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発明の名称 沸騰水型原子炉用燃料集合体スペーサ及び燃料集合体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−40876(P2007−40876A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−226590(P2005−226590)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
発明者 山口 隆
要約 課題
BWR用燃料集合体全体の熱的余裕、即ち、限界出力特性を向上させる。

解決手段
水ロッドと隣接した2本の燃料棒とが互いに向き合うT字交点部分の格子板に設置されて水ロッド表面を流れる冷却材を燃料棒表面に振り向けるフロータブと、水ロッドと燃料棒とが十字に向き合う十字交点部分の格子板に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンと、フロータブ及び第1のミキシングベーンが設置された格子板の交点部分を除いた燃料棒同士が十字に向き合う十字交点部分の格子板に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根以上の第2のミキシングベーンとを備えたもの。
特許請求の範囲
【請求項1】
上部タイプレートと下部タイプレートとの間に互いに平行配列された燃料棒と燃料棒よりも太い水ロッドとを含む複数の棒状要素を、互いに交叉させた格子板でバンドル状に相互に間隔を開けて束ねる沸騰水型原子炉用燃料集合体の格子型スペーサにおいて、
前記水ロッドと隣接した2本の燃料棒とが互いに向き合うT字交点部分の格子板の上端縁に設置されて水ロッド表面を流れる冷却材を燃料棒方向に振り向けるフロータブと、
前記水ロッドと燃料棒とが十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンと、
前記フロータブ及び第1のミキシングベーンが設置された格子板の交点部分を除く全部又は一部に、隣接する燃料棒同士が十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根以上の第2のミキシングベーンとを備えたことを特徴とする沸騰水型原子炉用燃料集合体スペーサ。
【請求項2】
前記水ロッドに隣接して部分長燃料棒が装荷された燃料集合体の前記部分長燃料棒の上端より下流側位置に配されたスペーサであって、
前記部分長燃料棒下流側に形成された空間領域を囲む4つの交点のうち、前記T字交点部分を形成する交点を除く他の交点部分に2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンを備えたことを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体スペーサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスペーサを備えた沸騰水型原子炉用燃料集合体。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料の高燃焼度化に対応した沸騰水型原子炉用燃料集合体において熱的余裕(限界出力特性)の改善を可能にする冷却材ミキシング用の羽根を備えたスペーサ及び燃料集合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(以下、BWRと略す)に装荷される燃料集合体51は、図5に示すように燃料棒Aで代表される棒状燃料要素を正方配列し、それらの上下端は端栓を介して上下の支持板(タイプレート)52、53に装着し、中間高さ位置の複数箇所にはスぺーサ55を所定間隔に保持したものが一般的である。スペーサ55は単数若しくは複数の水ロッドW(角形ウォータチャンネル、またはウォータロッド)で位置決めされる。
【0003】
このような燃料集合体51は、炉心Rにおいては各燃料棒Aを除熱する冷却水の確保のため、ジルカロイ製の角筒状のチャンネルボックス54内に収められて炉心構造部の受座に所要数装荷される。原子炉運転中は受座の入口オリフィスからチャンネルボックス内にサブクール状態の冷却水を送り込んで各燃料集合体51の燃料棒の間を上向きに流れるようにし、制御棒Cによって制御された燃料棒の反応熱で冷却水を沸騰させて熱を外部に取り出すと共に燃料集合体51の除熱を行うようにしている。なお、水ロッドWにはサブクール状態の冷却材が下方向から上方向に流れ、ウランの核分裂によって発生した高速中性子を効率よく減速し、中性子経済の向上、即ち、燃料経済性向上に大いに貢献している。
【0004】
