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発明の名称 中性子モニタシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−139509(P2007−139509A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−331854(P2005−331854)
出願日 平成17年11月16日(2005.11.16)
代理人 【識別番号】100093492
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 市郎
発明者 坂田 智貴 / 松平 稔
要約 課題
信号ケーブル布設用のケーブル布設部材に間隙や電気的導通が確保されていない部分が存在していてもS/Nの低下が抑えられ、中性子源領域モニタ及び中間領域モニタとしての機能が果たせられるようにした中性子モニタシステムを提供すること。

解決手段
中性子検出器1から検出信号を取り出して、外部の前置増幅器7に供給する信号ケーブル2を、金属製の電線管3と金属製のフレキシブル電線管4、プルボックス5、それに電線ペネ6からなるケーブル布設部材の中に引き通して配設した中性子モニタシステムにおいて、電線管3とフレキシブル電線管4、プルボックス5、それに電線ペネ6に導電性の遮蔽材9を巻き付け、電磁ノイズによる誘導電流を抑え、誘導した電流を接地に確実に逃がす働きをさせ、これにより電線管3とプルボックス5の結合部など、ケーブル布設部材に隙間や電気的接続が不十分な箇所が存在しても、それらによる影響を無くすことができるようにしたもの。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉内の核反応に伴って発生する中性子を検出する中性子検出器と、この中性子検出器による検出信号を炉外部に取り出す信号ケーブルと、この信号ケーブルに接続された前置増幅器と、この前置増幅器で増幅された検出信号を処理する信号処理部と、前記信号ケーブルを格納し、原子力発電所内に信号ケーブルを布設する電線管とフレキシブル電線管、プルボックスそれに原子炉格納容器の内外を連絡する電気ペネとを備えた中性子モニタシステムにおいて、
前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの何れかに巻き付けた導電性の遮蔽材を設け、
前記遮蔽材により、前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの少なくとも何れかの間の電気的導通が確保され、ノイズ侵入の抑制が得られるように構成したことを特徴とする中性子モニタシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の中性子モニタシステムにおいて、
前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの何れかに沿わせられた導体線が設けられていることを特徴とする中性子モニタシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の中性子モニタシステムにおいて、
前記遮蔽材は、前記電線管同士の結合部と前記線管と前記フレキシブル電線管の結合部の何れかにも巻き付けられていることを特徴とする中性子モニタシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の中性子モニタシステムにおいて、
前記電線管と前記フレキシブル電線管の間、及び前記電線管と前記プルボックスの間の何れかが導体線により接続されていることを特徴とする中性子モニタシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の中性子モニタシステムにおいて、
前記電気ペネと前記フレキシブル電線管の間、及び前記電気ペネの本体部とケーブル処理箱の間の何れかが導体線により接続されていることを特徴とする中性子モニタシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の中性子モニタシステムにおいて、
前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの何れかからなるケーブル布設部材が多点接地構成されていることを特徴とする中性子モニタシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の中性子モニタシステムにおいて、
前記遮蔽材が多点接地構成されていることを特徴とする中性子モニタシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉内の中性子束を監視するシステムに係り、特に原子力発電所における中性子源領域と中間領域での中性子量を監視するためのモニタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所においては、原子炉の運転状態を判定するため、原子炉内の中性子束を測定し、常時、監視するシステムが用いられているが、このとき使用される中性子モニタシステムとしては、通例、中性子源領域モニタシステムと中間領域モニタシステムの双方の働きをするものが用いられる。
