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発明の名称 制御棒駆動機構
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−232422(P2007−232422A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−51503(P2006−51503)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 井上 信三 / 児玉 俊博 / 高橋 健
要約 課題
メンテナンスの頻度を下げることができる制御棒駆動機構を提供すること。

解決手段
制御棒駆動機構104aは、原子炉圧力容器101の下鏡部に貫通固定されたハウジング2と、そのハウジングの内側に固定されるアウターチューブ部、および、そのアウターチューブ部の下方に設けられるスプールピース部が一体成形された一体型アウターチューブ3aとを備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
沸騰水型原子炉における原子炉圧力容器の下部に設けられ、駆動軸を介し電動機の回転を中空ピストン昇降機構に伝達して中空ピストンを昇降させ、制御棒を炉心内に挿入および引抜きする一方、スクラム時には高圧水を注入して前記中空ピストンを押し上げて前記制御棒を前記炉心内に急速に挿入することで、前記炉心内の反応度を制御する制御棒駆動機構において、
前記原子炉圧力容器の下鏡部に貫通固定されたハウジングと、
そのハウジングの内側に固定されるアウターチューブ部、および、そのアウターチューブ部の下方に設けられるスプールピース部が一体成形された一体型アウターチューブと、
を備えたことを特徴とする制御棒駆動機構。
【請求項2】
一対の磁気継手を備え、前記電動機の回転をその一対の磁気継手を介して前記駆動軸に伝達することを特徴とする請求項1に記載の制御棒駆動機構。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽水炉としての沸騰水型原子炉(以下、BWR(Boiling Water Reactor)ともいう。)に使用される制御棒駆動機構(以下、CRD(Control Rod Drive Mechanism)ともいう。)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、BWRの原子炉圧力容器(以下、「圧力容器」ともいう。)には、減速材を兼ねた冷却材(軽水)が収容されるとともに、その中央部分に、多くの燃料集合体が装荷された炉心が配置される。燃料集合体の間には、制御棒(CR:Control Rod)が挿入および引抜き自在に設置されている。そして、原子炉の起動・停止や反応度の調整などの制御は、炉心に対し制御棒を挿入または引抜きすることにより、行われる。この制御棒は、圧力容器の下部に備えられたCRDによって昇降駆動される。
【0003】
また、CRDは、主に、原子炉圧力容器の下鏡部に貫通固定されるハウジング、そのハウジングの内側に固定されるアウターチューブ、そのアウターチューブの下側に固定されるスプールピースなどから構成される(たとえば、特許文献1参照)。
そして、ハウジング内において、制御棒の下端に連結された中空ピストンを、ボールねじに螺合されたボールナット上に載置するように構成されている。そのボールねじをモータなどで回転させ、ボールナットを上下動させることで、制御棒を昇降駆動するようになっている。
また、アウターチューブとスプールピースの間には、漏水(炉水の漏洩)防止のために、ゴム製などのOリングが設けられる。
【特許文献1】特開平8−82690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アウターチューブとスプールピースの間にOリングを設けると、Oリングの素材の寿命などの観点から、所定の頻度(たとえば10年に一度)で、スプールピースをアウターチューブから取り外し、Oリングのメンテナンスをしなければならない、という問題があった。
