米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 使用済燃料用キャスク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−171135(P2007−171135A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−373069(P2005−373069)
出願日 平成17年12月26日(2005.12.26)
代理人 【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
発明者 中根 一起 / 林 眞琴
要約 課題
バスケットと胴本体との伝熱性を高め、除熱性能の向上を図ることができる使用済燃料用キャスクを提供する。

解決手段
γ線遮蔽用の胴本体3と、胴本体3の外周側に設けた中性子遮蔽体10と、胴本体3の内周面に形成した複数の溝13に挿入支持された複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dが格子状に組み立てられ、使用済燃料集合体2を収納するための複数の区画を形成するバスケット4とを備え、複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dは、横方向に向けて互いに平行に揃えた第1バスケット板群14,16と、横方向と直角な縦方向に向けて互いに平行に揃えた第2バスケット板群15,17とを、互いに交差する部分に形成したスリット18どうしを係合させて、交互に胴本体3の軸方向に積層配置する。
特許請求の範囲
【請求項1】
貯蔵又は輸送のために使用済燃料を収納する使用済燃料用キャスクにおいて、
γ線遮蔽用の胴本体と、
前記胴本体の外周側に設けた中性子遮蔽体と、
前記胴本体の内周面に形成した複数の溝に挿入支持された複数のバスケット板が格子状に組み立てられ、前記使用済燃料を収納するための複数の区画を形成するバスケットとを備え、
前記複数のバスケット板は、一の方向に向けて互いに平行に揃えた第1バスケット板群と、前記一の方向と直角な方向に向けて互いに平行に揃えた第2バスケット板群とを、互いに交差する部分に形成したスリットどうしを係合させて、交互に前記胴本体の軸方向に積層配置したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項2】
貯蔵又は輸送のために使用済燃料を収納する使用済燃料用キャスクにおいて、
γ線遮蔽用の胴本体と、
前記胴本体の外周側に設けた中性子遮蔽体と、
前記胴本体の内周面に形成した複数の連結溝にそれぞれ挿嵌された複数の連結部材と、
前記複数の連結部材にそれぞれ形成した複数の溝に挿入支持された複数のバスケット板が格子状に組み立てられ、前記使用済燃料を収納するための複数の区画を形成するバスケットとを備え、
前記複数のバスケット板は、一の方向に向けて互いに平行に揃えた第1バスケット板群と、前記一の方向と直角な方向に向けて互いに平行に揃えた第2バスケット板群とを、互いに交差する部分に形成したスリットどうしを係合させて、交互に前記胴本体の軸方向に積層配置したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項3】
請求項2記載の使用済燃料用キャスクにおいて、前記胴本体の連結溝は、深さ方向に向かって溝幅寸法が大きくなる部分を有し、前記連結部材は、前記連結溝に挿嵌するように形成したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項4】
請求項1又は2記載の使用済燃料用キャスクにおいて、前記バスケット板の端部に折曲部を形成し、前記胴本体の溝又は前記連結部材の溝は、前記バスケット板の折曲部が挿嵌するように形成したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項5】
請求項1又は2記載の使用済燃料用キャスクにおいて、前記第1バスケット板群及び第2バスケット板群を交互に積層し溶接接合したバスケット板組立体を、前記胴本体の溝又は前記連結部材の溝に挿入したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項6】
請求項1又は2記載の使用済燃料用キャスクにおいて、前記胴本体は、筒部及び底部を一体成形した後、切削加工して前記溝又は前記連結溝を形成したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項7】
