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発明の名称 放射性廃棄物の固型化方法およびその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−192666(P2007−192666A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−11001(P2006−11001)
出願日 平成18年1月19日(2006.1.19)
代理人 【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
発明者 浅野 隆 / 近藤 賀計 / 川嵜 透
要約 課題
放射性廃棄物と固型化材を混合する際に固型化材のダマの発生を抑制するのに好適な方法を実現する。

解決手段
放射線廃棄物の固型化方法は、液状の放射性廃棄物とその放射性廃棄物を硬化する粉状の固型化材を容器10に投入し、容器10内で放射性廃棄物と固型化材を混合するに際し、固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面18に沿わせて固型化材を容器10に投入するなど、固型化材を容器10に分散投入する。
特許請求の範囲
【請求項1】
液状の放射性廃棄物と該放射性廃棄物を硬化する粉状の固型化材を容器に投入し、該容器内で前記放射性廃棄物と前記固型化材を混合する放射性廃棄物の固型化方法において、前記固型化材を前記容器に分散投入することを特徴とする放射性廃棄物の固型化方法。
【請求項2】
前記固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面に沿わせて前記固型化材を前記容器に投入することを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の固型化方法。
【請求項3】
前記固型化材の所要量を複数に分け、該分けた量ごとに時間をずらして前記固型化材を前記容器に投入することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性廃棄物の固型化方法。
【請求項4】
前記固型化材の投入方向に直交する方向の運動成分を前記固型化材に付与するサイクロンを介して、前記固型化材を前記容器に投入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射性廃棄物の固型化方法。
【請求項5】
前記放射性廃棄物と前記固型化材の混合物に対して超音波を照射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の放射性廃棄物の固型化方法。
【請求項6】
液状の放射性廃棄物が容器に投入される投入口と、前記放射性廃棄物を硬化する粉状の固型化材が前記容器に投入される投入口と、前記放射性廃棄物と前記固型化材を前記容器内で混合する混合手段を備えた放射性廃棄物の固型化装置において、
前記固型化材の投入口は、前記固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面が形成されてなることを特徴とする放射性廃棄物の固型化装置。
【請求項7】
前記容器に投入する固型化材を貯留する貯蔵容器を備え、前記貯蔵容器内の所要量の固型化材を複数に分け、該分けた量ごとに時間をずらして前記容器に投入する手段を有することを特徴とする請求項6に記載の放射性廃棄物の固型化装置。
【請求項8】
前記固型化材の投入方向に直交する方向の運動成分を前記固型化材に付与するサイクロンを備え、前記固型化材の投入口は、前記サイクロンの吐出口が前記固型化材の投入口に連通してなることを特徴とする請求項6又は7に記載の放射性廃棄物の固型化装置。
【請求項9】
前記容器内の前記放射性廃棄物と前記固型化材の混合物に対して超音波を照射する超音波振動子を有する超音波装置を備えたことを特徴とする請求項6乃至8に記載の放射性廃棄物の固型化装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所などから発生する液状の放射性廃棄物を固型化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や原子力関連施設などを運転すると、液状の放射性廃棄物が発生する。液状の放射性廃棄物は、ドラム缶などの容器内で粉状の固型化材が混合されることによって固型化された後、放射性廃棄物処理場で保管されることになっている。
【0003】
