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発明の名称 流路形成装置、および自然循環型沸騰水型原子炉
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−232497(P2007−232497A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−53019(P2006−53019)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 金森 健児 / 椿 正昭 / 廣川 文仁 / 大塚 雅哉 / 高橋 志郎
要約 課題
流路隔壁の物量を小さくしながら、流路隔壁の振動を抑制することが可能な自然循環型沸騰水型原子炉を提供する。

解決手段
冷却材を収容可能な原子炉圧力容器6と、この原子炉圧力容器6内に配置され冷却材を加熱して液体から蒸気を発生させる炉心7と、この炉心7の上方に配置され液体の対流を促進するチムニ11とを有する自然循環型沸騰水型原子炉において、チムニ11が、炉心7の中央部の上方に設けられ炉心7からの冷却材が流れる第1流路C0と、炉心7の周辺部の上方に設けられ炉心7からの冷却材が流れ冷却材の流れ方向B2に垂直な断面積が第1流路C0より大きい第2流路C1とを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉圧力容器内の炉心の上方に装備されるチムニ内に配置され、前記炉心の中央部の上方に設けられ、前記炉心からの冷却材が流れる第1流路と、
前記チムニ内に配置され、前記炉心の周辺部の上方に設けられ、前記炉心からの前記冷却材が流れ、前記冷却材の流れ方向に垂直な断面積が前記第1流路より大きい第2流路とを有することを特徴とする原子炉のチムニ内の流路形成装置。
【請求項2】
前記炉心の前記中央部と前記周辺部の間の上方に設けられ、前記炉心からの前記冷却材が流れ、前記冷却材の流れ方向に垂直な断面積が前記第1流路より大きく前記第2流路より小さい第3流路をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の流路形成装置。
【請求項3】
前記第1流路の前記冷却材の流れ方向に垂直な断面が第1矩形であり、前記第2流路の前記冷却材の流れ方向に垂直な断面が第2矩形であり、前記第1矩形の最も長い辺の長さは、前記第2矩形の最も長い辺の長さより短いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流路形成装置。
【請求項4】
冷却材を収容可能な原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器内に配置され、前記冷却材を加熱して液体から蒸気を発生させる炉心と、
前記原子炉圧力容器内で前記炉心の上方に配置され、前記液体の対流を促進するチムニとを有する自然循環型沸騰水型原子炉において、
前記チムニが、
前記炉心の中央部の上方に設けられ、前記炉心からの冷却材が流れる第1流路と、
前記炉心の周辺部の上方に設けられ、前記炉心からの前記冷却材が流れ、前記冷却材の流れ方向に垂直な断面積が前記第1流路より大きい第2流路とを有することを特徴とする自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項5】
前記炉心の前記中央部と前記周辺部の間の上方に設けられ、前記炉心からの前記冷却材が流れ、前記冷却材の流れ方向に垂直な断面積が前記第1流路より大きく前記第2流路より小さい第3流路を、前記チムニがさらに有することを特徴とする請求項4に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項6】
前記第1流路の前記冷却材の流れ方向に垂直な断面が第1矩形であり、前記第2流路の前記冷却材の流れ方向に垂直な断面が第2矩形であり、前記第1矩形の最も長い辺の長さは、前記第2矩形の最も長い辺の長さより短いことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
【請求項7】
前記炉心の燃料集合体を、前記第1流路または前記第2流路を通して、前記原子炉圧力容器の外側に搬出可能であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の自然循環型沸騰水型原子炉。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然循環型沸騰水型原子炉に関し、特に、原子炉のチムニ内の流路形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然循環型沸騰水型原子炉では、原子炉圧力容器内の冷却材の循環流路を、炉心の上部に設けた円筒状のチムニ胴と炉心の周囲を囲う炉心シュラウドとを利用して形成している。炉心シュラウドとチムニとの外周面と、原子炉圧力容器内面との間の、ダウンカマと呼ばれている下降流路に冷却材を下降させ、炉心シュラウド内側とチムニの内側の上昇流路に冷却材を上昇させて、冷却材を自然循環させることで原子炉圧力容器において冷却材をを循環させている。
【0003】
このような循環流路を自然循環型沸騰水型原子炉は原子炉圧力容器内に備えているので、炉心で核反応による熱を受けて加熱された冷却材が液体と蒸気を伴う気液二相流となって炉心からチムニ内を通る上昇流路にて上昇し、その気液二相流は液体と蒸気に気水分離器で分離されて、蒸気は原子炉圧力容器外のタービンなどに供給され、液体は下降流路に送られる。
【0004】
下降流路では冷却材がチムニ内の冷却材よりも低温で蒸気を含まないので密度が大きく、この密度差に基づく自然循環力で冷却材が下降して行く。下降した冷却材の流れは原子炉圧力容器の底部で上昇に転じ、冷却材は再度炉心へ下方から入り加熱され上昇する。このように冷却材は、ポンプを利用しないで自然循環をすることができる(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
