米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 原子燃料工業株式会社

発明の名称 被覆燃料粒子のオーバコート方法とオーバコート装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−101429(P2007−101429A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−293203(P2005−293203)
出願日 平成17年10月6日(2005.10.6)
代理人 【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
発明者 大久保 和俊
要約 課題
オーバコート被覆燃料粒子をつくるときに粒径の均一化・粒径の高精度化・コーティング速度の高速化・低コスト・量産性などをはかることのできるオーバコート方法とオーバコート装置を提供する。

解決手段
内部空間の一部に被覆燃料粒子Aを堆積状態で収容したコーティング容器31を回転させてその被覆燃料粒子を攪拌するための攪拌ステップと、オーバコート用の黒鉛マトリックス材をコーティング容器31内の被覆燃料粒子Aに供給してそれぞれの粒子表面に黒鉛マトリックス材によるオーバコート層bを形成するための被覆ステップとを同期ステップとして備え、被覆ステップにおいて黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給する。
特許請求の範囲
【請求項1】
内部空間の一部に被覆燃料粒子を堆積状態で収容したコーティング容器を回転させてその被覆燃料粒子を攪拌するための攪拌ステップと、オーバコート用の黒鉛マトリックス材をコーティング容器内の被覆燃料粒子に供給してそれぞれの粒子表面に黒鉛マトリックス材によるオーバコート層を形成するための被覆ステップとを同期ステップとして備え、被覆ステップにおいて黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給することを特徴とする被覆燃料粒子のオーバコート方法。
【請求項2】
黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層内の複数箇所から供給する請求項1に記載の被覆燃料粒子のオーバコート方法。
【請求項3】
黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の上部からも供給する請求項1または2に記載の被覆燃料粒子のオーバコート方法。
【請求項4】
内部空間の一部に被覆燃料粒子を堆積状態で収容したコーティング容器を回転させてその被覆燃料粒子を攪拌するための攪拌ステップと、粒子湿潤液をコーティング容器内の被覆燃料粒子に供給してそれぞれの粒子表面をその湿潤液で湿潤させるための湿潤ステップと、オーバコート用の黒鉛マトリックス材をコーティング容器内の被覆燃料粒子に供給してそれぞれの粒子表面に黒鉛マトリックス材によるオーバコート層を形成するための被覆ステップとを同期ステップとして備え、湿潤ステップにおいて粒子湿潤液を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給するとともに被覆ステップにおいて黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給することを特徴とする被覆燃料粒子のオーバコート方法。
【請求項5】
粒子湿潤液と黒鉛マトリックス材とのうちの一つ以上を被覆燃料粒子堆積層内の複数箇所から供給する請求項4に記載の被覆燃料粒子のオーバコート方法。
【請求項6】
粒子湿潤液と黒鉛マトリックス材とのうちの一つ以上を被覆燃料粒子堆積層の上部からも供給する請求項4または5に記載の被覆燃料粒子のオーバコート方法。
【請求項7】
被覆燃料粒子を収容するための粒子堆積空間を内部に有するコーティング容器と、コーティング容器を回転させるための駆動手段と、コーティング容器の粒子堆積空間内に配置された黒鉛マトリックス材噴射用のノズルとを備えていることを特徴とする被覆燃料粒子のオーバコート装置。
【請求項8】
被覆燃料粒子を収容するための粒子堆積空間を内部に有するコーティング容器と、コーティング容器を回転させるための駆動手段と、コーティング容器の粒子堆積空間内に配置された粒子湿潤液噴射用のノズルと、コーティング容器の粒子堆積空間内に配置された黒鉛マトリックス材噴射用のノズルとを備えていることを特徴とする被覆燃料粒子のオーバコート装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は被覆燃料粒子をオーバコートするのに適した技術に関し、より詳しくは高品質オーバコート被覆燃料粒子を合理的に生産するためのオーバコート方法とオーバコート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高温ガス炉については周知のとおり、熱容量が大きくて高温健全性の良好な黒鉛で炉心構造(燃料を含む)を構成し、高温下でも化学反応の起こらない不活性ガスたとえばHeガスを冷却ガスとして用いている。こうすることで固有の安全性が高くなり、高い出口温度のHeガスも取り出すことができるようになる。この高温ガス炉から得られる約900℃の高熱は、発電をはじめ、水素製造・化学プラント・その他を含む幅広い分野での熱利用を可能にするものである。
