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発明の名称 原子炉格納容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−232420(P2007−232420A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−51473(P2006−51473)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
発明者 平子 静
要約 課題
建設工程短縮に寄与できる原子炉格納容器を提供し、これにより原子力発電所設備の経済性向上を図る。

解決手段
一次原子炉格納容器の円筒壁外側とトップスラブ(天井)外側および圧力抑制プール下部に床にて仕切りされた機器室の内側側壁と、天井内側を表面に20mm程度の厚さを有した鋼板と鋼板をコンクリートに定着するためのスタッドからなる鋼板コンクリート構造とする。ESBWRにおいて、原子炉格納容器建設工期の短縮を図ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、圧力抑制プールを収納するウェットウェルと、前記ドライウェルと圧力抑制プールとを連絡するベント管とを有する一次原子炉格納容器と、前記一次原子炉格納容器を収容し気密性を有する二次原子炉格納容器と、前記一次原子炉格納容器外の前記二次原子炉格納容器内にあって前記圧力抑制プール下部に床にて仕切りされた機器室と、前記一次原子炉格納容器と前記二次原子炉格納容器を支持する基礎版とで構成される原子炉格納容器において、前記一次原子炉格納容器の外側を構成し前記基礎版まで達する円筒壁外側と、前記一次原子炉格納容器の天井外側と、前記圧力抑制プール下部に床にて仕切りされた機器室の内側両側壁と天井内側を鋼板コンクリート構造とすることを特徴とする原子炉格納容器。
【請求項2】
請求項1における原子炉格納容器において、前記圧力抑制プール下部に床にて仕切りされ、内側側壁と天井内側を鋼板コンクリート構造とした機器室を、鋼板コンクリートからなる複数の壁で区画することを特徴とする原子炉格納容器。
【請求項3】
請求項1または請求項2における原子炉格納容器において、前記複数の壁で区画した機器室を鋼板コンクリートの床にて区画することを特徴とする原子炉格納容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉格納容器に係り、特に沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器,ドライウェル,圧力抑制プールを収納するウェットウェルおよびドライウェルと圧力抑制プールとを連絡するベント管を内包する一次原子炉格納容器および一次原子炉格納容器を収容する二次原子炉格納容器にて構成される原子炉格納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の沸騰水型原子炉(以下BWR)の原子炉格納容器の型式として改良型BWR(以下ABWR)および最新のものに、基本的な形状はABWRと同じであるが圧力抑制プールの下部に機器室を設けた自然循環型の沸騰水型原子炉であるESBWRが知られている。
【0003】
ESBWRの原子炉格納容器はシステム上の要求から、圧力抑制プールを基礎版の上部に設置している。即ち圧力抑制プールの下部に基礎版とは別に圧力抑制プール床を設置し、この圧力抑制プール床と基礎版との間の空間を原子炉系の機器室として利用している。
【非特許文献1】IAEA−TECDOC−1391,Status of advanced light water reactor designs 2004,IAEA,May 2004,P223-225
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子力発電所施設の建設には建設中利子が発生するため、建設期間を短縮することが建設コストの低減に極めて有効である。
【0005】
原子力発電所施設の建設の中で原子炉格納容器は原子炉建屋建設工程のクリティカルパスを構成しているため、原子炉格納容器の建設工程を短縮することにより、建屋の建設工期をも短縮することが可能になる。このような背景から建設工程短縮策として種々の検討が加えられてきているが、ESBWRでは圧力抑制プールの下部に機器室を設置しているため、建設ステップがABWRより複雑かつステップ数が増加している。
【0006】
ABWRとESBWRとの建設シーケンスを下記に示す。
<ABWR建設シーケンス>
基礎版建設

