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原子炉出力測定装置及び出力測定装置 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 原子炉出力測定装置及び出力測定装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−163239(P2007−163239A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−358394(P2005−358394)
出願日 平成17年12月13日(2005.12.13)
代理人 【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
発明者 伏見 篤 / 有田 節男 / 坂田 智貴 / 松宮 章一 / 下田 一郎 / 山田 泉
要約 課題
近年、原子炉出力測定装置へのスイッチングノイズの影響が顕著であり、通常、スイッチングノイズから電磁誘導を受けないよう、信号ケーブルの外部導体は信号処理装置で1点接地されているが、浮遊容量を介してグランドループが形成され、鎖交磁束により電磁誘導ノイズが発生するという問題がある。

解決手段
炉内核反応で発生する放射線量を信号に変換する放射線検出器と、信号を増幅する前置増幅器4と、放射線検出器と前置増幅器4とを接続する第1の信号ケーブル3と、前置増幅器4で増幅された信号を入力して原子炉出力信号を出力する信号処理装置6と、前置増幅器4と信号処理装置6とを接続する第2の信号ケーブル5と、少なくとも第1の信号ケーブル3を収納する金属製電線管7と、金属製電線管7を複数の点で接地するための接地線31と、接地線31間の金属製電線管7の外側周囲を覆うように設けられた強磁性体21とを備えた。
特許請求の範囲
【請求項1】
検出器と、該検出器からの信号を前置増幅器に伝送する第1の信号ケーブルと、該第1の信号ケーブルを格納する金属製電線管と、該金属製電線管を複数の点で接地するための接地線と、該接地線間の前記金属製電線管の外側周囲を覆うように設けられた強磁性体と、前記前置増幅器からの信号を信号処理装置に伝送する第2の信号ケーブルとを備えた出力測定装置。
【請求項2】
検出器と、該検出器からの信号を前置増幅器に伝送する第1の信号ケーブルと、該第1の信号ケーブルを格納する金属製電線管と、該金属製電線管を複数の接地点で接地するための接地線と、該接地線間の前記金属製電線管の外側に設けられた強磁性体と、前記前置増幅器からの信号を信号処理装置に伝送する第2の信号ケーブルとを備え、前記強磁性体は前記接地点と前記金属製電線管とグランドとで形成されるループと鎖交するように設置されている出力測定装置。
【請求項3】
前記強磁性体は、リング形状のフェライトコア又はアモルファスコアであって前記金属製電線管を貫通させたもの、リング形状のフェライトコア又はアモルファスコアを巻装したもの、螺旋状にパーマロイテープを巻きつけたもののいずれかである請求項1又は2に記載の出力測定装置。
【請求項4】
前記強磁性体は、フェライト製又はアモルファス製のテープ又はシートで形成されている請求項1又は2に記載の出力測定装置。
【請求項5】
前記強磁性体は、予め前記金属製電線管の外側にフェライト層を一体に形成し、金属製電線管の端部に金属部を露出したものである請求項1又は2に記載の出力測定装置。
【請求項6】
炉内核反応で発生する放射線量を信号に変換する放射線検出器と、該信号を増幅する前置増幅器と、前記放射線検出器と前記前置増幅器とを接続する第1の信号ケーブルと、前記前置増幅器で増幅された信号を入力して原子炉出力信号を出力する信号処理装置と、前記前置増幅器と前記信号処理装置とを接続する第2の信号ケーブルと、少なくとも前記第1の信号ケーブルを収納する金属製電線管と、該金属製電線管を複数の点で接地するための接地線と、該接地線間の前記金属製電線管の外側周囲を覆うように設けられた強磁性体とを備えた原子炉出力測定装置。
【請求項7】
炉内核反応で発生する放射線量を検出する検出器と、該検出器からの信号を前置増幅器に伝送する第1の信号ケーブルと、該第1の信号ケーブルを格納する金属製電線管と、該金属製電線管を複数の接地点で接地するための接地線と、該接地線間の前記金属製電線管の外側に設けられた強磁性体と、前記前置増幅器からの信号を信号処理装置に伝送する第2の信号ケーブルとを備え、前記強磁性体は前記接地点と前記金属製電線管とグランドとで形成されるループと鎖交するように設置されている原子炉出力測定装置。
【請求項8】