【0003】
高温ガス炉の燃料については、下記の特許文献1〜2や非特許文献1などを参照してつぎのことがいえる。直径500〜1000μmの被覆燃料粒子は、核燃料物質の酸化物からなる燃料核(直径350〜650μm)の外周面に4層の被覆が施されたものである。被覆燃料粒子の被覆層で、低密度炭素からなる第1被覆層は、ガス状の核分裂生成物FPを溜めるためのガス溜め機能と燃料核スウェリングを吸収するためのバッファ機能とを併せもつものである。高密度炭素からなる第2被覆層にはガス状FPの保持機能があり、炭化珪素SiCからなる第3被覆層には固体状FPの保持機能がある。第2被覆層と同様の高密度炭素からなる第4被覆層には、固体状FPの保持機能があるほか第3被覆層に対する保護機能もある。これら以外に関しては、被覆燃料粒子を黒鉛粉末と混ぜ合わせて一定の形状に焼結したものが燃料コンパクトとなり、一定数量の燃料コンパクトを黒鉛筒に入れて封じたものが燃料棒となる。最終的には、所定数の燃料棒を黒鉛ブロックの各挿入口に装填したものが高温ガス炉の燃料となる。
【0004】
高温ガス炉の燃料は以下のようにして製造するのが一般である。燃料核をつくる初期のステップでは、硝酸ウラニル原液をアンモニア溶液中に滴下して重ウラン酸アンモニウム粒子を形成し、当該粒子を乾燥した後、酸化・還元・焼結する。燃料核を第1被覆層〜第4被覆層で被覆して被覆燃料粒子をつくるときは、燃料核を高温流動床に導入しCVD法を実施することで各層を形成する。燃料コンパクトをつくるときは、被覆燃料粒子を黒鉛マトリックス材によりコーティングしてオーバコート被覆燃料粒子(単に被覆燃料粒子とかオーバコート粒子とかいうこともある)とした後、そのオーバコート粒子を成形かつ焼結する。燃料棒をつくるステップでは、燃料コンパクトを黒鉛筒に封入すればよい。こうして得られた燃料棒を黒鉛ブロックの各挿入口に装填することで高温ガス炉の燃料ができあがる。
【0005】
高温ガス炉に用いられる既成の燃料において、被覆燃料粒子は直径が500〜1000μmであり、これを黒鉛マトリックス材でコーティングしたオーバコート粒子の場合は直径が1000〜2000μmである。したがって被覆燃料粒子の外周面には厚さ100〜500μmもの黒鉛マトリックス材が介在する。このオーバコート粒子を燃料コンパクト中に均一分散させるためには、オーバコート粒子の直径(外径)を高精度に仕上げておくことが重要で、そうでない場合は、粒子の分散不均一に起因して燃料が低品質のものになる。さらに敷衍すると、オーバコート精度の高い被覆燃料粒子が歩留まりよく高速生産できるときには、最終の燃料製品なども高精度で廉価なものになる。
【0006】
このような技術事項を考慮に入れた粒子製造手段として、外径の均一化をはかりながらオーバコート粒子を製造するという転動造粒技術がある。この転動造粒技術は周知のとおり、被覆燃料粒子入りのパン(皿形のコーティング容器)を回転させながら粒子表面を黒鉛マトリックス材でコーティングするという方法である。より具体的には、コーティング容器内にオーバコート前の被覆燃料粒子を所定量入れた後、ノズルを介して黒鉛マトリックス材(結合剤を含む)を噴霧しつつ被覆燃料粒子を容器回転により転動・回転させてその粒子表面に黒鉛マトリックス材によるオーバコート層を形成する。この場合に単一であるところのノズルは、コーティング容器内の被覆燃料粒子に対して黒鉛マトリックス材をスポット供給することとなる。オーバコート層の形成に際しては、また、被覆燃料粒子の表面をアルコールなどの粒子湿潤液で湿潤させて黒鉛マトリックス材の付着性をよくすることも行われている。
【特許文献1】特開平06−265669号公報
【特許文献2】特開平07−218674号公報
【非特許文献1】原子力百科事典 ATMICA[平成16年12月 7日インターネット検索]<URL:http://www-atm.jst.go.jp/atomica/03030301_1.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したオーバコート方法にはつぎのような難点がある。
(1) コーティング容器内で広がりをみせる多量の被覆燃料粒子に対して、その上方空間から黒鉛マトリックス材を単にスポット供給するだけだから、それが容器内各所の被覆燃料粒子に十分いきわたらず、被覆燃料粒子相互でオーバコート層の厚さが不均一になりがちとなる。より具体的には、被覆燃料粒子堆積層の上層域に黒鉛マトリックス材が在しがちでそれが被覆燃料粒子堆積層の中層域や下層域にまで行きわたらない。したがって粒子外径の均一なオーバコート被覆燃料粒子を高歩留まりで得ることができない。