その冷却材の自然循環力を向上させるために、チムニ内に流路隔壁でチムニ内の上昇流路を複数の直立した格子流路に仕切って、その複数の格子流路内に炉心から上昇してきた気液二相流を流して、冷却材を上昇させるようにした例もある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平08−094793号公報
【特許文献2】特開平06−265665号公報
【特許文献3】特公平07−027051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このチムニ内に、格子状に仕切られた複数の直立した格子流路を設ける場合、格子流路に気液二相流が流れると、格子流路を構成する流路隔壁に圧力変動荷重が掛かることがわかった。
【0008】
液体と蒸気が混合して流れる気液二相流は上昇するに従い発達し、それぞれの格子流路内の中央部が気相である蒸気で占められ、その蒸気の外側に流路隔壁の壁面に沿って液相である液体が存在するように、蒸気と液体とが分離状態で流れる環状流が生じる。この環状流の前後には、竹の節のように、流路断面内を液体が満たし、中央部に発達した蒸気を分断している。このような気液二相流は、チャーン流に近い流動様式となり、流路隔壁に圧力変動荷重が掛かる。
【0009】
そして、この圧力変動荷重により、流路隔壁が振動する場合があることがわかった。この振動は、流路隔壁によって格子流路を仕切るための流路隔壁同士の接合部に長期的に損傷等の悪影響を及ぼす可能性がある。
【0010】
この振動を抑制するには、圧力変動荷重を分散させればよいので、格子流路の断面の大きさを均一にするように流路隔壁を構成することが考えられるが、流路隔壁の物量が増加する課題を生じる。
【0011】
したがって、本発明の目的は、流路隔壁の物量を小さくしながら、流路隔壁の振動を抑制することが可能な流路形成装置および自然循環型沸騰水型原子炉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の流路形成装置および自然循環型沸騰水型原子炉の基本的要件は、原子炉圧力容器内の炉心の上方に装備されるチムニ内に配置され前記炉心の中央部の上方に設けられ前記炉心からの冷却材が流れる第1流路と、前記チムニ内に配置され前記炉心の周辺部の上方に設けられ前記炉心からの前記冷却材が流れ前記冷却材の流れ方向に垂直な断面積が前記第1流路より大きい第2流路とを有する構成にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、流路隔壁の物量を小さくしながら、流路隔壁の振動を抑制することが可能な流路形成装置および自然循環型沸騰水型原子炉を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(自然循環型沸騰水型原子炉の概要)
次に、本発明の実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉1について、図1を参照しながら詳細に説明する。一般に、沸騰水型原子炉内の冷却材(軽水)の駆動方法は2通りあり、一つは再循環ポンプを用いて強制循環させる方法であり、もう一つは再循環ポンプを用いないで自然循環による方法である。本実施の形態は、後者の自然循環による方法である。
【0015】
自然循環による方法は、冷却材を原子炉圧力容器6内に収容し、原子炉圧力容器6内に収納する炉心7で冷却材を加熱して液体から蒸気を発生させ、蒸気と飽和温度の液体の混合した密度の低い冷却材と、給水配管16bから供給される給水と混合された液体の冷却材との比重差によって自然循環に必要な駆動力を得るものである。
【0016】
自然循環型沸騰水型原子炉1は、円筒状の原子炉圧力容器6内に、炉心シュラウド8が、同心の円筒状に設けられている。この炉心シュラウド8は、その外側面と原子炉圧力容器6の内側面との間隙に環状空間を形成し、これをダウンカマ9という。また、炉心シュラウド8の内部には、多数の燃料集合体21が配置された炉心7を収容している。
【0017】
ダウンカマ9の上方には、復水器3から給水ポンプ4を介して、給水加熱器5で加熱の後、給水入口ノズル17から原子炉圧力容器6内に供給される冷却材を配給する図示しない給水スパージャが円環状に設けられている。炉心シュラウド8は、シュラウドレグ8aによって支持される。ダウンカマ9を下降した冷却材は、シュラウドレグ8a間の流路から、炉心7の下部の炉心下部プレナム10に導き入れられる。
【0018】
炉心7の下部には、炉心支持板22を、上部には上部格子板23を設け、燃料集合体21と制御棒24の横方向の配置を決めている。炉心支持板22には、所定の間隔で円形の図示しない貫通孔が設けられ、その貫通孔に制御棒案内管25が挿入され、制御棒案内管25の下部は、原子炉圧力容器6の底部を貫通して制御棒24を上下方向に動かす制御棒駆動機構26を収容する制御棒駆動機構ハウジング26aの上部に組合わされている。
【0019】
燃料集合体21は、制御棒案内管25の上端に取り付けられた図示しない燃料支持金具の上に据えられ、その荷重は制御棒案内管25および制御棒駆動機構ハウジング26aを介して、原子炉圧力容器6の底部に伝えられる。
【0020】
前記の燃料支持金具は、側面に冷却材入口を有し、そこに図示しないオリフィスが設けられて、冷却材流量を規制している。燃料支持金具の冷却材入口に対応する制御棒案内管25の側面には開口が設けられ、炉心下部プレナム10に導かれた冷却材が燃料支持金具を経て、燃料集合体21内に導かれる。個々の燃料集合体21は、図示しない四角筒のチャンネルボックスで囲われ軸方向の個別の流路を形成しており、チャンネルボックスは上部格子板23の上面まで到る構成をしている。前記制御棒24は図示しない中性子吸収物質を含む有効部を有し、その有効部が前記チャンネルボックスの外面をガイドとして、周囲の4体の燃料集合体21間に挿入される。
【0021】
さらに、炉心7内には、中性子検出器を複数含み出力領域の中性子束を計測するLPRM(Local Power Range Monitor:局部出力領域モニタ)検出器集合体33が、配置されている。LPRM検出器集合体33は、その下部が圧力容器6の底部に設けられた貫通孔を通る炉内核計装ハウジング33aに収容され、信号ケーブルが炉内核計装ハウジング33aの下端から出ている。
【0022】