さらに、近年は、モータの動力伝達にマグネットカップリングを用いることが多く、マグネットカップリングはメンテナンスをあまり必要としないため、Oリングのメンテナンスのためだけにスプールピースをアウターチューブから取り外さなくてはならず、作業効率や費用の点で問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、メンテナンスの頻度を下げることができる制御棒駆動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る制御棒駆動機構は、沸騰水型原子炉における原子炉圧力容器の下部に設けられ、駆動軸を介し電動機の回転を中空ピストン昇降機構に伝達して中空ピストンを昇降させ、制御棒を炉心内に挿入および引抜きする一方、スクラム時には高圧水を注入して中空ピストンを押し上げて制御棒を炉心内に急速に挿入することで、炉心内の反応度を制御する制御棒駆動機構である。その制御棒駆動機構において、原子炉圧力容器の下鏡部に貫通固定されたハウジングと、そのハウジングの内側に固定されるアウターチューブ部、および、そのアウターチューブ部の下方に設けられるスプールピース部が一体成形された一体型アウターチューブとを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の制御棒駆動機構によれば、メンテナンスの頻度を下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る原子力発電システムについて、適宜図面を参照しながら説明する。
なお、一般に、沸騰水型原子炉内の冷却材(軽水)の駆動方法は2通りあって、1つは再循環ポンプを用いて強制循環させる方法であり、もう1つは再循環ポンプを用いないで自然循環させる方法である。本実施形態は、後者の自然循環させる方法である。
【0009】
図1は、原子力発電システムの概略を示す全体構成図である。前記した自然循環による方法では、図1に示すように、原子炉圧力容器(以下、「圧力容器」という。)101内において、炉心108で発生するボイド(気相と液相が混在した密度の低い冷却材)と、チムニ105の外側を下降する液相の冷却材との比重差によって、自然循環に必要な駆動力を得ることができる。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の自然循環式沸騰水型原子炉(以下、「原子炉」という。)100は、円筒状の圧力容器101内に、燃料集合体102、制御棒案内管103、制御棒駆動機構104、チムニ105、気水分離器106、蒸気乾燥器107、炉心108、給水入口ノズル109、蒸気出口ノズル111などを備えて構成される。また、圧力容器101の内部には、減速材を兼ねた冷却材が収容されている。
【0011】
燃料集合体102は、炉心108に収納されるものであり、原子炉100への燃料(ウランなど)の装荷及び取出しに際し、ばらばらにならずに一体として取り扱えるようにした燃料の集合体である。
制御棒案内管103は、制御棒駆動機構104によって駆動される制御棒をガイドする管である。
なお、燃料集合体102と制御棒駆動機構104は、少なく図示しているが、実際には多数存在する。
【0012】
チムニ105は、圧力容器101と同心の円筒状であり、内部を仕切り板で格子状に仕切った格子流路を有している。
気水分離器106は、チムニ105から供給される冷却材の気液二相流(気体と液体が共存する流れ)を、気相の飽和蒸気と液相の飽和水に分離する装置である。
蒸気乾燥器107は、気水分離器106から得られた飽和蒸気に含まれる湿分を除去する装置である。
【0013】
タービン110は、原子炉100の蒸気出口ノズル111から供給される飽和蒸気によって発電を行うものである。
復水器120は、タービン110から供給される飽和蒸気を、海水を循環させることなどによって冷却し(そのための循環ポンプなどは不図示)、水に液化させるものである。
【0014】
給水ポンプ130は、復水器120から供給された水を吸引し、その水を給水加熱器140を経由して原子炉100の給水入口ノズル109に送るものである。
給水加熱器140は、給水ポンプ130から供給された水を加熱する装置である。
【0015】
続いて、原子力発電システムSにおける動作の概要を説明する。まず、原子炉100において、給水入口ノズル109から供給される水と、気水分離器106で分離された飽和水とが混合し、その混合水が圧力容器101内におけるチムニ105の外側を下降し、炉心108に供給される。
【0016】
