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発明の名称 加圧水型原子炉内のECP測定システム及び加圧水型原子炉用ECPセンサ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−171014(P2007−171014A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−369922(P2005−369922)
出願日 平成17年12月22日(2005.12.22)
代理人 【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行
発明者 瀧口 英樹 / 堂▲崎▼ 浩二 / 永田 暢秋 / 市毛 秀明 / 碓井 直志 / 太田 信之
要約 課題
大規模な改造工事を必要とせずにPWR炉心でのECP測定が可能なシステムを提供する。

解決手段
原子炉容器外から炉心部へ到達するように設けられ屈曲部を有する複数の熱電対挿入用さや管と、複数の熱電対挿入用さや管が分岐する手前で複数の熱電対挿入用さや管を内包する複数の熱電対引出管支持柱とを備える加圧水型原子炉の、炉心部のECPを測定する加圧水型原子炉用ECP測定システムであって、熱電対引出管支持柱から出て分岐した後に熱電対引出管支持柱に隣接する位置の熱電対挿入用さや管に、加圧水型原子炉用ECPセンサが挿入され取り付けられることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉容器外から炉心部へ到達するように設けられ屈曲部を有する複数の熱電対挿入用さや管と、前記複数の熱電対挿入用さや管が分岐する手前で前記複数の熱電対挿入用さや管を内包する複数の熱電対引出管支持柱と、を備える加圧水型原子炉の、炉心部のECPを測定する加圧水型原子炉用ECP測定システムであって、
前記熱電対引出管支持柱から出て分岐した後に前記熱電対引出管支持柱に隣接する位置の熱電対挿入用さや管に、加圧水型原子炉用ECPセンサが挿入されて取り付けられ、前記加圧水型原子炉用ECPセンサと前記熱電対挿入用さや管との間に生じる電位差を測定することを特徴とする加圧水型原子炉用ECP測定システム。
【請求項2】
前記加圧水型原子炉用ECPセンサは、
前記熱電対挿入用さや管との電位差を測定してECPを測定するための先端部と、
略円弧が形成された第1の接触部を外周部に備え、前記熱電対挿入用さや管に挿入可能な外径を有するとともに前記先端部の最大径より大きな外径を有し、前記先端部に電気的に接続した白金線と接続し外部測定器からのケーブルが接続するガイド部と、
略円弧が形成された第2の接触部を外周部に備え、前記先端部と前記ガイド部との間に配置され前記先端部と前記ガイド部とを絶縁し、前記熱電対挿入用さや管に挿入可能な外径を有するとともに前記先端部の最大径より大きな外径を有し、ガイド機能を兼ねた絶縁体からなる絶縁部と、を備え、
前記熱電対挿入用さや管への挿入時に、前記絶縁部の第1の接触部と前記ガイド部の第2の接触部とが、前記熱電対挿入用さや管の内面に各々接触することにより生じる偶力により、前記先端部が前記熱電対挿入用さや管の内面に接触することを防止することを特徴とする請求項1に記載の加圧水型原子炉用ECP測定システム。
【請求項3】
前記加圧水型原子炉用ECPセンサは、前記熱電対挿入用さや管の屈曲部挿入時において、
前記絶縁部の第1の接触部上の前記熱電対挿入用さや管の外周部内面に接する点をSとし、
前記ガイド部の第2の接触部上の前記熱電対挿入用さや管の内周部内面に接する点をCとし、
前記先端部の先端の点をPとし、
前記熱電対挿入用さや管の屈曲部の外周部曲率半径をρo、内周部曲率半径をρiとし、
前記加圧水型原子炉用ECPセンサの中心軸と直線CSのなす角をθ0とし、
前記点Sにおける前記熱電対挿入用さや管の接線と前記加圧水型原子炉用ECPセンサとの中心軸とのずれ角をφとし、
線分CSの長さをCSバーとした場合に、
以下の数式1及び数式2を満たす外形を有することを特徴とする請求項1または2に記載の加圧水型原子炉用ECP測定システム。
【数1】




