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発明の名称 流路形成装置、および自然循環型沸騰水型原子炉
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−232546(P2007−232546A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−54057(P2006−54057)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 廣川 文仁 / 高橋 志郎 / 椿 正昭
要約 課題
プールの設置面積を大きくすることなしに、流路隔壁をもプールに保管可能な自然循環型沸騰水型原子炉を提供する。

解決手段
冷却材を収容可能な原子炉圧力容器6と、この原子炉圧力容器内に配置され、冷却材を加熱して蒸気を発生させる炉心7と、原子炉圧力容器6内で炉心7の上方に配置され、冷却材の自然循環を促進するチムニ11とを有する自然循環型沸騰水型原子炉1において、チムニ11が、炉心7からの冷却材が流れる複数の流路11aを形成し、少なくても2つに分割されている流路形成装置11A、11Bを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉圧力容器内の炉心の上方に装備されるチムニ内に配置され、前記炉心からの冷却材が流れる複数の流路を形成し、少なくとも2つに分割されていることを特徴とする流路形成装置。
【請求項2】
前記冷却材が流れる方向と平行な面で縦割り方向に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の流路形成装置。
【請求項3】
前記冷却材が流れる方向と平行な法線を有する面で輪切り方向に分割されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流路形成装置。
【請求項4】
前記複数の流路に仕切る流路隔壁と、
前記流路隔壁の上端を支持し、前記複数の流路の上が開口した上部支持板と、
前記流路隔壁の下端を支持し、前記複数の流路の下が開口した下部支持板とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の流路形成装置。
【請求項5】
前記複数の流路が格子状の格子流路であり、
前記格子流路は複数の角管を千鳥配置することで構成され、
前記面が前記複数の角管の間を通っていることを特徴とする請求項2に記載の流路形成装置。
【請求項6】
冷却材を収容可能な原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器内に配置され、前記冷却材を加熱して蒸気を発生させる炉心と、
前記原子炉圧力容器内で前記炉心の上方に配置され、前記冷却材の自然循環を促進するチムニとを有する自然循環型沸騰水型原子炉において、
前記チムニが、前記炉心からの冷却材が流れる複数の流路を形成し、少なくても2つに分割されている流路形成装置を有することを特徴とする自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項7】
前記流路形成装置が、前記冷却材が流れる方向と平行な面で縦割り方向に分割されていることを特徴とする請求項6に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項8】
前記流路形成装置が、前記冷却材が流れる方向と平行な法線を有する面で輪切り方向に分割されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項9】
前記流路形成装置が、
前記複数の流路に仕切る流路隔壁と、
前記流路隔壁の上端を支持し、前記複数の流路の上が開口した上部支持板と、
前記流路隔壁の下端を支持し、前記複数の流路の下が開口した下部支持板とを有することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項10】
前記上部支持板が、前記チムニの周囲に配置されたチムニ胴に支持されていることを特徴とする請求項9に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項11】
前記上部支持板の前記チムニ胴による支持構造において、前記上部支持板と前記チムニ胴との間にくさびを打ち込んで支持する構造であることを特徴とする請求項10に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項12】
