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発明の名称 高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10472(P2007−10472A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191284(P2005−191284)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
発明者 中村 亘
要約 課題
均一な厚みのオーバーコート層を有するオーバーコート粒子を高い作業効率で製造すること。

解決手段
オーバーコート粒子4の一半部の外表面に相応する型窪20Cを有するダイス20の型窪20Cに黒鉛マトリックス1Lを充填し、オーバーコートされるべき被覆燃料粒子2の一半部の外表面に相応する雄型31Mを有する第1のパンチ31をダイス20の型窪20Cに挿入し加圧してオーバーコート層3の一半部3Lを形成し、次いでこのオーバーコート層3の一半部3Lに被覆燃料粒子2を載せて黒鉛マトリックス1Uを充填し、オーバーコート粒子4の他半部の外表面に相応する雌型32Fを有する第2のパンチ32をダイス20に挿入し加圧してオーバーコート層3の他半部3Uを形成することによってオーバーコート粒子4を圧縮成形する。
特許請求の範囲
【請求項1】
オーバーコートすべき被覆燃料粒子の外表面に黒鉛マトリックスをダイス内で圧縮成形してオーバーコート層を形成することを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法であって、前記被覆燃料粒子の各半部毎に前記被覆燃料粒子の外表面に前記オーバーコート層を形成することを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法であって、前記被覆燃料粒子の各半部毎に異なるパンチを用いて各半部のオーバーコート層を形成することを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法。
【請求項4】
オーバーコート粒子の一半部の外表面に相応する型窪を有するダイスの前記型窪に黒鉛マトリックスを充填し、オーバーコートされるべき被覆燃料粒子の一半部の外表面に相応する雄型を有する第1のパンチを前記ダイスの型窪に挿入し加圧してオーバーコート層の一半部を形成し、次いで前記オーバーコート層の一半部に前記被覆燃料粒子を載せて黒鉛マトリックスを充填し、オーバーコート粒子の他半部の外表面に相応する雌型を有する第2のパンチを前記ダイスに挿入し加圧してオーバーコート層の他半部を形成することを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法。
【請求項5】
オーバーコート粒子の一半部の外表面に相応する型窪を有するダイスと、オーバーコートされるべき被覆燃料粒子の一半部の外表面に相応する雄型を有し前記ダイスの型窪に充填される黒鉛マトリックスを加圧してオーバーコート層の一半部を形成する第1のパンチと、前記オーバーコート粒子の他半部の外表面に相応する雌型を有し前記オーバーコート層の一半部に載せられた被覆燃料粒子の上に充填される黒鉛マトリックスを加圧してオーバーコート層の他半部を形成する第2のパンチとを備えたことを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造装置。
【請求項6】
請求項5に記載の高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造装置であって、前記ダイスの型窪内に黒鉛マトリックスを供給する黒鉛マトリックス供給手段と、前記ダイス内に被覆燃料粒子を供給する被覆燃料粒子供給手段と、前記第1と第2のパンチを保持し前記第1及び第2のパンチが前記ダイスに整列するように移動し加圧するパンチ保持駆動手段と、前記ダイスの型窪が空の時と前記第1のパンチによって形成されたオーバーコート層の一半部に被覆燃料粒子が装填された後とに黒鉛マトリックスを前記ダイスに充填するように前記黒鉛マトリックス供給手段を駆動し、また前記オーバーコート層の一半部が形成された後に前記オーバーコートの一半部に1個ずつ被覆燃料粒子を装填するように前記被覆燃料粒子供給手段を駆動し、且つ前記ダイスの空の型窪に前記黒鉛マトリックスが充填された後に前記第1のパンチを前記ダイス内に挿入して加圧し、前記被覆燃料粒子の上に前記黒鉛マトリックスが充填された後に前記第2のパンチを前記ダイス内に挿入して加圧するように前記黒鉛マトリックス供給手段と被覆燃料粒子供給手段とパンチ保持駆動手段とを所定の順序で駆動する制御手段とを備えていることを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造装置。








