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発明の名称 使用済み燃料収納容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−33242(P2007−33242A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−217194(P2005−217194)
出願日 平成17年7月27日(2005.7.27)
代理人 【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
発明者 林 眞琴 / 一ノ瀬 勝 / 中山 忠和
要約 課題
燃料経済性のために燃焼度を高めた使用済みの高燃焼度燃料を収納する場合、燃料の燃焼度の増加に伴って、使用済み燃料に含まれる超ウラン元素や核分裂生成物の量が増加し、崩壊熱が増加するので、伝熱性を高めるとともに、強度健全性も高めたバスケットプレート構造を提供する。

解決手段
胴本体内面に取り付けた円筒形状のサポートシリンダ11の内側に、バスケットプレート12の上下方向に板の縦方向幅の1/4の長さの切り欠きを複数設け、バスケットプレート12を互いに直交してはめ合わせ、バスケットプレート12の両端部の厚さ方向の中央部21を切り欠きその端部に突起22を設け、サポートシリンダ11の内面には突起22をはめ合わせる縦方向の2列の溝31を直交する2方向に多数設け、バスケットプレート12を溝31に2方向互い違いに差し込みバスケット構造を構成した使用済み燃料収納容器。
特許請求の範囲
【請求項1】
外周に中性子遮蔽体を有しγ線を遮蔽する胴本体のキャビティ内にバスケットプレートを用いて使用済み燃料集合体を収容する使用済み燃料収納容器において、
胴本体内面に取り付けた円筒形状のサポートシリンダの内側に、バスケットプレートの上下方向に板の縦方向幅の1/4の長さの切り欠きを複数設け、
前記バスケットプレートの両端部の厚さ方向中央部を切り欠きその端部に突起を設け、
前記サポートシリンダの内面には前記突起をはめ合わせる縦方向の2列の溝を直交する2方向に多数設け、
前記バスケットプレートを互いに直交してはめ合わせ、
前記バスケットプレートを前記溝に2方向互い違いに差し込みバスケット構造を構成することを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットの中央部ではバスケットプレートの両端部の厚さ方向中央部の切り欠き形状を矩形状とし、
バスケットの周辺部ではバスケットプレートの両端部の厚さ方向中央部の切り欠き形状を平行四辺形状とし、
左右2個の突起の長さを等長とし、
サポートシリンダの縦溝の半径方向寸法をほぼ等しくしたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の使用済み燃料収納容器において、
胴本体内面に取り付ける円筒形状のサポートシリンダの外径を胴本体の内径よりもやや大きくしておき、
胴本体を加熱するかまたはサポートシリンダを冷却した上ではめ合わせることを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートを互いに直交させて組み立て格子状の空間を形成して使用済み燃料集合体を収容し、
周辺の燃料集合体を収納できない空間には、前記空間の内面形状に合せた断面形状のアルミニウム合金管を配置したことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートを互いに直交させて組み立て格子状の空間を形成し、
バスケットプレートとサポートシリンダ内面に取り付けた断面が三角形状または四角形状の第2の部材とにより格子状空間を形成して使用済み燃料集合体を収容することを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項6】
請求項1に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートの長手方向に複数の貫通孔を設け、貫通孔の上下に貫通する孔を多数設けたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項7】
請求項1または6に記載の使用済み燃料収納容器において、
長手方向の貫通孔の下面をV字状としたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項8】