【数2】



【請求項4】
原子炉容器外から炉心部へ到達するように設けられ屈曲部を有する複数の熱電対挿入用さや管を備える加圧水型原子炉の、炉心部のECPを測定するための加圧水型原子炉用ECPセンサであって、
前記熱電対挿入用さや管との電位差を測定してECPを測定するための先端部と、
略円弧が形成された第1の接触部を外周部に備え、前記熱電対挿入用さや管に挿入可能な外径を有するとともに前記先端部の最大径より大きな外径を有し、前記先端部に電気的に接続した白金線と接続し外部測定器からのケーブルが接続するガイド部と、
略円弧が形成された第2の接触部を外周部に備え、前記先端部と前記ガイド部との間に配置され前記先端部と前記ガイド部とを絶縁し、前記熱電対挿入用さや管に挿入可能な外径を有するとともに前記先端部の最大径より大きな外径を有し、ガイド機能を兼ねた絶縁体からなる絶縁部と、を備え、
前記熱電対挿入用さや管への挿入時に、前記絶縁部の第1の接触部と前記ガイド部の第2の接触部とが、前記熱電対挿入用さや管の内面に各々接触することにより生じる偶力により、前記先端部が前記熱電対挿入用さや管の内面に接触することを防止することを特徴とする加圧水型原子炉用ECPセンサ。
【請求項5】
前記加圧水型原子炉用ECPセンサは、前記熱電対挿入用さや管の屈曲部挿入時において、
前記絶縁部の第1の接触部上の前記熱電対挿入用さや管の外周部内面に接する点をSとし、
前記ガイド部の第2の接触部上の前記熱電対挿入用さや管の内周部内面に接する点をCとし、
前記先端部の先端の点をPとし、
前記熱電対挿入用さや管の屈曲部の外周部曲率半径をρo、内周部曲率半径をρiとし、
前記加圧水型原子炉用ECPセンサの中心軸と直線CSのなす角をθ0とし、
前記点Sにおける前記熱電対挿入用さや管の接線と前記加圧水型原子炉用ECPセンサとの中心軸とのずれ角をφとし、
線分CSの長さをCSバーとした場合に、
以下の数式3及び数式4を満たす外形を有することを特徴とする請求項4に記載の加圧水型原子炉用ECPセンサ。
【数3】