(2) 被覆燃料粒子は黒鉛マトリックス材よりも比重が大きい。それゆえオーバコート中の被覆燃料粒子は、黒鉛マトリックス材の付着量が増してコーティング膜厚が大きくなるにしたがい比重が小さくなる。別の観点からいうと、コーティング容器内の被覆燃料粒子堆積層では比重差による分級現象が生じ、「コーティング膜厚大(比重小)」のものが上層側にあって、「コーティング膜厚小(比重大)」のものが下層側という傾向を示す。このような状況下では、被覆燃料粒子堆積層の上層域にある被覆燃料粒子に集中して黒鉛マトリックス材が付着する。したがってこの点でも、オーバコート被覆燃料粒子の外径不均一が起こりがちとなる。
(3) 上記の課題を解決するために黒鉛マトリックス材の単位時間あたりの供給量を増やすとしても、材料拡散しないスポット供給ノズルでコーティング容器内の上方空間から黒鉛マトリックス材を供給するだけでは、容器内各所における黒鉛マトリックス材の偏在ないしは局所的な過不足がさらに助長される。したがって黒鉛マトリックス材の供給量や供給速度を単に高めるだけの措置では、オーバコート層のバラツキや不均一を解消することができず、かえって不具合が増す。
(4) 被覆燃料粒子表面を湿潤させるための粒子湿潤液も、黒鉛マトリックス材と同様の理由で各被覆燃料粒子に均等供給できないため、目的とする湿潤性を高めたりそれに依存して黒鉛マトリックス材の付着性をよくしたりすることが困難になる。
(5) 黒鉛マトリックス材・粒子湿潤液などの供給量や供給速度が多量の被覆燃料粒子に見合うものでなく、被膜の成長速度も遅いので、所定の厚さでオーバコートされた被覆燃料粒子を得るまでに多くの時間を費やす。それが量産する上でのネックになるので、オーバコート被覆燃料粒子について高い生産性を期待することができない。
(6) 良品の歩留まりが低く生産性も低いので、これらのコストプッシュ要因がオーバコート被覆燃料粒子のコストを跳ね上げる。その影響が最終燃料製品にも及ぶので高温ガス炉用燃料のコストダウンがはかりがたい。
【0008】
本発明はこのような技術上の課題に鑑み、オーバコート被覆燃料粒子をつくるときに粒径の均一化・粒径の高精度化・コーティング速度の高速化・低コスト・量産性などをはかることのできるオーバコート方法とオーバコート装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る被覆燃料粒子のオーバコート方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項1に記載されたオーバコート方法は、内部空間の一部に被覆燃料粒子を堆積状態で収容したコーティング容器を回転させてその被覆燃料粒子を攪拌するための攪拌ステップと、オーバコート用の黒鉛マトリックス材をコーティング容器内の被覆燃料粒子に供給してそれぞれの粒子表面に黒鉛マトリックス材によるオーバコート層を形成するための被覆ステップとを同期ステップとして備え、被覆ステップにおいて黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る被覆燃料粒子のオーバコート方法は、請求項1に記載された方法において、黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層内の複数箇所から供給することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る被覆燃料粒子のオーバコート方法は、請求項1または2に記載された方法において、黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の上部からも供給することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る被覆燃料粒子のオーバコート方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項4に記載されたオーバコート方法は、内部空間の一部に被覆燃料粒子を堆積状態で収容したコーティング容器を回転させてその被覆燃料粒子を攪拌するための攪拌ステップと、粒子湿潤液をコーティング容器内の被覆燃料粒子に供給してそれぞれの粒子表面をその湿潤液で湿潤させるための湿潤ステップと、オーバコート用の黒鉛マトリックス材をコーティング容器内の被覆燃料粒子に供給してそれぞれの粒子表面に黒鉛マトリックス材によるオーバコート層を形成するための被覆ステップとを同期ステップとして備え、湿潤ステップにおいて粒子湿潤液を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給するとともに被覆ステップにおいて黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層の内部から供給することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に係る被覆燃料粒子のオーバコート装置は、請求項4に記載された方法において、粒子湿潤液と黒鉛マトリックス材とのうちの一つ以上を被覆燃料粒子堆積層内の複数箇所から供給することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に係る被覆燃料粒子のオーバコート装置は、請求項4または5に記載された方法において、粒子湿潤液と黒鉛マトリックス材とのうちの一つ以上を被覆燃料粒子堆積層の上部