【0003】
ここで、中性子源領域モニタシステム(SRM:Source Range Monitoring
System)とは、原子炉の起動時と停止時において、中性子の強さが103 nv〜109 nv(これを中性源子領域という)にあるときの原子炉の中性子束を測定するものである。
【0004】
また、中間領域モニタシステム(IRM:Intermediate Range Monitoring
System)とは、中性子の強さが108 nv〜1013 nv(これを中間領域という)における原子炉の中性子束を測定するものであり、何れのシステムも炉内の挙動を中央制御室の運転員に知らせる働きをする。
【0005】
そして、これら中性子源領域モニタシステムと中間領域モニタシステムは、原子炉の出力が過大になって燃料被覆管に損傷の虞が生じた際、これを未然に検出し、原子炉手動操作系及び原子炉緊急停止系に信号を与えることにより、制御棒の引抜阻止又は原子炉スクラムを行い、燃料被覆管の損傷を防止する機能を果たす。
【0006】
そこで、この中性子モニタシステムの従来技術の一例について、図5により説明すると、これには、まず、原子炉内に配置され、炉内の核反応に伴って発生する中性子を検出する中性子検出器1と、この中性子検出器1による検出信号を炉外に伝達する信号ケーブル2が備えられている。
【0007】
そして、この信号ケーブル2には前置増幅器7が接続されていて、増幅された検出信号は信号ケーブル13により中央制御室11に伝達され、そこに設置されている信号処理部12により処理される。
【0008】
このとき信号ケーブル2は、それを布設するため、金属製、例えば鋼製の電線管3と、同じく金属製のフレキシブル電線管4、それに、これらの中に信号ケーブル2を引き込むための金属製のプルボックス5を用い、更に原子炉設備の隔壁などの内外を連絡するための金属製の電気ペネ6を用いている。
【0009】
従って、信号ケーブル2は、これら電線管3とフレキシブル電線管4、プルボックス5、それに電気ペネ6などの金属製の部材をケーブル布設用の部材、すなわちケーブル布設部材とし、その中に引き通して配設されていることになる。
【0010】
次に、この中性子モニタシステムによる中性子源領域モニタ及び中間領域モニタとしての測定原理について説明すると、まず、中性子検出器1は、例えば核分裂電離箱で構成されていて、原子炉A内に存在する中性子の電離作用により微弱な電流を発生し、検出信号として出力する。
【0011】
そこで、この検出信号を信号ケーブル1により原子炉Aの外部に取り出し、原子炉格納容器Vの外部に設置した前置増幅器7に供給して微弱電流を増幅する。そして増幅した検出信号を中央制御室11の信号処理部12に伝送し、演算処理して原子炉A内の中性子束及び原子炉ペリオドを得る。
【0012】
また、この中性子モニタシステムは、原子炉出力について異常の有無を診断する働きもする。そして異常が認められた場合は、原子炉の安全性を確保する目的で警報信号及びトリップ信号を出力し、これにより中央制御室11に在中の運転員に警告し、又は原子炉の停止を行う。
【0013】
ところで、中性子検出器1から出力される検出信号は、上記したように、微弱な電流であり、従って、中性子源領域モニタと中間領域モニタして使用するためには、この微弱な電流による検出信号を取り扱う必要がある。従って、いま、ここで中性子検出器1と前置増幅器7を接続する信号ケーブル2に電気的なノイズが侵入したとすると、この場合、この電気的ノイズの影響により検出信号のS/N(SN比:信号と雑音の比)が著しく低下する。
【0014】
ここで、S/Nが著しく低下した場合、電気的ノイズによる信号を中性子による信号としてカウントしてしまい、このときは指示変動が発生し、炉内の正確な監視が出来なくなってしまうと共に、原子炉出力制御系におけるトリップ機能及び警報機能が誤作動し、原子炉の動作に大きな影響を与え、安全性に問題を与えてしまう虞がある。
【0015】
そこで、従来技術では、信号ケーブルにシールド被覆体を施し、一点で接地する手法(例えば、特許文献1参照。)や、円環磁心に信号ケーブルを巻き付けるようにした手法(例えば、特許文献2参照。)などが採られている。
【特許文献1】特開平5−281363号公報
【特許文献2】特開平7−162257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、これまでの知見によれば、原子力発電所内部には数100kHzから数10MHzに及ぶ高周波の電磁ノイズがバックグラウンドノイズとして存在していることが判っているが、上記従来技術では、このバックグラウンドノイズについての配慮がされておらず、S/Nの低下に問題があった。
【0017】
ここで、これらの電磁ノイズは原子力発電所内に補機として設けてあるインバータ機器から発生するものが支配的であり、この電磁ノイズが信号ケーブルに空間伝搬することにより、当該信号ケーブルに電流が誘起され、ノイズになるので、検出信号のS/Nを著しく低下させてしまうことになる。