液状の放射性廃棄物に粉状の固型化材を混合させる手法として、いわゆるアウトドラム混合方式やインドラム混合方式が知られている(例えば特許文献1)。アウトドラム混合方式は、放射性廃棄物と固型化材を混合用容器に投入して混合した後に、その混合物を別の保管用容器に移して硬化させる方法である。インドラム混合方式は、放射性廃棄物と固型化材を保管用容器で混合して硬化させる方法である。
【0004】
【特許文献1】特開平5−27091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、放射性廃棄物に固型化材を混合するに際し、放射性廃棄物に多量の固型化を一挙に投入した場合や、その混合物の粘性が比較的大きい場合は、混合物に固型化材の塊(以下、ダマという)が生じることがある。ダマの生じた状態で混合物が硬化すると、ダマの部分が比較的脆くなることや、ダマの部分とその他の部分との強度差が比較的大きくなることから、硬化後の放射性廃棄物に亀裂やひび割れが生じるおそれがある。文献などの従前の方式は、この点について配慮しておらず、放射性廃棄物を保管に適した固形物にする観点から、放射性廃棄物の固型化方法に改善すべき点がある。
【0006】
本発明の課題は、放射性廃棄物と固型化材を混合する際に固型化材のダマの発生を抑制するのに好適な方法及び装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の放射性廃棄物の固型化方法は、液状の放射性廃棄物と該放射性廃棄物を硬化する粉状の固型化材を容器に投入し、該容器内で前記放射性廃棄物と前記固型化材を混合するに際し、前記固型化材を前記容器に分散投入することを特徴とする。
【0008】
固型化材を容器に分散投入する望ましい一態様として、前記固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面に沿わせて前記固型化材を前記容器に投入する。
【0009】
このようにすれば、固型化材が容器に投入される過程で、固型化材は、テーパ面の傾斜角に由来して斜め方向に分散して容器に投入される。これによって固型化材の投入断面積が拡大する。固型化材の投入断面積が拡大すると、固型化材の単位断面積あたりの投入量が減ることから、その投入過程の固型化材の粒子間の隙間が広がる。その結果、固型化材の粒子間の接触に起因するダマの発生が抑制される。
【0010】
また、前記分散投入の望ましい他の態様として、前記固型化材の所要量を複数に分け、該分けた量ごとに時間をずらして前記固型化材を前記容器に投入する。このようにすれば、固型化材の単位時間あたりの投入量が減るため、固型化材の粒子間の隙間が広がる。その結果、固型化材の粒子間の接触が減るから、ダマの発生が抑制される。
【0011】
また、前記分散投入の望ましい他の態様として、前記固型化材の投入方向に直交する方向の運転成分を前記固型化材に付与するサイクロンを介して、前記固型化材を前記容器に投入する。すなわち、サイクロンは、容器に投入する前の固型化材に旋回運動を与える。ここでの旋回運動は、投入方向に直交する方向の運動成分つまり投入断面方向の運動成分を有するものである。これにより、容器に投入された固型化材は、投入断面積が広がって分散するので、ダマの発生が抑制される。
【0012】
また、固型化材を分散投入しても微細なダマが発生する場合があるので、ダマの発生をより抑制する一態様として、前記放射性廃棄物と前記固型化材の混合物に対して超音波を照射する。このようにすれば、混合物に微細なダマが生じた場合でも、そのダマは超音波の振動エネルギによって粉砕される。
【0013】
本発明の放射性廃棄物の固型化方法を実施する固型化装置は、液状の放射性廃棄物が容器に投入される投入口と、前記放射性廃棄物を硬化する粉状の固型化材が前記容器に投入される投入口と、前記放射性廃棄物と前記固型化材を前記容器内で混合する混合手段を備え、前記固型化材の投入口は、前記固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面が形成されてなることを特徴とする。
【0014】
この場合において、前記テーパ面を形成する態様とともに又はそれに代えて、前記容器に投入する固型化材を貯留する貯蔵容器を備え、前記貯蔵容器内の所要量の固型化材を複数に分け、該分けた量ごとに時間をずらして前記容器に投入する手段を有するのが望ましい。また、前記固型化材の投入方向に直交する方向の運動成分を前記固型化材に付与するサイクロンを備え、前記固型化材の投入口は、前記サイクロンの吐出口が前記固型化材の投入口に連通してなるのが望ましい。また、前記容器内の前記放射性廃棄物と前記固型化材の混合物に対して超音波を照射する超音波振動子を有する超音波装置を備えるのが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、放射性廃棄物と固型化材を混合する際に固型化材のダマの発生を抑制するのに好適な方法及び装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第一の実施形態)