前記下部支持板が、前記チムニの周囲に配置されたチムニ胴に支持されていることを特徴とする請求項9に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項13】
前記下部支持板の前記チムニ胴による支持構造において、前記下部支持板と前記チムニ胴とに設けられたピンと孔とを合わせて支持する構造であることを特徴とする請求項12に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項14】
前記複数の流路が格子状の格子流路であり、
前記格子流路は複数の角管を千鳥配置することで構成され、
前記面が前記複数の角管の間を通っていることを特徴とする請求項7に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然循環型沸騰水型原子炉に関し、特に、原子炉のチムニ内の流路形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然循環型沸騰水型原子炉では、原子炉圧力容器内の冷却材の循環流路を、炉心の上部に設けた円筒状のチムニ胴と炉心の周囲を囲う炉心シュラウドとを利用して形成している。炉心シュラウドおよびチムニの外周面と、原子炉圧力容器内面との間に設けられているダウンカマと呼ばれている下降流路を形成して冷却材を下降させるとともに、炉心シュラウドの内側とチムニの内側に上昇流路を形成して、冷却材を上昇させている。このようにして、原子炉圧力容器において冷却材を自然循環させている。
【0003】
このような自然循環型沸騰水型原子炉は、循環流路を原子炉圧力容器内に備えているので、炉心で核反応による熱を受けて加熱された冷却材が液体と蒸気の気液二相流となって炉心からチムニ内を通る上昇流路にて上昇し、その気液二相流は液体と蒸気に気水分離器で分離されて、蒸気は上昇し蒸気乾燥器でさらに湿分が除かれて原子炉圧力容器外のタービンなどに供給され、液体は下降流路に送られる。
【0004】
下降流路では冷却材がチムニ内の冷却材よりも低温で蒸気を含まないので密度が大きく、この密度差に基づく水頭差で冷却材が下降して行く。下降した冷却材の流れは原子炉圧力容器の底部で上昇に転じ、冷却材は再度炉心へ下方から入り加熱され上昇する。このように冷却材を、ポンプを利用しないで自然循環をさせることができる(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
その冷却材の自然循環力を向上させるために、チムニ内において流路隔壁でチムニ内の上昇流路を複数の直立した格子流路に仕切り、その複数の格子流路内に炉心から上昇してきた気液二相流を流して、冷却材を上昇させるようにした例もある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平08−094793号公報
【特許文献2】特開平06−265665号公報
【特許文献3】特公平07−027051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自然循環型沸騰水型原子炉を含め一般的に原子炉では、炉心まわりの定期点検が義務付けられており、炉心シュラウドや炉心下部プレナムの点検が行われる。そして、この点検の結果によっては、保守が必要になる場合がある。
【0008】
点検保守の際には、炉心でテレビカメラや検査装置を使用するために、原子炉圧力容器の上部から炉心までテレビカメラや検査装置を移動させることになる。この移動の経路上には、特許文献1と2においては、蒸気乾燥器と気水分離器とが配置されており、特許文献3においては、蒸気乾燥器と気水分離器とに加えて、チムニ内の流路隔壁も配置されている。点検保守の際には、テレビカメラや検査装置を効率よく操作するために、蒸気乾燥器と気水分離器と流路隔壁とを原子炉圧力容器の外に取り出す必要がある。
【0009】
蒸気乾燥器と気水分離器と流路隔壁とは放射能に汚染されているので、取り出された蒸気乾燥器と気水分離器と流路隔壁とは、放射線の遮へいされた一時保管場所に保管する必要がある。一時保管場所としては、水を満たしたプールが用いられる。プールは原子炉が収容される原子炉建屋の中に設置される。プール内に、蒸気乾燥器と気水分離器とに加えて、流路隔壁を保管しようとすれば、プールの設置面積が大きくなり、ひいては、原子炉建屋の敷地面積が大きくなり、原子炉の建設費用が増加してしまう。
【0010】