BWRは炉内で水蒸気を発生させる直接サイクル方式であるため、炉心R内で沸騰を許容している。したがって、燃料の冷却は、液相・蒸気(ボイド)の二相流の条件下で行われ、ボイド率の高い燃料集合体上部の冷却水の流動様式は、図6に示すように膜状の液相(液膜)a1がチャンネルボックス54の内壁面と燃料棒Aの外周面でそれぞれ連続した環状流れが、また、チャンネルボックス54と燃料棒Aの間及び燃料棒A同士の間には液滴a2を伴う蒸気相bが流れる、所謂「環状流」が形成され、燃料棒Aの外周面の前記液膜a1が燃料棒の冷却に重要な役割を果たす。
【0005】
しかしながら、例えば、過出力状態等の何らかの原因で燃料集合体が熱的に厳しい状態におかれ、所謂、核沸騰状態から膜沸騰状態への遷移(沸騰遷移)が生じると、図7に示すように燃料棒Aの外周面の液膜a1が消失して除熱効果が急激に悪化するため、燃料棒Aの液膜消失領域における温度が急激に上昇し、ついにはその部分でバーンアウトを生ずることとなる。
【0006】
BWRに特徴的な液膜の消失に伴うバーンアウトを特に「ドライアウト」と呼び、ドライアウトの生ずる燃料集合体全体の熱負荷を限界出力と呼んでいる。この限界出力を向上する方策として種々のスペーサが提案されており、その代表として混合羽根、すなわちミキシングベーン付きスペーサが提案されている(例えば、特許文献1の図2及び図3参照。)図8は従来のミキシングべーン付きスペーサ80の説明図である。
【0007】
このスペーサ80のミキシングベーン81は、サブチャンネル流路(たとえば、4本の燃料棒Aで囲まれた領域)のおよそ中心位置に相当する格子板82の交点に設けた複数の羽根83で構成される。これらのミキシングベーン81はサブチャンネル内で冷却材に遠心力を付加して旋回流を引き起こし、重量の重い液滴を選択的にサブチャンネル周辺部へ、軽い蒸気はサブチャンネル中央付近に偏流させる効果がある。このことによって液滴が燃料棒の表面に付着し、燃料棒表面の液膜が厚くなり、液膜の消失に至るまでの熱負荷が大きくなるため、限界出力は増大する。
【0008】
また、図8に示すスペーサ80は、最外周部格子板84及び水ロッドを囲む格子板85にフロータブ86を具備している。
【0009】
ここでフロータブ86及びミキシングベーン81の位置を説明するために、燃料棒Aと水ロッドWの関係を定義する。隣接する燃料棒Aと水ロッドWとが格子の対角方向で向き合う場合を対角隣接、XY方向で向き合う場合を面隣接と表現することとする。単に隣接と記した場合は、その両方を指す。
【0010】
図8に示されるように、面隣接位置でのフロータブ86aに比ベ対角隣接位置のフロータブ86bはその設置空間が狭いため比較的小型となっている。
【0011】
フロータブ86は燃料棒Aの冷却に寄与しない水ロッドW表面を流れる液滴を燃料棒A表面に振り向ける効果により限界出力の向上に寄与するが、その効果はフロータブ86の大きさに依存するところが大きい。また、同じ方向に配置されたフロータブ86aは、交差して配置されたミキシングベーン81のように冷却材に旋回流を引き起こす効果を強くは持たないため、フロータブ86aの大きさがミキシングベーン81を構成する羽根83と同程度である場合はミキシングべーン81と比較して限界出力を向上する効果は小さい。
【特許文献1】特開2001−318182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、BWR用燃料の設計では、燃料集合体内に部分長燃料棒、即ち、炉心内のある中間高さより下流側を省いた燃料棒を含むことが知られている。部分長燃料の下流側には空間領域が出来る。部分長燃料を用いることにより、圧損の低下、運転停止余裕の増加、燃料サイクルコスト低減といった様々な利得を得ることができる。
【0013】
燃料棒Aと水ロッドWとが面隣接する位置に設置されたフロータブ86aに比べ、燃料棒Aと水ロッドWとが対角隣接する格子板の交点に設置されたフロータブ86bは、その設置空間が狭いため、他のフロータブ86と比べ小型とならざるを得ない。このため、隣接する燃料棒のドライアウト特性を改善する余地があることが分かった。
【0014】
本発明は、BWR用燃料集合体全体の熱的余裕、即ち、限界出力特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載された発明に係るBWR用燃料集合体スペーサは、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に互いに平行配列された燃料棒と燃料棒よりも太い水ロッドとを含む複数の棒状要素を、互いに交叉させた格子板でバンドル状に相互に間隔を開けて束ねる沸騰水型原子炉用燃料集合体の格子型スペーサにおいて、
前記水ロッドと隣接した2本の燃料棒とが互いに向き合うT字交点部分の格子板の上端縁に設置されて水ロッド表面を流れる冷却材を燃料棒表面に振り向けるフロータブと、
前記水ロッドと燃料棒とが十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンと、