前記強磁性体は、リング形状のフェライトコア又はアモルファスコアであって前記金属製電線管を貫通させたもの、リング形状のフェライトコア又はアモルファスコアを巻装したもの、螺旋状にパーマロイテープを巻きつけたもののいずれかである請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
【請求項9】
前記強磁性体は、フェライト製又はアモルファス製のテープ又はシートで形成されている請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
【請求項10】
前記強磁性体は、予め前記金属製電線管の外側にフェライト層を一体に形成し、金属製電線管の端部に金属部を露出したものである請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
【請求項11】
前記強磁性体がフェライト製又はアモルファス製である請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
【請求項12】
前記金属製電線管に金属導線を密着させて取付け、該金属導線の外側に前記強磁性体を設けた請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
【請求項13】
前記金属製電線管に導電性テープ又は導電性シートを巻き付け、該導電性テープ又は導電性シートの外側に前記強磁性体を設けた請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
【請求項14】
前記金属製電線管が原子力プラント建屋の金属構造材に接続された電線管サポートに支持固定されている請求項6又は7に記載の原子炉出力測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、外来ノイズの影響を受けにくい原子炉出力測定装置及び出力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉では炉出力の大きさや変化を監視するため、炉心内あるいは炉心付近に、核分裂に伴う中性子量やガンマ線量に比例した電気信号を出力する放射線検出器を設置している。特に発電用原子炉の場合、炉出力は10桁以上の広範囲にわたって精度よく監視する必要があり、例えば、沸騰水型原子炉の場合、中性子源領域,中間領域,出力領域の3領域に分割し、それぞれ領域を個別に監視している。
【0003】
このうち、中性子源領域と中間領域の両方、或いは中性子源領域又は中間領域のいずれか一方で使用される測定系では、中性子検出器として核分裂電離箱を炉内に設置し、中性子照射により発生する電離電流を金属性のハードケーブルにより炉外に導くようになっている。
【0004】
このハードケーブルは、原子炉圧力容器の下部において第1の信号ケーブル(同軸ケーブル)に接続されており、電離電流は第1の信号ケーブルを介して前置増幅器へ伝送される。中性子源領域又は中間領域での電離電流は最小でピコアンペアのオーダーとなるため、前置増幅器では、信号を2桁乃至4桁程度増幅するとともに、処理しやすいように波形を整形する。前置増幅器の出力信号は、第2の信号ケーブル(同軸ケーブル)により信号処理装置へ導かれ、信号処理装置で原子炉出力信号に変換処理される。このようにして得られる原子炉出力信号は、安全保護系等に供給され、スクラム信号の生成等に利用される。
【0005】
このような中性子源領域または中間領域の炉出力測定装置では、第1の信号ケーブルに外来ノイズが誘起されることがしばしば問題となる。すなわち、第1の信号ケーブルの芯線及び外部導体にノイズ電圧が発生すると、前置増幅器の入力部の芯線と外部導体の電位差に応じたノイズ電流が前置増幅器に流れ、この電流が増幅されて信号処理装置に伝送されるため、原子炉出力信号に影響を与える。
【0006】
〔特許文献1〕には、第1の信号ケーブルに被せられたシールド被覆体としてのシールドケーブルを備え、シールドケーブルを導電性の部材で形成しアース線によって前置増幅器の筐体に接続して外来ノイズの混入を抑制することが開示されている。
【0007】
〔特許文献2〕には、原子炉炉内に設置された中性子検出器を同軸ケーブルを介して格納器容器外に設けられた信号処理装置に接続し、同軸ケーブルに約400kHzまでのノイズを減衰させるのに必要な約1mHのインダクタンスを有するフェライト製又はアモルファス製磁気コアに巻き付けられ、これによりノイズ防止することが記載されている。
【0008】
〔特許文献3〕には、現場盤の内面にフェライトコアボックスを取付け、フェライトコアボックス内のフェライトコアの入口側ケーブルと電線管内の信号ケーブルの端末部とをサイズダウンコネクタにより接続し、フェライトの前段のノイズが盤内に侵入することを防止することが記載されている。
