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発明の名称 沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管検査装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3430(P2007−3430A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185978(P2005−185978)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
発明者 星 豊
要約 課題
角管内面側接合部の高精度な検査が従来より簡便に且つ効率良く行うことができる沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管検査装置の提供。

解決手段
沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される角管の溶接部を角管内面側から検査するための装置において、駆動機構にて長尺架台上のガイドレールに対して角管を保持するワーク保持部材を摺動させることによって、下段の他端側で支持されている撮影機構の撮像装置を相対的に角管内に挿入して溶接部を撮影させるものであり、撮像装置による溶接部の撮影時に照明を当てる照明機構からの光束を撮影機構先端部で互いに略180度の角度で離反する方向へ二分するビームスプリッターを有するものとした。
特許請求の範囲
【請求項1】
沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される角管の溶接部を角管内面側から検査するための装置であって、
長尺架台と、該架台の長手方向に沿って架台一端側から他端側に亘って設けられたガイドレールと、該ガイドレール上に摺動可能に所定間隔をもって複数個設けられ、検査対象の角管を各位置にて外側から挟持して前記架台上に略平行に保持するワーク保持部材と、前記角管の保持状態にある複数個のワーク保持部材を前記ガイドレールに沿って摺動させる駆動機構と、
前記角管内に挿入されて前記溶接部を撮影するための撮像装置を有する撮影機構と、該撮像装置を先端に支持する予め定められた長さを有するロッド部と、該ロッド部を前記撮像装置が前記ワーク保持部材によって保持されている角管内に挿入できる高さ位置に前記架台上の他端側で支持する支持機構と、を備え、
前記撮影機構は、撮像装置による溶接部の撮影時に照明を当てる照明機構と、該照明機構からの光束を撮影機構先端部で互いに略180度の角度で離反する方向へ二分するビームスプリッターとを有し、
前記支持機構は、前記ロッド部を複数位置でそれぞれ支える支持部と、該ロッド部の前記角管内への相対挿入時に角管に対する前記各支持部の干渉を回避させる回避手段とを備え、
前記駆動機構による前記ワーク保持部材のガイドレール上の摺動により前記撮像装置が前記角管左右両内壁面を撮影しながら前記角管内の一端から他端に亘って相対的に挿入移動するように前記駆動機構と前記回避手段を制御すると共に、前記撮像装置による映像を観察するためのモニター機構を有する制御機構をさらに備えたことを特徴とする沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置。
【請求項2】
前記支持機構の回避手段は、前記角管の位置を検出するセンサーと、該位置検出センサーの検出結果に基づいて前記各支持部を前記ロッド部に対して個別に退避移動させる退避機構とを有することを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置。
【請求項3】
前記ビームスプリッターは、二個の直角プリズム同士を貼り合わせてなるキューブ型ビームスプリッターを二組備えているものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置。
【請求項4】
前記撮像装置が、半導体イメージセンサを備えているものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置。
【請求項5】
前記照明機構が、光源からの光束を撮像装置付近へ導く光ファイバーを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置。
【請求項6】
