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発明の名称 燃料交換用治具及び燃料交換方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−93475(P2007−93475A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−285171(P2005−285171)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
発明者 三輪 順一 / 大塚 雅哉 / 石井 佳彦
要約 課題
軽水増殖炉において燃料交換を短時間でできるように燃料交換時にY字型制御棒の上端を簡単に固定する燃料交換用治具とこの燃料交換用治具を用いた燃料交換方法を提供する。

解決手段
六角形燃料集合体3と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒4とを有する炉心の燃料集合体を、燃料交換用治具8を用いて交換する。燃料交換用治具8は、Y字型制御棒4の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体3とY字型制御棒4とを結合する複数の嵌合部10,31,31を有している。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒とを有する炉心の燃料集合体交換時に用いられる燃料交換用治具であって、
前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒とを結合する複数の嵌合部を有することを特徴とする燃料交換用治具。
【請求項2】
請求項1記載の燃料交換用治具において、
前記複数の嵌合部は、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と嵌合する円筒形状の結合部と、前記Y字型制御棒の上面に設けた凹部と嵌合する突起部とを有し、これら結合部と突起部により前記2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒とを結合することを特徴とする燃料交換用治具。
【請求項3】
燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒と、Y字型制御棒の1枚の翼の先端部に位置する炉内核計装管とを有する炉心の燃料集合体交換時に用いられる燃料交換用治具であって、
前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒と前記炉内核計装管を結合する複数の嵌合部を有することを特徴とする燃料交換用治具。
【請求項4】
請求項3記載の燃料交換用治具において、
前記複数の嵌合部は、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と嵌合する円筒形状の結合部と、前記Y字型制御棒の上面に設けた凹部と嵌合する突起部と、前記炉内核計装管と嵌合する穴部とを有し、これら結合部と突起部と穴部とにより前記2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒と前記炉内核計装管とを結合することを特徴とする燃料交換用治具。
【請求項5】
燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒と、燃料集合体上部を固定する炉心上部格子板とを有する炉心の燃料集合体交換時に、前記炉心上部格子板を取り外し、
請求項1又は2記載の燃料交換用治具を使用して、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒とを結合することで固定し、
その後、前記Y字型制御棒を取り囲む3体の燃料集合体を交換することを特徴とする燃料交換方法。
【請求項6】
燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒と、Y字型制御棒の1枚の翼の先端部に位置する炉内核計装管と、燃料集合体上部を固定する炉心上部格子板とを有する炉心の燃料集合体交換時に、前記炉心上部格子板を取り外し、
請求項3又は4記載の燃料交換用治具を使用して、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒と前記炉内核計装管とを結合することで固定し、