【0009】
〔特許文献4〕には、信号伝送ケーブルとして、芯線との間で信号用電位を形成する電位形成シールドを有し、電位形成シールドの外側に一つ以上の外側シールドを有したシールドケーブルが用いられ、電位形成シールドがプリアンプの筐体を介して接地され、一つ以上の外側シールドにおける最外外側シールドが電位形成シールドと接地用導体を共通にして接地され、最外外側シールドの接地に、最外外側シールドに生じている対地間静電容量よりも静電容量の大きなコンデンサを介在させて、信号伝送ケーブルにおける伝送効率を高めることが記載されている。
【0010】
〔特許文献5〕には、原子炉の中性子束の検出信号を増幅するプリアンプに電源を供給する電源供給ケーブルに数10MHzから数100MHzにインピーダンスのピークを持つインピーダンス素子であるコモンモードノイズ除去用フェライトを取付け、外部ノイズをカットすることが記載されている。
【0011】
【特許文献1】特許2877609号公報
【特許文献2】特開平7−162257号公報
【特許文献3】特開2003−227875号公報
【特許文献4】特開2005−172624号公報
【特許文献5】特開2005−90967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来から原子力プラント内には種々のノイズ源が存在しているが、近年インバータ等の導入が進み、そのスイッチングノイズの影響が顕著となってきている。スイッチングノイズは、インバータの駆動周波数よりも高い10kHz程度から数10MHzの周波数成分をもつバースト状ノイズである。一般に、近距離でのノイズ結合形態としては、静電結合と電磁誘導が考えられる。
【0013】
〔特許文献1〕,〔特許文献4〕に記載のノイズ対策は、静電結合を抑制するのに有効な方法であるが、図11に示すように、信号ケーブルとグランドが大きな閉回路(グランドループ)を形成し、ケーブルとグランドの間に浮遊容量が存在するため、この浮遊容量を介してグランドループが形成されてスイッチングノイズが作る鎖交磁束により、信号ケーブルに電磁誘導ノイズが発生するという問題がある。
【0014】
〔特許文献2〕,〔特許文献3〕,〔特許文献5〕に記載のノイズ対策は、一度誘導されてしまったノイズに対して、信号がノーマルモードであるのに対して結合されたノイズがコモンモードであることを利用して、磁気コアによりノイズ成分の電流のみを抑制するものであり、電磁誘導により信号ケーブルに結合されるスイッチングノイズ低減には十分とは言えないものであった。
【0015】
本発明の第1の目的は、インバータ等のスイッチングノイズの抑制効果を高め、精度よく監視できる原子炉出力測定装置及び出力測定装置を提供することにある。
【0016】
本発明の第2の目的は、既設の金属製電線管であってもインバータ等のスイッチングノイズの抑制効果を高めることができる原子炉出力測定装置及び出力測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の出力測定装置は、検出器からの信号を前置増幅器に伝送する第1の信号ケーブルと、第1の信号ケーブルを格納する金属製電線管と、金属製電線管を複数の点で接地するための接地線と、接地線間の前記金属製電線管の外側周囲を覆うように設けられた強磁性体と、前置増幅器からの信号を信号処理装置に伝送する第2の信号ケーブルとを備えたものである。
【0018】
本発明の原子炉出力測定装置は、炉内核反応で発生する放射線量を信号に変換する放射線検出器と、該信号を増幅する前置増幅器と、放射線検出器と前置増幅器とを接続する第1の信号ケーブルと、前置増幅器で増幅された信号を入力して原子炉出力信号を出力する信号処理装置と、前置増幅器と前記信号処理装置とを接続する第2の信号ケーブルと、少なくとも第1の信号ケーブルを収納する金属製電線管と、金属製電線管を複数の点で接地するための接地線と、接地線間の前記金属製電線管の外側周囲を覆うように設けられた強磁性体とを備えたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、信号ケーブルを格納する金属製電線管を少なくとも2点以上でグランドに複数点で接地しており、スイッチングノイズにより電線管に電流が誘導される。この電流が、元のノイズをキャンセルする向きに磁界を作るため、ケーブルとグランドが作るグランドループに鎖交する磁界が弱められる。この結果、信号ケーブルに誘導されるノイズを減少できる。
【0020】