したがって、本発明の目的は、プールの設置面積を大きくすることなしに、流路隔壁をもプールに保管可能な流路形成装置および自然循環型沸騰水型原子炉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の流路形成装置および自然循環型沸騰水型原子炉の基本的要件は、原子炉圧力容器内の炉心の上方に装備されるチムニ内に配置され、前記炉心からの冷却材が流れる複数の流路を形成し、少なくとも2つに分割されている流路形成装置にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プールの設置面積を大きくすることなしに、流路隔壁をもプールに保管可能な流路形成装置および自然循環型沸騰水型原子炉を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(自然循環型沸騰水型原子炉の概要)
次に、本発明の実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉1について、図1を参照しながら詳細に説明する。一般に、沸騰水型原子炉内の冷却材(軽水)の駆動方法は2通りあり、一つは再循環ポンプを用いて強制循環させる方法であり、もう一つは再循環ポンプを用いないで自然循環による方法である。本実施の形態は、後者の自然循環による方法である。
【0014】
自然循環による方法は、冷却材を原子炉圧力容器6内に収容し、原子炉圧力容器6内に収納する炉心7で冷却材を加熱して液体から蒸気を発生させ、蒸気と飽和温度の液体の混合した密度の低い冷却材と、給水配管16bから供給される給水と混合された液体の冷却材との比重差によって自然循環に必要な駆動力を得るものである。
【0015】
自然循環型沸騰水型原子炉1は、円筒状の原子炉圧力容器6内に、炉心シュラウド8が、同心の円筒状に設けられている。この炉心シュラウド8は、その外側面と原子炉圧力容器6の内側面との間隙に環状空間を形成するように配設され、この環状空間をダウンカマ9という。また、炉心シュラウド8の内部には、多数の燃料集合体21が配置された炉心7を収容している。
【0016】
ダウンカマ9の上方には、復水器3から給水ポンプ4を介して、給水加熱器5で加熱の後、給水入口ノズル17から原子炉圧力容器6内に供給される冷却材を配給する図示しない給水スパージャが円環状に設けられている。炉心シュラウド8は、シュラウドレグ8aによって支持される。ダウンカマ9を下降した冷却材は、シュラウドレグ8a間の流路から、炉心7の下部の炉心下部プレナム10に導き入れられる。
【0017】
炉心7の下部には、炉心支持板22を、上部には上部格子板23を設け、燃料集合体21と制御棒24の横方向の配置を決めている。炉心支持板22には、所定の間隔で円形の図示しない貫通孔が設けられ、その貫通孔に制御棒案内管25が挿入され、制御棒案内管25の下部は、原子炉圧力容器6の底部を貫通して制御棒24を上下方向に動かす制御棒駆動機構26を収容する制御棒駆動機構ハウジング26aの上部に組合わされている。
【0018】
燃料集合体21は、制御棒案内管25の上端に取り付けられた図示しない燃料支持金具の上に据えられ、その荷重は制御棒案内管25および制御棒駆動機構ハウジング26aを介して、原子炉圧力容器6の底部に伝えられる。
【0019】
前記の燃料支持金具は、側面に冷却材入口を有し、そこに図示しないオリフィスが設けられて、冷却材流量を規制している。燃料支持金具の冷却材入口に対応する制御棒案内管25の側面には開口が設けられ、炉心下部プレナム10に導かれた冷却材が燃料支持金具を経て、燃料集合体21内に導かれる。個々の燃料集合体21は、図示しない四角筒のチャンネルボックスで囲われ軸方向の個別の流路を形成しており、チャンネルボックスは上部格子板23の上面まで到るように構成されている。前記制御棒24は図示しない中性子吸収物質を含む有効部を有し、その有効部が前記チャンネルボックスの外面をガイドとして、周囲の4体の燃料集合体21間に挿入される。
【0020】
さらに、炉心7内には、中性子検出器を複数含み出力領域の中性子束を計測するLPRM(Local Power Range Monitor:局部出力領域モニタ)検出器集合体39が、配置されている。LPRM検出器集合体39は、その下部が圧力容器6底部に設けられた貫通孔を通る炉内核計装ハウジング39aに収容され、信号ケーブルが炉内核計装ハウジング39aの下端から出ている。
【0021】
炉心7の上には、炉心7から出た気液二相流の冷却材を上方に導く流路を確保し、冷却材の対流を促進し、自然循環駆動力を増加させるチムニ11が設けられている。チムニ11は、原子炉圧力容器6と同心の円筒状のチムニ胴11dを有し、その内部に、流路隔壁Rで仕切ることにより格子流路11aを形成する流路形成装置11A、11Bを有している。なお、個々の格子流路11aを上方に流れる冷却材はチムニ11内の上部で合流するように、チムニ11の上部に上部プレナム11cが設けられている。上部格子板23とチムニ11の下端とは、ダウンカマ9を下降する冷却材と、炉心7から上昇する冷却材とが混じらないような組み合わせ構造になっている。
【0022】