請求項1または6に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートの上下面に凹形状の窪みを設けたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項9】
請求項1または6に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートの上面をV字状の凹面とし、下面をV字状の凸面とし、上下積み重ねたときに凸面と凹面が互いにはめ合わせることを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項10】
請求項1または6に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートの上面を台形状の凹面とし、下面を上面の凹形状と同じ台形状の凸面とし、上下積み重ねたときに凸面と凹面が互いにはめ合わせることを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項11】
請求項6に記載の使用済み燃料収納容器において、
2枚の平板同士を上下方向3箇所の平板とねじ締結し2個の貫通孔を形成させたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項12】
請求項1に記載の使用済み燃料収納容器において、
バスケットプレートの上下方向の断面中央に長手方向の貫通孔を1個設け、上下方向両端は切り欠くとともに、切り欠き部の深さを上下方向長さの1/4としたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の使用済み燃料収納容器において、
前記バスケットプレートが、アルミニウム合金素材をアトマイズにより微粒子化し、平均粒径が5μm〜10μmの炭化ホウ素と混合し、それを加圧焼結させてから500℃付近で押し出し成形した部材であることを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項14】
請求項13に記載の使用済み燃料収納容器において、
添加する炭化ホウ素の含有量を2〜30%としたことを特徴とする使用済み燃料収納容器。
【請求項15】
請求項13または14に記載の使用済み燃料収納容器において、
前記バスケットプレートが、炭化ホウ素を含有するアルミニウム合金の表面をアルマイト処理し輻射率を高くした部材であることを特徴とする使用済み燃料収納容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み燃料収納容器に係り、特に、主として原子力発電所から発生する使用済み燃料を輸送または貯蔵する使用済み燃料収納容器のバスケット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電施設の炉心で一定期間使用された燃料は、炉心より取出されて使用済み燃料プールなどに一時保管される。ここで所定期間冷却された燃料は最終的に再処理工場に搬出されて、再処理されウランとプルトニウムを再資源として取出し再利用される。
【0003】
現在、原子力発電所で発生する使用済み燃料は電力需要の増加と共に増大しているので、再処理工場が稼動しても国内で発生する使用済み燃料は再処理工場での処理容量を上回ることになり、再処理されるまでの期間に適切に管理し貯蔵しなければならない。必要な貯蔵量は、2010年で4,400tU、2020年で7,100tUと推定されている。
【0004】
原子力発電所の敷地内または敷地外で管理し貯蔵する方法として、乾式キャスク貯蔵,ボールト貯蔵,サイロ貯蔵,コンクリートキャスク貯蔵などの乾式貯蔵方式と、水プールの湿式貯蔵方式とがある。コストと長期に亘る安定貯蔵を考えた場合に、乾式貯蔵が注目されている。
【0005】
乾式貯蔵方式のうち、現在国内で実用化されているキャスク貯蔵方式は、使用済み燃料収納容器である乾式キャスクの中に使用済み燃料を収納し貯蔵する方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この使用済み燃料を収納した乾式キャスクでは、未臨界,除熱,遮蔽,構造強度を保証できる構造であることが要求される。すなわち、使用済み燃料を収納するバスケット材料にはホウ素化合物を添加して、使用済み燃料から出てくる中性子を吸収して未臨界性を担保することが重要である。また、使用済み燃料集合体から放出される中性子線とγ線を吸収する部材を収納容器の外周部に設けることが必要である。さらに、使用済み燃料は崩壊熱により発熱し、その熱により被覆管の温度が過度に上昇した場合、クリープ破壊を生じる可能性があるので、崩壊熱を収納容器の効率よく外部に逃がすことが必要である。そのために、使用済み燃料を収納するバスケット構造やその周りの構造は、熱伝導率のできるだけ高い材料を用い、かつ、不連続部では伝熱特性が優れた構造にすることが重要である。