又、金属製電線管の外側に強磁性体を取付けてあるため、金属製電線管に誘導された電流が信号ケーブルのグランドループに作る磁束が高められ、信号ケーブルに誘導されるノイズがさらに減少する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の一実施例を図1から図12により説明する。図1は、本実施例の原子炉出力測定装置の構成図である。
【0022】
図1に示すように、原子炉圧力容器8内には炉心9が設けられ、炉心9には複数の案内管10が設置されている。案内管10には中性子検出器として核分裂電離箱1が設置され、核分裂電離箱1にはハードケーブル2が接続され、原子炉圧力容器8の下部に設置されたコネクタ11を介して第1の信号ケーブル3に接続されている。
【0023】
第1の信号ケーブル3は、原子炉圧力容器8の壁14に設けられた貫通部13を介して前置増幅器4に接続されている。原子炉圧力容器8の内側で貫通部13側の第1の信号ケーブルには、複数の点で接地された金属製電線管7に格納されており、この金属製電線管7の外側の接地点の間には強磁性体21が取付けられている。貫通部13と前置増幅器4との間の第1の信号ケーブル3は複数の点で接地された金属製電線管7に格納されており、この金属製電線管7の外側には接地点の間に強磁性体21が取付けられている。後述するように、金属製電線管7は可能な限り多点で接地するのがよく、多点で接地することにより、ノイズ源の近傍領域で電磁誘導ノイズの抑制が可能であり、その他の領域の金属製電線管7には不要な誘導ノイズを生じさせないようにできる。
【0024】
金属製電線管7の詳細図である図2に示すように、第1の信号ケーブル3を格納する金属製電線管7には、複数の銅製カップリング31が設けられており、銅製カップリング
31に接続された接地線32によりそれぞれ接地されている。接地された銅製カップリング31間の中間の金属製電線管7外周側には、リング形状のフェライトコア26が巻装されている。すなわち、強磁性体21であるフェライトコアは、金属製電線管7外周側周囲を覆うように設けられ、グランドループと鎖交するように設けられている。フェライトコア26は、金属製電線管7よりも大きな透磁率を有する強磁性体で構成されており、このフェライトコア26によりインダクタンスが付加されるため、金属製電線管7のインダクタンスは、金属製電線管7単体よりも顕著に大きくなっている。
【0025】
強磁性材料には、アモルファス製のコアを効果的に使用することができる。又、リング形状のフェライトコアに金属製電線管7を貫通させたものでもよい。磁気コアに分割式のものを使用してリング状の磁気コアとすることができるため、既設の金属製電線管7であっても、フェライトコア26を容易に取付けることが可能である。
【0026】
前置増幅器4には、第2の信号ケーブル5が接続され、第2の信号ケーブル5は信号処理装置6に接続されている。前置増幅器4には高圧電源12が接続されている。
【0027】
このように構成された原子炉出力測定装置では、炉心9内に設置した核分裂電離箱1に、中性子入射数に応じた電離電流が発生する。この電離電流は、ハードケーブル2により原子炉圧力容器8の外部に導出される。原子炉圧力容器8の下部に設置され、ハードケーブル2に接続されたコネクタ11を介して第1の信号ケーブル3により前置増幅器4に伝送される。
【0028】
伝送された電離電流は、前置増幅器4により増幅されるとともに波形が整形され、前置増幅器4に接続された第2の信号ケーブル5により信号処理装置6に伝送されて処理される。信号処理装置6は、増幅,整形された電離電流信号を原子炉出力信号に変換処理し、変換された原子炉出力信号を図示しない安全保護系などに伝送する。
【0029】
第1の信号ケーブル3は、図1には7点で接地されている例を示しているが、複数の点で設置された金属製電線管7に収納されており、金属製電線管7の外側に強磁性体21が取付けられているので、次のようなノイズ抑制効果がある。
【0030】
第1の信号ケーブル3に近接する位置で電磁誘導ノイズが発生した場合のノイズ抑制効果を図8により説明する。
【0031】
中性子検出器と前置増幅器4とに接続された第1の信号ケーブル3は、浮遊容量を介してグランドと結合しており、信号処理装置6での接地と併せて大きなグランドループを形成している。本実施例では、この第1の信号ケーブル3を格納する金属製電線管7が少なくとも2点で接地されており、金属製電線管7とグランドがグランドループを形成している。信号ケーブルのグランドループにスイッチングノイズによる磁界が鎖交する場合、この磁界は、金属製電線管7のグランドループとも鎖交することになる。このとき、金属製電線管7のグランドループに誘導電流が誘起されるが、このループのインピーダンスが小さいので電流は大きなものとなる。金属製電線管7に誘導された電流は、第1の信号ケーブル3のグランドループに鎖交する磁界を発生するが、その向きは初めにスイッチングノイズにより生成された磁界とは逆向きとなるため、グランドループに鎖交する磁界は弱められ、第1の信号ケーブル3に誘導されるノイズが減少する。