請求項1又は2記載の使用済燃料用キャスクにおいて、前記胴本体は、筒部及び底部をそれぞれ分割成形し、前記筒部を切削加工して前記溝又は前記連結溝を形成した後、前記筒部と前記底部を接合したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
【請求項8】
請求項1又は2記載の使用済燃料用キャスクにおいて、前記胴本体は、筒部及び底部をそれぞれ分割成形し、前記筒部及び底部を切削加工して前記溝又は前記連結溝をそれぞれ形成した後、前記筒部と前記底部を接合したことを特徴とする使用済燃料用キャスク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に原子力発電所から発生する使用済燃料を輸送または貯蔵する使用済燃料用キャスクに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所で一定期間使用された燃料は、炉心より取り出されて使用済燃料プール等に一時保管され冷却される。所定期間冷却された燃料は、再処理工場に搬出されて再処理され、ウラン及びプルトニウム等を再資源として取り出して再利用される。ここで原子力発電所で発生する使用済燃料は、電力需要の増加と共に増加の一途をたどっており、再処理工場が稼働してもその処理容量を上回ることから、適切に貯蔵・管理する必要がある。使用済燃料を原子力発電所の敷地内もしくは敷地外にて貯蔵・管理する方法としては、金属キャスク貯蔵、ボールト貯蔵、サイロ貯蔵、及びコンクリートキャスク貯蔵等の乾式貯蔵方法と、水プールの湿式貯蔵方法とがある。この中でも、コスト低減及び長期にわたる安定貯蔵等の観点から、乾式貯蔵が注目されており、特に金属キャスクが国内で実用化されている。
【0003】
使用済燃料用キャスクは、胴本体の内部に使用済燃料集合体を収納するための格子状の複数の区画を備えたバスケットを配置し、これによって使用済燃料集合体を1体毎に仕切りつつ収納するようになっている。このバスケットの一例として、縦方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケット板からなる第1バスケット板群と、縦方向と直角な横方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケット板からなる第2バスケット板群とを、互いに交差する部分に形成したスリットどうしを係合させて、交互に上下方向に積層配置したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、積層構造の各段における第1バスケット板群又は第2バスケット板群の両端部に、部分円弧状の一対の水平補強プレートを固定するとともに、さらに上下方向に配設した連結部材をボルトで締結固定することにより、強度が高められている。
【0004】
また、バスケットの他の例として、中性子吸収能を有し、使用済燃料集合体をそれぞれ収納する複数の角パイプで構成されたものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術では、胴本体内のキャビティは、バスケットの外形に合わせた形状に加工され、胴本体の内面に接するようにバスケットが挿入されている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−94892号公報
【特許文献2】特開2001−74884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
使用済燃料キャスクは、使用済燃料から発生する崩壊熱を外部に放熱する除熱性能と、使用中に作用する荷重に耐えうる強度性能と、使用済燃料から放出された中性子を吸収する未臨界性能と、使用済燃料から放出された中性子及びγ線を遮蔽する遮蔽性能とが要求される。これらのうち、特に除熱性能の向上は、使用済燃料のクリープ破壊を防止する上で重要となる。ところが、上記従来技術では、バスケットを胴本体内に挿入する構造となっているため、バスケットの外寸法は胴本体の内寸法よりも小さくする必要があり、バスケットの最外縁部と胴本体の内表面との間には空間が生じてしまう。そのため、バスケットの熱は断熱層である空間を介し胴本体に伝達されることとなり、伝熱性の点で改善の余地があった。
【0007】