圧力抑制プール部分円筒壁建設

ダイアフラムフロア建設

ドライウェル部分円筒壁建設

トップスラブ(格納容器天井部分)建設

格納容器上部燃料貯蔵プール建設

原子炉建屋運転床建設
<ESBWR建設シーケンス>
基礎版建設

圧力抑制プール下部円筒壁

圧力抑制プール床建設

圧力抑制プール部分円筒壁建設

ダイアフラムフロア建設

ドライウェル部分円筒壁建設

トップスラブ(格納容器天井部分)建設

格納容器上部プール建設

原子炉建屋運転床建設
上記の建設シーケンスに示すように、ESBWR建設シーケンスはABWRのそれに比較して圧力抑制プール下部円筒壁建設および圧力抑制プール床建設の2ステップが増加しており、原子炉建屋一階層分の工期増加となる。原子炉建屋の一階層分の建設工期は一般に3ヶ月程度とされており、ESBWRはABWRより3ヶ月程度の建設工期の延長要因を有している。
【0007】
また、ESBWRは機器室の上部が圧力抑制プールになっているため、床建設後の上階からの機器搬入は不可能であり、圧力抑制プール壁開口により、機器を搬入し、閉ざされた空間での機器据付け工事となる。
【0008】
本発明の目的は、ESBWRに用いる原子炉格納容器の建設工程の短縮と共に機器据付け性向上を可能とする原子炉格納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に示した課題を解決するために、本発明では一次原子炉格納容器の円筒壁外側とトップスラブ(天井)外側および圧力抑制プール下部に床にて仕切りされた機器室の内側側壁と、天井内側を表面に20mm程度の厚さを有した鋼板と鋼板をコンクリートに定着するためのスタッドからなる鋼板コンクリート構造とする。
【0010】
また、圧力抑制プール下部に床にて仕切りされた機器室を上部鋼板コンクリートと一体とした鋼板コンクリート構造の壁にて仕切る。この仕切られた機器室を必要に応じて上下方向に鋼板コンクリート構造の床にて区画し、区画された機器室にシステム要求に基づく原子炉系機器および関連する配管・ケーブルおよび空調ダクトを設置する。
【0011】
なお、一次原子炉格納容器の内側即ち原子炉圧力容器を収納するドライウェル、圧力抑制プールを収納するウェットウェル,ドライウェルと圧力抑制プールとを連絡するベント管を設置する区画は高温・高圧の雰囲気として設計されており、熱による過大な変形を防止するため、従来の一次原子炉格納容器の当該区画と同様に円筒壁の内側に厚さ6mm程度の鋼板のライナーと円筒壁に鉄筋を設置したコンクリート格納容器と同じ構成としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、建設工程短縮に寄与できる原子炉格納容器が提供でき、これにより原子力発電所設備の経済性向上が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態は次のようなものである。
(1)原子炉格納容器の外側円筒壁の基礎版までと圧力抑制プール下部の機器室の側壁と天井を鋼板コンクリート構造とする。
(2)圧力抑制プールの床下部に鋼板コンクリートの壁を設置する。
(3)圧力抑制プール下部に鋼板コンクリートの床を設置する。
【実施例1】
【0014】
本発明による原子炉建屋の実施例の一例について、図1により説明する。
【0015】
図1は請求項1による原子炉格納容器の実施例の一例を示す縦断面図である。図1で原子炉圧力容器1を内包したドライウェル2および圧力抑制プール3を内包したウェットウェル4を一次原子炉格納容器6内に設置する。このドライウェル2およびウェットウェル4はベント管5およびダイアフラムフロア14にて区画して設置している。これにより、想定事故時にドライウェル2に噴出した高温・高圧の蒸気をベント管5を経由して圧力抑制プール3に導き、圧力抑制プール3の水で凝縮することによりドライウェル2内の圧力・温度を設計圧力・設計温度内に維持し、安全系のシステムの作動と相まって放射性物質を安全に封じ込める設計としている。また、上記圧力抑制プール3は圧力抑制プール3内の水を原子炉圧力容器に注入するためのシステム上の要求から一次原子炉格納容器6の上部に設置するために、基礎版9の上部に圧力抑制プール床13の上の圧力抑制プール3を設置している。この基礎版9と圧力抑制プール床13の間の空間を機器室12として使用する構成としている。