炉心108に供給された混合水は、加熱され、飽和状態の気液二相流となり、チムニ105の内部を経由して、気水分離器106に供給される。気水分離器106に供給された気液二相流は、気相の飽和蒸気と、液相の飽和水に分離される。
飽和蒸気は、蒸気乾燥器107を経て、蒸気出口ノズル111からタービン110に導かれる。一方、飽和水は、再び給水入口ノズル109から供給される水と混合され、圧力容器101内におけるチムニ105の外側を下降する。
【0017】
タービン110では、供給された蒸気により発電を行い、復水器120では、タービン110から供給された蒸気を冷却することにより液化する。
給水ポンプ130は、復水器120で液化された水を吸引して原子炉100に供給し、その途中経路に配置された給水加熱器140はその水を加熱する。
【0018】
このような原子力発電システムSにおける各構成のうち、本発明は、制御棒駆動機構104に関するものであり、以下、図2〜図4を用いて、詳細に説明する。まず、図2を参照しながら、従来例にかかる制御棒駆動機構について説明する(適宜図1参照)。図2は、その従来例の制御棒駆動機構の構造図である。
【0019】
制御棒駆動機構104によって駆動される制御棒1は、複数の燃料集合体102の間に挿入および引抜き自在に設置され、圧力容器101の下鏡部(底の部分)に貫通して設けられた制御棒駆動機構104によって昇降駆動されるようになっている。この制御棒1の昇降により、原子炉100における燃料の反応度が調整される。
【0020】
制御棒駆動機構104の外縁部分は、圧力容器101の下鏡部に接続されたハウジング2と、アウターチューブ3と、スプールピース4とから構成され、それらがボルト22によって締結されている。スプールピース4の下部には、制御棒駆動機構104の動力源であるモータ5(電動機)が着脱可能に設けられている。
【0021】
ハウジング2およびアウターチューブ3の内側には、制御棒1の下端にカップリング6を介して連結された中空ピストン7と、その中空ピストン7が載置されたボールナット8(中空ピストン昇降機構)と、そのボールナット8が螺合され、上端側が中空ピストン7に収容されたボールねじ9(中空ピストン昇降機構)とが設けられている。
【0022】
スプールピース4内には、ボールねじ9の下端側に連結された伝達軸10(駆動軸)が設けられている。また、スプールピース4を挟んで対向配置された一対の磁気継手(マグネットカップリング)、すなわち、内側磁気継手11と外側磁気継手12が設けられており、内側磁気継手11は伝達軸10に接続され、外側磁気継手12はモータ5の出力軸51と接続されている。
【0023】
ハウジングフランジ21とアウターチューブフランジ31の接触面において、漏水防止のために、給水管13の周囲には環状のメタルOリング14が設けられ、ボールねじ9を中心とするアウターチューブフランジ31の全体には環状のメタルOリング15が設けられている。
また、スプールピース4の内周部とアウターチューブ3の接触面には、漏水防止のために、環状のゴムOリング16が2つ設けられている。
【0024】
コイルばね17と皿ばね18は、スクラム(緊急停止)時に高速で上方移動する中空ピストン7のクッションの役割を果たす部材である。
ギアカップリング20は、ギアカップリング19と嵌合することで、伝達軸10の回転力をボールねじ9に伝達する。ギアカップリング20は、コイルばね21の上に載置されている。
【0025】
続いて、制御棒駆動機構104の動作について説明する。制御棒1に対する通常制御時は、モータ5が駆動すると、出力軸51を介して外側磁気継手12が回転し、外側磁気継手12と内側磁気継手11との間で作用する磁力によって回転トルクが伝達されて、内側磁気継手11が回転する。これにより、内側磁気継手11に接続された伝達軸10、ギアカップリング20およびギアカップリング19を介してボールねじ9が回転し、ボールナット8および中空ピストン7が上下方向に移動し、それにともなって制御棒1が昇降駆動する。
このようにして、制御棒1の炉心108への挿入および引抜きの量が調整され、原子炉100による蒸気エネルギーの出力量が調整される。
【0026】
また、スクラム時は、アキュムレータ(不図示)などにより給水管13から中空ピストン7の下方部分に高圧水が注入される。その高圧水の圧力により、ボールナット8は不動のまま、中空ピストン7が上方に高速で移動し、スクラムを実現する。
【0027】