【0018】
そして、このとき信号ケーブルは、上記したように、電線管3とフレキシブル電線管4、プルボックス5、それに電気ペネ6などの中に布設されているが、これらは何れも導電性の部材であり、従って、電磁ノイズは、まず、これら導電性のケーブル布設部材に誘起される。しかし、このとき、このケーブル布設部材に隙間や電気的導通が確保されていない部分が存在していたとすると、これら間隙や電気的導通が確保されていない部分から電磁ノイズが信号ケーブル2に侵入してしまう。
【0019】
ここで、中性子モニタシステムの場合、このようなケーブル布設部材における間隙や電気的導通が確保されていない部分の存在は一般には不可避であり、従って、従来技術ではS/Nの低下が問題になってしまうのである。
【0020】
本発明の目的は、信号ケーブル布設用のケーブル布設部材に間隙や電気的導通が確保されていない部分が存在していてもS/Nの低下が抑えられ、中性子源領域モニタ及び中間領域モニタとしての機能が果たせられるようにした中性子モニタシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的は、原子炉内の核反応に伴って発生する中性子を検出する中性子検出器と、この中性子検出器による検出信号を炉外部に取り出す信号ケーブルと、この信号ケーブルに接続された前置増幅器と、この前置増幅器で増幅された検出信号を処理する信号処理部と、前記信号ケーブルを格納し、原子力発電所内に信号ケーブルを布設する電線管とフレキシブル電線管、プルボックスそれに原子炉格納容器の内外を連絡する電気ペネとを備えた中性子モニタシステムにおいて、前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの何れかに巻き付けた導電性の遮蔽材を設け、前記遮蔽材により、前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの少なくとも何れかの間の電気的導通が確保され、ノイズ侵入の抑制が得られるようにして達成される。
【0022】
このとき、前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの何れかに沿わせられた導体線が設けられていることによっても上記目的が達成され、同じくこのとき、前記遮蔽材は、前記電線管同士の結合部と前記線管と前記フレキシブル電線管の結合部の何れかにも巻き付けられていることによっても上記目的が達成される。
【0023】
また、同じくこのとき、前記電線管と前記フレキシブル電線管の間、及び前記電線管と前記プルボックスの間の何れかが導体線により接続されていることによっても上記目的が達成され、前記電気ペネと前記フレキシブル電線管の間、及び前記電気ペネの本体部とケーブル処理箱の間の何れかが導体線により接続されていることによっても上記目的が達成される。
【0024】
更に、このとき、前記電線管と前記フレキシブル電線管、前記プルボックス、それに前記電気ペネの何れかからなるケーブル布設部材が多点接地構成されていることによっても上記目的が達成され、前記遮蔽材が多点接地構成されていることによっても上記目的が達成される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、信号ケーブルのケーブル布設部材が遮蔽部材を備えているので、原子力発電所内部に存在する電磁ノイズによる誘導電流が信号ケーブルに侵入してS/Nが低下するのが抑えられので、検出信号の誤検出及びそれに伴う原子炉出力制御系の誤作動の発生が防止でき、信頼性の高い中性子源領域モニタシステム及び中間領域モニタシステムを提供することができる。
【0026】
また、本発明は、原子力発電所に既設の中性子源領域モニタシステムと中間領域モニタシステムのノイズトラブル発生に際して、その回避対策として適用でき、従って、本発明によれば、既設システムの機能向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明による中性子モニタシステムについて、図示の実施の形態により詳細に説明すると、ここで、図1は、本発明の一実施形態で、図において、9は導電性の遮蔽材で、10は導体線であり、その他、中性子検出器1と信号ケーブル2、電線管3、フレキシブル電線管4、プルボックス5、電気ペネ6、前置増幅器7、中央制御室11、それに信号処理部12は、図5で説明した従来技術の場合と同じである。
【0028】
そして、まず、遮蔽材9は、例えば細い銅線の編組により作られているシールドメッシュなどの部材で、これは電線管3とフレキシブル電線管4の周囲に巻き付けられ、更にはプルボックス5と電気ペネ6の周囲にも巻き付けられている。
【0029】
これにより電線管3同士の結合部と、電線管3とプルボックス5及び電気ペネ6の結合部、それにフレキシブル電線管4とプルボックス5及び電気ペネ6の結合部など、ケーブル布設部材に存在してしまう虞がある隙間や電気的導通が確保されていない箇所の全てが導電性の部材である遮蔽材9により覆われてしまうようにしてある。