チムニ11の上端は、チムニヘッド12aで閉じられる。チムニヘッド12aには、所定の数の冷却材通過用の孔が設けられ、その孔はスタンドパイプ12bを介して気液二相流から飽和蒸気と飽和水とに分離する気水分離器12につながっている。気水分離器12の上部には、蒸気乾燥器13が設けられ、気水分離器12を出た飽和蒸気に含まれる湿分を除去し、蒸気ドーム14、蒸気出口ノズル15、主蒸気配管16aを経て、タービン2に飽和蒸気を送る。なお、チムニヘッド12aとスタンドパイプ12bと気水分離器12は一体に組み立てられており、燃料交換時や炉心7の点検保守には、一体でチムニ11の上端から取り外し可能な構成である。
【0023】
自然循環型沸騰水型原子炉1においては、給水入口ノズル17から供給される冷却材は、気水分離器12で分離された飽和水と混合し、方向Aにダウンカマ9を下降する。シュラウドレグ8aの図示しない間隙によって構成される流路から、冷却材は、炉心シュラウド8内に流入し、炉心7によって加熱される。炉心7による加熱によって、冷却材は、方向Bに流れる飽和状態の気液二相流となる。この気液二相流は格子流路11a、上部プレナム11c、スタンドパイプ12bを経て、気水分離器12に達し、気水分離器12によって、方向Cに流れる飽和蒸気と、方向Dに流れる飽和水に分離される。分離された飽和蒸気は、蒸気乾燥器13を経て、蒸気出口ノズル15から主蒸気配管16aによってタービン2に導かれ発電に供される。
【0024】
一方、分離された飽和水は、原子炉圧力容器6内の冷却材に混合され、給水入口ノズル17から供給される冷却材と更に混合されて、再びダウンカマ9を下降して原子炉圧力容器6内を循環する。
【0025】
(チムニの構造)
図1および図2の(a)と(b)に示すように、チムニ11は、冷却材の上昇流と下降流とを分けるチムニ胴11dと、上昇流が流れる複数の流路を形成する流路形成装置11Aと11Bと、流路形成装置11Aと11Bとを支える台座11gと、台座11gに立てられたピン35と、チムニ胴11dと流路形成装置11A、11Bとの間に打ち込まれたくさび33とを有している。チムニ胴11dは円筒状の形状をしており、この円筒内に流路形成装置11Aと11Bとが配備されている。
図2の(a)と(b)と図3と図5に示すように、流路形成装置11Aと11Bは、上部支持板11eと、流路隔壁R1乃至R5、L1乃至L5と、下部支持板11fとを有する。
【0026】
流路隔壁R1乃至R5、L1乃至L5により、上方から見て矩形の複数の格子流路11aが形成されている。格子流路11aには炉心7からの冷却材が流れる。流路隔壁R1乃至R5、L1乃至L5は、炉心7からの流れを複数の格子流路11aに仕切っている。
【0027】
複数の流路隔壁R1乃至R5は、等間隔で平行に配置されている。複数の流路隔壁L1乃至L5も、等間隔で平行に配置されている。流路隔壁R1乃至R5の間隔と、流路隔壁L1乃至L5の間隔とは等しく、流路隔壁R1乃至R5と流路隔壁L1乃至L5とは直角に交わっている。流路隔壁R3と流路隔壁L3とは、チムニ胴11dの円筒の中心軸の近傍を通っている。
【0028】
そして、流路隔壁R1乃至R5の隣り合う2枚と、流路隔壁L1乃至L5の隣り合う2枚とで囲まれそれぞれが合同の関係にある複数の格子流路11aが形成されている。流路隔壁R1乃至R5とL1乃至L5は金属製の板であり、流路隔壁R1乃至R5と流路隔壁L1乃至L5とを溶接等により接合することにより、格子流路11aが形成される。また、流路隔壁R1乃至R5、L1乃至L5は、上部支持板11eと下部支持板11fとに溶接等により接合されている。流路形成装置11Aと流路形成装置11Bはそれぞれ溶接構造になっている。
【0029】
上部支持板11eは、流路隔壁R1乃至R5と流路隔壁L1乃至L5の上端を支持している。上部支持板11eは、複数の格子流路11a毎の上方が個々独立して開口している。このことにより、上部支持板11eには、格子状に複数の開口が開けられている。開口の形状は、格子流路11aの横断面の形状と相似形になり、具体的には正方形になっている。
【0030】
上部支持板11eは、チムニ11の周囲に配置されたチムニ胴11dに支持されている。図2(a)(b)と図7(a)(b)に示すように、上部支持板11eのチムニ胴11dによる支持のために、上部支持板11eとチムニ胴11dとの間にくさび33が打ち込まれている。上部支持板11eの側面のくさび33が接する箇所にはテーパ部37が設けられ、くさび33とテーパ部37とは互いに面で接触する。このことにより、上部支持板11eを含め流路形成装置11A、11Bを水平方向に支持することができ、水平方向耐震強度を高めることができる。くさび33には脱着する際にクレーン等に引っ掛けるためのフック34が設けられている。
【0031】