【0016】
本発明では、上記で示した一次原子炉格納容器6の円筒壁16の外側を基礎版9までと、トップスラブ15の上部と、機器室12の内側とを表面に20mm程度の厚さを有した鋼板22と鋼板22をコンクリートに定着するためのスタッド23からなる鋼板コンクリート10とした構成としている。
【0017】
一方、一次原子炉格納容器6の内側即ち原子炉圧力容器1を収納するドライウェル2,圧力抑制プール3を収納するウェットウェル4,ドライウェル2と圧力抑制プール3とを連絡するベント管5を設置する区画は高温・高圧の雰囲気として設計されるため、熱による過大な変形を防止するため、従来の一次原子炉格納容器6の当該区画と同様に円筒壁
16の内側表面に厚さ6mm程度の鋼板のライナーと円筒壁16内に鉄筋を設置したABWRコンクリート格納容器と同じ構成としている。なお、一次原子炉格納容器6の円筒壁16の内、圧力抑制プール床13から基礎版9までは内側が機器室12を構成しているため、円筒壁16内側の両面を鋼板とスタッドからなる鋼板コンクリート10とすることができる。
【0018】
本発明による建設ステップを図2に示すとともに建設シーケンスを図3に示す。また、本発明を適用しないESBWR一次原子炉格納容器の建設ステップを図6に示し、建設シーケンスを図7に示す。
【0019】
図2で一次原子炉格納容器6の円筒壁16の外側は基礎版9まで両面が鋼板コンクリート10であるため、両面鋼板の一体搬入が可能となる。また、機器室12は内側外側壁および天井が同様に鋼板コンクリート10であるため、機器室12の壁と床を下側に開口を有した鋼板のボックスとして搬入できる。さらに、機器室12天井の鋼板は圧力抑制プール床13の底部にもなっており、圧力抑制プール床13を施工するための天井型枠としての役割も果たしている。
【0020】
鋼板コンクリート構造の採用により、鋼板が建築型枠および鉄筋の役割を果たすため、鋼板の設定後はコンクリートの注入のみにて壁・床の施工が完了する。
【0021】
本発明では上記に示したように、一次原子炉格納容器6の円筒壁16の外側は基礎版9までと圧力抑制プール床13の底部が鋼板コンクリート10となっているため、それぞれ円筒壁16と圧力抑制プール床13の型枠が一度に施工が可能となるとともに、このコンクリート工事の同時並進化が可能となる。
【0022】
一方、図6の本発明を適用しないESBWR一次原子炉格納容器の建設シーケンスでは、基礎版施工の後に、一次原子炉格納容器6の円筒壁16の外側は圧力抑制プール床13までの施工を完了しその後に圧力抑制プール床13の施工を開始する。圧力抑制プール床13の施工に際しては、床の型枠を保持するための支保工20を機器室12内に設置する必要があるため、圧力抑制プール床13の施工完了まで、機器室12内の原子炉系機器
17の据付け工事が完了せず、したがって配管工事他の関連工事が完了しない。圧力抑制プール床13より上部の建設シーケンスは本発明による一次原子炉格納容器と本発明を適用しない一次原子炉格納容器ともに同様である。
【0023】
このように図3と図7を対比すると、図3の本発明による建設シーケンスでは一次原子炉格納容器6の円筒壁16の基礎版9までの部位と圧力抑制プール床13が同時に施工できるため、図7に示す本発明を適用しない一次原子炉格納容器より建設工期は約3ヶ月程度短縮可能となるとともに一次原子炉格納容器6の円筒壁16の基礎版9までの部位は両面が鋼板であるため、円筒壁16の両側に鋼板コンクリート11の適用が可能となり、型枠および鉄筋工事の削減により施工スピードが向上し、結果として3ヶ月以上の工期の短縮が可能となる。
【実施例2】
【0024】
本発明による原子炉建屋の実施例の一例について、図4を用いて説明する。
【0025】
図4は本発明の請求項2による原子炉格納容器の実施例の内、基礎版上部の平面図である。
【0026】
基礎版9上には円筒壁16と原子炉系機器17およびこの原子炉系機器17を区画するために内側から円筒壁16に向けて放射状に設置した仕切り壁11を設ける。
【0027】