発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温ガス炉燃料を製造する過程で被覆燃料粒子の表面に黒鉛粉末を付着させてオーバーコートするオーバーコート粒子を製造する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高温ガス炉は、燃料を含む炉心構造を熱容量が大きく良好な高温健全性を有する黒鉛で構成し、また高温下でも化学的反応が起こることがないヘリウムガス等を冷却ガスとして用いることによって、固有の安全性が高く約900℃の高い出口温度のヘリウムガスを取り出すことができ、このヘリウムガスの高温熱は、発電や水素製造や化学プラント等の幅広い分野で利用することができる。
【0003】
この高温ガス炉の燃料は、二酸化ウランをセラミック状に焼結した直径が約350〜650ミクロンの燃料核(微小粒子)の周囲に4層の被覆を施して形成されている。第一層は、密度が約1g/cmの低密度熱分解炭素の被覆であり、これは、ガス状の核分裂生成物(FP)のガス溜めとしての機能と燃料核のスウェリングを吸収するバッファとしての機能とを併せ持っている。第二層は、密度が約1.8g/cmの高密度熱分解炭素の被覆であり、これは、ガス状FPの保持機能を有する。第三層は、密度が約3.2g/cmの炭化珪素(SiC)の被覆であり、これは、固体FPの保持機能を有すると共に、被覆燃料粒子の主要な補強部材としての機能を有する。最後に、第四層は、第二層と同様に、密度が約1.8g/cmの高密度熱分解炭素の被覆であり、これは、ガス状FPの保持機能と第三層の保護層としての機能を有する。
【0004】
一般的な被覆燃料粒子は、約500〜1000ミクロンの直径を有する。この被覆燃料粒子は、黒鉛マトリックス中に分散させた後、一定形状の燃料コンパクトの形態に成型加工され、この燃料コンパクトの一定数量を黒鉛筒に入れ、上下を栓で閉じて燃料棒とされる。この燃料棒は、六角柱型黒鉛ブロックの複数の挿入口に差し込まれて高温ガス炉の燃料となる。多数個の六角柱型黒鉛ブロックをハニカム配列に多段に重ねて炉心を構成している。
【0005】
高温ガス炉の燃料は、一般的には、次のようにして製造される。まず、酸化ウラン粉末を硝酸に溶かして硝酸ウラニル原液とし、この硝酸ウラニル原液に純水、増粘剤を添加し攪拌して滴下原液を作る。増粘剤は、滴下された硝酸ウラニル原液の滴液が落下中にそれ自体の表面張力で真球状になるように作用する。このような増粘剤としては、アルカリ条件下で凝固する性質を有する樹脂、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、ポリエチレングリコール、メトローズ等を使用することができる。このように調製された滴下原液は、所定の温度に冷却されて粘度が調整された後、細径の滴下ノズルを振動させる等の方法を用いてアンモニア水中に滴下される。
【0006】
滴液は、アンモニア水溶液表面に着水するまでの空間でアンモニアガスを吹き付けて表面をゲル化させることによって着水時の変形が防止される。硝酸ウラニルは、アンモニア水中でアンモニアと充分に反応させ、重ウラン酸アンモニウムの粒子(以下ADU粒子と称する)となる。このADU粒子は、乾燥後、大気中で焙焼され三酸化ウラン粒子となり、更に還元焼結されて高密度のセラミック状の二酸化ウラン粒子なる。この粒子は、篩分けして所定の粒径の燃料核(微小粒子)とされる。
【0007】
この燃料核は、流動床に装荷され、この流動床内に供給される反応ガス(被覆ガス)が熱分解されて燃料核の上に被覆が施される。第一層の低密度熱分解炭素は、約1400℃でアセチレン(C)を熱分解して被覆される。第二層及び第四層の高密度熱分解炭素は、約1400℃でプロピレン(C)を熱分解して被覆される。第三層のSiCは、約1600℃でメチルトリクロロシラン(MTS)(CHSiCl)を熱分解して被覆される。このように4層の被覆が施されて粒子を篩い分けして所定粒径の被覆燃料粒子が得られる。
【0008】
燃料コンパクトは、この被覆燃料粒子を黒鉛マトリックス中に分散した状態で加圧成型して製造されるが、この場合、被覆燃料粒子を黒鉛マトリックスに分散するために、黒鉛マトリックスをオーバーコートしてオーバーコート粒子とし(図1のS1参照)、このオーバーコート粒子をコンパクト成形金型内で加圧成型してグリーンコンパクトを製造している(図1のS2及び3参照)。このグリーンコンパクトは、その後、予備焼成して黒鉛マトリックス中の粘結剤を除去し、最後に、これを焼成して燃料コンパクトを完成している。
【0009】