【数4】



発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧水型原子炉内の電気化学的腐食電位測定システム及び加圧水型原子炉用ECPセンサに関し、特に、大規模な改造工事を必要とせずに加圧水型原子炉の炉心部の電気化学的腐食電位を測定することを可能とした加圧水型原子炉内の電気化学的腐食電位測定システム及び加圧水型原子炉用ECPセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
加圧水型原子炉(以下、PWRとする)では炉心で発生した熱を、蒸気発生器を介して一次系から二次系に伝えタービンを駆動する。図10は、PWR一次系統の概略図である。一次系10は、原子炉容器1を起点とし、ホットレグ配管2、蒸気発生器3、クロスオーバーレグ配管4、一次冷却材ポンプ5、コールドレグ配管6により構成される循環ループと加圧器7とから構成される。
【0003】
一次系では、炉心でのラジオリシスで生成する酸化性化学種による構造材料(ステンレス鋼)のSCCを防止するため、ラジオリシスを抑制可能な高濃度の水素添加を行っている。水素添加は、体積制御系8の体積制御タンク9の気相部の水素分圧を調整し、液相部の水素量を制御する。炉心部で生成する酸化性化学種は、所定の量の水素存在下で速やかに炉心内で再結合するため、炉心外での酸化性化学種は検出されない程度の極低濃度で循環する。
【0004】
このような酸化性化学種が存在しない強還元性環境下において、高ニッケル合金のPWSCC(Primary Water SCC)やニッケル腐食生成物の燃料への付着がもたらす配管線量率上昇、AOA(炉心軸方向出力分布異常)といった問題がPWRで顕在化しつつある。更に、今後増出力運転、高燃焼度燃料の採用などが検討されており、上記問題の発生の可能性はより高まることが予想される。高ニッケル合金は水素添加量が多いほど、腐食量が大きくなることが知られており、水素はより低い添加量とすることが望ましいが、ラジオリシス抑制効果が維持可能な量以上としなければならない。
【0005】
PWRでは、前述のように炉心内で発生する酸化性化学種を検知できないため、ラジオリシスの抑制効果を確認するためには、原子炉内の電気化学的腐食電位(以下、ECPとする)を測定することにより腐食環境をモニタリングすることが必要となる。従来のECP測定は、応力腐食割れ(SCC:Stress Corrosion Cracking)の環境管理の一環として、沸騰水型原子炉(BWR)にて行われていた(例えば特許文献1参照)が、原子炉容器の構造や水質管理方法が異なることからPWRにおいては、炉内でのECP測定は行われたことはない。PWRにおいてもラジオリシス抑制効果を踏まえた適切な水素添加量を確認するために、ECPを測定することが有効である。
【特許文献1】特開2000−147184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PWR一次系炉水は、水素を添加し溶存酸素を検出下限である5ppb以下に抑えており、放射線分解による酸化性物質の生成も抑制されている。PWR炉心部では一次冷却材の放射線分解により生成する酸化性化学種が存在するが、一次系に所定の量の水素を添加すれば炉心部で急速に酸化性化学種との再結合を果たしてしまうため、炉心外では酸化性化学種が残存しないこととなり、炉心外のECP測定ではラジオリシス抑制効果を確認することはできない。このためPWRにおけるECP測定はPWR炉心部で行うことが必須となる。
【0007】
特許文献1の測定法では、BWR炉内に設置されている炉内計装管にECPセンサを挿入することにより炉心部でのECP測定を行っている。しかしながら、PWRプラントではBWR炉内計装管に相当する炉心部に配置された管状部材がないため、ECPセンサを炉心内に設置するには大規模な改造工事が必要となり、コスト的にも現実的ではない。