その後、前記Y字型制御棒を取り囲む3体の燃料集合体を交換することを特徴とする燃料交換方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒とを有する炉心を備えた原子炉の燃料交換時に用いる燃料交換用治具と、その燃料交換用治具を用いた燃料交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料集合体を稠密に配置して水対燃料体積比を低減した軽水増殖炉(例えば、特開平8−21890号公報)では、従来の沸騰水型原子炉(BWR)と比較してプルトニウム増殖比を高めており、原子炉運転時における核分裂性プルトニウムの発生量と消滅量をほぼ同一にでき、増殖比を約1.0とすることが可能である。
【0003】
この炉心特性を達成するために、軽水増殖炉では六角形の水平断面を持つチャンネルボックス内に劣化ウランにプルトニウムを富化した燃料棒を三角配列に配置した稠密六角形型燃料集合体として燃料密度を増加させており、また減速材と冷却材を兼ねている軽水の流量を低減して水対燃料体積比を小さくし、現行BWRよりボイド率を高めて高速中性子によるプルトニム転換を向上させた軽水冷却材、集合体3体に1本の割合で密に配置したY字型制御棒との組み合わせを持つ炉心構成としている。
【0004】
軽水増殖炉では水対燃料体積比を小さくするため六角形燃料集合体を採用し、燃料集合体間のすき間を小さくしているため、燃料集合体を上部で固定する炉心上部格子板の構造は現行のBWRとは異なるものとなる。例えば、特開平8−220276号公報の開示によれば、炉心上部格子板は六角形燃料集合体水平断面より小さい六角形状の冷却材流路孔を設け、この冷却材流路孔の下部に六角形燃料集合体内側と内接する六角形状の燃料集合体支持筒を設置している。このような構成の炉心上部格子板を採用することにより、燃料集合体間のすき間を小さくして炉心に装荷することができる。
【0005】
【特許文献1】特開平8−21890号公報
【特許文献2】特開平8−220276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
軽水増殖炉の炉心上部格子板は開口部である冷却材流路孔が燃料集合体水平断面より小さいので、燃料交換時には炉心上部格子板を取り外す。一方、正方形燃料集合体と燃料集合体4体の中央部に挿入される十字型制御棒から構成される現行BWRでは燃料交換時に上部格子板を取り外さない。
【0007】
現行BWRの燃料集合体交換方法を図14に示す。図14(a)は現行BWR炉心の上面図であり、上部格子板61に上部を支持された燃料集合体62と燃料集合体に囲まれた十字型制御棒63、起動時や定格運転時の中性子束をモニタする中性子束検出器を内包する炉内核計装管66を示している。十字型制御棒63の翼の上端にはローラー65が設けてあり、燃料集合体62と接触することで制御棒を支持している。炉内核計装管66は先端部を上部格子板61により支持されている。
【0008】
現行BWRでは以下の手順で燃料集合体を交換している。
【0009】
(1) まず、対角線に位置する2体の燃料集合体a,dを炉外に取り出す(図14(b))。このとき十字型制御棒は燃料集合体b,cにより支持されている。
【0010】
(2) 燃料集合体を取り出した後にできる空間にダミーの燃料集合体(ダブルブレードガイド64)あるいは取り替え用燃料集合体を挿入する(図14(c))。
【0011】
(3) 残り2体の燃料集合体b,cを炉外に取り出し(図14(d))、他の燃料集合体と交換する。
【0012】
現行BWRでは、図14(b)で示したように十字型制御棒に隣接し対角線上に位置する燃料集合体を取り出しても、制御棒は残りの2体の燃料集合体により支えられているが、軽水増殖炉では、Y字型制御棒に隣接する燃料集合体を1体でも取り出すと、取り出した側に生じた空間に倒れる恐れがある。また、軽水増殖炉の炉内核計装管を現行BWRと同様に炉心上部格子板で先端部を支持する構造とした場合には、軽水増殖炉は燃料交換時に炉心上部格子板を取り外すため、炉心核計装管に隣接する燃料集合体を取り出すと、取り出した側に炉内核計装管が倒れる恐れがある。従って、軽水増殖炉は現行BWRとは異なり、燃料集合体を取り出す前に隣接するY字型制御棒の水平方向の位置を固定する必要がある。また、炉内計装管が隣接する燃料集合体を取り出す場合には炉内核計装管の水平方向の位置も固定する必要がある。
【0013】
本発明の第1の目的は、軽水増殖炉において燃料交換を短時間でできるように燃料交換時にY字型制御棒の上端を簡単に固定する燃料交換用治具とこの燃料交換用治具を用いた燃料交換方法を提供することである。
【0014】