からも供給することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項7に係る被覆燃料粒子のオーバコート装置は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項7に記載されたオーバコート装置は、被覆燃料粒子を収容するための粒子堆積空間を内部に有するコーティング容器と、コーティング容器を回転させるための駆動手段と、コーティング容器の粒子堆積空間内に配置された黒鉛マトリックス材噴射用のノズルとを備えていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8に係る被覆燃料粒子のオーバコート装置は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項8に記載されたオーバコート装置は、被覆燃料粒子を収容するための粒子堆積空間を内部に有するコーティング容器と、コーティング容器を回転させるための駆動手段と、コーティング容器の粒子堆積空間内に配置された粒子湿潤液噴射用のノズルと、コーティング容器の粒子堆積空間内に配置された黒鉛マトリックス材噴射用のノズルとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る被覆燃料粒子のオーバコート方法はつぎのような効果を有する。
(1) コーティング容器内で被覆燃料粒子堆積層の内部から供給される黒鉛マトリックス材は、被覆燃料粒子堆積層の中層域や下層域にある被覆燃料粒子に付着しながらこれらを被覆する。これでオーバコート用の被膜を成長させていく被覆燃料粒子は、その被膜成長量が増すにしたがい比重を小さくしていき、未コーティングやコーティング不十分の被覆燃料粒子に比べて比重が小さくなる。被覆燃料粒子をこうして攪拌かつ被覆するときは、被膜生長量の多寡による比重差で被覆燃料粒子が上下に入れ替わる。すなわち、相対的に比重の小さい粒子(被膜生長量の多い粒子)が被覆燃料粒子堆積層の中層域や下層域から上層域へ移動し、相対的に比重の大きい粒子(未被覆や被膜生長量の少ない粒子)が被覆燃料粒子堆積層の上層域から中層域や下層域へ移動するという粒子挙動が生じる。しかも同期した二つのステップ(攪拌ステップと被覆ステップ)を実施中、かかる粒子挙動が定常的に生じるのであるから、各被覆燃料粒子は絶え間なく上下に入れ替わりながら被膜をほぼ均等に成長させていく。ゆえに各被覆燃料粒子は、コーティング容器内においてほぼ均等にオーバコートされる。その結果、各被覆燃料粒子のオーバコート層が均一かつ高精度に仕上がり、粒子外径の均一なオーバコート被覆燃料粒子が高歩留まりで得られるようになる。
(2) 黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子堆積層内から供給するときは、上述した被覆燃料粒子の上下入れ替わりがあるから、黒鉛マトリックス材の単位時間あたりの供給量を増やしてもオーバコート被覆燃料粒子の粒径バラツキが生じがたい。したがって黒鉛マトリックス材の当該供給量を増やした場合、高速被覆を実現する上での材料高速供給に支障がともないがたい。
(3) 黒鉛マトリックス材の高速内部供給により被膜の成長速度を速くすることができるから、所定厚さのオーバコート層を有する被覆燃料粒子が短時間で得られる。ゆえにオーバコート被覆燃料粒子をコーティング速度の高速化で量産して高い生産性を獲得することができる。
(4) コーティング容器内で被覆燃料粒子堆積層の内部から粒子湿潤液を供給するときも上記と同様、各被覆燃料粒子は粒子湿潤液でほぼ均等に湿潤される。この均等湿潤によって被覆燃料粒子への均等なオーバコートがより確実になる。
(5) 黒鉛マトリックス材や粒子湿潤液を被覆燃料粒子堆積層内の複数箇所から供給したり被覆燃料粒子堆積層の上部から供給したりするなど、これらの手段を講じることで、品質の優れたオーバコート被覆燃料粒子を高生産することができる。
(6) 良品の歩留まりが高く生産性も高いので、これに基づきオーバコート被覆燃料粒子のコストダウンをはかることができる。
【0018】
本発明に係る被覆燃料粒子のオーバコート装置はつぎのような効果を有する。
(7) 黒鉛マトリックス材噴射用や粒子湿潤液噴射用のノズルを主体にした改良装置であるから、設備面や運転面での負担が既成の装置とほとんど変わらない。その一方で、当該装置を用いて本発明方法を実施した場合には既述の効果が得られる。したがって被覆燃料粒子をオーバコートするための手段として有用かつ有益な装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るオーバコート装置については、はじめ図1の第一実施形態を説明し、つぎに図2の第二実施形態を説明し、それから図3の第三実施形態を説明する。
【0020】
図1に例示されたオーバコート装置おいて、11は基台、21は駆動手段、31はコーティング容器、41は材料供給系、51は湿潤液供給系をそれぞれ示す。
【0021】