本発明を適用した放射性廃棄物の固型化方法及びその装置の第一の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の固型化装置の構成を示す図である。図1の左図は、液状の放射性廃棄物を固型化する容器を配置する前の形態を示し、右図は、液状の放射性廃棄物に固型化材を混合する際の形態を示している。また、図2は、固型化材用の投入口の上面と断面を示す拡大図である。
【0017】
図1に示す固型化装置は、原子力発電所や原子力関連施設などから発生する放射性廃棄物を固型化するものである。図1に示すように、固型化装置は、液状の放射性廃棄物が容器10に投入される投入口11と、放射性廃棄物を硬化する粉状の固型化材(例えば、シリカヒューム含有材)が容器10に投入される投入口12と、放射性廃棄物と固型化材を容器10内で混合する混合手段としての攪拌翼14a,14bなどを備えている。
【0018】
ここで、本実施形態の固型化材の投入口12は、固型化材の投入方向(例えば、鉛直方向)に対して傾斜したテーパ面18が固型化材の投入口12に形成されている。より具体的には、図2に示すように、固型化材の投入口12は、頂点が上向きの円錐形構造物20が投入口12に同軸に位置して支持されている。ここでの円錐形構造物20は、固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面18を有する。そして、容器10に固型化材を投入する際、円錐形構造物20のテーパ面18に沿わせて固型化材を容器10に投入する。
【0019】
このようにすれば、固型化材が投入口12を通過する過程で円錐形構造物20のテーパ面18に衝突するため、テーパ面18の傾斜角に由来して斜め方向に分散して容器10に投入される。これによって固型化材の投入断面積が拡大する。固型化材の投入断面積が拡大すると、固型化材の単位断面積あたりの投入量が減ることから、その投入過程の固型化材の粒子間の隙間が広がる。その結果、固型化材の粒子間の接触に起因する塊(以下、ダマという)の発生が抑制される。要するに、容器10に固型化材を分散投入することにより、保管に適した放射性廃棄物の固形物を得ることができる。
【0020】
より詳細に、本実施形態の固型化方法及びその装置について説明する。図1に示すように、ドラム缶などの容器10は、昇降手段としてのリフト22の載置台23に固定されている。リフト22は、載置台を上下方向に昇降する。また、攪拌翼14a,14bは、板形の架台24に吊り下げられている。なお、攪拌翼14aは、攪拌翼14bよりも鉛直方向下側に位置されている。架台24は、攪拌翼14a,14bを駆動するモータ26a,26bが配設されている。そして、ここでの架台24は、放射性廃棄物の投入口11と固型化材の投入口12が形成されている。放射性廃棄物の投入口11は、攪拌翼14aの支持点よりも外側に位置し、架台24の厚み方向に貫通して形成されている。固型化材の投入口12は、攪拌翼14aの支持点と攪拌翼14bの支持点の間の部分に位置し、架台24の厚み方向に貫通して形成されている。
【0021】
放射性廃棄物の投入口11は、バルブ28を介して放射性廃棄物の計量器30に連通されている。ここでの計量器30は、その頂部が放射性廃棄物の供給機32にバルブ34を介して連通されるとともに、その逆円錐形の下端部がバルブ28を介して投入口11に連通している。なお、バルブ28と投入口11の間は、ホースや配管35などで接続されている。また、計量器30は、その胴部の側壁に液位計36が配設されている。液位計36は、計量器30内に貯留された液状の放射性廃棄物の液位を計測する。
【0022】
固型化材の投入口12は、バルブ38を介して固型化材の計量器40に連通されている。ここでの計量器40は、容器10に投入する固型化材を貯留する貯蔵容器である。計量器40は、その頂部が固型化材(例えば、微粉末状のシリカヒューム含有材)の供給機42にバルブ44を介して連通されるとともに、その逆円錐形の下端部がバルブ38を介して投入口12に連通している。なお、バルブ38と投入口12の間は、ホースや配管45などで接続されている。また、計量器40は、その胴部の側壁に重量計46が配設されている。重量計46は、計量器40内に貯留された粉状の固型化材の重量を計測する。
【0023】
