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発明の名称 放射性物質用金属キャスク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−205931(P2007−205931A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−25972(P2006−25972)
出願日 平成18年2月2日(2006.2.2)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 船曳 一央 / 平沼 健 / 安井 啓裕 / 堂守 生剛 / 林 眞琴
要約 課題
伝熱フィンを胴本体に直接溶接可能とし、製造コスト安い放射性物質用金属キャスクを提供する。

解決手段
使用済燃料用金属キャスクにおいて、使用済燃料を収容する容器を構成する胴本体11と、胴本体の外側に間隔をとって設けられた外筒17とは、胴本体から径方向外方に延びて、外筒に伝熱させる伝熱フィン20Aにより接合される。伝熱フィンは、2種類の金属板を互いに合わせて接合したクラッド材から構成され、且つ、クラッド材の一方の金属は胴本体及び外筒と同種の金属材料21aで、且つ他方は良伝熱金属材料21bで構成されており、胴本体とクラッド材の前記同種の金属材料とを直接溶接する構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
放射性物質を収容する放射性物質用金属キャスクにおいて、
前記放射性物質を収容する容器を構成する胴本体と、
該胴本体の外側に間隔をとって設けられた外筒と、
前記胴本体から径方向外方に延びて、前記外筒に伝熱させる伝熱フィンと、を備え、
前記伝熱フィンは、
2種類の金属板を互いに合わせて接合したクラッド材から構成され、且つ、該クラッド材の一方の金属は前記胴本体及び外筒と同種の金属材料で、且つ他方は前記同種の金属材料より熱伝導度の良好な良伝熱金属材料で構成されており、
前記胴本体と、前記クラッド材の前記同種の金属材料と、が直接溶接されることを特徴とする放射性物質用金属キャスク。
【請求項2】
前記伝熱フィンは、
前記外筒側の一端部が、前記外筒の周方向または軸方向に曲げられて延伸し、
断面がカギ型の形状を成し、
前記外筒と、前記クラッド材の前記同種の金属材料と、が直接溶接されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質用金属キャスク。
【請求項3】
前記伝熱フィンは、
前記外筒側の一端部が、前記外筒の周方向または軸方向に曲げられて延伸し、
前記胴本体側の一端部が、前記外筒側の一端部と反対方向に曲げられて延伸し、
断面がZ字型の形状を成し、
前記外筒側及び前記胴本体側の両端部が、前記クラッド材の前記同種の金属材料で当接するように構成され、
前記外筒及び前記胴本体と、前記クラッド材の前記同種の金属材料と、が溶接されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質用金属キャスク。
【請求項4】
前記伝熱フィンは、
前記外筒側及び前記胴本体側の両端部が、前記外筒及び前記胴本体の周方向または軸方向の同一方向に曲げられて延伸し、
断面コの字型の形状を成し、
前記外筒及び前記胴本体と、前記クラッド材の前記同種の金属材料と、が溶接されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質用金属キャスク。
【請求項5】
前記伝熱フィンは、
外側にクラッド材の前記同種の金属材料側を向けるように断面逆Uの字型の形状を成し、
該断面逆Uの字型の脚部の両端部において、前記クラッド材の前記同種の金属材料と前記胴本体とが溶接され、
前記断面逆Uの字型の頂部において、前記クラッド材の前記同種の金属材料と前記外筒を構成する部材とが溶接されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質用金属キャスク。
【請求項6】
前記伝熱フィンは、隣り合う伝熱フィン間において、前記クラッド材の良伝熱金属材料側を対向するように配置し、
前記隣り合う伝熱フィンの前記外筒側端の1端部の前記同種の金属材料が、前記外筒と同種の金属板材と溶接され、さらに該金属板材が前記外筒を構成する部材と溶接されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質用金属キャスク。
【請求項7】
前記伝熱フィンは、前記胴本体の側面の法線方向に対して、所定の角度を付けて径方向外方に延びていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1に記載の放射性物質用金属キャスク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質を貯蔵、輸送または輸送兼貯蔵する放射性物質用金属キャスクに関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質用金属キャスクとしては、例えば使用済燃料を貯蔵または輸送する使用済燃料用金属キャスクや、使用済燃料再処理時に発生する放射性廃棄物を貯蔵または輸送する放射性廃棄物用金属キャスクなどがある。
【0003】