【0007】
【特許文献1】特開2001−201595号公報(第5〜7頁 図1〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
バスケットには、輸送,貯蔵時に受ける荷重に対して構造健全性を保つ強度の確保、使用済み燃料を収納したときに臨界になることを防ぐ未臨界性の確保、燃料から発生する崩壊熱を効率的に容器外表面に伝える伝熱性確保の3つの機能が求められる。
【0009】
近年、燃料経済性を高めるために、燃焼度を高めた高燃焼度燃料が使用されている。燃料の燃焼度の増加に伴って、使用済み燃料に含まれる超ウラン元素や核分裂生成物の量が増加し、崩壊熱も増加する。したがって、高燃焼度燃料を収納するためのバスケットとしては、伝熱性を高めることが特に重要となる。
【0010】
バスケットの伝熱性を高めるために、特許文献1では、バスケットプレート端部において使用済み燃料収納容器半径方向に凸部を設け、バスケットプレートと使用済み燃料収納容器本体との間に伝熱部材を配置して、バスケットプレートの凸部をはめ込み、伝熱性能を確保しようとしている。
【0011】
このバスケットは長手方向に水ギャップを確保するため貫通部を有しており、そこに凸部を設ける場合、伝熱面積を広く取れないので、伝熱性能が必ずしも十分とはいえない。
【0012】
また、貫通部を囲むように凸部を設けるため、凸部の板厚が薄くなるので、使用済み燃料収納容器の落下時などにおける荷重に対する強度の確保が困難となる。
【0013】
本発明の課題は、バスケットプレートからそれを支持するサポートシリンダへの伝熱性能を確保するとともに構造強度信頼性も確保したバスケットプレート構造とサポートシリンダ構造とを備えた使用済み燃料収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決するために、バスケットプレート長手方向端部の中央に切り欠きを設け、バスケットプレートを支えるサポートシリンダに設けた2列の溝にバスケットプレートの板厚を有する2個の突起板を差し込む構造とし、伝熱面積を凸部構造に対してほぼ2倍として伝熱性能を大幅に高めるとともに、2個の突起板で荷重を支え、構造強度健全性を確保した。
【0015】
特に、使用済み燃料収納容器本体キャビティの外周側のバスケットプレートにおいては、端部に切り欠く溝の形を左右非対称、すなわち、平行四辺形のように形状として2個の突起の長さを等しくし、サポートシリンダに加工する溝深さをほぼ同一として、伝熱性能を確保するとともに、サポートシリンダの板厚を薄くした。
【発明の効果】
【0016】
本発明の使用済み燃料収納用バスケットおよびサポートシリンダを備えた使用済み燃料収納容器によれば、十分な構造強度を保持した上で、バスケットの除熱性能を高め、製造コストを下げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図1〜図22を参照して、本発明による使用済み燃料収納容器の実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
図2は、本発明による使用済み燃料収納容器の全体構造の一例を示す斜視図である。
【0019】
この容器は、合金鋼製の底部を有する筒状の本体1に、放射性物質の外部への漏洩を防止するために、図2では省略されている多数のボルトにより、2重の一次蓋2と二次蓋4が、取り付けられている。特に、一次蓋2の内部には、原子力発電所の燃料プールにおいて使用済み燃料を挿入して一次蓋2で封入した後、クレーンで吊り上げてオペレーションフロアに移動させる作業での被爆量を低減させるため、中性子遮蔽材として中性子吸収能力の高いホウ素を多量に含むレジン3を封じ込めてある。
【0020】
本体1の外周側には、周方向を等角度で分割するように炭素鋼フィン5を設け、その先端を繋ぐように八つ橋状の曲げ円板を溶接により取り付けて外筒6を形成する。この外筒6と、炭素鋼フィン5および収納容器本体1で囲まれた空間には、熱伝導率の高いアルミニウム合金製の伝熱フィン7が多数配置されている。それらの開いた空間には、中性子遮蔽材としてのホウ素を多量に含むレジン8を鋳込んである。外筒6の両端には収納容器1の万一の落下時に衝撃荷重を緩和するための図示してない緩衝体を取り付ける端板9も設けてある。さらに、収納容器のクレーンによる運搬の際に吊り具を懸けるトラニオン10を収納容器の上部に4個設け、下部に2個設けてある。本体1の内側にはサポートシリンダ11を挿入してあり、その中にバスケット構造12が組み込まれる。このバスケット構造は格子状に組まれており、その中に使用済み燃料集合体15を収納する。