図2(a)(b)と図3に示す下部支持板11fは、流路隔壁R1乃至R5と流路隔壁L1乃至L5の下端を支持している。下部支持板11fは、複数の格子流路11a毎の下方が個々独立して開口している。このことにより、下部支持板11fには、格子状に複数の開口が開けられている。開口の形状は、それぞれの直上に位置する格子流路11aの横断面の形状と相似形で、それぞれの直上に位置する上部支持板11eの開口の形状に対して合同の関係、つまりは、正方形になる。
【0032】
下部支持板11fは、チムニ11の周囲に配置されたチムニ胴11dに支持されている。図2(a)(b)と図8に示すように、下部支持板11fのチムニ胴11dによる支持のために、下部支持板11fとチムニ胴11dとに設けられたピン35と孔36とを合わせている。具体的には、図2(b)のように下部支持板11fの下端に台座11gを図示しないボルトで固定し、台座11gの上にピン35を設けている。台座11gは、円環の形状をしており、円環の上面の外側はチムニ胴11dに接して固定され、円環の上面の内側はチムニ胴11dの内側に張り出している。台座11gの円環の上面の内側には複数本のピン35がチムニ胴11dに沿って上向きに設けられている。下部支持板11fは、台座11gの上に置かれ、このことにより、下部支持板11fを含め流路形成装置11A、11Bは垂直方向に支持される。下部支持板11fにはピン35に対応する位置に孔36が形成されており、ピン35を孔36に嵌め込むことにより、下部支持板11fを含め流路形成装置11A、11Bを水平方向に支持することができ、水平方向耐震強度を高めることができる。
【0033】
図3から図4への変化に示すように、さらには、図5から図6への変化に示すように、流路形成装置11A、11Bは、流路形成装置11Aと流路形成装置11Bとの少なくとも2つに、冷却材が流れる方向と平行な分割面31で縦割り方向に、分割されている。自然循環型沸騰水型原子炉1を稼動させる場合は、流路形成装置11Aの分割面31と、流路形成装置11Bの分割面31とを図3と図5のように合わせた状態で、流路形成装置11A、11Bはチムニ胴11d内に収められて使用される。自然循環型沸騰水型原子炉1を停止させ、炉心7の点検保守をする場合には、流路形成装置11A、11Bを原子炉圧力容器6から取り出し、流路形成装置11Aの分割面31と、流路形成装置11Bの分割面31とを、図4と図6のように離した状態で保管することができる。
【0034】
図9に示すように、自然循環型沸騰水型原子炉1は、原子炉建屋41に収められている。自然循環型沸騰水型原子炉1の上方にオペレーションフロア42が設けられている。自然循環型沸騰水型原子炉1とオペレーションフロア42との間には遮蔽壁44が設けられている。オペレーションフロア42には、気水分離器12、蒸気乾燥器13、流路形成装置11A、11Bを保管するDSプール46と、使用済み燃料を貯蔵する燃料プール43が設けられている。炉心7の点検保守をする場合には、自然循環型沸騰水型原子炉1を停止させ、原子炉圧力容器6内の水位を上げて遮蔽を十分にした後、遮蔽壁44、図1の蒸気ドーム14を形成する原子炉圧力容器6の上部をはずし、原子炉圧力容器6内の水位を、DSプール46内の水位と同じレベルまで上げる。ゲート仕切りブロック45を取り除いてゲートを開け、原子炉圧力容器6内からゲートを介してDSプール46までの水中搬送経路を形成する。
【0035】
図10に示すように、蒸気乾燥器13は、原子炉圧力容器6から取り外され水中搬送経路を通ってDSプール46に運ばれ保管される。同様に、気水分離器12も、原子炉圧力容器6から取り外され水中搬送経路を通ってDSプール46に運ばれ保管される。続いて、流路形成装置11Aと11Bも、図11に示すように、原子炉圧力容器6から取り外され水中搬送経路を通ってDSプール46に運ばれ保管される。分割面31は、冷却材が流れる方向と平行な面であるので、保管の際の設置面積は、流路形成装置11Aと流路形成装置11Bとを合わせると、分割の前後で変化はしないが、個々の設置面積が分割によって小さくなるので、保管場所であるDSプール46において、気水分離器12と、蒸気乾燥器13を保管した隙間に、流路形成装置11Aと11Bとを保管することができる。つまり隙間の有効活用を図ることができる。保管が完了すれば、炉心7が原子炉圧力容器6の奥に現れるので、容易にテレビカメラや検査装置を炉心7へと移動させることができ、短時間で炉心7等の点検保守を行うことができる。流路形成装置11Aと11Bとは、気水分離器12と、蒸気乾燥器13を保管したDSプール46の隙間に保管することができるので、DSプール46の設置面積を大きくする必要がなく、原子炉建屋41を大型化しなくてよい。
【0036】