前記照明機構は、前記光ファイバーからの放射光を散乱させる透過手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばウォータロッドやチャンネルボックスなどの沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される角管の溶接領域の良否を判定するための検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉用の燃料集合体は、複数本の燃料棒が正方格子状に束ねられて上部及び下部タイプレートで支持され、チャンネルボックスに納められて構成されるものであるが、正方格子の中央領域には、数本の燃料棒の代わりに水で満たされる角型ウォータロッドが配置される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このウォータロッドは、図7(a)に示すように、2枚の長尺板を断面略コノ字形状に屈曲させた部材(10x,10y)を互いに向き合わせて形成した角管10から構成される。即ち、屈曲された両部材のコノ字の左右腕部分を長手方向全域に亘って立ち上がり寸法が均一になるように切削加工し、左右腕部分の端縁同士を付き合わせてTIG(Tungsten Inert Gas)溶接法やレーザ溶接法等で接合することによって、図7(b)及び(c)の断面図に示すような角管10を形成し、所定管長さとなるように両端を切断した後、さらに図8に示すように角管10の一端に中間接続部材を介して細径上部端栓100を、他端に下部端栓200をそれぞれ溶接固定して燃料集合体に配置されるウォータロッドWが得られる。また、チャンネルボックスについても角管サイズに違いがある程度であって、ほとんど上記ウォータロッドと同じ工程、方法で製造されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−333178号公報(図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように製造される角管10は、断面コノ字形状の2部材が溶接された後に、互いの突き合わせ部が良好に接合されたかを検査している。この時、接合部Zの外表面側は容易に目視検査できるが、角管内周面側の検査には汎用工業用ビデオスコープなどを用いる必要がある。
【0006】
しかしながら、ビデオスコープでの検査は、ファイバーの長さに限界があって、角管の長手方向全域に亘る検査には、一本の接合領域に対してビデオスコープの挿入操作を両端側からそれぞれ1回ずつ、計2回行わなければならず、しかも左右両側の接合領域2本それぞれについて別個に検査を行わなければならなかった。
【0007】
また、ビデオスコープによる検査は、モニタを見て先端カメラ部を移動させながら行っており、画像の解像度が低くて金属表面の良否判別が難しいのに加えて、視野が狭く且つ乱れやすい画像に基づいた観察位置の確認は不安定で再現するのが困難であるため、時間が掛かり、精度の良い検査結果を得るには技術の熟練と根気を要する効率の悪い作業であった。
【0008】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される角管の接合部の検査において、角管内面側の高精度な検査が従来より簡便に且つ効率良く行うことができる検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される角管の溶接部を角管内面側から検査するための装置であって、長尺架台と、該架台の長手方向に沿って架台一端側から他端側に亘って設けられたガイドレールと、該ガイドレール上に摺動可能に所定間隔をもって複数個設けられ、検査対象の角管を各位置にて外側から挟持して前記架台上に略平行に保持するワーク保持部材と、前記角管の保持状態にある複数個のワーク保持部材を前記ガイドレールに沿って摺動させる駆動機構と、前記角管内に挿入されて前記溶接部を撮影するための撮像装置を有する撮影機構と、該撮像装置を先端に支持する予め定められた長さを有するロッド部と、該ロッド部を前記撮像装置が前記ワーク保持部材によって保持されている角管内に挿入できる高さ位置に前記架台上の他端側で支持する支持機構と、を備え、前記撮影機構は、撮像装置による溶接部の撮影時に照明を当てる照明機構と、該照明機構からの光束を撮影機構先端部で互いに略180度の角度で離反する方向へ二分するビームスプリッターとを有し、前記支持機構は、前記ロッド部を複数位置でそれぞれ支える支持部と、該ロッド部の前記角管内への相対挿入時に角管に対する前記各支持部の干渉を回避させる回避手段とを備え、前記駆動機構による前記ワーク保持部材のガイドレール上の摺動により前記撮像装置が前記角管左右両内壁面を撮影しながら前記角管内の一端から他端に亘って相対的に挿入移動するように前記駆動機構と前記回避手段を制御すると共に、前記撮像装置による映像を観察するためのモニター機構を有する制御機構をさらに備えたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、請求項1に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置において、前記支持機構の回避手段は、前記角管の位置を検出するセンサーと、該位置検出センサーの検出結果に基づいて前記各支持部を前記ロッド部に対して個別に退避移動させる退避機構とを有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、請求項1または請求項2に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置において、前記ビームスプリッターは、二個の直角プリズム同士を貼り合わせてなるキューブ型ビームスプリッターを二組備えたものである。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置において、前記撮像装置が、半導体イメージセンサを備えているものである。