本発明の第2の目的は、軽水増殖炉において燃料交換を短時間でできるように燃料交換時にY字型制御棒と炉内核計装管の上端を簡単に固定する燃料交換用治具とこの燃料交換用治具を用いた燃料交換方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒とを有する炉心の燃料集合体交換時に用いられる燃料交換用治具であって、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒とを結合する複数の嵌合部を有するものとする。
【0016】
燃料集合体の交換に際しては、炉心上部格子板を取り外し、上記燃料交換用治具を使用して、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒とを結合することで固定し、その後、前記Y字型制御棒を取り囲む3体の燃料集合体を交換する。これにより交換する燃料集合体に隣接するY字型制御棒の上端を簡単に固定でき、燃料集合体交換を短時間に行なうことができる。
【0017】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、燃料棒が三角格子状に配列された六角形燃料集合体と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒と、Y字型制御棒の1枚の翼の先端部に位置する炉内核計装管とを有する炉心の燃料集合体交換時に用いられる燃料交換用治具であって、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒と前記炉内核計装管を結合する複数の嵌合部を有するものとする。
【0018】
燃料集合体の交換に際しては、炉心上部格子板を取り外し、上記燃料交換用治具を使用して、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒と前記炉内核計装管とを結合することで固定し、その後、前記Y字型制御棒を取り囲む3体の燃料集合体を交換する。これにより交換する燃料集合体に隣接するY字型制御棒と炉内計装管の上端を簡単に固定でき、燃料集合体交換を短時間に行なうことができる。
【0019】
上記燃料交換用治具において、複数の嵌合部は、好ましくは、前記Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と嵌合する円筒形状の結合部と、前記Y字型制御棒の上面に設けた凹部と嵌合する突起部とを有し、これら結合部と突起部により前記2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒とを結合する。また、好ましくは、更に、前記炉内核計装管と嵌合する穴部を有し、前記結合部及び突起部とその穴部とにより前記2体の六角形燃料集合体と前記Y字型制御棒と前記炉内核計装管とを結合する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、燃料集合体交換時に交換する集合体に隣接するY字型制御棒の上端を簡単に固定でき、燃料集合体交換を短時間に行なうことができる。
【0021】
また、本発明によれば、燃料集合体交換時に交換する集合体に隣接するY字型制御棒と炉内計装管の上端を簡単に固定でき、燃料集合体交換を短時間に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例を図1〜図6により説明する。
【0023】
図1は本発明の第1の実施例における燃料交換用治具を示す図である。これは、Y字型制御棒の先端に炉内核計装管がない場合の燃料交換に使用するものである。図1中、(a)は燃料交換用治具の上面図、(b)は図1(a)のA−B線における垂直断面図、(c)は図1(a)のC−D線における垂直断面図である。
【0024】
燃料交換用治具8は中心から120度の角度で伸びた2枚の板部分30a,30bからなるV字型状の板状部材30と、板状部材30の2枚の板部分30a,30bの先端に連結した内部が空洞で孔部31aとなった円筒部材31から構成されている。円筒部材31の下部には外側に傾斜面31bを設けてあり、燃料集合体案内管9の孔9a(図4参照)に挿入しやすいようになっている。円筒部材31の上部には燃料交換用治具8を保持するハンドル11が設けられている。板状部材30を構成する2枚の板部分30a、30bが交差する結合部(燃料交換用治具8の中心)の下部にはピン(突起部)10が突き出している。このピン10は、Y字型制御棒4の上面に設けた孔(凹部)4a(図4参照)に入ることにより燃料交換用治具8とY字型制御棒4とを結合する。ピン10には傾斜がついており、Y字型制御棒4の孔4a(図4参照)に挿入しやすいようになっている。円筒部材31及びピン10は、Y字型制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体と嵌合する複数の嵌合部を構成する。