原子力発電所の炉心で一定期間使用された核燃料は、再処理するために炉心から取り出され、冷却のため使用済燃料プールに一時保管される。この所定の冷却期間が終了した使用済燃料は、輸送用または輸送兼貯蔵用の使用済燃料用金属キャスクに収納されて燃料再処理工場若しくは中間貯蔵施設へと搬送されるか、または必要に応じて貯蔵用の使用済燃料用金属キャスクで貯蔵を継続する。使用済燃料用金属キャスクに収納して中間貯蔵施設へ搬送された使用済燃料は、そのまま一次保管される。
放射性廃棄物は放射性廃棄物用金属キャスクに収納されて、廃棄物貯蔵設備に保管される。
【0004】
以下では、輸送兼貯蔵用の使用済燃料用金属キャスクを例に説明する。使用済燃料用金属キャスクは、使用済燃料を収容する容器を構成する外形が円筒状の胴本体と、底板と、胴本体の外周に設けられた中性子遮へい体、その外側の外筒、及び胴本体の開口部を塞ぐ一次蓋、二次蓋により構成されている。
使用済燃料用キャスクには、使用済燃料からの崩壊熱を外部へと放熱するために、胴本体の外側に設けられている中性子遮へい体の層に、胴本体から外筒に伝熱する伝熱フィンが設けられている。
【0005】
従来の伝熱フィンとしては、外筒の一部を構成し胴本体の軸方向(以下、長手方向と称する)に伸びる長尺の矩形の板材の幅端部を、長手方向に長い矩形の銅製の伝熱フィンの一方の幅端部と長手方向に溶接し、前記伝熱フィンの他方の幅端部を胴本体側面の長手方向に設けた肉盛部に溶接したものが知られている(特許文献1、図6及び段落0062)。
【0006】
また、その変形例として、外筒の一部を構成し胴本体の長手方向に伸びる長尺の矩形の板材に、断面形状をコの字形状またはL字形状に曲げ加工した銅製の伝熱フィンを溶接し、前記断面形状がコの字形状またはL字形状の伝熱フィンの脚部を胴本体側面の長手方向に設けた肉盛部に溶接し、伝熱フィンが外筒と面接触するようにし、胴本体から外筒への伝熱効率をよくする構造のものが知られている(特許文献1、図14及び段落0084、図18及び段落0089、0090)。
【0007】
さらに、外筒の一部を構成する長手方向に所定幅の円筒の板材の幅方向中央部に銅製の伝熱フィンの一端を溶接して径方向断面がT字形状のユニットリングと成し、伝熱フィンの他端を、胴本体の側面に周方向に設けた肉盛部と溶接し、前記T字形状のユニットリングを胴本体の長手方向に複数並べて取り付けられたものが知られている(特許文献1、図22、図23、及び段落0095)。
【0008】
また、特許文献2には、胴本体の外側に密着する中間筒と外筒とを共にステンレス鋼板に銅板が接合された銅−ステンレスクラッド鋼板により形成するとともに、それぞれの銅−ステンレスクラッド鋼板の銅板側を互いに対向して配置し、中間筒の銅板側と外筒の銅板側とをそれぞれ銅板製の伝熱フィンと溶接した構成の使用済燃料用金属キャスクが示されている(特許文献2、図1)。
【特許文献1】特許第3416657号公報
【特許文献2】特開平9−171094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1に記載された従来技術では、伝熱フィンには熱伝導率の高い銅板が使用されているが、胴本体と外筒には強度特性に優れたステンレス鋼または炭素鋼が使用されている。そのため、伝熱フィンと胴本体との溶接部は、銅とステンレス鋼若しくは炭素鋼との異種金属溶接となるため特殊な溶接技術が必要であった。
前記従来技術における当該溶接部では、胴本体に直接伝熱フィンを溶接せず、胴本体に鉄製の肉盛部を設け、この肉盛部に伝熱フィンを溶接することにしている。
【0010】
この溶接法を用いることにより、溶接時の微小割れが当該肉盛部内で収まり、胴本体に影響を与えない構造としている。しかしこの異種金属溶接法では、伝熱フィンと胴本体との接合部分の全てに新たに肉盛部を設ける必要があり、例えば胴本体への肉盛溶接などの工程が必要となり、製造コストが高くなる。
【0011】
また、特許文献2に記載された構成を用いる場合には、中間筒と外筒とを銅−ステンレスクラッド鋼板で形成する必要がある。特に、胴本体は、厚肉のステンレス鋼または炭素鋼で構成されており、その側面に銅−ステンレスクラッド鋼板を密着接合することは製造コストを高くする。
【0012】
本発明は、係る問題を低減することを課題とし、伝熱フィンを胴本体に直接溶接可能とし、製造コストが安い放射性物質用金属キャスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため本発明は、放射性物質を収容する放射性物質用金属キャスクにおいて、放射性物質を収容する容器を構成する胴本体と、胴本体の外側に間隔をとって設けられた外筒と、胴本体から径方向外方に延びて、外筒に伝熱させる伝熱フィンと、を備え、伝熱フィンは、2種類の金属板を互いに合わせて接合したクラッド材から構成され、且つ、クラッド材の一方の金属は胴本体及び外筒と同種の金属材料で、且つ他方は同種の金属材料より熱伝導度の良好な良伝熱金属材料で構成されており、胴本体とクラッド材の前記同種の金属材料とが直接溶接されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、伝熱フィンを胴本体に直接溶接可能とし、製造コスト安い放射性物質用金属キャスクを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
《第1の実施の形態》
(使用済燃料用金属キャスクの概要説明)