【0008】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、大規模な改造工事を必要とせずにPWR炉心部でのECP測定が可能なECP測定システム及び本システムに適用可能なECPセンサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の加圧水型原子炉用ECP測定システムは、原子炉容器外から炉心部へ到達するように設けられ屈曲部を有する複数の熱電対挿入用さや管と、複数の熱電対挿入用さや管が分岐する手前で複数の熱電対挿入用さや管を内包する複数の熱電対引出管支持柱とを備える加圧水型原子炉の、炉心部のECPを測定する加圧水型原子炉用ECP測定システムであって、熱電対引出管支持柱から出て分岐した後に熱電対引出管支持柱に隣接する位置の熱電対挿入用さや管に、加圧水型原子炉用ECPセンサが挿入されて取り付けられ、加圧水型原子炉用ECPセンサと熱電対挿入用さや管との間に生じる電位差を測定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の加圧水型原子炉用ECPセンサは、原子炉容器外から炉心部へ到達するように設けられ屈曲部を有する複数の熱電対挿入用さや管を備える加圧水型原子炉の、炉心部のECPを測定するための加圧水型原子炉用ECPセンサであって、熱電対挿入用さや管との電位差を測定してECPを測定するための先端部と、略円弧が形成された第1の接触部を外周部に備え、熱電対挿入用さや管に挿入可能な外径を有するとともに先端部の最大径より大きな外径を有し、先端部に電気的に接続した白金線と接続する外部測定器からのケーブルが接続するガイド部と、略円弧が形成された第2の接触部を外周部に備え、先端部とガイド部との間に配置され先端部とガイド部とを絶縁し、熱電対挿入用さや管に挿入可能な外径を有するとともに先端部の最大径より大きな外径を有し、ガイド機能を兼ねた絶縁体からなる絶縁部とを備え、熱電対挿入用さや管への挿入時に、絶縁部の第1の接触部とガイド部の第2の接触部とが、熱電対挿入用さや管の内面に各々接触することにより生じる偶力により、先端部が熱電対挿入用さや管の内面に接触することを防止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のPWR用ECPセンサは、既存の熱電対挿入用さや管に挿入可能であるため、PWRプラントの大規模な改造工事を必要とせずにPWR炉心部でのECP測定が可能となる。そして、PWRプラントの運転中においてもPWR炉内の腐食環境をモニタリングすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態であるPWR用ECPセンサについて、図を参照して詳細に説明をする。
【0013】
本発明者らは、大規模な改造工事を必要とせずにPWR炉心でのECP測定が可能なECPセンサ設置手法について検討した。ECPセンサ設置場所選定の前提条件としては、炉心位置のなるべく近くで一次冷却材に接触すること、作用電極がECPセンサ近傍に存在すること、大規模な改造工事が不要であること、及び、ECPセンサの取り付け・取り外しが容易であること、が必要である。尚、作用電極は炉内構造材料と同種のステンレス鋼が望ましい。
【0014】
ECPセンサ設置場所選定の結果、上記の条件を満たす設置場所として、炉心出口温度計測用熱電対のさや管が好適であることを見いだした。
【0015】
PWRにおいて炉心出口温度計測用熱電対は炉内に数十本設置され、炉心の出口温度を測定している。この熱電対は主に、炉心の出力分布を監視する炉外核計装装置や炉内核計装装置機能のバックアップとして設置されているものであり、何カ所かの熱電対からの情報がなくなった場合でも、即座に炉心出力分布の監視に影響を与えるものではない。
【0016】
図1は、本実施形態のPWR用ECPセンサが挿入される熱電対挿入用さや管の一例を示す図である。
【0017】