そして、本実施形態の固型化材の投入口12は、円錐形構造物20が支持されている。図2の断面図に示すように、円錐形構造物20は、固型化材の投入方向(例えば、鉛直方向)に対して傾斜したテーパ面18と、断面円形の投入口12よりも小径の底部を有する部材である。
【0024】
ここでの円錐形構造物20は、その底部の位置を投入口12の下端開口の位置に合わせて支持されている。例えば、図2の上面図に示すように、円錐形構造物20は、断面円形の投入口12に支持棒54a,54b,54cを介して同軸に支持されている。支持棒54a,54b,54cは、円錐形構造物20の底部から径方向に投入口12の内壁まで延びた棒であり、その底部の周方向に間隔を空けて形成されている。なお、支持棒54a,54b,54cは、その径方向の先端が投入口12の内壁に溶接で接合される。なお、円錐形構造物20を例示したが、角錐形などを適用してもよい。また円錐形構造物20の支持方法を変更してもよい。要は、固型化材の投入方向に対して傾斜したテーパ面を投入口12に形成できればよい。
【0025】
また、本実施形態の固型化装置は、超音波装置が設けられている。超音波装置は、容器10の側壁の外表面に配設された円筒形の超音波振動子48と、超音波振動子48に伸縮可能なケーブル50を介して接続した超音波発信機52を備えている。ここでの超音波発信機52は、超音波振動子48に超音波送波用の駆動パルスを供給する。超音波振動子48は、超音波発信機52から供給された駆動パルスを例えば出力2kWの超音波に変換し、その超音波を容器10内の混合物に向けて射出する圧電体を有する。
【0026】
このように構成される放射性廃棄物の固型化装置の動作について説明する。まず、図1の左図の状態つまり容器10が攪拌翼14a,14bよりも下方に位置する状態から、リフト22で容器10を上方に押し上げることにより、容器10内に攪拌翼14a,14bが挿入された状態にする。
【0027】
次に、容器10に放射性廃棄物を投入する。例えば、バルブ34を開放することにより、供給機32から液状の放射性廃棄物を計量器30に供給する。計量器30内の放射性廃棄物の液位は、液位計36により測定されている。液位計36の測定値が予め定めた値に達したとき、バルブ34を閉止する。続いて、バルブ28を開放することにより、計量器30から放射性廃棄物を容器10内に投入口11を介して投入する。
【0028】
固型化材についても放射性廃棄物と基本的に同様の手順で容器10に投入する。例えば、バルブ44を開放することにより、供給機42から微粉末の固型化材を計量器40に供給する。計量器40内の固型化材の重量は、重量計46により測定されている。重量計46の測定値が予め定めた値に達したとき、バルブ44を閉止する。続いて、バルブ38を開放すると、計量器40から固型化材が配管45内を投入口12に向かって落下する。このように固型化材が容器10に投入口12を介して投入される。
【0029】
固型化材を容器10に投入するのと同時に、モータ26a,26bを駆動して攪拌機14a,14bを軸周りに回転させる。これによって容器10内で放射性廃棄物と固型化材が混合される。混合処理を例えば20分間実施した後、リフト22で容器10を降下することにより、容器10内から攪拌翼14a,14bが抜き出される。そして、容器10内の頂部開口に蓋が嵌め込まれる。この容器10を室温で例えば40日間にわたって養生する。これによって容器10内の混合物は、固型化材に由来する硬化反応が進行して硬化する。このように放射性廃棄物が固型化された容器10は、放射性廃棄物処分場で保管される。
【0030】
なお、本実施形態は、容器10として例えば200Lのドラム缶を適用した。また、例えば100Lの放射性廃棄物を固型化することにした。また、固型化材として、シリカヒュームと高炉スラグの混合物100kgを適用し、その固型化材を例えば10分間にわたって容器10に投入した。その際、固型化材の投入と同時に攪拌翼14a,14bを回転させた。なお、放射性廃棄物を固型化する処理の時間は、固型化材の硬化反応速度に起因して例えば20分程度とした。それよりも長い時間にわたって攪拌翼14a,14bを容器10内に浸漬すると、固型化材の硬化反応が進行して攪拌翼14a,14bに容器10内の混合物が多量に付着するおそれがある。
【0031】
本実施形態によれば、固型化材を容器10に投入するに際し、計量器40から落下する固型化材は、投入口12を通過する過程で円錐形構造物20の外周面つまりテーパ面18に衝突する。したがって、固型化材は、テーパ面18の傾斜角に由来して斜め方向に分散して容器10に投入される。これによって固型化材の投入断面積が拡大する。固型化材の投入断面積が拡大すると、固型化材の単位断面積あたりの投入量が減ることから、その投入過程の固型化材の粒子間の隙間が広がる。その結果、固型化材の粒子間の接触に起因するダマの発生が抑制される。