次に、本発明の放射性物質用金属キャスクを適用した第1の実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクについて、図1を参照しながら説明する。
使用済燃料用金属キャスク1は、外形が円筒形状の胴本体11と円盤状の底板12とで、一端側が開放可能な容器を構成し、キャビティ13を有している。また、使用済燃料用金属キャスク1は、密閉容器を構成するために蓋部15を有している。
【0016】
胴本体11及び底板12は、γ線遮へい機能を有する鋼鉄製(炭素鋼製またはステンレス鋼製)である。胴本体11と底板12は、溶接により結合する。
胴本体11の外側には、胴本体11の側面から間隔をおいて、胴本体11の中心軸と同心の円筒形状の外筒17が設けられている。また、胴本体11と外筒17とは、胴本体11から外筒17へ熱伝導させる複数の伝熱フィン20Aで溶接されて接合されている。
【0017】
胴本体11と外筒17との間の伝熱フィン20Aで周方向に仕切られた環状空間には、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮へい機能を有するレジン18aが充填される(図1では、レジン18aが充填される空間を示している)。レジン18aは、例えば流動状態で注入され、固化される。
なお、レジン18aの充填方法は、伝熱フィン20Aで周方向に仕切られた環状空間に合わせて成形した固形の前記高分子材料を挿入する方法でも良い。
【0018】
胴本体11の一端側は、放射性物質の漏洩を防止する蓋部15で閉じられる。蓋部15は、内側の一次蓋15aとその外側の二次蓋15bより構成される。一次蓋15aは、円盤状の中空部を有する鋼鉄製(炭素鋼製またはステンレス鋼製)であり、外形が円盤形状である。前記中空部にはレジン18bが封入されている。このレジン18bは、前記レジン18aと同じレジンでも良いし、蓋部15の温度に適した別種のレジンでも良い。
二次蓋15bは、γ線遮へい機能を有す鋼鉄製(炭素鋼製またはステンレス鋼製)であり、外形が円盤形状である。
【0019】
一次蓋15a及び二次蓋15bは、ステンレス製または炭素鋼製のボルトによって胴本体11に取り付けられる。さらに、一次蓋15a及び二次蓋15bと胴本体11との間にはそれぞれ図示省略の金属ガスケットが設けられ、キャビティ13内部の密封性を保持する。
なお、図示を省略してあるが、底板12にもレジン18bが充填されている。
【0020】
胴本体11の側面の底板12側及び蓋部15側にはそれぞれ、使用済燃料用金属キャスク1を吊るためのトラニオン19が、周方向に90°の間隔で設けられている。
使用済燃料用金属キャスク1を水平に設置する場合には、トラニオン19に、図示しない台座を宛がって、台座にて使用済燃料用金属キャスク1の荷重を支える。
【0021】
次に、キャビティ13内部の構成を簡単に説明する。円筒形状のキャビティ13内部には、バスケット14が収納されている。バスケット14は、図示しない使用済燃料集合体を収納する複数のセル31を形成して構成されている。バスケット14は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム或いはアルミニウム合金にボロンを添加した板材により構成され、未臨界性の維持、使用済燃料集合体からの熱を胴本体11に伝える機能を有している.
【0022】
(外筒及び伝熱フィンの構成の詳細説明)
次に、外筒17及び伝熱フィン20Aの構成を、図2を参照(適宜図1参照)しながら詳細に説明する。
外筒17は、所定の周方向幅に分割した、例えば、1/4または1/3に分割した部分円筒側面部材17aからなる分割構造である。
伝熱フィン20Aは、胴本体11の軸方向に長い矩形状の板材であり、胴本体11の中心軸を通る平面に対して周方向に角度をとって、つまり一方の周方向に所定の角度だけ傾けて、胴本体11の側面から径方向外方に伸びている。伝熱フィン20Aの胴本体11側の端部は、胴本体11側面と、伝熱フィン20Aの外筒17側の端部は外筒17の内面と、それぞれ溶接される。
【0023】
伝熱フィン20Aは、胴本体11及び外筒17と同種の金属材料21a、例えば、炭素鋼板を母材とし、同種の金属材料21aよりも熱伝導度が良好な良伝熱金属材料21b、例えば、銅板を接合したクラッド材、つまり銅クラッド鋼板で構成されている。同種の金属材料21aの板厚は、例えば、5mm程度であり、良伝熱金属材料21bの厚さは同種の金属材料21aより薄くしておく。
なお、前記クラッド材は、例えば、圧接、熱処理による拡散接合などの方法により製造される。
【0024】
伝熱フィン20Aの胴本体11及び外筒17との溶接手順を少し詳しく説明する。
図1の使用済燃料用金属キャスク1の伝熱フィン20A近傍を上方から見た部分断面図(模式図)である図2の(a)に示すように、伝熱フィン20Aは、胴本体11側及び外筒17側の両端部を隅肉溶接に適したように斜めに削り、同種の金属材料21aの溶接端部22、23が胴本体11の側面及び外筒17の内面にそれぞれ当接するように予め整形しておく。
【0025】
次いで、図2の(b)に示すように、伝熱フィン20Aを、図示省略の冶具で胴本体11の側面への取り付け位置と角度を固定しておいて、溶接端部22を胴本体11の側面と隅肉溶接する。こうして複数の伝熱フィン20Aを胴本体11の側面に溶接した後、部分円筒側面部材17aの内面を溶接済みの伝熱フィン20Aの溶接端部23と当接させ、図示省略の冶具で固定する。次に、胴本体11、伝熱フィン20A、及び部分円筒側面部材17aとで囲まれてできる空間24に、自動溶接機を挿入して溶接端部23を、伝熱フィン20Aの同種の金属材料21a側から隅肉溶接する。
