米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 原子燃料工業株式会社

発明の名称 高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24841(P2007−24841A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−211728(P2005−211728)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
発明者 高山 智生
要約 課題
ウラン濃縮度の高い原料からなる燃料核の被覆層形成工程において、未臨界性を保持しながらも一バッチ製造工程における均一な流動性を確保して、被覆燃料粒子の製造数量を減少させることなく良好な生産性を維持できる反応容器を備えた高温ガス炉用燃料被覆粒子の製造装置の提供。

解決手段
高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、二酸化ウラン燃料核を収容する反応容器が、ノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給するためのガス噴出ノズルの上部に長方形の横断面形状で上向きに拡がる漏斗状の下部反応領域と該下部反応領域の上部に連なる長方形の横断面形状を有する直方体状の上部反応領域とを有し、下部反応領域は、前記長方形の両短辺側にそれぞれ位置する傾斜内壁面と前記長方形の両長辺側にそれぞれ位置する互いにほぼ平行な略扇形内壁面とで画定され、上部反応領域と下部反応領域の前記長方形短辺に沿った厚み寸法が互いに等しいものとした。
特許請求の範囲
【請求項1】
二酸化ウラン燃料核を収容した反応容器内に、該容器底部に装着されたガス噴出ノズルのノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給しつつ加熱することにより、燃料核を流動させながら被覆原料ガスの熱分解反応によって燃料核表面を被覆原料分子の蒸着層で被覆する高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、
前記反応容器は、ノズルの上部に長方形の横断面形状で上向きに拡がる漏斗状の下部反応領域と該下部反応領域の上部に連なる長方形の横断面形状を有する直方体状の上部反応領域とを有し、
前記下部反応領域は、前記長方形の両短辺側にそれぞれ位置する傾斜内壁面と前記長方形の両長辺側にそれぞれ位置する互いにほぼ平行な略扇形内壁面とで画定され、
前記上部反応領域および下部反応領域の前記長方形の短辺に沿った厚み寸法が互いに等しいことを特徴とする高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
【請求項2】
前記傾斜内壁面は、水平面に対して10度以上、60度以下の傾斜角度を有することを特徴とする請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
【請求項3】
前記長方形の短辺に沿った厚み寸法は、燃料核のウラン濃縮度に応じて決定される未臨界性を保持できる上限寸法以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
【請求項4】
前記ガス噴出ノズルは、上面が凹形状を有し、該上面に前記長方形の長辺方向に沿って一列以上の直線上に複数個のノズル孔が開口していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
【請求項5】
前記ガス噴出ノズルのノズル孔は、それぞれ容器底部中心位置から外側に配置されるものほど内径が大きくなっていることを特徴とする請求項4に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
【請求項6】