炉心7の上には、炉心7から出た気液二相流の冷却材を上方に導く流路を確保し、冷却材の対流を促進し、自然循環駆動力を増加させるチムニ11が設けられている。チムニ11は、原子炉圧力容器6と同心の円筒状のチムニ胴11dを有し、その内部に、流路隔壁Rで仕切ることにより格子流路C0とC1を形成する流路形成装置11aを有している。なお、個々の格子流路C0とC1を上方に流れる冷却材はチムニ11内の上部で合流するように、チムニ11の上部に上部プレナム11cが設けられている。上部格子板23とチムニ11の下端とは、ダウンカマ9を下降する冷却材と、炉心7から上昇する冷却材とが混じらないような組み合わせ構造になっている。
【0023】
チムニ11の上端は、シュラウドヘッド12aで閉じられる。シュラウドヘッド12aには、所定の数の冷却材通過用の孔が設けられ、その孔はスタンドパイプ12bを介して気液二相流から飽和蒸気と飽和水とに分離する気水分離器12につながっている。気水分離器12の上部には、蒸気乾燥器13が設けられ、気水分離器12を出た飽和蒸気に含まれる湿分を除去し、蒸気ドーム14、蒸気出口ノズル15、主蒸気配管16aを経て、タービン2に飽和蒸気を送る。なお、シュラウドヘッド12aとスタンドパイプ12bと気水分離器12は一体に組み立てられており、燃料交換時には、一体でチムニ11の上端から取り外し可能な構成である。
【0024】
自然循環型沸騰水型原子炉1においては、給水入口ノズル17から供給される冷却材は、気水分離器12で分離された飽和水と混合し、方向Aにダウンカマ9を下降する。シュラウドレグ8aの図示しない間隙によって構成される流路から、冷却材は、炉心シュラウド8内に流入し、炉心7によって加熱される。炉心7からの加熱によって、冷却材は、方向B1とB2に流れる飽和状態の気液二相流となる。この気液二相流は格子流路C0とC1、上部プレナム11c、スタンドパイプ12bを経て、気水分離器12に達し、気水分離器12によって、方向Cに流れる飽和蒸気と、方向Dに流れる飽和水に分離される。分離された飽和蒸気は、蒸気乾燥器13を経て、蒸気出口ノズル15から主蒸気配管16aによってタービン2に導かれ発電に供される。
【0025】
一方、分離された飽和水は、原子炉圧力容器6内の冷却材に混合され、給水入口ノズル17から供給される冷却材と更に混合されて、再びダウンカマ9を下降して原子炉圧力容器6内を循環する。
【0026】
(チムニの構造)
図2の(a)と(b)に示すように、チムニ11は、チムニ胴11dと流路形成装置11aとを有している。チムニ胴11dは円筒状の形状をしており、この円筒内の空間に上方から見て矩形の格子流路C0、C1、C2を有する流路形成装置11aが配備されている。
【0027】
図2の(a)と図3に示すように、流路形成装置11aには、等間隔で平行な列線R1乃至R9と、等間隔で平行な行線L1乃至L9とを設定することができる。列線R1乃至R9の間隔と、行線L1乃至L9の間隔は等しい。列線R1乃至R9と行線L1乃至L9とは直角に交わる。列線R5と行線L5とは、チムニ胴11dの円筒の中心の近傍を通る。
【0028】
そして、隣り合う2本の列線と、隣り合う2本の行線とで囲まれそれぞれが合同の関係にある複数の正方形の領域A1乃至A15を設定することができる。なお、チムニ11は円柱形であり、4分の1円分のみ考慮すれば他の領域は円の対称性により類推できるので、対称的に同一符号の領域A1乃至A15を配置している。
【0029】
格子流路C0は、領域A1、A2、A5、A6、A11、A12、A15にそれぞれ1つずつ形成されている。格子流路C1は、領域A3、A4、A7、A8の4つの領域にわたる領域に1つ形成されている。格子流路C2は、領域A9、A10、A13、A14の4つの領域にわたる領域に1つ形成されている。
【0030】
そして、まず、格子流路C0を形成するために、流路形成装置11aには、列線R1乃至R9上に、それぞれ等間隔で平行になるように流路隔壁R1乃至R9が配置されている。また、流路形成装置11aには、行線L1乃至L9上に、それぞれ等間隔で平行になるように流路隔壁L1乃至L9が配置されている。なお、便宜上、列線R1乃至R9、行線L1乃至L9と流路隔壁R1乃至R9とL1乃至L9とは一対一に対応するので同じ符号を用いている。流路隔壁R1乃至R9の間隔と流路隔壁L1乃至L9の間隔とは等しい。流路隔壁R1乃至R9とL1乃至L9とは金属製の板であり、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9とを溶接等により接合することで、格子流路C0が形成される。流路形成装置11aは溶接構造になっている。
【0031】
次に、格子流路C1を形成するために、領域A3、A4、A7、A8を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、流路隔壁R1とR3との間と、流路隔壁R7とR9との間の流路隔壁L4を取り除き、流路隔壁R1とR3との間と、流路隔壁R7とR9との間の流路隔壁L6を取り除き、流路隔壁L3とL7との間の流路隔壁R2を取り除き、流路隔壁L3とL7との間の流路隔壁R8を取り除いている。
【0032】
さらに、格子流路C2を形成するために、領域A9、A10、A13、A14を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、流路隔壁R3とR7との間の流路隔壁L2を取り除き、流路隔壁R3とR7との間の流路隔壁L8を取り除き、流路隔壁L1とL3との間と、流路隔壁L7とL9との間の流路隔壁R4を取り除き、流路隔壁L1とL3との間と、流路隔壁L7とL9との間の流路隔壁R6を取り除いている。
【0033】
以上により、チムニ11内の領域A1乃至A15が格子状に仕切られ、炉心9の上方に直立した大きさの異なる格子流路C0、C1、C2が複数形成される。格子流路C0、C1、C2には、炉心7からの前記冷却材が流れる。
【0034】
格子流路C0は、チムニ11の中央部に設けられている。中央部には、領域A1が含まれ、領域A1に隣接する領域が含まれていてもよい。格子流路C1とC2とは、チムニ11の周辺部に設けられている。周辺部は中央部の外側に位置している。格子流路C1、C2の図1の冷却材の流れ方向B2に垂直な断面積が、格子流路C0の冷却材の流れ方向B1に垂直な断面積より大きい。また、格子流路C0の冷却材の流れ方向B1に垂直な断面は矩形であり、格子流路C1、C2の冷却材の流れ方向B2に垂直な断面も矩形である。格子流路C0の矩形の最も長い辺の長さは、格子流路C1、C2の矩形の最も長い辺の長さより短い。
