とする燃料の製造方法を提供するものである。
【0017】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径との比を、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D1):大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D2)=1:6以上とすることを特徴とする燃料の製造方法を提供するものである。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、これらの異なる2種類の直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子を燃料コンパクト又はペブル球に成型する際に、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子との重量比を、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子=2.5:1〜3.5:1の範囲とすることを特徴とする燃料の製造方法を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の高温ガス炉用燃料をも提供するものである。具体的には、本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、燃料核と燃料核に被覆された被覆層とを有する被覆燃料粒子の表面に黒鉛マトリックス材をコーティングしてオーバーコート層をコーティングして形成されたオーバーコート粒子から成る燃料コンパクト又はペブル球等の高温ガス炉用燃料において、燃料核は異なる複数の種類の直径を有することを特徴とする高温ガス炉用燃料を提供するものである。
【0020】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第7の解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、これらの異なる2種類の直径を有する燃料核の直径の比(d1:d2)が、1:7以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料を提供するものである。
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第7又は第8のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚みと大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚みとの比が、小さな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t1):大きな直径を有する燃料核の被覆層の厚み(t2)=1:2.5以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料を提供するものである。
【0022】
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第7乃至第9のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みと大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みとの比が、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T1):大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T2)=1:6以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料を提供するものである。
【0023】
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第7乃至第10のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径との比が、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D1):大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D2)=1:6以上であることを特徴とする高温ガス炉用燃料を提供するものである。
【0024】
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第7乃至第11のいずれかの解決手段において、燃料核が異なる2種類の直径を有する場合において、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子と大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子との重量比が、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子=2.5:1〜3.5:1の範囲であることを特徴とする高温ガス炉用燃料を提供するものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、上記のように、異なる直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子を使用しているため、異なる直径の燃料核毎に充分な強度等を確保するのに必要な被覆層やオーバーコート層等の厚みや直径も異なり、それぞれ必要な厚みや直径の被覆層、オーバーコート層を備えた上で、大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子の間に、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子を配置させることにより、被覆燃料粒子の充填率を向上させることができ、燃料全体に対する被覆燃料粒子の体積割合を高めることができる実益がある。