前記フロータブ及び第1のミキシングベーンが設置された格子板の交点部分を除く全部又は一部に、隣接する燃料棒同士が十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根以上の第2のミキシングベーンとを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項2に記載された発明に係るBWR用燃料集合体はスペーサ、請求項1に記載の水ロッドに隣接して部分長燃料棒が装荷された燃料集合体の前記部分長燃料棒の上端より下流側位置に配されたスペーサであって、
前記部分長燃料棒下流側に形成された空間領域を囲む4つの交点のうち、前記T字交点部分を形成する交点を除く他の交点部分に2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に記載された発明に係るBWR用燃料集合体は、請求項1又は2に記載のスペーサを備えたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上説明した通り、BWR用燃料集合体全体の熱的余裕、即ち、限界出力特性を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明においては、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に互いに平行配列された燃料棒と燃料棒よりも太い水ロッドとを含む複数の棒状要素を、互いに交叉させた格子板でバンドル状に相互に間隔を開けて束ねる沸騰水型原子炉用燃料集合体の格子型スペーサにおいて、前記水ロッドと隣接した2本の燃料棒とがX方向又はY方向で互いに向き合うT字交点部分の格子板の上端縁に設置されて水ロッド表面を流れる冷却材を燃料棒方向に振り向けるフロータブと、前記水ロッドと燃料棒とが十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンと、前記フロータブ及び第1のミキシングベーンが設置された格子板の交点部分を除く全部又は一部に、隣接する燃料棒同士が十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根以上の第2のミキシングベーンとを備える。これにより、BWR用燃料集合体全体の熱的余裕、即ち、限界出力特性を向上させることができる。
【0020】
即ち、ミキシングベーンは上向きに流送される冷却材を強制的に偏流させるため、限界出力向上の効果を有する反面、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失の拡大に伴い圧力損失を増大させる性質を持つ。つまり、一般的にミキシングべーンは、これら冷却材と接触面積が大きいほど、或いはミキシングベーンを構成する羽根の枚数が多いほど、冷却材の偏流効果が大きいため除熱性能が向上し限界出力は向上するが、逆に局所的な圧力損失(スペーサ圧損)は増大する傾向にある。
【0021】
そして、これらのミキシングベーンはサブチャンネル内(例えば、4本の燃料棒で囲まれた領域)で冷却材に遠心力を付加して旋回流を引き起こし、重量の重い液滴を選択的にサブチャンネル周辺部へ、軽い蒸気はサブチャンネル中央付近に偏流させることによって、サブチャンネル周辺部に位置する燃料棒の液膜が厚くなる効果により限界出力を増大させるものである。従って、液膜を厚くすべき燃料棒が存在しない位置に向かう流れを発生させるミキシングベーンを構成する羽根を除外しても、除外しない場合と比べて限界出力はさほど低下せず、逆に、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失が拡大せずに圧力損失を増大させない。
【0022】
そこで、本発明では、水ロッドと隣接した2本の燃料棒とがX方向又はY方向で互いに向き合うT字交点部分の格子板の上端縁に設置されて水ロッド表面を流れる冷却材を燃料棒方向に振り向けるフロータブと、水ロッドと燃料棒とが十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンと、フロータブ及び第1のミキシングベーンが設置された格子板の交点部分を除く全部又は一部に、隣接する燃料棒同士が十字に向き合う十字交点部分の格子板の上端縁に設置されてサブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こす2枚羽根以上の第2のミキシングベーンとを備えることにより、限界出力を殆ど低下せずに、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失が拡大せずに圧力損失を増大させない。このために、燃料集合体全体の熱的余裕、即ち、限界出力特性を向上させることができる。
【0023】
本発明におけるフロータブとしては、燃料集合体の下方から上方に流れる冷却材の流れの方向を変更するものであればよく、具体的には、水ロッドと隣接した2本の燃料棒とがX方向又はY方向で互いに向き合うT字交点部分の格子板の上端縁に設置されて水ロッド表面を流れる冷却材を燃料棒方向に振り向ける。