【0025】
図2は本発明を適用する軽水増殖炉炉心の水平断面図である。図2中、上側は全体図であり、下側は部分拡大図である。軽水増殖炉の炉心は六角型の水平断面を持つチャンネルボックス1内に劣化ウランにプルトニウムを富化した燃料棒2を三角配列に配置した稠密六角型燃料集合体3と、その間に挿入され翼の間隔がそれぞれ120度である3枚の翼を持つY字型制御棒4から構成されている。Y字型制御棒4は燃料集合体約3体に1本の割合で配置しており、また一部のY字型制御棒4の1翼の先端には起動時や定格運転時の中性子束をモニタする中性子束検出器を内包する炉内核計装管5を設置してある。炉内核計装管5は炉内計装に必要な数だけ設置してあるので全てのY字型制御棒4の先端にあるわけではない。
【0026】
図3は、図2に示した炉心を収納している軽水増殖炉の圧力容器20内の垂直断面図を示す図である。燃料集合体3は炉心支持板6の上に取り付けた燃料支持金具51(図5参照)に挿入することで下端を支持し、上端は炉心上部格子板7により固定されている。
【0027】
原子炉で一定期間熱を発生すると、燃料の燃焼が進み燃料集合体の交換が必要になる。軽水増殖炉の燃料集合体3を交換するときには、圧力容器20の上蓋21を開き、炉心上部の蒸気乾燥器22、気水分離器23等の炉内構造物を取り外し、さらに炉心上部格子板7を取り外す。
【0028】
図4は、上部格子板をはずした時の炉心の一部を拡大して示す図であって、本実施例における燃料交換用治具を装着する前の燃料集合体上部を示す図である。図4中、(a)は上部格子板をはずした時の炉心の一部を上から見た図であり、(b)は図4(a)のA−B線における炉心上部の垂直断面図である。
【0029】
燃料集合体3のチャンネルボックス1の上部は円筒形状の燃料集合体案内管9になっている。燃料集合体3は炉心上部格子板7がなくても下端を燃料支持金具51(図5参照)に挿入してあることで自立できる。また、燃料集合体案内管9が炉心上部格子板7と接することで燃料集合体上部の正確な位置決めができるようになっている。Y字型制御棒4の中心部上端には前述した孔(凹部)4aが開いている。
【0030】
次に、本発明の燃料交換用治具8を用いた燃料交換方法を説明する。
【0031】
図5は、本発明の燃料交換用治具8と炉心の関係を示す図である。燃料交換時には圧力容器20の上蓋21を外し、炉心59上部の蒸気乾燥器22、気水分離器23等の炉内構造物を取り外し、さらに炉心上部格子板7を取り外す。続いて、オペレーションフロア53上の燃料交換機である燃料交換用台車57を交換対象の燃料集合体3の位置まで移動させ、燃料交換用マスト(マニピュレータ)54の先端で燃料交換用治具8の2つのハンドル11を保持して燃料交換用治具8を上から降ろし、円筒部材31を燃料集合体案内管9の孔9aに挿入する。このとき、オペレーションフロア53から降ろした燃料交換用治具8と燃料集合体3との位置が多少ずれていても、円筒部材31の下部外側の傾斜面31bにより円筒部材31を燃料集合体案内管9の孔9aに挿入し、燃料交換用治具8を燃料集合体3に装着することができる。また、図1で示したように、燃料交換用治具8とY字型制御棒4とを結合するピン10には傾斜がついており、Y字型制御棒4が隣接する燃料集合体3のいずれかに傾いていても燃料交換用治具8をY字型制御棒4の上面に装着することができる。
【0032】
図6は燃料交換用治具8により燃料集合体3とY字型制御棒4を結合した状態を示す図である。図6中、(a)は上面図、(b)は図6(a)のA−B線における炉心上部の垂直断面図である。
【0033】
燃料交換用治具8によってY字型制御棒4の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体d,eと、Y字型制御棒4とが結合される。次に燃料交換機は燃料交換用治具8のハンドル11を離し、Y字型制御棒4の周囲の3体の燃料集合体a,b,cを順次炉心から取り出し、燃料貯蔵プール58に移送する。この時3体の燃料集合体a,b,cの全てを取り出さなくてもかまわない。Y字型制御棒4は燃料交換用治具8によって燃料集合体d,eの2方向から結合しているので、燃料集合体a,b,cが取り除かれても倒れることはなく、また、水平方向にもぐらつかない。次に、取り替え燃料集合体を燃料集合体a,b,cの位置に装荷する。燃料集合体a,b,cの交換が終了したら燃料交換機で燃料交換用治具8を取り外し、次に燃料交換する燃料集合体に接するY字型制御棒と制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体に取り付ける。以上の方法を繰り返すことにより燃料集合体を交換することができる。