【0021】
図1は、本発明による使用済み燃料収納容器の断面構造を示す平面図である。
【0022】
図1では、使用済み燃料収納容器本体外周部の中性子遮蔽部と外筒は省略してある。使用済み燃料収納容器本体1の内側にはサポートシリンダ11を挿入してある。このサポートシリンダ11の内側には互いに直交する溝を加工してある。その溝にバスケットプレート12を差し込んでバスケット構造を組み立てる。バスケットプレート12は中性子吸収材を含むアルミニウム合金である。中性子吸収材としては、炭化ホウ素BCを添加する。そのホウ素濃度は重量比で2%〜10%であり、収納する使用済み燃料に応じて濃度を調整する。このバスケットプレートには、基本的には、上下方向の上側と下側にそれぞれ板幅の1/4の深さの溝を加工する。
【0023】
図3は、本発明によるバスケットプレートの溝の加工状況を示す斜視図である。
【0024】
バスケットプレート12の中間段12aには前述のように、上下方向の上側と下側に板幅の1/4の深さの溝13、14を加工する。その長手方向の間隔は収納する使用済み燃料の幅より少し広い。バスケットプレート12の最上段12bには下側だけに溝14bを加工する。図3には図示していないが、バスケットプレート12の最下段12cには、上側だけに溝を加工する。これらのバスケットプレートを溝の部分で互いに直交させてはめ合わせ、垂直な方向に積み上げると、いわゆる菓子折り構造で、使用済み燃料を挿入する格子構造を形成できる。
【0025】
図4は、本発明によるバスケット構造の組み上げ状態を示す斜視図である。図4には、中間段12aを3段とした例を示してある。
【0026】
図4に示すように、このバスケットプレート12を垂直方向に積み上げるときは、実際には、サポートシリンダ11の内面に加工した多数の直交する縦溝に沿って、上方からバスケットプレートを差し込む。このとき、まずは、最下段を全て差し込んでから、直交する第2段を差し込む。これを繰り返して最後に最上段を差し込み、バスケットプレート構造を組み上げる。このように直交する縦溝を有するサポートシリンダ11に菓子折り構造のバスケットプレート12を差し込むことで組み上げられるので、溶接作業を必要としないので、組み立て時間が短時間で済む。また、溶接構造でないので、信頼性が高い。
【0027】
このホウ素入りアルミニウム合金製のバスケットプレート12により収納した燃料集合体15の未臨界を保証するとともに、燃料集合体から崩壊熱により発生する熱を、サポートシリンダ11、本体1、伝熱フィン7、レジン8、炭素鋼フィン5、外筒6、または、一次蓋2、二次蓋3を介して外部に効率よく放熱する。ホウ素入りアルミニウム合金の熱伝導率は添加されている炭化ホウ素の濃度に依存し、ホウ素濃度が増加するにつれて熱伝導率が低下し、2%から10%の範囲では、約200W/m・Kから約150W/m・Kである。
【0028】
図5から図7にバスケットプレート12のサポートシリンダ11にはめ合わせる端部の構造を示す。
【0029】
図5は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す平面図である。
【0030】
図5はサポートシリンダ11の中央部に配置されたバスケットプレート12の端部形状である。バスケットプレート12の端部の断面中央部に矩形状の切り欠き21aを加工し、両側に2つの突起部22a,22bを設ける。一方、サポートシリンダ11の内側には、バスケットプレート12の両側の突起部22a,22bに対応する位置に縦溝31a,31bを加工し、その縦溝にバスケットプレート12の突起部をはめ合わせる。このように両側に突起を設けると、突起の両側の面がサポートシリンダ11の縦溝31a,31bの内面と接触熱伝導、または輻射伝導するため、バスケットプレート12とサポートシリンダ11との間の熱抵抗を小さくできる。
【0031】
図6および図7は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す平面図である。
【0032】
図6と図7は、サポートシリンダ11の外周側に配置されたバスケットプレート12の端部形状である。バスケットプレート12の端部の断面中央部にバスケットプレートの側面側を平行面とする平行四辺形の切り欠き21bを加工し、両側に2つの突き出し長さの等しい突起部22c,22dを設ける。一方、サポートシリンダ11の内側には、バスケットプレート12の両側の突起部22c,22dに対応する位置に縦溝31c,31dを加工し、その縦溝にバスケットプレート12の突起部をはめ合わせる。このような突起形状にすると、図5のように突起先端部を揃えた場合と比べて、サポートシリンダサポートシリンダ11の板厚を薄くできる。