【0026】
なお、部分円筒側面部材17aの周方向端部は予め開先加工をしておき、次の部分円筒側面部材17aを伝熱フィン20Aと溶接する際に、部分円筒側面部材17aの周方向端部同士の突合せ溶接を行う。また、胴本体11と外筒17の間にできる環状空間の底部側は、図1において図示省略の環状板を溶接して塞ぐ。同様に、この環状空間の上部側も、レジン18aを充填後、図示省略の環状板を溶接して塞ぐ。
なお、図2の(b)ではトラニオン19は、省略してある。詳細は省くが、実際にはトラニオン19は伝熱フィン20A及び外筒17の溶接の前に胴本体11にボルトや溶接などで取り付けられており、トラニオン19の近傍に対しては、伝熱フィン20A、部分円筒側面部材17aが欠き取られており、外筒17のこの分の形状を特別に整形する。
【0027】
以上述べたように本実施の形態の使用済燃料用金属キャスク1では、伝熱フィン20Aに銅クラッド鋼板を用い、同種の金属材料21aの溶接端部22、23をそれぞれ胴本体11の側面及び外筒17の内面と溶接する、つまり、炭素鋼同士の溶接をするので、異種金属の溶接時に生じる微小割れを生じず、容易且つ良好な溶接部を形成することができる。従って、異種金属溶接時に必要な、例えば、胴本体11の側面に溶接用の肉盛部を設けるなどの特殊な溶接施工を必要としない。また、胴本体と伝熱フィンを、例えば胴本体の外側に銅―ステンレスクラッド鋼製の中間筒を密着させて設ける必要がない。その結果、安価な放射性物質用金属キャスクを提供できる。
【0028】
また、熱伝導度が銅に比して小さい炭素鋼板に銅板を接合した銅クラッド鋼板で伝熱フィン20Aを構成しているので、伝熱フィンを炭素鋼板だけで構成した場合より良好な伝熱特性が得られる。
さらに、伝熱フィン20Aを周方向に傾けて溶接するので、中性子の漏洩方向である使用済燃料用金属キャスク1の中心軸を通る径方向断面で見たとき、中性子遮へい体であるレジン18aが存在しない径方向断面がなくなり、伝熱フィン20Aによる中性子遮へい欠損が低減される。また、伝熱フィン20Aを周方向に傾けて溶接するので、使用済燃料用金属キャスク1の構成部材の熱膨張により発生する応力が外筒17に伝わるのが、伝熱フィン20Aの撓みによって緩和することができる。
【0029】
《第2の実施の形態》
次に第2の実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクについて、図3を参照しながら説明する。使用済燃料用金属キャスク1の伝熱フィン近傍を上方から見た部分断面を図3の(a)に示す。本実施の形態において第1の実施の形態と異なるところは、外筒17の構成方法、伝熱フィンの形状、及び胴本体11の側面に伝熱フィンを取り付ける角度であり、他の構成は第1の実施の形態と同じである。第1の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0030】
本実施の形態における外筒17は、図3に示すように、円筒側面の周方向幅が第1の実施の形態よりも狭い、伝熱フィン20Bを溶接する周方向ピッチ幅に分割した部分円筒側面部材17bからなる分割構造である。
本実施の形態における伝熱フィン20Bは、第1の実施の形態と同じ銅クラッド鋼板で構成されているが、外筒17側の端部は、同種の金属材料21a側が外筒17の内面に対向するように周方向に曲げられ、その部分を溶接端部23Bとした、断面がカギ型の形状をしている。
【0031】
伝熱フィン20Bの胴本体11及び外筒17との溶接手順を少し詳しく説明する。
部分円筒側面部材17bの周方向端部は予め開先加工をしておく。図3の(a)に示す左側2個の伝熱フィン20Bのように、まず隣り合う2つの伝熱フィン20Bを、良伝熱金属材料21bが対向するように、所定の周方向間隔をとって軸方向に2本、図示しない冶具で胴本体11側面に固定する。このとき、伝熱フィン20Bの胴本体11側の端部は、胴本体11の中心軸を通る平面に合わせ、側面に垂直に当接させる。そして、胴本体11の側面と同種の金属材料21aの溶接端部22を隅肉溶接する。
【0032】
次いで、図3の(a)に示す最右側の伝熱フィン20Bのように、新たな伝熱フィン20Bを、外筒17側の端部の曲がりが隣接する伝熱フィン20Bと同じ周方向を向くようにして、所定の周方向間隔にて胴本体11の側面に溶接する。次いで、部分円筒側面部材17bを2枚、その周方向端部の開先同士が(a)に示す中央の伝熱フィン20Bの溶接端部23B上で当接するように図示しない冶具で固定し、前記開先同士を溶接するとともに溶接端部23Bとも溶接する。
【0033】
以降、新たな伝熱フィン20Bを胴本体11に溶接するごとに、新たな部分円筒側面部材17bを突合せ溶接するとともに伝熱フィン20Bに溶接する作業を繰り返す。
なお、最初の2枚の伝熱フィン20Bを向かい合わせに溶接することとしたがそれに限定されない。すべての伝熱フィン20Bの外筒17側の端部が、同一周方向を向くように溶接しても良い。また、新たな伝熱フィン20Bを胴本体11に溶接するごとに、新たな部分円筒側面部材17bを突き合わせ溶接する替わりに、複数の伝熱フィン20Bを胴本体11に溶接するごとに、複数の部分円筒側面部材17bを溶接するようにしても良い。
【0034】