【0032】
図3は、固型化材のダマの発生状況を示す模式図である。図3(A)は、固型化材を自由落下させる比較の形態を示し、図3(B)は、本実施形態を示している。図3(A)に示す形態は、本実施形態の円錐形構造物20が設けられていないため、固型化材は容器10に向かって自由落下する。その場合、固型化材が容器10に投入される過程に着目すると、固型化材は、投入口12の断面積とほぼ等しい投入断面積で容器10に投入されることになる。その結果、固型化材の単位断面積あたりの投入量が増大することから、例えば10cmを超える比較的大きなダマ58が発生する場合がある。この点、図3(B)に示す形態は、容器10に投入される固型化材は、投入口12の断面積よりも大きい投入断面積で容器に投入される。したがって、固型化材の単位断面積あたりの投入量の減少に比例してダマの発生が抑制されるし、ダマ60が生じたとしても例えば1mmという比較的小さなものになる。
【0033】
なお、本例の投入口12の断面積を例えば100cmとした。また、円錐形状構造物20の高さを例えば4.5cmとし、底面の半径を例えば2.6cmとした。また、投入口12の下端開口から容器10内の液面までの距離を例えば45cmに設定した。したがって、投入口12から投下される固型化材の投入断面積は、例えば半径26cmの円の面積つまり2000cmになる。図3(A)の自由落下の形態では、例えば10cm以上のダマ58の発生が確認された。これに対し、図3(B)の分散投入の形態で生じたダマ60は、例えば1mm程度という比較的小さなものであった。これは、図3(A)の形態は、固型化材の単位面積及び単位時間あたりの投入量が1×10−1[kg/cm/分](=100kg/100cm/10分)であるのに対し、図3(B)の形態は、固型化材の単位面積及び単位時間あたりの投入量が5×10−3[kg/cm/分](=100kg/2000cm/10分)になったからである。すなわち、図3(B)の固型化材の単位面積及び単位時間あたりの投入量は、図3(A)の場合に対して1/20に減ったことから比較的大きなダマ58の発生が抑制された。
【0034】
また、本実施形態は、容器10内で放射性廃棄物と固型化材を攪拌翼14a,14bにより混合するに際し、容器10内の混合物に対して超音波振動子48から例えば出力2kWの超音波を照射する。このようにすれば、容器10内の混合物に固型化材のダマが生じた場合でも、そのダマは超音波の振動エネルギによって粉砕される。すなわち、本実施形態の固型化材は微粉末であるため、その嵩密度が比較的小さい。したがって、図3(A)の場合、容器10に固型化材を投入すると、固型化材の比較的大きなダマ58は放射性廃棄物の液面に浮かぶので、攪拌翼14a,14bを回転してもダマ58は粉砕されない場合がある。
【0035】
この点、図3(B)の場合は、固型化材の比較的小さな例えば1mmのダマ60は、攪拌翼14a,14bの回転に由来する放射性廃棄物の旋回流に追従して容器10の内部に巻き込まれる。したがって、容器10内に超音波を照射すると、容器10内のダマ60に超音波を効果的に照射できる。その結果、容器10内の混合物にダマ60が生じても、そのダマ60を超音波の振動エネルギで迅速に粉砕できるから、ダマの発生をより抑制することができる。例えば、容器10内に例えば出力2kWの超音波を10分間にわたって照射し、容器10の上部に蓋をして室温で40日間養生した。そして、容器10内の硬化物を切断して断面を観察すると、硬化物に亀裂やひび割れが認められず、保管に適した固型体の放射性廃棄物を得ることができた。
【0036】
また、容器10内の混合物に対して超音波を照射した場合、その混合物の攪拌翼14a,14bへの付着量は、超音波を照射しない場合よりも低減する。これにより、処理後に攪拌翼14a,14bを洗浄するに際し、洗浄水量を減らすことができるから、放射性廃棄物の固型化処理に伴う二次的な放射性廃棄物の発生を更に低減できる。
【0037】
上述のように、本実施形態の固型化方法及び固型化装置を説明したが、本実施形態は、微粉末の固型化材を使用して固体状の放射性廃棄物を固型化するに際し、その放射性廃棄物に固型化材を分散投下して固型化材の単位面積、単位時間あたりの固型化材投入量を低下させることにより、固型化材のダマの発生を抑制する点を骨子とする。また固型化材の小さなダマが生じても、そのダマを超音波照射によって迅速に粉砕する点を骨子とする。したがって、固型化材の種類や量、円錐形構造物20の形状、攪拌翼14a、14bの数や形状、送信超音波の周波数などに関しては、処理対象とする放射性廃棄物に応じて適宜変更してもよい。