【0035】
原子炉圧力容器6内での冷却材の流れは、ダウンカマ9での図1の方向Aの下降流と炉心7とチムニ11の内側での方向B1とB2の上昇流に分けられ、上昇流は炉心7で発生した蒸気を含むため、下降流と比べ密度が小さい。そのため、ダウンカマ9とチムニ11の内側とで水頭圧の差ができ、冷却材はダウンカマ9を下降し炉心下部プレナム10から反転上昇して炉心7へ流れ込む。このように自然循環型沸騰水型原子炉1は、冷却材の密度差を利用して対流を起こし、冷却材を自然循環させる。チムニ11内の冷却材の密度は、蒸気により低くなるものの、チムニ11の径方向で均一ではない。これは、炉心7での発熱量が、炉心7の中央部で高く、周辺部で低いからである。この炉心7の横断面内での温度の分布により、冷却材は、中央部で周辺部より加熱される。そして、冷却材は、中央部で周辺部より多くの蒸気を発生させ、密度が低くなる。ダウンカマ9との水頭圧の差は、中央部の方が、周辺部より大きくなる。冷却材の流速は、中央部の方向B1の上昇流の方が、周辺部の方向B2の上昇流より速くなる。
【0036】
すなわち、図4に示すように、チムニ11内において、冷却材の流速は、中心で最も速く、中央部から周辺部に向かうにしたがい遅くなっていく。このように、流速に遅速の分布があると、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9がない場合は、方向B1とB2の方向が曲げられて、上昇流が乱れて、上昇流の流速が低下してしまう。流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9をチムニ11内に設けることにより、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9をチムニ11で仕切られた流路C0、C1、C2それぞれの中での流速の遅速の分布は小さくなり、上昇流の流速は低下しない。
【0037】
一方、流速に遅速の分布があっても、流速が全体的に遅ければ、上昇流の乱れは抑えられる。チムニ11の周辺部に注目すれば、周辺部全域は、流速が全体的に遅くなっていると考えられる。したがって、周辺部では、上昇流の乱れは流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9がなくても小さい。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができる。周辺部に配置された格子流路C1とC2は、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積を大きく設定することができる。
【0038】
このようにチムニ11内に、格子流路C0、C1、C2を設ける場合、上昇流は、気液二相流となっているので、チャーン流に近い流動様式になり、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9に圧力変動荷重による分布荷重が掛かっている。
【0039】
図5に示すように、分布荷重は、チムニ11内において、蒸気の発生量の多い中心で最も大きく、中央部から周辺部に向かうにしたがい小さくなっていく。分布荷重が大きいと、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9が大きく振動する。振動が大きいと、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9との接合部に長期的に損傷等の悪影響を及ぼす可能性がある。接合部の損傷をなくすためには、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔とを狭くして、接合部に掛かる荷重を減らせばよい。逆に、中央部で、接合部に掛かる荷重を十分に減らせる程度に流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔が設定してあれば、周辺部においては、中央部よりさらに接合部に掛かる荷重が低くなっているので、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔を、中央部より広げることができる。すなわち、周辺部においては、中央部より、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔を広げても、接合部に掛かる荷重は中央部と同程度かそれより小さく設定することができる。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C1とC2は、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積を大きく設定することができる。また、格子流路C0の横断面の矩形の最も長い辺の長さより、格子流路C1、C2の横断面の矩形の最も長い辺の長さを、長く設定することができる。
【0040】
図6に示すように、流路隔壁R5乃至R9と流路隔壁L1乃至L5の配置は、炉心7の燃料集合体21と制御棒24の配置と関係付けられている。図6は、炉心7の横断面における燃料集合体21と制御棒24の配置と、チムニ11の横断面における流路隔壁R5乃至R9と流路隔壁L1乃至L5の配置とを重ねて示したものである。
【0041】
燃料集合体21は4体を2×2配列され、その4体で形成される十字形状の隙間に、十字形状の制御棒24が挿入されている。この4体の燃料集合体21と挿入される燃料棒24とを単位セルとする制御棒セルが構成されている。領域A1乃至A15には、制御棒セルが2×2配列で4セル配置されている。すなわち、各領域A1乃至A15にはそれぞれ、4×4配列で16体の燃料集合体21が配置されている。また、チムニ胴11dと、流路隔壁R5乃至R9、L1乃至L5とで囲まれた領域にも、燃料集合体21と制御棒24が制御棒セルの配列に準じて配列されている。流路隔壁R5乃至R9と流路隔壁L1乃至L5は、領域A1乃至A15を分割するように配置されているので、流路隔壁R5乃至R9と流路隔壁L1乃至L5は、燃料集合体21と制御棒24の上を横切らないような配置となっている。このように横切らない配置にすることで、炉心7の燃料集合体21と制御棒24を、格子流路C0、C1、C2を通して、原子炉圧力容器6の外側に搬出することができる。すなわち、燃料集合体21と制御棒24の炉心7に対しての装荷・引き抜きに際して、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9を、原子炉圧力容器6の外に取り出す必要がない。