本発明の目的は、バスケットと胴本体との伝熱性を高め、除熱性能の向上を図ることができる使用済燃料用キャスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、貯蔵又は輸送のために使用済燃料を収納する使用済燃料用キャスクにおいて、γ線遮蔽用の胴本体と、前記胴本体の外周側に設けた中性子遮蔽体と、前記胴本体の内周面に形成した複数の溝に挿入支持された複数のバスケット板が格子状に組み立てられ、前記使用済燃料を収納するための複数の区画を形成するバスケットとを備え、前記複数のバスケット板は、一の方向に向けて互いに平行に揃えた第1バスケット板群と、前記一の方向と直角な方向に向けて互いに平行に揃えた第2バスケット板群とを、互いに交差する部分に形成したスリットどうしを係合させて、交互に前記胴本体の軸方向に積層配置する。
【0009】
本発明においては、複数のバスケット板は、胴本体の内周面に形成した複数の溝に挿入支持される。これにより、複数のバスケット板と胴本体を接触させて伝熱性を高めることができ、除熱性能の向上を図ることができる。
【0010】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、貯蔵又は輸送のために使用済燃料を収納する使用済燃料用キャスクにおいて、γ線遮蔽用の胴本体と、前記胴本体の外周側に設けた中性子遮蔽体と、前記胴本体の内周面に形成した複数の連結溝にそれぞれ挿嵌された複数の連結部材と、前記複数の連結部材にそれぞれ形成した複数の溝に挿入支持された複数のバスケット板が格子状に組み立てられ、前記使用済燃料を収納するための複数の区画を形成するバスケットとを備え、前記複数のバスケット板は、一の方向に向けて互いに平行に揃えた第1バスケット板群と、前記一の方向と直角な方向に向けて互いに平行に揃えた第2バスケット板群とを、互いに交差する部分に形成したスリットどうしを係合させて、交互に前記胴本体の軸方向に積層配置する。
【0011】
これにより、連結部材を介し複数のバスケット板と胴本体を連結させて伝熱性を高めることができ、除熱性能の向上を図ることができる。
【0012】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記胴本体の連結溝は、深さ方向に向かって溝幅寸法が大きくなる部分を有し、前記連結部材は、前記連結溝に挿嵌するように形成する。
【0013】
(4)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記バスケット板の端部に折曲部を形成し、前記胴本体の溝又は前記連結部材の溝は、前記バスケット板の折曲部が挿嵌するように形成する。
【0014】
(5)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記第1バスケット板群及び第2バスケット板群を交互に積層し溶接接合したバスケット板組立体を、前記胴本体の溝又は前記連結部材の溝に挿入する。
【0015】
(6)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記胴本体は、筒部及び底部を一体成形した後、切削加工して前記溝又は前記連結溝を形成する。
【0016】
(7)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記胴本体は、筒部及び底部をそれぞれ分割成形し、前記筒部を切削加工して前記溝又は前記連結溝を形成した後、前記筒部と前記底部を溶接接合する。
【0017】
(8)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記胴本体は、筒部及び底部をそれぞれ分割成形し、前記筒部及び底部を切削加工して前記溝又は前記連結溝をそれぞれ形成した後、前記筒部と前記底部を溶接接合する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、バスケットと胴本体との伝熱性を高め、除熱性能の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図2は、本発明の使用済燃料用キャスクの一実施形態の全体構造を表す一部断面斜視図である。
【0020】
この図2において、使用済燃料用キャスク1は、使用済燃料集合体2の貯蔵又は輸送に使用するものであり、使用済燃料集合体2から発生するγ線を遮蔽する胴本体(内筒)3と、この胴本体3内に設けられ、使用済燃料集合体2を収納するための複数の区画を形成するバケット4とを備えている。胴本体3は、例えば合金剛製の円筒状容器であり、開口側(図2中上側)に一次蓋5が複数のボルト(図示せず)によって取り付けられ、この一次蓋5を覆うように二次蓋6が複数のボルト(図示せず)によって取り付けられている。
【0021】