前記ガス噴出ノズルのノズル孔は、それぞれ水平面に対する中心軸の傾斜角度が、容器底部中心位置から外側に配置されるものほど小さくなり、最外位置に配置されるノズル孔の中心軸傾斜角度は、前記傾斜内壁面の傾斜角度より大きいことを特徴とする請求項4に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置に関するものであり、詳しくは、被覆層形成工程のための反応容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高温ガス炉は、燃料を含む炉心構造を熱容量が大きく高温健全性の良好な黒鉛で形成し、ヘリウム等の高温下でも化学的反応の起こらないガス冷却材を用いることにより、固有の安全性が高く、高い出口温度のヘリウムガスを取り出すことの可能な原子炉であり、得られる約900℃の高温熱は、発電はもちろんのこと水素製造や化学プラント等幅広い分野での熱利用を可能にするものである。
【0003】
このような高温ガス炉の燃料は、通常、ウランを含む溶液を出発原料として製造した二酸化ウランをセラミックス状に焼結した直径約350〜650μmの燃料核を基本構造とし、この燃料核の外表面に複数の被覆層を形成してなる被覆燃料粒子を用いたものである。
【0004】
高温ガス炉では、例えば、第1被覆層として密度約1g/cmの低密度熱分解炭素層を形成し、第2被覆層として密度約1.8g/cmの高密度熱分解炭素層を形成し、さらに第3被覆層として密度約3.2g/cmの炭化珪素(SiC)層を、また第4被覆層として密度約1.8g/cmの高密度熱分解炭素層を形成した計4層の被覆を施されたものが一般的となっている。
【0005】
第1被覆層は、ガス状の核分裂生成物のガス留めとしての機能及び燃料核の変形を吸収する緩衝部としての機能を併せ持つものである。また第2被覆層はガス状核分裂生成物の保持機能を有し、第3被覆層は固体状核分裂生成物の保持機能を有すると共に、被覆層の主要な強度部材である。第4被覆層は、第2被覆層と同様のガス状核分裂生成物の保持機能と共に第3被覆層の保護層としての機能も持っている。
【0006】
上記のような被覆燃料粒子の一般的なものは直径約500〜1000μmである。被覆燃料粒子は黒鉛母材中に分散させ一定形状の燃料コンパクトの形に成型加工され、さらに黒鉛でできた筒にコンパクトを一定数量入れ、上下に栓をした燃料棒の形にされる。最終的に燃料棒は、六角柱型黒鉛ブロックの複数の挿入口に入れられ、この六角柱型黒鉛ブロックを多数個、ハニカム配列に複数段重ねて炉心を構成している。
【0007】
一般的な被覆燃料粒子となる被覆前の燃料核は次のような工程で製造されており、大量形成が可能な方法として振動滴下によるゲル状の粒子を得る外部ゲル化法が多く用いられている。即ち、まず酸化ウランの粉末を硝酸に溶かし硝酸ウラニル原液とし、この硝酸ウラニル原液に純水、添加剤を加え撹拌することにより滴下原液とする。添加剤は、滴下された硝酸ウラニルの液滴が落下中に自身の表面張力により真球状になるようにする増粘剤であると同時にアンモニウムとの接触により原液をゲル化せしめるために添加されるものであり、例えばポリビニルアルコール樹脂、アルカリ条件下でゲル化する性質を持つ樹脂、ポリエチレングリコール、メトローズなどを挙げることができる。
【0008】
以上のように調製された滴下原液は所定の温度に冷却され粘度を調整した後、細径の滴下ノズルを振動させることによりアンモニア水溶液中に滴下される。アンモニア水溶液中へ液滴となって入った原液は、硝酸ウラニルがアンモニアと十分に反応させられると同時に前記添加剤がゲル化され、重ウラン酸アンモニウム(ADU)を含むゲル状の粒子となる。得られたADUゲル粒子は、大気中で焙焼され、水分および添加剤が除去されて三酸化ウラン粒子となり、さらに還元・焼結されることにより高密度のセラミックス状二酸化ウランからなる球状の燃料核となる。
【0009】
この燃料核を用いた被覆燃料粒子の製造は、流動床からなる反応装置を用いて行われている。例えば、燃料核を流動床の略円筒形状を持つ反応容器内に投入し、ガス導入管を介して反応容器の底部に設けられたガス導入ノズルから被覆原料ガスを噴出させて燃料核を流動させながら被覆原料ガスの熱分解により、原料分子を燃料核の表面に蒸着させることによって被覆層を形成する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
例えば、第1被覆層の低密度炭素層の場合は約1400℃でアセチレン(C)を熱分解して被覆を施し、第2および第4被覆層の高密度熱分解炭素層の場合は約1400℃でプロピレン(C)を熱分解して行う。第3被覆層のSiC層の場合は約1600℃でメチルトリクロロシラン(CHSiCl)を熱分解して被覆する。一般的な燃料コンパクトは、被覆燃料粒子を黒鉛粉末、粘結剤等からなる黒鉛マトリックス材とともに中空円筒形または円筒形にプレス成型またはモールド成型した後、焼成して得られる。