【0030】
また、このときフレキシブル電線管4とプルボックス5は、構造上、隙間の存在が避けられず、従って電気的な導通の面で弱いと考えられる。そこで、この実施形態では、フレキシブル電線管4の周囲に遮蔽材9を巻き付けるのは勿論であるが、更にプルボックス5にも遮蔽材9を施している。
【0031】
このとき、細い銅線の網組みからなるシールドメッシュは柔軟性に富み加工性が良いので、電線管3とプルボックス5及び電気ペネ6の結合部、それにフレキシブル電線管4とプルボックス5及び電気ペネ6の結合部などにも容易に隙間無く巻き付けすることができ、しかもこのシールドメッシュは導電性が高いので、遮蔽材9として確実に電磁ノイズを遮蔽することができる。
【0032】
次に、導体線10は、導電性の高い銅線を用い、これを電線管3とフレキシブル電線管4に添わせて配置させたもので、その両端は、電線管3やフレキシブル電線管4の接合箇所になっているプルボックス5や電気ペネ6に、例えば端子金具と留めネジなどを用いて電気的に接続してある。
【0033】
次に、この実施形態の動作について、図5の従来技術と対比しながら説明する。
【0034】
まず、図5の従来技術の場合、中性子検出器1からの検出信号を伝送する信号ケーブル2は、ケーブル布設部材である電線管3とフレキシブル電線管4及びプルボックス5に格納され、電気ペネ6を介して前置増幅器7に接続されている。そして、ケーブル布設部材は前置増幅器筐体8に接続され接地されている。
【0035】
そこで、この図5の従来技術の構成を簡略化して示すと、図6に示すようになり、このとき電線管3などによるケーブル布設部材に電気的導通が不十分な箇所が存在していたとすると、このときの電気的等価回路モデルは図7に示すようになる。
【0036】
ここで、Cdは中性子検出器1の静電容量、R1は信号ケーブル2の内部導体の単位長さ当たりの導体抵抗、L1は信号ケーブル2の内部導体の単位長さ当たりのインダクタンス、C1は信号ケーブル2の内部導体と外部導体の間の単位長さ当たりの静電容量、R2は信号ケーブル2の外部導体の単位長さ当たりの導体抵抗、L2は信号ケーブル2の外部導体の単位長さ当たりのインダクタンス、C2は信号ケーブル2の外部導体とケーブル布設部材間の単位長さ当たりの静電容量、R3はケーブル布設部材の単位長さ当たりの導体抵抗、そしてL3はケーブル布設部材の単位長さ当たりのインダクタンスである。
【0037】
そして、いま、図6に示すように、電線管3などのケーブル布設部材に外部から電磁ノイズが伝搬され、これによりケーブル布設部材に誘導電流が誘起されたとすると、通常の場合は、図7に示すように、誘導電流は、ケーブル布設部材の抵抗R3とインダクタンスL3を介して前置増幅器筐体8の接地に逃げることになる。
【0038】
ここでケーブル布設部材は導電体で構成されることから、一般には誘導電流が信号ケーブル2に影響を与えることは無いと考えられる。しかし、このときケーブル布設部材の途中に隙間や電気的接続が不十分な箇所が存在したとすると、この場合、図6に破線で囲って示したように、隣接した2個の静電容量C2の間から抵抗R3とインダクタンスL3が消滅し、この結果、静電容量C2を介して、誘導電流が信号ケーブル2に侵入してしまうことになる。
【0039】
一方、図1の実施形態の場合、遮蔽材9と導体線10が設けてある。従って、この図1の実施形態の構成を簡略化して示すと、図2に示すようになり、このとき電線管3などによるケーブル布設部材に電気的導通が不十分な箇所が存在していたとしても、この箇所も遮蔽材9により覆われていることになる。
【0040】
このとき、遮蔽材9は、ケーブル布設部材の外側にあって電磁ノイズを遮蔽し、ケーブル布設部材に加えて更に別の電気的導通路を確保する。そして、この結果、電磁ノイズによる誘導電流を抑えると共に、誘導した電流を接地に確実に逃がす働きをし、これによりケーブル布設部材に隙間や電気的接続が不十分な箇所が存在しても、それらによる影響を無くすことができる。
【0041】
特にフレキシブル電線管4とプルボックス5には、上記したように、それらの構造上、隙間の存在が避けられないと考えられので、この遮蔽材9の働きが更に有効となる。
【0042】
ここで、このようなケーブル布設部材を用いたシステムの場合、電気的導通が十分でない箇所として、電線管3同士のカップリング部や電線管3とフレキシブル電線管4のカップリング部が考えられる。そこで、このことから、遮蔽材9の巻き付け範囲をケーブル布設部材の全体でなく、これらのカップリング部に限定しても良く、この場合でも、ケーブル布設部材の電気的導通の確保による上記の効果を得ることができる。
【0043】
また、この実施形態では、ケーブル布設部材には、遮蔽材9の外にも導体線10か沿わせてあり、電線管3とプルボックス5の結合部やフレキシブル電線管4とプルボックス5の結合部、それにフレキシブル電線管4と電気ペネ6の結合部にも、それらを跨いで導体線10が接続してあり、更に電気ペネ6においては、この電気ペネ6の本体6Aとケーブル処理箱6Bの間にも導体線10Aが接続してある。
【0044】