【0013】
請求項5に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置において、前記照明機構が、光源からの光束を撮像装置付近へ導く光ファイバーを備えているものである。
【0014】
請求項6に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、請求項5に記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置において、前記照明機構は、前記光ファイバーからの放射光を散乱させる透過手段をさらに備えているものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の角管内面検査装置においては、角管内に相対挿入される撮像装置の先端部に照明機構からの光束を互いに略180度の角度で離反する方向へ二分するビームスプリッターが設けられており、これによって対向する2方向での視野を確保できるため、該撮像装置を角管内に相対挿入させる一度の操作だけで、角管内面の左右両側の溶接部を同時に撮影でき、従来より簡便に溶接部の観察、検査することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明による沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置は、長尺架台上の他端側に、撮像装置をロッド部先端に備えた撮影機構を固定し、前記架台上の一端側で検査対象の角管を保持したワーク保持部を該架台上でガイドレールに沿って摺動させることによって、撮像装置を角管内の一端から他端に亘って相対的に挿入移動させていき、その移動に伴って角管内面を撮影するものであり、撮像装置の先端部にビームスプリッターを設けて照明機構からの光束を互いに略180度の角度で離反する方向へ二分することにより、角管の互いに対向する二つの内面に照明を当てて2方向同時観察視野が得られるものである。従って、この二つの照明方向を溶接部が形成されている角管内左右両面に設定しておけば、角管内への撮像装置の挿入移動を一度行うだけで、左右二本の溶接部の角管内映像を同時に得ながらその状態を観察し、検査することができる。
【0017】
また、本発明においては、角管内に撮像装置が相対的に挿入されていく際に、撮像装置を架台上にて所定高さで支持している支持部を角管に干渉させないための回避手段を設けることによって、撮像装置の角管内への挿入を可能としている。
【0018】
なお、本発明では、制御機構によって駆動機構および回避手段が制御されるものであり、この制御機構には、撮像装置による映像を観察するためのモニター機構が備えられている。従って、制御機構での制御により、駆動機構によるワーク保持部のガイドレール上の摺動と回避手段による角管に対する撮像装置支持部の回避が連動して駆動制御されることにより、撮像装置の角管内挿入移動と角管内左右両面の溶接部の同時観察とがスムーズに行える。さらに、この制御機構において、撮像装置で撮影した溶接部の画像に対して所定の画像処理を行うことによって、角管内左右両面の撮影の進行に伴った溶接部の合否判別を数値的にリアルタイムで行うことができる。
【0019】
前記回避手段の具体的構成としては、撮影機構のロッド部を支える各支持部を角管に対して近接するに伴って適宜ロッド部から個別に退避させられると共に、角管から離れるに伴って支持状態に復帰させられる構成のものであればよく、特に限定するものではないが、ロッド部に対して支持部を退避および復帰させるための装置構成自体がより簡便であり、支持部ごとの制御機構による制御駆動が容易に行えるものが望ましい。
【0020】
このような回避手段としては、例えば支持部毎にシリンダ装置を組み合わせた構成が挙げられる。即ち、シリンダロッドの先端に撮影機構のロッド部に当接する支持部を取り付け、シリンダ装置に対する油圧や空気圧の調整制御によりシリンダロッドを上下駆動させるものである。撮影機構の支持状態を得る際には、全シリンダロッドを所定高さ位置まで上昇させて全支持部でロッド部を下方から支持させ、検査工程において撮像装置の角管内への挿入移動を行う際には、角管端部の近接状況に応じて順次シリンダロッドを下降させてロッド部から退避させれば良い。
【0021】
この場合、各シリンダ装置の駆動は制御機構により制御されるが、検査工程でのシリンダロッドの下降タイミングは、相対移動する角管との距離に応じたものとするのが最も簡便である。従って、角管の位置を検出するセンサーを備えておき、この位置検出センサーの検出結果に基づいて、制御機構は退避させるべき支持部に対して角管端部が所定距離まで近接した位置に達した時点でそのシリンダ装置を駆動させてシリンダロッドを下降させれば良い。なお、撮像装置が角管内最奥位置まで相対挿入された状態にて角管外に位置するロッド部の終端では、該終端部の支持部を退避させる必要がないので、固定支持部とすればよい。