【実施例2】
【0033】
図8は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す斜視図である。
【0034】
図8には、別の実施例と併せて、バスケットプレート12の端部の3次元形状を示す。バスケットプレート12の長手方向には貫通孔23a,23bを開ける。
【0035】
図9は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【0036】
図8に示したように、端部には切り欠き21を加工し、バスケットプレート12の両側に突起部22a,22bを設ける。バスケットプレート12の長手方向の途中には上下方向に縦方向幅の1/4の長さの切り欠き13b,14aを複数設ける。また、バスケットプレート12の上板24、中間板25および下板26には水抜き孔27a,27b,27cを多数開ける。使用済み燃料収納容器への使用済み燃料集合体15の収納方法は次の通りである。使用済み燃料収納容器を原子力発電所の燃料貯蔵プールに沈め、貯蔵プール内の燃料ラックに収納してあった使用済み燃料を燃料棒交換装置を用いて使用済み燃料収納容器に移す。使用済み燃料収納容器が満杯になると、一次蓋を取り付けて、使用済み燃料収納容器はオペレーティングフロアに移動する。次いで、使用済み燃料収納容器内の水を抜く。このとき、バスケットプレート内の水が抜けやすくするために、水抜き孔27を設ける。
【実施例3】
【0037】
図10は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【0038】
図10には別の実施例を示す。実施例2で説明したように、使用済み燃料収納容器に使用済み燃料集合体15を収納してから使用済み燃料収納容器内の水を抜くのは非常に手間が掛かる作業である。水を抜いた後は、真空乾燥により内部の水分を取り除く。できるだけ短時間で乾燥させるためには、極力水分を抜いておくことが必要である。バスケットプレート12の貫通孔23a,23bの内部に溜まった水を抜けやすくするためには流路を形成することが肝要である。そこで、図9に示したように、バスケットプレート12の上板24、中間板25および下板26には水抜き孔27a,27b,27cを多数開ける。中間板25や下板26の上面は水平であるので、水が抜け難い。そこで、図10に示したように、水が溜まりやすい中間板26と下板26の上側をV字形状として水が流れやすくする。
【実施例4】
【0039】
図11は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【0040】
図10に示した構造では、バスケットプレート12の上面と下面の間が密着して隙間を形成するので、その隙間に表面張力により水が溜まり抜け難い。そのため、隙間部を極力排除するため、図11のように、バスケットプレート12の上面と下面に凹み部28a,28bを設ける。
【実施例5】
【0041】
図12は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図であり、図13は、図12のバスケットプレートの組み立て状態を示す断面図である。
【0042】
バスケットプレート12を図4に示したように菓子折り構造にして上下方向に積み上げたとき、上下のバスケットプレート12の加工精度が悪い場合、バスケットプレート12の上下間で段差ができ、そこで収納する使用済み燃料集合体15がぶつかる可能性がある。それをできるだけ排除するため、図12では、バスケットプレートの上面24をV字状の凹面29とし、下面26をV字状の凸面30とし、図13に示したように、上下積み重ねたときに凸面と凹面を互いにはめ合わせ、上下のバスケットプレート12の寸法公差や長手方向の曲がりなどに起因する段差を極力少なくする。
【実施例6】
【0043】
図14は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図であり、図15は、図14のバスケットプレートの組み立て状態を示す断面図である。
【0044】
バスケットプレート12の上面を台形状の凹面31とし、下面26を上面24の凹形状と同じ台形状の凸面32とし、上下積み重ねたときに凸面と凹面を互いにはめ合わせ、上下バスケットプレート12の間の段差をなくす。
【実施例7】
【0045】
図16は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【0046】