【0038】
なお、本実施形態の固型化方法及び固型化装置は、インドラム混合方式のものに本発明を適用したものである。これにより、アウトドラム混合方式のものに適用した場合よりも二次的な放射性廃棄物の発生を更に低減できる。ただし、アウトドラム混合方式のものにも本発明を適用してもよい。
【0039】
インドラム混合方式とアウトドラム混合方式について補足する。インドラム混合方式とは、放射性廃棄物と固型化材を保管用容器で混合して硬化させる方法である。アウトドラム混合方式とは、放射性廃棄物と固型化材を混合用容器に投入して混合した後に、その混合物を別の保管用容器に移して硬化させる方法である。ここで放射性廃棄物の固型化処理が1年を通して連続して実施されるほど処理対象物が多いとは限らないし、処理対象物が多くても固型化装置の点検や保守のために固型化処理を中断する場合もある。固型化処理を中断する場合は、固型化装置内の固型化材を洗浄して固型化材の固着を防止することが必要になる。ここでの洗浄水は、一般産業廃棄物とは異なり、新たな放射性廃棄物になる。
【0040】
アウトドラム混合方式とインドラム混合方式の洗浄対象の装置構成を対比すると、アウトドラム混合方式の洗浄対象物は、混合用容器の内壁と攪拌翼、混合容器と保管用容器の連通配管などであるのに対し、インドラム混合方式の洗浄対象物は、攪拌翼だけである。したがって、インドラム混合方式は、二次的な放射性廃棄物が少ないという点でアウトドラム混合方式よりも優れる。本実施形態は、インドラム混合方式の固型化装置に本発明を適用することにより、固型化材のダマの発生を抑制し、更に二次的な放射性廃棄物の発生も低減している。
【0041】
なお、固型化材のダマの発生を抑制するために、固型化材の投入量を減らすという考え方や、固型化材を変更するという考え方もあるが、放射性廃棄物の固形物に関する物理的性質又は化学的性質(例えば、一軸圧縮強度)は、放射性廃棄物と固型化材の混合割合や固型化材の種類で定まるものであるから、保管に適した固形物を得るという観点から、その方法は必ずしも有効とは言えない。また放射性廃棄物と固型化材の混合処理に時間をかけるという考え方もあるが、固型化材の特性に起因して硬化反応の進行が速い場合があるので、その方法も必ずしも有効とは言えない。この点、本実施形態によれば、多量の固型化材の使用が余儀なくされる場合や、放射性廃棄物と固型化材の混合物の粘性が高い場合や、混合処理に時間を割けない場合でも、混合物に固型化材のダマが発生することを抑制できる。
【0042】
(第二の実施形態)
本発明を適用した放射性廃棄物の固型化方法及びその装置の第二の実施形態について図4を参照して説明する。本実施形態は、放射性廃棄物にサイクロン70を介して固型化材を投入する点と、超音波振動子48が容器10内に挿入された点で第一の実施形態と異なる。したがって、第一の実施形態と対応する箇所は同一符号を付し、相違点を中心に説明する。
【0043】
図4は、本実施形態の固型化装置の構成を示す図である。図4に示す固型化装置が図1に示す形態と異なる点は、微粉末の固型化材を移送する手段として使用されるサイクロン70が設けられたことである。ここでのサイクロン70は、吸気側の側壁から下端部に向かうにつれて断面積が徐々に小さくなる胴部を有する。サイクロン70の胴部の側壁は、固型化材の計量器40にバルブ38を介して接続されている。サイクロン70の下端部は、固型化材の投入口12に連通している。またサイクロン70は、排気側の頂部が配管を介して排気装置72に接続している。なお、排気装置72は、その流体吐出口に微粒子除去フィルタ74が取り付けられている。微粒子除去フィルタ74は、サイクロン70から容器10に投入されずにサイクロン70から廃棄された例えば1μm以下の固型化材を回収する。
【0044】
固型化材の計量器40から容器16に固型化材を投入するに際し、バルブ38を開放すると、計量器40内の固型化材はサイクロン70内に側面から吸込まれる。サイクロン70は、計量器40から吸込んだ固型化材に旋回運動を与えながら、その固型化材を旋回流と伴に下端から容器10に吐出する。ここでの旋回運動は、固型化材の投入方向(例えば、旋回流の中心軸方向)に直交する径方向の運動成分を有するものである。したがって、容器10に投入後の固型化材は、サイクロン70の側面が無いために旋回せずにその径方向の運動速度に応じて広がりながら落下する。
【0045】
本実施形態によれば、容器10に投入された固型化材は、投入断面積が広がって分散するので、ダマの発生が抑制される。要するに、容器10に固型化材を分散投入することにより、保管に適した放射性廃棄物の固形物を得ることができる。