【0024】
本発明におけるミキシングベーンとしては、水ロッドと燃料棒とが十字に向き合う十字交点部分に設置されている第1のミキシングベーンと、隣接する燃料棒同士が十字に向き合う十字交点部分に設置されている第2のミキシングベーンとがあり、第1のミキシングベーンについては、2枚羽根又は3枚羽根とした。
【0025】
尚、好ましくは、第2のミキシングベーンについては、燃料集合体の特性に基づいて、2枚羽根以上、即ち、2枚羽根、3枚羽根、4枚羽根の何れかを更に含んでいる。
【0026】
また、本発明では、好ましい別の態様として、部分長燃料棒を備えた燃料集合体のスペーサにおいては、水ロッドに隣接して配置された場合は図4に示すように、前記部分長燃料棒の上端より下流側位置に配されたスペーサにおいて、前記部分長燃料棒下流側に形成された空間領域に最も近い4つの格子点のうち、T字交点を除く他の交点部分に2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーンを備える。
【0027】
これらにより、部分長燃料導入の有無にかかわらず、水ロッドに隣接する燃料棒を含むすべての燃料棒のドライアウト特性が向上し、限界出力の増大を実現しつつも、局所的な圧損即ちスペーサ圧損の増加を低減でき、燃料棒の限界出力が向上する。
【実施例】
【0028】
図1は本発明のスペーサの一実施例の構成を示す説明図である。図1に示す通り、本実施例のスペーサ10は、従来技術の図5の燃料集合体のスペーサと同様に、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に互いに平行配列された燃料棒Aと、燃料棒Aの3×3の領域に相当する角形水ロッドWとを含む複数の棒状要素を、バンドル状に相互に間隔を開けて束ねる格子型スペーサである。尚、図には示していないが、周縁部の燃料棒Aの外には、スペーサの外周壁とチャンネルボックスとがある。
【0029】
本実施例のスペーサ10の上面には、水ロッドWと隣接して設けられたフロータブ16と、燃料棒A同士の交点部分に設けられたミキシングベーン11とが形成されている。
【0030】
フロータブ16は、水ロッドW表面を流れる冷却材を燃料棒A表面方向に振り向けるために設置される。本実施例では、具体的なフロータブ16としては、水ロッドWと二本の燃料棒AとがX方向又はY方向で互いに向き合うT字交点部分T1に設置されている。
【0031】
一方、ミキシングベーン11は、サブチャンネル内で冷却材に旋回流を引き起こすために設置される。本実施例では、具体的なミキシングベーン11としては、2種類存在し、水ロッドWと燃料棒Aとが十字に向き合う十字交点部分S2、即ち、角形水ロッドWの四隅部に設置されている第1のミキシングベーン11aと、隣接する燃料棒A同士が十字に向き合う十字交点部分S1に設置されている第2のミキシングベーン11bとがある。尚、第2のミキシングベーン11bは従来技術で示されたミキシングベーンとその作用・構成が同じである。
【0032】
第1のミキシングベーン11aは、本実施例では3本の燃料棒A側に各々3枚の撹拌羽根を設けたが、設計に応じて2枚に減じてもよい。また、第2のミキシングベーン11bは、従来技術と同様に、設計に応じて、設置の有無、又は、その枚数についても2枚以上の枚数を選択することができる。
【0033】
このようなフロータブ16及び第1のミキシングベーン11bを設置することにより、液膜を厚くすべき燃料棒Aが存在しない水ロッドWに向かう流れを発生させるミキシング用羽根を除外するため、限界出力はさほど低下せず、逆に、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失が拡大せずに圧力損失を増大させない利点を奏する。
【0034】
図2は本発明のスペーサの別の実施例の構成を示す説明図である。図2に示す通り、本実施例のスペーサ20は、図1の燃料集合体のスペーサと同様に、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に互いに平行配列された燃料棒Aと、燃料集合体の略中央部の7本分の燃料棒領域に相当する2本の太径水ロッドWとを含む複数の棒状要素を、バンドル状に相互に間隔を開けて束ねる格子型スペーサである。尚、図1と同様に、周縁部の燃料棒Aの外には、スペーサの外周壁とチャンネルボックスとがある。
【0035】
本実施例のスペーサ20の上面には、水ロッドWと隣接して設けられたフロータブ26と、燃料棒A同士との交点部分に設けられたミキシングベーン21とが形成されている。
【0036】
本実施例のフロータブ26としては、水ロッドWと二本の燃料棒AとがX方向又はY方向で互いに接する合計4カ所のT字交点部分T1に設置されている。一方、本実施例のミキシングベーン21としては、2種類存在し、水ロッドWと燃料棒Aとが十字に向き合う十字交点部分、即ち、水ロッドWの6カ所の出隅部S2と2カ所の入隅部S3とに設置されている第1のミキシングベーン21aと、隣接する燃料棒A同士が十字に向き合う十字交点部分S1に設置されている第2のミキシングベーン21bとがある。尚、第2のミキシングベーン21bは図1と同様に従来技術で示されたミキシングベーンとその作用・構成が同じである。