【0042】
したがって、本発明の実施の形態によれば、チムニ11内の格子流路C0、C1、C2の横断面の面積を不均一とし、周辺部の格子流路C1、C2の面積を中央部の格子流路C0の面積より大きくすることで、圧力変動荷重による流力振動を大きくすることなく、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の金属部材の物量を低減でき、材料/製造コストを低減することができる。流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の接合部も減るので、加工/溶接/組み立てに要する時間を減らすことができる。
【0043】
(流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例1)
図7に、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例を示す。図3の配置と比較して異なる点は、格子流路C3が、新たに、領域A11、A12、A15の3つの領域にわたる領域に形成されている点である。
【0044】
そして、格子流路C3を形成するために、領域A11、A12、A15を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、R2とR3との間と、R7とR8との間の流路隔壁L2とL8とを取り除き、L2とL3との間と、L7とL8との間の流路隔壁R2とR8とを取り除いている。
【0045】
以上により、格子流路C3が新たに形成され、格子流路C3に、炉心7からの冷却材が流れる。格子流路C3は、格子流路C1、C2と同様に、チムニ11の周辺部に設けられている。格子流路C3の図1の冷却材の流れ方向B2に垂直な横断面積は、格子流路C0の冷却材の流れ方向B1に垂直な横断面積より大きい。また、格子流路C3の横断面の6角形の最も長い辺の長さは、格子流路C0の矩形の最も長い辺の長さより長い。チムニ11の周辺部では、周辺部全域において、流速が全体的に遅くなっており、上昇流の乱れは流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9がなくても小さい。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C1、C2、C3を、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。
【0046】
また、格子流路C0、C1、C2、C3を流れる気液二相流はチャーン流に近い流動様式になり、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9に圧力変動荷重による分布荷重が掛かるが、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9との接合部に掛かる荷重は、周辺部においては、中央部より低くなっているので、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔を、中央部より広げることができる。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C1、C2、C3は、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。また、格子流路C0の横断面の矩形の最も長い辺の長さより、格子流路C1、C2、C3の横断面の図形の最も長い辺の長さを長く設定することができる。また、格子流路C3を通しても、炉心7の燃料集合体21と制御棒24を、原子炉圧力容器6の外側に搬出可能である。
【0047】
したがって、本発明の実施の形態の変形例1によれば、チムニ11内の格子流路C0、C1、C2、C3の横断面の面積を不均一とし、周辺部の格子流路C1、C2、C3の面積を中央部の格子流路C0の面積より大きくすることで、圧力変動荷重による流力振動を大きくすることなく、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の金属部材の物量をさらに低減でき、材料/製造コストをさらに低減することができる。流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の接合部もさらに減るので、加工/溶接/組み立てに要する時間をさらに減らすことができる。
【0048】
(流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例2)
図8に、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例を示す。図7の変形例1の配置と比較して異なる点は、格子流路C3が、格子流路C3と、格子流路C3とチムニ胴11dとの間に形成される格子流路とを合体して拡大し、図8上への記載では格子流路C3がなくなっている点である。
【0049】
そして、図7の格子流路C3を拡大するために、図8に示すように領域A12、A15と外側の領域を隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、R2とR3との間と、R7とR8との間の流路隔壁L1を取り除き、R1とR2との間と、R8とR9との間の流路隔壁L2を取り除き、R1とR2との間と、R8とR9との間の流路隔壁L8を取り除き、R2とR3との間と、R7とR8との間の流路隔壁L9を取り除き、L2とL3との間と、L7とL8との間の流路隔壁R1を取り除き、L1とL2との間と、L8とL9との間の流路隔壁R2を取り除き、L1とL2との間と、L8とL9との間の流路隔壁R8を取り除き、L2とL3との間と、L7とL8との間の流路隔壁R9を取り除いている。以上により、結果的に図7の格子流路C3は、図8においてはチムニ胴11dまで拡大されたことになる。