従来技術では、被覆燃料粒子にオーバーコートするために、被覆燃料粒子の表面をアルコールで湿らせた状態で、この被覆燃料粒子に黒鉛粉末と粘結剤とから成る黒鉛マトリックスを散布して付着させ、これを乾燥し、篩い分けして所定粒径のオーバーコート粒子を製造していた。更に具体的に述べると、皿型造粒機の皿型(パン型)容器内に被覆燃料粒子を装填し、この容器を回転することによって被覆燃料粒子を転動させながらアルコールを吹き付けてその表面を湿らせ、容器内に黒鉛マトリックスを上から散布していた。
【0010】
しかし、この方法は、次のような欠点を有していた。
・ 被覆燃料粒子の直径の相違又は容器内面の表面粗さによって粒子の転動状態が変化する上に、すべての被覆燃料粒子の表面に均一にアルコールを吹き付けたり黒鉛マトリックスを散布したりすることが難しく、従ってすべての被覆燃料粒子の表面に黒鉛マトリックスを均一に付着させることが困難であった。
・ このため、被覆燃料粒子に黒鉛マトリックスの付着状態を定期的に確認しながらアルコールの吹き付け量や黒鉛マトリックスの散布量を調整しなければならないので、作業性が低い欠点があった。
・ また、容器から被覆燃料粒子を定期的に取り出して篩い分けし、黒鉛マトリックスの付着量が不足している被覆燃料粒子を再度容器に投入して黒鉛マトリックスを再付着させる必要がある。
・ 被覆燃料粒子を転動させながら黒鉛マトリックスを付着させると、黒煙マトリックスが付着した位置に黒鉛マトリックスが更に厚く付着してオーバーコート粒子の真球度が悪化する傾向がある。
・ 皿型(パン型)の容器は、高濃縮燃料、例えば、濃縮度が10%を越す燃料を製造する場合に、未臨界状態を保つために、容器に投入する質量を制限する必要があり、このため製造効率を高くすることができない。
・ 黒鉛マトリックスの付着量は、コンパクトに含まれる被覆燃料粒子の数によって増減することが必要であるが、上記のアルコールの付着−黒鉛マトリックスの散布という工程で黒鉛マトリックスを付着させる方法では大量の黒鉛マトリックスを付着させるのに多大の処理時間を必要とする欠点があった。
・ 上記の(1)乃至(4)に関連して、容器の回転速度、アルコールの吹き付け量、黒鉛マトリックスの散布量等の製造条件は、作業者の技量に頼っており、従って作業に熟練を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする1つの課題は、高い作業効率でまた熟練を必要とすることなく、被覆燃料粒子に黒鉛マトリックスを付着して高い品質のオーバーコート粒子を製造することができる高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明が解決しようとする他の課題は、高い作業効率でまた熟練を必要とすることなく、被覆燃料粒子に黒鉛マトリックスを付着して高い品質のオーバーコート粒子を製造することができる高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の課題解決手段は、オーバーコートすべき被覆燃料粒子の外表面に黒鉛マトリックスをダイス内で圧縮成形してオーバーコート層を形成することを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の第1の課題解決手段において、被覆燃料粒子の各半部毎に被覆燃料粒子の外表面にオーバーコート層を形成することが好ましく、この場合、被覆燃料粒子の各半部毎に異なるパンチを用いて各半部のオーバーコート層を形成する。
【0015】
本発明の第2の課題解決手段は、オーバーコート粒子の一半部の外表面に相応する型窪を有するダイスの型窪に黒鉛マトリックスを充填し、オーバーコートされるべき被覆燃料粒子の一半部の外表面に相応する雄型を有する第1のパンチをダイスの型窪に挿入し加圧してオーバーコート層の一半部を形成し、次いでこのオーバーコート層の一半部に被覆燃料粒子を載せて黒鉛マトリックスを充填し、オーバーコート粒子の他半部の外表面に相応する雌型を有する第2のパンチをダイスに挿入し加圧してオーバーコート層の他半部を形成することを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法を提供することにある。
【0016】
本発明の第3の課題解決手段は、オーバーコート粒子の一半部の外表面に相応する型窪を有するダイスと、オーバーコートされるべき被覆燃料粒子の一半部の外表面に相応する雄型を有しダイスの型窪に充填される黒鉛マトリックスを加圧してオーバーコート層一半部を形成する第1のパンチと、オーバーコート粒子の他半部の外表面に相応する雌型を有しオーバーコート層の一半部に載せられた被覆燃料粒子の上に充填される黒鉛マトリックスを加圧してオーバーコート層の他半部を形成する第2のパンチとを備えたことを特徴とする高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造装置を提供することにある。