図に示すように、熱電対挿入用さや管201は、ほぼ同一曲率の2ヶ所の屈曲部を有する配管が、両端において直管と異径継手により接続されている。従って、さや管全体としては3カ所の直線部L〜Lと、直線部L〜Lの隣り合う直線部の間に各々位置する2カ所の屈曲部C、Cを有する。また、さや管の炉心側先端部には配管径より大きな径のザグリ部201aを有する。熱電対挿入用さや管201は所定の内径φdを有し、屈曲部C、Cにおいて、熱電対挿入用さや管201の中心軸は所定の曲率半径Rをもって屈曲している。また、屈曲部C、Cにより、直線部LとL及び直線部LとLは、各々所定の角度φ、φをなすこととなる。
【0018】
ECPセンサ及びケーブルをさや管内に設置するには、ケーブルの健全性を維持する観点から、ケーブルの許容湾曲半径より十分大きい屈曲部曲率半径を有するさや管を選定すること、センサ先端の白金部がさや管の内面に接触しないこと、及び異径継手、ザグリ部201aにおいてECPセンサの引っ掛かりを防止することが必要となる。
【0019】
また、さや管の選定にあたっては、既設の熱電対用ケーブルの許容湾曲半径は3D(D:ケーブル外径)で管理されており、これに安全率2を考慮した6D以上の曲率半径を有するさや管をECPセンサ設置用として選定する必要がある。また、センサ引抜きの際、ECPセンサの先端部がさや管のザグリ部201aに引っ掛かることを防止するため、さや管のザグリ部201aを避けて設置する必要がある。これにケーブルの熱膨張量を考慮して、設置位置を決める必要がある。
【0020】
また、センサを引き抜く際には、このような部位での引っ掛かりの他、さや管内面とケーブル及びセンサとの接触による摺動抵抗が生じるため、引抜荷重が過大にならないようにして引き抜く必要がある。引抜荷重は、屈曲部及び異径継手をセンサ先端が通過する毎に段階的に低下する傾向がある。この時の最大引抜荷重がケーブルの引張強さを超えると破断に至るため、引抜荷重をケーブルの引張強さ以下に管理する必要がある。
【0021】
図2は、本実施形態のPWR用ECPセンサが設けられたPWR容器の概略断面図である。また、図3は、本実施形態のPWR用ECPセンサが設けられたPWR容器の炉内計装配置を示す図である。なお、図2は、図3のAA矢視断面における炉内配置を示している。
【0022】
図に示すように、本実施形態のPWR容器300は、熱電対引出管支持柱301〜304を備える。熱電対引出管支持柱301は、複数の熱電対挿入用さや管201A〜201Fを支持する役割を有する。同様に、熱電対引出管支持柱302〜304は、複数の熱電対挿入用さや管を各々支持している。そして、熱電対挿入用さや管は、熱電対引出管支持柱301〜304の各位置から所定の各炉内計装配置位置(アドレス)へ屈曲して分岐することとなる。
【0023】
ここで、PWR用ECPセンサが挿入され取り付けられる熱電対挿入用さや管は、図3に示す熱電対引出管支持柱301〜304に隣接する位置の熱電対挿入用さや管201A〜204Aとすることが好ましい。熱電対挿入用さや管201A(L2)、202A(A6)、203A(R10)、204A(L14)は、分岐する熱電対引出管支持柱301(L1)、302(A5)、303(R11)、304(L15)にそれぞれ隣接するアドレスに配置されているため、図1に示す熱電対挿入用さや管の屈曲部C、Cの曲率が小さく、PWR用ECPセンサを挿入するのに適しているからである。
【0024】
本実施形態のPWR用ECPセンサは、内径φ4.68mmの熱電対挿入用さや管201A〜204Aに挿入可能であるとともに、熱電対挿入用さや管201A〜204Aの2カ所の屈曲部C、Cを通過し、炉心部に到達可能である性能が求められる。また、異径継手と先端ザグリ部201aでのECPセンサの引っ掛かりを防止するため、センサ形状は滑らかな形状のガイド部を有する構造が望ましい。
【0025】
図4は、本発明の実施形態のPWR用ECPセンサの外観を示す図である。本実施形態のPWR用ECPセンサ100は、先端部110と絶縁部120と中間部130とガイド部140と無機絶縁ケーブル150とにより構成されている。本実施形態において、無機絶縁ケーブル150を除くPWR用ECPセンサ本体100の全長は約11mmである。