【0050】
したがって、本発明の実施の形態の変形例2によっても、さらに、周辺部の格子流路C3の面積を拡大しているので、変形例1の効果が得られるだけでなく、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の金属部材の物量をさらに低減でき、材料/製造コストをさらに低減することができる。流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の接合部もさらに減るので、加工/溶接/組み立てに要する時間をさらに減らすことができる。
【0051】
(流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例3)
図9に、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例を示す。図3の配置と比較して異なる点は、格子流路C1とC2に替わって、新たに、格子流路C4乃至C7が形成されている点である。格子流路C4は隣接する2つの領域A4にわたり形成されている。格子流路C5は、領域A8、A12の2つの領域にわたる領域に形成されている。格子流路C6は、領域A14、A15の2つの領域にわたる領域に形成されている。格子流路C7は隣接する2つの領域A13にわたり形成されている。他の領域A1乃至A3、A5乃至A7、A9乃至A11にはそれぞれ格子流路C0が形成されている。
【0052】
そして、格子流路C4を形成するために、隣接する2つの領域A4を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、R1とR2との間と、R8とR9との間の流路隔壁L5を取り除いている。
【0053】
格子流路C5を形成するために、領域A8と領域A12とを互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、R1とR2との間と、R8とR9との間の流路隔壁L3とL7とを取り除いている。
【0054】
格子流路C6を形成するために、領域A14と領域A15とを互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、L1とL2との間と、L8とL9との間の流路隔壁R3とR7とを取り除いている。
【0055】
格子流路C7を形成するために、隣接する2つの領域A13を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、L1とL2との間と、L8とL9との間の流路隔壁R5を取り除いている。
【0056】
以上により、格子流路C4乃至C7が新たに形成され、格子流路C4乃至C7に、炉心7からの冷却材が流れる。格子流路C4乃至C7は、格子流路C1、C2と同様に、チムニ11の周辺部に設けられている。格子流路C4乃至C7の横断面積は、格子流路C0の横断面積より大きい。また、格子流路C4乃至C7の横断面は長方形であり、その長方形の最も長い辺の長さは、格子流路C0の矩形の最も長い辺の長さより長い。チムニ11の周辺部では、周辺部全域において、流速が全体的に遅くなっており、上昇流の乱れは流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9がなくても小さい。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C4乃至C7を、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。
【0057】
また、格子流路C0、C4乃至C7を流れる気液二相流はチャーン流に近い流動様式になり、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9に圧力変動荷重による分布荷重が掛かるが、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9との接合部に掛かる荷重は、周辺部においては、中央部より低くなっているので、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔を、中央部より広げることができる。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C4乃至C7は、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。また、格子流路C0の横断面の矩形の最も長い辺の長さより、格子流路C4乃至C7の横断面の長方形の長辺の長さを長く設定することができる。また、格子流路C4乃至C7を通しても、炉心7の燃料集合体21と制御棒24を、原子炉圧力容器6の外側に搬出可能である。
【0058】
したがって、本発明の実施の形態の変形例3によれば、チムニ11内の格子流路C0、C4乃至C7の横断面の面積を不均一とし、周辺部の格子流路C4乃至C7の面積を中央部の格子流路C0の面積より大きくすることで、圧力変動荷重による流力振動を大きくすることなく、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の金属部材の物量を低減でき、材料/製造コストを低減することができる。流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の接合部も減るので、加工/溶接/組み立てに要する時間を減らすことができる。
【0059】
(流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例4)
図10に、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例を示す。図3の配置と比較して異なる点は、格子流路C1とC2に替わって、新たに、格子流路C8、C9が形成されている点である。格子流路C8は、領域A4、A8、A12の3つの領域にわたる領域に形成されている。格子流路C9は、領域A13、A14、A15の3つの領域にわたる領域に形成されている。他の領域A1乃至A3、A5乃至A7、A9乃至A11にはそれぞれ格子流路C0が形成されている。