図1の基台11上には支持スタンド12を介して駆動手段21が装備されている。この場合の基台11や支持スタンド12は金属・合成樹脂・その複合材などのうちで機械的特性の優れた任意の材料からなる。駆動手段21は電動機(モータ)または電動機と回転伝動機構とからなり、その電動機の回転を受ける出力軸22を備えている。図1において支持スタンド12により支持された駆動手段21の出力軸22は20〜50゜の傾斜角度、より具体的には、35゜程度の傾斜角度で傾斜している。
【0022】
図1に例示されたコーティング容器31はパンと称される皿形のものである。これは底壁32と周壁33とで形成されていて上面が開放されている。コーティング容器31は、また、底壁32の外面中央より突出する軸34を備えているものである。コーティング容器31も金属・合成樹脂・その複合材などのうちで機械的特性の優れた任意の材料からなる。その代表的一例としてコーティング容器31は各部が金属からなる。図1のコーティング容器31は、その底壁32にある軸34が周知のカップリング23で出力軸22と連結される。それでコーティング容器31は図示のように傾斜している。この傾斜姿勢でのコーティング容器31では、容器内の下部側が粒子堆積空間35となる。
【0023】
図1に例示された材料供給系41は、先端にノズル43を有する供給管42とこれに関連する部材や機器などを主体にして構成されている。この場合の供給管42やノズル43も、金属・合成樹脂・その複合材などのうちで機械的特性の優れた任意の材料からなる。供給管42についてはその一部が可撓性を有していたりすることもある。図1においてノズル43は供給管42の先端に取り付けられている。この場合に採用されるノズル43としては噴射孔が一つのみの単孔型や、噴射孔が二つ以上の複孔型(シャワー式の多孔型も含む)があるが、そのいずれが採用されてもよい。ちなみに図1の実施形態では、ノズル43として単孔型のものが採用されている。供給管42の先端に付されたノズル43は、図示しない操作機構とか作業員の操作とかで、コーティング容器31の内外に出し入れすることができるものである。操作機構などを介してノズル43がコーティング容器31内の所定位置にセッティングされるときの一例として、当該ノズル43はコーティング容器31の内部、より具体的には粒子堆積空間35内における中層域ないし下層域に配置される。その一方で供給管42の基端部は、材料供給機能のある材料供給機44に接続されるものである。
【0024】
図1に例示された湿潤液供給系51も、先端にノズル53を有する供給管52とこれに関連する部材や機器などを主体にして構成されたものである。かかる湿潤液供給系51において、供給管52やノズル53の構成材料が上記の任意材料からなる点、供給管52の一部が可撓性を有していたりする点、ノズル53が単孔型または複孔型からなる点などは材料供給系41の場合と実質的に変わらない。ちなみに図1の実施形態ではノズル53としてシャワー式の多孔型(複孔型)が採用されている。供給管52の先端に付されたノズル53も、図示しない操作機構とか作業員の操作とかでコーティング容器31の内外に出し入れすることができるものである。操作機構などを介してノズル53がコーティング容器31内の所定位置にセッティングされるときの具体的一例として、当該ノズル53はコーティング容器31内で粒子堆積空間35の上方に配置される。これに対し供給管52の基端部は、液体供給機能のある湿潤液供給機54に接続されるものである。
【0025】
図1のオーバコート装置においては、湿潤液供給系51が省略されることもある。
【0026】
図2に例示されたものは図1のオーバコート装置において材料供給系41の一部や湿潤液供給系51の一部が増設されたものである。具体的にいうと、材料供給系41の場合はノズル43a付き供給管42aとノズル43b付き供給管42bとの二系統が材料供給機44に接続されており、湿潤液供給系51の場合はノズル53a付き供給管52aとノズル53b付き供給管52bとの二系統が材料供給機54に接続されているものである。この図示例での材料供給系41は、供給管42aのノズル43aが粒子堆積空間35内の中層域ないし下層域に配置されているとともに供給管42bのノズル43bが粒子堆積空間35の上方に配置されている。さらに湿潤液供給系51の場合は、供給管52aのノズル53aが粒子堆積空間35の上方に配置されているとともに供給管52bのノズル53bが粒子堆積空間35内の中層域ないし下層域に配置されている。図2のオーバコート装置に関するその他の事項は前例のものと実質的に同一かそれに準ずるものである。
【0027】
図2のオーバコート装置においては、材料供給系41が三系統以上のノズル付き供給管を有していたり、湿潤液供給系51が三系統以上のノズル付き供給管を有していたりすることがある。このようなケースでは、材料供給系41における少なくとも一本の供給管のノズルが粒子堆積空間35内の中層域ないし下層域に配置されている。材料供給系41や湿潤液供給系51におけるこれ以外の供給管については、一部のノズルまたは全部のノズルが粒子堆積空間35内に配置されてよく、あるいは、一部のノズルまたは全部のノズルが粒子堆積空間35の上方に配置されてよい。図2では、さらに、ノズル43b付き供給管42bのみが省略されたり、ノズル53a付き供給管52aのみが省略されたり、ノズル53b付き供給管52bのみが省略されたりするほか、ノズル43b付き供給管42bとノズル53a付き供給管52aとが省略されたり、ノズル53a付き供給管52aとノズル53b付き供給管52bとが省略されたりすることもある。図2において独立した配管からなる供給管42a・42bについては、これらの基端部側が一本にまとめられた分岐型配管に変更されることもある。他方の独立配管からなる供給管52a・52bについてもこれと同様である。