このような構成の従来例の制御棒駆動機構104では、スプールピース4の内周部とアウターチューブ3の接触面に設けられたゴムOリング16を、その素材の寿命などの観点から、所定の頻度(たとえば10年に一度)で、メンテナンスする必要がある。そして、このゴムOリング16のメンテナンスのためには、スプールピース4をアウターチューブ3から取り外さなければならず、手間がかかるという問題があった。
【0028】
また、モータ5の動力伝達に、メンテナンスをあまり必要としない磁気継手(内側磁気継手11と外側磁気継手12)を使用しているため、ゴムOリング16のメンテナンスのためだけにスプールピース4をアウターチューブ3から取り外さなくてはならず、作業効率や費用の点で問題があった。
【0029】
そこで、図3を参照しながら、本実施形態にかかる制御棒駆動機構について説明する(適宜図1、図2参照)。図3は、本実施形態にかかる制御棒駆動機構の構造図である。なお、図2と同様の構成については同様の符号を付し、重複説明を適宜省略する。
【0030】
図3の制御棒駆動機構104aが図2の制御棒駆動機構104と異なっているのは、図2のアウターチューブ3とスプールピース4を一体成形(一体構造となるように作ること)してアウターチューブ3a(一体型アウターチューブ)としたこと、それにより図2のゴムOリング16を削除したこと、および、図2のギアカップリング19,20が一体型の分離検出機構22になったことである。なお、分離検出機構22は、コイルばね21の縮み具合いによって制御棒1が宙吊りになってるか否かを検出するための機構で、図2のギアカップリング19,20の場合と同様の技術であり、また、周知の技術であるので詳細な説明を省略する。
【0031】
続いて、図4を参照しながら、本実施形態の制御棒駆動機構の特徴について説明する(適宜図2、図3参照)。図4は、(a)が、従来例の制御棒駆動機構104におけるアウターチューブ3とスプールピース4の構成図、(b)が、本実施形態にかかる制御棒駆動機構104aにおけるアウターチューブ3aの構成図である。
【0032】
図4(a)に示すように、従来例の制御棒駆動機構104では、アウターチューブ3とスプールピース4が別体となっており、ボルト22を用いてそれらを締結するようになっている。
一方、図4(b)に示すように、本実施形態にかかる制御棒駆動機構104aでは、従来のアウターチューブとスプールピースを一体化(一体成形)したアウターチューブ3aが設けられている。
【0033】
図2〜図4に示すように、制御棒駆動機構104aでは、一体成形したアウターチューブ3aを用いることで、図2におけるゴムOリング16が不要となる。それにより、ゴムOリング16のメンテナンスの必要がなくなり、制御棒駆動機構104a自身のメンテナンス頻度を下げることができ、ランニングコストの低減が可能となる。
【0034】
また、制御棒駆動機構104aは、従来例の制御棒駆動機構104と比べてOリングの個数が少ないので、炉水のリークポテンシャル(漏洩の可能性)を低減し、信頼性を向上させることができる。
さらに、一体成形したアウターチューブ3aを用いることで、制御棒駆動機構104aの圧力容器101などに対する取り付けや取り外しなどの作業を簡素化することができる。
【0035】
また、一体成形したアウターチューブ3aを用いることで、ボールねじ9と伝達軸10の中心軸の調整が不要となり、それらの中心軸がずれるという可能性を回避することができる。
【0036】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】原子力発電システムの概略を示す全体構成図である。
【図2】従来例にかかる制御棒駆動機構の構造図である。
【図3】本実施形態にかかる制御棒駆動機構の構造図である。
【図4】(a)は、従来例の制御棒駆動機構におけるアウターチューブとスプールピースの構成図、(b)は、本実施形態にかかる制御棒駆動機構におけるアウターチューブの構成図である。
【符号の説明】
【0038】
1 制御棒
2 ハウジング
3,3a アウターチューブ
4 スプールピース
5 モータ
7 中空ピストン
8 ボールナット
9 ボールねじ
10 伝達軸
100 自然循環式沸騰水型原子炉
101 原子炉圧力容器
104,104a 制御棒駆動機構
108 炉心




 

 


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