【0060】
そして、格子流路C8を形成するために、領域A4、A8、A12を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、R1とR2との間と、R8とR9との間の流路隔壁L3、L4、L6、L7を取り除いている。
【0061】
格子流路C9を形成するために、領域A13、A14、A15を互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、L1とL2との間と、L8とL9との間の流路隔壁R3、R4、R6、R7を取り除いている。
【0062】
以上により、格子流路C8とC9が新たに形成され、格子流路C8とC9に、炉心7からの冷却材が流れる。格子流路C8とC9は、格子流路C1、C2と同様に、チムニ11の周辺部に設けられている。格子流路C8とC9の横断面積は、格子流路C0の横断面積より大きい。また、格子流路C8とC9の横断面は長方形であり、その長方形の最も長い辺の長さは、格子流路C0の矩形の最も長い辺の長さより長い。チムニ11の周辺部では、周辺部全域において、流速が全体的に遅くなっており、上昇流の乱れは流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9がなくても小さい。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C8とC9を、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。
【0063】
また、格子流路C0、C8とC9を流れる気液二相流はチャーン流に近い流動様式になり、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9に圧力変動荷重による分布荷重が掛かるが、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9との接合部に掛かる荷重は、周辺部においては、中央部より低くなっているので、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔を、中央部より広げることができる。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C8とC9は、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。また、格子流路C0の横断面の矩形の最も長い辺の長さより、格子流路C8とC9の横断面の長方形の長辺の長さを長く設定することができる。また、格子流路C8とC9を通しても、炉心7の燃料集合体21と制御棒24を、原子炉圧力容器6の外側に搬出可能である。
【0064】
したがって、本発明の実施の形態の変形例4によれば、チムニ11内の格子流路C0、C8とC9の横断面の面積を不均一とし、周辺部の格子流路C8とC9の面積を中央部の格子流路C0の面積より大きくすることで、圧力変動荷重による流力振動を大きくすることなく、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の金属部材の物量を低減でき、材料/製造コストを低減することができる。流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の接合部も減るので、加工/溶接/組み立てに要する時間を減らすことができる。
【0065】
(流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例5)
図11に、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例を示す。図8の変形例2の配置と比較して異なる点は、格子流路C1とC2に替わって、新たに、格子流路C10、C11が形成されている点である。格子流路C10は、領域A4とA8の2つの領域にわたる領域に形成されている。格子流路C11は、領域A13とA14の2つの領域にわたる領域に形成されている。他の領域A1乃至A3、A5乃至A7、A9とA10にはそれぞれ格子流路C0が形成されている。
【0066】
そして、格子流路C10を形成するために、領域A4とA8とを互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、R1とR2との間と、R8とR9との間の流路隔壁L4とL6とを取り除いている。
【0067】
格子流路C11を形成するために、領域A13とA14とを互いに隔てる流路隔壁を取り除いている。具体的には、L1とL2との間と、L8とL9との間の流路隔壁R4とR6とを取り除いている。
【0068】
以上により、格子流路C10とC11が新たに形成され、格子流路C10とC11に、炉心7からの冷却材が流れる。格子流路C10とC11は、格子流路C1、C2と同様に、チムニ11の周辺部に設けられている。格子流路C10とC11の横断面積は、格子流路C0の横断面積より大きい。また、格子流路C10とC11の横断面は長方形であり、その長方形の最も長い辺の長さは、格子流路C0の矩形の最も長い辺の長さより長い。チムニ11の周辺部では、周辺部全域において、流速が全体的に遅くなっており、上昇流の乱れは流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9がなくても小さい。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C10とC11を、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。
【0069】