この仕切り壁11は鋼板コンクリート10とし、同様に鋼板コンクリート10からなる円筒壁16内側の鋼板同士を一体構造としている。また、この機器室12の上部は図4に示すように圧力抑制プール床13となっている。
【0028】
建設時には円筒壁16内外の鋼板と仕切り壁11の鋼板および機器室内側鋼板を一体搬入を可能としている。このため、仕切り壁11の設置に伴う新たな工事シーケンスは発生しない。一方、仕切り壁11は圧力抑制プール床13を下部からささえる壁として利用できるため、圧力抑制プール床13施工時のコンクリート注入による過大な鉛直方向の荷重に対しても特別な仮設の支持構造物を設置することなく圧力抑制プール床13の施工を可能とし、これによる仮設構造物の低減を可能としている。また、仕切り壁11によって圧力抑制プール床13のコンクリート施工時の過大な鉛直方向の荷重にも耐えるため施工時には圧力抑制プール床13を下部から支える支保工は必要としない。このため、機器室
12に予め設定した原子炉系機器17の配管・ケーブル・空調ダクトの施工が平行して可能となる。更に機器室12は内外及び天井の表面が鋼板となっているため、この鋼板に予め、配管・ケーブル・空調ダクトを直接溶接設定して搬入することにより、機器室12内の現場での工事を大幅に低減できる。
【0029】
円筒壁16内外の鋼板と仕切り壁11の鋼板および機器室内側鋼板を一体搬入の平面的な広がりは建設時にこれらのブロックを搬入する揚重機の容量によって決まるが、原子炉系機器17およびこれに伴う仕切り壁11の配置によって、適切な分割が可能となる。また、円筒壁16内外の鋼板と仕切り壁11の鋼板および機器室内側鋼板は閉じられた空間的となるため、このブロックを搬入後には、ブロック内に設置する原子炉系機器17の配管接続工事は周辺の環境と切り離された条件下で天候に左右されずに容易に可能である。
【実施例3】
【0030】
本発明による原子炉建屋の実施例の一例について、図5を用いて説明する。
【0031】
図5は本発明の請求項3による原子炉格納容器の実施例の一例を示す縦断面図である。本図は一次原子炉格納容器6の下部の機器室12を原子炉系機器17のシステム上の要求により、多層階に分割した場合を示している。本図では機器室12を機器室床21にて上下2層に分割した場合を示している。また、この機器室床21は鋼板コンクリート10としている。
【0032】
この機器室床21の設置により、建設時に予め機器室床21上に原子炉系機器17及び関連する配管・ケーブル・空調ダクトを設置することにより、円筒壁16内外の鋼板と仕切り壁11の鋼板および機器室内側鋼板によるブロックと原子炉系機器17及び配管・ケーブル・空調ダクトが一体のモジュールとして建設が可能となり、施工性の更なる向上が期待できる。また、機器室床21は円筒壁16内外の鋼板と仕切り壁11の鋼板および機器室内側鋼板によるブロックの水平方向の撓み防止のための構造材としての役割を果たすため、原子炉系機器17のブロック一体化による撓み防止用仮設材の低減に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の請求項1による原子炉格納容器の実施例を示す断面図。
【図2】本発明の原子炉格納容器の建設ステップを示す図。
【図3】本発明の原子炉格納容器の建設シーケンスを示す図。
【図4】本発明の請求項2による原子炉格納容器の実施例を示す平面図。
【図5】本発明の請求項3による原子炉格納容器の実施例を示す断面図。
【図6】従来の原子炉格納容器の建設ステップを示す図。
【図7】従来の原子炉格納容器の建設シーケンスを示す図。
【符号の説明】
【0034】
1…原子炉圧力容器、2…ドライウェル、3…圧力抑制プール、4…ウェットウェル、5…ベント管、6…一次原子炉格納容器、7…二次原子炉格納容器、8…原子炉建屋、9…基礎版、10…鋼板コンクリート、11…仕切り壁、12…機器室、13…圧力抑制プール床、14…ダイアフラムフロア、15…トップスラブ、16…円筒壁、17…原子炉系機器、18…上部プール、19…原子炉建屋運転床、20…支保工、21…機器室床、22…鋼板、23…スタッド。




 

 


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