【0034】
以上のように本実施例の燃料交換用治具8を使うことによって、Y字型制御棒4が倒れることなく、Y字型制御棒4に隣接する燃料集合体3を一度に交換することができるので、燃料集合体交換を短時間で行うことができ、燃料交換の工程を短縮することができる。
【0035】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例を図7及び図8により説明する。本実施例は、燃料交換用治具とY字型制御棒を第1の実施例とは異なる方法で固定したものである。
【0036】
図7は本発明の第2の実施例における燃料交換用治具を示す図である。図7中、(a)は燃料交換用治具の上面図、(b)は図7(a)のA−B線における垂直断面図、(c)は図7(a)のC−D線における垂直断面図、(d)は図7(a)のE−F断面線における板状部材の垂直断面図である。
【0037】
本実施例の特徴は、燃料交換用治具8Aの板状部材30を構成する2枚の板部分30a,30bが下側に向かって凸型の山(凸部)15になっていることである。また、これに対応して、Y字型制御棒4の上面には、V字型の溝(凹部)4b(図8)が形成されている。
【0038】
図8は燃料交換用治具8Aにより燃料集合体3とY字型制御棒4を結合した状態を示す図である。図8中、(a)は上面図、(b)は図8(a)のA−B線における炉心上部の垂直断面図、(c)は図8(a)のE−F線における燃料交換用治具8AとY字型制御棒4の接触部における垂直断面図である。これらの図に示したように燃料交換用治具8AはY字型制御棒4の上部にある溝4bに沿って装着される。
【0039】
次に、本実施例の燃料交換用治具8Aを用いた燃料交換法を説明する。燃料交換時に炉心上部格子板を取り外した後、実施例1と同様に、圧力容器の上方にある燃料交換機のマニピュレータ54(図5)で燃料交換用治具8Aの2つのハンドル11を保持して燃料交換用治具8Aを上から降ろし、円筒部材31を燃料集合体d,e案内管9に挿入する。図7(d)で示したように燃料交換用治具8Aの板状部材30の下端の山15はY字型制御棒4の上部にある溝4bに嵌合する。この作業の際、Y字型制御棒4と燃料交換用治具8Aが相対的に水平方向に僅かにずれていたとしても、燃料交換用治具8あの下部の山15がY字型制御棒4の上端の溝4bに嵌ることにより、Y字型制御棒4と燃料集合体d,eを結合することができる。
【0040】
本実施例のように、燃料交換用治具8Aの板状部材30とY字型制御棒4の上面が凹凸形状で嵌め合う構成になっていることにより、燃料交換用治具8AによるY字型制御棒4と燃料集合体3の結合が更に容易になり、燃料集合体交換を短時間で行うことができ、燃料交換の工程を短縮することができる。
【0041】
また、本実施例では、板状部材30の下端が凸型(山15)、Y字型制御棒4の上面が凹型(溝4b)であったが、板状部材30の下端が凹型、Y字型制御棒4の上面が凸型であってもよく、この場合も同様の効果がある。
【0042】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例を図9及び図10により説明する。本実施例は、燃料交換用治具と燃料集合体を第1の実施例とは異なる方法で固定したものである。本実施例を適用する軽水増殖炉炉心の水平断面図と垂直断面図は第1実施例で説明したものと同一である。図9は本発明の第3の実施例における燃料交換用治具を示す図である。図9中、(a)は燃料交換用治具の上面図、(b)は図9(a)のA−B線における垂直断面図、(c)は図9(a)のC−D線における垂直断面図である。
【0043】
燃料交換用治具8Bの円筒部材31は、ハンドル11のピン11aに軸方向に移動可能に挿入されたフック用ハンドル42と、円筒部材31の孔31aに回転可能に取り付けられ、フック用ハンドル42にワイヤ43を介して接続された2個のフック12と、ワイヤ43を引っ張る方向にフック12を付勢する引っ張りバネ40とを備え、燃料交換機のマニピュレータでハンドル11とフック用ハンドル42を挟むようにをつかむと、フック用ハンドル42に接続されているワイヤ43が引っ張られることにより、フック12が円筒部材31の内側に引き込まれ、引っ張りバネ40が引っ張られる構造となっている。
【0044】