【0011】
【特許文献1】特開平5−273374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一方、燃料核に使用されるウランのU−235濃縮度が高くなるほど、被覆層形成工程の際の反応容器内における臨界事故の可能性が高くなるため、該被覆燃料粒子の製造工程における臨界安全性を確保するために、まず反応容器内に投入するウラン量を少なくすること、即ち反応容器内に投入される一バッチ工程分の燃料核の数量を少なくする方法が挙げられる。
【0013】
例えば、未臨界性を保持するためには、濃縮度10%以下のウランを取り扱う場合の最大取扱量は9.6kg、濃縮度20%以下のウランを取り扱う場合の最大取扱量は4kgとなるが、2重装荷等への安全性を考慮する必要があることから、実際に取り扱う際には最大取扱量の1/2以下に制限されている。ウランの濃縮度が高くなるほど、このような制限値は厳しくなる。このようにウラン量を少なくすることで未臨界性を保持する方法では、1バッチでの被覆層形成工程で製造できる被覆燃料粒子の数量が少なくなり、生産性は悪くなる。
【0014】
これに対して、生産性を確保するための方法としては、反応容器自体の形状を制限することによって実質的に反応領域の大きさを小さくして未臨界性を保持する方法がある。例えば、従来から用いられている円筒形状の反応容器を用いる場合、未臨界性を保持するには、濃縮度10%以下のウランを取り扱う際には最大直径が19.8cm、濃縮度20%以下のウランを取り扱う際には最大直径が17.4cmに制限されている。
【0015】
このように、生産性を確保するために、ウラン量を少なくすることなく未臨界性を保持するには、反応容器の形状、大きさを制限しなければならなくなるが、円筒形状の反応容器を使用した場合、反応容器の内径が小さくなればなる程、燃料核を均一に流動させることが困難であり、各被覆層の厚さや粒子直径等の品質が良好な被覆燃料粒子を製造することが難しくなる。
【0016】
また、反応容器の大きさを制限する方法において、円筒形状とは違う形状の反応容器を用いることでも未臨界性を保持することが可能である。例えば、横断面が長方形の直方体形状の反応容器とすれば、その長方形短辺方向に沿った厚み寸法を制限することによって未臨界性を保持できる。このような直方体形状の反応容器の場合、長方形短辺方向の最大厚み寸法は、濃縮度10%以下のウランを取り扱う場合で8.3cm、濃縮度20%以下のウランを取り扱う場合で6.7cmに制限される。
【0017】
しかしながら、このような直方体形状の反応容器の場合、良好な流動ガスの流れは、底面中央のガス噴出ノズル付近に形成されるものであるため、燃料核のなかには、この流動ガス流れから反応容器の前記長方形長辺方向の外側へ逸れて再び流動ガス流れに乗ることなく被覆層が良好に形成されないままとなるものが存在してしまい、結果として均一な被覆燃料粒子の製造は困難であった。
【0018】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、ウラン濃縮度の高い原料からなる被覆燃料粒子の製造にあたって、燃料核の被覆層形成工程における未臨界性を保持しながらも一バッチ製造工程における均一な流動性を確保して、被覆燃料粒子の製造数量を減少させることなく良好な生産性を維持できる反応容器を備えた高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、二酸化ウラン燃料核を収容した反応容器内に、該容器底部に装着されたガス噴出ノズルのノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給しつつ加熱することにより、燃料核を流動させながら被覆原料ガスの熱分解反応によって燃料核表面を被覆原料分子の蒸着層で被覆する高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記反応容器は、ノズルの上部に長方形の横断面形状で上向きに拡がる漏斗状の下部反応領域と該下部反応領域の上部に連なる長方形の横断面形状を有する直方体状の上部反応領域とを有し、前記下部反応領域は、前記長方形の両短辺側にそれぞれ位置する傾斜内壁面と前記長方形の両長辺側にそれぞれ位置する互いにほぼ平行な略扇形内壁面とで画定され、前記上部反応領域および下部反応領域の前記長方形の短辺に沿った厚み寸法が互いに等しいものである。