図12に示すように、冷却材が流れる方向と平行な2面の分割面31と32とによって縦割り方向に4分割された流路形成装置11C乃至11Fを形成してもよい。分割の数を多くし、流路形成装置11C乃至11Fの個々の設置面積を小さくすることにより、DSプール46内に生じた小さな隙間にも、流路形成装置11C乃至11Fを保管することが可能になる。逆に、DSプール46に気水分離器12と、蒸気乾燥器13を保管した際のDSプール46に生じた隙間の形状に合うように、流路形成装置11C乃至11Fを分割してもよい。
【0037】
図13に示すように、複数の格子流路11aを複数の角管P1乃至P7を千鳥配置することで構成してもよい。角管P1乃至P7の4面の側壁が、流路隔壁R1乃至R5、L1乃至L5として機能している。具体的には、それぞれの角管P1乃至P7の内側が格子流路11aとして機能し、4本の角管P1乃至P7で囲まれた領域も格子流路11aとして機能している。より具体的には、4本の角管P1、P3、P4、P5で囲まれた領域や、4本の角管P4、P5、P6、P7で囲まれた領域が、格子流路11aとして機能している。分割面31と32とは、複数の角管P1乃至P7の間を通っている。具体的には、分割面31は、角管P1と角管P4の間を通り、角管P4と角管P5の間を通り、角管P5と角管P7の間を通っている。分割面32は、角管P3と角管P5の間を通り、角管P5と角管P4の間を通り、角管P4と角管P6の間を通っている。角管P1乃至P7は横断面が四角形断面であるがゆえに、大きな振動強度と水平方向耐震強度とを有するが、その角管P1乃至P7は分割後においても角管の形状を保持しており、角管P1乃至P7に由来する大きな振動強度と水平方向耐震強度とを流路形成装置11C乃至11Fも発揮することができる。
【0038】
(チムニ11の変形例1)
図14(a)(b)と図15に、チムニ11の変形例1を示す。図2(a)(b)のチムニ11と比較して、変形例1のチムニ11が異なる点は、上部支持板11eがピン52によってチムニ胴11dに支持されている点である。ピン52を使用するために、ピン52を立てる台座51が、複数個、チムニ胴11dの内側の上部に設けられている。炉心7の点検保守で流路形成装置11Aと11Bとを原子炉圧力容器6から抜き出すために、流路形成装置11Aと11Bとをチムニ胴11dから取り出すとき、下部支持板11fがピン52も含めた台座51につかえずに取り出せるように、台座51の直下の下部支持板11fには、図15の切り欠き部54を配置し、隣接する2つの台座51の間の隙間の直下の下部支持板11fに凸部57を配置している。そして、この凸部57に孔36を設けている。このように、台座51の配置と、凸部57の配置を、互い違いの位置にすることにより、流路形成装置11Aと11Bとを、チムニ胴11dに干渉しないで出し入れすることができる。
【0039】
図16に示すような上部支持板11eを、図14(a)の上部支持板11eに替えて用いてもよく、上部支持板11eの金属部材の物量を低減でき、材料/製造コストを低減することができる。
【0040】
(チムニ11の変形例2)
図17(a)(b)に、チムニ11の変形例2を示す。図2(a)(b)のチムニ11と比較して、変形例2のチムニ11が異なる点は、冷却材が流れる方向と平行な法線を有する分割面62で流路形成装置11A乃至11Fが輪切り方向に分割されている点である。この相違点により、流路形成装置11A乃至11Fが上下2段に形成され、下段には、流路形成装置11Aと11Bが配置され、上段には流路形成装置11C乃至11Fが配置されている。下段の流路形成装置11Aと11Bとは、図5と図6に示すように2つに分割でき、上段の流路形成装置11C乃至11Fは、図12に示すように4つに分割できる。
【0041】
下段の流路形成装置11A、11Bは、上端に流路隔壁R1乃至R5とL1乃至L5とを支持する上部支持板59を有する。上段の流路形成装置11C乃至11Fは、下端に流路隔壁R1乃至R5とL1乃至L5とを支持する下部支持板58を有する。上部支持板59と下部支持板58とが接する面が分割面62になっている。上部支持板59には上を向いたピン61が立てられている。下部支持板58には孔60が形成されている。ピン61が孔60を貫通して合わせられることにより、上部支持板59と下部支持板58とを互いに支持することができる。この支持によっても流路形成装置11A乃至11Fの水平方向耐震強度を高めることができる。また、分割面62による分割により、下段の流路形成装置11Aと11Bにおいては、上部支持板59と下部支持板11fとの間隔が狭くなり、上段の流路形成装置11C乃至11Fにおいても、上部支持板11eと下部支持板58との間隔が狭くなり、流路形成装置11A乃至11Fの水平方向耐震強度と振動強度を高めることができる。
【0042】