図9から図16に示したバスケットプレートは後述するような押し出し加工により成形する。しかし、ホウ素添加量が増えた場合には、押し出し加工に要する費用が高額となる。そこで、ホウ素添加量が多い場合には、図16に示したように、2枚の平板同士41a,41bを上下方向3箇所の平板42、43、44とねじ45で締結し、2個の貫通孔23a,23bを形成させる。このような平板であれば、押し出し成形費用を抑えることが可能となるので、使用済み燃料収納容器の製造コストを低減できる。この場合、バスケットプレート12の上板42、中間板43、下板44周りの形状は、前述の図10から図15のような形状にしてもよい。
【実施例8】
【0047】
図17,図18,図19は、本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図であり、図20は、図17のバスケットプレートの構造を示す斜視図である。
【0048】
図17には別の実施例を示す。図9から図16にはバスケットプレート12には長手方向に貫通孔23を2個設けてある。バスケットプレート12には上下方向に板の縦方向幅の1/4の長さの切り欠きを複数設けてある。
【0049】
バスケットプレート12の強度設計上、最も厳しい条件は使用済み燃料収納容器の水平落下に対する健全性である。水平落下時には、バスケットプレートの横方向に荷重が掛かることになる。そのとき、切り欠きが縦方向幅の1/4の長さで設けてあるので、上板24と下板26は荷重分担しないことになり、無駄な構造となる。
【0050】
そこで、図17に示したように、バスケットプレート12の上下方向の断面中央に長手方向の貫通孔51を1個設け、上下方向両端は切り欠くとともに、切り欠き部52a,52bの深さを上下方向長さの1/4とする。このようにすると、上板53と下板55が効果的に荷重分担することになり、強度上は中間板がなくなること、および、強度が増した分上板53と下板55を薄くできるので、バスケットプレートを軽量化できる。
【0051】
図18には上板53と下板55の断面を水抜きしやすい形状にした例を示す。
【0052】
図19は水平落下荷重に対して、図17や図18の形状では強度が不足する場合に、中間板54を追加した構造である。
【0053】
図20には、図17の断面構造のバスケットプレートの3次元構造を示す図である。
【実施例9】
【0054】
バスケット構造内部に収納した使用済み燃料集合体15の崩壊熱を、バスケットプレート12、サポートシリンダ11、使用済み燃料収納容器本体1などを介して外部に放熱する。途中の熱抵抗は、極力低減することが望ましい。そこで、使用済み燃料収納容器本体1内面に取り付ける円筒形状のサポートシリンダ11の外径を使用済み燃料収納容器本体の内径よりもやや大きくしておき、使用済み燃料収納容器本体1を加熱するか、または、サポートシリンダ11を冷却した上で両者をはめ合わせる。これにより使用済み燃料収納容器本体1とサポートシリンダ11を密着させて、この間の熱抵抗を減少させ、使用済み燃料収納容器中心部の温度を低下させる。
【実施例10】
【0055】
バスケットプレート12を互いに直交させて組み立て格子状の空間を形成するときに、形状寸法によっては、バスケットプレート12をサポートシリンダに取り付けられない場合がある。図1の場合、バスケット構造の中心部では16個の使用済み燃料集合体15を収納できる格子ができている。
【0056】
これに対して、周辺部では、使用済み燃料集合体15を収納できる寸法はあるものの、バスケットプレート12をサポートシリンダに取り付けられない。このような場合、水平断面が三角形状または四角形状の支持部材61をサポートシリンダ内面に取り付け、これとバスケットプレート12とにより格子状空間を形成して使用済み燃料集合体15を24個収容できるようにする。
【実施例11】
【0057】
図21は、本発明による伝熱管を配置した使用済み燃料収納容器の断面構造を示す平面図である。
【0058】
バスケットプレート12を互いに直交させて組み立て格子状の空間を形成して使用済み燃料集合体15を収容する。バスケットプレート12の材質として、ホウ素濃度が高い場合には、熱伝導率が低いので、使用済み燃料収納容器中心部の冷却が不十分となることがある。そのため、周辺の燃料集合体を収納できない空間に、その空間の内面形状に合せた断面形状のアルミニウム合金管62,63を配置する。これによってバスケットプレート12とサポートシリンダ11との間の熱抵抗を減少させる。アルミニウム合金管の材質としては、熱伝導率の高いA1100などを使用する。
【実施例12】