【0020】
請求項2に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法において、前記傾斜内壁面は、水平面に対して10度以上、60度以下の傾斜角度を有するものである。
【0021】
請求項3に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項1または請求項2に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記長方形の短辺に沿った厚み寸法は、燃料核のウラン濃縮度に応じて決定される未臨界性を保持できる上限寸法以下であることを特徴とするものである。

請求項4に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記ガス噴出ノズルは、上面が凹形状を有し、該上面に前記長方形の長辺方向に沿って一列以上の直線上に複数個のノズル孔が開口していることを特徴とするものである。
【0022】
請求項5に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項4に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記ガス噴出ノズルのノズル孔は、それぞれ容器底部中心位置から外側に配置されるものほど内径が大きくなっていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項6に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項4に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記ガス噴出ノズルのノズル孔は、それぞれ水平面に対する中心軸の傾斜角度が、容器底部中心位置から外側に配置されるものほど小さくなり、最外位置に配置されるノズル孔の中心軸傾斜角度は、前記傾斜内壁面の傾斜角度より大きいことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、燃料核の被覆層形成工程における反応容器を、横断面長方形状の直方体からなる上方反応領域の下に横断面長方形状の上向きに拡がる漏斗状の下部反応領域を備え、この下部反応領域を、前記長方形の両短辺側にそれぞれ位置する傾斜内壁面と前記長方形の両長辺側にそれぞれ位置する互いにほぼ平行な略扇形内壁面とで画定されるものとすることによって、長方形短辺方向の厚みを高濃縮度ウランを原料とする被覆燃料粒子の製造工程における未臨界性を保持できる寸法に制限しながらも、長方形長辺方向においては流動ガス流れの外側に逸れた燃料核も前記傾斜内壁面によって中央の流動ガス流れに再び乗せることができ、燃料核全体の均一な流動性が確保できるため、一バッチで製造する被覆燃料粒子の数量を少なくすることなく、良好な生産性を維持しつつ均一な品質の被覆燃料粒子を製造できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置においては、反応容器内に収容した二酸化ウラン燃料核を、該容器底部に装着されたガス噴出ノズルのノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給しつつ加熱することによって流動させながら被覆原料ガスの熱分解反応によって燃料核表面を被覆原料分子の蒸着層で被覆するものであり、反応容器を、ノズルの上部に長方形の横断面形状で上向きに拡がる漏斗状の下部反応領域と該下部反応領域の上部に連なる長方形の横断面形状を有する直方体状の上部反応領域とを有し、下部反応領域が、前記長方形の両短辺側にそれぞれ位置する傾斜内壁面と前記長方形の両長辺側にそれぞれ位置する互いにほぼ平行な略扇形内壁面とで画定されるものとし、上部反応領域および下部反応領域の前記長方形の短辺に沿った厚み寸法が互いに等しいものである。
【0026】