【0017】
本発明の第3の課題解決手段において、ダイスの型窪内に黒鉛マトリックスを供給する黒鉛マトリックス供給手段と、ダイス内に被覆燃料粒子を供給する被覆燃料粒子供給手段と、第1と第2のパンチを保持しこれらの第1及び第2のパンチがダイスに整列するように移動し加圧するパンチ保持駆動手段と、ダイスの型窪が空の時と第1のパンチによって形成されたオーバーコート層の一半部に被覆燃料粒子が装填された後とに黒鉛マトリックスをダイスに充填するように黒鉛マトリックス供給手段を駆動し、またオーバーコート層の一半部が形成された後にオーバーコートの一半部に1個ずつ被覆燃料粒子を装填するように被覆燃料粒子供給手段を駆動し、且つダイスの空の型窪に黒鉛マトリックスが充填された後に第1のパンチをダイス内に挿入して加圧し、被覆燃料粒子の上に黒鉛マトリックスが充填された後に第2のパンチをダイス内に挿入して加圧するように黒鉛マトリックス供給手段と被覆燃料粒子供給手段とパンチ保持駆動手段とを所定の順序で駆動する制御手段とを備えているのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記のように、容器内で被覆燃料粒子を転動させることなく、被覆燃料粒子をダイス内で固定したままでその外表面に黒鉛マトリックスをダイス内で圧縮成形してオーバーコート層を形成するので、被覆燃料粒子の表面に黒鉛マトリックスを均一に付着させることができる。
【0019】
従って、従来技術のように、オーバーコート粒子の定期的確認やアルコール吹き付け量や黒鉛マトリックスの散布量の調整を必要とすることがなく、工程管理が容易となり、またオーバーコート粒子の篩い分けや黒鉛マトリックスの付着作業への再投入も必要とすることがなく、生産性を向上することができる。
【0020】
また、作業上被覆燃料粒子の質量の制限を受けることがないので、10%以上の高濃縮度の燃料を製造する場合でも未臨界状態に保つことができ、更に、オーバーコート層の厚みに応じて処理時間が異なることがなく、短時間で任意の厚さのオーバーコート層を得ることができる。
【0021】
従来技術のような容器の回転速度、アルコールの吹き付け量、黒鉛マトリックスの散布量の如き面倒な調整を必要とする製造条件を有しないので、熟練を必要とすることなく、安定した作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図2は、本発明に係わる高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法を実施するのに好適な製造装置10を示し、この製造装置10は、所望のオーバーコート粒子4(図3(H)参照)の一半部(下半部)の外表面に相応する型窪20Cを有するダイス20と、オーバーコートされるべき被覆燃料粒子2(図3(D)参照)の一半部(下半部)の外表面に相応する雄型31Mを有しダイス20の型窪20Cに充填される黒鉛マトリックス1Lを加圧してオーバーコート層3の一半部3L(図3(H)参照)を形成する第1のパンチ31と、オーバーコート粒子4の他半部(上半部)の外表面に相応する雌型32Fを有しオーバーコート層3の一半部3Lに載せられた被覆燃料粒子2の上に充填される黒鉛マトリックス1Uを加圧してオーバーコート層3の他半部3U(図3(H)参照)を形成する第2のパンチ32とを備えている。
【0023】
図示の形態では、本発明の製造装置10は、ダイス20の型窪20C内に黒鉛マトリックス1L、1U(図3(A)(H)参照)を供給する黒鉛マトリックス供給手段40と、ダイス20内に被覆燃料粒子2を供給する被覆燃料粒子供給手段50と、第1と第2のパンチ31、32を保持しこれらの第1及び第2のパンチ31、32がダイス20に整列するように移動し加圧するパンチ保持駆動手段60と、黒鉛マトリックス供給手段40と被覆燃料粒子供給手段50とパンチ保持駆動手段60とを所定の順序で駆動する制御手段70とを備えている。なお、被覆燃料粒子供給手段50は、ストッパー52を進退して被覆燃料粒子2を1個づつ供給するようにしている。
【0024】
制御手段70は、ダイス20の型窪20Cが空の時と第1のパンチ31によって形成されたオーバーコート層3の一半部3Lに被覆燃料粒子2が装填された後とに黒鉛マトリックス1L、1Uをダイス20にそれぞれ充填するように黒鉛マトリックス供給手段40を駆動し、オーバーコート層3の一半部3Lが形成された後にオーバーコート層3の一半部3Lに1個ずつ被覆燃料粒子2を装填するように被覆燃料粒子供給手段50を駆動し、また、ダイス20の空の型窪20Cに黒鉛マトリックス1Lが充填された後に第1のパンチ31をダイス20内に挿入して加圧し、被覆燃料粒子2の上に黒鉛マトリックス1Uが充填された後に第2のパンチ32をダイス20内に挿入して加圧するようにパンチ保持駆動手段60を制御する。この制御の詳細については、本発明の方法の工程と共に以下に順に説明する。