胴本体3の外周側には、周方向に等間隔で例えば炭素剛製の支持フィン7が複数配設され、これら支持フィン7の先端側に外筒8が設けられている(なお、外筒8は、周方向に分割した複数の曲板で構成され、これら曲板の端部が支持フィン7の先端側に溶接されている)。また、胴本体3と外筒8との間には、例えば熱伝導率の高い合金製の伝熱フィン9が複数配設されており、胴本体3と外筒8との伝熱性が高められている。
【0022】
また、伝熱フィン9等で囲まれた空間には中性子遮蔽体(詳細には、中性子吸収力の高いホウ素を多量に含む樹脂)10が充填され、また一次蓋5の内部及び胴本体3の底部(図示せず)にも中性子遮蔽体10が充填されている。これにより、使用済燃料集合体3から発生する中性子が遮蔽されるようになっている。
【0023】
使用済燃料用キャスク1の底側(図2中下側)及び蓋側(図2中上側)には、緩衝体取付用のフランジ11A,11Bがそれぞれ設けられ、底側フランジ11Aの下側及び蓋側フランジ11Bの上側には緩衝体(図示せず)が取り付けられている。これにより、例えば万一の落下時の衝撃荷重を緩和するようになっている。また、使用済燃料用キャスク1の外側には、クレーン運搬等の際に吊り具を掛けるための複数のトラニオン12が設けられている。
【0024】
図1は、本発明の要部であるバスケット4の構造を表す分解斜視図であり、図3は、使用済燃料用キャスク1の1/4構造を表す径方向断面図である。
【0025】
これら図1及び図3において、胴本体3の内周面には、軸方向(図1中上下方向)に延びた複数の溝13が形成されており、バスケット4は、これら複数の溝13に挿入支持されかつ格子状に組み立てられ、互いの間隙によって複数の区画を形成する複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dで構成されている。なお、複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dは、例えば強度及び伝熱性の優れた材料にホウ素を添加した合金等を用いる。
【0026】
複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dは、下方から上方へ向かって、例えば横方向に向けて互いに平行に揃えられた1段目のバスケット板群14、横方向と直角な縦方向に向けて互いに平行に揃えられた2段目のバスケット板群15、横方向に向けて互いに平行に揃えられた3段目の縦バスケット板群16、及び横方向と直角な縦方向に向けて互いに平行に揃えられた4段目のバスケット板群17というように、直角に交差するバスケット板群14〜17が交互に胴本体3の軸方向に積層配置されている。
【0027】
中段のバスケット板群15,16を構成するバスケット板15a〜15d,16a〜16dの軸方向寸法Hは同一であり、最下段のバスケット板群14を構成する14a〜14d及び最上段のバスケット板群17を構成する17a〜17dの軸方向寸法はその半分の(1/2)Hとなっている。そして、隣接するバスケット板群(例えば14と15、15と16、16と17)は、互いに交差する部分にスリット18がそれぞれ形成され、それらスリット18どうしを係合させることにより交互に軸方向に積層されている。
【0028】
スリット18は、使用済燃料集合体2を収納する1区画分に対応したピッチで設けられている。また、スリット18の深さ寸法dは、互いに係合するスリット18の深さ寸法dの合計がバスケット板15a〜15d,16a〜16dの軸方向寸法Hの約半分となるように、例えば(1/4)Hとなっている。これにより、バスケット板群14〜17が積層された場合、1段目のバスケット板群14の上側と3段目のバスケット板群16の下側、又は2段目のバスケット板群15の上側と4段目のバスケット板群17の下側がそれぞれ接するようになっている。
【0029】
胴本体3は、例えば筒部及び底部を一体成形し、開口側から挿入した切削具で切削加工することにより、複数の溝13が形成されている(図4参照)。胴本体3の溝13は、複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dの両端部にそれぞれ対応して横方向又は縦方向に形成され、かつバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dの厚み寸法tにほぼ相当する幅wで形成されている。また、胴本体3の溝13は底面まで達しない軸方向長さで形成されており、ストッパ部19が形成されている。これにより、胴本体3の切削加工作業を低減するようになっている。また、1段目のバスケット板群14を構成するバスケット板14a〜14d及び2段目のバスケット板群15を構成するバスケット板15a〜15dの下縁部両端には、ストッパ部19に嵌合するための切欠き20がそれぞれ形成されている。これにより、1段目のバスケット板群14及び2段目のバスケット板群15を胴本体3の底面近傍まで挿入することが可能である。