従って、本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置では、下部反応領域に、長方形長辺方向両側から底部のガス噴出ノズルに向かって下降傾斜するように形成された内壁面によって、長方形短辺方向に沿った厚みを高濃縮度ウランを原料とする被覆燃料粒子の製造工程における未臨界性を保持できる寸法に制限しながらも、流動ガス流れの前記長方形長辺方向外側に逸れた燃料核を、底部中央のガス導入ノズルに向かって案内しながら落下させて再び流動ガス流れに乗せることができるため、一バッチで反応容器に投入する燃料核の数量を少なく抑えることなく燃料核の均一な流動性が確保できるため、均一な品質の被覆燃料粒子を良好な生産性を維持しつつ製造することができる。
【0027】
なお、下部反応領域の傾斜内壁面は、水平面に対して10度以上、60度以下の傾斜角度とするのが望ましい。これは、傾斜角度が10度より小さいと、外側に逸れた燃料核の中央付近への落下戻りの案内が不充分で再び流動ガス流れに乗れない燃料核が生じる可能性があるためである。一方、ガス噴出ノズルから一定の高さにおいて傾斜内壁面の傾斜角度が大きくなるほど、反応領域の横断面長方形の長辺方向に沿った幅寸法が小さくなってしまう。従って、傾斜角度が大きすぎると、燃料核の均一流動を確保し得る投入数量が少なくなってしまうため、前記傾斜内壁面の傾斜角度の上限を60度とするのが好適であり、より望ましくは45度とする。
【0028】
また、本発明においても、従来と同様に、反応容器の前記長方形の短辺方向に沿った厚み寸法を、ウラン濃縮度毎に定められる未臨界性を保持できる上限寸法より小さいものとするため、実際に燃料核に用いられる原料ウランの濃縮度に応じてその寸法を適宜決定すればよい。
【0029】
また、本発明におけるガス噴出ノズルは、上面が凹形状を有するものとすることによって、前記傾斜内壁面に沿って外側から戻されてきた燃料核をさらに中央に集まり易くして流動ガス流れに確実に乗せることができる。また、通常は原料および流動ガス供給源から配管を介して送られてくるガスは、ガス噴出ノズル下端の一つの円筒状ガス導入孔からノズル孔を通って反応容器内へ噴出供給されるものであるが、鉛直方向に沿った一つのノズル孔のみからのガス噴出では、反応容器内の外側へ向くほどガス供給量は少なくなり、均一な流動ガス流れが発生し難くなることから、ノズル孔は中心位置の鉛直方向に沿ったものだけでなく、ガス導入孔から分岐させた状態で複数個のノズル孔を設け、反応容器外側方向にもガスを噴出させる構成とすることによって、反応容器の全幅方向に亘って均一にガスを供給することができる。
【0030】
従って、本発明においてこのような複数個のノズル孔を備えたガス噴出ノズルとする場合には、その配置位置として、反応容器内で前記長方形長辺方向において原料ガス及び流動ガスが均一に噴出されるように、ノズル上面に前記長方形長辺方向に沿って一列以上の直線上にノズル孔が開口する配置とするのが好適である。
【0031】
また、ガス噴出ノズルのノズル孔をそれぞれ容器底部中心位置から外側に配置されるものほど内径を大きくすることによって、反応容器内全幅方向に亘ってガスをより均一に噴射供給することができる。
【0032】
さらに、各ノズル孔の水平面に対する中心軸の傾斜角度を、容器底部中心位置から外側に配置されるものほど小さくすることによっても、流動中の燃料核を垂直方向のみではなく、反応容器外側方向へも流動させることができ、より広い範囲に亘って均一な流動ガス流れを形成することができる。具体的なノズル孔の配置個数等は、実際の原料ウラン濃縮度にて決定される反応容器の断面長方形短辺方向に沿った厚み寸法に対する断面長方形長辺方向に沿った幅寸法に応じて適宜必要な個数に設定すれば良い。
【0033】
このとき、流動ガスが傾斜内壁面に衝突する流れとならないように最外位置に配置されるノズル孔の中心軸傾斜角度は、前記傾斜内壁面の傾斜角度より大きいものとする。さらにこのような最外位置に配置されるノズル孔からの噴出で形成される流動ガス流れと前記傾斜内壁面との間に生じる空間領域は、流動ガス流れ頂部に達した燃料核が底部中央のガス噴出ノズル付近まで戻るための案内流路として機能することができる。
【実施例】
【0034】
本発明の一実施例として、2列の直線上にノズル孔が開口するガス噴出ノズルを備えた高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置の被覆層形成工程用の反応容器を図1に示す。図1(a)は本反応容器の概略構成図であり、(b)は容器底部に設置されるガス噴出ノズルの構成を示す部分側面図であり、(c)はガス噴出ノズル上面のノズル孔開口配列を示す上面の平面図である。