次に、本発明の燃料交換用治具8Bを用いた燃料交換法を説明する。図10は燃料交換用治具8Bにより燃料集合体3とY字型制御棒4を結合した状態を示す図である。図10中、(a)は上面図、(b)は図10(a)のA−B線における炉心上部の垂直断面図である。
【0045】
燃料交換機のマニピュレータで燃料交換用治具8Bのハンドル11とフック用ハンドル42を挟んだまま、燃料交換用治具8Bの円筒部材31を燃料集合体d、eに装着する。燃料交換機のマニピュレータがハンドル11とフック用ハンドル42を離すと引っ張りバネ40が縮んで燃料交換用治具8Bの円筒部材31の外側にフック12が飛び出す。フック12が燃料集合体d、eの燃料集合体案内管9内の空洞に嵌り込むことにより、より確実に燃料交換用治具8BとY字型制御棒4の結合することができる。
【0046】
以上のように本実施例の燃料交換用治具8Bを使うことによって、Y字型制御棒4が倒れることなく、Y字型制御棒4に隣接する燃料集合体3を一度に交換することができるので、燃料集合体交換を短時間で行うことができ、燃料交換の工程を短縮することができる。さらに、以上の本実施例の燃料交換用治具8Bを使うことによって、燃料交換用治具8BとY字型制御棒4の結合をより確実にすることができる。
【0047】
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例を図11〜図13により説明する。本実施例は、Y字型制御棒先端に炉内核計装管がある場合のY字型制御棒に隣接する燃料集合体の交換装置と交換方法である。図11は本発明の第4の実施例における燃料交換用治具を示す図である。図11中、(a)は燃料交換用治具の上面図、(b)は図11(a)のA−B線における垂直断面図、(c)は図11(a)のC−D線における垂直断面図である。
【0048】
燃料交換用治具13は中心から120度の角度で伸びた3枚の板部分30c,30d,30eからなるY字型状の板状部材30Aと、板状部材30Aの2枚の板部分30c,30dの先端に連結した内部が空洞の孔部31aとなっている円筒部材31から構成されている。円筒部材31の下部には外側に傾斜面31bを設けてあり、円筒部材31の上部には燃料交換用治具13を保持するハンドル11が設けられている。燃料交換用治具13の板状部材30の残る1枚の板部分30eの先端には炉内核計装管5(図12参照)を固定するための上下に貫通した孔32を形成した炉内核計装管固定部33が設けられており、3枚の板部分30c,30d,30eが交差する結合部の下部にはピン10が設置されている。
【0049】
図12は本実施例の燃料交換用治具13を装着した状態を示す図である。図12中、(a)は上面図、(b)は図12(a)のA−B線における炉心上部の垂直断面図である。図12(b)に示したように燃料交換用治具13の板状部材下部のピン10がY字型制御棒4の上端に開けた孔4aに入ることによりY字型制御棒4と結合するとともに、板状部材30Aの2枚の板部分30c,30dの先端に連結した円筒部材31が燃料集合体d、eの燃料集合体案内管9の孔9aに挿入されることにより燃料集合体d、eとも結合する。また、燃料交換用治具13の板状部材30Aの板部分30eの先端にある炉内核計装管固定部33の貫通孔32に炉内計装管5を通すことにより、燃料交換用治具13は炉内計装管5と結合する。図12(a)及び(b)で示したように燃料交換用治具13を装着することにより、Y字型制御棒4の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体d,eとY字型制御棒4と炉内計装管5を結合することができる。
【0050】
次に、本実施例の燃料交換用治具13を用いた燃料交換方法を説明する。
【0051】
燃料交換時に炉心上部格子板を取り外した後、実施例1と同様に、圧力容器の上方にある燃料交換機のマニピュレータで燃料交換用治具13の2つのハンドル11を保持して燃料交換用治具13を上から降ろし、円筒部材31を燃料集合体案内管9に挿入する。また燃料交換用治具13の板状部材30Aの結合部にあるピン10が制御棒上面設けた孔4aに入るとともに、炉内核計装管5の上端が板状部材30の貫通孔32に挿入されることで、燃料交換用治具13とY字型制御棒4および炉内核計装管5を結合する。次に燃料交換機は燃料交換用治具13のハンドル11を離し、Y字型制御棒4の周囲の燃料集合体a、b、cを適宜炉心から取り出す。Y字型制御棒4および炉内核計装管5は燃料交換用治具13によって燃料集合体d、eと結合しているので、燃料集合体a、b、cが取り除かれても倒れることはない。次に、取り替え燃料集合体を燃料集合体a、b、cの位置に装荷する。燃料集合体a、b、cの交換が終了したら燃料交換機で燃料交換用治具13を取り外し、次に燃料交換する燃料集合体に接するY字型制御棒と制御棒の2枚の翼の延長線上に位置する2体の六角形燃料集合体に取り付ける。以上の方法を繰り返すことにより燃料集合体を交換することができる。