【0028】
図3に例示されたオーバコート装置はつぎの点が図2のものと相違する。相違点の一つは、各供給管42a・42b・52a・52bの先端部側が分岐管構造をしていて、それぞれの分岐管部の先端にノズル43a・43b・53a・53bが取り付けられていることである。相違点の他の一つは、粒子堆積空間35内の中層域ないし下層域に配置された材料用供給管42aの各ノズル43a、ならびに、粒子堆積空間35内の中層域ないし下層域に配置されている湿潤液用供給管52aの各ノズル53aが、これらの深さ(上下方向の位置)を中段・やや下段・かなり下段のように段階的に異ならせていることである。図3のオーバコート装置に関するその他の事項は前例のものと実質的に同一かそれに準ずるものである。
【0029】
図3に例示されたオーバコート装置の場合、各供給管42b・52a・52bのうちの一つ以上が省略されたりすることや、材料用供給管42aの各ノズル43a、湿潤液用供給管52aの各ノズル53aなどが同じ深さに設定されたりすることがある。また、一方の同系統供給管42a・42b、他方の同系統供給管52a・52bなどが、これらの基端部側で一本にまとめられた分岐型配管に変更されることもある。これらのほか、各供給管42a・42b・52a・52bのうちの一部または全部が独立しており、その独立した供給管の先端にそれぞれノズルが取り付けられることもある。
【0030】
図示しない実施形態としてはつぎのような具体例もある。すなわち、図1〜図2で述べた独立型の材料用供給管(42・42a・42b)をS1とし、図1〜図2で述べた独立型の湿潤液用供給管(52・52a・52b)をT1とし、図3で述べた分岐型の材料用供給管(42a・42b)をS2とし、図3で述べた分岐型の湿潤液用供給管(52a・52b)をT2とした場合に、S1〜S2のうちから選択された二種以上の材料用供給管が組み合わせで使用されたり、S1〜S2のうちから選択された一種以上の材料用供給管とT1〜T2のうちから選択された一種以上の湿潤液用供給管とが組み合わせで使用されたりする。これら実施形態においては、少なくとも一つの材料用供給管が、コーティング容器31の内部における粒子堆積空間35内に配置される。
【0031】
図4に例示された被覆燃料粒子Aは本発明において用いられるものである。図4を参照して明らかなように、被覆燃料粒子Aはコア部分に燃料核aを備え、その外周面に第1被覆層a1・第2被覆層a2・第3被覆層a3・第4被覆層a4を有するものである。図4のような被覆燃料粒子Aは、以下に述べるような工程を実施することでつくられる。
【0032】
燃料核aの形成では、はじめ酸化ウラン粉末を硝酸に溶解して硝酸ウラニル原液をつくり、それから硝酸ウラニル原液に純水と増粘剤とを加え撹拌して滴下原液をつくる。この場合の増粘剤は滴下されて落下する硝酸ウラニル原液が自身の表面張力で真球状となるように添加される。増粘剤としてはポリビニールアルコール樹脂・アルカリ条件下で凝固する性質のある樹脂・ポリエチレングリコール・メトローズなどあげることができる。上記のように調製された滴下原液は、所定温度の冷却による粘度調整後、細径の滴下ノズルを振動させつつここからアンモニア水中に滴下される。この際の液滴は、ノズル下端からアンモニア水溶液に着水するまでの間にアンモニアガスを吹き付けられてゲル化されるため着水時の変形が防止される。こうした場合の硝酸ウラニルはアンモニア水溶液中で重ウラン酸アンモニウムの粒子となる。重ウラン酸アンモニウム粒子は大気中で焙焼されて三酸化ウラン粒子となり、さらにこれが還元・焼結されることで高密度のセラミック状二酸化ウランからなる燃料核aが得られる。一例として、燃料核aの直径は350〜650μmである。
【0033】
第1被覆層a1・第2被覆層a2・第4被覆層a4は、それぞれ、炭化水素系気相原料の熱分解反応生成物(微粒状のCVD反応生成物)を所定厚さにデポジットさせることで形成できる。第3被覆層a3の場合は、水素やアルゴンをキャリアガスにしてシラン化合物をCVD反応領域に供給し、そのシラン化合物の熱分解反応生成物を所定厚さにデポジットさせることで形成したりする。この種の被覆層については、それぞれの層を一層ずつ各別に形成しても構わないが、通常は各層を連続形成する。その際に用いられる装置の代表例は電気炉構造の加熱式流動床である。もちろん原料ガスは既述の炭化水素系であり、キャリアガスはアルゴンなど不活性ガスである。そのほか、各被覆層を同一の流動床で連続形成するときは、一つの被覆層を形成するごとに流動床内をパージガスで掃気することがある。
【0034】