【0035】
本装置における反応容器1は、長方形の横断面形状を有する直方体状の上部反応領域2とこの上部反応領域2の下部に連なり、ガス噴出ノズル5の上部に長方形の横断面形状で上向きに拡がる漏斗状の下部反応領域3とから主に構成されるものであり、下部反応領域3は、断面長方形の両短辺側に位置する傾斜内壁面(4a,4b)と断面長方形の両長辺側に位置する互いにほぼ平行な略扇形内壁面とで画定されるものである。
【0036】
また、上部反応領域2と下部反応領域3の断面長方形の短辺に沿った厚み寸法は互いに等しく、例えば被覆層形成対象である燃料核に用いられている原料のウラン濃縮度が10%以下の場合には8.3cm以下、ウラン濃縮度20%以下の場合には6.7cm以下に制限して未臨界性を保持させるものとする。
【0037】
本実施例においては、前記厚み寸法Aを8cmとした場合を例に示す。まず、上部反応領域2の高さCを40cm、断面長方形長辺方向に沿った幅寸法Bを40cmとし、下部反応領域3の高さDを20cm、傾斜内壁面(4a,4b)の水平面に対する傾斜角度αを45度、ガス噴出ノズル5の幅寸法でもある下部反応領域3の底部幅寸法Eを15cmとした。
【0038】
ガス噴出ノズル5は、上面6を凹面形状とし、直線上に5個ずつ2列で計10個のノズル孔(7a,7b,7c)を備えたものとした。一列5個につき、中心のノズル孔7aの内径d1を5mm、その両外側の2つのノズル孔7bの内径d2をぞれぞれ7.5mm、最外側の2つのノズル孔7cの内径d3をそれぞれ10mmとし、同じ直線上において隣り合うノズル孔の開口の中心軸同士の間隔をそれぞれ10mmとした。また、中心のノズル孔7aは、水平面に対するその中心軸の傾斜角度が90度となるものとし、その外側の2つのノズル孔7bはその中心軸が水平面に対してそれぞれ75度の傾斜角度になるものとし、最外側の2つのノズル孔7cは水平面に対するその中心軸が60度の傾斜角度になるものとした。
【0039】
以上の構成を備えた反応容器1において、燃料核への4層の被覆層形成を行った。ウラン濃縮度10%で直径0.6mmの燃料核4kgを反応容器1内に投入し、従来と同様に所定温度条件にて各被覆層の原料ガス供給源(不図示)から配管8を介してガス噴出ノズル5へ原料ガスを供給し、燃料核を流動させながら4つの被覆層を順次形成していき、被覆燃料粒子を製造した。
【0040】
得られた被覆燃料粒子の品質検査の結果、全ての被覆燃料粒子について各被覆層の厚さや粒子直径の偏差がそれぞれ平均値の2%以下であり、被覆層厚さ、粒径の均一性は良好であった。このように、本実施例の反応容器によれば、長方形短辺方向の厚み寸法Aを高濃縮度ウランを原料とする場合の未臨界性の保持のために制限しながらも、長方形長辺方向においては投入する燃料核の数量を少なくすることなく充分に均一な流動ガス流れを形成できる幅を確保できるため、流動ガス流れの外側に逸れた燃料核も傾斜内壁面(4a,4b)によって中央のガス噴出ノズル5へ戻して流動ガス流れに再び乗せることができ、良好な生産性を維持しつつ均一な品質の被覆燃料粒子が製造できた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例による高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置の概略構成図であり、(a)は本装置の反応容器の概略構成図、(b)は該反応容器のガス噴出ノズルの構成を示す部分側面図、(c)は該ガス噴出ノズル上面の平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1:反応容器
2:上部反応領域
3:下部反応領域
4a,4b:傾斜内壁面
5:ガス噴出ノズル
6:ガス噴出ノズルの上面
7a,7b,7c:ノズル孔
8:原料ガス供給配管
A:反応容器断面長方形短辺方向厚み寸法
B:反応容器断面長方形長辺方向幅寸法
C:上部反応領域高さ
D:下部反応領域高さ
E:下部反応領域底部幅(ガス噴出ノズル幅)寸法
α:傾斜内壁面の水平面に対する傾斜角度
d1,d2,d3:ノズル孔内径




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013