そして、図18に示すように、蒸気乾燥器13と気分離器12とをDSプール46に保管し、さらに、流路形成装置11A乃至11Fも、DSプール46に保管することができる。流路形成装置11A乃至11Fを分割面62で分割し設置面積が2倍に増えているにもかかわらず、DSプール46の設置面積を大きくすることなく流路形成装置11A乃至11Fすべてを保管できている。流路形成装置11A乃至11Fにより形成される格子流路11aが高いほど冷却材の自然循環力が高まる傾向があるので、流路形成装置11A乃至11Fの上段と下段を加えた高さは、蒸気乾燥器13、気水分離器12それぞれの高さより高くなる場合があり、このような場合に、上段下段に分割することによりDSプール46の深さを深くすることなく流路形成装置11A乃至11Fを保管することができる。このように、DSプール46の設置面積を大きくする必要がなく、深さも深くする必要がないので、原子炉建屋41を大型化しなくてよい。
【0043】
なお、本発明の実施の形態の具体的な構成は、前記した実施の形態と変形例1と2とに限られるものではなく、例えば、流路形成装置11A乃至11Fの分割面31、32による縦割り方向の分割では、分割面31、32はチムニ11の円筒形の中心軸を通らなくてもよく、分割数も2分割、4分割に限らず3分割や5分割など任意の数に分割することができる。また、分割面62による輪切り方向の分割では、下段の流路形成装置11Aと11Bとの高さと、上段の流路形成装置11C乃至11Fの高さとは異なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉の縦断面図である。
【図2】(a)はチムニの上面図であり、(b)は(a)のII−II方向の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係り、分割面で互いに接している流路形成装置の鳥瞰図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係り、互いに離れている流路形成装置の鳥瞰図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係り、分割面で互いに接している流路形成装置の上面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係り、互いに離れている流路形成装置の上面図である。
【図7】(a)は、図2(a)のくさびの周辺を拡大したチムニの一部分の平面図であり、(b)は、(a)のVII−VII方向の断面図である。
【図8】図2(b)のピンの周辺を拡大したチムニの一部分の断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉を収容する原子炉建屋の縦断面図である。
【図10】原子炉建屋に収容され、気水分離器と蒸気乾燥器とを保管するDSプールの上面図である。
【図11】原子炉建屋に収容され、気水分離器と蒸気乾燥器と流路形成装置とを保管するDSプールの上面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係り、分割面で互いに接している流路形成装置の上面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係り、分割面で互いに接している流路形成装置の上面図である。
【図14】(a)は本発明の一実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉のチムニの上面図であり、(b)は(a)のXV−XV方向の縦断面図である。
【図15】流路形成装置の下部支持板の上面図である。
【図16】流路形成装置の上部支持板の上面図である。
【図17】(a)は本発明の一実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉のチムニの上面図であり、(b)は(a)のXVIII−XVIII方向の縦断面図である。
【図18】原子炉建屋に収容され、気水分離器と蒸気乾燥器と下段2分割された流路形成装置と、上段4分割された流路形成装置とを保管するDSプールの上面図である。
【符号の説明】
【0045】
6 原子炉圧力容器
7 炉心
8 炉心シュラウド
9 ダウンカマ
11 チムニ
11A乃至11F 流路形成装置
11a 格子流路
11d チムニ胴
11e 上部支持板
11f 下部支持板
21 燃料集合体
24 制御棒
31、32 分割面
33 くさび
35 ピン
36 孔
37 テーパ部
46 DSプール
62 分割面
R、R1乃至R5、L1乃至L5 流路隔壁




 

 


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