【0032】
又、本実施例では、金属製電線管7の外側に強磁性体21を取付けてあるため、金属製電線管7に誘導された電流が第1の信号ケーブル3のグランドループに作る磁束が高められ、第1の信号ケーブル3に誘導されるノイズがさらに減少する。
【0033】
以上の説明では、第1の信号ケーブル3について説明したが、第2の信号ケーブル5も同様に構成してもよい。
【0034】
図9は、このノイズ抑制効果に確認試験に用いた模擬回路構成を示している。図9に示すように、第1の信号ケーブル3の浮遊容量は浮遊容量模擬コンデンサ25で模擬し、前置増幅器から後段の構成を芯線及び外部導体にそれぞれ取付けた抵抗によって模擬している。第1の信号ケーブル3を格納する金属製電線管7は両端で接地され、金属製電線管7の外側に円環状のフェライトコア26が取付けられた回路構成となっている。
【0035】
図10は、この模擬回路に周波数可変な正弦波誘導ノイズを印加したときのコモンモードノイズの抑制効果を示す。図10に示すように、本実施例では信号ケーブルに誘導されるノイズが20dBを超えて低減され、ノイズ抑制効果を得られることが確認できた。
【0036】
又、図10に示すように、金属製電線管のみを設け両端を接地した場合のノイズ抑制効果、金属製電線管が無くフェライトコアのみを設けた場合のノイズ抑制効果は、10dBより小さいノイズ低減効果であり、金属製電線管とフェライトコアの両者を設けたノイズ抑制効果は、15dBより小さいノイズ低減効果であった。このノイズ抑制効果は、両端接地した金属製電線管によるノイズ抑制効果と、フェライトコアにより金属製電線管のノイズ抑制効果が高められた分と、フェライトコアによるコモンモード抑制効果によるものである。このように、本実施例のノイズ抑制効果は有意に大きいことが分る。
【0037】
このように、第1の信号ケーブル3に近接する位置で電磁誘導ノイズが発生した場合、図10に示したノイズ抑制効果により、第1の信号ケーブル3に誘導されるノイズが低減されるが、ノイズ抑制効果は、強磁性体21によって付加されるインダクタンスの大きさと、金属製電線管7のグランドループのインピーダンスとで決まるため、強磁性体21は十分大きなインダクタンスを有するものを使用し、金属製電線管7のインピーダンスを小さなものとすることにより、前置増幅器4で増幅された後も信号処理装置6での原子炉出力換算処理に影響のないレベルまでノイズを低減することが可能である。
【0038】
上述したように、金属製電線管7には可能な限り多数の接地点を設けるのがよい。金属製電線管7に可能な限り多数の接地点を設ける主な利点としては、電磁誘導ノイズが発生しているグランドループの金属製電線管7に誘導電流が生じるが、多点の接地とすることにより、この誘導電流の生じる範囲を小さくして不必要な場所で誘導電流が流れることを防止でき、誘導電流が生じることによる2次的な悪影響を防止できる点と、多点の接地とすることにより、限定された範囲で金属製電線管7に誘導電流が発生するため、金属製電線管7のグランドループのインピーダンスを下げやすく、誘導電流を大きくすることができる点である。
【0039】
次に強磁性体21の設置の変形例と金属製電線管のグランドループのインピーダンスを低減する構成について説明する。
【0040】
図3は、金属製電線管7の変形例を示す図である。この例では、図2に示すフェライトコア26を巻装する代わりに、金属製電線管7の外側に螺旋状にパーマロイテープ27を巻きつけたものである。この方法でも既設の金属製電線管7であっても、パーマロイテープ27を容易に取付けることが可能である。なお、パーマロイテープ以外にも、フェライト製やアモルファス製のテープやシートなどを用いてもよい。
【0041】
図4は、金属製電線管7の他の変形例を示す図である。この例では、図2に示すフェライトコア26を巻装する代わりに、予め金属製電線管7の外側にフェライト層28が一体成形され、金属製電線管7の端部に金属部33を露出させ、金属部33を接地している。この方法では、新規に金属製電線管や接地を敷設する際に、強磁性体21の取付け作業を行わなくともよい利点がある。
【0042】
図5は、金属製電線管7の他の変形例を示す図である。図2に示す例と同様に構成されているが、この例では、金属製電線管7に導電性の高い銅線29を密着して固定し、銅線29の両端を接地された銅製カップリング31に接続している。又、電磁誘導ノイズによる誘導電流は、主に銅線29を流れるため、誘導電流による磁束を高めるために、金属製電線管7と銅線29の双方の外側に強磁性体21を取付けている。