図3の(b)は、本実施の形態における伝熱フィン20Bの変形例を示す。(b)に示すように、伝熱フィン20Cは、外筒17側の端部は、良伝熱金属材料21bを予め削り取り、良伝熱金属材料21b側が外筒17の内面と対向するように周方向に曲げ、その部分を溶接端部23Cとした、断面がカギ型の形状をしているところが伝熱フィン20Bと異なる。伝熱フィン20Cの胴本体11側の端部は、胴本体11の側面に垂直に当接させる。伝熱フィン20Cの部分円筒側面部材17bとの溶接は、良伝熱金属材料21bを削り取られた溶接端部23Cで行う。
【0035】
本実施の形態では、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cと、胴本体11及び外筒17との溶接が同種金属同士の溶接であり、容易且つ良好な溶接部を形成することができる。従って、第1の実施の形態と同じく異種金属溶接時に必要な、特殊な溶接施工を必要としない。また、胴本体と伝熱フィンを、例えば胴本体の外側に銅―ステンレスクラッド鋼製の中間筒を密着させて設ける必要がない。その結果、安価な放射性物質用金属キャスクを提供できる。
さらに、胴本体11及び外筒17と、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cとの、溶接端部23Bまたは溶接端部23Cは、周方向長さに比較的余裕があるので、伝熱フィンの端面に直接溶接するよりも部分円筒側面部材17bの周方向端部の開先を広く取れ、外筒17と、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cとの溶着面積を広くできる。また、外筒17と伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cとの接触面積を広くすることができる。その結果、伝熱フィン20B、または伝熱フィン20Cの外筒17への伝熱特性を向上できる。
【0036】
また、熱伝導度が銅に比して小さい炭素鋼板に銅板を接合した銅クラッド鋼板で伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cを構成しているので、伝熱フィンを炭素鋼板だけで構成した場合より良好な伝熱特性が得られる。
【0037】
《第3の実施の形態》
次に第3の実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクについて、図4を参照しながら説明する。本実施の形態において第2の実施の形態と異なるところは、伝熱フィン20Bの胴本体11への取り付け角度だけであり、他の構成は第2の実施の形態と同じである。第2の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0038】
図4の(a)に示すように、本実施の形態における伝熱フィン20Bは、胴本体11の中心軸を通る平面に対して周方向に所定の角度だけ傾けて、胴本体11の側面に溶接端部22で溶接される。伝熱フィン20Bと部分円筒側面部材17bの溶接方法は、第2の実施の形態と同じである。
図4の(b)は、本実施の形態において伝熱フィン20Bの変形例である伝熱フィン20Cを適用した場合を示している。
【0039】
本実施の形態では、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cと、胴本体11及び外筒17との溶接が同種金属同士の溶接であり、容易且つ良好な溶接部を形成することができる。従って、第2の実施の形態及びその変形例と同じく異種金属溶接時に必要な、特殊な溶接施工を必要としない。また、胴本体と伝熱フィンを、例えば胴本体の外側に銅―ステンレスクラッド鋼製の中間筒を密着させて設ける必要がない。その結果、安価な放射性物質用金属キャスクを提供できる。
さらに、胴本体11及び外筒17と、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cとの、溶接端部23Bまたは溶接端部23Cは、周方向長さに比較的余裕があるので、伝熱フィンの端面に直接溶接するよりも部分円筒側面部材17bの開先を広く取れ、外筒17と、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cとの溶着面積を広くできる。また、外筒17と、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cとの接触面積を広くすることができる。その結果、伝熱フィン20B、20Cの外筒17への伝熱特性を向上できる。
【0040】
また、熱伝導度が銅に比して小さい炭素鋼板に銅板を接合した銅クラッド鋼板で構成しているので、伝熱フィンを炭素鋼板だけで構成した場合より良好な伝熱特性が得られる。
さらに、伝熱フィン20Bまたは伝熱フィン20Cを周方向に傾けて胴本体11に溶接しているので、伝熱フィン20B、または伝熱フィン20Cによる中性子遮へい欠損が低減される。また、伝熱フィン20B、20Cを周方向に傾けて溶接するので、使用済燃料用金属キャスク1の構成部材の熱膨張により発生する応力を外筒17に伝わるのを、伝熱フィン20B、または伝熱フィン20Cの撓みによって緩和することができる。
【0041】
《第4の実施の形態》