【0026】
この場合において、本発明によれば、上記のように、燃料核の直径比や、小さな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子と大きな直径を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子との間で、燃料核の直径の大小に応じて、被覆層の厚みやオーバーコート層の厚み及び直径、また、混合重量比を、具体的に適切な比率に設定しているため、燃料全体に対する被覆燃料粒子の体積割合を45%以上に高めることができる実益がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための形態を詳細に説明すると、本発明の燃料コンパクト又はペブル球等の燃料は、被覆燃料粒子にオーバーコート層をコーティングして、オーバーコート粒子とした後、これらのオーバーコート粒子を圧縮成型して形成される。
【0028】
(1.燃料核)
この被覆燃料粒子は、燃料核と、この燃料核に被覆された被覆層とから成り、燃料核に被覆層を被覆して形成される。この場合、本発明においては、異なる複数の種類の、具体的には、下記の実施の形態では、異なる2種類の直径を有する燃料核から被覆燃料粒子を形成する。具体的には、異なる2種類の直径を有する燃料核の直径の比(d1:d2)を、1:7以上とする。即ち、小さな直径d1を有する燃料核と、この小さな直径d1を有する燃料核に対して7倍以上の直径を有する大きな直径d2の燃料核の2種類の燃料核を設定する。従って、本発明においては、大小2種類の異なる直径を有する燃料核が使用され、また、この燃料核の直径の大小に応じて、必要な被覆層の厚みや、オーバーコート層の厚みや直径を設定することができる。
【0029】
この場合、一般的な燃料核においては、通常約350μm〜650μmの直径に設定されるが、上記の1:7との比を確保するためには、本発明においては、小さな直径を有する燃料核の直径d1を、この一般的な燃料核の直径よりも小さく、大きな直径を有する燃料核の直径d2を、この一般的な燃料核の直径よりも大きく設定することにより、対応することができる。なお、燃料核の製造方法に特に限定はなく、一般的な外部ゲル化方法の他、内部ゲル化方法により製造することができる。また、燃料核の原料についても、二酸化ウランやトリウム等の高温ガス炉の燃料として使用される一般的な原料であれば、特に限定なく使用することができる。
【0030】
(2.被覆層)
次に、被覆層は、本発明においては、小さな直径d1を有する燃料核の被覆層の厚み(t1)と、大きな直径d2を有する燃料核の被覆層の厚み(t2)との比が、t1:t2=1:2.5以上となるように設定して、被覆する。即ち、大きな直径d2を有する燃料核ほど、被覆層の厚みも厚くなるように設定し、大きな直径d2を有する燃料核の被覆層の厚みt2を、小さな直径d1を有する燃料核の被覆層の厚みt1の2.5倍以上とする。これは、燃料核の直径の大小に応じて、ガス状の核分裂生成物(FP)の保持や強度の保持等の被覆層としての機能を確保するために必要な厚みも変化すると共に、被覆燃料粒子の直径に差を設けて、後述する最終的なオーバーコート粒子の直径にも差を設定するためである。従って、本発明においては、燃料核の直径の大きさに応じて、被覆層としての本来の機能も充分に確保することができる。
【0031】
この場合、被覆層の具体的な厚みについては、炉心設計等の観点から、上記条件を満足する範囲で、適宜調整することができる。なお、被覆層は、通常は、上述したように、内側から順に、低密度熱分解炭素層(第1層)、内側高密度熱分解炭素層(第2層)、炭化珪素(SiC)層(第3層)、外側高密度熱分解炭素層(第4層)の4層から成るが、ガス状の核分裂生成物(FP)の保持等の必要な機能を備えれば、その構成に特に限定はなく、必要に応じて適宜設定することができる。また、燃料核に、これらの被覆層を被覆する方法にも、特に限定はなく、流動床による一般的な方法、即ち、燃料核を流動床に装荷して、被覆となるガスを約1400℃等の高温で熱分解させることにより、順次被覆していくことができる。
【0032】
(3.オーバーコート層)
更に、このようにして形成された2種類の被覆燃料粒子の表面に、黒鉛マトリックス材をコーティングしてオーバーコート層を形成してオーバーコート粒子とする。この場合、本発明においては、小さな直径d1の燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T1)と大きな直径d2の燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚み(T2)との比を、T1:T2=1:6以上とする。即ち、大きな直径d2を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子ほど、オーバーコート層の厚みも厚くなるように設定し、大きな直径d2を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みT2を、小さな直径d1を有する燃料核を備えた被覆燃料粒子のオーバーコート層の厚みT1の6倍以上とする。これは、燃料核の直径の大小に応じて、熱的機械的強度の保持等のオーバーコート層としての機能を確保するために必要な厚みも変化すると共に、オーバーコート粒子の直径に差を設けるためである。従って、本発明においては、燃料核の直径や被覆燃料粒子の直径の大きさに応じて、オーバーコート層としての本来の機能も充分に確保することができる。