【0043】
この例では、金属製電線管7に導電性の高い銅線29を密着して固定してグランドループを形成できるので、金属製電線管7のグランドループのインピーダンスを低減することができる。
【0044】
図6は、金属製電線管7の他の変形例を示す図である。この例では、金属製電線管7に導電性の高いアルミテープ30を巻きつけてインピーダンスを低減している。アルミテープ30を接地された銅製カップリング31と直接に接続してインピーダンスの低減を効果的にするため、アルミテープ30の上から銅製カップリング31を取付け、誘導電流による磁束を高めるために、金属製電線管7に巻きつけアルミテープ30の外側に強磁性体
21を取付けている。
【0045】
図5及び図6に示す金属製電線管7の構成は、可とう性を有さない金属製電線管よりも可とう性の金属製電線管の方がインピーダンス低減の効果が大きい。通常の可とう性の金属製電線管は、細長い金属板を螺旋状に重ね巻きした構造として可とう性を持たせており、通常の可とう性を有さない金属製電線管よりもインピーダンスが高いが、図5及び図6に示す構成の金属製電線管7では、インピーダンスの低減効果が大きくできる。又、外側を絶縁材で被覆していることが多く、高抵抗で接地線32に接続することになるが、図5及び図6に示す構成の金属製電線管7では、低抵抗で接地線32に接続できる。
【0046】
図7は、建屋構造材35に金属製電線管7を取付けた例を示している。建屋構造材35は、通常は建屋接地線と電気的に導通しており、建屋構造材33に取付けられた金属製サポート34に金属製電線管7の銅製カップリング31を取付けている。金属製サポート
34間の金属製電線管7には強磁性体21が取付けられている。
【0047】
このように構成することにより、建屋構造物35を利用して金属製電線管7を接地することができ、金属製サポート34を利用して金属製電線管7を取付けることができる。
【0048】
本実施例によれば、信号ケーブルを格納する金属製電線管を少なくとも2点以上でグランドに複数点で接地し、金属製電線管とグランドとでグランドループを形成してスイッチングノイズによる誘導電流を金属製電線管上に誘起させてスイッチングノイズを弱める方向に生成する磁束により信号ケーブルに誘導されるノイズを低減できる。
【0049】
又、金属製電線管の外側に強磁性体を取付けてあるため、金属製電線管に誘導された電流が信号ケーブルのグランドループに作る磁束が高められ、信号ケーブルに誘導されるノイズがさらに減少する。
【0050】
なお、本実施例は、原子炉出力測定装置以外にも、インバータ機器等の導入が進められているプラント内で微弱信号を用いた測定系全般に対して適用できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施例である原子炉出力測定装置の構成図である。
【図2】金属製電線管7の外観斜視図である。
【図3】金属製電線管7の他の例を示す外観斜視図である。
【図4】金属製電線管7の他の例を示す外観斜視図である。
【図5】金属製電線管7の他の例を示す外観斜視図である。
【図6】金属製電線管7の他の例を示す外観斜視図である。
【図7】建屋構造材35に金属製電線管7を取付けた例を示す斜視図である。
【図8】電磁誘導ノイズが発生した場合のノイズ低減効果を説明する図である。
【図9】ノイズ抑制効果に確認試験に用いた模擬回路構成を示す図である。
【図10】正弦波誘導ノイズを印加したときのコモンモードノイズの抑制効果を示す図である。
【図11】電磁誘導ノイズの発生原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0052】
1…核分裂電離箱、2…ハードケーブル、3…第1の信号ケーブル、4…前置増幅器、5…第2の信号ケーブル、6…信号処理装置、7…金属製電線管、8…原子炉圧力容器、9…炉心、10…案内管、11…コネクタ、12…高圧電源、13…貫通部、14…原子炉格納容器、15…インバータ、16…電動機、17…電源ケーブル、18…主電源、
19…中性子検出器、20…浮遊容量、21…強磁性体、22…正弦波発生装置、23…アンプ、24…ノイズ発生ケーブル、25…浮遊容量模擬コンデンサ、26…フェライトコア、27…パーマロイテープ、28…フェライト層、29…銅線、30…アルミテープ、31…銅製カップリング、32…接地線、33…金属部、34…金属製サポート、35…建屋構造材。





 

 


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