【0026】
先端部110は、略円錐台状の形状を有し、先端に向かって細くなるテーパ部を有する。また、先端部は、BWRにおけるECP測定に実績のある白金にて製造されている。
【0027】
絶縁部120は、先端部110と連結しており、熱電対挿入用さや管に挿入可能で先端部110の最大径φD110より大きな外径φD120を有している。本実施形態ではφD120は、φ3.8mmとする。また、外周部に円弧状の接触部120aが形成されている。外周部に円弧状の接触部120aが形成されることにより、熱電対挿入用さや管への挿入時の摩擦が低減できるとともに、屈曲部を通過する際にもほぼ点接触が維持されるため滑らかに通過することが可能となり、ケーブルの座屈を回避することが可能となる。
【0028】
また、絶縁部120はサファイア等の絶縁体にて製造されている。
【0029】
ガイド部140は、熱電対挿入用さや管に挿入可能で先端部110の最大径φD110より大きな外径φD140を有している。本実施形態ではφD140は、φ4.0mmとする。また、外周部に円弧状の接触部140aが形成されている。外周部に円弧状の接触部140aが形成されることにより、熱電対挿入用さや管への挿入時の摩擦が低減できるとともに、屈曲部を通過する際にもほぼ点接触が維持されるため滑らかに通過することが可能となり、ケーブルの座屈を回避することが可能となる。
【0030】
ガイド部140の一端には不図示の外部測定器からの無機絶縁ケーブル150が接続し、炉外部から炉内のECP測定が可能となっている。
【0031】
また、ガイド部140はコバール等の鉄、ニッケル、コバルト合金にて製造されている。
【0032】
中間部130は、絶縁部120とガイド部140とを連結している。また、中間部130は、絶縁部120の外径φD120とガイド部140の外径φD140より小さな外径φD130を有する。
【0033】
白金線160は、ガイド部140と中間部130と絶縁部120と先端部110とを貫通して設けられ、先端部110の先端にて溶接されている。
【0034】
図5は、本実施形態のPWR用ECPセンサが、熱電対挿入用さや管の屈曲部に挿入された状態を示す図である。図6は、熱電対挿入用さや管の屈曲部を通過可能なPWR用ECPセンサの外形の条件を説明する図である。
【0035】
PWR用ECPセンサ100は、ECP測定時に熱電対挿入用さや管201A〜204Aに挿入されて炉心へ到達する必要がある。したがって、PWR用ECPセンサ100は、さや管201A(内径φd:4.68mm)に挿入可能なサイズであり、かつ、さや管屈曲部C、Cでの引っかかりや座屈を回避する設計であることが必要となる。
【0036】
このため、図5において、絶縁部120の円弧状の接触部120a上の点S及びガイド部140の円弧状の接触部140a上の点Cが、さや管201の外周部及び内周部の内面に接触したとき、先端部110のテーパ部先端の点Pがさや管201Aの内面に接触しないことが求められる。この条件を満足することにより、PWR用ECPセンサ100が点S及び点Cにおいてさや管201Aの内面から各々受ける接触力が偶力となり、PWR用ECPセンサ100をさや管201Aに沿って回転させるため、先端部110(白金部)が、さや管201Aの内面に接触することを防止して、PWR用ECPセンサ100の挿入を可能としている。
【0037】
さらに詳しく説明すると、図6において、さや管201Aの屈曲部C、Cの曲率半径をρo(外周部曲率半径とする)、ρi(内周部曲率半径とする)、PWR用ECPセンサ100の中心軸と直線CSのなす角をθ0、点Sにおけるさや管201の接線とPWR用ECPセンサ100との中心軸とのずれ角をφ、線分CSの長さをCSバーとすると、PWR用ECPセンサ100が点S及び点Cにおいて、さや管201Aの内面と接するとき、PWR用ECPセンサ100上の点Pが、さや管201Aの内面に接触しないためには、次の数式5(数5)に示す条件を満足することが必要である。
【0038】
【数5】