【0033】
この場合、オーバーコート層の具体的な厚みについても、核設計や熱機械的設計等の観点から、上記条件を満足する範囲で、適宜調整することができる。なお、オーバーコート層は、被覆燃料粒子を、黒鉛粉末や粘結剤等から成る黒鉛マトリックス材中に分散させることにより形成することができるが、その分散方法には、特に限定はなく、転動造粒法等の一般的な方法を使用することができる。
【0034】
以上の方法により、次のような直径比を有する2種類のオーバーコート粒子を形成する。具体的には、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径D1と大きな直径d2を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径D2との比を、D1:D2=1:6以上とする。即ち、大きな直径d2を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子ほど、その直径が大きくなるように設定し、大きな直径d2を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径D2を、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径D1の6倍以上とする。
【0035】
これは、燃料核の直径の大小に応じて、熱的機械的強度の保持等のオーバーコート層としての機能を確保するために必要な直径も変化すると共に、特に、1:6以上の直径比として、その直径差を大きく設定することにより、これらの2種類のオーバーコート粒子を燃料コンパクトやペブル球等の燃料の形態にする際に、大きな直径D2を有するオーバーコート粒子の間に、小さな直径D1を有するオーバーコート粒子が入り込んで、オーバーコート粒子を効率良く高い密度で充填することができるからである。従って、燃料全体に対する被覆燃料粒子の体積割合を向上させることができる。
【0036】
この場合、異なる直径を有するオーバーコート粒子を高密度で充填することのみに着目すれば、両者の直径差が大きい程、具体的には、単純に1:10程度とすることにより対応することもできる。しかし、一方で、被覆燃料粒子の各層は、上述したように機能上必要な役割を各々有している。このため、充填密度の向上のみに着目して、オーバーコート粒子の直径比にしか配慮をしなかった場合には、結果として、被覆燃料粒子の各層の役割を損うおそれがある。即ち、被覆燃料粒子の各層の機能を確保しつつ、オーバーコート粒子の適切な直径の比の範囲を定めることが必要であり、そのためには、種々の実験の結果、上記のD1:D2=1:6以上となる範囲とすることが必要であることが判明した。そして、この範囲内において燃料核の直径の比(d1:d2)、被覆層の厚みの比(t1:t2)、オーバーコート層の厚みの比(T1:T2)を上記の条件を満たすように設定すれば、被覆燃料粒子としての機能を損なうことなく、被覆燃料粒子の体積割合も向上させることができる。換言すれば、最終的なオーバーコート粒子の直径の比(D1:D2)が1:6以上となる範囲内であれば、上述した燃料核の直径の比(d1:d2)、被覆層の厚みの比(t1:t2)、オーバーコート層の厚みの比(T1:T2)の条件を満たすことも可能となるものである。
【0037】
(4.燃料への加工)
本発明においては、以上のようにして形成され大小2種類の直径を有するオーバーコート粒子から、燃料コンパクト又はペブル球等の燃料を形成する。具体的には、オーバーコート粒子を燃料コンパクトに成型するためには、まず、所定量のオーバーコート粒子を秤量する。この場合、本発明においては、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子と大きな直径d2を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子との重量比を、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子=2.5:1〜3.5:1の範囲とする。
【0038】
即ち、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子ほど、重量比も高くなるように設定し、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の重量をを、大きな直径d2を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子の重量に対して、2.5倍〜3.5倍に設定する。これは、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子ほど直径T1が小さいため、大きな直径T2のオーバーコート粒子の間に入り込んだり、相互に間隙なく高密度で充填することができ、充填率が高まるためである。
【0039】