次に第4の実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクについて、図5を参照しながら説明する。(a)に示すように、本実施の形態において第3の実施の形態と異なるところは、伝熱フィン20Dは、胴本体11側の端部が、良伝熱金属材料21bを予め削り取られ、良伝熱金属材料21b側が径方向内側を向くように外筒17側の端部と逆方向の周方向に曲げられ、その部分を溶接端部22Bとした、断面がZ字型の形状をしているところである。他の構成は第3の実施の形態と同じである。第3の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0042】
伝熱フィン20Dは、胴本体11の中心軸を通る平面に対して周方向に所定の角度だけ傾けて、溶接端部22Bで胴本体11の側面に溶接する。
伝熱フィン20Dと部分円筒側面部材17bの溶接方法は、第3の実施の形態と同じである。
【0043】
図5の(b)は、本実施の形態における伝熱フィン20Dの変形例を示す。(b)に示すように、伝熱フィン20Eは、第3の実施の形態における伝熱フィン20Bの変形例に対応するものである。伝熱フィン20Eは、外筒17側の端部が、良伝熱金属材料21bを予め削り取られ、良伝熱金属材料21b側が外筒17の内面と対向するように周方向に曲げられ、その部分を溶接端部23Cとし、胴本体11側の端部は同種の金属材料21aが径方向内側を向くように外筒17側の端部とは逆方向の周方向に曲げられ、その部分を溶接端部22Cとした、断面がZ字型の形状をしている。
伝熱フィン20Eの部分円筒側面部材17bとの溶接は、良伝熱金属材料21bを削り取られた溶接端部23Cで行う。また、伝熱フィン20Eの胴本体11側の端部は、同種の金属材料21aの溶接端部22Cで胴本体11の側面と溶接される。
【0044】
本実施の形態では、伝熱フィン20Dまたは伝熱フィン20Eと、胴本体11及び外筒17との溶接が同種金属同士の溶接であり、容易且つ良好な溶接部を形成することができる。従って、第3の実施の形態と同じく異種金属溶接時に必要な、特殊な溶接施工を必要としない。また、胴本体と伝熱フィンを、例えば胴本体の外側に銅―ステンレスクラッド鋼製の中間筒を密着させて設ける必要がない。その結果、安価な放射性物質用金属キャスクを提供できる。
さらに、溶接端部23Bまたは溶接端部23Cは、周方向長さに比較的余裕があるので、伝熱フィンの端面に直接溶接するよりも部分円筒側面部材17bの開先を広く取れ、外筒17と、伝熱フィン20Dまたは伝熱フィン20Eとの溶着面積を広くできる。また、外筒17と、伝熱フィン20Dまたは伝熱フィン20Eとの接触面積を広くすることができる。さらに、溶接端部22Bまたは溶接端部22Cは、周方向長さがあるので、伝熱フィンの胴本体11側の端部を隅肉溶接するよりも胴本体11との接触面積を広くできる。その結果、伝熱フィン20D、または伝熱フィン20Eの外筒17への伝熱特性を向上できる。
【0045】
また、熱伝導度が銅に比して小さい炭素鋼板に銅板を接合した銅クラッド鋼板を用いているので、伝熱フィンを炭素鋼板だけで構成した場合より良好な伝熱特性が得られる。
さらに、伝熱フィン20D、または伝熱フィン20Eを周方向に傾けているので、伝熱フィン20D、または伝熱フィン20Eの中性子遮へい欠損が低減される。また、伝熱フィン20D、または伝熱フィン20Eを周方向に傾けて溶接するので、使用済燃料用金属キャスク1の構成部材の熱膨張により発生する応力が外筒17に伝わるのを、伝熱フィン20D、または伝熱フィン20Eの撓みによって緩和することができる。
【0046】
《第5の実施の形態》
次に第5の実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクについて、図6を参照しながら説明する。(a)に示すように、本実施の形態において第2の実施の形態と異なるところは、伝熱フィン20Fが、胴本体11側の端部は、同種の金属材料21a側が径方向内側を向くように外筒17側の端部と同一方向の周方向に曲げ、その部分を溶接端部22Cとした、断面がコの字型の形状をしているところである。他の構成は第2の実施の形態と同じである。第2の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付し説明を省略する。
伝熱フィン20Fは、胴本体11の中心軸を通る平面に合わせて径方向外方に伸び、胴本体11側の溶接端部22Cで胴本体11の側面に垂直をなすように溶接される。
【0047】
伝熱フィン20Fと部分円筒側面部材17bの溶接方法は、第2の実施の形態と同じである。
図6の(b)は、本実施の形態における伝熱フィン20Fの変形例を示す。(b)に示すように、本変形例の伝熱フィン20Gは、外筒17側及び胴本体11側の端部は、良伝熱金属材料21bを予め削り取られている。伝熱フィン20Gは、外筒17側の端部の良伝熱金属材料21b側が外筒17の内面と対向するように周方向に曲げられ、その部分を溶接端部23Cとし、胴本体11側の端部も良伝熱金属材料21b側が径方向内側を向くように外筒17側の端部と同一方向の周方向に曲げられ、その部分を溶接端部22Bとした、断面がコの字型の形状をしている。
伝熱フィン20Gの部分円筒側面部材17bとの溶接は、良伝熱金属材料21bを削り取られた溶接端部23Cで行う。また、伝熱フィン20Gの胴本体11の側面との溶接も、胴本体11側の端部の良伝熱金属材料21bを削り取られた溶接端部22Bで行う。
【0048】