上記の流動床に導入された燃料核aの外周面に最初に形成されるのは、低密度炭素からなる第1被覆層a1である。このときの原料ガスは一例としてアセチレン(C)からなり、これを1400℃の温度で熱分解したときの炭素微粒子が燃料核aの外周面に堆積されて所定厚の第1被覆層a1が形成される。つぎに形成されるのは、高密度炭素からなる第2被覆層a2である。このときの原料ガスは一例としてプロピレン(C3)からなり、これを1400℃の温度で熱分解したときの炭素微粒子が第1被覆層a1の外周面に堆積されて所定厚の第2被覆層a2が形成される。そのつぎに形成されるのは、炭化珪素(SiC)からなる第3被覆層a3である。このときの原料ガスは一例としてメチルトリクロロシラン(CH3SiCl)からなり、これを1600℃の温度で熱分解したときの炭化珪素微粒子が第2被覆層a2の外周面に堆積されて所定厚の第3被覆層a3が形成される。このあとに形成されるのは高密度炭素からなる第4被覆層a4である。第4被覆層a4の場合は第2被覆層a2と同じ要領で所定の厚さに形成される。
【0035】
こうして得られる被覆燃料粒子Aの各被覆層の仕様については、つぎのとおりである。低密度炭素(低密度熱分解炭素)からなる第1被覆層a1は厚さ30〜150μm、密度0.8〜1.2g/cmで、一例では厚さ60μm、密度1.0/cmのものである。この第1被覆層a1は、ガス状の核分裂生成物(FP)を溜めるためのガス溜め機能や燃料核スウェリングを吸収するためのバッファ機能を併せもっている。高密度炭素(高密度熱分解炭素)からなる第2被覆層a2は厚さ20〜50μm、密度1.6〜2.0g/cmで、一例では厚さ30μm、密度1.8g/cmである。この第2被覆層a2にはガス状FPの保持機能がある。炭化珪素(SiC)からなる第3被覆層a3は厚さ20〜50μm、密度3.0〜3.2/cmで、一例では厚さ25μm、密度3.2/cmである。この第3被覆層a3は主要な強度保証層であり、固体状FPに対する保持機能をも有する。第2被覆層a2と同様の高密度炭素(高密度熱分解炭素)からなる第4被覆層a4も厚さ20〜80μmで、密度1.6〜2.0g/cmで、一例では厚さ45μm、密度約1.8g/cmである。この第4被覆層a4には固体状FPの保持機能があるほか第3被覆層a3に対する保護機能もある。燃料核aの外周面にこれら第1被覆層a1〜第4被覆層a4が形成された被覆燃料粒子Aは直径(外径)500〜1500μmであり、一例では直径1000μmである。
【0036】
図5に示されたオーバコート被覆燃料粒子Bは後述する本発明方法の実施形態で製造されるところのもの、すなわち、上記被覆燃料粒子Aの外周面(第4被覆層a4の外周面)にオーバコート層bが形成されたものである。このオーバコート層bは黒鉛マトリックス材からなる。具体的一例でいうと、黒鉛マトリックス材は黒鉛粉末に粘結剤を加えて均一に混練したものである。オーバコート層bの厚さは20〜400μmの範囲内にあり、代表例でいうと厚さ50μmである。オーバコート被覆燃料粒子Bはこのようなものであるから、その直径(外径)は540〜2300μmの範囲内にある。具体的一例としてオーバコート被覆燃料粒子Bは直径1300μmである。このオーバコート層bの形成に際しては、黒鉛マトリックス材の付着をよくするため、被覆燃料粒子Aの外周面が湿潤液で湿潤される。かかる湿潤液としてはアルコール系のほか、公知ないし周知のものが用いられる。その代表例はアルコール単体かアルコールを主成分とするものである。
【0037】
つぎに本発明に係る被覆燃料粒子のオーバコート方法について、その実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0038】
図1に例示されたオーバコート装置を用いて被覆燃料粒子Aの外周面にオーバコート層bを形成するときは、図示しない粒子搬入手段を介してコーティング容器31の粒子堆積空間35に所定量の被覆燃料粒子Aを投入し、コーティング容器31を駆動手段21で回転状態にした後、湿潤液供給系51を介して前記湿潤液をコーティング容器31内の被覆燃料粒子Aに噴射すると同時に材料供給系41を介して前記黒鉛マトリックス材被覆燃料粒子Aに噴射する。すなわち、湿潤液供給機54→供給管52→ノズル53という経路で湿潤液を被覆燃料粒子Aに噴射すると同時に、材料供給機44→供給管42→ノズル43という経路で黒鉛マトリックス材を被覆燃料粒子Aに噴射する。
【0039】
上記の運転時、コーティング容器31の粒子堆積空間35内にある被覆燃料粒子Aはその容器の回転方向へと上昇していき、所定の高さまで上昇したときに重力の作用で崩落する。この上昇と崩落はコーティング容器31の回転中に繰り返し生じるものであり、それが被覆燃料粒子Aの攪拌作用になる。この攪拌と同期して粒子堆積空間35内の被覆燃料粒子Aは湿潤液供給系51からの湿潤液で表面を湿潤されたり、材料供給系41を介して黒鉛マトリックス材が噴射されたりする。このように攪拌されながら粒子堆積層内から黒鉛マトリックス材の噴射を受ける被覆燃料粒子Aには、その湿潤表面に黒鉛マトリックス材が均一に付着し、それが均一に堆積成長して所定厚さのオーバコート層bになる。すなわち被覆燃料粒子堆積層の中層域や下層域で黒鉛マトリックス材を付着させてオーバコート用の被膜を成長させていく各被覆燃料粒子Aは、その被膜生長量の多寡で粒子相互の上下位置を入れ替え、かつ、黒鉛マトリックス材の噴射点に近づいたり遠ざかったりするということを均等に繰り返してそれぞれの被膜をほぼ均等に成長させていく。ゆえに各被覆燃料粒A子は、コーティング容器31内でほぼ均等にオーバコートされる。その結果、各被覆燃料粒子のオーバコート層bが均一かつ高精度に仕上がり、図5で説明したところのオーバコート被覆燃料粒子Bとして、粒子外径の均一なものが高歩留まりで得られるようになる。