【0039】
なおかつ、PWR用ECPセンサ100が点S及び点Cで、さや管201の内面と接している条件から、角φは次の数式6(数6)を満足しなければならない。
【0040】
【数6】




【0041】
なお、外周部曲率半径ρoは、さや管201の曲率半径Rにさや管の内径φdの1/2を加えたものであり、内周部曲率半径ρiは、さや管201の曲率半径Rからさや管の内径φdの1/2を引いたものである。
【0042】
図7は、本実施形態のPWR用ECPセンサの外形を定める上記数式の導出過程を説明する図である。
【0043】
さや管201の外周部が生成する円を、
【0044】
【数7】


【0045】
とし、さや管201の内周部が生成する円を、
【0046】
【数8】


【0047】
とする。また、点Sと点Cと通る任意の直線を
【0048】
【数9】


【0049】
とする。ここで、点Cは、数式8の円と数式9の直線との交点のうち、点Sに近い方であるから、
【0050】
【数10】


【0051】
の解のうち、小さい方が点Cのx座標を与える。
【0052】
数式10をxについて整理すると、
【0053】
【数11】


【0054】
数式11を数式9に代入して、yについて解くと、
【0055】
【数12】


【0056】
よってCSの長さは、以下の式であらわすことができる。
【0057】
【数13】



【0058】
図8は、熱電対挿入用さや管に設置時のPWR用ECPセンサを示す図である。PWR用ECPセンサ100は、設置時には熱電対挿入用さや管201の直線部に配置されることとなる。この場合には、絶縁部120の接触部120aとガイド部140の接触部140aのみが熱電対挿入用さや管201の内壁に接触して、PWR用ECPセンサ100の姿勢を、熱電対挿入用さや管201に対して、互いの中心軸がほぼ一致するように規制する。
【0059】
これにより、先端部110が、熱電対挿入用さや管201の内壁に接触することはなく、先端部110の絶縁状態を維持することができる。そして、熱電対挿入用さや管201とPWR用ECPセンサ100との間で起こる化学反応を電気信号として取り出し、正確なECP測定を行うことが可能となる。
【0060】
図9は、本実施形態のPWR用ECP測定システムの構成を示す図である。
【0061】
上述したとおり、PWR用ECPセンサ100は、熱電対挿入用さや管201A〜204A内に挿入されることにより原子炉容器300の内部に設置される。PWR用ECPセンサ100からの各無機絶縁ケーブルは、BNCコネクタ401によりケーブル410に接続する。ケーブル410は、ケーブルトレイ402を経由し、中間コネクタパネル403の一方の面に接続する。中間コネクタパネル403の他方の面にはケーブル411が接続し、ケーブル411は既設端子盤404に接続する。既設端子盤404は、既設ケーブル412とPENE405と既設ケーブル413により既設端子盤406に接続する。既設端子盤406は、ケーブル414によりエレクトロメータ407に接続し、エレクトロメータ407は、ケーブル415により格納容器漏洩率検査室にある記録計415に接続している。
【0062】
このように、PWR用ECP測定システム400を構成することにより、ECPデータ確認可能場所である格納容器漏洩率検査室に記録計415を設置することが可能となる。また、PWR用ECP測定システム400の構成に際し、既設端子板404、406や既設のケーブル412、413等の既設の機器を流用することができ、システム構築コストを削減することが可能となる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の加圧水型原子炉用ECPセンサは、既存の熱電対挿入用さや管に挿入可能であるため、PWRプラントの大規模な改造工事を必要とせずにPWR炉心でのECP測定が可能となる。そして、PWRプラントの運転中においてもPWR炉内の腐食環境をモニタリングすることが可能となる。
【0064】
また、本実施形態の加圧水型原子炉内のECP測定システム及び加圧水型原子炉用ECPセンサは、PWR炉に適用可能であるのみならず、BWRでも挿入可能な場所、例えばLPRM(局部出力領域モニタ)にセンサを設置することにより、BWR炉内のECP測定を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態のPWR用ECPセンサが挿入される熱電対挿入用さや管の一例を示す図である。
【図2】本実施形態のPWR用ECPセンサが設けられたPWR容器の概略断面図である。
【図3】本実施形態のPWR用ECPセンサが設けられたPWR容器の炉内計装配置を示す図である。
【図4】本実施形態のPWR用ECPセンサの外観を示す図である。
【図5】本実施形態のPWR用ECPセンサが、熱電対挿入用さや管の屈曲部に挿入された状態を示す図である。
【図6】本実施形態のPWR用ECPセンサの熱電対挿入用さや管の屈曲部を通過可能な外形の条件を説明する図である。
【図7】本実施形態のPWR用ECPセンサの外形を定める数式の導出過程を説明する図である。
【図8】本実施形態のPWR用ECPセンサが、熱電対挿入用さや管の直線部に挿入された状態を示す図である。
【図9】本実施形態のPWR用ECP測定システムの構成を示す図である。
【図10】PWR一次系統の概略図である。
【符号の説明】
【0066】
100:PWR用ECPセンサ
110:先端部
120:絶縁部
130:中間部
140:ガイド部
150:無機絶縁ケーブル
201:熱電対挿入用さや管
300:原子炉容器
301:熱電対引出管支持柱




 

 


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