【0030】
そして、例えばバスケット4を組み立てる場合、バスケット板群14を胴本体3の溝13に挿入し、その後、バスケット板群15を胴本体3の溝13に挿入して、バスケット板群14の上段にバスケット板群15を配置する。その後、バスケット板群16を胴本体3の溝13に挿入して、バスケット板群15の上段にバスケット板群16を配置する。さらに、バスケット板群17を胴本体3の溝13に挿入して、バスケット板群16の上段にバスケット板群17を配置する。
【0031】
以上のように構成された本実施形態においては、複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dは、胴本体3の内周面に形成した溝13に挿入支持される。これにより、複数のバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dと胴本体3を接触させて伝熱性を高めることができる。すなわち、使用済燃料集合体2で発生した熱は、図5中矢印Aで示すように、バスケット4→胴本体3→伝熱フィン9等→外筒8のように効率よく伝達して放熱する(なお、胴本体3の熱は一次蓋5及び二次蓋6にも伝達して放熱する)。したがって、除熱性能の向上を図ることができる。また、バスケット4の最外縁部が胴本体3で支持されることになるため、バスケット4の構造健全性を確保することができる。
【0032】
なお、上記一実施形態においては、バスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dの両端部を胴本体の溝3a,3bに挿入する構造の一例について図示説明したが、これに限られない。すなわち、例えばバスケット板14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17dの端部(片側端部又は両側端部)を折り曲げ、その折曲部が挿嵌するように胴本体3の溝を形成してもよい。このような変形例を以下説明する。
【0033】
図6(a)は、バスケット板の第1変形例の構造を表す斜視図であり、図6(b)は、バスケット板の第1変形例の構造を表す断面図である。
【0034】
これら図6(a)及び図6(b)に示すバスケット板21Aの端部は、一方向に例えば直角に折り曲げた折曲部22aが形成されている。そして、胴本体3の溝13Aは、断面L字状に形成され、バスケット板21Aの折曲部22aが挿嵌するようになっている。
【0035】
図7(a)は、バスケット板の第2変形例の構造を表す斜視図であり、図7(b)は、バスケット板の第2変形例の構造を表す断面図である。
【0036】
これら図7(a)及び図7(b)に示すバスケット板21Bの端部は、軸方向に二分割され互い違いの方向に直角に折り曲げた折曲部22bが形成されている。そして、胴本板3の溝13Bは、断面T字状に形成され、バスケット板21Bの折曲部22bが挿嵌するようになっている。
【0037】
図8(a)は、バスケット板の第3変形例の構造を表す斜視図であり、図8(b)は、バスケット板の第3変形例の構造を表す断面図である。
【0038】
これら図8(a)及び図8(b)に示すバスケット板21Cの端部は、軸方向に三分割されて互い違いの方向に例えば直角に折り曲げた折曲部22cが形成されている。そして、胴本体3の溝13Bは、断面T字状に形成され、バスケット板21Cの折曲部22cが挿嵌するようになっている。
【0039】
以上のような変形例においても、上記一実施形態同様の効果を得ることができる。また、上述した変形例においては、バスケット板21A(又は21B,21C)と胴本体3との接触面積を増加させることができる。これにより、バスケット4と胴本体3との伝熱性をさらに高め、除熱性能の向上を図ることができる。
【0040】