【0022】
なお、本発明で用いるビームスプリッターとしては、照明光束を二分して角管内左右両面へ同時に導くことができるものであれば、広く採用可能であるが、より小型で簡便な構成のものが望まれる。最も簡便なビームスプリッターとしては、プリズムから構成されるものが挙げられる。例えば、断面二等辺三角形の直角プリズム二つが互いの底面同士で接合されることによって形成されるキューブ型ビームスプリッターは、側面に対して垂直に入射する光束を接合面で90度方向に反射させる反射光と透過光とに分割する。従って、入射光束が各接合面でそれぞれ左右反対方向に反射されるように二組のキューブ型ビームスプリッタを併設すれば、撮像装置先端方向へ入射してくる照明光束を互いにほぼ180度の角度で離反する二方向へ分離させ、角管内左右両面に同時に照明を当てるビームスプリッターを構成することができる。
【0023】
また、本発明の検査装置における照明光の導入方法としては、光源自体を撮像装置付近に設けると角管内移動が困難となってしまうため、比較的大きな占有空間が必要となってしまう光源は撮影機構と距離のある外部に設置し、光ファイバーにより撮像装置付近へ照明光を導く構成が好適である。この場合、光ファイバーをロッド部側面に沿わせるように固定すれば、撮像装置の角管内相対挿入移動に支障は生じない。また、同様に、撮像装置からの映像データを制御機構に送るための信号ケーブルなどもロッド部に沿わせて固定すれば良い。
【0024】
なお、光ファイバーによる撮影領域の照明度はモニターにより確認できるので、撮影に適するように制御機構によって撮影機構から離れた光源に対して照度コントロールを行えば良い。また、角管内面の撮影画像として良好な画質のものを得るために、光ファイバーによる照明光を直射光のまま検査面に当てるのではなく、散乱光にしてより均一な照明光とすることが望ましい。それには、例えば、光ファイバーから放出される光束を散乱光にしつつ透過させる和紙やスリガラス等の光散乱用透過手段を取付る方法が簡便である。
【0025】
また、本発明の撮像装置としては、角管内での移動が容易なように小さい寸法設計で構成できるものとする。このような撮像装置には、小型カメラとして一般的に用いられている装置を利用できる。例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の、現在一般的にデジタルカメラ等に採用されている半導体イメージセンサが好適である。これらの半導体イメージセンサを撮像装置として用いれば、得られる画像データは、全画素読み出しによって溶接部合否判定用に画像処理を容易に行えるため、連続的なリアルタイムでの判別検査を効率的に行うことができる。
【0026】
さらに、制御機構は、溶接不良箇所が検出された場合にその位置を特定すると共に検査部位の再現性を確保するために、検査工程中に亘ってモニターに映し出されている角管内左右両面の検査位置を特定する手段を設けておくことが望ましい。なお、撮像装置によって撮影されている角管内面の映像箇所、即ち検査位置は、角管の撮像装置に対する相対位置から求めることができるが、この相対位置はワーク保持部のガイドレール上の摺動位置によって決定し、さらにこのワーク保持部の位置は駆動機構による駆動量に基づいて求められる。従って、例えば、駆動機構としてサーボモータによって移動する無限軌条のベルトを用いる場合には、サーボモータの位置表示値を利用すれば、最終的に検査位置を特定することができる。
【0027】
このサーボモータの特性を生かした高速制御による位置精度の再現性を高めて欠陥部位の特定を迅速に行うこと、また、角管内面検査終了時の戻り速度を可変することで作業の効率を高めることができる。すなわち、角管内面検査時の挿入移動速度と検査終了時の戻り速度を変えることで作業時間の最適化が図れる。
【0028】
また、制御機構は、モニターに映し出される検査面の映像を記録する手段を有するものとしても良く、この場合、前記検査位置の数値も画像上に表示し、その検査面映像と同一画面上に記録できるものとすれば、検査結果のデータ管理上有効である。
【0029】
なお、本発明による角管検査装置は、ウォータロッド用に限らず、例えばチャンネルボックスなど、燃料集合体に配置され、接合部を有するものに対して広く有効であることは言うまでもない。
【実施例】
【0030】
本発明の一実施例によるBWR用燃料集合体の角管内面検査装置として、撮像装置にCCDカメラを用いた場合を図1〜図6に示す。図1は本実施例の制御部以外の検査装置部分を全体的に示す概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は上方から見た平面図である。図2は本実施例の駆動機構部分を説明する図1のA−A断面矢視図である。図3は本実施例の撮影機構の撮像装置部分の概略構成図であり、(a)は撮像装置部分の上方から見た平面図、(b)は(a)のX−X断面矢視図、(c)撮像装置部分の側断面図、(d)は、撮像装置部分とそれを支える支持機構の概略側面図である。図4はロッド部の支持機構を示す概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のY−Y断面矢視図である。図5は本実施例の制御機構としての操作を行うコンピュータ制御盤の概略構成図である。図6は前記制御盤におけるデータ処理機構を説明するフロー図である。