【0052】
図12(a)の燃料集合体fを交換する場合は2つの燃料交換用治具を用いて燃料集合体fに隣接する炉内核計装管5とY字型制御棒29を固定することにより、燃料集合体fを交換することができる。
【0053】
図13は炉内核計装管5が図12とは異なり2本挿入されている場合に用いる燃料交換用治具の変形例を示す図である。このような場合でも燃料交換用治具13の先端部の炉内核計装管固定部33Aの形状を変更し、隣接する2個の貫通孔32を形成することにより燃料集合体を交換することができる。
【0054】
なお、本実施例の燃料交換用治具13は、制御棒先端に炉内核計装管がないY字型制御棒に隣接する燃料集合体を交換する場合にも利用することができる。
【0055】
本実施例の燃料交換用治具13を使用することで、制御棒先端に炉内核計装管があるY字型制御棒に隣接する燃料集合体も、制御棒先端に炉内核計装管がないY字型制御棒に隣接する燃料集合体も、同じ燃料交換用治具で燃料交換できるので、複数の燃料交換用治具を使用する必要がなく、燃料集合体交換を短時間で行うことができ、燃料交換に要する工程や時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施例における燃料交換用治具を示す図である。
【図2】本発明を適用する軽水増殖炉炉心の水平断面図である。
【図3】本発明を適用する軽水増殖炉炉心の垂直断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における燃料交換用治具を装着する前の燃料集合体上部を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例における燃料交換用治具と炉心の関係を示す概略図である。
【図6】本発明の第1の実施例における燃料交換用治具を装着した燃料集合体上部を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例における燃料交換用治具を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例における燃料交換用治具を装着した燃料集合体上部を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例における燃料交換用治具を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例における燃料交換用治具を装着した燃料集合体上部を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施例における燃料交換用治具を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施例における燃料交換用治具を装着した燃料集合体上部を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施例の変形例における燃料交換用治具を装着した燃料集合体上部を示す図である。
【図14】正方形燃料集合体と十字型制御棒から構成される現行BWRの燃料交換方法を示した概略図である。
【符号の説明】
【0057】
1 チャンネルボックス
2 燃料棒
3、62 燃料集合体
4、14、29 Y字型制御棒
4a 孔(凹部)
4b 溝(凹部)
63 十字型制御棒
5、66 炉内核計装管
6 炉心支持板
7、61 炉心上部格子板
8、8A、8B、13 燃料交換用治具
9 燃料集合体案内管
10 燃料交換用治具の制御棒固定用のピン(突起部)
11 燃料交換用治具ハンドル
11a ピン
12 燃料交換用治具固定用フック
15 山(凸部)
20 圧力容器
21 上蓋
22 蒸気乾燥器
23 気水分離器
30 板状部材
30a,30b 板部分
30A 板状部材
30c,30d,30e 板部分
31 円筒部材
31a 孔部
31b 傾斜面
32 炉内核計装管挿入孔
33 炉内核計装管固定部
33A 炉内核計装管固定部
40 引っ張りバネ
42 フック用ハンドル
43 ワイヤ
51 燃料支持金具
52 シュラウド
53 オペレーションフロア
54 燃料交換用マスト
55 原子炉ウェル
56 ガイドレール
57 燃料交換用台車
58 燃料貯蔵プール
64 ダブルブレードガイド
65 ローラー




 

 


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