また、上記一実施形態においては、バスケット4は、4段のバスケット板群14〜17を積層配置した構造を例にとって説明したが、これに限られず、4段以外の複数段のバスケット板群を積層配置した構造としてもよい。また、上記一実施形態においては、バスケット4の組立手順として、バスケット板群14,15,16,17を胴本体3の溝13に順次挿入する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば12段のバスケット板群23A〜23Lを積層配置する場合、図9に示すように、予め4段のバスケット板群をそれぞれ積層配置し互いに溶接接合した(但し、使用済燃料集合体2が収納されない外周部を溶接24で接合した)例えば3つのバスケット板分割組立体25A,25B,25Cをそれぞれ組み立て、これらバスケット板分割組立体25A,25B,25Cを胴本体3の溝13に順次挿入してもよい。また図10に示すように、予め12段のバスケット板群23A〜23Lを積層配置し互いに溶接接合したバスケット板総組立体26を組み立て、このバスケット板総組立体26を胴本体3の溝13に挿入してもよい。このようにバスケット板分割組立体25A,25B,25C又はバスケット板総組立体26を予め組み立ててから胴本体3の溝13に挿入することにより、組込時間の短縮を図ることができる。
【0041】
また、上記一実施形態においては、胴本体3は、筒部及び底部を一体成形し、切削加工して複数の溝13を形成する場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば筒部及び底部を分割成形してもよい。このような変形例を以下説明する。
例えば図11に示すように、溝13の軸方向長さに該当する軸方向寸法を有する筒部27Aとザグリ部28aを有する底部29Aとを分割成形し、筒部27Aの内周面を切削加工して複数の溝13を形成し、その後、筒部27A及び底部29Aを溶接手段等で接合してもよい。あるいは、例えば図12に示すように、溝13の軸方向長さより若干長い軸方向寸法を有する筒部27Bとザグリ部28bを有する底部29Bとを分割成形し、筒部27Bの内周面を切削加工して複数の溝13を形成し、その後、筒部27B及び底部29Bを溶接手段等で接合してもよい。あるいは、例えば図13に示すように、溝13の軸方向長さより短い軸方向寸法を有する筒部27Cとザグリ部28cを有する底部29Cとを分割成形し、筒部27C及び底部29Cの内周面を切削加工して複数の溝13をそれぞれ形成し、その後、互いの溝13の位置を合わせつつ筒部27C及び底部29Cを溶接手段等で接合してもよい。このようにして胴本体3を分割成形して切削加工することにより、切削加工の作業性を向上させることができる。
【0042】
本発明の他の実施形態を図14により説明する。本実施形態は、胴本体の内周面に形成した複数の連結溝に複数の連結部材をそれぞれ挿嵌し、これら連結部材に形成した複数の溝に複数のバスケット板をそれぞれ挿入した実施形態である。
【0043】
図14は、本実施形態による使用済燃料用キャスクの構造を表す径方向部分断面図である。なお、上記一実施形態と同等の部分は、適宜説明を省略する。
【0044】
本実施形態では、胴本体30の内周面には、軸方向(図14中紙面に対し垂直な方向)に延びた複数の連結溝31が形成されており、これら連結溝31に例えば板状の連結部材32がそれぞれ挿嵌されボルト33で固定されている。連結部材32の内周側(図14中右下側)には、バスケット板34の端部を挿入支持するための溝35が形成されている。そして、図示しないが、複数のバスケット板34が複数の連結部材32の溝35に挿入支持されかつ格子状に組み立てられて、バスケットを構成している。なお、連結部材32の溝35は、複数のバスケット板34の両端部にそれぞれ対応して縦方向又は横方向に形成されている。
【0045】
以上のように構成された本実施形態においては、連結部材32を介し複数のバスケット板34と胴本体30を連結させて伝熱性を高めることができる。これにより、上記一実施形態同様、除熱性能の向上を図ることができる。また、胴本体30の連結溝31は、全て同じ形状にすることが可能であり、その切削加工作業における作業性を向上させることができる。また、連結部材32は胴本体30に比べハンドリングが容易であり、溝35の加工作業も容易である。
【0046】
なお、上記他の実施形態においては、連結部材32をボルト33で固定した構造を例にとって説明したが、これに限られず、例えば図15に示すように、溶接36で固定してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、連結部材32は、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、様々な形状に変更することが可能である。このような変形例を図16〜図18により説明する。
【0048】
図16に示す変形例では、胴本体30の連結溝31Aは、深さ方向(図中右上方向)に向かって溝幅寸法が徐々に拡大するように形成されている。連結部材32Aは、胴本体30の連結溝31Aに挿嵌する挿嵌部37aと、この挿嵌部37aの内側(図中左下側)に突設されバスケット板34の端部を挿入支持するための溝35が形成された支持部38とで構成されている。