本実施の形態では、伝熱フィン20Fまたは伝熱フィン20Gと、胴本体11及び外筒17との溶接が同種金属同士の溶接であり、容易且つ良好な溶接部を形成することができる。従って、第2の実施の形態及びその変形例と同じく異種金属溶接時に必要な、特殊な溶接施工を必要としない。また、胴本体と伝熱フィンを、例えば胴本体の外側に銅―ステンレスクラッド鋼製の中間筒を密着させて設ける必要がない。その結果、安価な放射性物質用金属キャスクを提供できる。
さらに、溶接端部23Bまたは溶接端部23Cは、周方向長さに比較的余裕があるので、伝熱フィンの端面に直接溶接するよりも部分円筒側面部材17bの開先を広く取れ、伝熱フィン20Fまたは伝熱フィン20Gと、外筒17との溶着面積を広くできる。また、外筒17と伝熱フィン20Fまたは伝熱フィン20Gとの接触面積を広くすることができる。
【0049】
溶接端部22Bまたは溶接端部22Cは、周方向長さがあるので、伝熱フィンの胴本体11側の端部を胴本体11の側面と隅肉溶接するよりも胴本体11との接触面積を広くできる。その結果、伝熱フィン20F、または伝熱フィン20Gの外筒17への伝熱特性を向上できる。
また、伝熱フィン20Fまたは伝熱フィン20Gは、熱伝導度が銅に比して小さい炭素鋼板に銅板を接合した銅クラッド鋼板で構成しているので、伝熱フィンを炭素鋼板だけで構成した場合より良好な伝熱特性が得られる。
【0050】
また、伝熱フィン20F、または伝熱フィン20Gの断面形状がコの字型をしているので、伝熱フィン20F、または伝熱フィン20G自体の剛性を向上できる。さらに、使用済燃料用金属キャスク1の構成部材の熱膨張により発生する応力が外筒17に伝わるのを、伝熱フィン20F、または伝熱フィン20Gの撓みにより緩和することができる。
【0051】
《第6の実施の形態》
次に第6の実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクについて、図7を参照しながら説明する。図に示すように、本実施の形態において第2の実施の形態と異なるところは、伝熱フィン20Hが、逆Uの字型の断面形状をし、外側に同種の金属材料21aが、内側に良伝熱金属材料21bが配置され、逆Uの字の脚部が両方とも胴本体11の側面に溶接されるところである。伝熱フィン20Hの逆Uの字型の頂部は、平坦形状で外筒17の一部を構成する。第2の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0052】
伝熱フィン20Hで用いるクラッド材は、第1の実施の形態から第5の実施の形態におけるクラッド材よりも、同種の金属材料21aの厚さが厚く、外筒17の一部を構成可能な厚さとしている。
伝熱フィン20Hの逆Uの字の脚部は、胴本体11の中心軸を通る平面に合わせて、逆Uの字型の断面形状の外側から溶接端部22で、胴本体11の側面に溶接される。
伝熱フィン20Hは、周方向に部分円筒側面部材17cの周方向幅に合わせて離散的に配置されて溶接される。部分円筒側面部材17cは、隣接する伝熱フィン20H間に対して、逆Uの字型の頂部の周方向端の溶接端部23D同士を、ブリッジを架けるように溶接され、外筒17を構成する。
【0053】
なお、このように構成した外筒17は、隣接する伝熱フィン20Hとの溶接箇所で、部分円筒側面部材17cの板厚分だけ凹凸を生じるので、部分円筒側面部材17cの周方向端部は、図7のように端に行くに従って減肉しこの凹凸を少なくする。
【0054】
本実施の形態では、伝熱フィン20Hと、胴本体11及び外筒17との溶接が同種金属同士の溶接であり、容易且つ良好な溶接部を形成することができる。従って、第2の実施の形態と同じく異種金属溶接時に必要な、特殊な溶接施工を必要としない。また、胴本体と伝熱フィンを、例えば胴本体の外側に銅―ステンレスクラッド鋼製の中間筒を密着させて設ける必要がない。その結果、安価な放射性物質用金属キャスクを提供できる。
また、部分円筒側面部材の周方向端部同士の突合せが必要なくなり、溶接作業性が向上する。その結果製作性の向上、製作期間の短縮効果が見込める。
【0055】
溶接端部23Dは、周方向長さに比較的余裕のある溶接端部であるので、伝熱フィンの端面に直接溶接するよりも部分円筒側面部材17cとの溶着面積を広くできる。また、伝熱フィン20Hの頂部がそのまま外筒17の一部を構成しているので、伝熱フィン20Hの伝熱特性を向上できるとともに放熱特性も向上する。
また、熱伝導度が銅に比して小さい炭素鋼板に銅板を接合した銅クラッド鋼板で構成しているので、伝熱フィンを炭素鋼板だけで構成した場合より良好な伝熱特性が得られる。
また、伝熱フィン20Hの断面形状が逆Uの字型をしているので、伝熱フィン20H、自体の剛性を向上できる。さらに、使用済燃料用金属キャスク1の構成部材の熱膨張により発生する応力が外筒17に伝わるのを、伝熱フィン20Hの撓みにより緩和することができる。
【0056】
図8は、本実施の形態における伝熱フィンと部分円筒側面部材の変形例を示す。図に示すように、本変形例の伝熱フィンでは、逆Uの字型の伝熱フィン20Hを用いる替りに、板状の伝熱フィン20A2枚を、良伝熱金属材料21bを対向するように間隔を取って、胴本体11の中心軸を通る平面に合わせて、同種の金属材料21aの溶接端部22で胴本体11の側面に溶接する。さらに、前記2枚の伝熱フィン20Aの外筒17側の同種の金属材料21aの溶接端部23で、炭素鋼板で構成された部分円筒側面部材17dの周方向端部と溶接する。
【0057】