【0025】
本発明の高温ガス炉燃料用オーバーコート粒子の製造方法を図3を参照して述べると、先ず、黒鉛マトリックス供給手段40を駆動してダイス20の型窪20Cに所定量の黒鉛マトリックス1Lを充填した後(図3(A)参照)、パンチ保持駆動手段60を駆動して第1のパンチ31をダイス20の型窪20Cに挿入し(図3(B)参照)、黒鉛マトリックス1Lを加圧圧縮した後パンチ31を引き上げてオーバーコート層3の一半部(下半部)3Lを形成する(図3(C)参照)。
【0026】
次いで、被覆燃料粒子供給手段50を駆動してオーバーコート層3の一半部3Lに1つの被覆燃料粒子2を載せ(図3(D)参照)、黒鉛マトリックス供給手段40を駆動して被覆燃料粒子2の上にて黒鉛マトリックス1Uを充填する(図3(E)参照)。その後、パンチ保持駆動手段60を駆動して第2のパンチ32をダイス20に挿入して加圧圧縮し(図3(F)参照)、その後パンチ32を引き上げてオーバーコート層3の他半部(上半部)3Uを形成してオーバーコート粒子4を完成する(図3(G)参照)。
【0027】
ダイス20からオーバーコート粒子4を取り出し、上記と同様の工程を繰り返す。図示の例では、1組の装置10が示されているに過ぎないが、複数組の装置10を用意し、これらの装置を同期して又は同期させることなく運転して多数のオーバーコート粒子を製造することができる。
【0028】
なお、図示していないが、ダイス20からオーバーコート粒子4を取り出すために、ダイス20の底部を可動式としてもよいし、ダイス20を分割方式としてもよく、このようにすると、図2の装置を組み合わせて全工程を自動化することができるので有利である。
【実施例】
【0029】
本発明の一実施例を図4を参照して述べると、ダイス20は、平面直径が1.5mmで型窪20Cの直径が1.5mmであり、第1のパンチ31は、平面直径が1.5mmで半球状の雄型31Mの直径が0.9mmであり、また第2のパンチ32は、平面直径1.5mmで半球状の雌型32Fの直径が1.5mmであり、これらのダイス20、パンチ31、32を用いて直径が0.9mmの被覆燃料粒子2から直径が1.5mmの均一な厚みのオーバーコート層を有するオーバーコート粒子4を製造した。
【0030】
この実施例において、図3(A)乃至(G)の各工程に2秒掛かり、また図3(H)の取り出し工程に5秒掛かり、1つのオーバーコート粒子を製造するのに約30秒掛かった。従って1バッチ(約5kg)の1120個のオーバーコート粒子を製造するのに約560分掛かることになるが、3組の装置を併用すると、約190分で済むことになる。従来のアルコール付着−黒鉛マトリックス散布方式によって同じ寸法の1120個のオーバーコート粒子を製造するのに約200〜250分掛かっていたので、処理時間は若干少なくて済むことが解る。しかし、本実施例によって製造されたオーバーコート粒子は、均一な厚みのオーバーコート層を有するオーバーコート粒子を得ることができ、従って高い品質の製品を短時間で得ることができることが解る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明によれば、被覆燃料粒子にアルコールの付着―黒鉛マトリックスの散布による方式ではなく、ダイス内で被覆燃料粒子の周りに黒鉛マトリックスを圧縮成形する方式でオーバーコート粒子を製造するので、均一な厚みのオーバーコート層を有する高い品質のオーバーコート粒子を効率よく製造することができ、産業上の利用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】燃料コンパクトの製造工程を示すブロック図である。
【図2】本発明のオーバーコート粒子の製造装置の概略系統図である。
【図3】本発明のオーバーコート粒子の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】本発明のオーバーコート粒子の製造方法に用いられる装置の主要部の寸法を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1L、1U 黒鉛マトリックス
2 被覆燃料粒子
3L、3U オーバーコート層の半部
4 オーバーコート粒子
10 燃料コンパクトの製造装置
20 ダイス
20C 型窪
31 第1のパンチ
31M 雄型
32 第2のパンチ
32F 雌型
40 黒鉛マトリックス供給手段
50 被覆燃料粒子供給手段
52 ストッパー
60 パンチ保持駆動手段
70 制御手段






















 

 


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