【0049】
図17に示す変形例では、胴本体30の連結溝31Bは、深さ方向に向かって溝幅寸法が急拡大するように段差して形成されている。連結部材32Bは、胴本体30の連結溝31Bに挿嵌する挿嵌部37bと、この挿嵌部37bの内側に突設されバスケット板34の端部を挿入支持するための溝35が形成された支持部38とで構成されている。
【0050】
図18に示す変形例では、胴本体30の連結溝31Cは、深さ方向に向かって溝幅寸法が拡大してから縮小するように断面が例えば五角形状に形成されている。連結部材32Cは、胴本体30の連結溝31Cに挿嵌する挿嵌部37cと、この挿嵌部37cの内側に突設されバスケット板34の端部を挿入支持するための溝35が形成された支持部38とで構成されている。
【0051】
これら図16〜図18に示す変形例においても、上記実施形態同様の効果を得ることができる。また、ボルト33や溶接36等を用いず、連結部材32A,32B,32Cを容易に取り付けることができるため、作業性を向上させることができる。
【0052】
なお、上記連結部材31(又は31A,31B,31C)は、配置を左右反転させることで溝35の向きを縦方向又は横方向に変更可能とすることにより、部品を共通化させてもよい。また、例えば図19に示すように、連結部材31A(又は31,31B,31C)に縦方向及び横方向の溝35を形成することにより、部品を共通化させてもよい。
【0053】
また、例えばバスケット板34の端部を折り曲げ、このバスケット板34の折り曲げ部が挿嵌するように連結部材31(又は31A,31B,31C)の溝を断面L字状又はT字状に形成してもよい。この場合も、上記実施形態同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の使用済燃料用キャスクの一実施形態を構成するバスケットの構造を表す分解斜視図である。
【図2】本発明の使用済燃料用キャスクの一実施形態の全体構造を表す一部断面斜視図である。
【図3】本発明の使用済燃料用キャスクの一実施形態の1/4構造を表す径方向断面図である。
【図4】本発明の使用済燃料用キャスクの一実施形態を構成する胴本体の構造を表す軸方向断面図である。
【図5】本発明の使用済燃料用キャスクの一実施形態における熱の流れを説明するための径方向断面図である。。
【図6】バスケット板の第1変形例の構造を表す斜視図及び断面図である。
【図7】バスケット板の第2変形例の構造を表す斜視図及び断面図である。
【図8】バスケット板の第3変形例の構造を表す斜視図及び断面図である。
【図9】バスケット組立時のバスケット分割組立体を表す斜視図である。
【図10】バスケット組立時のバスケット総組立体を表す斜視図である。
【図11】胴本体の第1変形例の構造を表す軸方向断面図である。
【図12】胴本体の第2変形例の構造を表す軸方向断面図である。
【図13】胴本体の第3変形例の構造を表す軸方向断面図である。
【図14】本発明の使用済燃料用キャスクの他の実施形態の構造を表す径方向部分断面図である。
【図15】連結部材の第1変形例の構造を表す断面図である。
【図16】連結部材の第2変形例の構造を表す断面図である。
【図17】連結部材の第3変形例の構造を表す断面図である。
【図18】連結部材の第4変形例の構造を表す断面図である。
【図19】連結部材の第5変形例の構造を表す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 使用済燃料用キャスク
2 使用済燃料集合体(使用済燃料)
3 胴本体
4 バスケット
10 中性子吸収体
13 溝
13A,13B,13C 溝
14 バスケット板群(第1バスケット板群)
14a〜14d バスケット板
15 バスケット板群(第2バスケット板群)
15a〜15d バスケット板
16 バスケット板群(第1バスケット板群)
16a〜16d バスケット板
17 バスケット板群(第2バスケット板群)
17a〜17d バスケット板
18 スリット
21A,21B,21C バスケット板
22a,22b,22c 折曲部
25A,25B,25C バスケット板分割組立体(バスケット板組立体)
26 バスケット板総組立体(バスケット板組立体)
27A,27B,27C 筒部
29A,29B,29C 底部
30 胴本体
31 連結溝
31A,31B,31C 連結溝
32 連結部材
32A,32B,32C 連結部材
34 バスケット板
35 溝




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013