そして、この導体線10は、主として遮蔽材9とプルボックス5の間、及び遮蔽材9と電気ペネ6の間の電気的接続を確実にする働きをし、これにより電磁ノイズによる誘導電流を抑え、且つ誘導した電流を接地に確実に逃がすという遮蔽材9の働きを更に確実なものとする。
【0045】
ここで、電気ペネ部6の本体6Aとケーブル処理箱6Bの間は、電気的導通が不十分になる可能性が大であり、従って、これらの間を導電性の高い銅線の導体線10Aで接続した実施形態による効果は絶大であると言える。
【0046】
従って、この実施形態によれば、信号ケーブル2のケーブル布設部材が遮蔽材9を備えているので、原子力発電所内部に存在する電磁ノイズによる誘導電流が信号ケーブルに侵入してS/Nが低下するのが抑えられ、この結果、検出信号の誤検出及びそれに伴う原子炉出力制御系の誤作動の発生が防止でき、信頼性の高い中性子源領域モニタシステムと中間領域モニタシステムとして有効に利用することができる。
【0047】
また、この実施形態では、導体線10や導体線10Aを設けているので、電磁ノイズによる誘導電流を抑え、且つ誘導した電流を接地に確実に逃がすという遮蔽材9の働きが更に確実になり、中性子源領域モニタシステムと中間領域モニタシステムの信頼性を更に向上させることができる。
【0048】
次に、本発明の他の実施形態について説明すると、ここで、原子力発電所の内部には数100kHz〜数10MHzの高周波ノイズが存在することは上記し通りである。
【0049】
そうすると、例えば図5の従来技術において、電線管3に誘起した高周波ノイズを接地に逃がすようにした場合、接地までの経路の長さが高周波ノイズの1/4波長及び1/4波長の奇数倍になっていると、この経路が共振し、インピーダンスが極めて高くなって、接地による効果が低下してしまうことは、良く知られているところである。
【0050】
そこで、このような場合、接地までの経路は可能な限り短くし、電線管3などのケーブル布設部材に誘起した高周波ノイズは最短距離で接地に逃がす必要がある。よって、ケーブル布設部材に多点接地を施し、信号ケーブル2に対するノイズの侵入を抑制する。
【0051】
このときの本発明の実施形態を概略図で示したのが図3であり、この図3の電気的等価回路モデルは図4に示すようになる。そして、この図3に電線管3として代表して示してあるように、中性子検出器1(図1)から前置増幅器7までのケーブル布設部材と、前置増幅器7から信号処理部12までのケーブル布設部材を多点接地構造にする。
【0052】
具体的には、電線管3で代表されているケーブル布設部材に複数の接地点3Aを設定し、外部からの電磁ノイズによりケーブル布設部材に誘起された誘導電流が、このれらの接地点3Aから最短距離で接地に逃げることができるようにしたものである。
【0053】
このように多点接地構造にすることにより、ケーブル布設部材から接地までの距離を可能な限り短くすることができ、この結果、高周波の電磁ノイズに対しても共振の虞が無くなるので、電磁ノイズによる誘導電流を抑え、且つ誘導した電流を接地に確実に逃がすことができ、中性子源領域モニタシステムと中間領域モニタシステムの信頼性を更に向上させることができる。
【0054】
ここで、この図3に示した多点接地構造を、図1の実施形態に適用しても良く、この場合は、多点接地構造をケーブル布設部材に適用しても良く、図1の遮蔽材9に適用しても良い。更にはこれらの双方を併用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による中性子モニタシステムの一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を簡略化して示したブロック構成図である。
【図3】本発明による中性子モニタシステムの他の一実施形態を簡略化して示したブロック構成図である。
【図4】本発明の他の一実施形態の電気的等価回路モデル図である。
【図5】従来技術による中性子モニタシステムの一例を示すブロック構成図である。
【図6】従来技術による中性子モニタシステムの一例を簡略化して示したブロック構成図である。
【図7】従来技術による中性子モニタシステムの電気的等価回路モデル図である。
【符号の説明】
【0056】
1:中性子検出器
2:信号ケーブル
3:電線管(金属製の電線管)
4:フレキシブル電線管(金属製のフレキシブル電線管)
5:プルボックス(信号ケーブル引込み用)
6:電気ペネ
7:前置増幅器
8:前置増幅器筐体
9:遮蔽材
10:導体線(銅線)
11:中央制御室
12:信号処理部
Cd:中性子検出器の静電容量
R1:信号ケーブル内部導体の単位長さ当りの導体抵抗
L1:信号ケーブル内部導体の単位長さ当りのインダクタンス
C1:信号ケーブルの内部導体と外部導体間の単位長さ当りの静電容量
R2:信号ケーブル外部導体の単位長さ当たりの導体抵抗
L2:信号ケーブル外部導体の単位長さ当りのインダクタンス
C2:信号ケーブルの外部導体とケーブル布設部材間の単位長さ当りの
静電容量
R3:電路の単位長さ当りの導体抵抗
L3:電路の単位長さ当りのインダクタンス




 

 


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