【0031】
本実施例による角管内面検査装置は、検査対象である角管10の内面の撮影が実際に行われる検査領域1と、該検査領域1の駆動機構や撮影機構11の制御によって得られた映像データを処理するための制御盤30とから主に構成される。
【0032】
図1、図2に示すように、検査領域1では、長尺架台2上の長手方向に沿って一端側から他端側に亘ってガイドレール3が設けられており、このガイドレール3上には摺動可能に所定間隔をもってワーク保持部材4が複数個設けられ、これら複数個のワーク保持部材4によって、検査対象の角管10が架台2上に略平行に保持されるものである。なお各ワーク保持部材4の上部にエアシリンダを利用した挟持部5を設けて角管10を保持するものとした。
【0033】
これらワーク保持部材4が駆動機構によりガイドレール3に沿って摺動されることによって、角管10は検査のための移動を行う。本実施例においては、この駆動機構にサーボモータ6および該サーボモータ6によって架台2上を移動する無限軌条のベルト7とからなる機構を備えた。ベルト7とワーク保持部材4とは、押圧部材8を介して連結されており、ベルト7の駆動に伴ってワーク保持部材4が移動する。なお、このように駆動機構にサーボモータ6を用いることによって、その位置表示値を角管の位置特定に利用できる。
【0034】
一方、架台2の他端側には、角管10内面を撮影するための撮影機構11が設けられている。この撮影機構11は、先端に撮像装置12を支持したロッド部13が、複数の支持機構14によってそれぞれ架台2上に所定の高さで位置固定されている。このロッド部13の終端部は、終端支持部17によって架台2上に固定されている。本実施例においては、このロッド部13は、4本のロッド(13a,13b,13c,13d)から構成されるものとした。
【0035】
この撮像装置12およびロッド部13は、架台2上の一端側でワーク保持部材4によって保持されている角管10に対して挿入可能な高さ位置に支持されている。従って、駆動機構において、サーボモータ6によるベルト7の駆動によってワーク保持部材4と共に角管10が一端側から他端側へ移動していくと、撮像装置12が相対的に角管10内へ挿入移動されていく。
【0036】
なお各支持機構14は、図3、図4に示すように、ロッド部13を支える支持部15と、撮影機構11と移動してくる角管10の端部との干渉を回避するための手段としてのシリンダロッド16とからなるものである。このシリンダ機構は、図5に示すような制御盤30からの指令に基づいてシリンダロッド16の上下方向の駆動が制御されるものある。
【0037】
即ち、図3に示すように、シリンダロッド16の上端に支持部15が設置されており、シリンダロッド16の駆動により支持部15が下降して角管10から退避される。従って、角管10の端部との近接位置関係に応じて、各支持機構14は順次シリンダロッド16の下方向駆動に伴い下降、退避していき、撮像装置12の角管10内への相対的な挿入移動は何ら支障はなく良好に進行する。
【0038】
なお、制御盤30からの指令によるシリンダロッド16の駆動で支持部15を下降させるタイミングは、各支持部15に位置検出センサー(不図示)を設け、各センサーにより角管10端部が所定近接位置に達したことが検出された時点で、退避させるべき支持部15に対してそのシリンダロッド16を駆動させて、下降、退避させれば良い。ただし、ロッド部13の終端部は、角管10内に挿入されることがなく、支持部が退避する必要もないので終端部支持部17はロッド部13を架台2上で固定支持するものとする。
【0039】
以上のように、駆動機構を制御して角管10内にロッド部13を相対挿入していけば、ロッド部13の先端に支持されている撮像装置12が角管10内を撮影しながら進行していく。なお、本実施例においては、撮像装置12としてCCDイメージセンサ式の小型カメラ20を採用したことにより、該撮像装置12を角管10内での移動が容易な小さい寸法設計で構成できた。さらに、このような半導体イメージセンサを用いれば、得られる画像データは全画素読み出しによって溶接部合否判定用に画像処理を容易に行えるため、連続的なリアルタイムでの判別検査を効率的に行うことができる。
【0040】
また、本実施例においては、撮像装置12による溶接部Zの撮影時に照明機構からの光束を撮像装置12の先端部で互いに略180度の角度で離反する方向へ二分して、角管10内左右両面に同時に照明を当てるためのビームスプリッタ22として、二組のキューブ型ビームスプリッタ(22a,22b)を併設した。これは、それぞれ断面二等辺三角形の直角プリズム二つを互いの底面同士で接合して形成したものであって、各キューブ型ビームスプリッタは、側面に対して垂直に入射する光束を接合面で90度方向に反射させた反射光と透過光とに分割する。
【0041】