【0046】
また、本実施形態は、超音波振動子48が容器10内に挿入された点で、超音波振動子48が容器10の側壁外表面に配設された第一の実施形態(例えば図1)と異なる。図4に示すように、超音波振動子48は、板形の架台24の中心部に厚み方向に貫通して挿入されている。すなわち、超音波振動子48は、容器10内の放射性廃棄物と固型化材の混合物に接触している。このようにすれば、容器10の中央部から容器10の全体にわたって万遍なく超音波を射出できる。
【0047】
第一の実施形態と同様の液体状の放射性廃棄物に固型化材を混合したところ、混合物に発生するダマは例えば1mm程度であったし、そのダマは、攪拌翼14a,14bの回転操作、及び出力2kWの超音波の10分間にわたる照射操作によって消滅した。なお、第一の実施形態(例えば、円錐形構造物20)と組み合わせることにより一層のダマ抑制効果を得ることができる。
【0048】
(第三の実施形態)
本発明を適用した放射性廃棄物の固型化方法及びその装置の第三の実施形態について図5を参照して説明する。本実施形態は、所要量の固型化材の投入回数を分割した点で、所要量の固型化材を一度に投入する第一の実施形態と異なる。したがって、第一の実施形態と対応する箇所は同一符号を付し、相違点を中心に説明する。
【0049】
図5は、第一の実施形態と本実施形態の固型化材の投入手順を示す図である。なお、本例は、容器10として200Lドラム缶を適用し、固型化材としてシリカヒュームと高炉スラグの混合物150kgを適用し、その固型化材を使用して液体状の放射性廃棄物100Lを固型化する例である。
【0050】
まず、第一の実施形態と同様に、容器10内の放射性廃棄物に固型化材150kgを一度に投入した。これに対し、本実施形態は、容器10内の放射性廃棄物に固型化材100kgを最初の10分間で投入し、その後5分間かけて固型化材50kgを投入した。ここでの固型化材の単位面積、単位時間あたりの投入量は、最初の10分間は、5×10−3[kg/cm/分](=100kg/2000cm/10分)であるし、その後の5分間は、5×10−3[kg/cm/分](=50kg/2000cm/5分)である。すなわち、固型化材の単位面積、単位時間あたりの投入量は常に一定である。なお、固型化材を投入するのと同時に、攪拌翼14a,14bの回転操作や超音波振動子48の超音波照射操作を行った。
【0051】
そして、本実施形態の固型化処理後の放射性廃棄物と固型化材との混合物、あるいは固体状の放射性廃棄物は、第一の実施形態の手順を適用した場合よりもダマが存在せず、保管に適した健全な放射性廃棄物であることを確認できた。
【0052】
第一の実施形態で説明したように、固型化材のダマの大きさは、固型化材の投入単位面積、単位時間あたりの投下量に比例して増大する。この点、本実施形態は、固型化材の所要量を複数に分け、その分けた量ごとに時間をずらして固型化材を前記容器に投入する。より具体的には、図1のバルブ38の開度及び開放時間を制御することにより、計量器40内の固型化材を容器10に複数回に分けて投入する。このようにすれば、固型化材の単位時間あたりの投入量が減るため、ダマの発生が抑制される。要するに、容器10に固型化材を分散投入することにより、保管に適した放射性廃棄物の固形物を得ることができる。
【0053】
なお、所要量の固型化材を2回に分けて投入する手順を例示したが、投入回数や投入量については適宜変更してもよい。また所要量の固型化材を複数に分けるに際し、均等量で分けてもよいし、不均等量で分けてもよい。また、第一の実施形態(例えば、円錐形構造物20)や第二の実施形態(例えば、サイクロン70)と組み合わせることにより一層のダマ抑制効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を適用した第一の実施形態の固型化装置の構成を示す図である。
【図2】図1の固型化材用の投入口の上面と断面を示す拡大図である。
【図3】固型化材のダマの発生状況を示す模式図である。
【図4】本発明を適用した第二の実施形態の固型化装置の構成を示す図である。
【図5】本発明を適用した第三の実施形態と本実施形態の固型化材の投入手順を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10 容器
11 放射性廃棄物の投入口
12 固型化材の投入口
14a,14b 攪拌翼
18 テーパ面
20 円錐形構造物
38 バルブ
40 固型化材の計量器
48 超音波振動子
70 サイクロン




 

 


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