【0040】
図2に例示されたオーバコート装置を用いて被覆燃料粒子Aの外周面にオーバコート層bを形成するときも上記に準じる。すなわち、上記と同様の手段でコーティング容器31の粒子堆積空間35に所定量の被覆燃料粒子Aを投入したり、コーティング容器31を回転状態にしたりした後、湿潤液供給系51を介して湿潤液をコーティング容器31内の被覆燃料粒子Aに噴射すると同時に材料供給系41を介して黒鉛マトリックス材をコーティング容器31内の被覆燃料粒子Aに噴射する。この図2のケースでは、湿潤液供給系51が湿潤液供給機54→供給管52a→ノズル53aと湿潤液供給機54→供給管52b→ノズル53bとの二系統構成で、材料供給系41も材料供給機44→供給管42a→ノズル43aと材料供給機44→供給管42b→ノズル43bとの二系統である。これに加えて、二つのノズル43a・53aが被覆燃料粒子堆積層の内部にあって、他の二つのノズル43b・53bが被覆燃料粒子堆積層の上方にあるから、この多点ノズル噴射によって均等な被膜形成能がより向上する。したがって図2のケースでは、前述したオーバコート被覆燃料粒子Bとして、粒子外径の均一なものがより高速・高歩留まりで得られるようになる。
【0041】
図3に例示されたオーバコート装置を用いて被覆燃料粒子Aの外周面にオーバコート層bを形成するときも上記に準じる。すなわち、上記と同様の手段でコーティング容器31の粒子堆積空間35に所定量の被覆燃料粒子Aを投入したり、コーティング容器31を回転状態にしたりした後、湿潤液供給系51を介して湿潤液をコーティング容器31内の被覆燃料粒子Aに噴射すると同時に材料供給系41を介して黒鉛マトリックス材をコーティング容器31内の被覆燃料粒子Aに噴射する。この図3のケースでは、材料供給系41や湿潤液供給系51が多分岐型の二系統構成であるとともに多数のノズル43a・43b・53a・53bが被覆燃料粒子堆積層の内部や該層の上方に点在しているので、前述した均等な被膜形成能が飛躍的に向上する。したがって図3のケースでは、既述のオーバコート被覆燃料粒子Bとして、粒子外径の均一なものが前例よりもさらに高速・高歩留まりで得られるようになる。
【0042】
以上のようなオーバコート方法で得られたオーバコート被覆燃料粒子Bは、中空円筒形にプレス成形またはモールド成形し、その成形物を焼結したものが燃料コンパクト(図示せず)となる。さらに一定数量の燃料コンパクトを黒鉛製筒に入れてその上下を端栓で封じたものが燃料棒(図示せず)となる。最終的なものとしては、所定数の燃料棒を六角柱型黒鉛ブロックの各挿入口に装填したものが高温ガス炉の燃料(図示せず)となる。
【0043】
その他の高温ガス炉用燃料についていうと、球形燃料(ペブルベッド型燃料)なども上記に類したオーバコート被覆燃料粒子を主体にしたもので、球形燃料核の外周面に複数の被覆層が形成されている。本発明に係るオーバコート方法やオーバコート装置は、このような球形燃料をつくるときのオーバコート手段にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るオーバコート方法やオーバコート装置は、オーバコート被覆燃料粒子をつくるときに粒径の均一化・粒径の高精度化・コーティング速度の高速化・低コスト・量産性などをはかることができ、しかもそれが、ノズルの配置を中心にした改善で達成できるから、産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るオーバコート方法およびオーバコート装置の第一実施形態を略示した切り欠き正面図である。
【図2】本発明に係るオーバコート方法およびオーバコート装置の第二実施形態を略示した切り欠き正面図である。
【図3】本発明に係るオーバコート方法およびオーバコート装置の第三実施形態を略示した切り欠き正面図である。
【図4】本発明において用いられる被覆燃料粒子の一例を示した切り欠き正面図である。
【図5】本発明に係るオーバコート方法でつくられるオーバコート被覆燃料粒子の一例を示した切り欠き正面図である。
【符号の説明】
【0046】
A 被覆燃料粒子
B オーバコート被覆燃料粒子
b オーバコート層
21 駆動手段
22 出力軸
31 コーティング容器
34 回転軸
35 粒子堆積空間
41 材料供給系
42 供給管
42a 供給管
42b 供給管
43 ノズル
43a ノズル
43b ノズル
44 湿潤液供給機
51 粒子供給系
52 供給管
52a 供給管
52b 供給管
53 ノズル
53a ノズル
53b ノズル
54 湿潤液供給機




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013