従って、これら二組のキューブ型ビームスプリッタ(22a,22b)を入射光束が各接合面でそれぞれ左右反対方向に反射されるように併設すれば、撮像装置12の先端方向へ入射してくる照明光束は互いにほぼ180度の角度で離反する二方向へ分離され、角管10内左右両面の2方向で同時観察視野が得られるため、角管10内への撮像装置12の挿入移動を一度行うだけで、左右二本の溶接部Zの角管内映像を同時に得ながらその状態を観察し、検査することができる。
【0042】
なお、本実施例においては、前記照明機構として、光ファイバー照明21をロッド部13の間、小型カメラ20の周囲に設置した。これにより、光源は装置外に設置してその光束を光ファイバーケーブル26を介して撮像装置12の先端側へ導くことができるため、光源自体を撮像装置12と共に角管10内に挿入させる必要がなく、撮像装置12が大形化しないため、角管内相対挿入移動が容易で移動に伴った撮影もスムーズに進行できる。さらに、本実施例では、光ファイバー照明21からの放射光を透過して散乱状態とする光散乱用透過部材9、例えば、スリガラスあるいは和紙などを光ファイバー正面21の下流側に配置した。これによって検査対象面により均一な照明光を当てて金属表面の撮影画質を格段に向上させることができる。
【0043】
この光ファイバー照明21と装置外の光源とを繋ぐ光ファイバーケーブル26は、図4に示すように、ロッド部13に沿わせて配置すれば、撮像装置12の角管10内移動に支障は生じない。同様に、撮像装置12からの映像データを制御盤30に送るための信号ケーブル25なども光ファイバーケーブル26と共にロッド部13に沿わせて配置すれば良い。
【0044】
以上の構成において、制御盤30からの駆動指令に応じて、サーボモータ6によるベルト7の駆動でワーク保持部材4のガイドレール3上の摺動および前記回避手段としての支持機構14のシリンダロッド16の下降駆動により、撮像装置12が角管10の二本の溶接部Zを含む左右両内壁面を同時に撮影しながら角管10内の一端から他端に亘って相対的に挿入移動していき、その映像は、制御盤30に設けられたモニター31によってほぼ観察される。
【0045】
また制御盤30は、図6のフロー図に示すようなデータ処理機構を構築しており、制御盤30で得られる画像データを所定の計算処理を介して画像処理することで、溶接部Zの合否をほぼリアルタイムで判定していくことができる。また、制御盤30にビデオ装置32を搭載することによって、得られた映像を記録することができる。このとき、サーボモータ6の位置表示値およびタイマーによる経過時間も同時に記録することによって、該位置表示値と時刻に基づいてその映し出されている部位、即ち検査位置を再現できるため、映像中の溶接部Zに欠陥が見られた場合、その欠陥位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例による沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管内面検査装置の制御機構以外の検査装置部分を全体的に示す概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は上方から見た平面図である。
【図2】本実施例における駆動機構を説明する図1のA−A断面矢視図である。
【図3】本実施例における撮影機構の撮像装置部分の概略構成図であり(a)は撮像装置部分の上方から見た平面図、(b)は(a)のX−X断面矢視図、(c)撮像装置部分の側断面図、(d)は撮像装置部分とそれを支える支持機構の概略側面図である。
【図4】本実施例におけるロッド部の支持機構を示す概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のY−Y断面矢視図である。
【図5】本実施例における制御機構としてのコンピュータ制御盤の概略構成図である。
【図6】本実施例の制御盤におけるデータ処理機構を説明するフロー図である。
【図7】一般的な沸騰水型原子炉用燃料集合体の角管構成を示す説明図であり、(a)は溶接組立前の角管構成部材を示す概略斜視図、(b)は溶接組立後の角管を示す概略斜視図、(c)は角管の長手方向に対して直交する断面図である。
【図8】一般的な沸騰水型原子炉用燃料集合体のウォータロッドを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0047】
1:検査領域
2:長尺架台
3:ガイドレール
4:ワーク保持部材
5:エアシリンダ
6:サーボモータ
7:ベルト
8:押圧部材
9:光散乱用透過部材
10:角管
10x,10y:断面略コノ字形状部材
Z:溶接部
11:撮影機構
12:撮像装置
13:ロッド部
13a,13b,13c,13d:ロッド
14:支持機構
15:支持部
16:シリンダロッド
17:終端支持部
20:(CCD)小型カメラ
21:光ファイバー照明
22:ビームスプリッタ
22a,22b:キューブ型ビームスプリッタ
25:信号ケーブル
26:光ファイバーケーブル
30:制御盤
31:モニター
32:ビデオ装置
100:細径上部端栓
200:下部端栓
W:ウォータロッド




 

 


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