2枚の伝熱フィン20Aと部分円筒側面部材17dは、周方向に部分円筒側面部材17cの周方向幅に合わせて離散的に胴本体11の側面に配置して溶接する。部分円筒側面部材17cは、隣接する部分円筒側面部材17dの周方向の端同士を、ブリッジを架けるように溶接し、外筒17を構成する。このような構成とすることで、第6の実施の形態の伝熱フィン20Hよりも、クラッド材の物量を低減することができ、コストを低減することができる。
なお、このように構成した外筒17は、部分円筒側面部材17cと部分円筒側面部材17dとの溶接箇所で、部分円筒側面部材17cの板厚分だけ凹凸を生じるので、部分円筒側面部材17cの周方向端部は、図8のように端に行くに従って減肉しこの凹凸を少なくする。
【0058】
なお、図7に示す第6の実施の形態、及び図8に示すその変形例において、伝熱フィン20Hの脚部の溶接端部22、または1対の対向した伝熱フィン20Aの溶接端部22を、胴本体11の中心軸を通る平面に合わせて胴本体11の側面に溶接する構成としたが、胴本体11側が外筒17側よりも末広がりに広くなるように胴本体11の中心軸を通る平面に対して傾けて溶接しても良い。そのように構成することにより、伝熱フィン20H、または伝熱フィン20Aの中性子遮へい欠損が低減される。
【0059】
以上、第1の実施の形態から第6の実施の形態及びその変形例において、すべての伝熱フィン(20A〜20H)は、銅クラッド鋼板としたが、銅本体11、及び外筒17がステンレス鋼製の場合には、銅−ステンレスクラッド鋼板としても良い。
また、第1の実施の形態から第6の実施の形態及びその変形例において、すべての伝熱フィン(20A〜20H)は、胴本体11の軸方向に平行に取り付けることとしたがそれに限定されるものではない。例えば、伝熱フィンを胴本体11の側面の周方向に環状に設け、その環状の伝熱フィンを軸方向に所定の間隔で複数段取り付けても良い。その場合、部分円筒側面部材は、例えば、軸方向に隣接して配置された2つの伝熱フィンの間隔に対応して胴本体11の軸方向の長さが短く、周方向長さが長い形状が溶接作業上適している。
【0060】
また、伝熱フィンを、胴本体11の側面に複数条、スパイラル状に設けても良い。スパイラル状の伝熱フィンの場合は、胴本体11、外筒17、及び伝熱フィンで囲まれる空間に自動溶接機を通すことを考え、第1の実施の形態同様の部分円筒側面部材17bを用いることとしても良い。
【0061】
前記いずれの場合も、伝熱フィンの断面形状を第1〜第6の実施の形態における伝熱フィン(20A〜20H)の断面形状とすることが可能である。
また、伝熱フィンを胴本体11の中心軸を含む平面に対して周方向に傾ける替わりに、胴本体11の側面の法線に対して所定の角度傾けるようにしても良い。例えば、環状の伝熱フィンの場合は、胴本体11の側面の法線に対して胴本体11の軸方向に所定の角度かたむけても良い。またスパイラル状の伝熱フィンの場合は、胴本体11の側面の法線周りの所定の周方向に、法線から所定の角度傾けても良い。
このように、胴本体11の側面の法線から傾けることによって、中性子遮へい欠損が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る使用済燃料用金属キャスクの部分断面を含む斜視図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の一部断面図であり、(b)は伝熱フィンと外筒の胴本体への取り付け方法を説明する図である。
【図3】(a)は、第2の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の部分断面図であり、(b)は第2の実施の形態における伝熱フィンの変形例を説明する断面図である。
【図4】(a)は、第3の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の部分断面図であり、(b)は第3の実施の形態における伝熱フィンの変形例を説明する断面図である。
【図5】(a)は、第4の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の部分断面図であり、(b)は第4の実施の形態における伝熱フィンの変形例を説明する断面図である。
【図6】(a)は、第5の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の部分断面図であり、(b)は第5の実施の形態における伝熱フィンの変形例を説明する断面図である。
【図7】第6の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の部分断面図である。
【図8】第6の実施の形態における伝熱フィンと外筒部分の変形例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 使用済燃料用金属キャスク
11 胴本体
12 底板
13 キャビティ
14 バスケット
15 蓋部
15a 一次蓋
15b 二次蓋
17 外筒
17a、17b、17c 部分円筒側面部材(外筒を構成する部材)
17d 部分円筒側面部材(外筒と同種の金属板材)
18a、18b レジン
19 トラニオン
20A〜20H 伝熱フィン
21a 同種の金属材料
21b 良伝熱金属材料
22、22B、22C、23、23B、23C 溶接端部
24 空間
31 セル




 

 


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