上記重量比で大小2種類のオーバーコート粒子をプレス金型に装荷した後は、プレス金型を振動させることによって、オーバーコート粒子間の間隔をならし、充填率を高めた上で、温間加圧成型して、所望の形状とすることができる。その後は、通常の燃料コンパクトの製造と同様に、予備焼成により、フェノール樹脂を蒸発、炭化させた後、焼成して燃料コンパクトとすることができる。
【0040】
また、オーバーコート粒子をペブル球に成型する場合も、オーバーコート粒子を秤量して、小さな直径d1を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子と大きな直径d2を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子との重量比が、小さな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径を有する燃料核を備えたオーバーコート粒子=2.5:1〜3.5:1の範囲となるように調整する。
【0041】
その後は、同様に、上記重量比で大小2種類のオーバーコート粒子をモールドに装荷して、モールドを振動させることによって、オーバーコート粒子間の間隔をならし、充填率を高めた上で、仮成型して一次球とする。次いで、黒鉛を更に外側に配して二次成型してペブル球に成型する。その後の熱処理は、燃料コンパクトの場合と同様に、予備焼成により、フェノール樹脂を蒸発、炭化させた後、焼成してペブル球とすることができる。
【実施例】
【0042】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。まず、外部ゲル化方法により直径200μmと、直径2000μmの2種類の燃料核を形成した。この場合、燃料核の直径比は、d1:d2=1:10として、本発明の範囲内とした。
【0043】
次いで、小さな直径(d1=200μm)の燃料核に、内側から順に、低密度熱分解炭素層(第1層)を40μm、内側高密度熱分解炭素層(第2層)を20μm、炭化珪素(SiC)層(第3層)を25μm、外側高密度熱分解炭素層(第4層)を20μm、被覆して被覆層を形成した。この場合の被覆層の厚み(t1)は約105μmであり、被覆燃料粒子の直径は約410μmであった。
【0044】
一方、大きな直径(d2=2000μm)の燃料核に、内側から順に、低密度熱分解炭素層(第1層)を150μm、内側高密度熱分解炭素層(第2層)を40μm、炭化珪素(SiC)層(第3層)を50μm、外側高密度熱分解炭素層(第4層)を40μm、被覆して被覆層を形成した。この場合の被覆層の厚み(t2)は約280μmであり、被覆燃料粒子の直径は約2560μmであった。
【0045】
即ち、上記の実施例においては、2種類の燃料核の被覆層の厚みの比を、t1:t2=約105:280=約1:2.7として、本発明の範囲内で設定した。なお、被覆燃料粒子の直径比は、約1:6.3であった。
【0046】
その後、これらの2種類の被覆燃料粒子に、転動造粒方にてオーバーコート層をコーティングしてオーバーコート粒子とした。この場合、小さな直径(d1=200μm)の燃料核を備えた被覆燃料粒子に対しては厚み(T1)を50μm、大きな直径(d2=2000μm)の燃料核を備えた被覆燃料粒子に対しては厚み(T2)を300μmとして、オーバーコート層をコートティングした。即ち、オーバーコート層の厚みの比を、本発明の範囲内であるT1:T2=1:6に設定した。
とした。
【0047】
また、この場合、最終的なオーバーコート粒子の直径は、小さな直径(d1=200μm)の燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D1)が510μm、大きな直径(d2=2000μm)の燃料核を備えたオーバーコート粒子の直径(D2)が3160μmであり、D1:D2=約1:6.2であり、本発明の範囲内とした。
【0048】
以上の2種類のオーバーコート粒子を、本発明の範囲内で両者の重量比が、小さな直径(d1=200μm)の燃料核を備えたオーバーコート粒子:大きな直径(d2=2000μm)の燃料核を備えたオーバーコート粒子=3.1となるように秤量し、これらをプレス金型中に装荷して、プレス金型中で約60秒間振動させた後、約110℃で温間プレス成型した。コンパクト形状に成型後、不活性雰囲気中で約2時間、800℃で予備焼成した後、真空中で約1時間1800℃で焼成処理をして、燃料コンパクトを得た。
【0049】
この燃料コンパクトは、寸法や外観に問題がなく、また、被覆燃料粒子の充填率には、体積割合で50%であった。従って、本発明によれば、熱的機械的な強度に影響を与えることなく、燃料被覆粒子の充填率を高めて、被覆燃料粒子の燃料全体に対する体積割合を少なくとも45%以上とすることができることが実証された。
【0050】
なお、一方で、比較例として、オーバーコート粒子の直径の比(D1:D2)を、D1:D2=約1:5.6とした比較例では、被覆燃料粒子の燃料全体に対する体積割合として、40%程度しか確保することができず、目標値である45%以上とするためには、本発明の範囲内であるD1:D2=1:6以上とすることが必要であることが裏付けられた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、オーバーコートされた被覆燃料粒子を、燃料コンパクトやペブル球等の種々の形態の高温ガス炉用燃料に加工することに適用することができる。




 

 


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