【0059】
図22は、本発明によるバスケットプレートの製造手順を示すフローチャートである。
【0060】
まず、アルミニウム合金素材のインゴットを電解法などにより製造する。そのアルミニウム合金素材をアトマイズにより直径20〜30μm程度に微粒子化したアルミニウム粉末を製造する。それとは別に、平均粒径が5〜10μmの炭化ホウ素を製造する。アルミニウム合金粉末と炭化ホウ素粉末を十分均一になるように混合する。それを一旦円筒形状のゴム型に充填する。次に加圧焼結させてビレットを成形する。そして、500℃付近まで加熱してから押し出し成形する。このとき、十分な強度が得られるように押し出し直後は200〜300℃/minの冷却速度となるように強制空冷する。
【0061】
以上の実施例において、バスケットプレート12に使用するホウ素添加アルミニウム合金では、収納する使用済み燃料集合体15の燃料条件に応じて、添加する炭化ホウ素量を2〜30%で調整する。
【0062】
使用済み燃料集合体15の崩壊熱は、まずは、バスケットプレート12に部分的な接触と輻射により伝えられる。輻射率はバスケットプレート12の表面状態に依存する。押し出しのままでは輻射率は高々0.05である。これに対して、アルマイト処理すると、輻射率は0.8程度まで高くできる。これによって燃料被覆管の温度をかなり低下させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による使用済み燃料収納容器の断面構造を示す平面図である。
【図2】本発明による使用済み燃料収納容器の全体構造の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明によるバスケットプレートの溝の加工状況を示す斜視図である。
【図4】本発明によるバスケット構造の組み上げ状態を示す斜視図である。
【図5】本発明によるバスケットプレートの構造を示す平面図である。
【図6】本発明によるバスケットプレートの構造を示す平面図である。
【図7】本発明によるバスケットプレートの構造を示す平面図である。
【図8】本発明によるバスケットプレートの構造を示す斜視図である。
【図9】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図10】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図11】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図12】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図13】本発明によるバスケットプレートの組み立て状態を示す断面図である。
【図14】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図15】本発明によるバスケットプレートの組み立て状態を示す断面図である。
【図16】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図17】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図18】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図19】本発明によるバスケットプレートの構造を示す断面図である。
【図20】図17のバスケットプレートの構造を示す斜視図である。
【図21】本発明による伝熱管を配置した使用済み燃料収納容器の断面構造を示す平面図である。
【図22】本発明によるバスケットプレートの製造手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 放射性物質収納容器
2 一次蓋
3 レジン
4 二次蓋
5 炭素鋼フィン
6 外筒
7 伝熱フィン
8 レジン(中性子吸収材)
9 下部端板
10 トラニオン
11 サポートシリンダ
12 バスケットプレート
13,14 切り欠き
15 使用済み燃料集合体
21 切り欠き
22 突起
23 貫通孔
24 上板
25 中間板
26 下板
27 水抜き孔
28 凹み部
29 V字状の凹面
30 V字状の凸面
31 縦溝
32 台形状の凹面
33 台形状の凸面
41 平板
42 上板
43 中間板
44 下板
45 ねじ
51 貫通孔
52 切り欠き部
53 上板
54 中間板
55 下板
61 支持部材
62,63 伝熱管




 

 


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