また、格子流路C0、C10とC11を流れる気液二相流はチャーン流に近い流動様式になり、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9に圧力変動荷重による分布荷重が掛かるが、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9との接合部に掛かる荷重は、周辺部においては、中央部より低くなっているので、流路隔壁R1乃至R9の互いの間隔と流路隔壁L1乃至L9の互いの間隔を、中央部より広げることができる。そこで、周辺部の流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9を省くことができ、周辺部に配置された格子流路C10とC11は、中央部に配置された格子流路C0より、横断面積で大きく設定することができる。また、格子流路C0の横断面の矩形の最も長い辺の長さより、格子流路C10とC11の横断面の長方形の長辺の長さを長く設定することができる。また、格子流路C10とC11を通しても、炉心7の燃料集合体21と制御棒24を、原子炉圧力容器6の外側に搬出可能である。
【0070】
したがって、本発明の実施の形態の変形例5によれば、チムニ11内の格子流路C0、C10とC11の横断面の面積を不均一とし、周辺部の格子流路C10とC11の面積を中央部の格子流路C0の面積より大きくすることで、圧力変動荷重による流力振動を大きくすることなく、流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の金属部材の物量を低減でき、材料/製造コストを低減することができる。流路隔壁R1乃至R9と流路隔壁L1乃至L9の接合部も減るので、加工/溶接/組み立てに要する時間を減らすことができる。
【0071】
(流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例6)
図12に、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9の配置の変形例を示す。図7の変形例1の配置と比較して異なる点は、領域A1において、格子流路C0に替わって、新たに、格子流路C101乃至C104が形成されている点である。4本の格子流路C101乃至C104は、領域A1に2×2配列されている。図6の領域A1を参照すれば、格子流路C101乃至C104のそれぞれ1つずつの配置位置には、4体の燃料集合体21とそこに挿入される燃料棒24とからなる制御棒セルが配置されている。
【0072】
そして、格子流路C101乃至C104を形成するために、領域A1をさらに分割する流路隔壁R10とL10を形成している。具体的には、L4とL6との間に、流路隔壁R4とR5との中間と流路隔壁R5とR6との中間とに位置する流路隔壁R10を追加している。R4とR6との間に、流路隔壁L4とL5との中間と流路隔壁L5とL6との中間とに位置する流路隔壁L10を追加している。
【0073】
以上により、格子流路C101乃至C104が新たに形成され、格子流路C101乃至C104に、炉心7からの冷却材が流れる。格子流路C101乃至C104は、チムニ11の中央部に設けられている。格子流路C101乃至C104の横断面積は、格子流路C0の横断面積より小さい。また、格子流路C101乃至C104の横断面は矩形であり、その矩形の最も長い辺の長さは、格子流路C0の矩形の最も長い辺の長さより短い。
【0074】
チムニ11の中央部では、流速が速くなっており、さらに速くなると、上昇流の乱れは流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9があっても大きい。そこで、中央部の領域A1にさらに流路隔壁R10とL10を加える。中央部に配置された格子流路C101乃至C104を、周辺部に配置された格子流路C1、C2、C3より、さらには、中央部と周辺部の間の中間部に配置された格子流路C0より、横断面積で小さく設定することができる。
【0075】
また、格子流路C0、C1、C2、C3、C101乃至C104を流れる気液二相流はチャーン流に近い流動様式になり、流路隔壁R1乃至R9、L1乃至L9に圧力変動荷重による分布荷重が掛かるが、流路隔壁R10とL10により接合部に掛かる荷重は、中央部においては、中間部と周辺部と同程度に低くできる。これは、格子流路C0、C1、C2、C3の横断面の矩形の最も長い辺の長さより、格子流路C101乃至C104の横断面の矩形の長辺の長さを短く設定しているからである。また、格子流路C101乃至C104を通しても、炉心7の燃料集合体21と制御棒24を、原子炉圧力容器6の外側に搬出可能である。
【0076】
したがって、本発明の実施の形態の変形例6によれば、チムニ11内の格子流路C0、C1、C2、C3、C101乃至C104の横断面の面積を不均一とし、周辺部の格子流路C1、C2、C3の面積を中間部の格子流路C0の面積より大きくし、中央部の格子流路C101乃至C104の面積を中間部の格子流路C0の面積より小さくすることで、圧力変動荷重による流力振動を大きくすることなく、流路隔壁R10とL10の金属部材の物量は増加するものの、トータルの流路隔壁R1乃至R10と流路隔壁L1乃至L10の金属部材の物量は低減でき、材料/製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自然循環型沸騰水型原子炉1の縦断面図である。
【図2】(a)はチムニ11の上面図であり、(b)は(a)のII−II方向の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【図4】流路隔壁L4とL5の間の領域A1乃至A4に配置された格子流路を流れる冷却材の流速を示すグラフである。
【図5】格子流路に冷却材が流れると、領域A1乃至A4の流路隔壁L5に印加される分布荷重を示すグラフである。
【図6】炉心7の横断面における燃料集合体21と制御棒24の配置と、チムニ11の横断面における流路形成装置11aの流路隔壁の配置とを重ねて示した配置図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る流路形成装置11aの格子流路と流路隔壁の配置図である。
【符号の説明】
【0078】
6 原子炉圧力容器
7 炉心
8 炉心シュラウド
9 ダウンカマ
11 チムニ
11a 流路形成装置
11d チムニ胴
21 燃料集合体
24 制御棒
A1乃至A15 領域
C0乃至C11、C101乃至C104 格子流路
R、R1乃至R10、L1乃至L10 流路隔壁




 

 


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