【0037】
第1のミキシングベーン21aは、本実施例では3枚の撹拌羽根を設けたが、設計に応じて2枚に減じてもよい。また、第2のミキシングベーン21bは、従来技術と同様に、設計に応じて、設置の有無、又は、その枚数についても2枚以上の枚数を選択することができる。
【0038】
このようなフロータブ26及び第1のミキシングベーン21bを設置することにより、液膜を厚くすべき燃料棒Aが存在しない水ロッドWに向かう流れを発生させるミキシング用羽根を除外するため、限界出力はさほど低下せず、逆に、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失が拡大せずに圧力損失を増大させない利点を奏する。
【0039】
図3は本発明のスペーサの更に別の実施例の構成を示す説明図である。図3は本発明のスペーサの更に別の実施例の構成を示す説明図である。図3のスペーサ30は図2に示したスペーサ20の構成の内、水ロッドWの2カ所の入隅部S3とに設置されている第1のミキシングベーン31aの設置枚数を減じたものであり、他の構成については図2に示したスペーサと同様の構成である。
【0040】
即ち、本実施例のスペーサ30の上面には、水ロッドWと隣接したT字交点部分T1に設けられたフロータブ36、及び、水ロッドWの6カ所の出隅部S2と2カ所の入隅部S3とに設置されている第1のミキシングベーン31aと隣接する燃料棒A同士が十字に向き合う十字交点部分S1に設置されている第2のミキシングベーン31bとからなるミキシングベーン31とが形成されている。
【0041】
このようなフロータブ36及び第1のミキシングベーン31bを設置することにより、液膜を厚くすべき燃料棒Aが存在しない水ロッドWに向かう流れを発生させるミキシング用羽根を除外するため、限界出力はさほど低下せず、逆に、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失が拡大せずに圧力損失を増大させない利点を奏する。
【0042】
図4は本発明のスペーサの更に別の実施例の構成を示す説明図である。図4に示した実施例は、本実施例のスペーサ40が一部に部分長燃料棒を備え、その部分長燃料棒下流側に形成された空間領域Pを含む状態を示している。即ち、部分長燃料棒下流側に形成された空間領域Pを囲む4つの交点のうち、T字交点を除く他の交点部分S4に2枚羽根又は3枚羽根の第1のミキシングベーン41aを備える。
【0043】
これにより、液膜を厚くすべき燃料棒Aが存在しない部分長燃料棒下流側に形成された空間領域Pに向かう流れを発生させるミキシング用羽根を除外するため、限界出力はさほど低下せず、逆に、冷却材の流動抵抗及びエネルギ損失が拡大せずに圧力損失を増大させない利点を奏する。
【0044】
本発明は、以上説明したとおり、熱的余裕の増加を可能とするミキシングベーンを具備したスペーサを有する原子炉燃料集合体を得るという効果があり、熱的余裕の増加は運転余裕の増大、ひいては燃料経済性の増大を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のスペーサの一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】本発明のスペーサの別の実施例の構成を示す説明図である。
【図3】本発明のスペーサの更に別の実施例の構成を示す説明図である。
【図4】本発明のスペーサの更に別の実施例の構成を示す説明図である。
【図5】BWR及びBWR用燃料集合体の構成を示す説明図である。
【図6】BWRにおける冷却水の二相流の様子を示す拡大断面図である。
【図7】燃料棒表面の冷却材流れの様子と温度分布を示す説明図である。
【図8】従来のBWR型燃料集合体の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
10 、20 、30 、40 …スペーサ、
11 、21 、31 、 …ミキシングベーン、
11a、21a,31a、41a…第1のミキシングベーン、
11b、21b、31b …第2のミキシングベーン、
16 、26 、36 …フロータブ、
A …燃料棒、
W …水ロッド、
P …部分長燃料棒下流側に形成された空間領域、
T1 …T字交点部分、
S1 …隣接する燃料棒A同士が十字に向き合う十字交点部分、
S2 …水ロッドWと燃料棒Aとが十字に向き合う十字交点部分(出隅部)、
S3 …水ロッドWと燃料棒Aとが十字に向き合う十字交点部分(入隅部)、
S4 …空間領域Pを囲む4つの交点のうちT字交点を除く他の交点部分、




 

 


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